JP2003264321A - 圧電振動子の製造方法 - Google Patents
圧電振動子の製造方法Info
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Abstract
放射面が葉状、湾曲状、あるいは球面状などの矩形かつ
平坦でない形状の圧電振動子を容易に製造できる、工業
的に有利な圧電振動子の製造方法を提供すること。 【解決手段】 電荷を有するチタン酸ジルコン酸鉛粒子
6が電解質溶液に懸濁されてなる懸濁液1中に、少なく
とも一方の電極が可燃性電極である一対の電極を配置し
て、両電極間に電圧を付与することによって、該可燃性
電極の表面に、該チタン酸ジルコン酸鉛粒子を層状に析
出させる工程、表面にチタン酸ジルコン酸鉛粒子層を有
する該可燃性電極を加熱して、該可燃性電極を焼却し、
かつ析出チタン酸ジルコン酸鉛粒子を焼結させて、チタ
ン酸ジルコン酸鉛焼結体シートに変換する工程、得られ
たチタン酸ジルコン酸鉛シートの両側表面のそれぞれに
電極を付設する工程、そして該電極間に電界を印加する
ことにより、チタン酸ジルコン酸鉛シートを厚さ方向に
分極させる工程からなる圧電振動子の製造方法。
Description
方法に関し、さらに詳しくは圧電振動子用の圧電材料と
して有利に用いることができるチタン酸ジルコン酸鉛シ
ートの製造方法の製造方法に関する。本発明はまた、複
合圧電振動子に関し、さらに詳しくは、複合圧電振動子
用の圧電材料として有利に用いることができるチタン酸
ジルコン酸鉛成形体、及びその製造方法に関する。
下、PZTという)を用いた電気音響変換素子として、
PZTシートの両側表面のそれぞれに電極を付設した構
成の圧電振動子が広く利用されている。また、複数個の
柱状PZT成形体を樹脂中に並立固定させた複合体シー
トの両側表面のそれぞれに電極を付設した構成の複合圧
電振動子も実用化されている。
矩形かつ平坦な形状であるものがその主流である。この
圧電振動子に用いられる矩形かつ平坦な形状のPZTシ
ートは、一般に、粉末状のPZTをプレス法によりシー
ト状に成形し、これを加熱して焼結させることによって
製造されている。
ZTシートの厚さが薄くなる程高周波となるが、上記の
方法では、粉末状のPZTをプレス法によりシート状に
成形する際に、シートの厚さが薄くなる程歩留まりが低
くなる傾向にある。このため、高周波の超音波発信用圧
電振動子に用いるような比較的厚さの薄いPZTシート
を工業的に歩留まり良く製造できる方法の開発が望まれ
ている。
湾曲状、あるいは球面状などの平坦かつ矩形でない形状
とした圧電振動子も開発され、その実用化が進めれられ
ている。この種の圧電振動子に用いられる葉状などの平
坦かつ矩形でない形状のPZTシートは、例えば、矩形
かつ平坦な形状のPZTシートを切削することによって
製造することができる。しかし、矩形かつ平坦な形状の
PZTシートを、葉状などに成形するのは、相当の時間
と労力を要し、また歩留まりも低いという問題がある。
このため、葉状などの矩形かつ平坦な形状でないPZT
シートを簡便な手法を用いて製造できる方法の開発が望
まれている。
のPZT成形体の体積分率によって、静電容量や音響イ
ンピーダンスなどの特性を調整することができるという
特徴を有する。例えば、柱状PZT成形体を用いた従来
の一般的な複合圧電振動子では、複合体シート中の柱状
PZT成形体の配列パターンを変えることよって、PZ
T成形体の体積分率を変更することができる。しかし、
複合体シート中の柱状PZT成形体の配列パターンを変
えるのは、柱状PZT成形体の配列装置の調整など煩雑
な作業を伴うため作業性が低いという問題がある。この
