JP2003265954A - 光触媒 - Google Patents

光触媒

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JP2003265954A JP2002299288A JP2002299288A JP2003265954A JP 2003265954 A JP2003265954 A JP 2003265954A JP 2002299288 A JP2002299288 A JP 2002299288A JP 2002299288 A JP2002299288 A JP 2002299288A JP 2003265954 A JP2003265954 A JP 2003265954A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 幅広い波長領域の光に対して十分に高い光触
媒活性を示し、コストや取扱い性の点で有用な光触媒お
よびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 本発明の光触媒は、二酸化チタンと、該
二酸化チタンの禁制帯幅よりも狭い禁制帯幅を有する第
2の半導体材料とを含有し、該二酸化チタンと該第2の
半導体材料とが接触していることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光触媒に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】光励起により触媒活性を示す不均一系触
媒として種々の半導体材料が知られている。例えば二酸
化チタン(TiO2)は、紫外線などの短波長の光を照
射することにより励起され、エチレンや有臭の有機ガス
の分解反応などにおいて触媒活性を示すことが知られて
いる。また、ゲルマニウム(Ge)やシリコン(Si)
は、二酸化チタンの場合よりも長波長の光により励起さ
れる性質を有することが知られている。しかし、これら
の半導体材料の1種を単独で用いたときの触媒活性は必
ずしも十分とは言えない。
【0003】そこで、光触媒の触媒活性の向上を図るべ
く、2種以上の半導体材料を組み合わせた光触媒が提案
されている。例えば、二酸化チタンなどの半導体粒子
と、銀(Ag)などの金属粒子またはケイ素粒子とを基
材上に溶射して得られる光触媒機能体(例えば特許文献
1)、シリコンとシリコンカーバイド(SiC)とを組
み合わせることで水の光分解などを促進する光触媒(例
えば特許文献2)などが知られている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−334311号公報
【0005】
【特許文献2】特開昭61−222542号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
許文献1に記載の光触媒機能体のように二酸化チタンな
どのバンドギャップエネルギーの大きい半導体材料を用
いるものは、触媒活性の発現のために紫外線などの短波
長の光を照射する必要がある。従って、例えば太陽光を
利用した光反応にかかる光触媒機能体を適用しても、光
励起に寄与するのは太陽光のうちのごく一部の光であ
り、その反応効率は極めて低いものとなる。
【0007】また、上記特許文献1には、二酸化チタン
を溶射した後急冷することによって二酸化チタン中のア
ナターゼ型結晶の割合を増加することができ、これによ
り触媒活性が向上することが記載されている。しかし、
このように二酸化チタンを溶融する方法ではアナターゼ
型結晶からルチル型結晶への変質を十分に防止すること
ができず、二酸化チタンと他の半導体材料との複合型触
媒において十分な触媒活性を得ることは非常に困難であ
る。
【0008】また、特許文献2に記載の光触媒は、二酸
化チタンを利用する場合に比べて長波長の光の照射によ
り触媒活性を示すという利点を有するが、その触媒活性
は必ずしも高いものではない。さらに、かかる光触媒に
おいては、シリコン層とシリコンカーバイド層とを積層
して薄膜状とし、さらに2層間に導電層を介在させる必
要があるなどの構成上の制限があり、コスト高にならざ
るを得ず取扱いも不便である。
【0009】本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑
みてなされたものであり、幅広い波長領域の光に対して
十分に高い光触媒活性を示し、コストや取扱い性の点で
