JP2003265182A - カルス特異的発現プロモーターを含むプラスミド及び形質転換された植物細胞カルスの選抜方法 - Google Patents

カルス特異的発現プロモーターを含むプラスミド及び形質転換された植物細胞カルスの選抜方法

Info

Publication number
JP2003265182A
JP2003265182A JP2002073951A JP2002073951A JP2003265182A JP 2003265182 A JP2003265182 A JP 2003265182A JP 2002073951 A JP2002073951 A JP 2002073951A JP 2002073951 A JP2002073951 A JP 2002073951A JP 2003265182 A JP2003265182 A JP 2003265182A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
callus
gene
val
ala
leu
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002073951A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4189163B2 (ja
Inventor
Akira Wakasa
暁 若狭
Akira Komatsu
晃 小松
Yoko Nishizawa
洋子 西澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Agrobiological Sciences
Japan Science and Technology Agency
National Agricultural Research Organization
Original Assignee
National Institute of Agrobiological Sciences
National Agricultural Research Organization
Japan Science and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Agrobiological Sciences, National Agricultural Research Organization , Japan Science and Technology Corp filed Critical National Institute of Agrobiological Sciences
Priority to JP2002073951A priority Critical patent/JP4189163B2/ja
Publication of JP2003265182A publication Critical patent/JP2003265182A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4189163B2 publication Critical patent/JP4189163B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】植物細胞カルスに対して特異的に発現し、形質
転換された植物細胞カルスを効率よく選抜することを可
能にした組換えプラスミド、該プラスミドに用いる選択
マーカー、並びに形質転換された植物細胞カルスを、カ
ルス特異的に選択マーカーを発現させて効率よく選抜で
きる選抜方法を提供すること。 【解決手段】本発明の選択マーカー及び組換えプラスミ
ドは、イネのASAの第1アイソザイムのαサブユニット活
性を有するがトリプトファンによるフィードバック抑制
に対して非感受性であるタンパク質をコードする遺伝子
(A)と、該遺伝子(A)をカルス特異的に発現させる配列番
号1の塩基配列を有するプロモーター等の遺伝子(A)をカ
ルス特異的に発現させるプロモーターとを含み、本発明
の選抜方法は、前記組換えプラスミドにより植物細胞カ
ルスを形質転換する工程と、該工程で処理されたカルス
からトリプトファン類縁化合物に対する耐性を有するカ
ルスを選抜する工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物細胞カルスに
対して特異的にトリプトファン類縁化合物に対する耐性
等を導入でき、カルスの選抜に利用できる選択マーカー
を有する組換えプラスミド、及び該組換えプラスミドで
形質転換された植物細胞カルスの選抜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、植物に各種機能等を付与するため
にバイオテクノロジーが利用され、種々の形質転換植物
が開発されている。また、このような形質転換植物の製
造においては、その効率を高めるために形質転換細胞の
選抜が不可欠であり、各種の選択マーカーの開発も進め
られている。しかし、このような選択マーカーは、植物
の成長、作物の安全性、更には環境への影響等を考慮し
た場合、その種類においては形質転換細胞の選択時のみ
に発現し、植物の成長過程における各種器官組織におい
ては発現しない方が良いことが多い。そこで、選択マー
カーにおいては、その種類において、所望の組織におい
て発現率が高く、他の組織においてはその発現率が極端
に低いものが望まれている。ところで、イネのアントラ
ニル酸合成酵素αサブユニット遺伝子OSASA1をアミノ酸
置換により改変したOSASA1D遺伝子が、トリプトファン
によるフィードバック阻害に対して感受性が大きく低下
しており、そのため、トリプトファンを蓄積すると同時
にトリプトファンアナログに対して抵抗性を示すことが
知られている。また、この特性を利用して、ユビキチン
プロモーター等に連結したOSASA1D遺伝子が選択マーカ
ーとして利用できることも知られている(国際公開パン
フレットWO99/11800)。しかし、ユビキチンプロモータ
ーは、イネでは非常に強く働くこと、また、いつでもど
の組織でも働くことから、必要としない場合でも植物体
のトリプトファン含量を高め、時に、生育に影響する場
合がある。
【0003】
【発明が解決するための課題】従って、本発明の目的
は、植物細胞カルスに対して特異的に発現し、形質転換
された植物細胞カルスを効率よく選抜することを可能に
した組換えプラスミド、該プラスミドに用いる選択マー
カーを提供することにある。本発明の別の目的は、形質
転換された植物細胞カルスを、カルス特異的に選択マー
カーを発現させて効率よく選抜することができる選抜方
法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決しようとする手段】本発明者らは、上記課
題を解決するために、まず、先に報告されているOSASA1
D遺伝子が、形質転換体の選抜時のみに発現しうるプロ
モーターについて鋭意検討した。その結果、イネキチナ
ーゼ遺伝子の特定領域のプロモーター(PRO3)を連結した
PRO3-OSASA1D遺伝子が植物細胞カルスのみで高い発現性
を示し、他の組織では発現が極端に抑制され、しかも得
られた形質転換カルスの5-メチルトリプトファン(5MT)
抵抗性が35Sプロモーターと同程度の頻度で出現し、実
際に形質転換された植物細胞カルスを効率良く選抜でき
ることを見出し本発明を完成した。即ち、本発明によれ
ば、イネのアントラニル酸シンターゼ(以下ASAという)
の第1アイソザイムのαサブユニット活性を有するがト
リプトファンによるフィードバック抑制に対して非感受
性であるタンパク質をコードする遺伝子(A)と、該遺伝
子(A)の上流に接続した、配列番号1の塩基配列を有する
プロモーター(PRO3)、又は該PRO3に対して相同性を示
し、該PRO3と相補的な塩基配列からなるDNAに対してス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズすることがで
き、且つ遺伝子(A)をカルス特異的に発現させるプロモ
ーターとを含む選択マーカーが提供される。また本発明
によれば、前記遺伝子(A)と、前記PRO3、又はPRO3と相
補的な塩基配列からなるDNAに対してストリンジェント
な条件下でハイブリダイズすることができ、且つ遺伝子
(A)をカルス特異的に発現させるプロモーターとを含む
組換えプラスミドが提供される。更に本発明によれば、
前記組換えプラスミドにより植物細胞カルスを形質転換
する工程(1)と、工程(1)で処理されたカルスからトリプ
トファン類縁化合物に対する耐性を有するカルスを選抜
する工程(2)とを含む形質転換された植物細胞カルスの
選抜方法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明の選択マーカーは、イネのASAの第1アイソザ
イムのαサブユニット活性を有するがトリプトファンに
よるフィードバック抑制に対して非感受性であるタンパ
ク質をコードする遺伝子(A)と、該遺伝子(A)をカルス特
異的に発現させる特定のプロモーター遺伝子とを含み、
植物細胞カルスにトリプトファン類縁化合物に対する耐
性を効率良く付与できる。従って、本発明の選択マーカ
ーは、形質転換された植物細胞カルスの選抜を効率良く
実施しうるマーカーとして作用する遺伝子である。本発
明においてカルス特異的に発現するとは、遺伝子(A)を
植物細胞カルスにおいて、同じ植物体の他の組織又は器
官の少なくとも1種におけるよりも多く発現することを
意味する。例えば、遺伝子(A)を植物細胞カルスにおい
て、同じ植物体の任意の葉身等におけるよりも極めて多
く発現させうることである。好ましくは、遺伝子(A)を
公知の35Sプロモーターの下流に接続した遺伝子を選択
マーカーとして用いた場合に比して、葉における遺伝子
(A)の発現力が弱く、且つカルスにおける遺伝子(A)の発
現力が該葉における発現力よりも高いことを意味する。
また、本発明においてフィードバック抑制に対して非感
受性であるとは、フィードバック抑制を生じる割合が低
いか、若しくは無いことを意味し、実質的にはトリプト
ファン類縁化合物に対して耐性を示すことを意味する。
【0006】本発明において前記遺伝子(A)は、上記特
定作用を有するタンパク質をコードする遺伝子であれば
特に限定されない。このような遺伝子(A)は、例えば、
