JP2003265182A - カルス特異的発現プロモーターを含むプラスミド及び形質転換された植物細胞カルスの選抜方法 - Google Patents
カルス特異的発現プロモーターを含むプラスミド及び形質転換された植物細胞カルスの選抜方法Info
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Abstract
転換された植物細胞カルスを効率よく選抜することを可
能にした組換えプラスミド、該プラスミドに用いる選択
マーカー、並びに形質転換された植物細胞カルスを、カ
ルス特異的に選択マーカーを発現させて効率よく選抜で
きる選抜方法を提供すること。 【解決手段】本発明の選択マーカー及び組換えプラスミ
ドは、イネのASAの第1アイソザイムのαサブユニット活
性を有するがトリプトファンによるフィードバック抑制
に対して非感受性であるタンパク質をコードする遺伝子
(A)と、該遺伝子(A)をカルス特異的に発現させる配列番
号1の塩基配列を有するプロモーター等の遺伝子(A)をカ
ルス特異的に発現させるプロモーターとを含み、本発明
の選抜方法は、前記組換えプラスミドにより植物細胞カ
ルスを形質転換する工程と、該工程で処理されたカルス
からトリプトファン類縁化合物に対する耐性を有するカ
ルスを選抜する工程とを含む。
Description
対して特異的にトリプトファン類縁化合物に対する耐性
等を導入でき、カルスの選抜に利用できる選択マーカー
を有する組換えプラスミド、及び該組換えプラスミドで
形質転換された植物細胞カルスの選抜方法に関する。
にバイオテクノロジーが利用され、種々の形質転換植物
が開発されている。また、このような形質転換植物の製
造においては、その効率を高めるために形質転換細胞の
選抜が不可欠であり、各種の選択マーカーの開発も進め
られている。しかし、このような選択マーカーは、植物
の成長、作物の安全性、更には環境への影響等を考慮し
た場合、その種類においては形質転換細胞の選択時のみ
に発現し、植物の成長過程における各種器官組織におい
ては発現しない方が良いことが多い。そこで、選択マー
カーにおいては、その種類において、所望の組織におい
て発現率が高く、他の組織においてはその発現率が極端
に低いものが望まれている。ところで、イネのアントラ
ニル酸合成酵素αサブユニット遺伝子OSASA1をアミノ酸
置換により改変したOSASA1D遺伝子が、トリプトファン
によるフィードバック阻害に対して感受性が大きく低下
しており、そのため、トリプトファンを蓄積すると同時
にトリプトファンアナログに対して抵抗性を示すことが
知られている。また、この特性を利用して、ユビキチン
プロモーター等に連結したOSASA1D遺伝子が選択マーカ
ーとして利用できることも知られている(国際公開パン
フレットWO99/11800)。しかし、ユビキチンプロモータ
ーは、イネでは非常に強く働くこと、また、いつでもど
の組織でも働くことから、必要としない場合でも植物体
のトリプトファン含量を高め、時に、生育に影響する場
合がある。
は、植物細胞カルスに対して特異的に発現し、形質転換
された植物細胞カルスを効率よく選抜することを可能に
した組換えプラスミド、該プラスミドに用いる選択マー
カーを提供することにある。本発明の別の目的は、形質
転換された植物細胞カルスを、カルス特異的に選択マー
カーを発現させて効率よく選抜することができる選抜方
法を提供することにある。
題を解決するために、まず、先に報告されているOSASA1
D遺伝子が、形質転換体の選抜時のみに発現しうるプロ
モーターについて鋭意検討した。その結果、イネキチナ
ーゼ遺伝子の特定領域のプロモーター(PRO3)を連結した
PRO3-OSASA1D遺伝子が植物細胞カルスのみで高い発現性
を示し、他の組織では発現が極端に抑制され、しかも得
られた形質転換カルスの5-メチルトリプトファン(5MT)
抵抗性が35Sプロモーターと同程度の頻度で出現し、実
際に形質転換された植物細胞カルスを効率良く選抜でき
ることを見出し本発明を完成した。即ち、本発明によれ
ば、イネのアントラニル酸シンターゼ(以下ASAという)
の第1アイソザイムのαサブユニット活性を有するがト
リプトファンによるフィードバック抑制に対して非感受
性であるタンパク質をコードする遺伝子(A)と、該遺伝
子(A)の上流に接続した、配列番号1の塩基配列を有する
プロモーター(PRO3)、又は該PRO3に対して相同性を示
し、該PRO3と相補的な塩基配列からなるDNAに対してス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズすることがで
き、且つ遺伝子(A)をカルス特異的に発現させるプロモ
ーターとを含む選択マーカーが提供される。また本発明
によれば、前記遺伝子(A)と、前記PRO3、又はPRO3と相
補的な塩基配列からなるDNAに対してストリンジェント
な条件下でハイブリダイズすることができ、且つ遺伝子
(A)をカルス特異的に発現させるプロモーターとを含む
組換えプラスミドが提供される。更に本発明によれば、
前記組換えプラスミドにより植物細胞カルスを形質転換
する工程(1)と、工程(1)で処理されたカルスからトリプ
トファン類縁化合物に対する耐性を有するカルスを選抜
する工程(2)とを含む形質転換された植物細胞カルスの
選抜方法が提供される。
る。本発明の選択マーカーは、イネのASAの第1アイソザ
イムのαサブユニット活性を有するがトリプトファンに
よるフィードバック抑制に対して非感受性であるタンパ
ク質をコードする遺伝子(A)と、該遺伝子(A)をカルス特
