JP2003262783A - オートフォーカス装置および撮像装置 - Google Patents

オートフォーカス装置および撮像装置

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JP2003262783A
JP2003262783A JP2002063133A JP2002063133A JP2003262783A JP 2003262783 A JP2003262783 A JP 2003262783A JP 2002063133 A JP2002063133 A JP 2002063133A JP 2002063133 A JP2002063133 A JP 2002063133A JP 2003262783 A JP2003262783 A JP 2003262783A
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edge
lens
focus
contrast
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JP2002063133A
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Shinichi Fujii
真一 藤井
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Minolta Co Ltd
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被写体の輝度による影響を低減して、より正
確にオートフォーカス制御を行うことが可能なオートフ
ォーカス制御装置および撮像装置を提供する。 【解決手段】 デジタルカメラ1のオートフォーカス制
御部20は、画像のコントラスト値Cを求めるコントラ
スト演算部22と、エッジ数EN及びエッジ幅重心値E
Wを含むエッジ情報を求めるエッジ演算部23とを有し
ている。また、合焦制御部24は、エッジ数EN及びエ
ッジ幅重心値EWに基づいてフォーカシングレンズ12
が合焦位置近傍に位置しないと判断される場合には、コ
ントラスト値Cがピークを示していてもそのレンズ位置
を合焦位置として採用しない。さらに、エッジ演算部2
3は、エッジ部分における高輝度側の値が所定の閾値を
超えている場合には、そのエッジを有効なエッジ成分と
はみなさないので、CCDのスミアなどの影響を低減し
たオートフォーカス制御が実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オートフォーカス
制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、デジタルカメラにおけるオート
フォーカス制御では、被写体を撮影して得られる画像信
号より、画像のフォーカスエリア内のコントラストを検
出し、そのコントラスト値がピークを示すレンズ位置に
撮影レンズを駆動することで、画像を合焦状態に導く方
法が用いられている。
【0003】この方法は、主被写体の画像がぼけた状態
であると画像のコントラストは低く、主被写体の画像が
合焦状態に近づくにつれて次第にコントラストが上昇
し、完全な合焦状態となってところでコントラストが最
大になるという原理に基づくものである。そのため、こ
のオートフォーカス制御においては、撮影レンズを所定
ピッチで駆動しつつ各レンズ位置においてコントラスト
の検出を行い、コントラストがピークを示すレンズ位置
を撮影レンズの合焦位置として特定し、その合焦位置に
撮影レンズ(より厳密にはフォーカシングレンズ)を移
動させるような制御形態が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なオートフォーカス制御を行う場合、被写体の輝度によ
っては誤判定となる状況が存在する。
【0005】たとえば、(1)CCD(電荷結合素子)
のスミアに起因して誤判定がなされる場合が存在する。
以下、これについて説明する。
【0006】「スミア」とは、図20に示すように、C
CDの飽和光量を超えるような非常に高い輝度の被写体
J(図20の中央)を撮影する場合に、縦方向にその被
写体Jを中心とする白い筋(高輝度の縦方向ライン)L
が現れる現象である。
【0007】CCDにおいては、縦方向および横方向に
2次元的に複数の光電変換素子が配列されている。そし
て、横方向に配列された複数の素子を有する横方向ブロ
ックの読み出し動作を、順次にその縦方向位置をずらし
