JP2003265527A - 使い捨ておむつ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 人への装着が容易であり、フロンタルテープ
の使用量も少ない開放型の使い捨ておむつを提供する。 【解決手段】 前見頃１１と後見頃１２と両見頃１１，
１２の間に位置する股下部１３を有し、全体として略縦
長状に形成されたおむつ本体１０と、前記おむつ本体１
０を被着者に装着するための一のファスニングテープ２
０とからなる開放型の使い捨ておむつであって、前記フ
ァスニングテープ２０の一端が前記後見頃１２の左右い
ずれか一方の側端部１２ａに備えられ、前記後見頃１２
の他方側端部１２ｂ表面に止着される固定手段２１が前
記ファスニングテープ２０の他方端部に備えられる。フ
ァスニングテープ２０は、装着前には例えば３つに折り
畳まれ、装着時には展開されて後見頃１２の他方側端部
１２ｂの表面に貼着される。また他方側端部１２ｂの表
面はフロンタルテープ１５を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は、使い捨ておむつに
関する。具体的には、装着を非常に楽にした開放型の使
い捨ておむつに関する。

【０００２】

【従来の技術】図７は従来例である開放型の使い捨てお
むつの一例を示す概略斜視図である。開放型の使い捨て
おむつは、例えば特開平１１−２５３４７６号公報や特
開２００１−２４５９２２号公報に開示されているよう
に、被着者の背中側にあてがわれる後見頃１２と腹部側
にあてがわれる前見頃１１とその両者の間に位置する股
下部１３を有し、全体として略縦長状に作製されたおむ
つ本体１０と装着用のファスニングテープ２０とを備え
ている。おむつ本体１０は、その多くは透液性の表面シ
ートと不透液性の裏面シートとこれらの両シートに挟ま
れた液吸収体とから構成される。

【０００３】ファスニングテープ２０は後見頃１２の左
右両側端部１２ａ，１２ｂにそれぞれ備えられる。ま
た、前見頃１１の表面（裏面シートの表面側）には一つ
のフロンタルテープ１５が備えられる。装着時、後見頃
１２の左右側端部１２ａ，１２ｂが前見頃１１に重ね合
わされた状態で、それぞれのファスニングテープ２０は
フロンタルテープ１５に貼着される。

【０００４】しかしながら、従来の開放型使い捨ておむ
つは、その全てが後見頃１２の左右両側端部１２ａ，１
２ｂにファスニングテープ２０を備えていた。このた
め、装着時には、左右２つあるファスニングテープ２０
をそれぞれフロンタルテープ１５に貼着しなければなら
ず、装着が面倒なものであった。

【０００５】また、できるだけ多くの人の体型に合わせ
るため、フロンタルテープ１５は前見頃１１のほぼ横幅
全体に備えられ、フロンタルテープ１５が大きくなりコ
ストが高くなる原因の一つともなっていた。その一方、
フロンタルテープ１５を２枚にして前見頃１１の左右両
端部に備えると多少は小さくすることができるが、製造
工程が煩雑になり、被着者の体型に応じた位置決定をし
なければならないという問題を生じる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的
は、人への装着が容易であり、フロンタルテープの使用
量も少ない開放型の使い捨ておむつを提供することにあ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の使い捨ておむつ
は、前見頃と後見頃と両見頃の間に位置する股下部を有
し、全体として略縦長状に形成されたおむつ本体と、前
記おむつ本体を被着者に装着するための一のファスニン
グテープとからなる開放型の使い捨ておむつであって、
前記ファスニングテープの一端が前記後見頃の左右いず
れか一方の側端部に備えられ、前記後見頃の他方側端部
表面に止着可能な固定手段が前記ファスニングテープの
他方端部に備えられたことを特徴としている。

【０００８】当該使い捨ておむつにおいては、例えば前
記固定手段として粘着剤が用いられ、この場合には、前
記後見頃の他方側端部表面にフロンタルテープが備えら
れる。このとき、前記固定手段と前記フロンタルテープ
との間の剥離力を２〜８Ｎ／２５ｍｍとするのが好まし
い。

【０００９】また、前記固定手段として、フック部材と
ループ部材とからなるメカニカルファスナの何れか一方
の部材が用いられ、この場合には、前記後見頃の他方側
端部表面に残る他方の部材が備えられる。