有用な光触媒およびその製造方法を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の光触媒は、二酸化チタンと、該二酸化チタ
ンの禁制帯幅よりも狭い禁制帯幅を有する第2の半導体
材料とを含有し、該二酸化チタンと該第2の半導体材料
とが接触していることを特徴とする。
【0011】本発明の光触媒においては、二酸化チタン
と、その禁制帯幅(3.2eV)よりも狭い禁制帯幅を
有する第2の半導体材料との相互作用によって、十分に
広い波長領域において光励起が発現すると共に、光励起
により生じる電子−正孔対が両者の接触部位を介して触
媒活性点に伝導されて触媒反応に寄与することとなる。
従って、紫外線のような短波長の光だけでなく比較的長
波長の光によっても光触媒反応を行うことができ、ま
た、かかる反応における触媒活性を十分に高めることが
できる。
【0012】本発明の光触媒においては、第2の半導体
材料がシリコンおよび/またはシリコンカーバイドであ
ることが好ましい。これにより、より広い波長領域にお
いて光励起を発現させることができ、光触媒の触媒活性
をより高めることができる。
【0013】また、本発明の光触媒の製造方法は、二酸
化チタンおよび該二酸化チタンよりも狭い禁制帯幅を有
する第2の半導体材料の少なくとも一方に機械的エネル
ギーを付与して、該二酸化チタンと該第2の半導体材料
とが接触した光触媒を得ることを特徴とする。これによ
り、アナターゼ型結晶からルチル型結晶への変質が十分
に防止されるので、本発明の光触媒を容易に且つ確実に
得ることができる。
【0014】本発明の光触媒の製造方法においては、二
酸化チタンとして平均粒径1〜100μmの二酸化チタ
ン微粒子を用い、該二酸化チタン微粒子を所定の噴射圧
力で第2の半導体材料に吹き付けることが好ましい。か
かる方法によれば、アナターゼ型結晶からルチル型結晶
への変質をより確実に防止することができる。また、二
酸化チタンと第2の半導体材料との間にバインダーを介
在させなくとも、二酸化チタンが第2の半導体材料の表
面に安定的に保持されるので、二酸化チタンと第2半導
体材料との接触効率が増加して光触媒の触媒活性をより
向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて詳細に説明する。
【0016】本発明の光触媒に含まれる二酸化チタンに
おいては、アナターゼ型結晶の割合が60重量%以上で
あることが好ましく、80重量%以上であることが好ま
しい。該二酸化チタン中のアナターゼ型結晶の割合が6
0%未満であると触媒活性が不十分となる傾向にある。
なお、アナターゼ型結晶以外の二酸化チタンは、通常、
ルチル型結晶である。
【0017】また、本発明の光触媒は、上記の二酸化チ
タンに加えて、該二酸化チタンの禁制帯幅(3.2e
V)よりも狭い禁制帯幅を有する第2の半導体材料を含
有するものであり、二酸化チタンと第2の半導体材料と
は接触した状態で保持される。これにより、十分に広い
波長領域において光励起が発現すると共に、光励起によ
り生じる電子−正孔対が両者の接触部位を介して触媒活
性点に伝導されて触媒反応に寄与することとなるので、
紫外線などの短波長の光だけでなく可視光などの長波長
の光によっても光触媒反応を行うことができ、また、か
かる反応における触媒活性を十分に高めることができ
る。
【0018】第2の半導体材料としては、シリコン(S
i、禁制帯幅:1.1eV)、α−シリコンカーバイド
(α−SiC、禁制帯幅:3.0eV)、β−シリコン
カーバイド(β−SiC、禁制帯幅:2.2eV)、酸
化タングステン(WO3、禁制帯幅:2.7eV)、酸
化第二鉄(Fe23、禁制帯幅:2.2eV)、酸化第
一銅(Cu2O、禁制帯幅:2.2eV)、酸化インジ
ウム(In23)、チタン酸鉄(FeTiO3、禁制帯
幅:2.8eV)、一酸化鉛(PbO、禁制帯幅:2.
8eV)、五酸化バナジウム(V25、禁制帯幅:2.
8eV)、三酸化ビスマス(Bi23、禁制帯幅:2.
8eV)、三酸化ニオブ(Nb23、禁制帯幅:3.0
eV)、砒化ガリウム(GaAs、禁制帯幅:1.4e
V)、セレン化カドミウム(CdSe、禁制帯幅:1.
7eV)、リン化ガリウム(GaP、禁制帯幅:2.3
eV)、硫化カドミウム(CdS、禁制帯幅:2.4e
V)、リン化アルミニウム(AlP、禁制帯幅:2.5
eV)、砒化アルミニウム(AlAs、禁制帯幅:2.