つつ複数回繰り返すことによって、2次元画像が取得さ
れる。各横方向ブロックの転送動作においては、各素子
において光電変換された電荷がそれぞれ垂直転送ライン
に沿って読み出されて出力される。そして、スミアが生
じる様な状況下においては、高輝度被写体に対応する位
置の光電変換素子で光電変換により生成される電荷量が
あまりにも大量となり、その被写体が存在する縦方向位
置以外の位置の横方向ブロックの転送動作時点において
も、生成電荷が垂直転送ラインに沿って溢れ出て出力さ
れてしまう。この結果、同じ横方向位置を有する画素に
ついては、その縦方向位置が被写体の存在位置以外の位
置であっても、その画素値として大きな値が出力される
(高い輝度を有するものとして出力される)ことになる
のである。
【0008】このとき、スミアに起因して生じた高輝度
の縦方向ラインLとその縦方向ラインに隣接する部分と
の間の境界部分BDにおいては、大きなコントラストが
存在する。したがって、上記の従来技術ようなオートフ
ォーカス制御、すなわち、コントラストが最大になる位
置を合焦位置とする原理を用いたオートフォーカス制御
が行われると、撮影レンズが実際には合焦位置に存在し
ないときであっても、上記のスミアに起因して擬似的に
コントラストが最大になった位置を合焦位置として判定
してしまうことになる。すなわち誤判定が行われてしま
うのである。
【0009】また、以上のようなケースの他にも被写体
の輝度に起因して誤判定がなされる場合がある。たとえ
ば、(2)夜景撮影時において、フォーカスエリア(合
焦評価領域)内の点光源に起因する誤判定がなされる場
合である。以下、これについて説明する。
【0010】図21(a)は、本来の大きさを有する点
光源(中央の円)を含む画像を示している。また、図2
1(b)は、合焦状態から所定量ずれた状態の画像を示
す図であり、デフォーカス量が大きくなる(すなわちピ
ンぼけの度合いが大きくなる)ことによって、本来の大
きさよりも大きくなった点光源(中央の実線の円)を含
む画像を示している。このように、ピンぼけ状態の点光
源は、本来の大きさよりも大きなものとして撮影される
ことがある。このとき、デフォーカス量の増大に伴っ
て、コントラストも増大するという現象が生じる。
【0011】一方、上記の従来技術のオートフォーカス
制御は、レンズ位置に応じたコントラスト値の変化曲線
が1つの最大値(極大値)を有するものになることを想
定しており、その最大値に対応する位置が合焦位置であ
るという原理に基づくものである。しかしながら、図2
1(b)のようなピンぼけ状態の点光源が存在する場合
に上記のような従来技術を用いるときには、図21
(b)の状態、すなわち、ピンぼけに起因してコントラ
ストが擬似的に最大になった状態を合焦状態として誤認
識してしまうことになる。
【0012】具体的には、図21(b)に示すように、
点光源は、デフォーカス量の増大に応じて、本来の大き
さよりも大きくなりその円周長が大きくなるので、高輝
度の点光源とその隣接部分とのエッジ部分B1に存在す
る高コントラスト部分の長さが、合焦状態に比べて大き
くなる。したがって、画像のコントラスト値は、デフォ
ーカス量の増大に応じて、増大してしまうことになる。
その後、さらにデフォーカス量が増大し、点光源の大き
さがフォーカスエリアFR1内に収まらなくなる程度の
大きさ(図の二点鎖線の円B2で示すような大きさ)に
まで到達すると、今度はフォーカスエリアFR1内にお
ける点光源のエッジ部分B2が減少していき、フォーカ
スエリアFR1内のコントラスト値の総和値が減少す
る。このような変化に応じて、コントラストの疑似的な
ピークが出現する(図15参照)。そして、上記のよう
な従来技術を用いた場合には、図21(b)の状態、す
なわち、ピンぼけに起因してコントラストが擬似的に最
大になった状態を合焦状態として誤認識してしまうこと
になる。
【0013】以上のように、被写体の輝度状態によって
は、オートフォーカス制御が正確に行われない場合が存
在する。
【0014】そこで、本発明は前記問題点に鑑み、被写
体の輝度による影響を低減して、より正確にオートフォ
ーカス制御を行うことが可能なオートフォーカス制御装
置および撮像装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、複数の画素で構成される画像信
号を入力して、撮影レンズのフォーカス制御を行うオー
トフォーカス装置であって、前記画像信号から画像のコ
ントラスト値を検出するコントラスト検出手段と、前記
画像の被写体輝度を検出する輝度検出手段と、前記コン