異的に発現させる特定のプロモーター遺伝子とを含み、
植物細胞カルスにトリプトファン類縁化合物に対する耐
性を効率良く付与できる。従って、本発明の選択マーカ
ーは、形質転換された植物細胞カルスの選抜を効率良く
実施しうるマーカーとして作用する遺伝子である。本発
明においてカルス特異的に発現するとは、遺伝子(A)を
植物細胞カルスにおいて、同じ植物体の他の組織又は器
官の少なくとも1種におけるよりも多く発現することを
意味する。例えば、遺伝子(A)を植物細胞カルスにおい
て、同じ植物体の任意の葉身等におけるよりも極めて多
く発現させうることである。好ましくは、遺伝子(A)を
公知の35Sプロモーターの下流に接続した遺伝子を選択
マーカーとして用いた場合に比して、葉における遺伝子
(A)の発現力が弱く、且つカルスにおける遺伝子(A)の発
現力が該葉における発現力よりも高いことを意味する。
また、本発明においてフィードバック抑制に対して非感
受性であるとは、フィードバック抑制を生じる割合が低
いか、若しくは無いことを意味し、実質的にはトリプト
ファン類縁化合物に対して耐性を示すことを意味する。
定作用を有するタンパク質をコードする遺伝子であれば
特に限定されない。このような遺伝子(A)は、例えば、
国際公開パンフレットWO99/11800に記載の方法等に基
づいて、イネのcDNAライブラリーを用い、イネのASAの
第1アイソザイムのαサブユニット活性を有するタンパ
ク質をコードするDNAを含む遺伝子を調製し、該DNAの塩
基配列の一部を改変して、トリプトファンによる酵素活
性のフィードバック抑制に対して非感受性であるタンパ
ク質をコードするDNAに改変する方法等により得ること
ができる。このような改変は、例えば、文献「Plant Ph
ysiology」第110巻、51〜59頁、1996年に記載されるト
リプトファンアナログ体に耐性を示す突然変異アラビド
プシスの公知のASA遺伝子に関する報告を参考にしなが
ら改変する方法等により行うことができる。この際、DN
A配列の一部分の領域にある塩基配列を改変する一般的
な方法としては、例えば、Kunkel法(「Methods in Enzy
mology」154巻、367号)又はオリゴヌクレオチド−ダイ
レクト デュアルアンバー法等が挙げられる。
としては、例えば、配列番号2に示される塩基配列を有
する遺伝子(OSASA1D)や、該OSASA1Dに対して相同性を示
し、OSASA1Dと相補的な塩基配列からなるDNAに対してス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズすることがで
きる遺伝子等が挙げられるが、上記特定作用を有する遺
伝子であればこれらに限定されない。ここで、OSASA1D
に対して相同性を示すとは、OSASA1Dの塩基配列に対し
て通常60%以上、好ましくは80%以上、特に好ましくは
90%以上、更に好ましくは98%以上の相同性を示すこと
である。また、ストリンジェントな条件とは、OSASA1D
に対する特異的なハイブリッドが形成され、非特異的な
ハイブリッドが形成されない条件であれば良い。例え
ば、相同性が高い2つの核酸同志、高い相同性を有するD
NA同志がハイブリダイズすることを許すが、それより相
同性が低い核酸同志がハイブリダイズすることを許さな
い条件等が挙げられる。前記OSASA1Dは、国際公開パン
フレットWO99/11800に記載の方法等に基づいて調製す
ることができる他、後述する、特許生物寄託センター
(日本国茨城県つくば市東1-1-1中央第6)に寄託番号FERM
P-18768として2002年3月14日に寄託されている大腸菌E
scherichia coli DH5α/p8C-PRO3-ASA1Dから常法によ
り取得することもできる。
ノ酸配列を有するタンパク質をコードする遺伝子、又は
配列番号3のアミノ酸配列における1個若しくは複数個の
アミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列
を有するタンパク質をコードする遺伝子等を用いること
もできる。ここで、生理活性を有するタンパク質を構成
するアミノ酸配列中の1個若しくは複数個のアミノ酸が
欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列でも、元の
アミノ酸配列のタンパク質の生理活性が維持される場合
があることは当該分野において周知である。従って、本
発明における場合も、配列番号3のアミノ酸配列におけ
る1個若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは
付加されたアミノ酸配列を有するタンパク質が、イネの
ASAの第1アイソザイムのαサブユニット活性を有するが
トリプトファンによるフィードバック抑制に対して非感
受性であるタンパク質である場合には、該タンパク質を
コードする遺伝子も遺伝子(A)として用いることができ
る。このようなタンパク質の選択は、国際公開パンフレ
ットWO99/11800に記載の方法等に基づいて行うことが
できる。
ドは、前記遺伝子(A)の上流に、該遺伝子(A)を植物細胞
カルス特異的に発現させるプロモーターを有する。該プ
ロモーターは、配列番号1で示される塩基配列を有するP
RO3、又はPRO3に対して相同性を示し、PRO3と相補的な
塩基配列からなるDNAに対してストリンジェントな条件
下でハイブリダイズすることができ、且つ遺伝子(A)を
カルス特異的に発現させうるプロモーターである。ここ
で、PRO3に対して相同性を示すとは、PRO3の塩基配列に