国際公開パンフレットWO99/11800に記載の方法等に基
づいて、イネのcDNAライブラリーを用い、イネのASAの
第1アイソザイムのαサブユニット活性を有するタンパ
ク質をコードするDNAを含む遺伝子を調製し、該DNAの塩
基配列の一部を改変して、トリプトファンによる酵素活
性のフィードバック抑制に対して非感受性であるタンパ
ク質をコードするDNAに改変する方法等により得ること
ができる。このような改変は、例えば、文献「Plant Ph
ysiology」第110巻、51〜59頁、1996年に記載されるト
リプトファンアナログ体に耐性を示す突然変異アラビド
プシスの公知のASA遺伝子に関する報告を参考にしなが
ら改変する方法等により行うことができる。この際、DN
A配列の一部分の領域にある塩基配列を改変する一般的
な方法としては、例えば、Kunkel法(「Methods in Enzy
mology」154巻、367号)又はオリゴヌクレオチド−ダイ
レクト デュアルアンバー法等が挙げられる。
【0007】本発明において、前記遺伝子(A)の具体例
としては、例えば、配列番号2に示される塩基配列を有
する遺伝子(OSASA1D)や、該OSASA1Dに対して相同性を示
し、OSASA1Dと相補的な塩基配列からなるDNAに対してス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズすることがで
きる遺伝子等が挙げられるが、上記特定作用を有する遺
伝子であればこれらに限定されない。ここで、OSASA1D
に対して相同性を示すとは、OSASA1Dの塩基配列に対し
て通常60%以上、好ましくは80%以上、特に好ましくは
90%以上、更に好ましくは98%以上の相同性を示すこと
である。また、ストリンジェントな条件とは、OSASA1D
に対する特異的なハイブリッドが形成され、非特異的な
ハイブリッドが形成されない条件であれば良い。例え
ば、相同性が高い2つの核酸同志、高い相同性を有するD
NA同志がハイブリダイズすることを許すが、それより相
同性が低い核酸同志がハイブリダイズすることを許さな
い条件等が挙げられる。前記OSASA1Dは、国際公開パン
フレットWO99/11800に記載の方法等に基づいて調製す
ることができる他、後述する、特許生物寄託センター
(日本国茨城県つくば市東1-1-1中央第6)に寄託番号FERM
P-18768として2002年3月14日に寄託されている大腸菌E
scherichia coli DH5α/p8C-PRO3-ASA1Dから常法によ
り取得することもできる。
【0008】前記遺伝子(A)としては、配列番号3のアミ
ノ酸配列を有するタンパク質をコードする遺伝子、又は
配列番号3のアミノ酸配列における1個若しくは複数個の
アミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列
を有するタンパク質をコードする遺伝子等を用いること
もできる。ここで、生理活性を有するタンパク質を構成
するアミノ酸配列中の1個若しくは複数個のアミノ酸が
欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列でも、元の
アミノ酸配列のタンパク質の生理活性が維持される場合
があることは当該分野において周知である。従って、本
発明における場合も、配列番号3のアミノ酸配列におけ
る1個若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは
付加されたアミノ酸配列を有するタンパク質が、イネの
ASAの第1アイソザイムのαサブユニット活性を有するが
トリプトファンによるフィードバック抑制に対して非感
受性であるタンパク質である場合には、該タンパク質を
コードする遺伝子も遺伝子(A)として用いることができ
る。このようなタンパク質の選択は、国際公開パンフレ
ットWO99/11800に記載の方法等に基づいて行うことが
できる。
【0009】本発明の選択マーカー及び組換えプラスミ
ドは、前記遺伝子(A)の上流に、該遺伝子(A)を植物細胞
カルス特異的に発現させるプロモーターを有する。該プ
ロモーターは、配列番号1で示される塩基配列を有するP
RO3、又はPRO3に対して相同性を示し、PRO3と相補的な
塩基配列からなるDNAに対してストリンジェントな条件
下でハイブリダイズすることができ、且つ遺伝子(A)を
カルス特異的に発現させうるプロモーターである。ここ
で、PRO3に対して相同性を示すとは、PRO3の塩基配列に
対して通常60%以上、好ましくは80%以上、特に好まし
くは90%以上、更に好ましくは98%以上の相同性を示す
ことである。また、ストリンジェントな条件とは、PRO3
に対する特異的なハイブリッドが形成され、非特異的な
ハイブリッドが形成されない条件であれば良い。PRO3
は、イネのキチナーゼ遺伝子から常法に従って調製する
ことができ、具体的には、Mol.Gen.Genet.241(1-2)1-10
(1993)に記載の方法に基づいて、後述する実施例1に示
す方法等により得ることができる。PRO3の塩基配列を含
むDNAは、例えば、Mol.Gen.Genet.241(1-2)1-10(1993)
に基づいて登録されたDDBJ/EMBL/GenBankデータベー
スに既に記載されている。しかし、該配列番号1に示す
塩基配列が、前記遺伝子(A)を植物細胞カルスにおいて
特異的に発現させうるプロモーターであることについて
は知られていない。
【0010】本発明において、遺伝子(A)と、該遺伝子
(A)がカルス特異的に発現するPRO3等のプロモーターと
の接続は常法により行うことができる他、後述の実施例
1に示す方法等により行うことができる。そして、遺伝
子(A)と該遺伝子(A)がカルス特異的に発現するPRO3等の
プロモーターとを有する遺伝子断片、例えば、PRO3-OSA
SA1D断片を有するプラスミドは、例えば、35Sプロモー
ター、その下流に連結されたハイグロマイシン耐性を発
現する配列(HPT)、NOS3ターミネーター、及びカナマイ
シン耐性を発現する遺伝子NPTIIを含む15kbサイズの公
知のベクターplG121-HmをPmel及びSaclで切断した断片
に、Pmel-Pacl-Notl-Sse83871-Asel-Saclの8カッター制
限酵素サイトを有するポリリンカーを挿入し、プラスミ
ドp8C-Hmを得、このプラスミドp8C-HmをSse8387l及びSa
clで処理し、得られた切断部位にPRO3-OSASA1D断片を連
結する方法等により得ることができる。このようにして
得られたプラスミドp8C-PRO3-OSASA1Dを大腸菌に導入し
た菌株は、大腸菌Escherichiacoli DH5α/p8C-PRO3-AS
A1Dとして、特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば
市東1-1-1中央第6)に寄託番号FERM P-18768として2002
年3月14日に寄託されている。前記遺伝子(A)と該遺伝子
(A)がカルス特異的に発現するPRO3等のプロモーターと
を備えたカセットを有するプラスミドを調製するために
用いるベクターは、上記のものに限定されず、DNAの導
入方法等に応じて適宜選択することができる。
【0011】本発明の組換えプラスミドには、上記遺伝
子(A)と該遺伝子(A)がカルス特異的に発現するPRO3等の
プロモーターとを有する遺伝子断片の他に、植物体の所
望組織等において発現させうる外来遺伝子を導入するこ
とができる。このような外来遺伝子は、植物体の種類、
所望の生理活性等に応じて適宜選択することができ、ま
た外来遺伝子のプロモーターやターミネーター等も所望
の活性を勘案して適宜選択でき、これらの種類等は特に
限定されない。そして、このような外来遺伝子を有する
本発明の組換えプラスミドを植物細胞カルスに導入し、
後述の本発明の選抜方法を行うことによって、形質転換
されたカルスを効率よく選択することができる。しか
も、本発明の選択マーカーに含まれる前記遺伝子(A)
は、カルス特異的に発現するので、植物細胞カルスを成
長させた際に外来遺伝子が発現する所望の植物組織や器
官等においては、遺伝子(A)がほとんど発現していない
か、全く発現していない所望の形質転換植物体を得るこ
とができる。
【0012】本発明の植物細胞カルスの選抜方法は、ま
ず、本発明の組換えプラスミドにより植物細胞カルスを
形質転換する工程(1)を行う。まず、植物細胞カルスの
調製は、例えば、イネのカルスの場合以下の方法等によ
り行うことができるがこれに限定されない。イネの完熟
種子から籾殻を除き、得られた外皮付きコメ種子をエタ
ノール溶液で殺菌、次いで次亜塩素酸ナトリウムの希水
溶液で殺菌し、さらに滅菌水で洗浄する。MS培地等にシ
ョ糖、植物ホルモンとしての2,4-D(2,4-diclorophenoxy
aceticacid)、寒天等を加えてなる組成のカルス形成用培
地に、外皮付きコメ種子を置く。28℃で1日当り15〜18時
間にわたり、1500〜2500ルックスの太陽光を照射しなが
ら30〜40日間培養すると、イネのカルスが形成される。
そのカルスを種子から切取りカルスを得ることができ
る。次いで、前記組換えプラスミドにより植物細胞カル
スを形質転換するには、例えば、組換えプラスミドを、
アグロバクテリウム法によりカルス細胞に導入するため
に、まず、宿主であるアグロバクテリウム・ツメファシ
エンス(Agrobacterium tumefaciens)への組み込みを行
う。組み込みは公知のエレクトロポレーション法、パー
ティクルガン法、ウィスカー法等により行うことができ
る。得られたアグロバクテリウム細菌を、例えば、細胞
工学別冊(モデル植物の実験プロトコール、93〜98頁、1
996年、秀潤社発行)等にしたがって、前記調製したイネ
の細胞カルスと共存培養することにより、本発明の組換
えプラスミドの所望DNAをイネの細胞カルスに導入する
ことができる。
【0013】本発明の選抜方法では、前記工程(1)で処
理されたカルスからトリプトファン類縁化合物に対する
耐性を有するカルスを選抜する工程(2)を行う。工程(2)
は、まず、工程(1)で処理されたカルスを、例えば、N6
培地にショ糖、2,4-D、ゲルライト及び選抜薬剤として
トリプトファン類縁化合物を0.1〜0.2mM、好ましくは0.