1eV)、セレン化亜鉛(ZnSe、禁制帯幅:2.7
eV)、アンチモン化アルミニウム(AlSb、禁制帯
幅:1.6eV)、テルル化亜鉛(ZnTe、禁制帯
幅:2.3eV)、テルル化カドミウム(CdTe、禁
制帯幅:2.3eV)、アンチモン化ガリウム(GaS
b、禁制帯幅:0.7eV)、硫化水銀(HgS、禁制
帯幅:2.5eV)、リン化インジウム(InP、禁制
帯幅:1.4eV)、砒化インジウム(InAs、禁制
帯幅:0.4eV)、アンチモン化インジウム(InS
b、禁制帯幅:0.2eV)、ゲルマニウム(Ge、禁
制帯幅:0.7eV)、その他、Mg2Si、Ca2Si
などの金属シリサイド(禁制帯幅:0.1〜2.3e
V)、CuAlS2などのカルコパイライト型化合物
(禁制帯幅:0.2〜3.0eV)などが挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合
わせて用いてもよい。これらの半導体材料の中でも、よ
り高い触媒活性向上効果が得られる点で、禁制帯幅が
0.5〜3.0eVのものを用いることが好ましく、シ
リコンおよび/またはシリコンカーバイドを用いること
が特に好ましい。
【0019】二酸化チタンと第2の半導体材料との含有
割合は、光触媒の触媒活性が損なわれない限り特に制限
されないが、5:95〜95:5の範囲内であることが
好ましく、30:70〜70:30の範囲内であること
がより好ましい。当該含有割合が前記の範囲外である
と、二酸化チタンと第2の半導体材料との接触効率が低
下して、光励起における相乗効果、並びに電子−正孔対
の触媒活性点への伝導による触媒活性向上効果が不十分
となる傾向にある。
【0020】本発明の光触媒においては、二酸化チタン
と第2の半導体材料とが相互に接触している限り、アル
ミナ、ジルコニア、金属アルコキシド、オルガノシロキ
サン系化合物、ケイ酸塩系化合物などの無機バインダ
ー、アクリル系化合物、エポキシ系化合物、フッ素系化
合物などの有機バインダー、無機成分を有機バインダー
に分散させたものなどを用いて両者を保持してもよい。
しかしながら、二酸化チタンと第2の半導体材料との接
触効率の点から、二酸化チタンまたは第2の半導体材料
の一方を他方に直接担持することが好ましい。より具体
的には、二酸化チタンまたは第2の半導体材料のうちの
一方を所定の基板上に薄膜状に成形し、その薄膜上に他
方を積層したものが好ましい。また、二酸化チタンまた
は第2の半導体材料のうちの一方が微粒子である場合に
は、その微粒子の表面に他方を担持して微粒子状の光触
媒としてもよい。これらの光触媒は、後述する本発明の
光触媒の製造方法により得ることができる。
【0021】すなわち、本発明の光触媒の製造方法は、
二酸化チタンおよび該二酸化チタンの禁制帯幅よりも狭
い禁制帯幅を有する第2の半導体材料の少なくとも一方
に機械的エネルギーを付与して、該二酸化チタンと該第
2の半導体材料とが接触した光触媒を得ることを特徴と
するものである。これにより、二酸化チタンにおけるア
ナターゼ型結晶からルチル型結晶への変質が十分に防止
されるので、十分に高濃度のアナターゼ型結晶を含有す
る本発明の光触媒を容易に且つ確実に得ることができ
る。
【0022】本発明の製造方法における温度は、好まし
くは700℃以下であり、より好ましくは500℃以下
である。温度が前記上限値を超えると、アナターゼ型結
晶からルチル型結晶への変質を十分に防止することがで
きない。
【0023】また、二酸化チタンおよび/または第2の
半導体材料への機械的エネルギーの付与は、いわゆるシ
ョットブラスト処理により好適に行うことができる。シ
ョットブラスト処理とは、一方の微粒子を所定の圧力で
他方に吹き付けて両者を高速で衝突させるものであり、
これによりバインダーを用いずとも二酸化チタンおよび