対して通常60%以上、好ましくは80%以上、特に好まし
くは90%以上、更に好ましくは98%以上の相同性を示す
ことである。また、ストリンジェントな条件とは、PRO3
に対する特異的なハイブリッドが形成され、非特異的な
ハイブリッドが形成されない条件であれば良い。PRO3
は、イネのキチナーゼ遺伝子から常法に従って調製する
ことができ、具体的には、Mol.Gen.Genet.241(1-2)1-10
(1993)に記載の方法に基づいて、後述する実施例1に示
す方法等により得ることができる。PRO3の塩基配列を含
むDNAは、例えば、Mol.Gen.Genet.241(1-2)1-10(1993)
に基づいて登録されたDDBJ/EMBL/GenBankデータベー
スに既に記載されている。しかし、該配列番号1に示す
塩基配列が、前記遺伝子(A)を植物細胞カルスにおいて
特異的に発現させうるプロモーターであることについて
は知られていない。
(A)がカルス特異的に発現するPRO3等のプロモーターと
の接続は常法により行うことができる他、後述の実施例
1に示す方法等により行うことができる。そして、遺伝
子(A)と該遺伝子(A)がカルス特異的に発現するPRO3等の
プロモーターとを有する遺伝子断片、例えば、PRO3-OSA
SA1D断片を有するプラスミドは、例えば、35Sプロモー
ター、その下流に連結されたハイグロマイシン耐性を発
現する配列(HPT)、NOS3ターミネーター、及びカナマイ
シン耐性を発現する遺伝子NPTIIを含む15kbサイズの公
知のベクターplG121-HmをPmel及びSaclで切断した断片
に、Pmel-Pacl-Notl-Sse83871-Asel-Saclの8カッター制
限酵素サイトを有するポリリンカーを挿入し、プラスミ
ドp8C-Hmを得、このプラスミドp8C-HmをSse8387l及びSa
clで処理し、得られた切断部位にPRO3-OSASA1D断片を連
結する方法等により得ることができる。このようにして
得られたプラスミドp8C-PRO3-OSASA1Dを大腸菌に導入し
た菌株は、大腸菌Escherichiacoli DH5α/p8C-PRO3-AS
A1Dとして、特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば
市東1-1-1中央第6)に寄託番号FERM P-18768として2002
年3月14日に寄託されている。前記遺伝子(A)と該遺伝子
(A)がカルス特異的に発現するPRO3等のプロモーターと
を備えたカセットを有するプラスミドを調製するために
用いるベクターは、上記のものに限定されず、DNAの導
入方法等に応じて適宜選択することができる。
子(A)と該遺伝子(A)がカルス特異的に発現するPRO3等の
プロモーターとを有する遺伝子断片の他に、植物体の所
望組織等において発現させうる外来遺伝子を導入するこ
とができる。このような外来遺伝子は、植物体の種類、
所望の生理活性等に応じて適宜選択することができ、ま
た外来遺伝子のプロモーターやターミネーター等も所望
の活性を勘案して適宜選択でき、これらの種類等は特に
限定されない。そして、このような外来遺伝子を有する
本発明の組換えプラスミドを植物細胞カルスに導入し、
後述の本発明の選抜方法を行うことによって、形質転換
されたカルスを効率よく選択することができる。しか
も、本発明の選択マーカーに含まれる前記遺伝子(A)
は、カルス特異的に発現するので、植物細胞カルスを成
長させた際に外来遺伝子が発現する所望の植物組織や器
官等においては、遺伝子(A)がほとんど発現していない
か、全く発現していない所望の形質転換植物体を得るこ
とができる。
ず、本発明の組換えプラスミドにより植物細胞カルスを
形質転換する工程(1)を行う。まず、植物細胞カルスの
調製は、例えば、イネのカルスの場合以下の方法等によ
り行うことができるがこれに限定されない。イネの完熟
種子から籾殻を除き、得られた外皮付きコメ種子をエタ
ノール溶液で殺菌、次いで次亜塩素酸ナトリウムの希水
溶液で殺菌し、さらに滅菌水で洗浄する。MS培地等にシ
ョ糖、植物ホルモンとしての2,4-D(2,4-diclorophenoxy
aceticacid)、寒天等を加えてなる組成のカルス形成用培
地に、外皮付きコメ種子を置く。28℃で1日当り15〜18時
間にわたり、1500〜2500ルックスの太陽光を照射しなが
ら30〜40日間培養すると、イネのカルスが形成される。
そのカルスを種子から切取りカルスを得ることができ
る。次いで、前記組換えプラスミドにより植物細胞カル
スを形質転換するには、例えば、組換えプラスミドを、
アグロバクテリウム法によりカルス細胞に導入するため
に、まず、宿主であるアグロバクテリウム・ツメファシ
エンス(Agrobacterium tumefaciens)への組み込みを行
う。組み込みは公知のエレクトロポレーション法、パー
ティクルガン法、ウィスカー法等により行うことができ
る。得られたアグロバクテリウム細菌を、例えば、細胞
工学別冊(モデル植物の実験プロトコール、93〜98頁、1
996年、秀潤社発行)等にしたがって、前記調製したイネ
の細胞カルスと共存培養することにより、本発明の組換
えプラスミドの所望DNAをイネの細胞カルスに導入する
ことができる。
理されたカルスからトリプトファン類縁化合物に対する
耐性を有するカルスを選抜する工程(2)を行う。工程(2)
は、まず、工程(1)で処理されたカルスを、例えば、N6
培地にショ糖、2,4-D、ゲルライト及び選抜薬剤として
トリプトファン類縁化合物を0.1〜0.2mM、好ましくは0.