【００１０】さらに本発明では、長手方向に伸長する伸
長性領域を有するファスニングテープが好ましく用いら
れる。

【００１１】これらファスニングテープは、例えば後見
頃の裏面側に備えられたリリース部に固定手段が剥離可
能に仮止めされた状態で、あるいはファスニングテープ
が折り畳まれた状態で備えられる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明について各図を用い
ながら詳細に説明する。図１は本発明の一実施形態であ
る開放型の使い捨ておむつの表面側を示す概略的平面
図、図２は図１の使い捨ておむつに使用されるファスニ
ングテープ２０を示す図であって、同図（ａ）は装着前
の側面図、同図（ｂ）は装着時の側面図、図３は図１の
使い捨ておむつの使用説明図である。なお、本発明にお
いて、おむつの表面側とは人に装着した場合に表に現れ
る側、すなわち裏面シートの表面側を意味し、おむつの
裏面側とは人に装着した場合に肌に触れる側、すなわ
ち、表面シートの表面側を意味する。これと同様に、前
見頃、後見頃の表面側とは人に装着した場合に表に現れ
る側を意味し、前見頃、後見頃の裏面側とはその反対面
を意味する。

【００１３】本発明の使い捨ておむつは、前見頃１１と
後見頃１２と両見頃１１，１２の間に位置する股下部１
３を有し、全体として略縦長状に形成されたおむつ本体
１０と、前記おむつ本体１０を被着者に装着するための
一のファスニングテープ２０とを備える。この使い捨て
おむつは、従来の開放型の使い捨ておむつとほぼ同様な
構造を有するが、一のファスニングテープ２０しか有し
ていない点で二のファスニングテープ２０を有する従来
の使い捨ておむつと異なる。すなわち、本発明は、ファ
スニングテープ２０の一端を前記後見頃１２の左右いず
れか一方の側端部１２ａに取り付けると共に、前記後見
頃１２の他方側端部１２ｂ表面に止着可能な固定手段２
１を前記ファスニングテープ２０の他方側端部に備える
ことにより、一のファスニングテープ２０でもっておむ
つを装着可能にするものである。

【００１４】ファスニングテープ２０は、例えばポリエ
チレンやポリプロピレンなどからなるポリオレフィン系
シートからなり、使い捨ておむつとして用いられる公知
のものであれば制限なく用いられる。ファスニングテー
プ２０の一端は、おむつ本体１０の後見頃１２のいずれ
か一方の側端部１２ａ表面に、例えば接着剤層２２や熱
融着によって取り付けられる。また、プラスチック製シ
ートのみならず、織布、編布などの布も好適に用いられ
る。なお、他人への装着性から言えば、被着者の右腹部
に位置する側（装着時で言えば、後見頃１２の正面向か
って左側、図１では図面右側）の側端部１２ａにファス
ニングテープ２０を取り付けるのが望ましい。

【００１５】ファスニングテープ２０の他端に備えられ
る固定手段２１は、後見頃１２の他方側端部１２ｂ表面
に止着できるものであればいずれのものでもよく、例え
ば図２に示すファスニングテープ２０の固定手段２１に
は粘着剤が用いられている。また、固定手段２１よりも
端部側は粘着剤層のない把持部２５となっている。この
粘着剤には、当該使用目的で用いられる公知の粘着剤、
例えば合成ゴム系粘着剤やアクリル系粘着剤等を使用で
きる。

【００１６】固定手段２１は再剥離できるものが望まし
い。このため、当該使い捨ておむつでは、後見頃１２の
他方側端部１２ｂ表面にいわゆるフロンタルテープ１５
が備えられる。このフロンタルテープ１５は、プラスチ
ックシートなどのシート状物表面に離型処理が施された
ものであって、従来の使い捨ておむつにおいて用いられ
る公知のフロンタルテープ１５が用いられる。離型処理
には、例えばシリコーン系の離型処理剤や長鎖アルキル
系離型処理剤を塗布することが挙げられる。

【００１７】この場合、固定手段２１とフロンタルテー
プ１５との間の剥離力は、実施例記載の方法により測定
した場合に、２〜８Ｎ／２５ｍｍであるのが好ましい。
剥離力が２Ｎ／２５ｍｍより小さければ、固定手段２１
がフロンタルテープ１５に十分に止着できず、容易に剥
がれるおそれがある。また、８Ｎ／２５ｍｍよりも大き
ければ、固定手段２１がフロンタルテープ１５から剥が
れにくくなり、おむつの脱着が困難になることが想定さ
れる。