ため、PZT成形体の配列パターンを変えずに、複合体
シート中のPZT成形体の体積分率を調整できる方法の
開発が望まれている。
の薄いPZTシートや葉状、湾曲状、あるいは球面状な
どの矩形かつ平坦な形状でないPZTシートを簡便な手
法を用いて、容易に製造できる方法を開発すること、す
なわち高周波の超音波発信用圧電振動子や、超音波放射
面が、矩形かつ平坦でない形状の圧電振動子を容易に製
造できる、工業的に有利な圧電振動子の製造方法を提供
することを、その目的とする。本発明はさらに、PZT
成形体の配列パターンを変えずに、複合体シート中のP
ZT成形体の体積分率を調整できるように構成された複
合圧電振動子を提供することもその目的とする。
チタン酸ジルコン酸鉛粒子が電解質溶液に懸濁されてな
る懸濁液中に、少なくとも一方の電極が可燃性電極であ
る一対の電極を配置して、両電極間に電圧を付与するこ
とによって、該可燃性電極の表面に、該チタン酸ジルコ
ン酸鉛粒子を層状に析出させる工程、表面にチタン酸ジ
ルコン酸鉛粒子層を有する該可燃性電極を加熱して、該
可燃性電極を焼却し、かつ析出チタン酸ジルコン酸鉛粒
子を焼結させて、チタン酸ジルコン酸鉛焼結体シートに
変換する工程、得られたチタン酸ジルコン酸鉛シートの
両側表面のそれぞれに電極を付設する工程、そして該電
極間に電界を印加することにより、チタン酸ジルコン酸
鉛シートを厚さ方向に分極させる工程からなる圧電振動
子の製造方法にある。
は、次の通りである。 (1)葉状の可燃性電極を用いて、葉状のチタン酸ジル
コン酸鉛シートを製造する。 (2)湾曲面を有する可燃性電極を用いて、湾曲形状の
チタン酸ジルコン酸鉛シートを製造する。 (3)球面を有する可燃性電極を用いて、一方の表面が
凸面で、他方の表面が凹面であるチタン酸ジルコン酸鉛
シートを製造する。
コン酸鉛粒子が電解質溶液に懸濁されてなる懸濁液中
に、少なくとも一方の電極が可燃性電極である一対の電
極を配置して、両電極間に電圧を付与することによっ
て、該可燃性電極の表面に、該チタン酸ジルコン酸鉛粒
子を層状に析出させる工程、そして、表面にチタン酸ジ
ルコン酸鉛粒子層を有する該可燃性電極を加熱して、該
可燃性電極を焼却し、かつ析出チタン酸ジルコン酸鉛粒
子を焼結させて、チタン酸ジルコン酸鉛焼結体シートに
変換する工程からなるチタン酸ジルコン酸鉛シートの製
造方法にある。
ルコン酸鉛成形体を並立固定させて得た複合体シートの
両側表面のそれぞれに電極を付設し、該電極間に電界を
印加して、筒状チタン酸ジルコン酸鉛成形体を複合体シ
ートの厚さ方向に分極させてなる複合圧電振動子にもあ
る。
酸鉛成形体にもある。
ルコン酸鉛粒子が電解質溶液に懸濁されてなる懸濁液中
に、少なくとも一方の電極が可燃性棒状電極である一対
の電極を配置して、両電極間に電圧を付与することによ
って、該可燃性棒状電極の周囲に、該チタン酸ジルコン
酸鉛粒子を層状に析出させる工程、そして、表面にチタ
ン酸ジルコン酸鉛粒子層を有する該可燃性棒状電極を加
熱して、該可燃性棒状電極を焼却し、かつ析出チタン酸
ジルコン酸鉛粒子を焼結させて、筒状のチタン酸ジルコ
ン酸鉛焼結体に変換する工程からなる筒状チタン酸ジル
コン酸鉛成形体の製造方法にもある。
明する。本発明の圧電振動子の製造方法は、例えば次の
ようにして行うことができる。まず、電荷を有するPZ
T粒子が電解質溶液に懸濁されてなる懸濁液を調整す
る。
3)とチタン酸鉛(PbTiO3)の固溶体であり、チタ
ンに対するジルコニアのモル比(Zr/Ti)は、通常
1〜1.5の範囲にある。PZT粒子の平均粒子径は、
通常は0.1〜5μmの範囲にあり、好ましいのは0.