第2の半導体材料を安定的に保持することができ、両者
の接触効率を高めることができる。
【0024】ここで、ショットブラスト処理において
は、二酸化チタンまたは第2の半導体材料のうち硬い
(硬度の大きい)成分を軟らかい(硬度の小さい)成分
に向けて吹き付けることが好ましい。例えば第2の半導
体材料がシリコンおよび/またはシリコンカーバイドで
ある場合には、二酸化チタン微粒子をシリコンおよび/
またはシリコンカーバイドに吹き付けることが好まし
い。
【0025】また、ショットブラスト処理において用い
られる微粒子の平均粒径は、1〜100μmが好まし
く、5〜20μmがより好ましい。微粒子の平均粒径が
前記上限値を超えると、二酸化チタンと第2の半導体材
料との接触効率が低下する傾向にある。他方、微粒子の
平均粒径が前記下限値未満であると、製造効率が低下す
る傾向にある。また、微粒子の噴射圧力および投射速度
は、それぞれ二酸化チタンと第2の半導体材料との組み
合わせなどに応じて適宜選定されるものであるが、噴射
圧力は0.1〜0.6MPaであることが好ましく、投
射速度は20〜240m/秒であることが好ましい。
【0026】また、微粒子が吹き付けられる側の成分の
形状は、薄膜状であっても微粒子状であってもよいが、
吹き付ける微粒子を均一に且つ確実に担持できる点で薄
膜状であることが好ましい。この薄膜も、ショットブラ
スト処理、すなわち当該成分を所定の圧力で基板上に吹
き付けることにより成形することができる。
【0027】より具体的には、先ず、第2の半導体材料
からなる微粒子を基板の一方面に吹き付けることで、当
該基板上に第2の半導体材料からなる膜が形成される。
かかる基板としては、アルミニウム製基板、ステンレス
鋼製基板などが好ましく用いられる。次いで、二酸化チ
タン微粒子を第2の半導体材料からなる膜に向けて吹き
付けることで、第2の半導体材料からなる膜上に二酸化
チタン膜が形成されて目的の光触媒が得られる。このよ
うにして、二酸化チタン膜/シリコン膜、二酸化チタン
膜/シリコンカーバイド膜などの構成を有する光触媒の
製造を有効に実施することができる。
【0028】上記のショットブラスト処理は、例えば空
気雰囲気下で行ってもよいが、アナターゼ型結晶からル
チル型結晶への変質を防止する点から、窒素、アルゴン
などの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
【0029】上記の製造方法により得られる本発明の光
触媒が薄膜状である場合、二酸化チタンおよび第2の半
導体材料の各層の膜厚は、0.01〜30μmであるこ
とが好ましい。当該膜厚が前記上限値を超えると、光励
起により生じる電子−正孔対の触媒活性点への伝導効率
が低下する傾向にある。他方、膜厚が前記下限値未満で
ある層を均一に形成することは必ずしも容易でなく、製
造効率の点で好ましくない。
【0030】本発明の光触媒は、上述のように優れた触
媒活性を有するものであり、様々な光触媒反応に好適に
適用することができる。かかる光触媒反応としては、具
体的には、アンモニアの分解反応、水の分解による水素
発生反応などが挙げられる。また、さび止め、汚れ成分
の付着防止、空気清浄(例えばアセトアルデヒドなどの
悪臭成分の除去)などの用途にも本発明の光触媒は非常
に有用である。
【0031】
【実施例】以下、実施例および比較例に基づいて本発明
をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に
何ら限定されるものではない。
【0032】[実施例1] (光触媒の調製)先ず、シリコン微粒子(平均粒径:5
0μm)をショットブラスト装置(直圧型空気圧縮方
式、以下同様である)に充填し、室温下、噴射圧力0.