13〜0.18mMを添加してなる選抜用培地の上に均一に広
げ、更に、暗所もしくは2000ルックスの光を1日当たり1
6時間程度照射しながら25〜28℃で20〜60日間、好まし
くは25〜30日間培養する。そして、トリプトファン類縁
化合物に耐性を発現している細胞カルスを選抜すること
により、本発明の組換えプラスミドで形質転換された植
物細胞カルスを選抜することができる。このような選抜
工程(2)は、培地を取り替え、複数回繰り返して行うこ
ともできる。
カルスの植物の種類は特に限定されず、例えば、イネ、
トウモロコシ、コムギ、オオムギ等の単子葉植物や、タ
バコ、ダイズ、ツタ、トマト、ハクサイ、キュウリ、レ
タス等の双子葉植物が挙げられる。植物細胞カルス形成
用の培地としては、例えば、MS培地、R2培地、N6培地等
の無機塩成分及びビタミン類を含む植物組織培養用の培
地に、植物ホルモン、炭素源を添加してなる培地等が挙
げられる。そして、形質転換カルスを選抜するために培
地に導入するトリプトファン類縁化合物としては、例え
ば、5-メチルトリプトファン(5MT)、4-メチルトリプト
ファン(4MT)、6-メチルトリプトファン(6MT)、7-メチル
トリプトファン(7MT)、6-メチルアントラニル酸(6MA)、
5-メチルアントラニル酸(5MA)、3-メチルアントラニル
酸(3MA)、5-フルオロアントラニル酸(5FA)、6-フルオロ
アントラニル酸(6FA)等が挙げられ、他にトリプトファ
ン類縁化合物の生合成中間体も使用できる。植物細胞カ
ルスの培養期間は特に限定されないが、形質転換植物を
再生することが必要であるから、当該植物細胞が植物体
再生能力を保有している期間内であることが望ましい。
の存在は、例えば、PCR法によって確認できる。カルス
からのDNAの抽出は、J.Sambrookらの方法(「Molecular C
loning」第2版, Cold Spring Habor Laboratory Press,1
989年)に準じて実施できる。PCR法を用いて解析する場
合は、例えば、カルスから抽出されたDNAを、テンプレ
ートとして用い本発明によるDNAの塩基配列に従って適
当に選択された塩基配列をもつ合成したオリゴヌクレオ
チドをプライマーとして用い、これらを混合してPCR法
用反応液中に加えて増幅反応を行う。この増幅反応にお
いては、DNAの変性、アニーリング、伸張反応を数十回
繰り返すと、本発明のDNA配列を含むDNA断片の増幅生成
物を得ることができる。増幅生成物を含む反応液を、例
えば、アガロース電気泳動にかけると、増幅された各種
のDNA断片が分画されるため、導入したDNA配列を含むと
認められるDNA断片を確認することができる。
ミドは、イネのASAの第1アイソザイムのαサブユニット
活性を有するがトリプトファンによるフィードバック抑
制に対して非感受性であるタンパク質をコードする遺伝
子(A)と、該遺伝子(A)をカルス特異的に発現させる特定
のプロモーター遺伝子とを含むので、植物細胞カルスに
トリプトファン類縁化合物に対する耐性を効率良く付与
でき、形質転換されたカルスの選抜を効率よく行うこと
ができると共に、遺伝子(A)の発現を、植物細胞カルス
を除く他の組織や器官等において充分に抑制することが
可能であり、植物の成長、作物の安全性、更には環境へ
の影響が極めて少ない安全な形質転換植物体の作成等に
有用である。また、本発明の選抜方法では、本発明のプ
ラスミドを利用し、トリプトファン類縁化合物によっ
て、該化合物に対して耐性を有する植物細胞カルスを選
抜するので、効率よく、しかも容易に所望の形質転換カ
ルスを選抜することができる。
説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、以
下の実施例で行われる実験操作の手順は、特に記述しな
い限り、「Molecular Cloning」第2版(J. Sambrook
ら、Cold Spring Habor Labratory Press, 1989年発
行)に記載される方法に従った。
載される方法に従って、配列番号6に示すイネのキチナ
ーゼ遺伝子核DNAクローンpRCG3を得た。これを鋳型に
し、PRO3P5プライマー(5'-TTAAGCTTGGAAGGATATAGTAGTA
CTTG-3'、配列番号7)およびPRO3P3プライマー(5'-TA
CCCGGGCGGCCGGCAATGTGATG-3'、配列番号8)を用いて、
アニーリング温度55度、サイクル数30回でPCRを
行ない、配列番号1に示す配列の3’末端側の約200bp
の断片を得た。これを制限酵素HindIII(東洋紡績株式
会社製)とSmaI(東洋紡績株式会社製)で処理した後、
pUC119ベクター(宝酒造株式会社製)のHindIIIとSmaI
サイト間にDNAライゲーションキット(東洋紡績株式
会社製)を用いて12℃で一晩処理して連結し、プラス
ミドpRCG3PRO3Sを構築した。次に、このpRCG3PRO3SをSc
aI(東洋紡績株式会社製)及びSacI(東洋紡績株式会社
製)で処理して得られる断片と、pRCG3をEcoRI(東洋紡
績株式会社製)及びScaIで処理して得られた、配列番号
1に示す配列の5’末端側の約1.4kbの断片を、pBluesc
ript IISK(+)ベクター(STRATAGENE社製)のEcoRIとSac
Iサイト間にDNAライゲーションキット(東洋紡績株
