JP2003264139A - ステンシルマスク及びそのパターン転写方法 - Google Patents
ステンシルマスク及びそのパターン転写方法Info
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Abstract
比べパターン転写時の異物の付着の影響が少なく、より
長寿命のステンシルマスクを提供と、精度の良いパター
ン転写方法を提供。 【解決手段】基体と、この基体の片側に、基体より支持
されたマスク母体を具備し、該マスク母体に開口部を形
成してなる転写マスクであり、前記基体側からマスク母
体側へ荷電粒子線が透過する前記マスク母体の開口部
に、テーパー角が90°より小さい透過孔パターンを有
し、該透過孔パターンのテーパー角が、87°〜90°
であり、前記マスク母体の厚みが、0.1〜2μmであ
るステンシルマスク。
Description
ームなどの荷電粒子線露光に用いられるステンシルマス
ク及びパターン転写方法に関する。
でいる。そのような微細パターンを有する素子の製造技
術として、様々な露光技術が開発されてきた。例えば、
電子線部分一括露光や電子線ステッパー露光のような電
子線を用いる露光法、イオンを用いる露光法、真空紫外
域の光を用いる露光法、極紫外域の光を用いる露光法等
がある。
て、電子線を用いて等倍露光を行う方法が、特許第29
51947号公報において提案されている。この方法
は、従来の電子線を用いる露光法に比べ、加速電圧が2
0分の1程度であるという特徴を有する。
るマスクと、パターンを転写されるレジストを塗ったウ
ェハとの距離が約50μmという特徴がある。
ハとが近接している場合は、ウェハから生じる異物が付
着することによってマスクが汚れやすく、その結果マス
クの寿命が著しく短くなってしまうという問題点があ
る。
ン転写において、マスクに付着する異物は主にレジスト
由来のものだということが知られている。パターンを転
写されるウェハ上のレジストに電子線があたると一部の
分子がスパッタされ、あるいは熱的に蒸発し、極微粒子
となって、真空雰囲気中のチャンバー内に飛散する。こ
の前記極微粒子が特定の場所、例えばマスクの開口部等
に付着することによって、マスクの汚染が起こる。我々
はマスクの電子線が照射される部分に異物がより多く付
着することを突き止めた。
ク母体側へ荷電粒子線を透過させ、該透過孔パターンの
開口で荷電粒子線の光束を形成して、ウエハ上のレジス
トに転写するものであり、前記開口は設計値に対して精
度良く形成されていなければならない。上記転写時は、
電子線が照射される方向、すなわち、電子線が入射する
側のマスク母体の表面、及び透過孔パターンの開口の側
壁(テーパー面)に電子線が直接に照射されるため、チ
ャージアップや、テーパー面での反射のために、転写時
間の累積と共に前記開口の寸法精度や、形状に変化が起
きて、転写パターンの精度が維持できないことによる問
題も発生している。
いて等倍露光を行う場合に、従来と比べパターン転写時
の異物の付着の影響が少なく、より長寿命のステンシル
マスクを提供と、又転写精度の良い転写方法を提供する
ことを課題とする。
係る発明は、開口部を設けた基体と、この基体の片側
に、基体より支持されたマスク母体を具備し、該マスク
母体に開口部を形成してなる転写マスクであって、前記
基体側からマスク母体側へ荷電粒子線が透過する前記マ
スク母体の開口部に、テーパー角が90°より小さい透
過孔パターンを有することを特徴とするステンシルマス
クである。
透過孔パターンのテーパー角が、87°〜90°である
ことを特徴とする請求項1記載のステンシルマスクであ
る。
マスク母体の厚みが、0.1〜2μmであることを特徴
とする請求項1、又は請求項2記載のステンシルマス
ク。である。
工層を表面に形成した基板上の全面に、レジスト層を設
けた後、マスクを介して荷電粒子線を照射し、該レジス
ト層にパターンを転写する方法において、請求項1、乃
至請求項3のいずれか1項記載のステンシルマスクを介
して、荷電粒子線を照射し、レジスト層にパターンを転
