JP2003263168A

JP2003263168A - コンピュータ用キーボードを楽器用鍵盤として使用する装置、方法、及びプログラムを記録した媒体

Info

Publication number: JP2003263168A
Application number: JP2003025430A
Authority: JP
Inventors: Masaki Hara; 正樹原
Original assignee: Yamaha Corp
Current assignee: Yamaha Corp
Priority date: 2003-02-03
Filing date: 2003-02-03
Publication date: 2003-09-19

Abstract

(57)【要約】【課題】コンピュータ用キーボードを楽器用鍵盤とし
て使用するための技術を提供することを課題とする。【解決手段】コンピュータ用キーボードを楽器用鍵盤
として使用する装置は、テンキーを含む複数のキーを有
し、該キーの操作に応じてキー情報を生成するコンピュ
ータ用キーボードと、前記テンキーが操作されると該操
作されたキーに応じた数字をＭＩＤＩデータ中のパラメ
ータとして指定する数字指定手段と、前記コンピュータ
用キーボード上のキーが操作されると前記キー情報に応
じたＭＩＤＩデータを生成するとともに、前記指定され
たパラメータを含むＭＩＤＩデータを生成するＭＩＤＩ
データ生成手段とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータの入
力装置としてのキーボードに関し、特にコンピュータ用
キーボードを楽器用鍵盤として使用するための技術に関
する。

【０００２】

【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータ（以下、
パソコンという）の普及が著しい。パソコンは、入力装
置としてのキーボードやマウス、及び出力装置としてデ
ィスプレイ装置を有する。このキーボードは、文字や記
号等を入力するものとして用いられる。

【０００３】一方、パソコンは、音楽の分野にも用いら
れている。シーケンサ用のソフトウエア（以下、ソフト
という）をパソコンに組み込めば、パソコンをシーケン
サとして機能させることができる。その場合、ユーザ
は、キーボードやマウスを用いて、音符記号等の演奏情
報を入力し、パソコンのハードディスク等にその演奏情
報を記憶させることができる。具体的には、ユーザは、
音符の音高や音長を入力していた。この時のキーボード
は、記号や数字等を入力するための装置として用いら
れ、楽器用鍵盤として用いられるものではなかった。楽
器用鍵盤は、例えば６４鍵を有し、ある鍵を押鍵するこ
とにより、その鍵に対応する音高の音が発音される。

【０００４】パソコンをシーケンサとして用いれば、ユ
ーザは演奏情報を生成し、その演奏情報をパソコンに記
憶させることができる。パソコンに音源ボードを装着す
れば、その演奏情報を発音させることができる。すなわ
ち、シーケンサとしてのパソコンに演奏情報の再生を指
示すれば、ハードディスク等に記憶されている演奏情報
が音源ボードに供給される。音源ボードは、演奏情報を
受けて、演奏情報に応じた発音を行う。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】コンピュータ用キーボ
ードは、記号や数字等を入力するものとして用いられ
る。ユーザは、楽器用鍵盤ではリアルタイムの演奏を行
うことができても、コンピュータ用キーボードを操作し
てリアルタイムで演奏を行うことは極めて困難である。
コンピュータ用キーボードを用いて演奏情報を入力する
場合は、操作が煩雑であり、操作に多大な時間がかか
る。ユーザは、楽器用鍵盤と同じように、コンピュータ
用キーボードで演奏操作を行うことは困難である。

【０００６】また、ユーザが作曲するために、パソコン
を使用することがある。しかし、楽器用鍵盤を用いて作
曲を行う場合に比べ、創作能力が十分に発揮できない。
すなわち、ユーザは、コンピュータ用キーボードやマウ
スを用いて演奏情報を入力する場合、操作が煩雑であ
り、時間がかかるため、思いつくままに、演奏情報を入
力するのが困難であり、創作に支障をきたす。

【０００７】ＭＩＤＩ対応の電子鍵盤楽器（以下、ＭＩ
ＤＩ楽器という）は、パソコンに接続することができ
る。ＭＩＤＩは、電子楽器同士を相互に接続するための
共通インタフェース規格である。パソコンをシーケンサ
として機能させれば、ＭＩＤＩ楽器から演奏情報（ＭＩ
ＤＩデータ）を受けて、その演奏情報をハードディスク
等に記憶させることができる。しかし、ＭＩＤＩ楽器を
パソコンに接続することは、一般のユーザにとって容易
なことではない。そこで、本発明者は、コンピュータ用
キーボードを楽器用鍵盤として使用することを提案す
る。

【０００８】本発明の目的は、コンピュータ用キーボー
ドを楽器用鍵盤として使用するための技術を提供するこ
とである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の一観点によれ
ば、コンピュータ用キーボードを楽器用鍵盤として使用
する装置は、テンキーを含む複数のキーを有し、該キー
の操作に応じてキー情報を生成するコンピュータ用キー
ボードと、前記テンキーが操作されると該操作されたキ
ーに応じた数字をＭＩＤＩデータ中のパラメータとして
指定する数字指定手段と、前記コンピュータ用キーボー
ド上のキーが操作されると前記キー情報に応じたＭＩＤ
Ｉデータを生成するとともに、前記指定されたパラメー
タを含むＭＩＤＩデータを生成するＭＩＤＩデータ生成
手段とを有する。

【００１０】また、本発明の他の観点によれば、コンピ
ュータ用キーボードを楽器用鍵盤として使用する装置
は、複数のキーを含み、該キーの操作に応じてキー情報
を生成するコンピュータ用キーボードと、前記コンピュ
ータ用キーボード上のキーに所定の機能を割り当てるこ
とができる機能割り当て手段と、前記コンピュータ用キ
ーボード上のキーが操作されると前記キー情報に応じた
ＭＩＤＩデータを生成するとともに、前記機能割り当て
手段が割り当てたキーが操作されると、それに対応する
機能のＭＩＤＩデータを生成するＭＩＤＩデータ生成手
段とを有する。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１（Ａ）は、パソコン４の外観
図である。パソコン４は、本体２とキーボード３とディ
スプレイ装置１を有する。キーボード３は、コンピュー
タ用キーボードとして機能させるだけではなく、楽器用
鍵盤として機能させることもできる。ユーザは、ＭＩＤ
Ｉ鍵盤機能をオフさせれば、図１（Ｂ）に示すように、
コンピュータ用キーボードとして使用することができ、
ＭＩＤＩ鍵盤機能をオンさせれば、図１（Ｃ）に示すよ
うに、楽器用鍵盤として機能させることができる。

【００１２】図１（Ｂ）は、ＭＩＤＩ鍵盤機能をオフさ
せ、キーボード３をコンピューキーボードとして使用す
る場合のキーボードのキー配置を示す。

【００１３】キーボード３は、アルファニューメリック
キー（アルファベットキー及び数字キー）６１、ファン
クションキー５１、カーソル移動キー５２、５３、５
４、５５、テンキー５６、シフト（Ｓｈｉｆｔ）キー５
７、コントロール（Ｃｔｒｌ）キー５８、オルタネート
（Ａｌｔ）キー５９、エンタ（Ｅｎｔｅｒ）キー６０、
スペース（Ｓｐａｃｅ）バー６１を有する。テンキー５
６は、０〜９の１０個の数字キー、〔＋〕キー及び
〔−〕キーを含む。

