JP2021012942A - 超音波振動子及びその製造方法 - Google Patents

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Atsuhiro Hayashi
敦浩 林
岡田 長也
Osanari Okada
長也 岡田
宮本 年昭
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年昭 宮本
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Abstract

【課題】厚い圧電セラミックス膜を効率良く形成することができ、かつ信頼性が高い超音波振動子の製造方法を提供すること。【解決手段】本発明の超音波振動子10は、圧電セラミックス薄膜形成工程と圧電セラミックス厚膜形成工程とを経て製造される。圧電セラミックス薄膜形成工程では、金属材料からなる基材11の主面11a上に、圧電セラミックス粉16を含まない圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液31を塗布して加熱することにより、圧電セラミックス薄膜13を形成する。圧電セラミックス厚膜形成工程では、圧電セラミックス薄膜13上に、圧電セラミックス粉16を含む圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液32を塗布して加熱することにより、圧電セラミックス薄膜13よりも厚い圧電セラミックス厚膜14を形成する。【選択図】図2

Description

本発明は、超音波振動子及びその製造方法に関するものである。
従来、超音波を送受信して距離計測や聴音等を行う超音波センサとして用いられる超音波振動子が知られている。超音波振動子は、一般的に、金属製の基材上に圧電セラミックス層を形成してなる構造を有している。そして、圧電特性に優れた圧電セラミックス層としては、現在、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などからなるものが実用化されている。
ところで、本願発明者らは、上記の超音波振動子を薄型化することにより、超音波振動子をフレキシブルなウェアラブルセンサ等に用いることを考えている。なお、従来の薄型化の手法としては、例えばゾルゲル法により、PZTからなる“膜状”の圧電セラミックス層(以下、「圧電セラミックス膜」という)を基材上に形成することが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2014−183154号公報(段落[0002]等) 特表平11−502262号公報(請求項1等) 特開2006−114745号公報(請求項3、図1等)
ところで、超音波振動子から低周波の超音波を出力させる場合には、圧電セラミックス膜を厚くすることが必要である。ところが、超音波振動子から例えば数十MHzオーダーの比較的高い周波数の超音波を出力させる場合であっても、厚さ数百μmの圧電セラミックス膜が必要である。しかし、上記のゾルゲル法によって基材上に圧電セラミックス膜を形成する場合には、基材上にPZTのゾルゲル液を1回塗布したとしても、最大でも厚さ数百nmの膜しか形成することができない。よって、厚さ数百μmの圧電セラミックス膜を得るためには、ゾルゲル液の塗布を多数回繰り返す必要があるため、圧電セラミックス膜の形成が非常に困難である。また、このような手法では生産効率が極めて低いため、製造コストが高くなるという問題もある。
なお、特許文献2に記載の従来技術では、ゾルゲル液にセラミック粒子を混合することにより、1回のゾルゲル液の塗布で厚さ10μm以上の圧電セラミックス膜を形成可能としている。この場合、圧電セラミックス膜の形成に必要なゾルゲル液の塗布回数が大幅に減少するため、圧電セラミックス膜を効率良く形成することができる。しかしながら、圧電セラミックス膜を厚くすると、圧電セラミックス膜が基材に密着せずに剥れてしまい、超音波振動子の信頼性が低下するという問題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、厚い圧電セラミックス膜を効率良く形成することができ、かつ信頼性が高い超音波振動子の製造方法を提供することにある。また、別の目的は、厚い圧電セラミックス膜を用いた場合であっても、信頼性が高い超音波振動子を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、金属材料からなる基材の主面上に、圧電セラミックス粉を含まない圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液を塗布して加熱することにより、圧電セラミックス薄膜を形成する圧電セラミックス薄膜形成工程と、前記圧電セラミックス薄膜上に、圧電セラミックス粉を含む圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液を塗布して加熱することにより、前記圧電セラミックス薄膜よりも厚い圧電セラミックス厚膜を形成する圧電セラミックス厚膜形成工程とを含むことを特徴とする超音波振動子の製造方法をその要旨とする。
請求項1に記載の発明では、圧電セラミックス厚膜形成工程において、圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液を圧電セラミックス薄膜上に塗布して加熱することにより、圧電セラミックス厚膜を形成している。この圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液は、固形分である圧電セラミックス粉を含むことで流動性が低くなっているため、圧電セラミックス薄膜上に塗布したとしても広がりにくい。よって、圧電セラミックス厚膜を厚く形成しやすくなる。これに伴い、圧電セラミックス薄膜及び圧電セラミックス厚膜からなる圧電セラミックス膜の形成に必要なゾルゲル液の塗布回数が減少するため、圧電セラミックス膜を効率良く形成することができる。しかも、圧電セラミックス薄膜形成工程では、圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液を基材の主面上に塗布して加熱することにより、圧電セラミックス薄膜を形成している。この圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液は、圧電セラミックス粉を含まないことで流動性が高くなっているため、基材の主面上に塗布した際に主面に追従しやすい。その結果、基材に対する圧電セラミックス薄膜の密着性が高くなり、圧電セラミックス薄膜を介して圧電セラミックス厚膜を基材に密着させることができるため、圧電セラミックス厚膜が基材から剥れにくくなり、超音波振動子の信頼性が向上する。
