JP2003264379A - 電子ユニット用格納箱のシール構造 - Google Patents

電子ユニット用格納箱のシール構造

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JP2003264379A
JP2003264379A JP2002064419A JP2002064419A JP2003264379A JP 2003264379 A JP2003264379 A JP 2003264379A JP 2002064419 A JP2002064419 A JP 2002064419A JP 2002064419 A JP2002064419 A JP 2002064419A JP 2003264379 A JP2003264379 A JP 2003264379A
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groove
electronic unit
seal
box
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Isamu Yatougo
勇 八藤後
Mutsumi Suwada
睦 諏訪田
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 低コスト化や防水・防塵性の向上を図れる電
子ユニット用格納箱のシール構造を提供する。 【解決手段】 一端が開口された箱本体51と開口を閉
塞する蓋体52とから構成された箱体に、電子部品を有
した電子ユニットを収容し、箱本体51と蓋体52とが
接触される接合部にシール部材2Aが介在された電子ユ
ニット用格納箱のシール構造において、接合部が、開口
に沿って連続した環状に形成され、シール部材2Aが、
ゴム成形品によって、接合部に沿った環状の一体物に形
成され、また、シール部材2Aをゴムの弾性力を用いて
溝内に保持させた構成としたり、シール部材2Aの接触
面における幅方向の中間部に、その周方向に沿って連続
された突部3aを形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子素子などの
電子部品を用いて構成された電子ユニットを収納する格
納箱に関し、特にその格納箱のシール構造に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、車両に搭載されている電子ユニッ
トは、ダッシュパネルの下部などのように、車両の室内
側に配置されていたが、近年、電子ユニットをエンジン
室内に配置させた構成が採用され、車両の組立性やメン
テナンス性を向上させ、さらには低コスト化を図るよう
にしている。
【0003】ところが、エンジン室は電子ユニットにと
っては、劣悪な環境であることから、電子ユニットを格
納箱に収納して、電子ユニットの防塵性および防水性な
らびに冷却性を確保するようにしていた。
【0004】このような電子ユニットを空冷する装置
が、特開平9−207691号公報に記載されている。
この公報に記載された冷却装置は、冷却ボックス内に冷
却用空気の通路を区画形成し、この通路に隣接させて電
子ユニットを冷却ボックスに格納した構成とされ、通路
に冷却用空気を通流して、電子装置を間接的に空冷する
ようにしている。したがって、電子部品もしくは電子回
路などから構成された電子ユニットを、冷却用空気に直
接接触させない構成としているので、電子ユニットが、
比較的に劣悪な環境条件の下に設置される場合にも、こ
の冷却装置を好適に使用して、電子ユニットを冷却する
ことができる。
【0005】そして、この装置は、所定の内部容積が確
保された箱体に収容され、少なくとも、この箱体によっ
て、電子ユニットを保護する対象とした断熱性や、防塵
・防水性を確保するようにしている。
【0006】この種の箱体における一般的なシール構造
を簡単に説明すると、箱本体51の側壁51aと上蓋体
52の側壁52aとが互いに当接される先端には、図8
(a),(b)に示すように、それぞれ、互いに噛み合
わされる凸部と凹部とが設けられ、さらに、側壁52a
に設けられた凹部の底部には、シール部材23が固定さ
れて設置されている。
【0007】すなわち、箱本体51の上方への開口端に
は、その側壁51aの厚さ方向の略中央から、壁面に沿
った上方に向けて、所定の長さに突出された突条53
が、その開口周縁に沿って設けられ、その先端側の厚さ
方向の断面形状が角形状に形成されている。
【0008】また、上蓋体52の下方への開口端には、
上記突条53に対応して、その壁の厚さ方向の略中央
に、溝条54が、その開口周縁に沿って設けられ、この
溝条54は、突条53の突出長さよりも僅かに長い深さ
で幅が一定に確保されるとともに、その底部側の厚さ方
向の断面形状が角形状に形成されている。
【0009】さらに、この溝条54の底部には、弾性変
形が可能なシール部材55が設置されている。
【0010】したがって、箱本体51と上蓋体52との
接合箇所に、突条53と溝条54とをそれぞれ設け、溝
条54の底部にシール部材55を設置し、箱本体51と
上蓋体52とを凹凸嵌合させた構成としたことにより、
箱本体51と上蓋体52とが組み付けられた後には、箱
体50の外部からの埃や水分が侵入する経路に複数の段
差が設けられたことになる。これに加えて、溝条54の
シール部材55が、突条53の先端に沿った形に柔軟に
変形されて突条53に密着するので、接触箇所に隙間が