【００１４】コンピュータ用キーボード３は、例えばＪ
ＩＳ配列キーボードであり、公知のパソコン用キーボー
ドとして用いられる。例えば、パソコンをワープロとし
て使用する場合には、キーボードから文字、記号、数字
等を入力することができる。

【００１５】図１（Ｃ）は、ＭＩＤＩ鍵盤機能をオンさ
せ、キーボード３を楽器用鍵盤として使用する場合のキ
ーボードのキー配置を示す。

【００１６】キーボード３は、白鍵用キー７１ｗ、黒鍵
用キー７１ｂ、及びその他の演奏操作子として機能する
キー５２、５３、５４、５５、５７を有する。キー５７
は、所望の音高を１オクターブ上げるためのキーであ
る。例えば、キー５７を押しながら音高Ｃ４のキーを押
せば、音高Ｃ５の音が発音される。

【００１７】キー５２は、音域を１オクターブ上げるた
めのキーであり、キー５３は、音域を１オクターブ下げ
るためのキーである。キー５５は、ベロシティ（音量）
を大きくするためのキーであり、キー５４は、ベロシテ
ィ（音量）を小さくするためのキーである。

【００１８】ユーザは、〔Ｃｔｌ〕キー５８と〔Ａｌ
ｔ〕キー５９と〔↑〕キー５２を同時期に押すことによ
り、上記のＭＩＤＩ鍵盤機能をオンさせ、図２（Ａ）に
示すパレット８０をディスプレイ装置１に表示させるこ
とができる。

【００１９】パレット８０は、モード表示エリア８１、
チャンネル表示エリア８２、オクターブ表示エリア８
３、ベロシティ表示エリア８４を有する。

【００２０】モード表示エリア８１は、鍵盤の種類を示
し、例えば１段鍵盤又は２段鍵盤のいずれであるのかを
示す。

【００２１】チャンネル表示エリア８２は、送信（出
力）用ＭＩＤＩチャンネル番号を示す。例えば、送信用
ＭＩＤＩチャンネルは、第１チャンネルである。ユーザ
が白鍵用キー７１ｗを押すと、そのキーに対応するノー
トオンイベントがこのＭＩＤＩチャンネルを介して出力
される。

【００２２】オクターブ表示エリア８３は、音域のシフ
ト量をオクターブ単位で表示する。例えば、オクターブ
が０であれば、図１（Ｃ）に示す白鍵用キー７１ｗ及び
黒鍵用キー７１ｂは、音高Ｃ３〜Ｇ４の音域に設定され
る。オクターブが１であれば、それよりも１オクターブ
高い音高Ｃ４〜Ｇ５の音域に設定される。

【００２３】ベロシティ表示エリア８４は、ノートオン
イベント中のベロシティの値を示す。ユーザが鍵盤用キ
ー７１ｗ，７１ｂを押すと、ノートオンイベントが生成
される。そのノートオンイベント中のベロシティの値が
このベロシティ値に設定される。ベロシティは、通常、
音量情報として用いられる。

【００２４】図２（Ｂ）は、プログラムチェンジ（ＭＩ
ＤＩデータ）及びバンクセレクト（ＭＩＤＩデータ）の
設定内容を表示するパレット８０である。

【００２５】ユーザは、〔Ｓｈｉｆｔ〕キー５７及び
〔→〕キー５５（図１（Ｂ））を同時期に押すことによ
り、プログラムチェンジ及びバンクセレクト用パレット
８０を表示させることができる。パレット８０は、モー
ド表示エリア８１、チャンネル表示エリア８２の他、バ
ンク番号設定エリア８５及びプログラム番号設定エリア
８６を有する。

【００２６】ユーザは、バンク番号設定エリア８５にバ
ンク番号を設定し、プログラム番号設定エリア８６にプ
ログラム番号を設定することができる。その際、ユーザ
は、テンキー５６（図１（Ｂ））内の数字キーを用いて
バンク番号又はプログラム番号を入力することができ、
また、テンキー５６内の〔＋〕キー又は〔−〕キーを用
いてバンク番号又はプログラム番号を増減することがで
きる。

【００２７】バンク番号及びプログラム番号を設定した
後、〔Ｅｎｔｅｒ〕キー６０（図１（Ｂ））を押すと、
プログラムチェンジメッセージ（ＭＩＤＩデータ）及び
バンクセレクトメッセージ（ＭＩＤＩデータ）が生成及
び送出される。

【００２８】プログラムチェンジメッセージは、プログ
ラム番号を含み、プログラム番号を設定するためのもの
である。バンクセレクトメッセージは、バンク番号を含
み、バンク番号を設定するためのものである。

【００２９】音色は、通常、プログラム番号とバンク番
号の組み合わせにより決まる。プログラム番号は、０か
ら１２７まであり、１２８種類の音色に相当する。バン
ク番号毎に、異なる１２８種類の音色（１２８音色）が
存在する。つまり、バンク数×１２８の音色が存在す
る。

【００３０】バンク番号は、ＭＳＢ（最上位バイト）と
ＬＳＢ（最下位バイト）の２バイトにより指定される。
ユーザは、バンクセレクトの際、ＭＳＢ又はＬＳＢのい
ずれのバンク番号を設定するのかを指定することができ
る。その設定は、後に示す一般設定ダイアログ（図３）
にて行うことができる。

【００３１】図２（Ｃ）は、コントロールチェンジ（Ｍ
ＩＤＩデータ）を表示するためのパレット８０である。

【００３２】ユーザは、〔Ｓｈｉｆｔ〕キー５７及び
〔←〕キー５４（図１（Ｂ））を同時期に押すことによ
り、コントロールチェンジ用パレット８０を表示させる
ことができる。パレット８０は、モード表示エリア８
１、チャンネル表示エリア８２の他、コントロール番号
設定エリア８７及びコントロールデータ設定エリア８８
を有する。

【００３３】ユーザは、コントロール番号設定エリア８
７にコントロール番号を設定し、コントロールデータ設
定エリア８８にコントロールデータを設定することがで
きる。その際、ユーザは、テンキー５６（図１（Ｂ））
内の数字キーを用いてコントロール番号又はコントロー
ルデータを入力することができ、また、テンキー５６内
の〔＋〕キー又は〔−〕キーを用いてコントロール番号
又はコントロールデータを増減することができる。

【００３４】コントロール番号及びコントロールデータ
を設定した後、Ｅｎｔｅｒキー６０（図１（Ｂ））を押
すと、コントロールチェンジメッセージ（ＭＩＤＩデー
タ）が生成及び送出される。