【００１８】このファスニングテープ２０は、図２
（ａ）に示す如く２度折り畳まれ、固定手段２１は折り
畳まれたファスニングテープ２０の裏面に貼着してい
る。この状態で、ファスニングテープ２０は、後見頃１
２の一方側の側端部１２ａに取り付けられる。装着時、
把持部２５が引っ張られ、同図（ｂ）に示す如くファス
ニングテープ２０が展開される。なお、固定手段２１を
ファスニングテープ２０の裏面から剥がしやすくするた
め、ファスニングテープ２０の裏面には上記したような
離型処理を施すのが好ましい。

【００１９】つまり、本発明は、図３に示す如く、固定
手段２１が後見頃１２の他方側端部１２ｂ表面に止着
し、一のファスニングテープ２０が後見頃１２を開けな
くするものである。従って、ファスニングテープ２０
は、この目的を達成するための十分かつ必要な長さを有
する。具体的な長さは、後見頃１２の大きさなどによっ
ても異なり、適宜定められるものである。通例、市販の
製品を対象にすれば、固定手段２１と接着剤層２２との
間の長さは概ね８０ｍｍ以上、好ましくは１００〜１８
０ｍｍである。８０ｍｍよりも短いと装着時に腹部が締
め付けられ、１８０ｍｍよりも長いと使い捨ておむつが
簡単に脱げるおそれが強くなる。もちろん、後見頃１２
の幅が大きくなれば必要な長さは短くなり、８０ｍｍよ
りも短くても上記目的が達成される。またファスニング
テープ２０の幅は、概ね１０〜３０ｍｍとされる。

【００２０】しかして、股下部１３が被着者のお尻にし
かれ、前見頃１１が腹部に当てがわれた後、後見頃１２
の左右両側端部１２ａ，１２ｂが左右胴回りから前見頃
１１の表面に重ねられる。次いで、その状態で固定手段
２１の端部（把持部２５）が片手で引き出され、引き出
された方向にそのまま把持部２５が引っ張られて固定手
段２１が後見頃１２の他方側端部１２ｂのフロンタルテ
ープ１５に貼着される。

【００２１】このように本発明の使い捨ておむつでは、
一のファスニングテープ２０が後見頃１２の両側端部１
２ａ，１２ｂの間を止着する。従って、一度の引き出し
操作にて使い捨ておむつを装着でき、その取扱いが至極
容易になる。また、フロンタルテープ１５は一の固定手
段２１を貼着できればよく、後見頃１２の残る他方の側
端部１２ｂだけに備えられるので、小さな面積で足り
る。

【００２２】本発明においては、一のファスニングテー
プ２０が後見頃１２の両側端部１２ａ，１２ｂを前見頃
１１の表面にて止着するものであれば、種々の態様が考
えられる。例えば図４に示すファスニングテープ２０は
４度折り畳まれた状態で取り付けられている。このファ
スニングテープ２０の裏面には、接着剤層２２及び固定
手段２１の他に別な粘着剤層２３が、ファスニングテー
プ２０の長手方向ほぼ中央領域に備えられる。当該粘着
剤層２３は、同図（ａ）に示す如く、折り畳まれたファ
スニングテープ２０のほぼ中央部において裏面同士を仮
着するものであり、保管中の展開を防ぐ。従って、長い
ファスニングテープ２０がコンパクトに取り付けられ
る。しかし、同図（ｂ）に示す如く、該粘着剤層２３は
ファスニングテープ２０の裏面にあり、装着時には前見
頃１１の表面に貼着するおそれがある。従って、粘着力
が比較的弱く前見頃１１の表面に強固に貼着しない粘着
剤が用いられる。