生じることが防止され、上記の侵入経路の途中を封止す
ることができる。
【0011】これらの結果、箱本体51と上蓋体52と
の接合部における水分や埃の通過が阻止されるので、格
納箱となる箱体としての密閉性が充分に確保され、格納
箱によってその内部に収納された電子ユニットを充分に
断熱、防塵、防水することができる。
【0012】また、このシール部材55としては、柔軟
に変形することができる発泡材料が多用され、スポンジ
状のウレタン系の材料から形成されている。
【0013】このようなシール部材55を溝条54内に
設置する方法としては、例えば、予め溝条54の周方向
に沿って一周された延べ長さと等しい長さに切断された
線状のシール部材を、手作業によって溝条54内に埋め
込んで設置する第1の方法と、発泡ウレタンとなる材料
を直接、溝条54内に充填してシール部材を設置する第
2の方法と、発泡ウレタン性の板材から所定の形状に打
ち抜ぬかれて製作されたシール部材を、手作業で溝条5
4内に設置する第3の方法とが知られていた。
【0014】すなわち、上記の第1の方法は、図9
(a)に示すように、所定の厚さの長板状に形成された
発泡ウレタン性の板材56aを一定の幅で所定の長さに
カットして、角棒状のシール部材55Aを製作する。そ
して、このシール部材55Aを、上記の溝条54内に、
図9(b)に示すように、手作業によって嵌め込んで設
置する。なお、このシール部材55A自体には、接着性
が備わっていないので、図9(a)の右側に示すよう
に、少なくとも、上記の溝条54の底面に接触される面
には、予め接着剤56bが均一に塗布されている必要が
ある。
【0015】他方、第2の方法は、図10(a)に示す
ように、まず、上蓋体をその溝条54を上向きに向けた
姿勢で固定し、次に、この溝条54に、そのノズル状に
形成された吐出口57aを向けた充填具57(これは、
ワークとも呼称される)を配置する。そして、充填具5
7をその吐出口57aを溝条54に向けたまま溝条54
に沿って移動させ、この移動に伴ってウレタンの材料を
発泡させながら、または、主剤と硬化剤とが混合・攪拌
されたウレタンの材料である混合液を吐出口57aから
所定の流量で吐出させて、溝条54内に適量の混合液を
充填する。すると、発泡されたウレタンが直接的に溝条
54内に充填され、または、この溝条54内に充填され
た混合液は、常温・常圧下で樹脂化(重合反応)と発泡
とが同時に併行して進行され、所定の時間が経過された
後に発泡・硬化が完了される。
【0016】この結果、発泡ウレタンが、図10(b)
に示すように、溝条54の内面に密着され、しかも溝条
54の内形状に沿った形状に形成されるので、発泡ウレ
タンが溝条54内に充分に安定して保持されることにな
り、この発泡ウレタンをシール部材55Bとして溝条5
4内に設置することができる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した格
納箱に発泡ウレタン系のシール部材55A,55Bを用
いて、上蓋体52と箱本体51との接合部分をシールし
た構成によれば、以下の問題点が生じていた。
【0018】上記の第1の方法によれば、発泡ウレタン
の板材から切り出して用いているので、汎用的な部材と
して調達しやすく、材料費および設備費が安価となる。
【0019】しかし、板状の原材料から角棒状のシール
部材55Aを切り出して用いていることから、再び図9
(b)に示すように、その接触される面が溝条54の幅
に広がった平坦面となっているので、面接触となり、防
水性が充分に確保できないという不都合が生じた。
【0020】すなわち、平坦な面同士の面接触の場合に
は、接触した面の全ての領域に亘って均一な接触圧が得
られるとは限らないことになる。このため、接触圧が不
足した接触箇所には隙間が生じてしまうので、水分や埃
などが侵入しやすくなってしまう。
【0021】また、接着剤を使用して、シール部材55
Aを溝条54内に固定しているので、接着剤を使用した
分のコストが掛かり、低コスト化を図れないという不都
合が生じた。さらに、シール部材55Aと溝条54を形
成した上蓋体52の材質との組合わせによっては、充分
な接着強度が得られないので、溝条54内にシール部材
55Aが安定して設置されなくなり、シール部材55A
によるシール性能が低下してしまう。
【0022】さらに、格納箱の外形状によっては、接続
箱50が複雑な分割ラインで上蓋体52と箱本体51と
に分割されることによって、上記の接合部分が複雑な形
状となった場合には、この接合部分の複雑な形状に沿う
ようにシール部材55Aを変形させながら、または、予
め変形させて、上記の溝条54内にシール部材54Aを
挿入して設置するので、溝条54内にシール部材55A
を設置する手間が煩雑となり、作業性が低下してしま
う。
【0023】またさらに、その内部に微小な空隙部を多
数有したスポンジ状の発泡材料をシール部材55Aとし
て用いているので、これらの作業の途中で、シール部材
55Aが引き裂かれたり、ちぎられたりして、損傷する
ことがあった。特に、例えば、溝条54の周形状が複雑
だったり、溝条54の深さが深かったりした場合には、
この傾向が強い。このため、シール部材55Aの外形状
が損なわれたり、その一部が欠損されたりするので、シ
ール部材55Aによる防塵・防水性が低下してしまう不
都合が生じた。
【0024】またさらに、直線状に形成された線状のシ
ール部材54Aを、格納箱の開口形状に沿ってその周形