4MPa、投射速度150m/秒でアルミニウム製基板
(縦:18mm、横:20mm、厚み:4mm)の一方
の面の全体に吹き付けて、膜厚0.1〜5μm、表面積
3600mm2のシリコン膜を成形した。
【0033】次に、二酸化チタン(アナターゼ型結晶:
100重量%、平均粒径:10μm)をショットブラス
ト装置に充填し、室温下、噴射圧力0.4MPa、投射
速度150m/秒で上記のシリコン膜上に吹き付けた。
これにより膜厚0.1〜5μm、表面積3600mm2
の二酸化チタン膜(アナターゼ型結晶の含有割合:80
重量%)を成形し、目的の光触媒を得た。
【0034】(悪臭除去性能評価試験)得られた光触媒
を反応管に入れて閉鎖系循環ラインの所定の位置に装着
し、アセトアルデヒドと空気との混合ガス(アセトアル
デヒドの初期濃度:20ppm、全量:10l)を4l
/分で循環させながら光照射を行い、ガス検知管(光明
理化学工業製)を用いてアセトアルデヒド濃度を測定し
た。本実施例では、光源1としてキセノンランプ(ウシ
オ電機製、出力:500W)、光源2として光源1の後
段にシャープカットフィルタ(スルガ精機製)を配置し
て波長420nm以下の光を遮蔽したもの、の2種を使
用した。また、装置内に光源以外の光が照射しないよう
に遮光した状態とし、温度は室温に維持した。
【0035】本試験における反応時間(光照射時間)と
アセトアルデヒド濃度との相関について、光源1を使用
した場合を図1、光源2を使用した場合を図2にそれぞ
れ示す。
【0036】[実施例2]実施例1におけるシリコン微
粒子の代わりにシリコンカーバイド(平均粒径:50μ
m)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光触媒
の調製を行った。二酸化チタン膜中のアナターゼ型結晶
の含有率は80重量%であった。
【0037】次に、得られた光触媒を用い、実施例1と
同様にして悪臭除去性能試験を行った。本試験における
反応時間(光照射時間)とアセトアルデヒド濃度との相
関について、光源1を使用した場合を図1、光源2を使
用した場合を図2にそれぞれ示す。
【0038】[比較例1]実施例1で用いたアルミニウ
ム製基板をそのまま光触媒として用い、実施例1と同様
の悪臭除去性能試験を行った。本試験における反応時間
(光照射時間)とアセトアルデヒド濃度との相関につい
て、光源1を使用した場合を図1、光源2を使用した場
合を図2にそれぞれ示す。
【0039】[比較例2]シリコン膜の成形を行わず、
アルミニウム製基板上に二酸化チタンを吹き付けて二酸
化チタン膜を成形したこと以外は実施例1と同様にして
光触媒を調製した。
【0040】次に、得られた光触媒を用い、実施例1と
同様にして悪臭除去性能試験を行った。本試験における
反応時間(光照射時間)とアセトアルデヒド濃度との相
関について、光源1を使用した場合を図1、光源2を使
用した場合を図2にそれぞれ示す。
【0041】[比較例3]実施例1と同様にしてアルミ
ニウム製基板上にシリコン膜を成形した後、二酸化チタ
ン膜の成形を行わなかったものを光触媒として用い、実
施例1と同様の悪臭除去性能試験を行った。本試験にお
ける反応時間(光照射時間)とアセトアルデヒド濃度と
の相関について、光源1を使用した場合を図1、光源2
を使用した場合を図2にそれぞれ示す。
【0042】[比較例4]実施例2と同様にしてアルミ
ニウム製基板上にシリコンカーバイド膜を成形した後、
二酸化チタン膜の成形を行わなかったものを光触媒とし
て用い、実施例1と同様の悪臭除去性能試験を行った。
本試験における反応時間(光照射時間)とアセトアルデ
ヒド濃度との相関について、光源1を使用した場合を図
1、光源2を使用した場合を図2にそれぞれ示す。
【0043】図1に示したように、光源1を使用した試
験では、実施例1、2においてはいずれもアセトアルデ
ヒド濃度が十分に低減されており、各光触媒が十分に高
い触媒活性を有していることが確認された。また、光源
2を使用した試験でも、波長420nm以下の光を遮蔽
したことによる影響がほとんどなく、実施例1、2にお
いてはいずれもアセトアルデヒド濃度が十分に低減され
ており、各光触媒がが十分に高い触媒活性を有している
ことが確認された。
【0044】これに対して、比較例1、3、4において
は、光源1、2のいずれを使用した場合にもアセトアル
デヒド濃度を低減することができなかった。また、比較
例2においては、光源1を使用した場合にはアセトアル
デヒド濃度の低減効果は実施例1、2に劣るものであ
り、さらに、光源2を使用した場合にはアセトアルデヒ
ドの低減効果が認められなかった。
【0045】(アンモニアの分解反応)実施例1、2お
よび比較例1〜4の光触媒を用い、以下の手順に従って
アンモニアの分解反応を行った。
【0046】すなわち、各光触媒を反応管に入れて閉鎖
系循環ラインの所定の位置に装着し、アンモニアと空気
との混合ガス(アンモニアの初期濃度:100ppm、
全量:10l)を5l/分で循環させながら光照射を行