式会社製)を用いて16℃で2時間処理して連結し、プ
ラスミドSK-RCG3PROを構築した。
イネのアントラニル酸合成酵素αサブユニット遺伝子OS
ASA1をアミノ酸置換により改変した、配列番号2で表わ
される配列OSASA1D(DNA断片-β)をpBluescript IISK
(+)プラスミドベクター(STRATAGENE社製)に導入した
プラスミドであるpBluescript-DNA-D(特許生物寄託セ
ンター(日本国茨城県つくば市東1-1-1中央第6)に受託
日1998年8月7日、受託番号FERM BP-6451にて国際寄託さ
れている大腸菌XLI-Blue MRF'/pBluescript-DNA-D中に
含まれる。)を得た。これをEcoRIで消化して得た断片
を、pUC118ベクター(宝酒造株式会社製)のEcoRIサイ
トにサブクローニングし、プラスミドpUC118-OSASA1Dを
得た。これをSpeI(東洋紡績株式会社製)で処理した
後、T4 DNAポリメラーゼ(宝酒造株式会社製)で37℃
で30分間処理して末端を平滑化し、さらにSalI(宝酒
造株式会社製)で切断し、前記プラスミドSK-RCG3PROを
SalI及びSmaIで処理して生じたPRO3断片と連結して、プ
ラスミドpUC118-PRO3-OSASA1Dを構築した。
I断片をpRL-nul1ベクター(ニッポンジーン社製)のEco
RIサイトにサブクローニングし、プラスミドpRL-PRO3-O
SASA1Dを得た。これをPstI(東洋紡績株式会社製)及び
SacIで処理して、配列番号1に示すプロモーター配列PR
O3とその下流に連結された配列番号2に示すOSASA1Dとを
含むPRO3-OSASA1D断片を得た。一方、35Sプロモータ
ー、その下流に連結されたハイグロマイシン耐性を発現
する配列(HPT)、NOS3ターミネーター、及びカナマイ
シン耐性を発現する遺伝子であるNPTIIを含む15kbサイ
ズの公知のベクターpIG121-HmをPmeI及びSacIで切断し
た断片に、PmeI-PacI-NotI-Sse8387I-AseI-SacIの8カ
ッター制限酵素サイトを有するポリリンカーを挿入し、
プラスミドp8C-Hmを得た。このプラスミドp8C-HmをSse8
387I(宝酒造株式会社製)及びSacIで処理し、上記PRO3
-OSASA1D断片と、DNAライゲーションキット(東洋紡
績株式会社製)を用いて12℃で一晩処理して連結する
ことにより、PRO3-OSASA1Dカセットを持ち、図1に示す
制限酵素地図により表わされるプラスミドp8C-PRO3-OSA
SA1Dを調製した。このプラスミドを、大腸菌に導入した
菌株は、Escherichia coli DH5α/p8C-PRO3-ASA1Dとし
て、特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1-
1-1中央第6)に寄託番号FERM P-18768として2002年3月
14日に寄託した。なお、制限酵素反応は全て、酵素購
入時に添付されていた反応バッファーを用いて、37度
で1.5時間から2時間行なった。また、DNA断片は全て、
制限酵素反応後アガロースゲル電気泳動を行ない、アガ
ロースゲルからのDNA回収キット(QIAGEN社製)を用い
て精製したのち、連結反応に用いた。
トイーストエクストラクト5g/l及びNaCl 0.5%を含む、
pH7)の液体培地300mlに、アグロバクテリウム(Agrobac
terium tumefaciens)EHA101(ATCC53487として公衆によ
り利用可能)を移植し、30℃で16時間振とう培養した
後、培養液を4℃で10分間冷却し、遠心分離により細菌
の沈殿を得た。細菌の沈殿物に対し、氷冷した10%グリ
セロールで洗浄操作と遠心分離を3回繰返した後、沈殿
物を10mlのグリセロールに溶解した。そのうちの40μl
をエッペンドルフチューブに移し、このチューブに上記
プラスミドp8C-PRO3-OSASA1Dの溶解液(40ng)5μlを添
加し、よく混合した。これらを氷上に3分間置いた後、
エレクトロポレーション用のキュベット(電極間0.2c
m)に移し、エレクトロポレーション装置(ジーン・パ
ルサー(バイオラッド社製))で、電圧12.5kV/cm、コ
ンデンサー容量25μF、抵抗値600Ωの条件でエレクトロ
ポレーションを行った。キュベット内にSOC培地(GIBCO
BRL社製)を0.8ml添加し、懸濁液を2ml容の試験管に移
し、30℃で1時間振とう培養を行った。この培養液を、L
B培地にカナマイシン50mg/lを添加してなる寒天培地に
塗布し、30℃で36時間培養して、生育してきたコロニー
を組換えベクターが導入された形質転換アグロバクテリ
ウムとして得た。
を殺菌して、2N6培地(N6基本培地に、カサミノ酸2g/l
及び2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)2mg/lを添加し
たもの)に置床し、3週間後に誘導されたカルスを新し
い2N6培地に移し、さらに1週間培養した。 (6)上記(4)で調製したアグロバクテリウムをAA培地の無
機塩組成にショ糖20g/l、2,4-D 2mg/l、カイネチン0.2m
g/l及びアセトシリンゴン10mg/lを添加してなる液体培
地30mlに懸濁し菌液を得た。この懸濁液を50mlのチュー
ブに入れ、上記(5)で得たカルスを入れた後、5分間浸漬