【００２３】図５は本発明の別な実施形態である使い捨
ておむつの表面側を示す概略的平面図である。該おむつ
のファスニングテープ２０は、図６（ａ）（ｂ）に示す
如く、長手方向中央部に、長手方向に伸長性を有する伸
長性領域Ａとその両側に位置する非伸長性領域Ｂを有す
る。当該非伸長性領域Ｂのいずれか一方の端部が、接着
剤層２２によって後見頃１２の一方側端部１２ａに取り
付けられ、ファスニングテープ２０の残る端部に粘着剤
層からなる固定手段２１が備えられる。該ファスニング
テープ２０は、例えば幅方向の共押出法、異型押出法な
どの一体成型にて得られる。伸長性領域Ａには、ランダ
ムポリプロピレン、低密度ポリエチレン、リニヤー低密
度ポリエチレンなどの単独物若しくはブレント物が好適
に用いられ、その他スチレン系、ポリエステル系、ウレ
タン系などのエラストマーも適する。また、非伸長性領
域Ｂには、ポリプロピレンやこれとポリエチレンとのブ
レンド物などのポリオレフィン系プラスチックが好適に
用いられる。また、ファスニングテープ２０全体を伸長
性を有する基材から作製してもよく、適宜伸長性領域Ａ
と非伸長性領域Ｂとを交互に組み合せても差し支えな
い。

【００２４】当該ファスニングテープ２０は、固定手段
２１が後見頃１２の裏面側（表面シート側）に引き回わ
され、該裏面側に備えられたリリース部１６に仮止めさ
れている。リリース部１６は固定手段２１を再剥離可能
に貼着する領域であって、例えばフロンタルテープ１５
と同じく易剥離処理が施されたリリーステープが接着剤
や溶着などによって備えられる。また、後見頃１２の裏
面に直接易剥離処理が施された領域としてもよい。装着
時には、同図（ｂ）に示す如く伸長性領域Ａが引き伸ば
され、固定手段２１がフロンタルテープ１５に止着され
る。

【００２５】これにより、使用するまではファスニング
テープ２０が弛むことなくおむつ本体１０にほぼ密着す
るように備えられる。また、使用時において、ファスニ
ングテープ２０の端がもつれることなく装着できる。さ
らに、使用前、保管時などにおいては後見頃１２の厚み
が部分的に厚くなるのが防止される。特に、固定長であ
るファスニングテープ２０であれば、使用対象者によっ
てその長さを調節する必要があるが、この場合にはファ
スニングテープ２０を引き延ばして装着できるので、後
見頃１２を被着者の胴回りによりフィットさせることが
できる。また、ファスニングテープ２０が引き延ばされ
る結果、後見頃１２が腹部と後見頃１２との間から脱落
するのを確実に抑えることもできる。

【００２６】さらに、固定手段２１として、ループ部材
とフック部材とからなるメカニカルファスナの何れか一
方の部材を用いることができる。例えばフック部材がフ
ァスニングテープ２０の固定手段２１として用いられ、
ループ部材を有するフロンタル部が後見頃１２の他方側
端部１２ｂに備えられる。ループ部材は前見頃１１の表
面に直接形成され、あるいはループ部材がプラスチック
シートなどに形成されたシート状物が使用される。この
場合、フロンタル部にフック部材を備えることも考えら
れるが、肌ざわりが悪くなり、保管中にほこりなどが付
きやすい。また、図５及び図６のように伸長性を有する
ファスニングテープ２０の固定手段２１をフック部材か
ら構成し、ループ部材を有するリリース部１６を後見頃
１１の裏面に備えてもよい。

【００２７】このように本発明の使い捨ておむつによれ
ば、ファスニングテープ２０の一端が前記後見頃１２の
左右いずれか一方の側端部１２ａ，１２ｂに備えられ、
前記後見頃１２の他方側端部１２ｂ，１２ａ表面に止着
可能な固定手段２１が前記ファスニングテープ２０の他
方端部に備えられているので、一度の引き出し、貼付操
作で使い捨ておむつを装着できる。また、固定手段２１
を保持するフロンタル部は一方側端部１２ｂの表面に備
えるだけでよく、コスト削減に貢献できる。

【００２８】また、本発明の目的を達成できるものであ
れば、上記の実施形態に限られるものではなく、ファス
ニングテープ２０には種々の形態のものが用いられる。
その一例として、例えば特開平９−３１６４０６号公報
に示された固定用テープが挙げられる。さらに、伸長性
を有しないファスニングテープ２０を用いない場合であ
っても、ファスニングテープ２０の一部を折り畳んだ状
態にしておき、後見頃１２の一方側端部１２ａの裏面側
に備えたリリース部１６に固定手段２１を仮止めし、固
定手段２１表面を保護しておくこともできる。もちろ
ん、本発明においては、前見頃１１、後見頃１２と両見
頃１１，１２との間に股下部１３を有し、略縦長状に作
製された開放型のおむつ本体であれば、その構造は特に
限定されることなく用いることができる。