トラスト値と前記被写体輝度とに基づいて、前記撮影レ
ンズのフォーカス制御を行う制御手段と、を備えること
を特徴とする。
【0016】請求項2の発明は、請求項1の発明に係る
オートフォーカス装置において、前記画像のエッジ数お
よびエッジ幅重心値の少なくとも一方を含むエッジ情報
を前記画像信号から検出するエッジ情報検出手段、をさ
らに備え、前記輝度検出手段は、前記画像内のエッジの
高輝度側の輝度を検出し、前記エッジ情報検出手段は、
前記高輝度側の輝度が所定の閾値以上の値を有するエッ
ジを、無効エッジとして前記エッジ情報から除外し、前
記制御手段は、前記無効エッジが除外された前記エッジ
情報にも基づいて、前記撮影レンズのフォーカス制御を
行うことを特徴とする。
【0017】請求項3の発明は、請求項1の発明に係る
オートフォーカス装置において、前記制御手段は、前記
輝度検出手段により検出された前記被写体輝度に応じ
て、前記オートフォーカス動作を変更することを特徴と
する。
【0018】請求項4の発明は、請求項3の発明に係る
オートフォーカス装置において、前記オートフォーカス
動作は、前記輝度検出手段により検出された前記被写体
輝度が所定の閾値以下であることを条件として、変更さ
れることを特徴とする。
【0019】請求項5の発明は、請求項1ないし請求項
4のいずれかの発明に係るオートフォーカス装置を備え
る撮像装置であることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】<A.第1実施形態> <A1.構成等>図1はこの発明にかかるオートフォー
カス装置、およびそのオートフォーカス装置を備えるデ
ジタルカメラ1の構成を示すブロック図である。
【0021】デジタルカメラ1は、被写体を撮影するた
めの撮影機能を実現する撮影機能部10と、撮影機能部
10において撮影動作が行われて生成される画像信号を
入力して、撮影レンズ11のフォーカス制御を行うオー
トフォーカス制御部20と、撮影機能部10及びオート
フォーカス制御部20を含むデジタルカメラ1の全体的
な動作を制御する全体制御部50と、シャッタボタン等
の操作ボタンを含む操作部60と、オートフォーカス制
御部20からの制御信号に基づいて撮影レンズ11を駆
動するレンズ駆動部70とを備えている。
【0022】撮影機能部10は、レンズ駆動部70の駆
動によって光軸方向に沿って移動可能なフォーカシング
レンズ12を含む撮影レンズ11、撮影レンズ11を介
して入射する被写体像を光電変換して画像データ(画素
ごとの画素データの配列からなるデータ)を生成するC
CD撮像素子13、CCD撮像素子13からの画像デー
タを一時的に格納するための画像メモリ14、画像メモ
リ14から得られる画像データに対して色変換処理や画
像圧縮処理等の所定の画像処理を行う画像処理部15、
画像処理部15において画像表示用の画像処理が施され
た表示用画像を表示する液晶表示部16、及び、画像処
理部15において画像記録用の画像処理が施された撮影
画像を記録する記録メディア17、を備えている。
【0023】撮影機能部10は、全体制御部50の制御
によって、本撮影前にライブビュー画像を液晶表示部1
6に表示させるためのライブビュー画像撮影動作と、シ
ャッタボタンが全押しされたときに記録メディア17に
記録するための画像撮影を行う本撮影動作とを行うよう
に構成される。なお、ライブビュー画像撮影動作時に
は、本撮影動作時に比べて画像処理部15において比較
的簡単な画像処理が施される。また、液晶表示部16が
オフ状態であったとしても、少なくともオートフォーカ
ス制御時にはCCD撮像素子13による撮影動作が行わ
れる。
【0024】オートフォーカス制御部20は、画像の合
焦状態を評価するために予め設定された合焦評価領域に
基づいて画像メモリ14から合焦評価領域の画像成分を
抽出する合焦評価領域抽出部21と、合焦評価領域の画
像成分に基づいて画像のコントラスト値Cを求めるコン
トラスト演算部22と、合焦評価領域の画像成分に基づ
いて画像のエッジ成分に関する演算を行い、エッジ数E
Nとエッジ幅重心値EWとを求めるエッジ演算部23
と、コントラスト値C、エッジ数EN及びエッジ幅重心
値EWに基づいて画像の合焦状態を判定し、撮影レンズ
11の合焦位置を特定するとともに、レンズ駆動部70
に対してレンズ駆動のための制御信号を送出する合焦制
御部24とを備えている。
【0025】また、オートフォーカス制御部20は、輝
度検出部25をさらに備えている。輝度検出部25は、
画像の被写体輝度を検出する機能を有している。また、