状が形成された溝条54内に設置しているので、この溝
条54の周形状に沿ってシール部材55Aが変形される
ことになり、特に、溝条54のコーナー部でシール部材
55Aが急激に屈曲されることになる。このため、この
ように変形されて溝条54内に設置されたシール部材5
5Aは、さらに防塵・防水性を確保するために押圧され
て変形されるので、その内部の応力状態が、複雑化され
る。したがって、これによってもシール部材55Aによ
る防塵・防水性が低下するおそれがある。
【0025】またさらに、図11に示すように、線状の
シール部材55Aが環状に形成された溝条54に設置さ
れていることにより、シール部材55Aが溝条54内に
設置された場合には、このシール部材55Aの長手方向
の一端および他端とは溝条54内で互いに当接されて
も、別途、接着剤などで接合したり、融合させるなどの
一体に接合する処理が行なわれなければ、これらの間に
は必ず隙間58が生じることになるので、この隙間58
の箇所から埃や水分が侵入することになり、シール部材
55Aとしての防塵・防水性が充分に確保できないこと
になる。すなわち、上記の接合部分では、その全周に亘
って連続的かつ一様に防水・防塵性が確保されていなか
ったことになる。
【0026】上記の第2の方法によれば、流動状態のウ
レタン材料を直接的に溝条54内に充填して設置してい
るので、溝条54に沿った経路により形成される周形状
の制約を受けることが少ない。すなわち、接続箱50が
複雑な分割ラインで上蓋体52と箱本体51とに分割さ
れて、これに伴って複雑な接合部分となった場合にも、
この接合部に形成された溝条54を対象としても、上記
の溝条54に追従させて充填具57を移動させれば済む
ので、発泡ウレタンをシール部材55Bとして設置する
ことが可能となる。
【0027】しかし、この場合には、専用の設備が必要
となり、この設備コストが嵩むので、結果的に上記の格
納箱に用いるシール部材55Bとしてのコストが上昇す
るという不都合がある。すなわち、この設備としては、
溝条54に沿って、充填具57を一定の速度で移動させ
る駆動機構や制御機構などが必要となり、しかも、この
移動中も安定した流量で未発泡状態のウレタンとなる混
合液を供給し続けられる機構も必要となる。
【0028】また、発泡ウレタンの材料のロスが多く
て、材料の歩留まりが大きくなる。このため、上記のコ
ストアップされる傾向が促進されるという不都合が生じ
た。
【0029】さらに、その開口側が開放された溝条54
にウレタン材料を充填して、そのままの状態で自然に固
化を完了させてシール部材55Bを形成させる構成とさ
れ、溝条54の開口側に面したシール部材55Bの面に
は、その成形形状を規定する処理や操作は行なわれてい
ないので、図10(b)に示すように、シール部材55
Bが接触される面が常に安定された一様な平坦面が得ら
れないことになる。また、ウレタン材料の溝条54内へ
の充填が実行される作業条件などによっては、上記の接
触面の平面度が低下する傾向にあった。このため、この
シール部材55Bと接触対象との密着度が不均一とな
り、防水性が低下してしまうという不都合が生じた。
【0030】すなわち、充填具57の移動速度や、ウレ
タン材料の流量の変動、特に温度や混合・撹拌などの条
件によって、ウレタンの発泡の程度を調整することは困
難であることなどから、発泡ムラが生じたりして、溝条
54の全周に亘って一様に平坦な面が確保されたシール
部材55Bが形成されるとは限らなかった。このため、
形状誤差の組合わせによっては密着度が不足した箇所が
生起してしまうので、この箇所の防塵・防水性が確保で
きないことがあった。
【0031】上記の第3の方法によれば、シール部材が
板材から打ち抜かれて製作されているので、材料のロス
が多くなり、コストの上昇を招くという不都合が生じ
た。すなわち、シール部材が打ち抜かれて残された材料
の部分は破棄されていることから、例えばシール部材の
形状によっては材料の利用効率が極度に低くなるので、
シール部材の製作コストが嵩むことになる。
【0032】この発明は、上記の技術的課題に着目して
なされたものであり、格納箱のシール構造を改善するこ
とにより、コストの低減化や防水・防塵性の向上を図れ
る電子ユニット用格納箱のシール構造を提供することを
目的とするものである。
【0033】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、一端が開口さ
れた箱本体と前記開口を閉塞する蓋体とから構成された
箱体に、電子部品を有した電子ユニットを収容し、前記
箱本体と蓋体とが接触される接合部にシール部材が介在
された電子ユニット用格納箱のシール構造において、前
記接合部が、前記開口に沿って連続した環状に形成さ
れ、前記シール部材が、ゴム成形品によって、前記接合
部に沿った環状の一体物に形成されていることを特徴と
するものである。
【0034】したがって、請求項1の発明では、開始端
および終端を備えた線状に形成されたシール部材を環状
の接合部に設置した構成が、その長手方向の一端と他端
との間にシール部材による防塵・防水性を低下させる隙
間が生じることに比べて、シール部材が接合部に沿った
環状の一体物として形成されているので、そのような隙
間が生じることを全く解消することができる。
【0035】さらに、シール部材がゴム成形品によって
構成されているので、成形品としての形状の自由度が高
く、しかも、その形状精度を充分に確保することができ