【００２９】

【実施例】次に、実施例に基づいて本発明をさらに説明
する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はなく、本発明の技術的思想を越えない範囲で種々の応
用が考えられる。

【００３０】（実施例１）幅２０ｍｍ、長さ１５０ｍｍ
のポリプロピレンフィルムの一方端部に、端部から１５
ｍｍの長さでアクリル系粘着剤（固定手段）が塗布され
たファスニングテープを用いた。このファスニングテー
プの前記粘着剤層と反対側端部にアクリル系粘着剤を長
さ１５ｍｍで塗布し、当該ファスニングテープを上記構
造をした開放型の市販の使い捨ておむつ本体（生後６ヶ
月以内者用）の後見頃左側の側端部表面に取り付けた。
また、折り畳んだ状態の長さが５０ｍｍとなるようにフ
ァスニングテープを３つ折りにした（図２（ａ）参
照）。

【００３１】後見頃右側の側端部表面には、ポリエチレ
ンフィルムの表面にシリコーン樹脂系の離型処理剤が塗
布されたフロンタルテープを４０ｍｍ×４０ｍｍの大き
さで貼付して、本発明に係る使い捨ておむつを得た。な
お、上記アクリル系粘着剤層とフロンタルテープとの間
の剥離力は、次の方法により求めた。温度２３℃、湿度
６５％の条件下、両者を２ｋｇのローラを１往復して圧
着し、圧着後３０分後に１８０°ピール、引張速度３０
０mm/minでファスニングテープを引き剥がした。この剥
離力は、４.０Ｎ／２５ｍｍであった。

【００３２】（実施例２）幅２０ｍｍ、長さ約１５ｍｍ
のランダムポリプロピレンからなる伸長性領域の両側に
ポリプロピレンからなる非伸長性領域を備えた全長７０
ｍｍの伸長性を有する基材フィルムの一方端部に、端部
から１５ｍｍの長さでアクリル系粘着剤（固定手段）が
塗布されたファスニングテープを用いた。このファスニ
ングテープの前記粘着剤層と反対側端部にアクリル系粘
着剤を長さ１５ｍｍで塗布して、実施例１で用いた市販
の使い捨ておむつ本体の後見頃左側の側端部表面に取り
付けた。また、固定手段側の端部を当該後見頃端部の裏
面側に回し込み、後見頃裏面側に備えられたリリーステ
ープに貼付した。

【００３３】また、後見頃の他方側端部表面には、ポリ
エチレンフィルムの表面にシリコーン系の離型処理剤が
塗布されたフロンタルテープを４０ｍｍ×４０ｍｍの大
きさで貼付して、本発明に係る使い捨ておむつを得た。
このものについても実施例１と同様に剥離力を測定した
ところ、４.５Ｎ／２５ｍｍであった。

【００３４】これら各実施例の使い捨ておむつを実際に
赤ちゃんに装着してもらい、使用感について評価しても
らった。また、比較例として、後見頃の左右両側端部に
それぞれファスニングテープが備えられた市販の使い捨
ておむつを使用してもらった。

【００３５】

【表１】

【００３６】

【発明の効果】本発明の使い捨ておむつは、前見頃と後
見頃と両見頃の間に位置する股下部を有し、全体として
略縦長状に形成されたおむつ本体と、前記おむつ本体を
被着者に装着するための一のファスニングテープとから
なる開放型の使い捨ておむつであって、前記ファスニン
グテープの一端が前記後見頃の左右いずれか一方の側端
部に備えられ、前記後見頃の他方側端部表面に止着可能
な固定手段が前記ファスニングテープの他方端部に備え
られているので、一度の引き出し操作にて使い捨ておむ
つを装着でき、その装着が至極容易になる。

【００３７】また、固定手段として例えば粘着剤を用い
た場合には、固定手段を止着するフロンタルテープの使
用量が従来例に比べて格段に少なくなる。さらにメカニ
カルファスナを用いた場合でも、固定手段を止着するル
ープ部材（若しくはフック部材）の使用量が少なくな
る。すなわち、固定手段を被着する被着部材が少量で済
み、その材料費が削減される。