13〜0.18mMを添加してなる選抜用培地の上に均一に広
げ、更に、暗所もしくは2000ルックスの光を1日当たり1
6時間程度照射しながら25〜28℃で20〜60日間、好まし
くは25〜30日間培養する。そして、トリプトファン類縁
化合物に耐性を発現している細胞カルスを選抜すること
により、本発明の組換えプラスミドで形質転換された植
物細胞カルスを選抜することができる。このような選抜
工程(2)は、培地を取り替え、複数回繰り返して行うこ
ともできる。
【0014】本発明の選抜方法において用いる植物細胞
カルスの植物の種類は特に限定されず、例えば、イネ、
トウモロコシ、コムギ、オオムギ等の単子葉植物や、タ
バコ、ダイズ、ツタ、トマト、ハクサイ、キュウリ、レ
タス等の双子葉植物が挙げられる。植物細胞カルス形成
用の培地としては、例えば、MS培地、R2培地、N6培地等
の無機塩成分及びビタミン類を含む植物組織培養用の培
地に、植物ホルモン、炭素源を添加してなる培地等が挙
げられる。そして、形質転換カルスを選抜するために培
地に導入するトリプトファン類縁化合物としては、例え
ば、5-メチルトリプトファン(5MT)、4-メチルトリプト
ファン(4MT)、6-メチルトリプトファン(6MT)、7-メチル
トリプトファン(7MT)、6-メチルアントラニル酸(6MA)、
5-メチルアントラニル酸(5MA)、3-メチルアントラニル
酸(3MA)、5-フルオロアントラニル酸(5FA)、6-フルオロ
アントラニル酸(6FA)等が挙げられ、他にトリプトファ
ン類縁化合物の生合成中間体も使用できる。植物細胞カ
ルスの培養期間は特に限定されないが、形質転換植物を
再生することが必要であるから、当該植物細胞が植物体
再生能力を保有している期間内であることが望ましい。
【0015】植物細胞カルス中に導入された遺伝子(A)
の存在は、例えば、PCR法によって確認できる。カルス
からのDNAの抽出は、J.Sambrookらの方法(「Molecular C
loning」第2版, Cold Spring Habor Laboratory Press,1
989年)に準じて実施できる。PCR法を用いて解析する場
合は、例えば、カルスから抽出されたDNAを、テンプレ
ートとして用い本発明によるDNAの塩基配列に従って適
当に選択された塩基配列をもつ合成したオリゴヌクレオ
チドをプライマーとして用い、これらを混合してPCR法
用反応液中に加えて増幅反応を行う。この増幅反応にお
いては、DNAの変性、アニーリング、伸張反応を数十回
繰り返すと、本発明のDNA配列を含むDNA断片の増幅生成
物を得ることができる。増幅生成物を含む反応液を、例
えば、アガロース電気泳動にかけると、増幅された各種
のDNA断片が分画されるため、導入したDNA配列を含むと
認められるDNA断片を確認することができる。
【0016】
【発明の効果】本発明の選抜マーカー及び組換えプラス
ミドは、イネのASAの第1アイソザイムのαサブユニット
活性を有するがトリプトファンによるフィードバック抑
制に対して非感受性であるタンパク質をコードする遺伝
子(A)と、該遺伝子(A)をカルス特異的に発現させる特定
のプロモーター遺伝子とを含むので、植物細胞カルスに
トリプトファン類縁化合物に対する耐性を効率良く付与
でき、形質転換されたカルスの選抜を効率よく行うこと
ができると共に、遺伝子(A)の発現を、植物細胞カルス
を除く他の組織や器官等において充分に抑制することが
可能であり、植物の成長、作物の安全性、更には環境へ
の影響が極めて少ない安全な形質転換植物体の作成等に
有用である。また、本発明の選抜方法では、本発明のプ
ラスミドを利用し、トリプトファン類縁化合物によっ
て、該化合物に対して耐性を有する植物細胞カルスを選
抜するので、効率よく、しかも容易に所望の形質転換カ
ルスを選抜することができる。
【0017】
【実施例】以下、実施例を参照して本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、以
下の実施例で行われる実験操作の手順は、特に記述しな
い限り、「Molecular Cloning」第2版(J. Sambrook
ら、Cold Spring Habor Labratory Press, 1989年発
行)に記載される方法に従った。
【実施例1】(1)Mol.Gen.Genet.241(1-2)1-10(1993)に記
載される方法に従って、配列番号6に示すイネのキチナ
ーゼ遺伝子核DNAクローンpRCG3を得た。これを鋳型に
し、PRO3P5プライマー(5'-TTAAGCTTGGAAGGATATAGTAGTA
CTTG-3'、配列番号7)およびPRO3P3プライマー(5'-TA
CCCGGGCGGCCGGCAATGTGATG-3'、配列番号8)を用いて、
アニーリング温度55度、サイクル数30回でPCRを
行ない、配列番号1に示す配列の3’末端側の約200bp
の断片を得た。これを制限酵素HindIII(東洋紡績株式
会社製)とSmaI(東洋紡績株式会社製)で処理した後、
pUC119ベクター(宝酒造株式会社製)のHindIIIとSmaI
サイト間にDNAライゲーションキット(東洋紡績株式
会社製)を用いて12℃で一晩処理して連結し、プラス
ミドpRCG3PRO3Sを構築した。次に、このpRCG3PRO3SをSc
aI(東洋紡績株式会社製)及びSacI(東洋紡績株式会社
製)で処理して得られる断片と、pRCG3をEcoRI(東洋紡
績株式会社製)及びScaIで処理して得られた、配列番号
1に示す配列の5’末端側の約1.4kbの断片を、pBluesc
ript IISK(+)ベクター(STRATAGENE社製)のEcoRIとSac
Iサイト間にDNAライゲーションキット(東洋紡績株
式会社製)を用いて16℃で2時間処理して連結し、プ
ラスミドSK-RCG3PROを構築した。
【0018】(2)一方、WO99/11800記載の方法に従い、
イネのアントラニル酸合成酵素αサブユニット遺伝子OS
ASA1をアミノ酸置換により改変した、配列番号2で表わ
される配列OSASA1D(DNA断片-β)をpBluescript IISK
(+)プラスミドベクター(STRATAGENE社製)に導入した
プラスミドであるpBluescript-DNA-D(特許生物寄託セ
ンター(日本国茨城県つくば市東1-1-1中央第6)に受託
日1998年8月7日、受託番号FERM BP-6451にて国際寄託さ
れている大腸菌XLI-Blue MRF'/pBluescript-DNA-D中に
含まれる。)を得た。これをEcoRIで消化して得た断片
を、pUC118ベクター(宝酒造株式会社製)のEcoRIサイ
トにサブクローニングし、プラスミドpUC118-OSASA1Dを
得た。これをSpeI(東洋紡績株式会社製)で処理した
後、T4 DNAポリメラーゼ(宝酒造株式会社製)で37℃
で30分間処理して末端を平滑化し、さらにSalI(宝酒
造株式会社製)で切断し、前記プラスミドSK-RCG3PROを
SalI及びSmaIで処理して生じたPRO3断片と連結して、プ
ラスミドpUC118-PRO3-OSASA1Dを構築した。
【0019】(3)次に、このpUC118-PRO3-OSASA1DのEcoR
I断片をpRL-nul1ベクター(ニッポンジーン社製)のEco
RIサイトにサブクローニングし、プラスミドpRL-PRO3-O
SASA1Dを得た。これをPstI(東洋紡績株式会社製)及び
SacIで処理して、配列番号1に示すプロモーター配列PR
O3とその下流に連結された配列番号2に示すOSASA1Dとを
含むPRO3-OSASA1D断片を得た。一方、35Sプロモータ
ー、その下流に連結されたハイグロマイシン耐性を発現
する配列(HPT)、NOS3ターミネーター、及びカナマイ
シン耐性を発現する遺伝子であるNPTIIを含む15kbサイ
ズの公知のベクターpIG121-HmをPmeI及びSacIで切断し
た断片に、PmeI-PacI-NotI-Sse8387I-AseI-SacIの8カ
ッター制限酵素サイトを有するポリリンカーを挿入し、
プラスミドp8C-Hmを得た。このプラスミドp8C-HmをSse8
387I(宝酒造株式会社製)及びSacIで処理し、上記PRO3
-OSASA1D断片と、DNAライゲーションキット(東洋紡
績株式会社製)を用いて12℃で一晩処理して連結する
ことにより、PRO3-OSASA1Dカセットを持ち、図1に示す
制限酵素地図により表わされるプラスミドp8C-PRO3-OSA
SA1Dを調製した。このプラスミドを、大腸菌に導入した
菌株は、Escherichia coli DH5α/p8C-PRO3-ASA1Dとし
て、特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1-
1-1中央第6)に寄託番号FERM P-18768として2002年3月
14日に寄託した。なお、制限酵素反応は全て、酵素購
入時に添付されていた反応バッファーを用いて、37度