ここで、基材を構成する金属材料は、圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液や圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液を加熱する際の温度よりも融点が高いものであることが好ましく、例えば、チタン(Ti)、インコネル(Special Metal Corporation の登録商標)、タンタル(Ta)、白金(Pt)などが挙げられる。
また、圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液及び圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)用のゾルゲル溶液、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)用のゾルゲル溶液、タンタル酸ビスマス酸ストロンチウム(SBT)用のゾルゲル溶液、チタン酸ビスマスランタン(BLT)用のゾルゲル溶液、コバルト酸ランタンストロンチウム(LSCO)用のゾルゲル溶液が挙げられる。チタン酸ジルコン酸鉛用のゾルゲル溶液は、チタン酸ジルコン酸鉛が含む鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、チタンの各金属元素に、有機基が酸素原子を介して結合している金属アルコキシド(金属酸化物)を含むものである。チタン酸バリウムストロンチウム用のゾルゲル溶液は、チタン酸バリウムストロンチウムが含むバリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、チタンの各金属元素に、有機基が酸素原子を介して結合している金属アルコキシドを含むものである。タンタル酸ビスマス酸ストロンチウム用のゾルゲル溶液は、タンタル酸ビスマス酸ストロンチウムが含むストロンチウム、ビスマス(Bi)、タンタルの各金属元素に、有機基が酸素原子を介して結合している金属アルコキシドを含むものである。チタン酸ビスマスランタン用のゾルゲル溶液は、チタン酸ビスマスランタンが含むビスマス、ランタン(La)、チタンの各金属元素に、有機基が酸素原子を介して結合している金属アルコキシドを含むものである。コバルト酸ランタンストロンチウム用のゾルゲル溶液は、コバルト酸ランタンストロンチウムが含むランタン、ストロンチウム、コバルト(Co)の各金属元素に、有機基が酸素原子を介して結合している金属アルコキシドを含むものである。
さらに、圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液に含まれる圧電セラミックス粉の形成材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)、タンタル酸ビスマス酸ストロンチウム(SBT)、チタン酸ビスマスランタン(BLT)、コバルト酸ランタンストロンチウム(LSCO)、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムなどが挙げられる。また、圧電セラミックス粉の形成材料としては、少なくともカリウム(K)、ナトリウム(Na)、ニオブ(Nb)を主な金属成分として含むニオブ酸カリウムナトリウム系(KNN系)のセラミックス圧電材料などが挙げられる。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記圧電セラミックス粉は、前記圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液と同種の金属酸化物を含むことをその要旨とする。
請求項2に記載の発明によれば、圧電セラミックス粉は、圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液と同種の金属酸化物を含むため、圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液に馴染みやすくなる。その結果、圧電セラミックス厚膜形成工程を経て形成される圧電セラミックス厚膜が、圧電特性のバラツキがない均質なものとなるため、超音波振動子の性能が向上する。
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液、前記圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液及び前記圧電セラミックス粉は、チタン酸ジルコン酸鉛からなることをその要旨とする。
請求項3に記載の発明によれば、圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液は、圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液と同じ材料からなるため、圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液に馴染みやすくなる。その結果、圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液からなる圧電セラミックス厚膜が、圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液からなる圧電セラミックス薄膜から剥れにくくなるため、超音波振動子の信頼性がよりいっそう向上する。また、圧電セラミックス膜の形成材料である圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液、圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液及び圧電セラミックス粉が、チタン酸ジルコン酸鉛からなるため、圧電特性に優れた好適な圧電セラミックス膜を得ることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記圧電セラミックス厚膜形成工程では、前記圧電セラミックス薄膜上に、同圧電セラミックス薄膜の一部を露出させる開口部が形成されたステンシルを配置した後、前記ステンシルの前記開口部に対して前記圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液を印刷することにより、前記圧電セラミックス厚膜を形成することをその要旨とする。