した。浸漬後、ペーパータオルで余分な菌液を除去し
た。N6培地の無機塩組成にショ糖30g/l、グルコース10g
/l、2,4-D2mg/l、カサミノ酸2g/l、ゲルライト2g/l及び
アセトシリンゴン10mg/lを添加してなる固体培地に、上
記の浸漬したカルスを置床した。24℃で3日間、暗黒下
で培養し、イネのカルスへのアグロバクテリウムの感染
を行った。感染終了後、カルスを滅菌水及び500ml/l
カルベニシリン溶液で洗浄し菌を除去した。
及び表1に示す濃度の5-メチルトリプトファン(5-MT)
又はハイグロマイシンを添加した選抜培地に、カルス小
片を置床し、28℃で3週間培養し1次選抜を行った。増
殖してきたカルスを新しい選抜培地に置床し、28℃で
3週間培養し2次選抜を行った。ここで増殖の見られたカ
ルスを、再分化培地(MS基本培地にベンジルアデニン(B
A)2mg/l、ナフタレン酢酸(NAA)1mg/lを添加したもの)
に移植し2週間培養したところ、緑色スポットが誘導さ
れた。これをさらにホルモン無添加培地で2週間培養し
て、シュートを形成させた。これをさらに、培養土の入
ったカップに移し、閉鎖系温室(湿度60%、28℃)で生
育させ、植物体を得た。選抜に供されたカルス数、選抜
されたカルス数、及びそのうち再分化植物体を与えたカ
ルス数を、それぞれ表1に示す。
し、その葉50mgを1.5ml容のマイクロチューブに入れ
た。抽出バッファー(200mM Tris-HCl pH7.5, 250mM Na
Cl, 25mM EDTA, 0.5% SDS)を0.3ml加え、これを磨砕し
た。30分間静置後15,000 rpmで10分間遠心分離した。得
られた上精に等量のイソプロパノールを加え転倒撹拌
し、15,000 rpmで10分間遠心分離した。得られたDNAの
沈澱を70%エタノールでリンスした後、減圧下で乾燥し
た。100 μlの1/10TE緩衝液にDNAペレットを溶解し、DN
A溶液とした。
列番号4に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及
び配列番号5に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチ
ドを常法に従って合成した。これら2種類のオリゴヌク
レオチドの各1μMをプライマーとして用い且つ上記(8)
で得たDNA 5μlをテンプレートとして用い、これらを増
幅用反応液(10mM Tris-HCl(pH8.3)、1.0mM MgCl2、50m
M KCl、0.01%ゼラチン、dNTPの各0.2mMの混合物及びTa
qDNAポリメラーゼ2.5ユニットを含む)100μlに加え、
増幅反応を行った。用いた増幅反応液は、PCRキット(P
CR Amplification Kit(宝酒造株式会社製))で調製し
た。増幅反応は、PCR反応装置(GeneAmp PCR System 97
00(アプライドバイオシステムズ社製))内で、変性94
℃、1分、アニーリング60℃、30秒、伸張72℃、1分の3
つの反応操作を30回繰り返すことによって実施した。得
られた反応液を、常法によりアガロース電気泳動により
分析し、OSASA1D配列の増幅によるDNA断片に由来するバ
ンドの見られた個体を陽性個体として計数した。結果を
表1に示す。上記(5)〜(9)の操作は、選抜用の薬剤濃度
を変えて4回行った。表1においては、それぞれの実験結
果を実験1〜4として示す。
基く選抜により、形質導入されたカルスを良好に選別し
うることができ、特に5-MT濃度を0.15mMとした際に、エ
スケープ(形質導入されていない株でありながら選抜さ
れたもの)の全く存在しない、特に良好な選抜が行える
ことが分かる。
ルス及び植物体におけるOSASA1Dの発現の有無を、ノー
ザンブロッティングにより確認した。なお、本実施例に
おいて、下記の略号の示す意味は、それぞれ以下の通り
である: 変性溶液:4Mグアジニウムチオシアネート、25mM Na-ク
エン酸、100mM 2-メルカプトエタノール及び0.5%ラウ
リルサルコシルを含む水溶液。 DEPC水:脱イオン水にジエチルピロカーボネート0.1%を
加え、4時間混合した後オートクレーブしたもの。 ブロッキングストック液:ブロッキング試薬(粉状スキ
ムミルク)をバッファー1に10%(w/v)溶解し、オートク
レーブしたもの。用時まで4℃で保存した。 20xSSC:3M塩化ナトリウム及び0.3Mクエン酸ナトリウム
の水溶液。 ハイブリダイゼーションバッファー:50%脱イオン化ホ
ルムアミド、5xSSC、0.1%(w/v)N-ラウロイルサルコシ
ン、0.02%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)及び2%
ブロッキングストック液を含む水溶液。 バッファー1:0.1Mマレイン酸及び0.15M NaClを含み、Na
OHによりpH7.5とし、オートクレーブしたもの。 洗浄バッファー:バッファー1に、さらにTween-20を0.3%
(w/v)添加したもの。バッファー2:ブロッキングストッ
ク液をバッファー1で1:10の記釈し、最終ブロッキング
試薬濃度を1%としたもの。 バッファー3:0.1M Tris-HClに、0.1M NaCl及び50mM MgC
l2を添加したもの(pH9.5)。
の培地により選抜して得たカルスからの植物体の成葉1.