で1.5時間から2時間行なった。また、DNA断片は全て、
制限酵素反応後アガロースゲル電気泳動を行ない、アガ
ロースゲルからのDNA回収キット(QIAGEN社製)を用い
て精製したのち、連結反応に用いた。
【0020】(4)LB培地(バクトトリプトン10g/l、バク
トイーストエクストラクト5g/l及びNaCl 0.5%を含む、
pH7)の液体培地300mlに、アグロバクテリウム(Agrobac
terium tumefaciens)EHA101(ATCC53487として公衆によ
り利用可能)を移植し、30℃で16時間振とう培養した
後、培養液を4℃で10分間冷却し、遠心分離により細菌
の沈殿を得た。細菌の沈殿物に対し、氷冷した10%グリ
セロールで洗浄操作と遠心分離を3回繰返した後、沈殿
物を10mlのグリセロールに溶解した。そのうちの40μl
をエッペンドルフチューブに移し、このチューブに上記
プラスミドp8C-PRO3-OSASA1Dの溶解液(40ng)5μlを添
加し、よく混合した。これらを氷上に3分間置いた後、
エレクトロポレーション用のキュベット(電極間0.2c
m)に移し、エレクトロポレーション装置(ジーン・パ
ルサー(バイオラッド社製))で、電圧12.5kV/cm、コ
ンデンサー容量25μF、抵抗値600Ωの条件でエレクトロ
ポレーションを行った。キュベット内にSOC培地(GIBCO
BRL社製)を0.8ml添加し、懸濁液を2ml容の試験管に移
し、30℃で1時間振とう培養を行った。この培養液を、L
B培地にカナマイシン50mg/lを添加してなる寒天培地に
塗布し、30℃で36時間培養して、生育してきたコロニー
を組換えベクターが導入された形質転換アグロバクテリ
ウムとして得た。
【0021】(5)イネ(品種名「日本晴」、完熟種子)
を殺菌して、2N6培地(N6基本培地に、カサミノ酸2g/l
及び2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)2mg/lを添加し
たもの)に置床し、3週間後に誘導されたカルスを新し
い2N6培地に移し、さらに1週間培養した。 (6)上記(4)で調製したアグロバクテリウムをAA培地の無
機塩組成にショ糖20g/l、2,4-D 2mg/l、カイネチン0.2m
g/l及びアセトシリンゴン10mg/lを添加してなる液体培
地30mlに懸濁し菌液を得た。この懸濁液を50mlのチュー
ブに入れ、上記(5)で得たカルスを入れた後、5分間浸漬
した。浸漬後、ペーパータオルで余分な菌液を除去し
た。N6培地の無機塩組成にショ糖30g/l、グルコース10g
/l、2,4-D2mg/l、カサミノ酸2g/l、ゲルライト2g/l及び
アセトシリンゴン10mg/lを添加してなる固体培地に、上
記の浸漬したカルスを置床した。24℃で3日間、暗黒下
で培養し、イネのカルスへのアグロバクテリウムの感染
を行った。感染終了後、カルスを滅菌水及び500ml/l
カルベニシリン溶液で洗浄し菌を除去した。
【0022】(7)N6基本培地に、500mg/lカルベニシリン
及び表1に示す濃度の5-メチルトリプトファン(5-MT)
又はハイグロマイシンを添加した選抜培地に、カルス小
片を置床し、28℃で3週間培養し1次選抜を行った。増
殖してきたカルスを新しい選抜培地に置床し、28℃で
3週間培養し2次選抜を行った。ここで増殖の見られたカ
ルスを、再分化培地(MS基本培地にベンジルアデニン(B
A)2mg/l、ナフタレン酢酸(NAA)1mg/lを添加したもの)
に移植し2週間培養したところ、緑色スポットが誘導さ
れた。これをさらにホルモン無添加培地で2週間培養し
て、シュートを形成させた。これをさらに、培養土の入
ったカップに移し、閉鎖系温室(湿度60%、28℃)で生
育させ、植物体を得た。選抜に供されたカルス数、選抜
されたカルス数、及びそのうち再分化植物体を与えたカ
ルス数を、それぞれ表1に示す。
【0023】(8)上記(7)で得られた植物体から葉を採取
し、その葉50mgを1.5ml容のマイクロチューブに入れ
た。抽出バッファー(200mM Tris-HCl pH7.5, 250mM Na
Cl, 25mM EDTA, 0.5% SDS)を0.3ml加え、これを磨砕し
た。30分間静置後15,000 rpmで10分間遠心分離した。得
られた上精に等量のイソプロパノールを加え転倒撹拌
し、15,000 rpmで10分間遠心分離した。得られたDNAの
沈澱を70%エタノールでリンスした後、減圧下で乾燥し
た。100 μlの1/10TE緩衝液にDNAペレットを溶解し、DN
A溶液とした。
【0024】(9)PCR用のプライマーとして、配列表の配
列番号4に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及
び配列番号5に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチ
ドを常法に従って合成した。これら2種類のオリゴヌク
レオチドの各1μMをプライマーとして用い且つ上記(8)
で得たDNA 5μlをテンプレートとして用い、これらを増
幅用反応液(10mM Tris-HCl(pH8.3)、1.0mM MgCl2、50m
M KCl、0.01%ゼラチン、dNTPの各0.2mMの混合物及びTa
qDNAポリメラーゼ2.5ユニットを含む)100μlに加え、
増幅反応を行った。用いた増幅反応液は、PCRキット(P
CR Amplification Kit(宝酒造株式会社製))で調製し
た。増幅反応は、PCR反応装置(GeneAmp PCR System 97
00(アプライドバイオシステムズ社製))内で、変性94
℃、1分、アニーリング60℃、30秒、伸張72℃、1分の3
つの反応操作を30回繰り返すことによって実施した。得
られた反応液を、常法によりアガロース電気泳動により
分析し、OSASA1D配列の増幅によるDNA断片に由来するバ
ンドの見られた個体を陽性個体として計数した。結果を
表1に示す。上記(5)〜(9)の操作は、選抜用の薬剤濃度
を変えて4回行った。表1においては、それぞれの実験結
果を実験1〜4として示す。
【0025】
【表1】 この結果より、PRO3-OSASA1Dにより発現した5-MT耐性に
基く選抜により、形質導入されたカルスを良好に選別し
うることができ、特に5-MT濃度を0.15mMとした際に、エ
スケープ(形質導入されていない株でありながら選抜さ
れたもの)の全く存在しない、特に良好な選抜が行える
ことが分かる。
【0026】
【実施例2】以下の手順により、5-MTにより選抜したカ
ルス及び植物体におけるOSASA1Dの発現の有無を、ノー
ザンブロッティングにより確認した。なお、本実施例に
おいて、下記の略号の示す意味は、それぞれ以下の通り
である: 変性溶液:4Mグアジニウムチオシアネート、25mM Na-ク
エン酸、100mM 2-メルカプトエタノール及び0.5%ラウ
リルサルコシルを含む水溶液。 DEPC水:脱イオン水にジエチルピロカーボネート0.1%を
加え、4時間混合した後オートクレーブしたもの。 ブロッキングストック液:ブロッキング試薬(粉状スキ
ムミルク)をバッファー1に10%(w/v)溶解し、オートク
レーブしたもの。用時まで4℃で保存した。 20xSSC:3M塩化ナトリウム及び0.3Mクエン酸ナトリウム
の水溶液。 ハイブリダイゼーションバッファー:50%脱イオン化ホ
ルムアミド、5xSSC、0.1%(w/v)N-ラウロイルサルコシ
ン、0.02%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)及び2%
ブロッキングストック液を含む水溶液。 バッファー1:0.1Mマレイン酸及び0.15M NaClを含み、Na
OHによりpH7.5とし、オートクレーブしたもの。 洗浄バッファー:バッファー1に、さらにTween-20を0.3%
(w/v)添加したもの。バッファー2:ブロッキングストッ
ク液をバッファー1で1:10の記釈し、最終ブロッキング
試薬濃度を1%としたもの。 バッファー3:0.1M Tris-HClに、0.1M NaCl及び50mM MgC
l2を添加したもの(pH9.5)。
【0027】(1)実施例1(7)において、5-MT濃度0.15mM
の培地により選抜して得たカルスからの植物体の成葉1.
0g及びカルス1.0gを量り取り、乳鉢中で液体窒素により
凍結させながら潰し、粉砕物を得た。変性溶液10mlを入
れた遠心管に、この粉砕物を入れ、よく撹拌し、さらに
1mlの2M NaOAcを加えてよく撹拌した。続いて、8mlの水
飽和フェノールを加え、2.2mlのクロロホルムを加えよ
く混和した。混合物を表中に15分間放置した後、4℃、9
000rpmで30分間遠心した。上清を注意深く取り、新しい
チューブに移し同量のイソプロパノールを加えよく混和
し、-20℃で30分間放置した。これを、4℃、11000rpmで
10分間遠心し、上清をデカンテーションし、変性溶液1.