る。このため、このシール部材の各部の寸法を任意に設
定することによって、シール部材が溝条に設置されたと
きの溝条による押圧状態を任意にコントロールすること
ができる。
【0036】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記箱本体の蓋体との接合部に、前記蓋体側に突出
された突条が形成されるとともに、前記蓋体の箱本体と
の接合部に、前記突条を嵌入させる溝条が形成され、前
記シール部材が、前記溝条の底部に設置されたことを特
徴とするものである。
【0037】したがって、請求項2の発明では、請求項
1の発明の作用に加えて、溝条の最奥部にシール部材が
設置されていることにより、箱本体と蓋体とが分離され
ている場合には、シール部材が外部に露出されないの
で、シール部材の保護を図ることができる。また、箱本
体と蓋体とが組み付けられた場合には、シール部材と突
条との接触部分が溝条の奥部に位置されることになり、
この接触部分が外部に露出されないので、接触部分の保
護を図ることができる。
【0038】請求項3の発明は、請求項2の発明におい
て、前記シール部材が、ゴムの弾性力によって、前記溝
条内に保持されていることを特徴とするものである。
【0039】したがって、請求項3の発明では、請求項
2の発明の作用に加えて、ゴム自体が有した弾性力を用
いて、シール部材を溝条内に保持させて設置した構成と
したので、接着剤などのように別途の固定手段を不要と
することができる。
【0040】また、接着剤などを用いて、恒久的にシー
ル部材を溝条内に固定した構成とされていないので、シ
ール部材を溝条内に設置した後にも、溝条からシール部
材を簡易に取り外したり、取付けたりすることが可能と
なる。
【0041】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、前記シール部材の接触面における幅方向の中間部
に、その周方向に連続された突部が形成されていること
を特徴とするものである。
【0042】したがって、請求項4の発明では、請求項
3の発明の作用に加えて、従来のシール部材の接触面が
平坦に形成され、その接触が面接触とされた構成と比べ
ると、シール部材の接触面に突部を形成したことによ
り、その接触が突部による線接触となるので、接触面積
が大幅に削減され、単位面積当たりの接触圧力を増大さ
せることができる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施例を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明の格納箱のシール
部材が設置された状態を示す断面図である。また、図2
は、このシール部材を成形する金型の斜視図であり、図
3は、そのシール部材が取付けられる途中の状態を示す
斜視図であり、図4は、その取付け後の状態を示す底面
図である。
【0044】なお、ここに示す例では、電子部品が用い
られた電子装置をケースに格納した構成の電子ユニット
(図示せず)を、防水・防塵・耐熱機能を有する格納箱
に収容するように構成されている。また、この発明の電
子ユニット用格納箱は、エンジンルーム内に配置され、
車両の各部の制御をおこなう。さらに、この電子ユニッ
トは、エンジン(図示せず)や変速装置(図示せず)な
どを電子制御する重要部品であるコントロール・ユニッ
トである。
【0045】また、本例の電子ユニット用格納箱のシー
ル構造は、格納箱の基本的な構成が、図8に示す従来の
構成と同一とされているので、同一の部材やその部材の
同一の部分には、同じ符号を付すことにする。
【0046】すなわち、本例の格納箱1は、図1にその
一部を示すように、所定の内容積が確保され上方に開口
された箱本体51と、この箱本体51の開口を閉塞する
上蓋体52とから構成され、箱本体51が有した側壁5
1aの先端と、上蓋体52が有した側壁52aの先端と
が互いに接触される接合部とされ、それぞれ、突条53
と溝条54とが形成されている。
【0047】そして、本例のシール構造は、図1に示す
ように、その溝条54内に設置されるシール部材2Aと
して、ゴム成形品が用いられ、その外形状が溝条54の
周形状に沿った環状の一体物に形成されている。
【0048】また、シール部材2Aの横断面における箱
本体51の側壁51aの先端と接触される接触面の幅方
向の略中央には突部3aが一体に設けられている。
【0049】すなわち、この突部3aは、そのシール部
材2Aが延在された周方向に直交する横断面形状つまり
溝条54の幅方向に対応した断面形状が半円形状に形成
され、シール部材2Aが延在された方向に沿って連続し
て形成され、どの箇所の断面形状も同一な半円形状の突
部3aとされている。
【0050】この突部3aは、その接触面からの突出量
が、シール部材2Aが溝に装着された場合に、その突部
3aの突出方向の先端が溝条54内に位置するよう設定
され、外部に露出されることなく保護できるようにして
いる。なお、後述する他の例でも同様に各突部3b〜3
eの平坦面からの突出量が設定され、突部の保護が図れ
るようしている。
【0051】したがって、従来のシール部材の接触面が
平坦に形成され、その接触が面接触とされた構成と比べ
ると、本例ではシール部材2Aの平坦な接触面に突部3
aを形成したことにより、この突部3aの先端による接
触が線接触となるので、接触面積が大幅に削減され、単
位面積当たりの接触圧力が増大されることになり、シー