請求項4に記載の発明によれば、圧電セラミックス厚膜形成工程において、ステンシルの開口部に対して圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液を印刷することにより、圧電セラミックス厚膜を形成している。この場合、圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液は、印刷時に、広がることなく開口部内に溜まるため、圧電セラミックス薄膜よりも厚い圧電セラミックス厚膜を容易に形成することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項において、前記圧電セラミックス薄膜形成工程前に、前記基材の主面を粗化して微細な凹凸を形成する粗化工程を行うことをその要旨とする。
請求項5に記載の発明によれば、圧電セラミックス薄膜形成工程において基材の主面上に塗布される圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液が、凹凸を構成する凹部内に入り込むことによって得られるアンカー効果により、圧電セラミックス薄膜と基材との接合強度が高くなる。その結果、基材からの圧電セラミックス薄膜の剥離が確実に防止されるため、超音波振動子の信頼性がいっそう向上する。
請求項6に記載の発明は、請求項5において、前記圧電セラミックス薄膜形成工程では、少なくとも前記凹凸を構成する凹部を埋める程度の厚さとなるように、前記圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液を塗布することをその要旨とする。
請求項6に記載の発明によれば、圧電セラミックス薄膜形成工程において、少なくとも凹部を埋める程度の厚さとなるように圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液を塗布するため、形成される圧電セラミックス薄膜の表面が平坦になる。その結果、圧電セラミックス薄膜に対する圧電セラミックス厚膜の密着性が高くなり、圧電セラミックス厚膜が圧電セラミックス薄膜から剥れにくくなるため、超音波振動子の信頼性がよりいっそう向上する。
請求項7に記載の発明は、金属材料からなる基材と、前記基材の主面上に形成され、圧電セラミックス粉を含まない圧電セラミックス薄膜と、前記圧電セラミックス薄膜上に形成され、圧電セラミックス粉を含み、前記圧電セラミックス薄膜よりも厚い圧電セラミックス厚膜とを備えることを特徴とする超音波振動子をその要旨とする。
請求項7に記載の発明によれば、圧電セラミックス厚膜よりも薄い圧電セラミックス薄膜を介して圧電セラミックス厚膜が基材に接合されるため、圧電セラミックス厚膜が基材から剥れにくくなり、超音波振動子の信頼性が高くなる。
請求項8に記載の発明は、請求項7において、前記基材の前記主面は、微細な凹凸を有する粗面となっていることをその要旨とする。
請求項8に記載の発明によれば、基材の主面上に形成された圧電セラミックス薄膜の一部が、凹凸を構成する凹部内に入り込むことによって得られるアンカー効果により、圧電セラミックス薄膜と基材との接合強度が高くなる。その結果、基材からの圧電セラミックス薄膜の剥離が確実に防止されるため、超音波振動子の信頼性がいっそう向上する。
請求項9に記載の発明は、請求項7または8において、前記基材の前記主面は、凸状湾曲面であることをその要旨とする。
請求項9に記載の発明によれば、基材の主面が凸状湾曲面であるため、基材全体が湾曲する。よって、例えば配管のような曲面を有する部材に対して、超音波振動子を容易に取り付けることができる。
以上詳述したように、請求項1〜6に記載の発明によると、厚い圧電セラミックス膜を効率良く形成することができ、かつ信頼性が高い超音波振動子の製造方法を提供することができる。請求項7〜9に記載の発明によると、厚い圧電セラミックス膜を用いた場合であっても、信頼性が高い超音波振動子を提供することができる。
第1実施形態における超音波振動子を示す概略断面図。 超音波振動子を示す要部断面図。 (a)は圧電セラミックス厚膜形成工程を示す斜視図、(b)は圧電セラミックス厚膜形成工程を示す断面図。 (a)は圧電セラミックス厚膜形成工程後の状態を示す斜視図、(b)は圧電セラミックス厚膜形成工程後の状態を示す断面図。 送受信試験の結果を示すグラフ。 第2実施形態における超音波振動子の使用形態を示す斜視図。 第2実施形態における超音波振動子を示す概略断面図。
[第1実施形態]
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1に示されるように、本実施形態の超音波振動子10は、例えば、水中の音を検出するハイドロホンに搭載されて用いられる。超音波振動子10は、超音波を受信するためのものであり、矩形板状の基板11(基材)と、基板11の主面11a上に形成される圧電セラミックス膜12とを備えている。圧電セラミックス膜12は、基板11の主面11a上に形成される圧電セラミックス薄膜13と、圧電セラミックス薄膜13の表面13a上に形成される圧電セラミックス厚膜14とからなっている。
基板11は、金属材料であるチタンからなる厚さ1.0mmの板状物であり、音響整合層を兼ねている。なお、図2に示されるように、基板11の主面11aは、微細な凹凸15を有する粗面であり、算術平均粗さ(Ra)が、例えば本実施形態では0.05μm以上1.00μm以下となっている。
圧電セラミックス薄膜13は、圧電セラミックス粉16(図2参照)を含まないチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の多結晶膜であり、本実施形態では、厚さが0.1μm以上4.0μm以下となっている。一方、圧電セラミックス厚膜14は、圧電セラミックス粉16を含むチタン酸ジルコン酸鉛の多結晶膜である。圧電セラミックス厚膜14の厚さは、圧電セラミックス薄膜13よりも厚く、本実施形態では50μm以上600μm以下となっている。なお、本実施形態の圧電セラミックス薄膜13及び圧電セラミックス厚膜14は、それぞれ平面視矩形状をなしているが、平面視円形状などの他の形状をなしていてもよい。また、本実施形態の圧電セラミックス粉16は、チタン酸ジルコン酸鉛からなる粒子状の粉体である。なお、図2は、圧電セラミックス粉16を破線にて模式的に示したものである。
また、図1に示される圧電セラミックス薄膜13は、基板11の主面11a上に形成されている。さらに、圧電セラミックス厚膜14の表面14a上には、銀からなる圧電セラミックス膜側電極層17が形成されている。そして、基板11には第1のリード線21が接続され、圧電セラミックス膜側電極層17には第2のリード線22が接続されている。第1のリード線21は、基板11の外周部に対してはんだ付けなどにより接続され、第2のリード線22は、圧電セラミックス膜側電極層17の外周部に対してはんだ付けなどにより接続されている。
次に、超音波振動子10の製造方法を説明する。