4mlを加え、ペレットをよく溶解させた。得られた溶液
を、2本のRNase Freeのエッペンドルフチューブに0.7ml
ずつ入れ、それぞれに0.7mlずつイソプロパノールを加
え、よく混和した。これを-20℃で30分間放置した後、4
℃、11000rpmで10分間遠心し、上清をデカンテーション
し、0.3mlの70%エタノールを加え、チューブの内壁を
よくリンスし、室温に10〜15分間放置した。これをさら
に4℃、11000rpmで10分間遠心し、上清をデカンテーシ
ョンし、37℃で5〜10分間放置して乾燥させた。これを
0.2mlのDEPC水に混和させ、RNA溶液を得た。このRNA溶
液を、3-(N-モルフォリノ)プロパンスルホン酸(MOPS) 2
0mM及び5%脱イオンホルムアルデヒドを含むアガロース
ゲルに乗せ、100Vで2時間泳動した。泳動後、ゲルをト
ランスファー台に置き、ナイロンメンブラン(アマシャ
ム・ファルマシア社製、商品名HybondN+)を重ね、常法
によりRNAを転写し、メンブランを80℃で2時間インキュ
ベートし、RNAを固定した。
【0028】(2)滅菌水45μl、プローブ溶液(OSASA1D
配列の第242〜952塩基の断片を鋳型として調製したジゴ
キシゲニン標識RNA断片を200ng含む)5μlを混合し、65
℃に10分間静置後、氷冷し、プローブ溶液を得た。 (3)ハイブリダイゼーションバッファー15ml中に、上
記(1)で得たRNA固定メンブランを入れ、そこに上記(2)
で得たプローブ溶液全量を加え、均一に混合し、50℃
で一晩インキュベートし、ハイブリダイゼーションを行
った。続いてメンブランを、2xSSCで、室温で5分間洗浄
する操作を2回繰返し、さらに、0.1%SDSを含む0.1xSSC
で、68℃で15分間振とうし続けながら洗浄する操作を2
回繰返した。洗浄したメンブランを、さらに洗浄バッフ
ァーで1〜5分間洗浄した。抗ジゴキシゲニンアルカリホ
スファターゼ標識抗体Fabフラグメントを、バッファー2
で、75mU/mlに希釈した。この標識抗体溶液20ml中に、
メンブランを入れ、30分間インキュベートした。インキ
ュベート終了後のメンブランに対し、洗浄バッファー10
0mlで15分間の洗浄を2回繰返し、さらにバッファー3 20
ml中で2〜5分間平衡化した。3-(4-メトキシスピロ(1,
2-ジオキセタン-3,2'-(5'-クロロ)トリシクロ[3.3.1.
13,7]デカン)-4-イル)フェニルホスフェート二ナトリ
ウム(CSPD)をバッファー3で1:100に希釈し、この基質溶
液約10mlにメンブランを浸し室温で5分間インキュベー
トした。その後メンブランから余分な水分を落とし、ハ
イブリダイゼーションバッグに密封し、37℃で120分間
インキューベートすることで、X線フィルムに露光し
た。試料としてカルス及び葉からのRNAを用いた際の結
果を、それぞれ図2及び図3に示す。図2及び図3のそれぞ
れにおいて、上段はX線フィルムにより撮影した結果で
あり、バンドの濃さがOSASA1Dの発現の強度を反映して
いる。また、下段はポラロイド(登録商標)カメラによ
り撮影した結果であり、試料中の全てのrRNAを反映した
バンドが現れている。この結果より、PRO3-OSASA1Dが導
入された株においては、カルスではOSASA1Dが発現して
いるが植物体では発現しないという、カルス特異的発現
が見られることが分かる。
【0029】
【比較例1】プロモーターとしてのトウモロコシユビキ
チンプロモーター、及びその下流に連結したOSASA1Dを
含むプラスミドであるpUB-OSASA1Dを、国際公開パンフ
レットWO99/11800に記載される通りに調製した。プラス
ミドp8C-PRO3-OSASA1Dの代わりにこのプラスミドpUB-OS
ASA1Dを用いた他は、実施例1(4)〜(7)と同様に操作して
カルス及び植物体を得、これについて実施例2と同様に
操作して、OSASA1Dの発現の有無を調べた。結果を図2及
び図3に示す。この結果より、pUB-OSASA1Dが導入された
株においては、カルス及び植物体の双方でOSASA1Dが発
現していることが分かる。
【0030】
【比較例2】実施例1(1)で行ったのと同様に、pIG121-H
mベクターを制限酵素SacIで処理した。得られた断片
に、常法により平滑末端処理を行い、さらに制限酵素Xb
aIで処理することにより、一方の末端が平滑でもう一方
がXbaIの末端をもつ断片を得た。一方、pBluescript-DN
A-D上のOSASA1Dから、一方の末端を制限酵素SpeIサイト
にし、もう一方の末端を平滑にしたOSASA1D断片を得
た。これを前記pIG121-Hmベクターの断片と連結するこ
とにより、プラスミドp35S-OSASA1Dを作製した。プラス
ミドp8C-PRO3-OSASA1Dの代わりにこのプラスミドp35S-O
SASA1Dを用いた他は、実施例1(4)〜(7)と同様に操作し
てカルス及び植物体を得、これについて実施例2と同様
に操作して、OSASA1Dの発現の有無を調べた。結果を図2
及び図3に示す。この結果より、p35S-OSASA1Dが導入さ
れた株においては、カルス及び植物体の双方でOSASA1D
が発現していることが分かる。
【0031】
【配列表】 <110> National Agricultural Research Organization National Institute of Agrobiological Sciences Japan Science and Technology Corporation <120> Plasmid Containing Promoter for Callus-specific Expression, and Method for Selecting Transformed Plant Cell Callus <130> 02-174 <140> <141> <160> 8 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 1582 <212> DNA <213> Oryza sativa <400> 1 gaattcatac caaatgctcc gaaattcgtc tatttcgatg aggcccaaga catgacctcc 60 tgtttcgccc atagtttatg gtgtttggta aaatttggtt aaaatctgtc tattttagta 120 ggtcccgaaa ttcttatgca attgaatcct agaaccctat catatttata ttgcaattgc 180 acaaaaataa tgtgcaatca atatattcca attgcaatac atatcaagca tgaggtgtaa 240 tacatatcca gccgctagca ctgggtctgt tgaggtgctt cttgcagcaa cagctgcaat 300 ctgtttggct aggctgttgg cgccaggcac tgctgtcgtg ctgcaacaat ggcacattcg 360 tcgagcacac aaccgcgcct atgcacagcg caagctcgct gccttggacc gtggttccag 420 tgttgcatca aggcttagtg gattgagcga gaagacgaac tgacaatgcc aaagatgcga 480 tgctgcgagt gtggactgcg gaagatgaat cgagatcaat caattcgtta tgcttgaaag 540 gctggaataa ctgatcagtt ggctggatcg atggtatgta ctagataata tgcggtctag 600 gcctagacca agaagcagaa gaggagtcgg gtcgggagtg tggggcgacg taggctgtag 660 ctgggccggc cgccccaggc cgcctaatga gtgtgtccgc ccctggcctg acacgatggg 720 taattaaata gttatgcatg tccctctttg tctaaacaat atgtataaaa ttgacgatat 780 cttgggcaaa atcactgggc atggcacaca ggagagctac tttagcgaca tgaatctagg 840 cgaaaatcta ttgaaccaaa aatcgactgt aatctcatga aaattttcgt cataattata 900 gcaaaatcgt tgttggattg attgcacgag aaaacagaag aagggagcta ggtgatatta 960 tattgttttg ttgcctacat aaatcttaaa gcaatcgaat ggtctaaaat ttacaagatt 1020 tttaaagagg ttttcgtacc gtatagaccc cggccgggtc aaacttattt ggtcgtcgct 1080 ggttgtttgt agcacgccag ctccatatat gtggattgca gctggtctat gataagttcg 1140 gtcgatctga gatcaatcta tcaatcgtca accctttgcc tttgttagcg agctagcgtg 1200 tacacatttc aattatatat ggtgcatgca tggcatccac gcctccacgg tcaacgtgga 1260 aatatctctg gaaacttact ttttctaaat aactgaacgg attggaggca ggagacaaat 1320 ttgaccaaca caatatatcc acgacggcta gacaatacta gtagatgcat gcatggaagg 1380 atatagtagt acttgttaat cgtggaaact ttggtaatgc gaatgcattt caattcgttg 1440 ctgaagatcg atgcaccatg catatccatc tctatataaa gccatgcgat cccaccgatt 1500 cttgcacaca cactagctac ttctacttct atcataccaa acaaactagc ttaatttgca 1560 ttgcatcaca ttgccggccg cc 1582 <210> 2 <211> 1734 <212> DNA <213> Oryza sativa <220> <221> CDS <222> (1)..