0g及びカルス1.0gを量り取り、乳鉢中で液体窒素により
凍結させながら潰し、粉砕物を得た。変性溶液10mlを入
れた遠心管に、この粉砕物を入れ、よく撹拌し、さらに
1mlの2M NaOAcを加えてよく撹拌した。続いて、8mlの水
飽和フェノールを加え、2.2mlのクロロホルムを加えよ
く混和した。混合物を表中に15分間放置した後、4℃、9
000rpmで30分間遠心した。上清を注意深く取り、新しい
チューブに移し同量のイソプロパノールを加えよく混和
し、-20℃で30分間放置した。これを、4℃、11000rpmで
10分間遠心し、上清をデカンテーションし、変性溶液1.
4mlを加え、ペレットをよく溶解させた。得られた溶液
を、2本のRNase Freeのエッペンドルフチューブに0.7ml
ずつ入れ、それぞれに0.7mlずつイソプロパノールを加
え、よく混和した。これを-20℃で30分間放置した後、4
℃、11000rpmで10分間遠心し、上清をデカンテーション
し、0.3mlの70%エタノールを加え、チューブの内壁を
よくリンスし、室温に10〜15分間放置した。これをさら
に4℃、11000rpmで10分間遠心し、上清をデカンテーシ
ョンし、37℃で5〜10分間放置して乾燥させた。これを
0.2mlのDEPC水に混和させ、RNA溶液を得た。このRNA溶
液を、3-(N-モルフォリノ)プロパンスルホン酸(MOPS) 2
0mM及び5%脱イオンホルムアルデヒドを含むアガロース
ゲルに乗せ、100Vで2時間泳動した。泳動後、ゲルをト
ランスファー台に置き、ナイロンメンブラン(アマシャ
ム・ファルマシア社製、商品名HybondN+)を重ね、常法
によりRNAを転写し、メンブランを80℃で2時間インキュ
ベートし、RNAを固定した。
配列の第242〜952塩基の断片を鋳型として調製したジゴ
キシゲニン標識RNA断片を200ng含む)5μlを混合し、65
℃に10分間静置後、氷冷し、プローブ溶液を得た。 (3)ハイブリダイゼーションバッファー15ml中に、上
記(1)で得たRNA固定メンブランを入れ、そこに上記(2)
で得たプローブ溶液全量を加え、均一に混合し、50℃
で一晩インキュベートし、ハイブリダイゼーションを行
った。続いてメンブランを、2xSSCで、室温で5分間洗浄
する操作を2回繰返し、さらに、0.1%SDSを含む0.1xSSC
で、68℃で15分間振とうし続けながら洗浄する操作を2
回繰返した。洗浄したメンブランを、さらに洗浄バッフ
ァーで1〜5分間洗浄した。抗ジゴキシゲニンアルカリホ
スファターゼ標識抗体Fabフラグメントを、バッファー2
で、75mU/mlに希釈した。この標識抗体溶液20ml中に、
メンブランを入れ、30分間インキュベートした。インキ
ュベート終了後のメンブランに対し、洗浄バッファー10
0mlで15分間の洗浄を2回繰返し、さらにバッファー3 20
ml中で2〜5分間平衡化した。3-(4-メトキシスピロ(1,
2-ジオキセタン-3,2'-(5'-クロロ)トリシクロ[3.3.1.