い、ガス検知管(光明理化学工業製)を用いてアンモニ
ア濃度を測定した。本実施例では、光源としてキセノン
ランプ(ウシオ電機製、出力:500W)を使用した。
また、装置内に光源以外の光が照射しないように遮光し
た状態とし、温度は室温に維持した。
【0047】本試験における反応時間(光照射時間)と
アンモニア濃度との相関を図3に示す。図3に示したよ
うに、実施例1、2においてはいずれもアンモニア濃度
が十分に低減されており、各光触媒が十分に高いアンモ
ニア分解能を有していることが確認された。
【0048】[実施例3、4、比較例5〜8] (光触媒の調製)実施例3、4及び比較例5〜8におい
ては、それぞれアルミニウム製基板の代わりにステンレ
ス鋼(SUS304)製基板を用いたこと以外は実施例
1、2及び比較例1〜4と同様にして光触媒を調製し
た。
【0049】(沿岸地区での大気中暴露試験)実施例
3、4及び比較例5〜8の各光触媒を用いて沿岸地区で
の大気中暴露試験を行った。具体的には、海岸から50
0m離れた建物の屋上で、各光触媒をステンレス鋼製基
板上に形成されたまま大気中に放置し、1年又は2年経
過時におけるステンレス鋼製基板表面の錆の有無を観察
した。得られた結果を表1に示す。なお、表1中、
「+」は錆が顕著に認められたもの、「±」は薄い錆が
認められたもの、「−」は錆が全く認められなかったも
のをそれぞれ意味する。
【0050】
【表1】
【0051】表1に示したように、実施例3、4の光触
媒の場合は、暴露試験開始から2年経過しても錆の発生
が認められず、触媒活性に起因する優れた防錆効果が得
られることが確認された。
【0052】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の光触媒によ
れば、紫外線のような短波長の光だけでなく比較的長波
長の光によっても光触媒反応を行うことができ、また、
かかる反応における触媒活性を十分に高めることができ
る。
【0053】また、本発明の光触媒の製造方法によれ
ば、二酸化チタンにおけるアナターゼ型結晶からルチル
型結晶などへの変質が十分に防止されるので、本発明の
光触媒を容易に且つ確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、2及び比較例1〜4の光触媒につい
て、光源1を用いて悪臭除去性能評価試験を行ったとき
の反応時間とアセトアルデヒド濃度との相関を示すグラ
フである。
【図2】実施例1、2及び比較例1〜4の光触媒につい
て、光源2を用いて悪臭除去性能評価試験を行ったとき
の反応時間とアセトアルデヒド濃度との相関を示すグラ
フである。
【図3】実施例1、2及び比較例1〜4の光触媒につい
て、光源1を用いてアンモニアの分解反応を行ったとき
の反応時間とアンモニア濃度との相関を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 慈 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 BA04B BA17 BA18 BA48A BB01A BB01B BB02A BB04A BB09A BB13A BB15A BB15B BC10A BC16A BC17A BC18A BC21A BC23A BC25A BC26A BC27A BC31A BC35A BC36A BC37A BC50A BC54A BC55A BC60A BC66A BD05A BD05B BD09A BD10A CA07 CA17 EA07 EA11 EC28 FA03 FA04 FB24

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二酸化チタンと、該二酸化チタンの禁制
    帯幅よりも狭い禁制帯幅を有する第2の半導体材料とを
    含有し、該二酸化チタンと該第2の半導体材料とが接触
    していることを特徴とする光触媒。
  2. 【請求項2】 前記第2の半導体材料がシリコンおよび
    /またはシリコンカーバイドであることを特徴とする、
    請求項1に記載の光触媒。
  3. 【請求項3】 二酸化チタンおよび該二酸化チタンの禁
    制帯幅よりも狭い禁制帯幅を有する第2の半導体材料の
    少なくとも一方に機械的エネルギーを付与して、該二酸
    化チタンと該第2の半導体材料とが接触した光触媒を得
    ることを特徴とする光触媒の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記二酸化チタンとして平均粒径1〜1
    00μmの二酸化チタン微粒子を用い、該二酸化チタン
    微粒子を所定の噴射圧力で前記第2の半導体材料に吹き
    付けることを特徴とする、請求項3に記載の光触媒の製
    造方法。
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