(1734) <400> 2 atg gcc agc ctc gtg ctc tcc ctg cgc atc gcc cgt tcc acg ccg ccg 48 Met Ala Ser Leu Val Leu Ser Leu Arg Ile Ala Arg Ser Thr Pro Pro 1 5 10 15 ctg ggg ctg ggc ggg ggg cga ttc cgc ggc cga cga ggg gcc gtc gcc 96 Leu Gly Leu Gly Gly Gly Arg Phe Arg Gly Arg Arg Gly Ala Val Ala 20 25 30 tgc cgc gcc gcc acg ttc cag cag ctc gac gcc gtc gcg gtg agg gag 144 Cys Arg Ala Ala Thr Phe Gln Gln Leu Asp Ala Val Ala Val Arg Glu 35 40 45 gag gag tcc aag ttc aag gcg ggg gcg gcg gag ggt tgc aac atc ctg 192 Glu Glu Ser Lys Phe Lys Ala Gly Ala Ala Glu Gly Cys Asn Ile Leu 50 55 60 ccg ctc aag cga tgc atc ttc tcc gac cac ctc acg ccg gtg ctc gcg 240 Pro Leu Lys Arg Cys Ile Phe Ser Asp His Leu Thr Pro Val Leu Ala 65 70 75 80 tac cgc tgc ctc gtc agg gag gac gac cgc gag gcg ccc agc ttc ctg 288 Tyr Arg Cys Leu Val Arg Glu Asp Asp Arg Glu Ala Pro Ser Phe Leu 85 90 95 ttt gag tcc gtc gag cag gga tcc gag ggc acc aat gtg ggg agg tac 336 Phe Glu Ser Val Glu Gln Gly Ser Glu Gly Thr Asn Val Gly Arg Tyr 100 105 110 agt gtg gtt ggg gca cag cct gcg atg gag atc gta gcc aag gcc aac 384 Ser Val Val Gly Ala Gln Pro Ala Met Glu Ile Val Ala Lys Ala Asn 115 120 125 cat gtg act gtc atg gat cat aag atg aag tct agg agg gag caa ttt 432 His Val Thr Val Met Asp His Lys Met Lys Ser Arg Arg Glu Gln Phe 130 135 140 gcg cct gac ccg atg aag ata cca agg agc att atg gaa cag tgg aac 480 Ala Pro Asp Pro Met Lys Ile Pro Arg Ser Ile Met Glu Gln Trp Asn 145 150 155 160 cca cag att gtt gaa ggc ctc cct cat gca ttt tgt gga gga tgg gtt 528 Pro Gln Ile Val Glu Gly Leu Pro His Ala Phe Cys Gly Gly Trp Val 165 170 175 gga ttc ttc tct tac gac aca gtg cgt tat gtt gaa aca aag aag ctt 576 Gly Phe Phe Ser Tyr Asp Thr Val Arg Tyr Val Glu Thr Lys Lys Leu 180 185 190 cca ttt tct aac gcg cca gag gat gat agg aac ctt cct gac atc cat 624 Pro Phe Ser Asn Ala Pro Glu Asp Asp Arg Asn Leu Pro Asp Ile His 195 200 205 tta ggc ctc tac aat gac ata gtt gtg ttt gat cat gtt gaa aag aaa 672 Leu Gly Leu Tyr Asn Asp Ile Val Val Phe Asp His Val Glu Lys Lys 210 215 220 aca cat gtt ata cat tgg gtg agg gta gat tgc cat gag tca gtt gac 720 Thr His Val Ile His Trp Val Arg Val Asp Cys His Glu Ser Val Asp 225 230 235 240 gaa gcg tat gag gac ggg aag aat cag ctg gaa gct ttg tta tca aga 768 Glu Ala Tyr Glu Asp Gly Lys Asn Gln Leu Glu Ala Leu Leu Ser Arg 245 250 255 tta cat agt gtt aat gtg cca act ctt act gct ggt tct gta aaa ctt 816 Leu His Ser Val Asn Val Pro Thr Leu Thr Ala Gly Ser Val Lys Leu 260 265 270 aac gtt ggg caa ttt ggg tca gca cta cag aaa tca tca atg tca agg 864 Asn Val Gly Gln Phe Gly Ser Ala Leu Gln Lys Ser Ser Met Ser Arg 275 280 285 gag gac tat aag aaa gct gtt gtt caa gca aaa gag cac att cta gct 912 Glu Asp Tyr Lys Lys Ala Val Val Gln Ala Lys Glu His Ile Leu Ala 290 295 300 ggt gac att ttt caa gta gtc tta agc cag cgt ttt gag agg cgt aca 960 Gly Asp Ile Phe Gln Val Val Leu Ser Gln Arg Phe Glu Arg Arg Thr 305 310 315 320 ttt gct aac ccc ttt gag gtg tac cgt gca ttg cgt att gtc aat cct 1008 Phe Ala Asn Pro Phe Glu Val Tyr Arg Ala Leu Arg Ile Val Asn Pro 325 330 335 agt cct tat atg gcc tat cta cag gct cgt ggt tgt att ctg gta gca 1056 Ser Pro Tyr Met Ala Tyr Leu Gln Ala Arg Gly Cys Ile Leu Val Ala 340 345 350 tca agt cct gaa att ctt acc cgg gtg gaa aag agg aca att gtc aac 1104 Ser Ser Pro Glu Ile Leu Thr Arg Val Glu Lys Arg Thr Ile Val Asn 355 360 365 agg cca ctt gct gga aca att aga aga gga aaa tcg aaa gca gaa gac 1152 Arg Pro Leu Ala Gly Thr Ile Arg Arg Gly Lys Ser Lys Ala Glu Asp 370 375 380 aaa gtt tta gaa caa ctg ctg ttg agt gat gga aag cag tgt gct gag 1200 Lys Val Leu Glu Gln Leu Leu Leu Ser Asp Gly Lys Gln Cys Ala Glu 385 390 395 400 cat att atg tta gta gat ctt gga cgg aat gat gtt gga aag gtg tcc 1248 His Ile Met Leu Val Asp Leu Gly Arg Asn Asp Val Gly Lys Val Ser 405 410 415 aaa cca ggt tca gta aag gtg gag aaa ctg atg aac gtt gaa cga tat 1296 Lys Pro Gly Ser Val Lys Val Glu Lys Leu Met Asn Val Glu Arg Tyr 420 425 430 tca cat gtc atg cac att agc tca aca gtt act gga gag ttg cgt gat 1344 Ser His Val Met His Ile Ser Ser Thr Val Thr Gly Glu Leu Arg Asp 435 440 445 gat ctg act tgt tgg gat gct ctt cga gca gca ttg ccc gtt gga aca 1392 Asp Leu Thr Cys Trp Asp Ala Leu Arg Ala Ala Leu Pro Val Gly Thr 450 455 460 gtt agt ggt gca cca aag gtg aga gcg atg gag ctg att gac cag atg 1440 Val Ser Gly Ala Pro Lys Val Arg Ala Met Glu Leu Ile Asp Gln Met 465 470 475 480 gaa ggg aag atg cgt ggg ccg tac agt ggt ggc ttt gga ggg gtt tct 1488 Glu Gly Lys Met Arg Gly Pro Tyr Ser Gly Gly Phe Gly Gly Val Ser 485 490 495 ttc cgt gga gac atg gac atc gca ctt gct ctc cgt acc atc gtc ttc 1536 Phe Arg Gly Asp Met Asp Ile Ala Leu Ala Leu Arg Thr Ile Val Phe 500 505 510 ccc acg gga tct cgc ttc gac acc atg tac tcc tac act gac aag aat 1584 Pro Thr Gly Ser Arg Phe Asp Thr Met Tyr Ser Tyr Thr Asp Lys Asn 515 520 525 gct cgt cag gag tgg gtg gct cac ctt cag gct gga gct ggg atc gtc 1632 Ala Arg Gln Glu Trp Val Ala His Leu Gln Ala Gly Ala Gly Ile Val 530 535 540 gct gac agc aag cct gac gat gag cat cag gag tgc ttg aac aag gct 1680 Ala Asp Ser Lys Pro Asp Asp Glu His Gln Glu Cys Leu Asn Lys Ala 545 550 555 560 gct ggc ctt gct cgt gcc atc gat ctt gcc gag tct aca ttc gta gat 1728 Ala Gly Leu Ala Arg Ala Ile Asp Leu Ala Glu Ser Thr Phe Val Asp 565 570 575 gag tag 1734 Glu <210> 3 <211> 577 <212> PRT <213> Oryza sativa <400> 3 Met Ala Ser Leu Val Leu Ser Leu Arg Ile Ala Arg Ser Thr Pro Pro 1 5 10 15 Leu Gly Leu Gly Gly Gly Arg Phe Arg Gly Arg Arg Gly Ala Val Ala 20 25 30 Cys Arg Ala Ala Thr Phe Gln Gln Leu Asp Ala Val Ala Val Arg Glu 35 40 45 Glu Glu Ser Lys Phe Lys Ala Gly Ala Ala Glu Gly Cys Asn Ile Leu 50 55 60 Pro Leu Lys Arg Cys Ile Phe Ser Asp His Leu Thr Pro Val Leu Ala 65 70 75 80 Tyr Arg Cys Leu Val Arg Glu Asp Asp Arg Glu Ala Pro Ser Phe Leu 85 90 95 Phe Glu Ser Val Glu Gln Gly Ser Glu Gly Thr Asn Val Gly Arg Tyr 100 105 110 Ser Val Val Gly Ala Gln Pro Ala Met Glu Ile Val Ala Lys Ala Asn 115 120 125 His Val Thr Val Met Asp His Lys Met Lys Ser Arg Arg Glu Gln Phe 130 135 140 Ala Pro Asp Pro Met Lys Ile Pro Arg