まず、基板11を準備する。具体的には、チタンからなる厚さが1.0mmの板状物を矩形状に切削加工する。次に、基板11の主面11aを粗化して微細な凹凸15を形成する粗化工程を行う。具体的には、♯800のサンドペーパーを用いて、基板11の主面11aを研磨する。なお、本実施形態では、サンドペーパーを用いた研磨により凹凸15を形成しているが、サンドブラストやショットブラスト等により凹凸15を形成してもよい。
また、圧電セラミックス薄膜13の原料として圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液31を準備する。具体的には、チタン酸ジルコン酸鉛からなるゾルゲル液(三菱マテリアル株式会社製)を、圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液31として準備する。さらに、圧電セラミックス厚膜14の原料として、圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液32と圧電セラミックス粉16とを準備する。具体的には、チタン酸ジルコン酸鉛からなる上記のゾルゲル液を、圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液32として準備する。また、圧電セラミックス(本多電子株式会社製 HC−60AH)を湿式ボールミルなどで粉砕し、チタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電セラミックス粉16(PZT粉末)を準備する。なお、圧電セラミックス粉16は、圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液31及び圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液32と同種の金属アルコキシド(金属酸化物、具体的には、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、鉛(Pb)の酸化物)を含んでいる。そして、圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液32に対して、圧電セラミックス粉16と、有機バインダとしてのポリビニルアルコール(PVA)とを添加し、撹拌することにより、混合液を生成する。なお、この混合液では、圧電セラミックス粉16の重量比が最も大きくなっており、例えば、圧電セラミックス粉16の重量が、圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液32の重量の5倍以上15倍以下となっている。また、ポリビニルアルコールの重量は、圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液32の重量の10%程度となっている。さらに、圧電セラミックス粉16の粒径は、例えば0.1μm以上2μm以下であることが好ましい。仮に、粒径が2μmよりも大きくなると、圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液32に添加した際に、隣接する圧電セラミックス粉16間の隙間が大きくなるため、後述する圧電セラミックス厚膜形成工程を経て形成される圧電セラミックス厚膜14に、圧電特性のバラツキが生じるおそれがある。また、圧電セラミックス厚膜形成工程において、圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液32を塗布しにくくなる。一方、粒径が0.1μm未満になると、圧電セラミックス粉16の製造コストが高くなるおそれがある。また、圧電セラミックス粉16の粒径は、算術平均粗さ(Ra)よりも大きいことが好ましく、凹凸15を構成する凹部15a(図2参照)内に入らない大きさであることが好ましい。
次に、圧電セラミックス薄膜形成工程を行い、基板11の主面11a上に圧電セラミックス薄膜13を形成する。具体的には、綿棒を用いて、基板11の主面11a上に、圧電セラミックス粉16を含まない圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液31を塗布する。そして、塗布した圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液31を100℃以上300℃以下で加熱することにより、圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液31を乾燥させる。なお、圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液31を塗布して乾燥させる塗布乾燥処理は、複数回(本実施形態では7回)繰り返して行われる。詳述すると、圧電セラミックス薄膜形成工程では、凹凸15を構成する凹部15a(図2参照)が埋まり、かつ、凹凸15を構成する凸部15b(図2参照)の頂部よりも高くなるように、圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液31を繰り返し塗布して乾燥させる。なお、圧電薄膜形成用ゾルゲル液31を1回塗布することによって得られる膜の厚さは、80nm(=0.08μm)程度である。また、圧電薄膜形成用ゾルゲル液31は、凸部15bの頂部よりも0.3μm以上1.0μm以下だけ高い厚さとなるように塗布されることが好ましい。その後、塗り重ねられて最大厚さが1μmとなった圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液31を、乾燥時よりも高い温度、具体的には700℃以上で焼成(加熱)することにより、圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液31が圧電セラミックス薄膜13となる。
続く圧電セラミックス厚膜形成工程では、圧電セラミックス薄膜13上に、同圧電セラミックス薄膜13よりも厚い圧電セラミックス厚膜14を形成する。具体的には、まず、圧電セラミックス薄膜13の表面13a上に、同圧電セラミックス薄膜13の一部を露出させる開口部41が形成されたステンシル40を配置する(図3参照)。次に、ステンシル40の上面にスキージ42を接触させ、その進行方向側に、圧電セラミックス粉16及びポリビニルアルコール(PVA)を含む圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液32を供給する。この状態でスキージ42を、ステンシル40の上面に沿って水平(図3に示す矢印F1方向)に移動させる。すると、スキージ42によって開口部41内に圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液32が充填され、開口部41内に露出する圧電セラミックス薄膜13上に圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液32が印刷(ステンシル印刷)される。なお、本実施形態の圧電セラミックス厚膜形成工程では、開口部41内に対する圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液32の印刷が1回のみ行われる。そして、ステンシル40を除去した後、印刷した圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液32を、乾燥時よりも高い温度、具体的には、700℃以上で焼成(加熱)する。その結果、圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液32が硬い圧電セラミックス厚膜14となり、圧電セラミックス薄膜13及び圧電セラミックス厚膜14からなる圧電セラミックス膜12が形成される(図4参照)。