13,7]デカン)-4-イル)フェニルホスフェート二ナトリ
ウム(CSPD)をバッファー3で1:100に希釈し、この基質溶
液約10mlにメンブランを浸し室温で5分間インキュベー
トした。その後メンブランから余分な水分を落とし、ハ
イブリダイゼーションバッグに密封し、37℃で120分間
インキューベートすることで、X線フィルムに露光し
た。試料としてカルス及び葉からのRNAを用いた際の結
果を、それぞれ図2及び図3に示す。図2及び図3のそれぞ
れにおいて、上段はX線フィルムにより撮影した結果で
あり、バンドの濃さがOSASA1Dの発現の強度を反映して
いる。また、下段はポラロイド(登録商標)カメラによ
り撮影した結果であり、試料中の全てのrRNAを反映した
バンドが現れている。この結果より、PRO3-OSASA1Dが導
入された株においては、カルスではOSASA1Dが発現して
いるが植物体では発現しないという、カルス特異的発現
が見られることが分かる。
チンプロモーター、及びその下流に連結したOSASA1Dを
含むプラスミドであるpUB-OSASA1Dを、国際公開パンフ
レットWO99/11800に記載される通りに調製した。プラス
ミドp8C-PRO3-OSASA1Dの代わりにこのプラスミドpUB-OS
ASA1Dを用いた他は、実施例1(4)〜(7)と同様に操作して
カルス及び植物体を得、これについて実施例2と同様に
操作して、OSASA1Dの発現の有無を調べた。結果を図2及
び図3に示す。この結果より、pUB-OSASA1Dが導入された
株においては、カルス及び植物体の双方でOSASA1Dが発
現していることが分かる。
mベクターを制限酵素SacIで処理した。得られた断片
に、常法により平滑末端処理を行い、さらに制限酵素Xb
aIで処理することにより、一方の末端が平滑でもう一方
がXbaIの末端をもつ断片を得た。一方、pBluescript-DN
A-D上のOSASA1Dから、一方の末端を制限酵素SpeIサイト
にし、もう一方の末端を平滑にしたOSASA1D断片を得
た。これを前記pIG121-Hmベクターの断片と連結するこ
とにより、プラスミドp35S-OSASA1Dを作製した。プラス
ミドp8C-PRO3-OSASA1Dの代わりにこのプラスミドp35S-O
SASA1Dを用いた他は、実施例1(4)〜(7)と同様に操作し
てカルス及び植物体を得、これについて実施例2と同様
に操作して、OSASA1Dの発現の有無を調べた。結果を図2
及び図3に示す。この結果より、p35S-OSASA1Dが導入さ
れた株においては、カルス及び植物体の双方でOSASA1D
が発現していることが分かる。
-OSASA1Dの制限酵素地図を示す概略図である。
料としてカルスを用いた場合のOSASA1Dの発現を反映し
たバンド(上段)及び試料中の全てのrRNAを反映したバ
ンド(下段)を撮影したノーザンブロッティングの結果
を示す泳動写真である。
料として葉を用いた場合のOSASA1Dの発現を反映したバ
ンド(上段)及び試料中の全てのrRNAを反映したバンド
(下段)を撮影したノーザンブロッティングの結果を示
す泳動写真である。
Claims (5)
- 【請求項1】 イネのアントラニル酸シンターゼの第1
アイソザイムのαサブユニット活性を有するがトリプト
ファンによるフィードバック抑制に対して非感受性であ
るタンパク質をコードする遺伝子(A)と、該遺伝子(A)の
上流に接続した、配列番号1の塩基配列を有するプロモ
ーター(PRO3)、又は該プロモーター(PRO3)に対して相同
性を示し、該プロモーター(PRO3)と相補的な塩基配列か
らなるDNAに対してストリンジェントな条件下でハイブ
リダイズすることができ、且つ遺伝子(A)をカルス特異
的に発現させるプロモーターとを含む選択マーカー。 - 【請求項2】 イネのアントラニル酸シンターゼの第1
アイソザイムのαサブユニット活性を有するがトリプト
ファンによるフィードバック抑制に対して非感受性であ
るタンパク質をコードする遺伝子(A)と、該遺伝子(A)を
カルス特異的に発現させる配列番号1の塩基配列を有す
るプロモーター(PRO3)、又は該プロモーター(PRO3)に対
して相同性を示し、該プロモーター(PRO3)と相補的な塩
基配列からなるDNAに対してストリンジェントな条件下
でハイブリダイズすることができ、且つ遺伝子(A)をカ
ルス特異的に発現させるプロモーターとを含む組換えプ
ラスミド。 - 【請求項3】 遺伝子(A)が、配列番号2の塩基配列を有
する遺伝子(OSASA1D)、又は該遺伝子(OSASA1D)に対して
相同性を示し、該遺伝子(OSASA1D)と相補的な塩基配列
からなるDNAに対してストリンジェントな条件下でハイ
ブリダイズすることができる遺伝子を有する請求項2記
載の組換えプラスミド。 - 【請求項4】 遺伝子(A)が、配列番号3のアミノ酸配列
を有するタンパク質をコードする遺伝子、又は配列番号
3のアミノ酸配列における1個若しくは複数個のアミノ酸
が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を有する
タンパク質をコードする遺伝子を有する請求項2記載の
組換えプラスミド。 - 【請求項5】 請求項2〜4のいずれか1項記載の組換え
プラスミドにより植物細胞カルスを形質転換する工程
(1)と、工程(1)で処理されたカルスからトリプトファン
類縁化合物に対する耐性を有するカルスを選抜する工程
(2)とを含む形質転換された植物細胞カルスの選抜方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002073951A JP4189163B2 (ja) | 2002-03-18 | 2002-03-18 | カルス特異的発現プロモーターを含むプラスミド及び形質転換された植物細胞カルスの選抜方法 |
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Publications (2)
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