Ser Ile Met Glu Gln Trp Asn 145 150 155 160 Pro Gln Ile Val Glu Gly Leu Pro His Ala Phe Cys Gly Gly Trp Val 165 170 175 Gly Phe Phe Ser Tyr Asp Thr Val Arg Tyr Val Glu Thr Lys Lys Leu 180 185 190 Pro Phe Ser Asn Ala Pro Glu Asp Asp Arg Asn Leu Pro Asp Ile His 195 200 205 Leu Gly Leu Tyr Asn Asp Ile Val Val Phe Asp His Val Glu Lys Lys 210 215 220 Thr His Val Ile His Trp Val Arg Val Asp Cys His Glu Ser Val Asp 225 230 235 240 Glu Ala Tyr Glu Asp Gly Lys Asn Gln Leu Glu Ala Leu Leu Ser Arg 245 250 255 Leu His Ser Val Asn Val Pro Thr Leu Thr Ala Gly Ser Val Lys Leu 260 265 270 Asn Val Gly Gln Phe Gly Ser Ala Leu Gln Lys Ser Ser Met Ser Arg 275 280 285 Glu Asp Tyr Lys Lys Ala Val Val Gln Ala Lys Glu His Ile Leu Ala 290 295 300 Gly Asp Ile Phe Gln Val Val Leu Ser Gln Arg Phe Glu Arg Arg Thr 305 310 315 320 Phe Ala Asn Pro Phe Glu Val Tyr Arg Ala Leu Arg Ile Val Asn Pro 325 330 335 Ser Pro Tyr Met Ala Tyr Leu Gln Ala Arg Gly Cys Ile Leu Val Ala 340 345 350 Ser Ser Pro Glu Ile Leu Thr Arg Val Glu Lys Arg Thr Ile Val Asn 355 360 365 Arg Pro Leu Ala Gly Thr Ile Arg Arg Gly Lys Ser Lys Ala Glu Asp 370 375 380 Lys Val Leu Glu Gln Leu Leu Leu Ser Asp Gly Lys Gln Cys Ala Glu 385 390 395 400 His Ile Met Leu Val Asp Leu Gly Arg Asn Asp Val Gly Lys Val Ser 405 410 415 Lys Pro Gly Ser Val Lys Val Glu Lys Leu Met Asn Val Glu Arg Tyr 420 425 430 Ser His Val Met His Ile Ser Ser Thr Val Thr Gly Glu Leu Arg Asp 435 440 445 Asp Leu Thr Cys Trp Asp Ala Leu Arg Ala Ala Leu Pro Val Gly Thr 450 455 460 Val Ser Gly Ala Pro Lys Val Arg Ala Met Glu Leu Ile Asp Gln Met 465 470 475 480 Glu Gly Lys Met Arg Gly Pro Tyr Ser Gly Gly Phe Gly Gly Val Ser 485 490 495 Phe Arg Gly Asp Met Asp Ile Ala Leu Ala Leu Arg Thr Ile Val Phe 500 505 510 Pro Thr Gly Ser Arg Phe Asp Thr Met Tyr Ser Tyr Thr Asp Lys Asn 515 520 525 Ala Arg Gln Glu Trp Val Ala His Leu Gln Ala Gly Ala Gly Ile Val 530 535 540 Ala Asp Ser Lys Pro Asp Asp Glu His Gln Glu Cys Leu Asn Lys Ala 545 550 555 560 Ala Gly Leu Ala Arg Ala Ile Asp Leu Ala Glu Ser Thr Phe Val Asp 565 570 575 Glu <210> 4 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA <400> 4 accgctgcct cgtcagggag gacg 24 <210> 5 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA <400> 5 ctcaaaacgc tggcttaaga c 21 <210> 6 <211> 2808 <212> DNA <213> Oryza sativa <400> 6 atattaatta attttctttt tggcgcgggg cagaagagtg gactttaact ttctttttaa 60 taaaatctcc aattaatatg taattataat atacttttaa tcaaaacatg caaagctagc 120 agtatttaca tcactagaag taaatctttc ttgctcatga tgcttcagcc ggacggaacc 180 ctaaaatata gatggggcgg atacactcga ttaaaacagc taattgcaac acatatcata 240 taaggttttg gaattcatac caaatgctcc gaaattcgtc tatttcgatg aggcccaaga 300 catgacctcc tgtttcgccc atagtttatg gtgtttggta aaatttggtt aaaatctgtc 360 tattttagta ggtcccgaaa ttcttatgca attgaatcct agaaccctat catatttata 420 ttgcaattgc acaaaaataa tgtgcaatca atatattcca attgcaatac atatcaagca 480 tgaggtgtaa tacatatcca gccgctagca ctgggtctgt tgaggtgctt cttgcagcaa 540 cagctgcaat ctgtttggct aggctgttgg cgccaggcac tgctgtcgtg ctgcaacaat 600 ggcacattcg tcgagcacac aaccgcgcct atgcacagcg caagctcgct gccttggacc 660 gtggttccag tgttgcatca aggcttagtg gattgagcga gaagacgaac tgacaatgcc 720 aaagatgcga tgctgcgagt gtggactgcg gaagatgaat cgagatcaat caattcgtta 780 tgcttgaaag gctggaataa ctgatcagtt ggctggatcg atggtatgta ctagataata 840 tgcggtctag gcctagacca agaagcagaa gaggagtcgg gtcgggagtg tggggcgacg 900 taggctgtag ctgggccggc cgccccaggc cgcctaatga gtgtgtccgc ccctggcctg 960 acacgatggg taattaaata gttatgcatg tccctctttg tctaaacaat atgtataaaa 1020 ttgacgatat cttgggcaaa atcactgggc atggcacaca ggagagctac tttagcgaca 1080 tgaatctagg cgaaaatcta ttgaaccaaa aatcgactgt aatctcatga aaattttcgt 1140 cataattata gcaaaatcgt tgttggattg attgcacgag aaaacagaag aagggagcta 1200 ggtgatatta tattgttttg ttgcctacat aaatcttaaa gcaatcgaat ggtctaaaat 1260 ttacaagatt tttaaagagg ttttcgtacc gtatagaccc cggccgggtc aaacttattt 1320 ggtcgtcgct ggttgtttgt agcacgccag ctccatatat gtggattgca gctggtctat 1380 gataagttcg gtcgatctga gatcaatcta tcaatcgtca accctttgcc tttgttagcg 1440 agctagcgtg tacacatttc aattatatat ggtgcatgca tggcatccac gcctccacgg 1500 tcaacgtgga aatatctctg gaaacttact ttttctaaat aactgaacgg attggaggca 1560 ggagacaaat ttgaccaaca caatatatcc acgacggcta gacaatacta gtagatgcat 1620 gcatggaagg atatagtagt acttgttaat cgtggaaact ttggtaatgc gaatgcattt 1680 caattcgttg ctgaagatcg atgcaccatg catatccatc tctatataaa gccatgcgat 1740 cccaccgatt cttgcacaca cactagctac ttctacttct atcataccaa acaaactagc 1800 ttaatttgca ttgcatcaca ttgccggccg ccatgagagc tctcgctctc gcggtggtgg 1860 ccatggcggt ggtggccgtg cgcggcgagc agtgcggcag ccaggccggc ggcgcgctct 1920 gccccaactg cctctgctgc agccagtacg gctggtgcgg ctccacctcc gattactgcg 1980 gcgccggctg ccagagccag tgctccggcg gctgcggcgg cggcccgacc ccgccctcca 2040 gcggtggcgg cagcggcgtc gcctccatca tatcgccctc gctcttcgac cagatgctgc 2100 tccaccgcaa cgaccaggcg tgcgccgcta agggcttcta cacctacgac gccttcgtcg 2160 ccgccgccaa cgcctacccg gacttcgcca ccaccggcga cgccgacacc tgcaagcgcg 2220 aggtcgccgc cttcctggcg cagacgtccc acgagaccac cggcggctgg cccacggcgc 2280 ccgacggccc ctactcctgg ggctactgct tcaaggagga gaacaacggc aacgccccca 2340 catactgcga gcccaagccg gagtggccgt gcgccgccgg caagaagtac tacggccggg 2400 gacccatcca gatcacctac aactacaact acggcccggc ggggcaggcc atcggctccg 2460 acctgctcaa caacccggac ctggtggcgt cggacgccac cgtctccttc aagacggcgt 2520 tctggttctg gatgacgccg cagtcgccca agccgtcgtg ccacgcggtg atcaccggcc 2580 agtggacgcc gtccgccgac gaccaggcgg cggggcgcgt tccgggctac ggcgagatca 2640 ccaacatcat caacggcggt gtggagtgcg ggcacggcgc ggacgacaag gtggccgacc 2700 ggatcgggtt ctacaagcgc tactgcgaca tgctgggcgt cagctatggc gataacctgg 2760 attgctacaa ccagaggccc tacccgcctt cctagttgat atttgatc 2808 <210> 7 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA <400> 7 ttaagcttgg aaggatatag tagtacttg 29 <210> 8 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA <400> 8 tacccgggcg gccggcaatg tgatg 25