その後、圧電セラミックス厚膜14の表面14a全体に対して銀ペーストを塗布することにより、圧電セラミックス膜側電極層17を形成する。続いて、圧電セラミックス膜側電極層17と基板11との間に直流電圧を印加することにより、圧電セラミックス膜12を厚さ方向に分極させる。そして、基板11に対して第1のリード線21を接続するとともに、圧電セラミックス膜側電極層17に対して第2のリード線22を接続する。なお、第1のリード線21及び第2のリード線22は、鉛フリーはんだを用いたはんだ付け等によって接続される。そして、この時点で、図1に示す超音波振動子10が完成する。
次に、超音波振動子の評価方法及びその結果を説明する。
まず、測定用サンプル(実施例、比較例1〜5)を次のように準備した。
[実施例]
まず、♯800のサンドペーパーを用いて、チタンからなる基板の主面を研磨した。次に、綿棒を用いて、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる薄膜形成用のゾルゲル液(三菱マテリアル株式会社製)を基板の主面上に塗布した。そして、この基板をホットプレート上に載置し、約300℃で加熱することにより、塗布した薄膜形成用のゾルゲル液を乾燥させた。なお、薄膜形成用のゾルゲル液を塗布して乾燥させる処理は、7回繰り返して行った。さらに、薄膜形成用のゾルゲル液が塗布された基板を電気炉内に配置して約700℃で焼成することにより、基板の主面上に圧電セラミックス薄膜を形成した。
次に、圧電セラミックス薄膜の表面上に、開口部を有する厚さ50μmのステンシルを配置した。さらに、厚膜形成用のゾルゲル液に対して、同ゾルゲル液の7倍以上8倍以下の重さの圧電セラミックス粉(以下、「PZT粉末」という)と、厚膜形成用のゾルゲル液の10%程度の重さとなるポリビニルアルコール(以下、「PVA」という)とを添加してなる混合液を生成し、生成した混合液を、ステンシルの開口部内に露出する圧電セラミックス薄膜上に印刷した。そして、ステンシルを除去した後、印刷した混合液を100℃以上200℃以下で乾燥した。その後、混合液を約700℃で焼成し、自然冷却することにより、圧電セラミックス薄膜上に圧電セラミックス厚膜を積層してなる基板を形成し、これを実施例とした。
[比較例1]
まず、実施例と同様に、基板の主面上に薄膜形成用のゾルゲル液を塗布して乾燥させる処理を7回繰り返して行った。次に、乾燥させた薄膜形成用のゾルゲル液を焼成する処理を行わずに、薄膜形成用のゾルゲル液の表面上にステンシルを配置した。さらに、実施例で用いた混合液と同様の混合液を、ステンシルの開口部内に露出する薄膜形成用のゾルゲル液上に印刷した。そして、ステンシルを除去した後、薄膜形成用のゾルゲル液と混合液とを焼成することにより、薄膜形成用のゾルゲル液からなる膜上に混合液からなる圧電セラミックス厚膜を積層してなる基板を形成し、これを比較例1とした。
[比較例2]
ここでは、基板の主面上に薄膜形成用のゾルゲル液を塗布する処理を行わずに、主面上に直接ステンシルを配置した。次に、実施例及び比較例1で用いた混合液と同様の混合液を、ステンシルの開口部内に露出する基板の主面上に印刷した。そして、ステンシルを除去した後、印刷した混合液を焼成することにより、主面上に圧電セラミックス厚膜を積層してなる基板を形成し、これを比較例2とした。
[比較例3,4]
まず、比較例2と同様に、薄膜形成用のゾルゲル液を塗らずに、基板の主面上に直接ステンシルを配置した。次に、実施例及び比較例1,2で用いた混合液と同様の混合液を、ステンシルの開口部内に露出する基板の主面上に印刷した。そして、ステンシルを除去することにより、主面上に混合液を印刷してなる基板を形成し、これを比較例3とした。また、比較例3と同じ基板を再度形成し、これを比較例4とした。即ち、比較例3,4では、混合液を焼成することなく、基板を形成した。
[比較例5]
まず、比較例2〜4と同様に、基板の主面上に直接ステンシルを配置した。次に、ゾルゲル液に対してPZT粉末を添加してなる混合液、換言すると、実施例及び比較例1〜4で用いた混合液からPVAを省略した混合液を生成した。さらに、生成した混合液を、ステンシルの開口部内に露出する基板の主面上に印刷した。そして、ステンシルを除去することにより、主面上に混合液を印刷してなる基板を形成し、これを比較例5とした。
[結論]
その結果、比較例5では、混合液が基板に付着していないことが確認された。一方、比較例3,4では、混合液が一応基板に付着するものの、付着する混合液の膜は脆いことが確認された。特に、比較例4では、混合液の膜にクラックが生じてしまうことが確認された。また、比較例2では、焼成を行うことで、比較例3,4の混合液を用いたときのような膜自体の強度の問題は生じなかったものの、それでも圧電セラミックス厚膜は基板から剥離してしまうことが確認された。さらに、比較例1では、基板の主面上に薄膜形成用のゾルゲル液を塗布して乾燥させたうえで、乾燥した薄膜形成用のゾルゲル液上に圧電セラミックス厚膜を形成しているものの、圧電セラミックス厚膜が基板から剥離してしまうことが確認された。つまり、未焼結状態の薄膜に圧電セラミックス厚膜を形成しているため、薄膜の強度は低いことが確認された。
一方、実施例では、焼結状態の薄膜に圧電セラミックス厚膜を形成しているため、薄膜の強度が高くなり、圧電セラミックス厚膜は基板から剥離しないことが確認された。従って、基板の主面上に塗布した薄膜形成用のゾルゲル液を焼成することにより圧電セラミックス薄膜を形成した後、圧電セラミックス薄膜の表面上に塗布した混合液を焼成することにより圧電セラミックス厚膜を形成する実施例を採用すれば、圧電セラミックス厚膜の剥離に起因する超音波振動子の信頼性低下を抑えられることが確認された。
次に、以下の測定用サンプルを準備した。上記実施形態の超音波振動子10と同じ超音波振動子を準備し、これをサンプルAとした。次に、測定用サンプル(サンプルA)を用いて送受信試験を行った。具体的には、まず、サンプルAを水中に入れた後、超音波振動子に対して電圧を印加し、水中において超音波振動子から所定距離だけ離れた位置にある反射板の表面に対して超音波を垂直に照射(送信)した。
そして、反射板の表面で反射した超音波を、送信から所定時間経過後に超音波振動子で受信できた場合には、超音波振動子の両端(基板及び圧電セラミックス膜側電極層)に電圧信号を生じると考えられる。そこで、超音波振動子の送信時及び受信時の電圧振幅をオシロスコープにより測定し、その結果に基づいて、超音波を超音波振動子で受信できたか否かを判定した。サンプルAの結果を図5に示す。図5は、縦軸が電圧を示し、横軸が時間を示すグラフである。
その結果、図5に示されるように、サンプルAでは、電圧を示す波形が、電圧が大きく変動する箇所を2つ有することが確認された。具体的に言うと、反射板に向けて超音波を送信したときに電圧が大きく変動し(図5のA1参照)と、反射板の表面で反射した超音波を所定時間後に受信したときにも電圧が比較的大きく変動する(図5のA2参照)ことが確認された。即ち、超音波振動子は、超音波の送受信に成功したことが確認された。また、受信した超音波の波形に対してフーリエ解析を行ったところ、受信した超音波が約30MHzをピークとする周波数成分を含んでいることが確認された。即ち、サンプルAは、数十MHzの周波数の超音波を出力可能な超音波振動子として動作することが確認された。
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態における超音波振動子10の製造方法では、圧電セラミックス厚膜形成工程において、圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液32を圧電セラミックス薄膜13上に塗布して加熱することにより、圧電セラミックス厚膜14を形成している。この圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液32は、固形分である圧電セラミックス粉16を含むことで流動性が低くなっているため、圧電セラミックス薄膜13上に塗布したとしても広がりにくい。よって、圧電セラミックス厚膜14を厚く形成しやすくなる。これに伴い、圧電セラミックス膜12の形成に必要なゾルゲル液31,32の塗布回数が減少するため、圧電セラミックス膜12を効率良く短期間で形成することができ、超音波振動子10の製造コストも低減できる。また、厚さ数百μmの圧電セラミックス厚膜14を形成可能となることで、例えば数十MHzオーダーの比較的高い周波数の超音波を出力可能な超音波振動子10を、容易に得ることができる。
(2)しかも、本実施形態では、圧電セラミックス薄膜形成工程において、圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液31を基板11の主面11a上に塗布して加熱することにより、圧電セラミックス薄膜13を形成している。この圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液31は、圧電セラミックス粉16を含まないことで流動性が高くなっているため、基板11の主面11a上に塗布した際に主面11aに追従しやすい。その結果、基板11に対する圧電セラミックス薄膜13の密着性が高くなり、圧電セラミックス薄膜13を介して圧電セラミックス厚膜14を基板11に密着させることができるため、圧電セラミックス厚膜14が基板11から剥れにくくなり、超音波振動子10の信頼性が向上する。
(3)本実施形態では、圧電セラミックス薄膜形成工程において加熱されると圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液31が収縮し、圧電セラミックス厚膜形成工程において加熱されると圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル32が収縮する。しかし、圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液32は、固体であるために殆ど収縮しない圧電セラミック粉16を含んでおり、しかも圧電セラミック粉16よりもかなり少量である。このため、圧電セラミックス厚膜形成工程において圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液32が収縮したとしても、圧電セラミックス厚膜14全体の収縮量は小さくなる。その結果、収縮時に掛かる応力が小さくなるため、応力に起因する圧電セラミックス厚膜14の強度低下を防止することができる。ゆえに、超音波振動子10の信頼性がいっそう高くなる。
[第2実施形態]
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に基づいて説明する。ここでは、前記第1実施形態と相違する部分を中心に説明する。本実施形態では、超音波振動子の構造が第1実施形態とは異なっている。
詳述すると、図6,図7に示されるように、本実施形態の超音波振動子50は、超音波流量計を構成する配管51の外周面52に取り付けられて用いられる。超音波振動子50は、音響整合層を兼ねる基板53(基材)と、基板53の主面53a上に形成される圧電セラミックス薄膜54と、圧電セラミックス薄膜54の表面54a上に形成される圧電セラミックス厚膜55とからなっている。そして、圧電セラミックス薄膜54において基板53に接合される面(裏面54b)が、超音波を照射するための音響放射面として機能する。なお、本実施形態の圧電セラミックス薄膜54及び圧電セラミックス厚膜55は、配管51の径方向から見たときの形状がそれぞれ矩形状をなしているが、円形状などの他の形状をなしていてもよい。
また、基板53は、金属材料であるチタンからなる厚さ50μmの板状物である。そして、基板53は、主面53a側が凸となる反りを有している。即ち、本実施形態では、基板53の主面53aが凸状湾曲面となっている。これに伴い、圧電セラミックス薄膜54の表面54a、及び、圧電セラミックス厚膜55の表面55aも、凸状湾曲面となっている。一方、圧電セラミックス薄膜54の裏面54b、及び、圧電セラミックス厚膜55の裏面55bは、凹状湾曲面となる。
次に、超音波振動子50の製造方法を説明する。
まず、基板53の主面53aを粗化して微細な凹凸(図2の凹凸15を参照)を形成する粗化工程を行う。具体的には、♯800のサンドペーパーを用いて、基板53の主面53aを研磨する。なお、本実施形態の基板53は、厚さ50μmであって、前記第1実施形態の基板11(厚さ1.0mm)よりもかなり薄くなっている。
続く圧電セラミックス薄膜形成工程では、まず、綿棒を用いて、チタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液(三菱マテリアル株式会社製)を基板53の主面53a上に塗布する。そして、この基板53をホットプレート上に載置し、100℃以上300℃以下で加熱することにより、塗布したゾルゲル液を乾燥させる。なお、ゾルゲル液を塗布して乾燥させる塗布乾燥処理を7回繰り返して行うことにより、ゾルゲル液が圧電セラミックス薄膜54となる。なお、圧電セラミックス薄膜形成工程における焼成時には、基板53とゾルゲル液との熱膨張差に起因する熱応力が基板53に加わるため、基板53には、主面53a側が凸となる反りが発生する。
続く圧電セラミックス厚膜形成工程では、まず、圧電セラミックス薄膜54の表面54a上に、開口部を有するステンシル(図3のステンシル40を参照)を配置する。次に、ゾルゲル液に対してPZT粉末(圧電セラミックス粉)とポリビニルアルコール(PVA)とを添加してなる圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液を生成する。さらに、生成したゾルゲル液を、ステンシルの開口部内に露出する圧電セラミックス薄膜54の表面54a上に印刷する。そして、ステンシルを除去した後、ゾルゲル液が印刷された基板53を電気炉内に配置し、印刷したゾルゲル液を約700℃で焼成する。その結果、ゾルゲル液が圧電セラミックス厚膜55となり、超音波振動子50が完成する。なお、圧電セラミックス厚膜形成工程における焼成時においても、基板53とゾルゲル液との熱膨張差に起因する熱応力が基板53に加わるため、基板53に発生した反りはさらに大きくなる。その結果、基板53の主面53aが凸状湾曲面となる。なお、基板53の反りの大きさは、焼成条件(焼成温度、焼成時間等)を変更したり、基板53の厚さを増減したり、圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液及び圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液の厚さを増減したりすることにより、適宜調整することが可能である。
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(4)本実施形態の超音波振動子50では、基板53全体が湾曲しているため、配管51の外周面52に対して、超音波振動子50を容易に取り付けることができる。また、圧電セラミックス薄膜54の裏面54bが凹状湾曲面であるため、裏面54bから基板53及び配管51を介して配管51内に照射される超音波を1箇所に収束させやすくなる。
(5)例えば、曲がった基板に対してステンシルを配置する場合には、ステンシルの配置が困難になることが予想される。一方、本実施形態の圧電セラミックス厚膜形成工程では、基板53に発生した反りが軽微なときに、圧電セラミックス薄膜54の表面54a上にステンシルを配置している。よって、ステンシルを容易に配置することができ、ステンシルの開口部内に対して圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液を容易に印刷できるため、圧電セラミックス厚膜55を効率良く形成することが可能となる。
(6)本実施形態では、圧電セラミックス薄膜形成工程及び圧電セラミック厚膜形成工程において、意図的に基板53に反りを生じさせているため、配管51への取付時に基板53を曲げる作業が不要になる。よって、基板53を曲げることに起因する、基板53の破損(割れ等)を防止することができる。
なお、上記各実施形態を以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態の圧電セラミックス薄膜形成工程では、圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液を塗布して乾燥させる塗布乾燥処理を複数回繰り返して行ったが、塗布乾燥処理を1回のみ行ってもよい。
・上記各実施形態の圧電セラミックス薄膜形成工程では、圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液を塗布して乾燥させる塗布乾燥処理を複数回繰り返した後、焼成することにより、圧電セラミックス薄膜13,54を形成していた。しかし、圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液を塗布して乾燥・焼成させる処理を複数回繰り返すことにより、圧電セラミックス薄膜13,54を形成するようにしてもよい。
・上記各実施形態の圧電セラミックス薄膜形成工程では、綿棒等の塗布具を用いて、基板11,53の主面11a,53a上に圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液を塗布していた。しかし、スピンコート、スプレーコート、カーテンコート、ローラーコートなどの他の方法により、圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液を塗布してもよい。
・上記各実施形態の圧電セラミックス厚膜形成工程では、ステンシルの開口部に対して圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液の印刷を1回のみ行うことにより、圧電セラミックス厚膜14,55を形成していたが、圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液の印刷を複数回行うことにより、圧電セラミックス厚膜14,55を形成してもよい。
・上記各実施形態の圧電セラミックス厚膜形成工程では、ステンシルを用いた印刷(ステンシル印刷)により、圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液を圧電セラミックス薄膜13,54上に印刷していた。しかし、スクリーン印刷やMOD法(Metal Organic Decomposition )等により、圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液を印刷してもよいし、3Dプリンタやインクジェットプリンタを用いて圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液を印刷してもよい。
・上記各実施形態の基材は、板状をなす基板11,53であったが、棒状または管状をなす基材であってもよい。さらに、基材が棒状または管状をなす場合、基材の主面(外周面)にて開口する凹部を設け、凹部の底面上に圧電セラミックス薄膜を形成してもよい。このようにした場合、圧電セラミックス薄膜の表面の高さを基材の主面の高さに合わせることができるため、外観品質の良い超音波振動子を得ることができる。
・上記実施形態の圧電セラミックス粉16は粒子状の粉体であったが、圧電セラミック粉は短い繊維からなる粉体であってもよい。
・上記第1実施形態の超音波振動子10は、水中の音を検出するハイドロホンに用いられ、上記第2実施形態の超音波振動子50は、流体の流量を計測する超音波流量計に用いられていた。しかし、超音波振動子を、空気中で距離を計測する空中センサ、液体中を伝搬する超音波の減衰率を測定し、その減衰率に基づいて気泡の有無を判定する気泡検知センサ、AE波を検出して音波診断を行うAEセンサ、水中に存在する魚群などの被探知物を探知するソナー、水の深さを計測する測深機などに用いてもよい。また、上記の用途以外に、エンジンのノッキングセンサ、アクチュエータなどに超音波振動子を用いてもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)請求項1乃至6のいずれか1項において、前記圧電セラミックス薄膜形成工程では、前記圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液を塗布して加熱する処理を複数回行うことを特徴とする超音波振動子の製造方法。
(2)請求項6において、前記圧電セラミックス薄膜形成工程では、前記圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液を複数回塗布することにより、前記凹部を埋めることを特徴とする超音波振動子の製造方法。
(3)請求項4において、前記圧電セラミックス厚膜形成工程では、前記ステンシルの前記開口部に対して、前記圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液の印刷を1回のみ行うことを特徴とする超音波振動子の製造方法。
(4)請求項1乃至6のいずれか1項において、前記圧電セラミックス粉の重さは、前記圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液の重さの5倍以上15倍以下であることを特徴とする超音波振動子の製造方法。
(5)請求項1乃至6のいずれか1項において、前記圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液は有機バインダを含むことを特徴とする超音波振動子の製造方法。
(6)請求項1乃至6のいずれか1項において、前記圧電セラミックス薄膜形成工程において、前記圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液を加熱するとともに、前記圧電セラミックス厚膜形成工程において、前記圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液を加熱することにより、前記主面側が凸となるように前記基材を反らせることを特徴とする超音波振動子の製造方法。
(7)請求項7乃至9のいずれか1項において、前記基材はチタンからなることを特徴とする超音波振動子。
(8)請求項7乃至9のいずれか1項において、前記基材は音響整合層を兼ねることを特徴とする超音波振動子。
10,50…超音波振動子
11,53…基材としての基板
11a,53a…基材の主面
13,54…圧電セラミックス薄膜
14,55…圧電セラミックス厚膜
15…凹凸
15a…凹部
16…圧電セラミックス粉
31…圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液
32…圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液
40…ステンシル
41…開口部

Claims (9)

  1. 金属材料からなる基材の主面上に、圧電セラミックス粉を含まない圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液を塗布して加熱することにより、圧電セラミックス薄膜を形成する圧電セラミックス薄膜形成工程と、
    前記圧電セラミックス薄膜上に、圧電セラミックス粉を含む圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液を塗布して加熱することにより、前記圧電セラミックス薄膜よりも厚い圧電セラミックス厚膜を形成する圧電セラミックス厚膜形成工程と
    を含むことを特徴とする超音波振動子の製造方法。
  2. 前記圧電セラミックス粉は、前記圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液と同種の金属酸化物を含むことを特徴とする請求項1に記載の超音波振動子の製造方法。
  3. 前記圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液、前記圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液及び前記圧電セラミックス粉は、チタン酸ジルコン酸鉛からなることを特徴とする請求項2に記載の超音波振動子の製造方法。
  4. 前記圧電セラミックス厚膜形成工程では、前記圧電セラミックス薄膜上に、同圧電セラミックス薄膜の一部を露出させる開口部が形成されたステンシルを配置した後、前記ステンシルの前記開口部に対して前記圧電セラミックス厚膜形成用ゾルゲル液を印刷することにより、前記圧電セラミックス厚膜を形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の超音波振動子の製造方法。
  5. 前記圧電セラミックス薄膜形成工程前に、前記基材の主面を粗化して微細な凹凸を形成する粗化工程を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の超音波振動子の製造方法。
  6. 前記圧電セラミックス薄膜形成工程では、少なくとも前記凹凸を構成する凹部を埋める程度の厚さとなるように、前記圧電セラミックス薄膜形成用ゾルゲル液を塗布することを特徴とする請求項5に記載の超音波振動子の製造方法。
  7. 金属材料からなる基材と、
    前記基材の主面上に形成され、圧電セラミックス粉を含まない圧電セラミックス薄膜と、
    前記圧電セラミックス薄膜上に形成され、圧電セラミックス粉を含み、前記圧電セラミックス薄膜よりも厚い圧電セラミックス厚膜と
    を備えることを特徴とする超音波振動子。
  8. 前記基材の前記主面は、微細な凹凸を有する粗面となっていることを特徴とする請求項7に記載の超音波振動子。
  9. 前記基材の前記主面は、凸状湾曲面であることを特徴とする請求項7または8に記載の超音波振動子。
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