ル部材2Aと側壁51aの先端との密着度を高めること
ができる。この結果、シール部材2Aによる防水・防塵
性を安定して確保でき、格納箱1の性能向上を図ること
が可能となる。
【0052】また、エンジンの運転や車両の走行に伴っ
た振動などによって、溝条54の幅方向に僅かでも上蓋
体52と箱本体51との相対位置がズレて、突部3aが
押圧状態で接触されたまま相対移動されることになって
も、この突部3aの先端の横断面形状が半円形状に形成
されているので、この先端部分が損傷を受ける可能性を
最小限にすることができ、シール部材2Aによるシール
状態を安定化させることができる。
【0053】本例のシール材を形成するために用いられ
ているゴムとしては、例えば、エチレン・プロピレンゴ
ム(これは、英文の名称がEthylene prop
ylene diene rubberであり、以降E
PDMと記号により表示する)などが用いられ、この合
成ゴムは、耐老化、耐オゾン性、極性液体に対する抵抗
性、電気的性質が優れているとされている。
【0054】また、このシール部材2Aは、合成ゴムの
材料から金型を用いて、一体に成形された成形品とさ
れ、溝条54によって形成される周形状に適合される環
状体とされている。
【0055】このシール部材2Aは、図2に示すよう
に、上型5aと下型5bとから構成された金型を備えた
成形装置6によって、ゴム材料を成形することにより製
作されている。すなわち、この成形装置6は、固定され
て設置された下型5bと、この下型5bの上方に、上下
移動が可能に設けられた上型5aとを主要な部材として
構成されている。また、上型5aおよび下型5bの対向
面のいずれか一方または両方には所定の空隙部5cが形
成され、上型5aと下型5bとを所定に組合わせること
によって、この合わせた面に成形品と同一形状の空間
(以降、キャビティと呼称する)を形成するようにして
いる。
【0056】なお、これらのシール部材2Aを金型を用
いて成形する方法としては、圧縮成形法や、射出成形法
のいずれかを適宜、採用することができる。
【0057】この圧縮成形法とは、未加硫の所定量のゴ
ム材料を、開型された一方の金型の型のキャビティー内
に配置し、閉型して所定に押圧することにより、金型の
キャビティによって規定された形状のゴム成形品を得る
方法とされている。
【0058】すなわち、予め定めた配合比率に設定され
た配合ゴムを、金型のキャビティーに、スムーズに流入
するように流入させ、次に、プレス機の可動盤(熱盤)
を金型に移動させ、閉型して、一定時間、加熱・加圧す
ることによって、配合ゴムが所定の形状の成形品とな
り、成形が完了した成形品が金型から取り出される。
【0059】また、この圧縮成形法では、上型5aおよ
び下型5bを合わせて金型を閉じる際には、やや多目に
充填された余分なゴムが金型の合わせ目(割り面)か
ら、はみ出させて流出させる構造が採用されている。こ
のため、この圧縮成形法による成形品には、はみ出しバ
リが残ることがあるので、後仕上げとして、ハサミやバ
フ、その他デフレッシャーなどによる除去処理が必要と
されることがある。
【0060】したがって、この圧縮成形法によれば、そ
の成形品にバリを除去する処理が必要となる場合もある
が、金型の価格が比較的に安価であり、設備も簡単な構
成で済むので、コスト面で有利となる。
【0061】また、上記の射出成形法とは、未加硫の配
合ゴムを加熱・溶融させ、予め閉じられ加硫温度に調整
された金型のキャビティーに加圧して注入しすることに
より、金型のキャビティーによって規定された形状のゴ
ム成形品を得る方法とされている。
【0062】また、一般に、プラスチックの射出成形と
比べて、このゴムの射出成形法では、その射出部の温度
が100℃以下と低く設定されている一方、成形部(金
型)は200℃前後と非常に高く設定されている。すな
わち、ゴムの成形固化には加硫行程(化学反応)が必要
なので、金型が常に加熱され、プラスチックの温度条件
とは大きく異なっている。
【0063】また、金型(キャビティー)への材料供給
は、射出プランジャー、またはスクリューの前進圧力に
よって、オリフィス(細孔)を経て注入されようになっ
ている。この射出成形の順序は、型締め、射出、保圧
(加硫)、型開き、製品取出しの順で行われ、この一連
の成形サイクルが繰返されることによって、各ゴム成形
品を継続的に生産することができる。
【0064】したがって、この射出成形法によれば、他
の成形法と比べて、設備や金型の製作コストなどは高価
となる傾向にあるが、材料供給を自動化すれば無人化が
可能なので、生産性が高く、また、成形品の寸法精度
や、各部の微細構造の安定化が図れるとされている。特
に、ゴム生地が早期に加硫を生起させない上限に近い生
地温度で射出できるため、他の成形法よりも成形サイク
ルを速めることができるとともに、均一に加硫された製
品を得られるとされている。
【0065】そして、一体の環状体に形成されたシール
部材2Aは、図3に示すように、このシール部材2A
は、開口に沿った周形状に形成された溝条54に嵌め込
まれて、図4に示すように、その溝条54の全周に亘っ
て間隙部を生じさせることなく、かつ、図1に示すよう
に、溝条54内に設置される。
【0066】また、この際には、シール部材2Aを溝条
54に、別途固定するための手段を用いることなく、ゴ
ム自体が有した弾性復帰力を用いて、シール部材2Aが
上蓋体52に形成された溝条54に保持されるととも
に、また、上蓋体52が単独で取り扱われる場合に、こ
の溝条54が下向きになっても、溝条54からシール部
材2Aが脱落することなく、充分に保持されるようにし
ている。
【0067】すなわち、シール部材2Aの幅寸法が、溝
条54の幅寸法よりも所定に大きく設定され、このシー
ル部材2Aが溝条54内に設置されると、その幅方向か
ら溝によって圧縮され押圧された状態となるので、溝条
54によってシール部材2Aが挟持されて保持される構
成、または、溝条54の周方向に沿って一周した長さよ
りも、シール部材2Aの周方向に沿って一周した長さが
所定に短く設定され、このシール部材2Aが溝条54内
に設置されると、シール部材2Aがその周方向に収縮し
てシール部材2Aの内方の側壁と溝条54の内方の側壁
とが押圧状態となるので、シール部材2Aが溝条54を
挟持して結果的にシール部材2Aが溝条54内に保持さ
れる構成、のいずれか、または両方の構成が採用されて
いる。
【0068】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能
である。すなわち、例えば、図5に示すように、シール
部材2Bの延在方向に直交する横断面形状における接触
面の幅方向の略中央には、先細りテーパー形状の突部3
bが、その周方向に連続して形成された構成とすること
ができる。
【0069】したがって、この構成によれば、上記の実
施例に比べて、このテーパー形状の突部3bの先端によ
る線接触の線幅が小さくなるので、シール部材2Bによ
る防水・防塵性がより一層安定して確保され、格納箱1
の性能の向上が可能となる。
【0070】また、何らかの理由や外力が加わることに
よって、上蓋体52と箱本体51との押圧力が急激に増
大された場合には、急増された押圧力によってシール部
材2Bが変形されて、その接触面積が直線的に増加され
るので、単位面積当たりの接触圧力が急激に増大するこ
とが緩和され、突部3bの損傷を防止することができ、
対衝撃性を確保することができる。
【0071】また、図6に示すように、シール部材2C
の横断面形状における接触面の幅方向の略中央部には、
扁平な半楕円形状の突部3cが、その周方向に連続して
形成された構成とすることができる。
【0072】さらに、図7に示すように、シール部材2
Dの横断面形状における接触面の幅方向の中間には、互
いに幅方向に間隔を設けて2つの半円形状の突部3d,
3eが、その周方向に連続して形成され、2重の環状の
シール部を形成した構成とすることができる。
【0073】したがって、この構成によれば、シール部
材2Dに設けた2つの突部3d,3eによって、水分や
埃が侵入する経路の途中に2つの阻止箇所が形成される
ので、防塵・防水性の向上を図ることができる。
【0074】以上説明したように、本実施例の電子ユニ
ット用格納箱のシール構造に用いられたシール部材によ
れば、発泡材料によりシール部材が形成された場合の諸
問題が生起することを未然に回避することができる。
【0075】まず、ゴム自体が有した弾性復帰力を用い
て、シール部材を上蓋体に形成された下向きの溝条内に
保持させて設置した構成としたことにより、接着剤など
の固定手段が不要となるので、接着剤の使用コストや接
着剤による固定の信頼性の低下などの接着剤を使用して
シール部材を溝条内に固定したことに伴う問題点が一挙
に解決されるとともに、シール部材の取扱いが簡便とな
り、低コスト化が図れ、生産性を向上させることができ
る。
【0076】すなわち、シール部材の幅寸法を溝条の幅
寸法よりも所定に大きく設定して、その幅方向から溝条
により圧縮された状態となって保持された構成により、
または、溝条の周方向に沿って一周した長さよりも、シ
ール部材の周方向に沿って一周した長さを所定に短く設
定して、シール部材がその周方向に収縮してシール部材
が溝条を押圧した状態となって結果的にシール部材が溝
条に保持された構成のいずれか、または両方の構成とす
ることができる。
【0077】このため、接着剤や他の部品などを用いた
固定手段に頼ることなく、シール部材自体に予め備わっ
た弾性復帰力を用いて、シール部材を溝条内に保持させ
た構成としていることにより、構成が簡素化され、コス
トダウンを図れるとともに、シール部材が溝条内に固定
されたことに対する信頼性を向上させることができる。
【0078】またさらに、接着剤をシール部材の特定の
面に均一に塗布する工程なども不要となる。また、シー
ル部材の接着剤が塗布された面を、不用意に接着する対
象以外の部材などに接触させないように管理する必要が
無くなる。さらに、シール部材が溝条内に設置された後
に、この接着剤による接着・固化が完了するまでの乾燥
時間や、静置させることを無くすことができる。これら
の結果、シール部材を設置するために必要な作業時間の
短縮化が図れ、量産化に適することになる。
【0079】また、接着剤などを用いて、シール部材を
溝条内に恒久的に固定した構成とされていないので、シ
ール部材を溝条内に設置した後にも、簡易に取り外すこ
とができ、シール部材の交換作業が容易に行なえる。こ
のため、シール部材が摩耗や損傷した場合にも、すみや
かに交換作業を行なって修理できるので、シール部材つ
まり格納箱の防塵・防水性を維持させるための保全性を
向上できる。
【0080】さらに、このようにゴム成形品によりシー
ル部材を構成したことにより、このシール部材の各部の
寸法を任意に設定することによって、溝条に設置された
ときの溝条との相互に作用する押圧状態を任意にコント
ロールできるので、そのシール部材の内部の応力状態を