1〜2μmの範囲にある。このPZT粒子の平均粒子径
は、レーザ回折法によって測定した値である。
溶媒、あるいはそれらの混合溶媒を用いることができ
る。有機溶媒の例としては、アルコール系溶媒、ケトン
系溶媒、エーテル系溶媒、アミド系溶媒を挙げることが
でき、これらは単独で用いることができ、あるいは組み
合わせて用いても良い。アルコール系溶媒の具体例とし
ては、メタノール、エタノール、プロパノールなどを挙
げることができる。ケトン系溶媒の具体例としては、メ
チルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン
などを挙げることができる。エーテル系溶媒の具体例と
しては、ジエチレルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサンなどを挙げることができる。そして、アミド系
溶媒の具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミドなどを挙げることが
できる。
溶媒との混合溶媒を用いることが好ましい。特に、好ま
しいのは、水とアルコール系溶媒の混合溶媒である。水
と有機溶媒との混合溶媒を用いる場合、その混合割合
(水:有機溶媒)は質量比で、一般には10:90〜9
0:10の範囲にあり、好ましいのは40:60〜6
0:40の範囲にある。
いる場合、PZT粒子の有する電荷は、溶媒のpHに依
存する。PZT粒子の等電位点は、一般にはpH2〜5
の範囲にある。PZT粒子の電荷を正とする場合には、
溶媒のpHをPZT粒子の等電位点のpHよりも低くす
る。具体的には、溶媒のpHをPZT粒子の等電位点の
pHに対して0.1〜2の範囲(好ましいのは0.5〜
2の範囲)にて低い値とする。一方、PZT粒子の電荷
を負とする場合には、溶媒のpHをPZT粒子の等電位
点のpHよりも高くする。具体的には、溶媒のpHをP
ZT粒子の等電位点のpHに対して0.1〜2の範囲
(好ましいのは0.5〜2の範囲)にて高い値とする。
溶媒のpH調整剤としては、硝酸、塩酸もしくは硫酸な
どの酸、アンモニアなどのアルカリを用いることができ
る。
ンに解離するものであれば特に制限はない。また、上記
pH調整剤も電解質であってもよい。電解質の具体例と
しては、チタン、ジルコニア、及び鉛の硝酸塩、硫酸
塩、塩化物などを挙げることができる。
〜20質量%の範囲にあり、好ましいのは2〜10質量
%の範囲にある。
燃性電極である一対の電極を配置して、両電極間に電圧
を付与することによって、可燃性電極の表面に、PZT
粒子を層状に析出させる。
ZT粒子電着装置を用いて実施することができる。この
PZT粒子電着装置は、懸濁液1を貯留する容器2、懸
濁液1に配置された陰電極3と陽電極4、そして、陰電
極3と陽電極4のそれぞれに電圧を付与する直流電源装
置5からなる。図1において、懸濁液1は、PZT粒子
6が正の電荷を有する状態で懸濁されており、電解質と
して添加された硝酸鉛と硝酸チタンが、それぞれ硝酸イ
オン7、鉛イオン8、チタニウムイオン9に解離してい
る。陰電極3と陽電極4との間に電圧を付与するとPZ
T粒子6、鉛イオン8、及びチタニウムイオン9が、陰
電極3側に移動し、PZT粒子が陰電極3の表面に析出
する。陽電極4側に硝酸イオン7が移動する。
(可燃性電極)4は、懸濁液1に対して化学的に安定
で、500〜800℃の温度で熱分解する導電性材料か
ら形成されていることが好ましい。このような導電性材
料の例としては、無定形の炭素質材料を挙げることがで
きる。
な導電性材料から形成される。このような導電性材料の
例としては、金、白金などの金属材料を挙げることがで
きる。なお、陽電極4は、上記陰電極3と同様に可燃性
電極としてもよい。
0.5〜5cmの範囲にあり、好ましくは0.6〜4c
mの範囲にある。陰電極3のPZT粒子を析出させる面
と反対側の表面には、あらかじめ絶縁テープなどの絶縁