写することを特徴とするパターン転写方法である。
着の影響が小さいマスクであり、ウェハ側の透過孔パタ
ーン3の開口が設計値よりも大きくなっており、電子線
が入射する側において設計値通りの開口10になってい
る。これより、図1に示すように、転写されるパターン
は電子線が入射する側の開口10によって規定され、透
過孔パターン3の開口に異物9が付着してもパターン転
写に対する影響は小さい。
は、より異物の付着の影響が大きいマスクであり、ウェ
ハ側の透過孔パターン3の開口が設計値通りの開口10
なっており、電子線が入射する側において設計値よりも
大きくなっている。これより図4に示すように、転写さ
れる電子線の光束はウェハ側の開口10によって規定さ
れ、透過孔パターン3の開口に異物が付着するとパター
ン転写に対する影響は大きく、異物9が付着することに
より電子線の光束を規定する部分の開口10が容易に狭
まってしまう。
一態様に係るステンシルマスクについて説明する。
マスクを示す断面図である。図2において、ステンシル
マスク1は、枠型基体2上に、90°より小さいテーパ
ー角の所定の透過孔パターン3を有するマスク母体4を
形成することにより構成されている。
iC、Ge、GaAsなどの化合物半導体を含む半導
体、Au、Cu等の合金を含む金属、石英等の絶縁体の
いずれでも構わないが、好ましくは堅牢で熱膨張による
マスクの変形を抑えるために熱膨張係数の小さなものが
良い。
SiC、酸化珪素、窒化珪素、Cr、Ta、W、Auな
どが挙げられるがこの限りではない。
パー角を有する。透過孔パターン3のテーパー角は、ド
ライエッチングの条件や、透過孔パターンの開口サイズ
に依存するため、所望のパターンの開口サイズにおいて
90°より小さなテーパー角になるようなドライエッチ
ングの条件をあらかじめ知っておく必要がある。具体的
には、ドライエッチング時の基板温度、使用ガス、ガス
圧力、高周波印加出力等の条件を変えることにより所望
のテーパー角を実現できる。
らマスク母体側へ電子線を透過させ、該透過孔パターン
の開口で電子線の光束を形成して、ウエハ上のレジスト
に転写するもので、前記開口は設計値に対して精度良く
形成されていなければならない。上記転写時は、電子線
が照射される方向、すなわち、電子線が入射する側のマ
スク母体の表面、及び透過孔パターンの開口の側壁(テ
ーパー面)に電子線が照射されるため、前記テーパー面
のチャージアップや、反射を防止するために、前記テー
パー角を90°より小さい角度で形成した。
より小さい角度では、形成する透過孔パターンを微細化
する場合に、例えば透過孔パターンの寸法幅が100n
mレベルでは、密集して形成した場合隣り合う透過孔パ
ターンが干渉する問題がある。又別の問題として、テー
パー角が87°より小さい角度では、形成する透過孔パ
ターンの開口の寸法精度が不安定となり、基板温度、使
用ガス、ガス圧力、高周波印加出力等の条件維持が困難
となる場合がある。本発明では透過孔パターンのテーパ
ー角が87°〜90°の範囲に制限した。
は、透過孔パターンの加工精度が悪くなる上、微細パタ
ーンを密集して形成した場合隣り合う透過孔パターンが
干渉する恐れがある。逆に、前記膜厚が0.1μm以下
の場合は、十分に電子線を遮蔽することができなくなる
上、機械的強度が弱くなるという問題もある。本発明で
はマスク母体4の膜厚が2μm〜0.1μmの範囲に制
限した。
全面に、レジスト層を設けた後、マスクを介して荷電粒
子線を照射し、前記レジスト層の表面に、本発明のステ
ンシルマスクを介して、荷電粒子線を照射し、レジスト
層にパターンを転写するパターン転写方法である。前記
パターン転写方法は前述の等倍露光方式に準じて行う方
法が一般的に採用されている。
する。尚、本発明は後述する実施例に何ら限定されるも
のではない。
施例におけるステンシルマスクの作製手順を示す。
(Silicon On Insurator)基板5を用いた。SOI基板
5は一般的に、単結晶シリコンからなる支持基板6上に
順に、酸化珪素からなる中間酸化膜層7、単結晶シリコ
ンからなる活性層8を積層した構造になっている。本実
施例では、活性層8をマスク母体として、支持基板6を
基体として用いた。尚、本実施例で用いたSOI基板5
において、支持基板6、中間酸化膜層7、活性層8の厚
みはそれぞれ順に、525μm、0.5μm、0.5μ
mであった(図3(a))。
l Vapor Deposition)装置を用いて、SOI基板5全面
にシリコン窒化膜からなる保護膜(図示せず)を形成し
た後、レジストをマスクとして、プラズマエッチング装
置を用い、エッチャントとしてCF4を用い、シリコン
窒化膜をドライエッチングして、支持基板6上に開口部
形成領域上の保護膜を開口除去した。
のエッチング液に浸漬し、保護膜をマスクとして、前記
開口部形成領域をエッチングすることにより支持基板6
に開口部を形成し、基体2が出来上がった。次に、前記
SOI基板5全面にシリコン窒化膜からなる保護膜を約
170℃の熱リン酸でエッチング除去した。その後、前
記枠型基体2の開口部をマスクとして、緩衝フッ酸のエ
ッチング液に浸漬し、不必要な部分の中間酸化膜層7を
除去した(図3−(b))。
0.5μmの厚さに塗布し、これに加速電圧50kVの
電子線描画機を用いて描画し、その後現像を行いレジス
トパターン(図示せず)を形成した。
て、プラズマエッチング装置を用い、エッチャントとし
てSiCl4/N2混合ガスを用いて、活性層8をドラ
イエッチングして透過孔パターン3の開口を形成した。
レジストをアッシング除去して、次に、基体2によって
支持されたマスク母体4に透過孔パターン3の開口を形
成してなる転写マスク1を得た(図3−(c))。
テーパー角を調べたところ、いずれの開口部も88.0
°から89.5°の範囲にあることが確認できた。
法で得られたマスク(以下マスクAとする)、及び従来
の90°以上のテーパー角を有するマスク(以下マスク
Bとする)を用いて、幅100nmのパターンを転写す
る実験を行った。マスクA、及びマスクBの幅100n
mの開口におけるテーパー角はそれぞれ、88.3°、
90.5°であった。
付着し、徐々にマスクの透過孔パターン3の開口が狭ま
る。これにより、転写されるレジストパターンの寸法が
徐々に設計値より小さくなる。
返し転写を行い、転写されたレジストパターンの幅が9
5nm以下になった時点での積算照射時間を比較したと
ころ、マスクAの方がマスクBよりも10倍以上長かっ
た。これより、マスクAがマスクBに比べより長寿命で
あることが確認できた。
によれば、従来と比べ、パターン転写時の異物の付着の
影響が少なく、より長寿命のステンシルマスクを提供で
きる。更に、本発明のパターン転写方法によると、基板
上に形成されたレジストに対し、精度良くパターン転写
が可能となり、更に長寿命のステンシルマスクため、電
子線の照射が長期間可能となり、その結果、高能率で、
高歩留の半導体の製造が可能となった。
響を説明する側断面図。
側断面図。
ンシルマスクの製造プロセスを示す側断面図。
を説明する側断面図。
Claims (4)
- 【請求項1】開口部を設けた基体と、この基体の片側
に、基体より支持されたマスク母体を具備し、該マスク
母体に開口部を形成してなる転写マスクであって、前記
基体側からマスク母体側へ荷電粒子線が透過する前記マ
スク母体の開口部に、テーパー角が90°より小さい透
過孔パターンを有することを特徴とするステンシルマス
ク。 - 【請求項2】前記透過孔パターンのテーパー角が、87
°〜90°であることを特徴とする請求項1記載のステ
ンシルマスク。 - 【請求項3】前記マスク母体の厚みが、0.1〜2μm
であることを特徴とする請求項1、又は請求項2記載の
ステンシルマスク。 - 【請求項4】被加工層を表面に形成した基板上の全面
に、レジスト層を設けた後、マスクを介して荷電粒子線
を照射し、該レジスト層にパターンを転写する方法にお
いて、請求項1、乃至請求項3のいずれか1項記載のス
テンシルマスクを介して、荷電粒子線を照射し、レジス
ト層にパターンを転写することを特徴とするパターン転
写方法。
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