【００３５】コントロールチェンジメッセージは、上記
のコントロール番号及びコントロールデータを含む。コ
ントロール番号は、例えば１がモジュレーションホイー
ル、２がブレスコントローラ、３がアフタタッチ、４が
フットコントローラである。コントロールデータは、０
から１２７までの値をとる。コントロールチェンジメッ
セージは、種々の演奏操作子（コントローラ）の操作情
報を送ることができる。楽音パラメータ（例えば音量や
音高）は、そのコントロールチェンジメッセージに応じ
て変化することになる。

【００３６】次に、ＭＩＤＩ鍵盤機能がオンされたとき
のキーボードの機能を、図１（Ｂ）を参照しながら説明
する。なお、以下、〔キー１＋キー２〕の記載は、キー
１とキー２の２つのキーを同時期に押すことを意味す
る。

【００３７】（１）〔ノートキー〕ノートキーは、図１（Ｃ）の白鍵用キー７１ｗ及び黒鍵
用キー７１ｂであり、楽器用鍵盤の白鍵及び黒鍵に対応
する。ノートキー７１ｗ，７１ｂを押すと、そのキーに
対応する音高の音を発音させるためのＭＩＤＩデータが
生成される。

【００３８】（２）〔Ｓｈｉｆｔ＋ノートキー〕〔Ｓｈｉｆｔ〕キー５７とノートキー７１ｗ又は７１ｂ
を同時期に押すことにより、当該ノートキーに対応する
音高の音を１オクターブ上げて発音させることができ
る。その後、〔Ｓｈｉｆｔ〕キー５７を離して、ノート
キー７１ｗ，７１ｂのみを押せば、当該ノートキーに対
応する音高の音に戻る。

【００３９】（３）〔↑〕〔↑〕キー５２を押すと、音域を１オクターブ上げるこ
とができる。例えば、図１（Ｃ）では、音域が音高Ｃ３
〜Ｇ４に設定されているが、〔↑〕キー５２を押せば、
音域を音高Ｃ４〜Ｇ５に変えることができる。再び
〔↑〕キー５２を押せば、さらに音域を１オクターブ上
げることができる。

【００４０】（４）〔↓〕〔↑〕キー５２とは逆に、〔↓〕キー５３を押すと、音
域を１オクターブ下げることができる。

【００４１】（５）〔↑＋↓〕〔↑〕キー５２と〔↓〕キー５３を同時期に押すと、音
域をデフォルトのオクターブ値（例えば０）にリセット
することができる。デフォルトの音域は、例えば音高Ｃ
３〜Ｇ４である。

【００４２】（６）〔→〕〔→〕キー５５を押すと、ベロシティ値を増加させるこ
とができる。ＭＩＤＩ規格において、ノートオンイベン
トは、パラメータとしてベロシティ値を有する。このベ
ロシティ値を増加させることができる。ベロシティ値
は、通常、音量を意味する。

【００４３】（７）〔←〕〔→〕キー５５とは逆に、〔←〕キー５４を押すと、ベ
ロシティ値を減少させることができる。

【００４４】（８）〔←＋→〕〔←〕キー５４と〔→〕キー５５を同時期に押すと、ベ
ロシティ値をデフォルト値にリセットすることができ
る。デフォルト値は、例えば６４である。

【００４５】（９）〔Ｃｔｒｌ〕〔Ｃｔｒｌ〕キー５８は、ピッチベンドホイールに相当
し、Ｃｔｒｌキー５８を押すと、発音中の音高を時間変
化させることができる。ピッチベンドの範囲、時間、変
化カーブは、後に示す一般設定ダイアログ（図３）にて
設定することができる。なお、〔Ｃｔｒｌ〕キーが押さ
れたときにはピッチをアップさせ、〔Ｓｈｉｆｔ〕キー
及び〔Ｃｔｒｌ〕キーが押されたときにはピッチをダウ
ンさせるようにしてもよい。

【００４６】（１０）〔Ａｌｔ〕〔Ａｌｔ〕キー５９は、モジュレーションホイールに相
当し、〔Ａｌｔ〕キー５９を押すと、所定周期で音高又
は音量を変化させることできる。モジュレーションの深
さは、後に示す一般設定ダイアログ（図３）にて設定す
ることができる。

【００４７】（１１）〔Ｓｐａｃｅ〕〔Ｓｐａｃｅ〕バー６１は、ダンパペダルに相当し、
〔Ｓｐａｃｅ〕バー６１を押すと、例えばダンパが弦か
ら離れ、弦振動を持続させる音を実現することができ
る。

【００４８】（１２）〔Ｆ１〕ファンクションキー５１内の〔Ｆ１〕キーを押すと、自
動演奏がスタートする。ユーザは、伴奏音を自動演奏さ
せ、ノートキー７１ｗ，７１ｂを操作することによりメ
ロディパートを演奏することができる。

【００４９】（１３）〔Ｆ２〕ファンクションキー５１内の〔Ｆ２〕キーを押すと、自
動演奏がストップする。

【００５０】（１４）〔Ｆ３〕ファンクションキー５１内の〔Ｆ３〕キーを押すと、自
動演奏がコンティニュする。すなわち、Ｆ２キーにより
ストップさせた位置から、再びスタートさせることがで
きる。

【００５１】（１５）〔Ｆ４〕ファンクションキー５１内の〔Ｆ４〕キーを押すと、発
音中の音を全てノートオフ（消音）することができる。

【００５２】（１６）〔Ｆ５〕ファンクションキー５１内の〔Ｆ５〕キーを押すと、Ｘ
Ｇシステムオン（ＸＧｏｎ）を送出することができる。
ＸＧシステムオンを送出すると、音源装置は、所定の標
準設定値にリセットされる。ＸＧシステムオンは、ＭＩ
ＤＩ規格の下位規格であるＸＧ規格で決められているＭ
ＩＤＩデータである。

【００５３】（１７）〔Ｆ６〕ファンクションキー５１内の〔Ｆ６〕キーを押すと、ゼ
ネラル（Ｇｅｎｅｒａｌ）ＭＩＤＩシステムオン（ＧＭ
ｏｎ）を送出することができる。ゼネラルＭＩＤＩシス
テムオンを送出すると、音源装置は、ＸＧシステムオン
とは異なる別の標準設定値にリセットされる。ゼネラル
ＭＩＤＩシステムオンは、ＭＩＤＩ規格の下位規格であ
るＧＭ規格で決められているＭＩＤＩデータである。

【００５４】（１８）〔Ｆ７〕〜〔Ｆ１２〕ファンクションキー５１内の〔Ｆ７〕〜〔Ｆ１２〕キー
は、ユーザが後に示すファンクションキー設定ダイアロ
グ（図６）にて自由に設定することができる。例えば、
エクスクルーシブメッセージの内容を自由に設定し、送
出することができる。

【００５５】図３は、一般設定ダイアログを示す。ユー
ザは、図２（Ａ）に示すパレット８０内のモード表示エ
リア８１をマウスでクリックすると、この一般設定ダイ
アログをディスプレイ装置１に表示させることができ
る。そして、当該ダイアログを見ながら、対話形式で以
下の設定を行うことができる。