【００３８】また、折り畳まれたファスニングテープや
伸長性を有するファスニングテープは、使い捨ておむつ
の保管など装着前の取扱いを容易にする。特に、後見頃
の裏面側に備えられたリリース部に固定手段を剥離可能
に仮止めすれば、ファスニングテープの端がもつれたり
せず、より一層取扱い性がよくなる。また、固定手段を
使用時まで適切に保護しておくこともできる。

【００３９】さらに伸長性を有するファスニングテープ
を用いた場合には、後見頃の両端部を被着者の両脇腹か
ら内側に引っ張るようにして装着することになるので、
装着者により一層フィットさせることができ、後見頃と
腹部との間から前見頃が抜け落ちるのを防止するのにも
効果的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態である開放型の使い捨てお
むつの表面側を示す概略的平面図である。

【図２】図１の使い捨ておむつに使用されるファスニン
グテープの一例を示す図であって、同図（ａ）は装着前
の側面図、同図（ｂ）は装着時の側面図である。

【図３】図１の使い捨ておむつの使用説明図である。

【図４】本発明の使い捨ておむつに使用される別なファ
スニングテープを示す図であって、同図（ａ）は装着前
の側面図、同図（ｂ）は装着時の側面図である。

【図５】本発明の別な実施形態である開放型の使い捨て
おむつの表面側を示す概略的平面図である。

【図６】図５の使い捨ておむつの後見頃を示す一部破断
した概略的断面図であって、同図（ａ）は装着前の断面
図、同図（ｂ）は装着時の断面図である。

【図７】従来例である開放型の使い捨ておむつの一例を
示す概略斜視図である。

【符号の説明】

１０ おむつ本体 １１ 前見頃 １２ 後見頃 １２ａ ファスニングテープが備えられた後身頃の側端
部 １２ｂ 固定手段が止着される後見頃の他方側端部 １５ フロンタルテープ １６ リリーステープ ２０ ファスニングテープ ２１ 固定手段となる粘着剤層 ２２ 後見頃の側端部に備え付けるための接着剤層 Ａ 伸長性領域 Ｂ 非伸長性領域

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本田 誠 大阪府茨木市下穂積１丁目１番２号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 平松 剛 大阪府茨木市下穂積１丁目１番２号 日東 電工株式会社内 Ｆターム(参考） 3B029 BD01 BD02 4C098 AA09 CC01 CE06 CE07 CE08 CE09 CE13 CE14 CE16 DD12 DD24 DD25 DD26

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前見頃と後見頃と両見頃の間に位置する
   股下部を有し、全体として略縦長状に形成されたおむつ
   本体と、前記おむつ本体を被着者に装着するための一の
   ファスニングテープとからなる開放型の使い捨ておむつ
   であって、 前記ファスニングテープの一端が前記後見頃の左右いず
   れか一方の側端部に備えられ、前記後見頃の他方側端部
   表面に止着可能な固定手段が前記ファスニングテープの
   他方端部に備えられたことを特徴とする使い捨ておむ
   つ。
2. 【請求項２】 前記固定手段は粘着剤であって、前記後
   見頃の他方側端部表面にフロンタルテープが備えられた
   ことを特徴とする請求項１に記載の使い捨ておむつ。
3. 【請求項３】 前記固定手段と前記フロンタルテープと
   の間の剥離力が２〜８Ｎ／２５ｍｍであることを特徴と
   する請求項２に記載の使い捨ておむつ。
4. 【請求項４】 前記固定手段は、フック部材とループ部
   材とからなるメカニカルファスナの何れか一方の部材で
   あって、前記後見頃の他方側端部表面に、前記メカニカ
   ルファスナの残る他方の部材が備えられたことを特徴と
   する請求項１に記載の使い捨ておむつ。
5. 【請求項５】 前記ファスニングテープは長手方向に伸
   長する伸長性領域を有することを特徴とする請求項１〜
   ４のいずれかに記載の使い捨ておむつ。
6. 【請求項６】 前記ファスニングテープの固定手段は、
   後見頃の裏面側に備えられたリリース部に剥離可能に仮
   止めされたことを特徴とする請求項１〜５のいずれかに
   記載の使い捨ておむつ。
7. 【請求項７】 前記ファスニングテープは折り畳まれた
   状態で備えられたことを特徴とする請求項１〜５のいず
   れかに記載の使い捨ておむつ。