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において調製したプラスミドp8C-PRO3
-OSASA1Dの制限酵素地図を示す概略図である。
【図2】実施例2、比較例2及び比較例3において、試
料としてカルスを用いた場合のOSASA1Dの発現を反映し
たバンド(上段)及び試料中の全てのrRNAを反映したバ
ンド(下段)を撮影したノーザンブロッティングの結果
を示す泳動写真である。
【図3】実施例2、比較例2及び比較例3において、試
料として葉を用いた場合のOSASA1Dの発現を反映したバ
ンド(上段)及び試料中の全てのrRNAを反映したバンド
(下段)を撮影したノーザンブロッティングの結果を示
す泳動写真である。
【符号の説明】
pPRO3:実施例2の結果を示すレーン pUB:比較例1の結果を示すレーン p35S:比較例2の結果を示すレーン NB:対照
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若狭 暁 東京都町田市三輪緑山2−26−2 (72)発明者 小松 晃 茨城県つくば市倉掛1093 カマラードつく ばB205 (72)発明者 西澤 洋子 茨城県取手市井野台1−19−1−403 Fターム(参考) 2B030 CD17 4B024 AA07 AA20 BA07 CA04 DA01 EA04 FA02 FA10 GA11 HA14 4B063 QA08 QA18 QQ09 QQ13 QQ42 QR60 QR62 QR78 QR80 QS24 QS25 QX05 4B065 AA88X AA89Y AB01 AC20 BA02 BA25 CA53

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イネのアントラニル酸シンターゼの第1
    アイソザイムのαサブユニット活性を有するがトリプト
    ファンによるフィードバック抑制に対して非感受性であ
    るタンパク質をコードする遺伝子(A)と、該遺伝子(A)の
    上流に接続した、配列番号1の塩基配列を有するプロモ
    ーター(PRO3)、又は該プロモーター(PRO3)に対して相同
    性を示し、該プロモーター(PRO3)と相補的な塩基配列か
    らなるDNAに対してストリンジェントな条件下でハイブ
    リダイズすることができ、且つ遺伝子(A)をカルス特異
    的に発現させるプロモーターとを含む選択マーカー。
  2. 【請求項2】 イネのアントラニル酸シンターゼの第1
    アイソザイムのαサブユニット活性を有するがトリプト
    ファンによるフィードバック抑制に対して非感受性であ
    るタンパク質をコードする遺伝子(A)と、該遺伝子(A)を
    カルス特異的に発現させる配列番号1の塩基配列を有す
    るプロモーター(PRO3)、又は該プロモーター(PRO3)に対
    して相同性を示し、該プロモーター(PRO3)と相補的な塩
    基配列からなるDNAに対してストリンジェントな条件下
    でハイブリダイズすることができ、且つ遺伝子(A)をカ
    ルス特異的に発現させるプロモーターとを含む組換えプ
    ラスミド。
  3. 【請求項3】 遺伝子(A)が、配列番号2の塩基配列を有
    する遺伝子(OSASA1D)、又は該遺伝子(OSASA1D)に対して
    相同性を示し、該遺伝子(OSASA1D)と相補的な塩基配列
    からなるDNAに対してストリンジェントな条件下でハイ
    ブリダイズすることができる遺伝子を有する請求項2記
    載の組換えプラスミド。
  4. 【請求項4】 遺伝子(A)が、配列番号3のアミノ酸配列
    を有するタンパク質をコードする遺伝子、又は配列番号
    3のアミノ酸配列における1個若しくは複数個のアミノ酸
    が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を有する
    タンパク質をコードする遺伝子を有する請求項2記載の
    組換えプラスミド。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれか1項記載の組換え
    プラスミドにより植物細胞カルスを形質転換する工程
    (1)と、工程(1)で処理されたカルスからトリプトファン
    類縁化合物に対する耐性を有するカルスを選抜する工程
    (2)とを含む形質転換された植物細胞カルスの選抜方
    法。
JP2002073951A 2002-03-18 2002-03-18 カルス特異的発現プロモーターを含むプラスミド及び形質転換された植物細胞カルスの選抜方法 Expired - Fee Related JP4189163B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002073951A JP4189163B2 (ja) 2002-03-18 2002-03-18 カルス特異的発現プロモーターを含むプラスミド及び形質転換された植物細胞カルスの選抜方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002073951A JP4189163B2 (ja) 2002-03-18 2002-03-18 カルス特異的発現プロモーターを含むプラスミド及び形質転換された植物細胞カルスの選抜方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003265182A true JP2003265182A (ja) 2003-09-24
JP4189163B2 JP4189163B2 (ja) 2008-12-03

Family

ID=29203480

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002073951A Expired - Fee Related JP4189163B2 (ja) 2002-03-18 2002-03-18 カルス特異的発現プロモーターを含むプラスミド及び形質転換された植物細胞カルスの選抜方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4189163B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP4189163B2 (ja) 2008-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102607893B1 (ko) 지베렐린 대사의 조작을 통해 저신장 식물의 수확량을 증가시키기 위한 방법 및 조성물
AU2023204276A1 (en) Novel CRISPR-associated transposases and uses thereof
JP3102888B2 (ja) 植物の形質転換方法及びそのためのベクター
US6407315B1 (en) Seed-preferred promoter from barley
US5460952A (en) Gene expression system comprising the promoter region of the α-amylase genes
JP2008167758A (ja) イネのアントラニル酸シンターゼの第2アイソザイムのαサブユニットをコードする遺伝子に関連するDNA
AU4017801A (en) Seed-preferred promoter from maize
KR19990022728A (ko) 아비딘의 고농도 발현에 의한 식물에서의 웅성생식불능의 유도
JP2010279296A (ja) 種子のタンパク質含量を増産させる遺伝子及びその利用方法
JP2023544016A (ja) 単子葉外植片の迅速な形質転換
US20090188003A1 (en) Transcriptional Activators Involved in Abiotic Stress Tolerance
HU227410B1 (hu) A növényi sejtekbe juttatott exogén DNS javított integrációja
US20080242545A1 (en) Auxin-Repressed, Dormancy-Associated Promoter and Uses Thereof
JP2004504031A (ja) リポキシゲナーゼ遺伝子、プロモーター、シグナルペプチド、およびそのタンパク質
JP2003265182A (ja) カルス特異的発現プロモーターを含むプラスミド及び形質転換された植物細胞カルスの選抜方法
CN114729357A (zh) 调节植物开花的rna分子
JP4920865B2 (ja) 緑色組織特異的プロモーター
JP2003000082A (ja) 選択マーカーを含まない組換え植物の作出方法、ならびに該方法により作出される組換え植物
JP2649287B2 (ja) 単子葉植物の形質転換方法
AU780525B2 (en) Novel miniature inverted-repeat transposable elements (MITEs)-like element and transcriptional activation element
CN114958866B (zh) 调控大豆分枝数的基因及其用途
KR100464677B1 (ko) 활성 표지를 위한 인핸서 및 유전자 포획을 위한 리포터유전자를 포함하는 t-dna 표지 벡터로 단자엽 식물의형질전환체를 제조하는 방법 및 이 방법으로 제조된형질전환체
CN110791496B (zh) 水稻基因OsTPI1-1在水稻抗病性改良中的应用
JPH1169979A (ja) プロモーター配列およびその利用法
JP3885134B2 (ja) 転写活性化因子

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20040210

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080115

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080313

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080909

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080912

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110919

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees