JP2003264354A - 空気調和機の制御基板 - Google Patents

空気調和機の制御基板

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JP2003264354A
JP2003264354A JP2002065629A JP2002065629A JP2003264354A JP 2003264354 A JP2003264354 A JP 2003264354A JP 2002065629 A JP2002065629 A JP 2002065629A JP 2002065629 A JP2002065629 A JP 2002065629A JP 2003264354 A JP2003264354 A JP 2003264354A
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Katsuyuki Amano
勝之 天野
Katsuhiko Saito
勝彦 斎藤
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パワーモジュール、電気部品のサイズに寄ら
ず基板サイズの小型化、配線インピーダンスの低減、自
己発生ノイズの低減、および、サービス時のコスト低減
を行うことができる空気調和機の制御基板を提供する。 【解決手段】 導電体を平面または立体的に成形したリ
ードフレームを絶縁材料でモールドしたリードフレーム
モールド基板からなる下層制御基板1と上層制御基板2
とを備え、下層制御基板上1に、パワー系半導体スイッ
チング素子および制御回路の一部もしくはすべてをモー
ルドし、一体化したパワーモジュール3を備え、上層制
御基板上2にパワーモジュール3の周辺電気部品の一部
もしくはすべてを備え、下層制御基板1と上層制御基板
2に各々設けられた下層制御基板上のネジ端子台15と
上層制御基板上のネジ接続部により、下層制御基板1と
上層制御基板2を脱着可能、かつ、近接に接続した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、リードフレーム
モールド基板で構成された空気調和機用の制御基板の小
型化、加工性向上および、配線インピーダンスにより発
生するノイズやノイズによる誤動作を抑制するための基
板構造を改良した空気調和機用の制御基板に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の空気調和機の制御基板は、絶縁板
上に薄膜で配線を形成するプリント配線基板や、図19
に示したように平面導電体をパターン状に成形したリー
ドフレームを絶縁材料でモールドしたリードフレームモ
ールド基板に、パワーモジュール3やパワーモジュール
3周辺電気部品を同一平面の基板内に実装し、はんだ付
けで接続する方式のものがある。
【0003】図19は従来のリードフレームモールド基
板を用いた空気調和機の室外機のインバータ制御基板で
ある。図において1は下層制御基板、4はネジ締め用の
制御基板上の開口部、5は弱電系の配線、6は弱電系制
御回路、9は平滑コンデンサ、10はスナバコンデン
サ、11はダイオードブリッジ、13は放熱器である。
空気調和機の制御基板に用いられるインバータのパワー
モジュール3は、パワー系半導体スイッチング素子の
他、図20に示したような制御回路の一部も内蔵したD
IP(Dual−Inline−Package)型の
インテリジェントパワーモジュール(Intellig
ent−Power−Module)、通称DIP−I
PMが、コスト、コンパクト性、扱い易さにおいてメリ
ットがあるため最も良く用いられる。
【0004】DIP−IPMの端子は、片側に制御側の
弱電系端子17が配置され、約30mm離れた反対側に
パワー系の端子16が配置されており、放熱器13取り
付け用の穴12がパワーモジュール3の隅に2〜4個所
空けられているが最も一般的な構成である。また、パワ
ーモジュール3の周辺電気部品の一つである平滑コンデ
ンサ9は、使用電圧以上のDC300〜450V程度の
耐圧が必要で、容量も安定動作を保証するため1000
μF以上となる。よって、平滑コンデンサ9は、一個外
径φ25〜35mm、容量500μF程度のものを複数
個使用することが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の従来の空気調和
機の制御基板では、約400V/30A程度の高圧/大
電流となるパワーモジュール3およびその周辺部品の実
装において、プリント配線基板では、使用電流に合わせ
た広い配線幅や、規格で定められた沿面/絶縁距離を取
る必要があり、基板の小型化が困難であった。また、パ
ワーモジュール(DIP−IPM)3の左右の端子間に
平滑コンデンサ9を配置すると、DIP−IPMの端子
に接触するため物理的に配置が不可能であったり、接触
しなくてもはんだ付けができないといった理由で、図1
8に示したようにDIP−IPMの横に配置するしかな
いため、制御基板サイズが大きくなるという問題があっ
た。
【0006】また、リードフレームモールド基板ではな
く、プリント配線基板を用いた場合は、沿面距離や広い
配線パターンをとる必要があり一平面上の配置では、さ
らに、制御基板サイズが大きくなるという問題があっ
た。
【0007】また、リードフレームモールド基板ではプ
リント配線基板のような制約が無くなり、ある程度の小
型化は可能であるが、上記のようにパワーモジュール3
およびその周辺部品は高圧/大電流用の部品である為、
部品サイズが大きく、一平面上の配置では理想的な配置
や配線引き廻しが困難で十分な小型化が行えないという
問題があった。また、パワーモジュール3は放熱器13
への接続も行う必要があるため小型化が難しいという問
題があった。
【0008】さらに、パワーモジュール3内の半導体ス
イッチング素子は、スイッチング時に電圧と電流の変化
を急にするため、サージ電圧などの電気的なノイズを発
生する源となる。サージ電圧は、配線インピーダンスの
L成分と電流時間変化di/dtの積L×di/dt
[V]で表わすことができ、このサージ電圧が配線イン
ピーダンスおよび、回路の容量成分とLC共振すること
で、自他共に悪影響を及ぼす様々な周波数成分のノイズ
を発生させる。配線インピーダンスは配線長を短く、配
線断面積を増やせば抑制することができるため、制御基
板の小型化を行えば必然的に小さくなる。近年の空気調
和機は、省エネ、規格規制対応のためインバータ用やア
クティブフィルタ(力率改善)用など、高圧大電流を高
速スイッチングするパワーモジュール3を多数用いてお
り、自己発生ノイズ量が多い。また、熱交換器面積を稼
ぐため狭いスペースに制御基板を組み込む必要があるた
め、上述のような制約により十分な小型化が行えないこ
とが問題であった。
【0009】この発明は、上記の従来技術の問題を解決
するためになされたもので、パワーモジュール、電気部
品のサイズに寄らず基板サイズの小型化、配線インピー
ダンスの低減、自己発生ノイズの低減、および、サービ
ス時のコスト低減を行うことができる空気調和機の制御
基板を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る空気調和
機の制御基板は、導電体を平面または立体的に成形した
リードフレームを絶縁材料でモールドしたリードフレー
ムモールド基板からなる下層制御基板と上層制御基板と
を備え、前記下層制御基板上に、パワー系半導体スイッ
チング素子および制御回路の一部もしくはすべてをモー
ルドし、一体化したパワーモジュールを備え、前記上層
制御基板上に前記パワーモジュールの周辺電気部品の一
部もしくはすべてを備え、前記下層制御基板と前記上層
制御基板に各々設けられた接続部により、前記下層制御
基板と前記上層制御基板を脱着可能、かつ、近接に接続
したものである。
【0011】また、下層制御基板に少なくとも2つ以上
のパワーモジュールを備え、上層制御基板のリードフレ
ームを用いて、前記パワーモジュール間を最短接続した
ものである。
【0012】また、下層制御基板と上層制御基板の接続
部をネジ、または、コネクタにより接続するようにした
ものである。
【0013】また、下層制御基板と上層制御基板の接続
部を溶接、または、はんだ付けにより接続するようにし
たものである。
【0014】また、パワーモジュールを冷却する放熱器
を備え、下層制御基板と前記放熱器の周辺部に各々設け
られた接続部により、前記パワーモジュールを前記下層
制御基板の下面と前記放熱器との間に固定し、前記パワ
ーモジュールを前記放熱器に密着させるようにしたもの
である。
【0015】
【発明の実施の形態】実施の形態1.この発明の実施の
形態1を、図1〜7を基に説明する。図1は、この発明
の実施の形態1を示す空気調和機の制御基板の平面およ
び側面図、図2はパワーモジュール3の外観図、図3
は、空気調和機の制御基板の作製フローチャート、図4
は下層制御基板1のネジ端子台15の断面図、図5は上
層制御基板2のネジ接続部14の断面図、図6は上下層
制御基板の接続部の断面図、図7は下層制御基板1のネ
ジ端子台15にナット24を用いた時の断面図である。
【0016】図1は、空気調和機の室外機のインバータ
制御基板であり、上下層制御基板共に、厚さ0.4mm
程度の銅板を、流れる電流に合わせた幅で、平面、立体
加工したリードフレームをPPSやPBTなどの絶縁樹
脂でモールドしたリードフレームモールド基板である。
図1に示したように下層制御基板1に、放熱の必要があ
るダイオードブリッジ11、パワーモジュール3が下面
に実装され、同一もしくは別々の放熱器13に密着され
る。ダイオードブリッジ11、パワーモジュール3が実
装された面とは反対の上面にパワーモジュール3を制御
する弱電系の制御回路部品6などが実装される。
【0017】上層制御基板2には、パワーモジュール3
周辺電気部品である平滑コンデンサ9、スナバコンデン
サ10などが実装される。上層制御基板2と下層制御基
板1は、下層制御基板1に設けられたネジ端子台15
と、上層制御基板2に設けられたネジ接続部14をネジ
止めすることで、電気的な接続と固定が行われる。な
お、4はネジ締め用の制御基板上の開口部、5は弱電系
の配線、7は上層制御基板のリードフレーム、8は放熱
器取り付け用ネジ、14は上層制御基板2上の接続部、
15は下層制御基板1上のネジ端子台、36はパワーモ
ジュール3を放熱器13に固定するネジである。
【0018】空気調和機の室外機のインバータ制御基板
は、上述のように上層制御基板2と下層制御基板1が層
状に構成され、各電気部品が三次元的に実装されるた
め、制御基板サイズの小型化を実現することが可能とな
る。また、ネジ端子台15の分、上層制御基板2が離れ
た場所に固定されるため、上層制御基板2に接触せずか
つ、絶縁距離も確保できる高さの電気部品、配置であれ
ば、上層制御基板2と下層制御基板1の間の隙間にも、
下層制御基板1上に部品を実装できるため、より制御基
板サイズの小さくでき、最短配線で接続可能となる。
【0019】図2は従来例で示した制御基板に用いられ
るインバータのパワーモジュール3であるが、制御回路
の一部も内蔵したDIP(Dual−Inline−P
ackage)型のインテリジェントパワーモジュール
である。パワーモジュール3の端子は、片側に制御側の
弱電系端子17が配置され、約30mm離れた反対側に
パワー系の端子16が配置されており、パワーモジュー
ル3の放熱器13との接続部である穴12がパワーモジ
ュール3の隅に設けられている。
【0020】次にこの発明の制御基板の製作工程につい
て図3により説明する。まず、下層基板に弱電系の電気
部品6を下面側からはんだ付けする(S1)。一方、別
工程で上層制御基板2にパワーモジュール3周辺電気部
品をはんだ付けする(S4)。次に、下層制御基板1に
パワーモジュール3を上面側からはんだ付けする(S
2)。次に、下層制御基板1に設けられた、放熱器13
ネジ締め用の開口部4を通して、上面側から放熱器取り
付け用ネジ8を入れダイオードブリッジ11、パワーモ
ジュール3を放熱器13にネジ止めする(S3)。次
に、下層制御基板1のネジ端子台15と上層制御基板2
のネジ接続部14を合わせ、上層制御基板2側からネジ
止めする(S5)。
【0021】次に、下層制御基板1のネジ端子台15と
上層制御基板2の電気的な接続と固定構造について図4
〜7により説明する。図4は、下層制御基板1上に設け
られるネジ端子台15を示した図である。図のように、
ネジ端子台15は、下層制御基板1の一部に絶縁樹脂に
より突起部を立体的に形成し、曲げ加工を施したリード
フレームが、絶縁樹脂の突起部の上部に露出した構造2
2となる。露出したリードフレーム22には、放熱器取
り付け用ネジ8が貫通する貫通穴が設けてあり、貫通穴
の下の絶縁樹脂突起部内に、ネジ固定ができるようにタ
ップを刻んだ金属21が埋め込まれている。
【0022】タップが刻まれた金属21の外形は特に問
わないが、ネジ締め付け時に一緒に回転しないように、
円形で無い方がよい。また、タップが刻まれた金属21
は、絶縁樹脂の成形時に一体成形してもよいが、ネジ端
子台15にタップが刻まれた金属21がちょうど入るよ
うな溝を成形しておき、成形後そこに落とし込んでもよ
い。このようにした場合、ネジ締め付け時にタップが刻
まれた金属21が上方向にスライドできるため、各部に
応力がかからずに電気的な接続および固定ができる。
【0023】図5は、上層制御基板2のネジ接続部14
を示した図である。図のように上層制御基板2のネジ接
続部14は、ちょうど下層制御基板1のネジ端子台15
が収まるサイズに絶縁樹脂がくり貫かれた構造となって
おり、リードフレーム7が露出している。露出したリー
ドフレーム23には、放熱器取り付け用ネジ8が貫通す
る貫通穴が設けてあり、この貫通穴を通してネジが通さ
れ、図6のように下層制御基板1とネジ止めされる。ネ
ジ止めにより、上層制御基板2と下層制御基板1のリー
ドフレーム露出部22が密着し、電気的な接続と固定が
行われる。さらに、安定した固定を得るため、図1に示
したように電気的な接続はない固定専用のネジ端子台1
8を設けてもよい。
【0024】また、図7のように下層制御基板1のネジ
端子台15内部のタップを刻んだ金属21は、一般的な
ナット24でもよい。タップが刻まれた金属21の場合
と同様に、ネジ端子台15の上部にナット24が回転し
ないように、ナット24と同一の形状の溝を設けて、そ
の溝にナット24を落とし込んでもよいし、絶縁樹脂の
成形時に一緒にナット24を埋め込んでもよい。
【0025】さらに、放熱器取り付け用ネジ8にタップ
ネジを用いた場合は、ネジ端子台15内部にタップネジ
とほぼ同等サイズの貫通穴があいた金属が埋め込まれて
いるだけで、タップネジがその金属にタップを刻み、同
様に上層制御基板2と下層制御基板1の電気的な接続と
固定が行われる。また、貫通穴があいた金属無しで、直
接絶縁樹脂にタップネジを打ち込んだ場合でも、電気的
な接続と固定が十分行えれば、貫通穴があいた金属は必
要ない。
【0026】以上のように、上層制御基板2と下層制御
基板1が層状に構成され、各電気部品が三次元的に実装
されるため、上層制御基板2と下層制御基板1の間の隙
間にも、下層制御基板1上に部品を実装できるため、よ
り制御基板サイズの小さくでき、最短配線で接続可能と
なり、基板サイズの小型化、配線インピーダンスの低減
を行うことができる。
【0027】また、はんだ付け部以外は放熱器取り付け
用ネジ8を緩めることで再度、上層制御基板2、下層制
御基板1、放熱器13に分離可能なので、不具合等が生
じた場合は、不具合となった部分の交換だけで済むな
ど、サービス上のコスト低減も行うことができる。ま
た、下層制御基板1のネジ端子台15に上層制御基板2
を電気的な接続と固定を行うとき、ネジ締め付け時にタ
ップが刻まれた金属21が上方向にスライドできるた
め、各部に応力がかからずに電気的な接続および固定が
できる。
【0028】実施の形態2.この発明の第二の実施の形
態を、図8、9を基に説明する。図8はこの発明の実施
の形態2を示す空気調和機の制御基板の平面および側面
図であり、パワーモジュール3が二個あるものである。
図9は本実施の形態の比較説明に用いるパワーモジュー
ル3が二個ある場合の空気調和機の制御基板の従来例で
ある。
【0029】図8、9において実施の形態1の図1と同
一の部分は同一符号を付し説明を省略する。3aはイン
バータパワーモジュール、3bはコンバータパワーモジ
ュールである。図9に示した従来の制御基板では、実施
の形態1と同様に平滑コンデンサ9などの実装位置に制
約があったり、別々に開発されたコンバータパワーモジ
ュール3、インバータパワーモジュール3aのそれぞれ
の端子が最短接続を考慮した配列になっていない為、コ
ンバータパワーモジュール3b→平滑コンデンサ9→イ
ンバータパワーモジュール3のリードフレーム引き廻し
が長くなったり、リードフレーム同士がクロスする配置
となる可能性もあり、制御基板サイズが大きくなり制御
基板の小型化が困難であったり、ノイズが発生するとい
う問題があった。
【0030】図8はこの発明の実施の形態2を示す空気
調和機の室外機のインバータ制御基板であり、実施の形
態1と同様に上下層の制御基板共に、リードフレームモ
ールド基板である。図8に示したように下層制御基板1
に放熱の必要があるダイオードブリッジ11、インバー
タパワーモジュール3a、コンバータパワーモジュール
3bの二個からなるパワーモジュール3が下面に実装さ
れ、同一もしくは別々の放熱器13に密着される。ダイ
オードブリッジ11、パワーモジュール3が実装された
面とは反対の上面にパワーモジュール3を制御する弱電
系の制御回路部品6などが実装される。
【0031】上層制御基板2には、パワーモジュール3
周辺電気部品である平滑コンデンサ9、それぞれのパワ
ーモジュール3のスナバコンデンサ10、シャント抵抗
などが実装される。上下の制御基板は、実施の形態1と
同様に、下層制御基板1に設けられたネジ端子台15
と、上層制御基板2に設けられたネジ接続部14をネジ
止めすることで固定され、インバータパワーモジュール
3a、コンバータパワーモジュール3bが電気的に最短
接続される。
【0032】近年の、室外機のインバータ制御基板は、
高調波規制を受けて交流を直流に変換し、インバータに
電力を供給するコンバータ回路にも、パワー系半導体ス
イッチング素子が用いられるようになってきており、イ
ンバータ制御回路同様に、制御回路の一部も含んだパワ
ーモジュール3が使われている。コンバータパワーモジ
ュール3bも、インバータパワーモジュール3aと同様
のDIP型のタイプが主流である。また、インバータパ
ワーモジュール3a、コンバータパワーモジュール3b
が20A〜30A程度の主電流を高速でスイッチングす
るため、高di/dtとなり自他共に悪影響を与えるノ
イズが発生する。よって、ノイズを極力減らすために、
コンバータパワーモジュール3b→平滑コンデンサ9→
インバータパワーモジュール3aの配線を短くし、配線
インピーダンスを低減することが重要である。
【0033】この発明の空気調和機の制御基板は、下層
制御基板1に各パワーモジュール3の制御端子に接続さ
れる弱電系の配線5を主に引き廻し、主電流が流れるリ
ードフレームは極力引き廻さず、パワーモジュール3端
子近傍にネジ端子台15を配置し、上層制御基板2に接
続させる。そして、上層制御基板2は、コンバータパワ
ーモジュール3→平滑コンデンサ9→インバータパワー
モジュール3の主電流が流れるリードフレーム7が最短
となるように構成される。
【0034】以上のように、上層制御基板2のリードフ
レームを用いて、パワーモジュール3の間を最短接続し
たので、パワーモジュール3の接続端子位置、サイズ、
配置によらず最短接続を可能し、基板サイズの小型化、
配線インピーダンスの低減を行うことができる。
【0035】実施の形態3.この発明の実施の形態3
を、図10〜12を基に説明する。図10は下層制御基
板1のタブ状接続端子25の断面図、図11は上層制御
基板2のコの状接続端子の断面図、図12は上下層制御
基板の接続状態の断面図である。
【0036】実施の形態1.2では上下層制御基板の接
続を放熱器取り付け用ネジ8を用いて行ったが、本実施
の形態は、コネクタを用いたものである。上下層制御基
板の接続部以外は、実施の形態1、2と同様である。図
10に示したように下層制御基板1上に、タブ端子状に
打ち抜き90°曲げ加工したリードフレームを、絶縁樹
脂から突起させた、タブ状接続端子25を形成する。上
層制御基板2には、図11に示したように、コの字状に
打ち抜き90°曲げ加工したリードフレームに、コの字
状に加工した部分が、必要以上に開かないように周りを
絶縁樹脂で補強したコの字状接続端子26を形成する。
コの字の先端部分には、突起部27が設けられており、
この先端突起部間の幅が、下層制御基板1のタブ状接続
端子25のリードフレーム厚より少し狭い幅に打ち抜か
れている。
【0037】図12に示したように、下層制御基板1上
のタブ状接続端子25に、上層制御基板2上のコの字状
接続端子26を圧入することで、コの字の先端突起部2
7と下層のタブ状接続端子25が密着し、上下層の制御
基板の電気的接続および固定が行われる。接続の強度
や、信頼性を上げる上で、コネクタ接続の場合は、厚さ
0.8mm程度の銅板のリードフレームを用いた方がよ
い。
【0038】以上のように、上下層の制御基板の電気的
接続および固定をネジを用いないで簡単に行うことがで
きる。
【0039】実施の形態4.次に、この発明の実施の形
態4を、図13〜17を基に説明する。図13は下層制
御基板1のタブ状接続端子29および位置決め絶縁樹脂
28の断面図、図14は、上層制御基板2のタブ状接続
端子30および貫通穴の断面図、図15は、上下層制御
基板の溶接接続状態の断面図、図16は上層制御基板2
のはんだ付け様貫通穴31の断面図、図17は上下層制
御基板のはんだ付け接続状態の断面図である。
【0040】実施の形態1〜3は上下層制御基板の接続
を放熱器取り付け用ネジ8やコネクタを用いて行った
が、本実施の形態は溶接、はんだ付けを用いたものであ
る。上下層制御基板の接続部以外は、実施の形態1、2
と同様である。図13に示したように下層制御基板1上
に、タブ端子状に打ち抜き90°曲げ加工し、リードフ
レームを絶縁樹脂から突起させた、タブ状接続端子29
を形成する。タブ状接続端子29の途中までは、タブ状
接続端子29の補強、上層制御基板2の位置決め用とし
て絶縁樹脂28に覆われている。図14に示したよう
に、上層制御基板2にも同様に、タブ端子状に打ち抜き
上向きに90°曲げ加工したタブ状接続端子30を形成
する。また、上層制御基板2のタブ状接続端子のすぐ横
には、下層のタブ状接続端子28が貫通する貫通穴31
が設けられている。
【0041】図15に示したように、下層制御基板1上
のタブ状接続端子29が、上層制御基板2上のタブ状接
続端子横の貫通穴31を通して、上層制御基板2上に飛
び出し、上層制御基板2が下層制御基板1の位置決め用
の絶縁樹脂28まできた時に、上下層制御基板上のタブ
状接続端子が並んだ構造となる。この並んだ上下層制御
基板のタブ状接続端子を溶接することで、上下層の制御
基板の電気的接続および固定が行われる。
【0042】また、図16に示したようにように、上層
制御基板2上にはタブ状接続端子30を設けず、リード
フレーム7が露出した部分に、下層制御基板1のタブ状
接続端子が貫通するはんだ付け用の貫通穴32を設けて
おけば、図17のように、上層制御基板2の貫通穴32
と、貫通穴32から上方向に出た下層制御基板1のタブ
状接続端子29をはんだ付け33することで、同様に電
気的接続および固定が行われる。
【0043】以上のように、上下層制御基板の電気的接
続よび固定が溶接やはんだ付けで行い、溶接では強固な
各制御基板の接続ができ、はんだ付けでは、材料費の低
減、加工時間の短縮を行うことができる。
【0044】実施の形態5.この発明の実施の形態5
を、図18を基に説明する。図18は下層制御基板1上
の貫通穴19を通してパワーモジュール3を放熱器13
に取り付けた平面および側面図である。
【0045】実施の形態1〜4は、下層制御基板1に接
続された1個もしくは二個パワーモジュール3を、パワ
ーモジュール3に既存の放熱器13取り付け用の接続部
である穴12(図2)を使用して放熱器13を取り付け
ていたが、本実施の形態は、既存の放熱器13取り付け
用のネジ穴12を用いずに、下層制御基板1のリードフ
レーム引き廻しの邪魔にならない箇所に設けた放熱器1
3取り付け用の貫通穴19を通して、ネジ36によりパ
ワーモジュール3と放熱器13を密着させるものであ
る。
【0046】図18に示したように、下層制御基板1の
片面にパワーモジュール3を取り付ける。パワーモジュ
ール3が、インバータパワーモジュール3aとコンバー
タパワーモジュール3bの二個からなる場合であり、イ
ンバータパワーモジュール3aとコンバータパワーモジ
ュール3bの放熱器13への接触面の高さが一致するよ
うに取り付ける。下層制御基板1のリードフレーム引き
廻しの邪魔にならない箇所に設けた、貫通穴19にネジ
36を通し、放熱器13に刻まれたネジ穴20に締め付
けることにより、パワーモジュール3を放熱器13に密
着させる。
【0047】このとき、下層制御基板1の絶縁樹脂の硬
度にもよるが、放熱器13へのネジ締め時に下層制御基
板1がわん曲し、パワーモジュール3の放熱器13への
密着性の低下することなどを避けるために、下層制御基
板1の隅に絶縁樹脂により淵34を成形したり、はんだ
付けなどの邪魔にならない程度に仕切り板状の突起35
を数多く持たせることで、曲げ強度を上げている。
【0048】以上のように、パワーモジュール3の既存
の放熱器13取り付け用の穴12を用いず、リードフレ
ーム引き廻しに影響の無い位置に設けた下層制御基板1
のネジ取り付け用の貫通穴19を用いるため、実施の形
態1の図1等で示した配線の引き廻し上問題となるネジ
締め用の下層制御基板1上の開口部4を設ける必要がな
くなり、以上に示した実施の形態1〜4と本実施の形態
を組み合わせることで、さらに、小型で配線インピーダ
ンスを低減した制御基板を構成することができる。な
お、以上の実施の形態1〜5は、あくまで実施例の一例
であり、この発明の内容を限定するものではない。
【0049】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、導電
体を平面または立体的に成形したリードフレームを絶縁
材料でモールドしたリードフレームモールド基板からな
る下層制御基板と上層制御基板とを備え、前記下層制御
基板上に、パワー系半導体スイッチング素子および制御
回路の一部もしくはすべてをモールドし、一体化したパ
ワーモジュールを備え、前記上層制御基板上に前記パワ
ーモジュールの周辺電気部品の一部もしくはすべてを備
え、前記下層制御基板と前記上層制御基板に各々設けら
れた接続部により、前記下層制御基板と前記上層制御基
板を脱着可能、かつ、近接に接続したので、パワーモジ
ュール、電気部品のサイズに寄らず最短接続を可能と
し、基板サイズの小型化、配線インピーダンスの低減お
よび、サービス時のコスト低減を行うことができる。
【0050】また、下層制御基板に少なくとも2つ以上
のパワーモジュールを備え、上層制御基板のリードフレ
ームを用いて、前記パワーモジュール間を最短接続した
ので、パワーモジュールの接続端子位置、サイズ、配置
によらず最短接続を可能し、基板サイズの小型化、配線
インピーダンスの低減を行うことができる。
【0051】また、下層制御基板と上層制御基板の接続
部をネジ、または、コネクタにより接続するようにした
ので、上層制御基板と下層制御基板を分離可能なので、
不具合等が生じた場合は、不具合となった部分の交換だ
けで済むなど、サービス上のコスト低減を行うことがで
きる。
【0052】また、下層制御基板と上層制御基板の接続
部を溶接、または、はんだ付けにより接続するようにし
たので、基板サイズの小型化、配線インピーダンスの低
減を行うことができ、また、溶接では強固な各制御基板
の接続ができ、はんだ付けでは、材料費の低減、加工時
間の短縮を行うことができる。
【0053】また、パワーモジュールを冷却する放熱器
を備え、下層制御基板と前記放熱器の周辺部に各々設け
られた接続部により、前記パワーモジュールを前記下層
制御基板の下面と前記放熱器との間に固定し、前記パワ
ーモジュールを前記放熱器に密着させるようにしたの
で、パワーモジュールの既存の穴を用いたネジ止めが不
要のため、ネジ締め付用の開口部が下層制御基板に不要
になり、リードフレーム引き廻しが制約されず、さらな
る基板サイズの小型化、配線インピーダンスの低減を行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1を示す空気調和機の制
御基板の平面および側面図である。
【図2】 空気調和機の制御基板のパワーモジュールの
外観図である。
【図3】 この発明の実施の形態1を示す空気調和機の
作製フローチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態1を示す空気調和機の
制御基板の下層制御基板のネジ端子台の断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態1を示す空気調和機の
制御基板の上層制御基板のネジ接続部の断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態1を示す空気調和機の
制御基板の上下層制御基板の接続部の断面図である。
【図7】 この発明の実施の形態1を示す空気調和機の
制御基板の下層制御基板のネジ端子台にナットを用いた
時の断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態2を示す空気調和機の
制御基板の平面および側面図である。
【図9】 この発明の実施の形態2を示す空気調和機の
制御基板の比較説明に用いた従来の制御基板の平面およ
び側面図である。
【図10】 この発明の実施の形態3を示す空気調和機
の制御基板の下層制御基板のタブ状接続端子の断面図で
ある。
【図11】 この発明の実施の形態3を示す空気調和機
の制御基板の上層制御基板のコの状接続端子の断面図で
ある。
【図12】 この発明の実施の形態3を示す空気調和機
の制御基板の上下層制御基板の接続状態の断面図であ
る。
【図13】 この発明の実施の形態4を示す空気調和機
の制御基板の下層制御基板1のタブ状接続端子および位
置決め絶縁樹脂の断面図である。
【図14】 この発明の実施の形態4を示す空気調和機
の制御基板の上層制御基板のタブ状接続端子および貫通
穴の断面図である。
【図15】 この発明の実施の形態4を示す空気調和機
の制御基板の上下層制御基板の溶接接続状態の断面図で
ある。
【図16】 この発明の実施の形態4を示す空気調和機
の制御基板の上層制御基板のはんだ付け様貫通穴の断面
図である。
【図17】 この発明の実施の形態4を示す空気調和機
の制御基板の上下層制御基板のはんだ付け接続状態の断
面図である。
【図18】 この発明の実施の形態5を示す空気調和機
の制御基板の平面および側面図である。
【図19】 従来の空気調和機の制御基板の平面および
側面図である。
【図20】 従来の空気調和機の制御基板のパワーモジ
ュールの外観図である。
【符号の説明】
1 下層制御基板、2 上層制御基板、3 パワーモジ
ュール、4 ネジ締め用の制御基板上の開口部、7 上
層制御基板のリードフレーム、8 放熱器取り付け用ネ
ジ、9 平滑コンデンサ、10 スナバコンデンサ、1
1 ダイオードブリッジ、12 穴、13 放熱器、1
4 上層制御基板上の接続部、15 下層制御基板上の
ネジ端子台、 19 下層制御基板上の放熱器取り付け
用の貫通穴、20 放熱器上のネジ接続部、21 タッ
プが刻まれた金属、22 下層制御基板のネジ端子部の
リードフレーム露出部、23 上層制御基板のネジ接続
部のリードフレーム露出部、24 下層制御基板のネジ
端子部のナット、25 コネクタ接続時の下層制御基板
のタブ状接続端子、26 コネクタ接続時の上層制御基
板のコの字状接続端子、27 コの字状接続端子の先端
突起部、28 溶接時の下層制御基板のタブ状接続端
子、29 溶接時の下層制御基板のタブ状接続端子の位
置決め樹脂、30 溶接時の上層制御基板のタブ状接続
端子、31 溶接時の上層制御基板上の下層タブ状接続
端子貫通穴、32 はんだ付け時の上層制御基板上の下
層タブ状接続端子貫通穴、33 上層制御基板のはんだ
付け部、34 下層制御基板の絶縁樹脂の淵、35 下
層制御基板の絶縁樹脂の仕切り板状の突起、36 ネ
ジ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E338 AA01 AA16 BB80 CC08 EE02 EE22 EE32 5E344 AA01 AA16 BB02 BB06 BB10 BB20 CD14 CD18 DD02 DD08 EE12 EE21

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電体を平面または立体的に成形したリ
    ードフレームを絶縁材料でモールドしたリードフレーム
    モールド基板からなる下層制御基板と上層制御基板とを
    備え、 前記下層制御基板上に、パワー系半導体スイッチング素
    子および制御回路の一部もしくはすべてをモールドし、
    一体化したパワーモジュールを備え、 前記上層制御基板上に前記パワーモジュールの周辺電気
    部品の一部もしくはすべてを備え、 前記下層制御基板と前記上層制御基板に各々設けられた
    接続部により、前記下層制御基板と前記上層制御基板を
    脱着可能、かつ、近接に接続したことを特徴とする空気
    調和機の制御基板。
  2. 【請求項2】 下層制御基板に少なくとも2つ以上のパ
    ワーモジュールを備え、上層制御基板のリードフレーム
    を用いて、前記パワーモジュール間を最短接続したこと
    を特徴とする請求項1記載の空気調和機の制御基板。
  3. 【請求項3】 下層制御基板と上層制御基板の接続部を
    ネジ、または、コネクタにより接続するようにしたこと
    を特徴とする請求項1または2記載の空気調和機の制御
    基板。
  4. 【請求項4】 下層制御基板と上層制御基板の接続部を
    溶接、または、はんだ付けにより接続するようにしたこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の空気調和機の制
    御基板。
  5. 【請求項5】 パワーモジュールを冷却する放熱器を備
    え、 下層制御基板と前記放熱器の周辺部に各々設けられた接
    続部により、前記パワーモジュールを前記下層制御基板
    の下面と前記放熱器との間に固定し、前記パワーモジュ
    ールを前記放熱器に密着させるようにしたことを特徴と
    する請求項1〜4にいずれかに記載の空気調和機の制御
    基板。
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