【００５６】一般設定ダイアログは、設定エリア９１と
ＯＫキー９２とキャンセルキー９３を有する。設定エリ
ア９１は、以下の（１）〜（５）の設定を行うことがで
きるエリアであり、その設定内容を表示する。ユーザ
は、キーボード又はマウスを用いてその設定を行うこと
ができる。

【００５７】（１）モード（Ｍｏｄｅ）ユーザは、以下の２つの鍵盤種類（１段鍵盤又は２段鍵
盤）のいずれかを選ぶことができる。図３では、１段鍵
盤が選ばれている場合を例に示す。

【００５８】（１−１）１段鍵盤（ＰＣＫｅｙｂｏａ
ｒｄ）１段鍵盤が選択されると、図４（Ａ）に示すパレット８
０が表示され、図４（Ｂ）に示すキーボード３のキー配
置が設定される。パレット８０内のモード表示エリア８
１は、１段鍵盤が選択されていることを示す。

【００５９】キーボード３は、図１（Ｃ）と同様に、１
段鍵盤用キー（ノートキー）７１を有する。ノートキー
７１は、白鍵用キー７１ｗと黒鍵用キー７１ｂを有す
る。白鍵用キー７１ｗは、音高Ｃ３〜Ｇ４の音域内の白
鍵に対応する。黒鍵用キー７１ｂは、音高Ｃ♯３〜Ｆ♯
４の音域内の黒鍵に対応する。キー５２、５３、５４、
５５、５７は、上記の説明と同じである。

【００６０】（１−２）２段鍵盤（Ｏｖｅｒｌａｙｋ
ｅｙｂｏａｒｄ）２段鍵盤が選択されると、図５（Ａ）に示すパレット８
０が表示され、図５（Ｂ）に示すキーボード３のキー配
置が設定される。パレット８０内のモード表示エリア８
１は、２段鍵盤が選択されていることを示す。

【００６１】キーボード３は、例えばエレクトーンのよ
うに、下段（左手）鍵盤用キー７２と上段（右手）鍵盤
用キー７３を有する。キー５２、５３、５４、５５、５
７は、上記の説明と同じである。

【００６２】下段鍵盤用キー７２は、白鍵用キー７２ｗ
と黒鍵用キー７２ｂを有する。白鍵用キー７２ｗは、音
高Ａ２〜Ｄ４の音域内の白鍵に対応する。黒鍵用キー７
２ｂは、音高Ｇ♯２〜Ｄ♯４の音域内の黒鍵に対応す
る。

【００６３】上段鍵盤用キー７３は、白鍵用キー７３ｗ
と黒鍵用キー７３ｂを有する。白鍵用キー７３ｗは、音
高Ｇ３〜Ｄ５の音域内の白鍵に対応する。黒鍵用キー７
３ｂは、音高Ｆ♯３〜Ｄ♯５の音域内の黒鍵に対応す
る。

【００６４】（２）ＭＩＤＩチャンネル（ＭＩＤＩＣ
Ｈ）ユーザは、送信用ＭＩＤＩチャンネルを設定することが
できる。ユーザがキーボードを用いて演奏操作を行った
場合には、その演奏操作に基づき生成されたＭＩＤＩデ
ータ（例えばノートオンイベント等）は、この送信用Ｍ
ＩＤＩチャンネルに割り当てられる。

【００６５】（３）バンクセレクト（ＢａｎｋＳｅｌ
ｅｃｔ）音色番号は、通常、プログラム番号とバンク番号の組み
合わせにより決まる。バンク番号は、ＭＳＢ（最上位バ
イト）とＬＳＢ（最下位バイト）の２バイトにより指定
される。バンクセレクトは、ＭＳＢのバンク番号又はＬ
ＳＢのバンク番号を設定することができる。ＭＳＢのバ
ンク番号は、例えばメロディバンク又はドラムバンクを
選択するためのものであり、ＬＳＢのバンク番号は、例
えば明るい音色又は暗い音色等の音色種類を選択するた
めのものである。

【００６６】ユーザは、バンクセレクトの際、ＭＳＢ又
はＬＳＢのいずれのバンク番号を設定するのかを指定す
ることができる。例えば、ＬＳＢを選択すれば、バンク
セレクトによりＬＳＢのバンク番号を設定することがで
きる。バンクセレクトメッセージは、上記のように、図
２（Ｂ）に示す方法で設定し、送出することができる。
（４）ピッチベンド（ＰｉｔｃｈＢｅｎｄ）ユーザは、〔Ｃｔｒｌ〕キー５８（図１（Ｂ））を押す
ことにより、電子鍵盤楽器の場合と同様に、ピッチベン
ドを行うことができる。ピッチベンドは、発音中の音の
音高を変化させるものである。ユーザは、以下の３つの
条件パラメータを設定することができる。

【００６７】（４−１）ピッチベンドレンジ（Ｒａｎｇ
ｅ）ユーザは、ピッチベンドの範囲を半音（１００セント）
単位で設定することができる。例えば、「２」と設定す
れば、ピッチベンドレンジが２００セントになる。ピッ
チベンドレンジは、＋１２（１オクターブ上）から−１
２（１オクターブ下）まで設定することができる。

【００６８】（４−２）ピッチベンドタイム（Ｔｉｍ
ｅ）ユーザは、ピッチベンドの最終目標の音高値に到達する
までの時間を設定することができる。この時間は、１ｍ
秒から１秒まで設定することができる。ユーザが〔Ｃｔ
ｒｌ〕キー５８を押すと、ピッチベンドイベント（コン
トロールチェンジメッセージ）が生成されるが、その
際、この時間に応じて、ピッチベンドイベントの生成間
隔が決まる。

【００６９】（４−３）ピッチベンドカーブ（Ｃｕｒｖ
ｅ）ユーザは、音高の時間変化曲線（楽音特性曲線）を決め
ることができる。例えば、直線的に音高を変化させたり
（上げたり又は下げたり）、最初に音高変化を大きくし
徐々に音高変化を小さくしたり、最初に音高変化を小さ
くし徐々に音高変化を大きくしたりすることができる。
その他の変化曲線を設定してもよい。

【００７０】これらの変化曲線は、曲線毎のテーブルを
有する。ピッチベンドホイールは、通常、弾性によりセ
ンタ位置に保持される。テーブルは、ピッチベンド操作
子のセンタ値からの差分データを時間変化に応じて記憶
する。このテーブルを参照することにより、ピッチベン
ドを実現することができる。詳細は、後に図１１及び図
１２のフローチャートを参照しながら説明する。

【００７１】（５）モジュレーション（Ｍｏｄｕｌａｔ
ｉｏｎ）ユーザは、モジュレーションの深さを設定することがで
きる。〔Ａｌｔ〕キー５９がモジュレーション操作子に
相当する。モジュレーションは、周期的に音高や音量を
変化させるものである。

【００７２】上記の（１）〜（５）の設定を行った後、
ＯＫキー９２をマウスでクリックすれば、設定エリア９
１の内容が設定される。キャンセルキー９３をマウスで
クリックすれば、前回の設定内容が維持される。

【００７３】図６は、ファンクションキー設定ダイアロ
グを示す。ユーザは、ファンクションキー５１内の〔Ｆ
７〕〜〔Ｆ１２〕キーに独自のコマンドを設定すること
ができる。ファンクションキーの設定を指示すると、フ
ァンクションキー設定ダイアログがディスプレイ装置１
に表示される。そして、当該ダイアログを見ながら、対
話形式で以下の設定を行うことができる。

【００７４】ファンクションキー設定ダイアログは、設
定エリア９４とＯＫキー９５とキャンセルキー９６を有
する。設定エリア９４は、〔Ｆ７〕〜〔Ｆ１２〕キーの
設定を行うことができるエリアであり、その設定内容を
表示する。ユーザは、キーボード又はマウスを用いてそ
の設定を行うことができる。例えば、エクスクルーシブ
メッセージの内容を設定することができる。

【００７５】例えば、〔Ｆ７〕キーはＭＩＤＩのエクス
クルーシブメッセージを定義できるキーであり、エクス
クルーシブメッセージは冒頭データがＦ０、末尾データ
がＦ７と規格で決められているので、このような固定部
は予め表示、決定しておき、ユーザが定義するときはＦ
０とＦ７の間に定義したいデータ部のみを記述すればよ
い。このようにしておくと設定の手間が簡略化できる。

【００７６】〔Ｆ７〕〜〔Ｆ１２〕キーの設定を行った
後、ＯＫキー９５をマウスでクリックすれば、設定エリ
ア９４の内容が設定される。キャンセルキー９６をマウ
スでクリックすれば、前回の設定内容が維持される。

【００７７】図７は、上記のＭＩＤＩ楽器機能を実現す
るためのコンピュータ４のハードウエアの構成図であ
る。

【００７８】コンピュータ４において、バス１０には、
ＣＰＵ１３、表示装置１２、キーボード及びマウスを含
む入力装置１１、外部記憶装置１６、プログラム記憶装
置１４、記憶装置（例えばＲＡＭ）１５、ＭＩＤＩイン
タフェース１７、音源１８、通信インタフェース３２が
接続される。

【００７９】入力装置１１は、図１（Ａ）に示すキーボ
ード３を含む。キーボード３は、ＭＩＤＩ鍵盤機能がオ
ンされているときには、図１（Ｃ）に示す楽器用鍵盤と
して機能し、ＭＩＤＩ鍵盤機能がオフされているときに
は、図１（Ｂ）に示すコンピュータ用キーボードとして
機能する。ユーザは、入力装置１１を操作することによ
り、演奏又は各種設定を行うことができる。

【００８０】表示装置１２は、図１（Ａ）に示すディス
プレイ装置１に対応し、上記のパレットやダイアログや
各種設定内容を表示することができ、図４（Ｂ）又は図
５（Ｂ）に示すキー配置を表示することもできる。記憶
装置１５は、図１（Ｂ）に示すキーとそれに対応する機
能の対応関係、送信用ＭＩＤＩチャンネル等の上記の設
定内容を記憶し、その他、フラグまたはバッファ等のワ
ーキングエリアを有する。

【００８１】プログラム記憶装置１４は、例えばＲＯＭ
又はＲＡＭであり、各種パラメータおよびコンピュータ
プログラムを記憶する。ＣＰＵ１３は、プログラム記憶
装置１４に記憶されているコンピュータプログラムに従
い、演算または制御を行う。

【００８２】タイマ３５は、ＣＰＵ１３に接続される。
ＣＰＵ１３は、タイマ３５から供給される時間情報に応
じて、所定の時間間隔でタイマ割り込み処理を行う。Ｍ
ＩＤＩインターフェース１７は、他のＭＩＤＩ装置１９
に対してＭＩＤＩデータを入出力することができる。

【００８３】ＣＰＵ１３は、ユーザがキーボード３上の
キーを押すと、ノートオンイベントやコントロールチェ
ンジ等のＭＩＤＩデータを生成し、記憶装置１５に記憶
する。また、記憶装置１５には、ＭＩＤＩデータを含む
自動演奏データを記憶させることができる。

【００８４】ＣＰＵ１３は、キーボード３の演奏操作に
より生成されたＭＩＤＩデータを記憶装置１５から読み
出し、楽音パラメータおよび効果パラメータを音源１８
に供給する。また、ＣＰＵ１３は、自動演奏のスタート
が指示されると、自動演奏データを記憶装置１５から読
み出し、楽音パラメータおよび効果パラメータを音源１
８に供給する。

【００８５】音源１８は、供給される楽音パラメータ及
び効果パラメータに応じて楽音信号を生成し、サウンド
システム３６に供給する。サウンドシステム３６は、Ｄ
／Ａ変換器およびスピーカを含み、供給されるデジタル
形式の楽音信号をアナログ形式に変換し、発音する。

【００８６】なお、音源１８は、波形メモリ方式、ＦＭ
方式、物理モデル方式、高調波合成方式、フォルマント
合成方式、ＶＣＯ＋ＶＣＦ＋ＶＣＡのアナログシンセサ
イザ方式等、どのような方式であってもよい。

【００８７】また、音源１８は、専用のハードを用いて
構成するものに限らず、ＤＳＰ＋マイクロプログラムを
用いて構成してもよいし、ＣＰＵ＋ソフトウェアのプロ
グラムで構成するようにしてもよい。

【００８８】外部記憶装置１６は、ハードディスクドラ
イブ（ＨＤＤ）、フロッピディスクドライブ（ＦＤ
Ｄ）、光磁気ディスク（ＭＯ）ドライブ、ＣＤ−ＲＯＭ
（コンパクトディスク−リードオンリィメモリ）ドライ
ブ等である。

【００８９】外部記憶装置１６としてのハードディスク
ドライブ（ＨＤＤ）はコンピュータプログラムや自動演
奏データや設定データ等の各種データを記憶することが
できる。プログラム記憶装置１４にコンピュータプログ
ラムが記憶されていない場合、このＨＤＤ内のハードデ
ィスクにコンピュータプログラムを記憶させておき、そ
れをプログラム記憶装置（例えばＲＡＭ）１４に読み込
むことができる。このようにすると、コンピュータプロ
グラムの追加やバージョンアップ等が容易に行える。Ｃ
Ｄ−ＲＯＭ（コンパクトディスク−リード・オンリィ・
メモリ）ドライブは、ＣＤ−ＲＯＭに記憶されているコ
ンピュータプログラムや各種データを読み出すことがで
きる。読み出したコンピュータプログラムや各種データ
は、ＨＤＤ内のハードディスクにストアされる。コンピ
ュータプログラムの新規インストールやバージョンアッ
プ等が容易に行える。

【００９０】通信インターフェース３２はＬＡＮ（ロー
カルエリアネットワーク）やインターネット、電話回線
等の通信ネットワーク３３に接続されており、該通信ネ
ットワーク３３を介して、サーバコンピュータ３１と接
続される。ＨＤＤ内に上記コンピュータプログラムや各
種データが記憶されていない場合、サーバコンピュータ
３１からコンピュータプログラムやデータをダウンロー
ドすることができる。クライアントとなるこのコンピュ
ータ４は、通信インターフェース３２及び通信ネットワ
ーク３３を介してサーバコンピュータ３１へとコンピュ
ータプログラムやデータのダウンロードを要求するコマ
ンドを送信する。サーバコンピュータ３１は、このコマ
ンドを受け、要求されたコンピュータプログラムやデー
タを、通信ネットワーク３３を介して当該コンピュータ
４へと配信し、コンピュータ４が通信インターフェース
３２を介して、これらコンピュータプログラムやデータ
を受信してＨＤＤ内に蓄積することにより、ダウンロー
ドが完了する。

【００９１】なお、本実施例は、本実施例に対応するコ
ンピュータプログラムや各種データをインストールした
市販のパーソナルコンピュータ等によって、実施させる
ようにしてもよい。その場合には、本実施例に対応する
コンピュータプログラムや各種データを、ＣＤ−ＲＯＭ
やフロッピィディスク等のパーソナルコンピュータが読
み込むことができる記憶媒体に記憶させた状態で、ユー
ザーに提供してもよい。そのパーソナルコンピュータ等
が、ＬＡＮ、インターネット、電話回線等の通信ネット
ワークに接続されている場合には、通信ネットワークを
介して、コンピュータプログラムや各種データ等をパー
ソナルコンピュータ等に提供してもよい。

【００９２】図８は、図７に示す記憶装置１５のメモリ
マップを示す。記憶装置１５は、記憶エリア１５ａ、１
５ｂ、１５ｃ、１５ｄを有する。

【００９３】記憶エリア１５ａには、送信用ＭＩＤＩチ
ャンネル、オクターブ値、ベロシティ値、ピッチベンド
レンジ、ピッチベンドタイム、ピッチベンドカーブのテ
ーブル番号、バンク番号の設定バイト（ＭＳＢ又はＬＳ
Ｂ）、モジュレーションの深さ、キーボードのモード
（１段鍵盤又は２段鍵盤）、その他の設定値が記憶され
る。

【００９４】記憶エリア１５ｂは、キーボード３上のキ
ーとそれに対応するイベントとを対応付けるテーブルを
記憶する。

【００９５】記憶エリア１５ｃは、複数種類のピッチベ
ンドカーブのテーブルを記憶する。当該テーブルは、音
高の時間変化値を記憶する。

【００９６】記憶エリア１５ｄは、ピッチベンドホイー
ルに対応する〔Ｃｔｒｌ〕キー５８が押されたことを示
すベンドフラグ、上記のピッチベンドテーブルの読み出
しポインタ、その他のフラグやレジスタ等を有する。

【００９７】図９は、基本処理を行うフローチャートで
ある。ステップＳＡ１では、オペレーティングシステム
（ＯＳ）のキーバッファに格納されているキー操作情報
を取得する。例えば、タイマ３５（図７）に従い、比較
的短周期で（キー操作情報を演奏情報として検出できる
ような高速な周期毎（約１ｍｓｅｃ以下毎）に）バッフ
ァをサーチし、キー操作情報を取得する。ＯＳは、例え
ばＷｉｎｄｏｗｓ（登録商標）９５であり、キーボード
３のキー操作情報は所定のバッファに格納される。キー
操作により、リアルタイム演奏を可能とするためには、
上記のように、短周期でキーバッファをサーチする必要
がある。

【００９８】ＭＩＤＩ鍵盤機能の他、他のアプリケーシ
ョンソフトウエアが並列的に動作していたとしても、比
較的短周期でキー操作情報を取得することにより、キー
バッファ内のキー情報を当該他のアプリケーションソフ
トウエアに奪われてしまうことを防止できる。また、Ｏ
ＳがＷｉｎｄｏｗｓの場合は、アクティブウィンドウの
アプリケーションがイベント（キー操作情報）検出を行
うようにするのが好ましい。

【００９９】ステップＳＡ２では、キーに対応したＭＩ
ＤＩイベントを記憶装置１５から読み出して作成する。
記憶エリア１５ｂに、キーとそのキーに対応するＭＩＤ
Ｉイベントの関係が格納されている。この関係に応じ
て、ＭＩＤＩイベントを作成する。

【０１００】ステップＳＡ３では、作成したＭＩＤＩイ
ベントを出力バッファに格納し、その後、ステップＳＡ
１へ戻る。Ｗｉｎｄｏｗｓ９５のアプリケーションソフ
トウエアに、ＭＩＤＩマッパとよばれているものがあ
る。ＭＩＤマッパは、ＭＩＤＩイベントの格納場所を決
め、ＭＩＤＩ入力装置とＭＩＤＩ出力装置とのリンクを
とる。ＭＩＤＩ入力装置は、入力したＭＩＤＩイベント
をこの格納場所に格納する。ＭＩＤＩ出力装置は、その
格納場所に格納されているＭＩＤＩイベントを読み出
し、発音処理等を行う。

【０１０１】このステップでは、その格納場所にＭＩＤ
Ｉイベントを格納する。ＣＰＵ１３は、短周期でＭＩＤ
Ｉイベントを定期的にサーチし、そのＭＩＤＩイベント
に応じた楽音パラメータ等を音源１８に供給する。音源
１８は、その楽音パラメータ等を基に楽音信号を生成
し、サウンドシステム３６はその楽音信号に応じて楽音
を発音する。

【０１０２】また、このＭＩＤＩイベントをＭＩＤＩイ
ンタフェース１７から出力し、ＭＩＤＩ装置１９に発音
させてもよい。

【０１０３】図１０は、キーイベント作成処理を示すフ
ローチャートである。上記のキー操作情報の処理のう
ち、ノートキーの処理をより具体的に示す。

【０１０４】ステップＳＢ１では、送信用ＭＩＤＩチャ
ンネルを記憶エリア１５ａ（図８）から読み出す。

【０１０５】ステップＳＢ２では、図９のステップＳＡ
１で取得したキーに対応する音高値を記憶エリア１５ｂ
（図８）から読み出す。例えば、図１（Ｃ）に示すよう
に、ノートキー１７ｗ，１７ｂには、それぞれ音高Ｃ３
〜Ｇ４が割り当てられている。

【０１０６】ステップＳＢ３では、記憶エリア１５ａか
らオクターブ値を読み出し、そのオクターブ値を前ステ
ップで読み出した音高値に加算する。例えば、〔↑〕キ
ー５２を押せば、音域を１オクターブ上げることでき、
〔↓〕キー５３を押せば音域を１オクターブ下げること
できる。

【０１０７】ステップＳＢ４では、ベロシティ値を記憶
エリア１５ａ（図８）から読み出す。

【０１０８】ノートキーが離された状態から押された状
態に変化したときにノートオンイベントを生成し、ノー
トキーが押された状態から離された状態に変化したとき
にノートオフイベントを生成することができる。ノート
オフイベント内のベロシティ値は、常に０に設定すれば
よい。なお、ノートオフイベントは生成せず、ノートオ
ンイベントのみを生成してもよい。

【０１０９】ステップＳＢ５では、送信用ＭＩＤＩチャ
ンネル、音高、ベロシティ値をＭＩＤＩフォーマットに
変換し、ノートオンイベント又はノートオフイベントを
作成する。

【０１１０】ステップＳＢ６では、そのノートオンイベ
ント又はノートオフイベントを上記の出力バッファ（図
９のステップＳＡ３と同じ出力バッファ）に格納し、処
理を終了する。出力バッファ内のノートオンイベント
は、上記と同様に処理され、サウンドシステム３６（図
７）から発音される。

【０１１１】図１１は、第１のピッチベンドデータ作成
処理を示すフローチャートであ〔Ｃｔｒｌ〕キー５８を
押し続けると、ピッチベンドにより音高は目標値に向か
い変化し続ける。〔Ｃｔｒｌ〕キー５８を離せば、音高
は元に戻る。

【０１１２】なお、〔Ｃｔｒｌ〕キーが押されればピッ
チをアップさせ、〔Ｓｈｉｆｔ〕キー及び〔Ｃｔｒｌ〕
キーが押されればピッチをダウンさせることができる。
両者の処理は、同様にして行うことできるので、以下、
〔Ｃｔｒｌ〕キーが押された場合を例に説明する。

【０１１３】ステップＳＣ１では、ピッチベンドホイー
ルに対応する〔Ｃｔｒｌ〕キー５８の操作情報を検出す
る。すなわち、〔Ｃｔｒｌ〕キー５８が離された状態か
ら押された状態に変化したときをキーオンイベントとし
て検出し、押された状態から離された状態に変化したと
きをキーオフイベントとして検出する。

【０１１４】ステップＳＣ２では、キーオンイベントで
あるか又はキーオフイベントであるかを判断する。キー
オンイベントであれば、ステップＳＣ３へ進み、キーオ
フイベントであれば、ステップＳＣ４へ進む。

【０１１５】ステップＳＣ３は、ユーザが〔Ｃｔｒｌ〕
キー５８を押した時の処理であり、ベンドフラグ（図８
の記憶エリア１８ｄ内）をセットする。ベンドフラグを
セットすることにより、現在、〔Ｃｔｒｌ〕キー５８が
押されている状態であることを記録する。

【０１１６】続いて、ピッチベンドテーブル（図８の記
憶エリア１５ｃ内）の読み出しポインタ（図８の記憶エ
リア１５ｄ内）を初期化する。以後、図１２の処理によ
りピッチベンドデータが作成される。

【０１１７】ステップＳＣ４は、ユーザが〔Ｃｔｒｌ〕
キー５８を離した時の処理であり、ベンドフラグをクリ
アする。ベンドフラグをクリアすることにより、現在、
〔Ｃｔｒｌ〕キー５８が離されている状態であることを
記録する。

【０１１８】続いて、ピッチベンドテーブルの読み出し
ポインタを初期化し、次のピッチベンド処理に備える。

【０１１９】次に、ステップＳＣ５では、ピッチベンド
のセンタ情報を作成し、出力バッファに格納する。ピッ
チベンドホイールは、操作しない状態では、センタに位
置する。そのため、ユーザが〔Ｃｔｒｌ〕キー５８を離
した後は、センタ情報に対応する音高が発音される。そ
の後、処理を終了する。

【０１２０】図１２は、第２のピッチベンドデータ作成
処理を示すフローチャートである。この処理は、タイマ
割り込み処理である。この処理の割り込み周期は、上記
のピッチベンドタイムとピッチベンドテーブルのポイン
ト数を基に、次式により決まる。ピッチベンドタイム
は、目標値までの到達時間を表す。周期＝ピッチベンド
タイム／テーブルポイント数＠まず、ステップＳＤ１で
は、ベンドフラグがセット状態であるか又はクリア状態
であるかをチェックする。クリア状態であれば、何もせ
ず処理を終了する。セット状態であれば、ステップＳＤ
２へ進む。

【０１２１】ステップＳＤ２では、ピッチベンドテーブ
ルを参照して、ピッチベンドテーブル読み出しポインタ
に位置するデータを取得する。そして、センタデータと
その取得したデータとの差分値を求める。

【０１２２】ステップＳＤ３では、その差分値と上記の
ピッチベンドレンジとから、ピッチベンドデータを作成
する。ピッチベンドレンジは、ピッチベンドにより変化
する音高の範囲である。ピッチベンドは、ピッチベンド
レンジの値に上記の差分値の係数を乗じればよい。

【０１２３】ステップＳＤ４では、送信用ＭＩＤＩチャ
ンネルを記憶エリア１５ａ（図８）から読み出し、上記
のピッチベンドデータと共に、ＭＩＤＩフォーマットに
変換し、ＭＩＤＩデータを作成する。

【０１２４】ステップＳＤ５では、作成したピッチベン
ドのＭＩＤＩデータを上記の出力バッファに格納する。
出力バッファ内のＭＩＤＩデータは、上記と同様に処理
され、発音中の音高が変化する。

【０１２５】ステップＳＤ６では、ピッチベンドテーブ
ル読み出しポインタに次の値をセットし、次の読み出し
に備える。以後、〔Ｃｔｒｌ〕キー５８を押しつづけて
いる限り、所定周期毎に上記の処理が繰り返され、ピッ
チベンドテーブルの値が順次読み出され、ピッチベンド
のＭＩＤＩデータが作成される。

【０１２６】ステップＳＤ７では、ピッチベンドテーブ
ルの値を全て読み出したか否かをチェックする。全て読
み出した時には、目標音高値に到達したことを意味する
ので、ベンドフラグをクリアし、その音高を維持する。
ベンドフラグをクリアすれば、その後の割り込み処理で
は、ピッチベンドテーブルの読み出しは行われず、音高
は維持される。

【０１２７】〔Ｃｔｒｌ〕キー５８を押し続ければ、音
高は目標値まで変化し続ける。Ｃｔｒｌキー５８を離せ
ば、ピッチベンドホイールのセンタ値に相当する値に音
高が戻る。

【０１２８】以上のように、ＭＩＤＩ鍵盤機能をオンさ
せれば、キーボードを楽器用鍵盤として使用し、ＭＩＤ
Ｉ鍵盤機能をオフさせれば、キーボードをコンピュータ
用キーボードとして使用することができる。楽器用鍵盤
の白鍵、黒鍵、ピッチベンドホイール、モジュレーショ
ンホイール等の演奏操作子を、コンピュータ用キーボー
ドに割り当てることができる。

【０１２９】電子鍵盤楽器を用意しなくても、コンピュ
ータを用意するだけで、電子鍵盤楽器と同様な演奏を行
うことができ、ＭＩＤＩデータを生成することができ
る。

【０１３０】また、簡単な操作で、ＭＩＤＩ鍵盤機能を
オン又はオフすることができるので、コンピュータ用キ
ーボードと楽器用鍵盤とを容易に切り替えることができ
る。

【０１３１】なお、ＭＩＤＩ鍵盤機能をオフする際、あ
るいは鍵盤モードを切替える際は、発音中の音を全て消
音する指示（オールノートオフ等）、および音源の諸設
定を初期化する指示（リセットオールコントローラ、Ｇ
Ｍｏｎ、ＸＧｏｎ等）を出力してからオフ、又は切り替
えを行うのが好ましい。