輝度検出部25は、画像内のエッジの高輝度側の輝度を
検出することができる。エッジ演算部23は、後述する
ように、輝度検出部25の検出結果に基づいて、或るエ
ッジを有効なエッジ成分とみなすか否かを判定するとと
もに、その判定結果をも考慮して、画像のエッジ成分に
関する情報(以下、「エッジ情報」とも称する)を画像
信号から検出する。具体的には、エッジ演算部23は、
輝度検出部25の検出結果に基づいてエッジ成分である
とみなされた部分に関して、エッジ数ENのカウント
(計数)動作およびエッジ幅重心値EWの算出動作等を
行う。このように、エッジ演算部23は、エッジ情報検
出手段として機能する。
【0026】なお、ここでは、エッジ情報として、エッ
ジ数ENおよびエッジ幅重心値EWの両方が取得される
場合について説明するが、これに限定されず、たとえ
ば、エッジ数ENおよびエッジ幅重心値EWの一方のみ
が取得されるようにしても良い。また、オートフォーカ
ス制御部20における上記各部の機能は、CPUが所定
のプログラムを実行することによって実現されるように
構成してもよい。
【0027】全体制御部50は、例えばシャッタボタン
が半押し状態にされたときに合焦評価領域の画像成分が
適切な合焦状態となるようにオートフォーカス制御部2
0を機能させ、全押し状態にされたときに撮影機能部1
0において本撮影動作を行うように制御する。また、全
体制御部50は本撮影前にはライブビュー画像撮影動作
として撮影機能部10において逐次画像撮影を行わせ、
逐次更新される画像を液晶表示部16に表示させたり、
オートフォーカス制御部20に与えるように制御する。
【0028】レンズ駆動部70は、オートフォーカス制
御部20の合焦制御部24から与えられる制御信号に基
づいてフォーカシングレンズ12を例えば遠側から近側
に向けて移動させる。このときの駆動ピッチは合焦制御
部24によって指定される。そして、オートフォーカス
制御部20において合焦評価領域の画像成分が合焦状態
となるレンズ位置(合焦位置)が特定され、レンズ駆動
部70が合焦制御部24よりその合焦位置が指定された
場合には、その指定されたレンズ位置にフォーカシング
レンズ12を移動させて合焦評価領域の画像成分が合焦
した状態の画像をCCD撮像素子13に結像させる。
【0029】図2は合焦評価領域FR1の一例を示す図
である。図2において画像G1はCCD撮像素子13の
撮影動作によって得られる画像を示している。この実施
の形態では、図2に示すように画像G1のほぼ中央部分
に合焦評価領域FR1が設定され、オートフォーカス制
御部20においてはこの合焦評価領域FR1に含まれる
画像成分に基づいて画像のコントラスト及びエッジ情報
が評価される。なお、図2に示す合焦評価領域FR1は
一例であり、実際にデジタルカメラ1等に適用する際に
は他の合焦評価領域を設定してもよい。また、画像G1
に対して複数の合焦評価領域を設定してもよい。
【0030】オートフォーカス制御部20においては、
まず、合焦評価領域抽出部21が画像メモリ14に格納
された画像から合焦評価領域FR1に対応する画像成分
を抽出する。
【0031】CCD撮像素子13は、いわゆるベイヤー
配列の画素配列構造となっており、CCD撮像素子13
で撮影動作が行われると、ベイヤー配列に従った全画面
分のR(赤),G(緑),B(青)各色成分の画素デー
タが画像メモリ14に格納される。
【0032】このため、合焦評価領域抽出部21が合焦
評価領域FR1の画像成分を抽出する際には、合焦評価
領域FR1に対応する各色成分の画素データを抽出する
ことになる。
【0033】そして合焦評価領域抽出部21によって抽
出された画像成分はコントラスト演算部22及びエッジ
演算部23に与えられる。
【0034】コントラスト演算部22は、図3に示すよ
うな構成となっている。すなわち、コントラスト演算部
22は、注目画素と、その注目画素の近隣に位置し、か
つ注目画素と一定の位置関係を有する画素との差分絶対
値を求める差分演算部221、及び、その差分演算結果
を累積加算していく累積加算部222、を備えている。
差分演算部221は合焦評価領域FR1に含まれる全て
の画素が注目画素として選択されるまで演算を行い、累
積加算部222は合焦評価領域FR1に含まれる各画素
が注目画素として選択されたときに求められる差分絶対
値を順次累積加算していき、最終的に合焦評価領域FR
1についてのコントラスト値Cを求める。
【0035】なお、コントラスト演算部22においてコ
ントラスト値Cを求める際には、画像メモリ14から得