材料を貼り付けて、PZT粒子が析出しないようにマス
キングすることが好ましい。陰電極3と陽電極4の間に
付与する電圧は、電極間隔や懸濁液の導電率などによっ
て異なるが、一般には1〜200Vの範囲にあり、好ま
しくは2〜100Vの範囲にある。
電極を加熱して、可燃性電極を焼却し、かつ析出PZT
粒子を焼結させて、PZT焼結体シートに変換する。
の焼結温度、すなわち1100〜1300℃の範囲とし
てもよいが、可燃性電極をこの温度範囲にて加熱する
と、可燃性電極の急激な燃焼とともにPZT粒子層が破
壊されることがことがある。このため、PZT粒子の焼
結温度よりも低い温度(通常は、500〜800℃)に
て、可燃性電極を徐々に熱分解させた後に、上記の温度
範囲にてPZT粒子を焼結させることが好ましい。可燃
性電極の加熱は、酸素の存在下で行なうことが好まし
い。具体的には、酸素を10〜30体液%の範囲内で含
む気体中(例えば、大気中)にて、可燃性電極の加熱を
行なうことが好ましい。
ースなどの樹脂でPZT粒子層の表面を覆って、PZT
粒子層を可燃性電極から脱落しないようにすることが好
ましい。
厚みが均一であるという特徴を有する。また、上記の方
法により製造するPZT焼結体シートは、その厚さが、
30〜300μmの範囲、特に50〜250μmの範囲
にあることが好ましい。
ートは、所定の大きさに裁断され、あるいはそのままで
圧電振動子用のPZTシートとして有利に用いることが
できる。このPZTシートを用いた圧電振動子は、例え
ば、次のようにして製造することができる。
れぞれに電極を付設する。電極の材料には、ニッケル、
金、銀などの通常の圧電振動子の電極材料として用いら
れている公知の材料を用いることができる。ニッケル電
極や金電極は、例えばスパッタ法などの公知の手法によ
って形成することができる。銀電極は、例えばPZTシ
ートの表面に銀ペーストを塗布し、これを焼き付けるこ
とによって形成することができる。
より、PZTシートを厚さ方向に分極させる。電極間に
印加する電界は、一般には1〜5kV/mmの範囲にあ
り、好ましくは1.5〜3kV/mmの範囲にある。
は、可燃性電極の形状を選択することによって様々な形
状のPZTシートを製造することができる。例えば、葉
状、湾曲状、あるいは球面状などの矩形かつ平坦な形状
でないPZTシートも製造することもできる。
である。葉状の可燃性電極にPZT粒子層を形成するこ
とによって、葉状のPZTシートを製造することがで
き、これにより超音波放射面が葉状の圧電振動子を工業
的に有利に製造することができる。なお、超音波放射面
が葉状の圧電振動子は、超音波放射面が矩形の圧電振動
子と比較して、サイドローブの発生が少なくなる傾向に
ある。
の斜視図である。図3(a)は、幅方向に、凹型に湾曲
した湾曲面を有する矩形状の可燃性電極の一例の斜視図
である。図3(b)は、長さ方向に、凹型に湾曲した湾
曲面を有する矩形状の可燃性電極の一例の斜視図であ
る。図3(c)は、幅方向に、凸型に湾曲した湾曲面を
有する矩形状の可燃性電極の一例の斜視図である。図3
(d)は、長さ方向に、凸型に湾曲した湾曲面を有する
矩形状の可燃性電極の一例の斜視図である。図3(e)
は、長さ方向に湾曲した長尺シート状の可燃性電極の一
例の斜視図である。図3(f)は、幅方向に湾曲した長
尺シート状の可燃性電極の一例の斜視図である。
する場合は、可燃性電極の湾曲面と他方の電極の表面と
の最短距離を、湾曲面の深さ、あるいは高さの10倍以
上(通常は10〜20倍の範囲)とすることが好まし
い。湾曲面を有する可燃性電極と他方の電極との間隔を
これよりも狭くすると、可燃性電極の表面に形成される
PZT粒子層の厚さが不均一になる傾向がある。
にPZT粒子を析出させることにより、湾曲形状のPZ
Tシートを製造でき、これにより超音波放射面が湾曲し
た圧電振動子を工業的に有利に製造することができる。
斜視図である。図4(a)は、凹型の球面を有する可燃
性電極の一例の斜視図である。図4(b)は、凸型の球
面を有する可燃性電極の一例の斜視図である。図4
(c)は、半球状に形成された可燃性電極の一例の斜視
図である。
る場合は、可燃性電極の球面と他方の電極の表面との最
短距離を、球面の深さ、あるいは高さの10倍以上(通
常は10〜20倍の範囲)とすることが好ましい。球面
を有する可燃性電極と他方の電極との間隔をこれよりも
狭くすると、可燃性電極の表面に形成されるPZT粒子
層の厚さが不均一になる傾向がある。
子を析出させることにより、一方の表面が凸面で、他方
の表面が凹面であるPZTシートを製造でき、これによ
り超音波放射面が球面である圧電振動子を工業的に有利
に製造することができる。
性棒状電極の周囲にPZTを層状に析出させ、次いで表
面にPZT粒子層を有する可燃性棒状電極を加熱して、
可燃性棒状電極を焼却し、かつ析出したPZTを焼結さ
せることによって、筒状のPZT成形体を製造すること
もできる。次に、本発明の筒状のPZT成形体、並びに
筒状のPZT成形体を用いた複合圧電振動子について、
添付図面を参照しながら説明する。
図である。図5において、筒状PZT焼結体10は円筒
状であり、その断面中央には円形の貫通孔11が形成さ
れている。円筒状PZT焼結体は、可燃性電極に円柱状
の可燃性棒状電極を用いることによって製造することが
できる。
5〜100μmの範囲にあり、好ましいのは10〜50
μmの範囲にある。筒状PZT焼結体の直径は、一般に
は10〜400μmの範囲にあり、好ましいのは30〜
200μmの範囲にある。また、貫通孔11の穴径は、
一般に5〜200μmの範囲にあり、好ましいのは10
〜100μmの範囲にある。なお、本発明において筒状
PZT焼結体は、円筒状に限定されるものではない。例
えば、可燃性電極に角柱状の可燃性棒状電極を用いるこ
とによって、角柱状の筒状PZT焼結体を製造すること
もできる。
複数個を樹脂中に並立固定させて得た複合体シートの一
例の斜視図である。図6において、複合体シート12
は、複数個の筒状PZT成形体10と、複数個のPZT
成形体をそれぞれ支持固定する樹脂13とからなる。筒
状PZT成形体10の貫通孔11にも樹脂13が充填さ
れていることが好ましい。
分率は、筒状PZT成形体10の配列パターン(すなわ
ち、筒状PZT成形体10同士の間隔)と、筒状PZT
成形体10の貫通孔11の穴径によって決まる。従っ
て、筒状PZT成形体10の貫通孔11の穴径を変える
ことによっても、複合体シート12のPZT成形体の体
積分率を調整することができる。複合体シート12のP
ZT成形体の体積分率は、一般には30〜60体積%の
範囲にあり、好ましいのは40〜50体積%の範囲にあ
る。また、複合体シートの厚さは、一般には50〜50
0μmの範囲にあり、好ましいのは50〜150μmの
範囲の範囲にある。
脂、ウレタン樹脂あるいはシリコーン樹脂を挙げること
ができる。
圧電振動子の一例の側面図である。図7において、複合
圧電振動子は、複合体シート12の両側表面のそれぞれ
に電極14が付設されてなる。複合体シート12中の筒
状PZT成形体(図示せず)は、電極14間に電界を印
加することによって、複合体シートの厚さ方向に分極さ
れている。
るいは金などの金属を挙げることができる。複合体シー
ト12の両側表面に電極14を付設する方法としては、
スッパタ法を挙げることができる。
素質シート状陽電極(縦40mm×横40mm×厚さ
0.5mm)と炭素質シート状陰電極(縦18mm×横
10mm×厚さ0.5mm)を間隔が3cmとなるよう
に向かい合わせに配置し、両電極間に5Vの直流電圧を
15分間付与した。これにより、炭素質シート状陰電極
の表面(炭素質シート状陽電極と向かい合っている面)
にPZT粒子が層状に析出した。なお、炭素質シート状
陰電極の裏面には、あらかじめ絶縁テープを貼り付け
て、炭素質シート状陰電極の裏面が懸濁液と接触しない
ようにした。
極を懸濁液から取り出し、これをニトロセルロース1.