【０１３２】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。

【０１３３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
簡単な操作で楽器用鍵盤機能をオンさせ、コンピュータ
用キーボートを楽器用鍵盤として使用することができ
る。楽器用鍵盤機能をオフすれば、通常のコンピュータ
用キーボードとして使用することができる。

【０１３４】また、電子鍵盤楽器を用意しなくても、コ
ンピュータ用キーボードを用いて、電子鍵盤楽器と同様
の演奏を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１（Ａ）はパーソナルコンピュータの外観
図であり、図１（Ｂ）はＭＩＤＩ鍵盤機能をオフしたと
きのキー配置を示す図であり、図１（Ｃ）はＭＩＤＩ鍵
盤機能をオンしたときのキー配置を示す図である。

【図２】図２（Ａ）はＭＩＤＩ鍵盤機能をオンにした
ときのパレットを示す図であり、図２（Ｂ）はプログラ
ムチェンジ及びバンクセレクトを送出するときのパレッ
トを示す図であり、図２（Ｃ）はコントロールチェンジ
を送出するときのパレットを示す図である。

【図３】一般設定ダイアログを示す図である。

【図４】図４（Ａ）は１段鍵盤が設定されたときのパ
レットを示す図であり、図４（Ｂ）は１段鍵盤が設定さ
れたときのキー配置を示す図である。

【図５】図５（Ａ）は２段鍵盤が設定されたときのパ
レットを示す図であり、図５（Ｂ）は２段鍵盤が設定さ
れたときのキー配置を示す図である。

【図６】ファンクションキー設定ダイアログを示す図
である。

【図７】コンピュータのハードウエアの構成図であ
る。

【図８】記憶装置のメモリマップを示す図である。

【図９】基本処理を示すフローチャートである。

【図１０】キーイベント作成処理を示すフローチャー
トである。

【図１１】第１のベンドデータ作成処理を示すフロー
チャートである。

【図１２】第２のベンドデータ作成処理を示すフロー
チャートである。

【符号の説明】

１ディスプレイ装置、２コンピュータ本体、３キ
ーボード、４コンピュータ、１０バス、１１入力
装置、１２表示装置、１３ＣＰＵ、１４プログラ
ム記憶装置、１５記憶装置、１６外部記憶装置、１
７ＭＩＤＩインタフェース、１８音源、１９ＭＩ
ＤＩ装置、３１サーバ、３２通信インタフェース、
３３通信ネットワーク、３５タイマ、３６サウン
ドシステム、５１ファンクションキー、５２，５
３，５４，５５カーソル移動キー、５６テンキー、
５７シフトキー、５８コントロールキー、５９オ
ルタネートキー、６０エンタキー、６１アルファニ
ューメリックキー、７１，７２，７３ノートキー、
８０パレット、８１モード表示エリア、８２ＭＩ
ＤＩチャンネル表示エリア、８３オクターブ表示エリ
ア、８４ベロシティ表示エリア、８５プログラム番
号設定エリア、８６バンク番号設定エリア、８７コ
ントロール番号設定エリア、８８コントロールデータ
設定エリア、９１，９４設定エリア、９２，９５Ｏ
Ｋキー、９３，９６キャンセルキー

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】テンキーを含む複数のキーを有し、該キ
ーの操作に応じてキー情報を生成するコンピュータ用キ
ーボードと、前記テンキーが操作されると該操作されたキーに応じた
数字をＭＩＤＩデータ中のパラメータとして指定する数
字指定手段と、前記コンピュータ用キーボード上のキーが操作されると
前記キー情報に応じたＭＩＤＩデータを生成するととも
に、前記指定されたパラメータを含むＭＩＤＩデータを
生成するＭＩＤＩデータ生成手段とを有するコンピュー
タ用キーボードを楽器用鍵盤として使用する装置。
【請求項２】複数のキーを含み、該キーの操作に応じ
てキー情報を生成するコンピュータ用キーボードと、前記コンピュータ用キーボード上のキーに所定の機能を
割り当てることができる機能割り当て手段と、前記コンピュータ用キーボード上のキーが操作されると
前記キー情報に応じたＭＩＤＩデータを生成するととも
に、前記機能割り当て手段が割り当てたキーが操作され
ると、それに対応する機能のＭＩＤＩデータを生成する
ＭＩＤＩデータ生成手段とを有するコンピュータ用キー
ボードを楽器用鍵盤として使用する装置。
【請求項３】テンキーを含む複数のキーを有し、該キ
ーの操作に応じてキー情報を生成するコンピュータ用キ
ーボードの前記テンキーが操作されると該操作されたキ
ーに応じた数字をＭＩＤＩデータ中のパラメータとして
指定する数字指定工程と、前記コンピュータ用キーボード上のキーが操作されると
前記キー情報に応じたＭＩＤＩデータを生成するととも
に、前記指定されたパラメータを含むＭＩＤＩデータを
生成するＭＩＤＩデータ生成工程とを有するコンピュー
タ用キーボードを楽器用鍵盤として使用する方法。
【請求項４】複数のキーを含み、該キーの操作に応じ
てキー情報を生成するコンピュータ用キーボード上のキ
ーに所定の機能を割り当てることができる機能割り当て
工程と、前記コンピュータ用キーボード上のキーが操作されると
前記キー情報に応じたＭＩＤＩデータを生成するととも
に、前記機能割り当て手段が割り当てたキーが操作され
ると、それに対応する機能のＭＩＤＩデータを生成する
ＭＩＤＩデータ生成工程とを有するコンピュータ用キー
ボードを楽器用鍵盤として使用する方法。
【請求項５】テンキーを含む複数のキーを有し、該キ
ーの操作に応じてキー情報を生成するコンピュータ用キ
ーボードの前記テンキーが操作されると該操作されたキ
ーに応じた数字をＭＩＤＩデータ中のパラメータとして
指定する数字指定工程と、前記コンピュータ用キーボード上のキーが操作されると
前記キー情報に応じたＭＩＤＩデータを生成するととも
に、前記指定されたパラメータを含むＭＩＤＩデータを
生成するＭＩＤＩデータ生成工程とをコンピュータに実
行させるためのプログラムを記録した媒体。
【請求項６】複数のキーを含み、該キーの操作に応じ
てキー情報を生成するコンピュータ用キーボード上のキ
ーに所定の機能を割り当てることができる機能割り当て
工程と、前記コンピュータ用キーボード上のキーが操作されると
前記キー情報に応じたＭＩＤＩデータを生成するととも
に、前記機能割り当て手段が割り当てたキーが操作され
ると、それに対応する機能のＭＩＤＩデータを生成する
ＭＩＤＩデータ生成工程とをコンピュータに実行させる
ためのプログラムを記録した媒体。