られるR,G,Bの各色成分の画素データに基づいて演
算を行うようにしてもよいし、また、R,G,Bの各色
成分の画素データから一旦輝度データを生成し、その輝
度データに基づいて演算を行うようにしてもよい。
【0036】この第1実施形態においては、上記のよう
な構成を備えるデジタルカメラ1が、コントラスト値お
よびエッジ情報に基づいて撮影レンズのフォーカス制御
を行う場合について説明する。具体的には、デジタルカ
メラ1は、フォーカシングレンズ12が駆動されるごと
にオートフォーカス制御部20において合焦評価領域の
画像成分から画像のコントラストを評価するだけでな
く、フォーカシングレンズ12が合焦位置の近傍にある
か否かをその画像のエッジ成分に基づいて判断する。
【0037】さらに、高輝度側の輝度が所定の閾値TH
3(図6)以上の値を有するエッジは、有効なエッジ成
分とはみなされずに、無効なエッジ(「無効エッジ」)
としてエッジ情報から除外される。そして、デジタルカ
メラ1は、このような基準で無効エッジが除外され、有
効であると認定されたエッジ成分で構成されるエッジ情
報に基づいて、フォーカシングレンズ12が合焦位置近
傍に存在するか否かを判断する。デジタルカメラ1は、
フォーカシングレンズ12が合焦位置近傍にないと判断
する場合には、コントラストがピークを示す場合であっ
てもそのピーク位置を合焦位置として採用しない。これ
によって、スミア等がオートフォーカスに与える悪影響
を低減することが可能になる。
【0038】図4は、フォーカシングレンズ12のレン
ズ位置を遠側から近側に移動させた場合に、各レンズ位
置において撮影される画像からコントラスト演算部22
がコントラスト値Cを求めた場合のコントラスト値Cの
変化を示す図である。図4に示すように、コントラスト
値Cは合焦評価領域FR1の画像成分が合焦状態となる
ときに最大値を示す。このため、図4に示すコントラス
トの変化曲線においては、レンズ位置PAが合焦位置と
なる。
【0039】また、図4に示すように、レンズ位置PB
において、コントラスト値Cの疑似ピークが発生してい
る状況が示されている。この疑似ピークは、上述したよ
うに、スミアに起因して高輝度のライン(白い縦線)と
その隣接部分とに存在するエッジ部分を高コントラスト
部分として検出することによって誤まって認識されるも
のである。このような状況は、たとえば、オートフォー
カス動作中に、フラッシュ光あるいは電灯光等の高輝度
被写体を画面内に瞬間的に捕捉してしまったときなどに
発生する。
【0040】このような状況下において、コントラスト
値Cのみを用いて判断する場合には、そのような疑似ピ
ークに対応する位置を合焦位置として誤って判断してし
まう可能性がある。この第1実施形態においては、その
ような事態を回避するため、コントラスト値Cに加え
て、エッジ成分をも考慮してオートフォーカス制御を行
う。また、上述したように、高輝度側の輝度が所定の閾
値TH3より小さな値を有するエッジは、エッジ成分と
はみなされずにエッジ情報から除外されるので、高輝度
物体の影響が抑制されて誤検出が防止される。
【0041】図5はエッジ演算部23の構成を示すブロ
ック図である。エッジ演算部23は合焦評価領域FR1
の画像成分について水平方向に隣接画素間での差分値を
求めることによってエッジ成分が存在するか否かを判定
し、エッジ成分が存在する場合にはそのエッジ数EN及
びエッジ幅重心値EWを求めるように構成される。この
ため、エッジ演算部23は、差分演算部231、エッジ
幅検出部232、エッジ数カウント部233、ヒストグ
ラム作成部234、及びエッジ幅重心値演算部235を
備える。ただし、エッジ演算部23は、有効なエッジ成
分のみを対象にして、そのエッジ数EN及びエッジ幅重
心値EWを求める。
【0042】図6はエッジ演算部23における演算処理
の概念を示す図である。なお、図6において画素X1〜
X9は合焦評価領域FR1において水平方向に連続して
配置される画素を示している。
【0043】差分演算部231は水平方向に隣接する画
素の各色成分の画素データを入力すると、その画素に対
応する輝度値を求め、その直前の画素の輝度値との差分
値を求める。例えば、図6において差分演算部231が
画素X2についての各色成分の画素データを入力する
と、画素X2の輝度値を求め、画素X1の輝度値と画素
X2の輝度値との差分値(X2−X1)を求める。
【0044】このときの差分演算は、例えば、注目画素
の輝度値からその直前の画素の輝度値を減算するという
演算が行われ、演算結果となる差分値の符号が正であれ