防塵・防水性に影響を与えない状態、例えば、シール部
材の周方向の全領域に亘って均一化させた状態にさせる
ことができ、シール部材による防塵・防水性能を充分に
発揮させることが可能となる。
【0081】またさらに、シール部材が予め溝条に沿っ
た周形状で一体物とされた環状体に形成されているの
で、線状のシール部材を溝条内に設置した構成に比べ
て、シール部材による防塵・防水性を向上させることが
できる。
【0082】すなわち、線状のシール部材が溝条内に設
置された場合には、シール部材が上蓋体の開口に沿って
設けられた溝条内を一周して設置されても、その一端と
終端とが必ずしも当接するとは限らないので、これらの
両端の間に防塵・防水性を低下させる隙間が生じるおそ
れがあることに対して、本例のシール部材は、予め溝に
応じた周形状に形成された一体の環状体としていること
により、上記の隙間は全く生じさせずに済むので、シー
ル部材による防塵・防水性を向上させることができる。
【0083】またさらに、材料から金型を用いた成形加
工によってシール部材を製作したことにより、材料のロ
スが生じずに済み、材料の無駄な歩留まりを少なくでき
るので、材料の利用効率が大幅に向上され、シール部材
の製作コストの低廉化を図ることが可能となる。すなわ
ち、シール部材の材料を金型内に配置して金型成形する
ことにより、所定形状のシール部材を製作しているの
で、その製作過程でシール部材として利用されない材
料、つまり材料の無駄が生じることが無くなる。また、
未発泡状態のウレタンの材料を直接、溝条内に充填して
発泡ウレタンのシール材を溝条内に設置した構成に比べ
て、金型成形によりシール部材が製作されているので、
発泡ウレタンの材料を溝条内に充填する設備や工程が無
くなり、主に金型を製作する費用のみで済むことにな
り、設備費が大幅に削減され、安価にシール部材を製作
することができる。
【0084】またさらに、シール部材を金型を用いて成
形した構成としていることから、成形品としての形状の
自由度が高く、しかも、その形状精度を充分に確保する
ことができる。このため、複雑なラインで分割された上
蓋体および箱本体により構成された格納箱に対応するこ
とができ、シール材による防塵・防水性を確保するため
に箱の形状が制約されることが緩和される。
【0085】またさらに、ゴムによって形成されたシー
ル部材を用いていることにより、発泡ウレタンによって
形成されたスポンジ状のシール部材に比べて、引き裂か
れたり、ちぎられたりすることに抵抗する強度が大幅に
増加されるので、取扱いが容易となり、作業性を向上で
きるとともに、その寸法や形状の精度が十分に確保でき
るので、密着性を低下させずに済み、設計通りの防塵・
防水性能を充分に発揮させることができる。
【0086】またさらに、ゴムの硬度を変化させること
により、防水性や取付け作業性をさらに向上させたシー
ル部材を得ることができる。
【0087】すなわち、ゴムと化学的に反応して疑似架
橋点を形成する補強剤をゴムに添加し、この添加量を増
減することにより、ゴムの硬さ、引張り強さ、モジュラ
ス、弾性、引裂抵抗、耐摩耗性などを諸特性を高めるこ
とができるので、任意の機械的な強度を有したゴムを得
ることができる。
【0088】したがって、硬さを高めたゴムによりシー
ル部材を形成した場合には、シール部材を従前と同一に
変形させるためには大きな力が必要となり、これに伴い
シール部材と接触対象との間の接触圧力を上昇させるこ
とができる。このため、シール部材の接触面における密
着度を増加できるので、防塵・防水性の向上を図ること
ができる。
【0089】またさらに、ゴムの硬さを高めることによ
り、シール部材の表面の傷つきや欠損、さらには擦過傷
が生じることが減少されるので、シール部材を簡易に取
り扱うことができ、取付け作業性や取り外し作業性を向
上させることができる。
【0090】上記実施形態の構成と、この発明の構成と
の対応関係を説明する。すなわち、格納箱1がこの発明
の格納箱に相当し、シール部材2A,2B,2C,2D
がこの発明のシール部材に相当し、突部3a,3b,3
c,3d,3eがこの発明の突部に相当し、突条53が
この発明の突条に相当し、溝条54がこの発明の溝条に
相当する。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、線状に形成されたシール部材を設置した構成
が、その長手方向の一端と他端との間に防塵・防水性を
低下させる隙間が生じるおそれがあることに比べて、シ
ール部材が溝条に沿った環状の一体物に形成されている
ので、そのような隙間が生じることが皆無となり、シー
ル部材による防塵・防水機能の高信頼性化や確実化を図
ることができる。
【0092】また、シール部材がゴム成形品で構成され
ていることから、成形品としての形状の自由度が高く、
しかも、その形状精度を充分に確保することができる。
このため、複雑なラインで分割された上蓋体および箱本
体により構成された格納箱に対応することができ、シー
ル材による防塵・防水性を確保するために格納箱の形状
が制約されることが緩和され、格納箱の設計の自由度が
向上される。
【0093】これに加えて、このようなゴム成形品をシ
ール部材に用いたことにより、このシール部材の各部の
寸法を任意に設定することによって、溝条に設置された
ときの溝条との相互に作用する押圧状態を任意にコント
ロールできるので、そのシール部材の内部の応力状態を
防塵・防水性に影響を与えない状態、例えば、シール部
材の周方向の全領域に亘って均一化させた状態にさせる
ことができ、シール部材による防塵・防水性能を充分に
発揮させることが可能となる。
【0094】また、請求項2の発明によれば、請求項1
の発明の効果に加えて、溝条の最奥部にシール部材を設
置したことにより、箱本体と蓋体とが分離されている場
合には、シール部材が外部に露出されなくなり、シール
部材の保護が図れるので、シール部材の不要な損傷が防
止され、シール部材による設計通りのシール性能を発揮
させることができる。また、箱本体と蓋体とが組み付け
られた場合には、シール部材と突条との接触部分が溝条
の奥部に位置されて、接触部分の保護を図ることができ
るので、シール部材のシール性能を充分に発揮させるこ
とができる。
【0095】さらに、請求項3の発明によれば、請求項
2の発明の効果に加えて、ゴム自体が有した弾性力を用
いて、シール部材を上蓋体に形成された下向きの溝条内
に保持させて設置した構成としたことにより、接着剤な
どの固定手段が不要にできるので、低コスト化が図れる
とともに、シール部材の取扱いを簡便におこなうことが
できる。これに加えて、シール部材の溝条への着脱作業
がシール部材単独で容易に行なえるので、シール部材の
生産性や消耗部品としてのシール部材の保全性を向上さ
せることができる。
【0096】またさらに、請求項4の発明によれば、請
求項3の発明の効果に加えて、従来のシール部材の接触
面が平坦に形成され、その接触が面接触とされた構成と
比べると、本発明によれば、シール部材の接触面に突部
を形成したことにより、その接触が線接触となるので、
接触面積が大幅に削減され、単位面積当たりの接触圧力
が増大されることになり、シール部材による密着度を高
めることができる。この結果、シール部材による防水・
防塵性が安定されて確保でき、格納箱の防水・防塵性能
の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例を説明し、その主要部で
あるシール部材が設置された状態を示す横断面図であ
る。
【図2】 この発明の実施例のシール部材を形成する金
型の概略構成を示す斜視図である。
【図3】 この実施例のシール部材を溝条に設置する途
中の状態を示す斜視図である。
【図4】 この実施例のシール部材が溝条に設置された
状態を示す上蓋体の底面図である。
【図5】 この発明の他の実施例を説明し、その主要部
であるシール部材が設置された状態を示す横断面図であ
る。
【図6】 この発明の他の実施例を説明し、その主要部
であるシール部材が設置された状態を示す横断面図であ
る。
【図7】 この発明の他の実施例を説明し、その主要部
であるシール部材が設置された状態を示す横断面図であ
る。
【図8】 従来例の箱本体と上蓋体との接合部の構成を
説明し、(a)は、その接合部分を示す拡大した部分の
横断面図であり、(b)は、その接合部分の拡大した部
分の一部を破断して示す斜視図である。
【図9】 従来例の箱体のシール構造を説明し、(a)
は、そのシール部材の製作過程の概略を説明する説明図
であり、(b)は、シール部材が設置された状態を示す
横断面図である。
【図10】 従来例の他の箱体のシール構造を説明し、
(a)は、そのシール部材の溝条への設置方法の概略を
説明する説明図であり、(b)は、シール部材が設置さ
れた状態を示す横断面図である。
【図11】 従来例の他の箱体のシール部材が溝条に設
置された状態を示す上蓋体の底面図である。
【符号の説明】
1…格納箱、 2A,2B,2C,2D…シール部材、
3a,3b,3c,3d,3e…シール部材の突部、
51…箱本体、 52…上蓋体、 53…突条、 5
4…溝条。
フロントページの続き Fターム(参考) 4E360 AB13 AB33 EA03 ED03 ED23 EE04 GA22 GA29 GA47 GA53 GB99 GC08 5G361 AC03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端が開口された箱本体と前記開口を閉
    塞する蓋体とから構成された箱体に、電子部品を有した
    電子ユニットを収容し、前記箱本体と蓋体とが接触され
    る接合部にシール部材が介在された電子ユニット用格納
    箱のシール構造において、 前記接合部が、前記開口に沿って連続した環状に形成さ
    れ、 前記シール部材が、ゴム成形品によって、前記接合部に
    沿った環状の一体物に形成されていることを特徴とする
    電子ユニット用格納箱のシール構造。
  2. 【請求項2】 前記箱本体の蓋体との接合部に、前記蓋
    体側に突出された突条が形成されるとともに、 前記蓋体の箱本体との接合部に、前記突条を挿入させる
    溝条が形成され、 前記シール部材が、前記溝条の底部に設置されたことを
    特徴とする請求項1に記載の電子ユニット用格納箱のシ
    ール構造。
  3. 【請求項3】 前記シール部材が、ゴムの弾性力によっ
    て、前記溝条内に保持されていることを特徴とする請求
    項2に記載の電子ユニット用格納箱のシール構造。
  4. 【請求項4】 前記シール部材の接触面における幅方向
    の中間部に、その周方向に沿って連続した突部が形成さ
    れていることを特徴とする請求項3に記載の電子ユニッ
    ト用格納箱のシール構造。
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