6質量%を含むキシレン溶液に浸漬し、乾燥してPZT
粒子層の表面をニトロセルロースで被覆した。次いで、
PZT粒子層を有する炭素質シート状陰電極を、大気雰
囲気中で700℃、10時間加熱して、炭素質シート状
陰電極を焼却した後、さらに、大気雰囲気中で1200
℃、2時間加熱してPZT粒子を焼結させた。得られた
PZT焼結体シートのサイズは、縦14mm、横8m
m、及び厚さが50μmであった。また、このPZT焼
結体シートのX線回折パターンは、懸濁液中のPZT粉
末のX線回折パターンとほぼ同じであり、その組成の変
化が僅少であることが確認された。
液中に、炭素質シート状陽電極(縦40mm×横40m
m×厚さ0.5mm)と炭素質円柱状陰電極(直径10
μm、長さ10mm)とを間隔が2cmとなるように配
置し、両電極間に5Vの直流電圧を5分間印加した。こ
れにより、炭素質円柱状陰電極の周囲にPZT粒子が層
状に析出した。
を懸濁液から取り出し、これをニトロセルロース1.6
質量%を含むキシレン溶液に浸漬し、乾燥してPZT粒
子層の表面をニトロセルロースで被覆した。次いで、P
ZT粒子層を有する炭素質円柱状陰電極を、大気雰囲気
中で700℃、10時間加熱して、炭素質円柱状陰電極
を焼失させた後、さらに、大気雰囲気中で1200℃、
2時間加熱してPZT粒子を焼結させた。得られたPZ
T焼結体は円筒状であり、そのサイズは直径60μm、
穴径13μmおよび長さ8mmであった。また、この円
筒状PZT焼結体のX線回折パターンは、懸濁液中のP
ZT粉末のX線回折パターンとほぼ同じであり、その組
成の変化が僅少であることが確認された。
焼結シートの両側の表面のそれぞれに、スパッタ法にて
金電極を形成した後、両電極間に電界を印加して、PZ
Tシートを厚さ方向に分極させた。次いで、PZTシー
トを縦1mm、横1mmの大きさに裁断して圧電振動子
を作成した。
PZT成形体を長さ5mmに裁断した筒状PZT成形体
を400個用意した。そして、筒状PZT成形体をエポ
キシ樹脂中にそれぞれの間隔が0.01mmとなるよう
に並立固定した複合体を得て、さらに、これを厚さ0.
15mmに裁断して、図6に示すような複合体シートを
製造した。次に、複合体シートの両側表面にスッパタ法
にて、ニッケル電極を形成した。次いで、両電極間に電
界を印加して、円筒状PZT成形体を複合体シートの厚
さ方向に分極させて、1−3型複合圧電振動子を作成し
た。
電極(縦40mm×横40mm×厚さ0.5mm)と図
3(a)に示した幅方向に湾曲した湾曲面を有する炭素
質陰電極(縦7.5mm×横10mm×最大厚さ0.8
mm、湾曲面の深さ0.3mm)を、炭素質シート状陽
電極の表面と炭素質陰電極の湾曲面の最短距離が3cm
となるように向かい合わせに配置し、両電極間に5Vの
直流電圧を20分間印加した以外は、実施例1と同様の
操作を行ってPZT焼結体シートを作成した。得られた
PZT焼結体シートは、縦方向に湾曲しており、縦6m
m、横8mm、厚さ40μm、そして湾曲面の深さ0.
25mmであった。
極(縦40mm×横40mm×厚さ0.5mm)と図4
(a)に示した球面を有する炭素質陰電極(縦15mm
×横15mm×最大厚さ1.5mm、球面の深さ1m
m)とを、炭素質シート陽電極の表面と球面を有する炭
素質陰電極の球面の最短距離が3cmとなるように向か
い合わせに配置し、両カーボンに5Vの直流電圧を20
分間印加した以外は、実施例1と同様の操作を行ってP
ZT焼結体シートを作成した。得られたPZT焼結体シ
ートは、球面状であり、縦12mm、横12mm、厚さ
30μm、そして球面の深さ0.8mmであった。
ば、比較的厚みの薄いPZTシートや、葉状、湾曲状、
あるいは球面状などの矩形かつ平坦な形状でないPZT
シートを工業的に有利に製造することができる。従っ
て、高周波の超音波発信用圧電振動子や、超音波放射面
が、葉状、湾曲状、あるいは球面状などの各種の圧電振
動子を工業的に安価に製造することができる。また、本
発明の複合圧電振動子では、貫通孔の穴径の異なる筒状
PZT成形体を用いることによって、PZT成形体を配
列パターンを変えることなく、複合体シート中のPZT
成形体の体積分率を調整できる。
利用できるPZT粒子電着装置の例を示す図である。
利用できる葉状の可燃性電極の例を示す図である。
利用できる湾曲面を有する可燃性電極の例を示す図であ
る。
利用できる球面を有する可燃性電極の例を示す図であ
る。
できる筒状の筒状PZT成形体の一例を示す図である。
できる複合体シートの一例を示す図である。
る。
Claims (8)
- 【請求項1】 電荷を有するチタン酸ジルコン酸鉛粒子
が電解質溶液に懸濁されてなる懸濁液中に、少なくとも
一方の電極が可燃性電極である一対の電極を配置して、
両電極間に電圧を付与することによって、該可燃性電極
の表面に、該チタン酸ジルコン酸鉛粒子を層状に析出さ
せる工程、表面にチタン酸ジルコン酸鉛粒子層を有する
該可燃性電極を加熱して、該可燃性電極を焼却し、かつ
析出チタン酸ジルコン酸鉛粒子を焼結させて、チタン酸
ジルコン酸鉛焼結体シートに変換する工程、得られたチ
タン酸ジルコン酸鉛シートの両側表面のそれぞれに電極
を付設する工程、そして該電極間に電界を印加すること
により、チタン酸ジルコン酸鉛シートを厚さ方向に分極
させる工程からなる圧電振動子の製造方法。 - 【請求項2】 葉状の可燃性電極を用いて、葉状のチタ
ン酸ジルコン酸鉛シートを製造することを特徴とする請
求項1に記載の圧電振動子の製造方法。 - 【請求項3】 湾曲面を有する可燃性電極を用いて、湾
曲形状のチタン酸ジルコン酸鉛シートを製造することを
特徴とする請求項1に記載の圧電振動子の製造方法。 - 【請求項4】 球面を有する可燃性電極を用いて、一方
の表面が凸面で、他方の表面が凹面であるチタン酸ジル
コン酸鉛シートを製造することを特徴とする請求項1に
記載の圧電振動子の製造方法。 - 【請求項5】 電荷を有するチタン酸ジルコン酸鉛粒子
が電解質溶液に懸濁されてなる懸濁液中に、少なくとも
一方の電極が可燃性電極である一対の電極を配置して、
両電極間に電圧を付与することによって、該可燃性電極
の表面に、該チタン酸ジルコン酸鉛粒子を層状に析出さ
せる工程、そして、表面にチタン酸ジルコン酸鉛粒子層
を有する該可燃性電極を加熱して、該可燃性電極を焼却
し、かつ析出チタン酸ジルコン酸鉛粒子を焼結させて、
チタン酸ジルコン酸鉛焼結体シートに変換する工程から
なるチタン酸ジルコン酸鉛シートの製造方法。 - 【請求項6】 複数個の筒状チタン酸ジルコン酸鉛成形
体を樹脂中に並立固定させて得た複合体シートの両側表
面のそれぞれに電極を付設し、該電極間に電界を印加し
て、筒状チタン酸ジルコン酸鉛成形体を複合体シートの
厚さ方向に分極させてなる複合圧電振動子。 - 【請求項7】 筒状のチタン酸ジルコン酸鉛成形体。
- 【請求項8】 電荷を有するチタン酸ジルコン酸鉛粒子
が電解質溶液に懸濁されてなる懸濁液中に、少なくとも
一方の電極が可燃性棒状電極である一対の電極を配置し
て、両電極間に電圧を付与することによって、該可燃性
棒状電極の周囲に、該チタン酸ジルコン酸鉛粒子を層状
に析出させる工程、そして、表面にチタン酸ジルコン酸
鉛粒子層を有する該可燃性棒状電極を加熱して、該可燃
性棒状電極を焼却し、かつ析出チタン酸ジルコン酸鉛粒
子を焼結させて、筒状のチタン酸ジルコン酸鉛焼結体に
変換する工程からなる筒状チタン酸ジルコン酸鉛成形体
の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002063454A JP4212819B2 (ja) | 2002-03-08 | 2002-03-08 | 圧電振動子の製造方法 |
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JP (1) | JP4212819B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1323842C (zh) * | 2004-03-11 | 2007-07-04 | 精工爱普生株式会社 | 致动器装置的制造方法及液体喷射装置 |
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2002
- 2002-03-08 JP JP2002063454A patent/JP4212819B2/ja not_active Expired - Fee Related
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