ば右肩上がりのエッジ成分が検出され、負であれば右肩
下がりのエッジ成分が検出されることになる。ただし、
この実施の形態では最終的にエッジ数ENとエッジ幅重
心値EWとを求めればよく、各エッジ成分が右肩上がり
か右肩下がりかを厳密に区別する必要はない。
【0045】そして差分演算部231は画素X3につい
ての画素データを入力すると、その輝度値を求めて、画
素X3の輝度値と画素X2の輝度値との差分値を求め
る。以後、差分演算部231は、水平方向に分布する画
素X4,X5,X6,…の画素データを順次入力する都
度、輝度値の算出演算を行うとともに、その画素の輝度
値とその直前の画素の輝度値との差分演算処理を行う。
【0046】差分演算部231で算出される差分値はエ
ッジ幅検出部232に与えられる。エッジ幅検出部23
2には、第1の閾値TH1と第2の閾値TH2と第3の
閾値TH3とが予め設定されている。
【0047】第1の閾値TH1は隣接画素間での差分値
がエッジ成分を構成するか否かを判断するための閾値で
あり、第2の閾値TH2はそのエッジ成分が十分な強度
を有しているか否かを判断するための閾値である。
【0048】また、第3の閾値TH3は、エッジの高輝
度側の輝度が高すぎないか否かを判定するための閾値で
ある。スミアに起因する縦線とその隣接部分との境界の
エッジにおいては、高輝度側の輝度が閾値TH3(たと
えば最大値の90%〜95%程度)以上の値となるとい
う性質がある。そこで、この性質を利用して、高輝度側
の輝度がこの閾値TH3よりも小さな値のエッジのみを
エッジ成分として判定し、高輝度側の輝度がこの閾値T
H3以上の値のエッジについてはエッジ成分とみなさず
にエッジ情報から除外する。これにより、高輝度被写体
以外のエッジ成分を考慮してオートフォーカス動作を行
うことが可能になるので、オートフォーカス動作に対す
る高輝度被写体の影響を抑制すること、すなわち誤検出
を防止することができる。
【0049】エッジ幅検出部232は、差分演算部23
1から輝度値の差分値が得られると、その差分値と閾値
TH1とを比較する。この結果、差分値が閾値TH1以
上であれば、その画素はエッジ成分を構成するものとし
てエッジ幅カウント値を1だけ増加させる。例えば、図
6に示す画素X4と画素X3との差分値を入力した場
合、その差分値は閾値TH1を超えているため、エッジ
幅検出部232はエッジ幅カウント値を1だけ増加させ
る。以後同様の処理を繰り返し、画素X5と画素X4と
の差分値、画素X6と画素X5との差分値、及び、画素
X7と画素X6との差分値のそれぞれは、閾値TH1を
超えているため、エッジ幅検出部232はそれぞれの判
定処理においてエッジ幅カウント値を1だけ増加させる
ことになる。
【0050】そして、画素X8と画素X7との差分値が
得られると、その差分値は閾値TH1よりも小さいた
め、エッジ成分の終端部であることを認識し、それまで
エッジ幅カウント値を増加させてきた、差分値の総和と
第2の閾値TH2とを比較する。図6の場合は、画素X
7と画素X3との輝度値の差分値が閾値TH2以上であ
るため、十分な強度を有するエッジ成分であることが検
出される。そして、エッジ幅検出部232はそれまでカ
ウントされたエッジ幅カウント値をそのエッジ成分のエ
ッジ幅として特定する。このように隣接画素間の差分値
が閾値TH1よりも小さくなった場合であってエッジ幅
カウント値が1以上である場合には、エッジ成分が検出
されていることとなり、そのエッジ成分の強度が所定の
強度(閾値TH2)以上であれば、そのエッジ成分を有
効なエッジ成分としてとりあえず認識する。
【0051】一方、隣接画素間の差分値が閾値TH1よ
りも小さくなった場合であってエッジ幅カウント値が1
以上である場合であっても、そのエッジ成分の強度が所
定の強度(閾値TH2)未満であるときには、エッジ幅
検出部232は、そのエッジ成分を有効なエッジ成分で
はないものと認定する。
【0052】なお、隣接画素間の差分値が閾値TH1よ
りも小さい場合であってもエッジ幅カウント値が0であ
れば、エッジ成分が有効であるか否かの判断は行う必要
がなく、順次に入力する差分値が閾値TH1以上である
か否かの判定を進めていけばよい。
【0053】また、エッジ幅カウント値が1以上であ
り、かつ、そのエッジ成分の強度が所定の強度(閾値T
H2)以上を有する場合には、さらに、その高輝度側の
平坦部の輝度を所定の閾値TH3と比較する。そして、
エッジの高輝度側の輝度(図6では画素X9の輝度)が
閾値TH3よりも小さな値であるときには、そのエッジ
を有効なエッジ成分として最終的に認定する。一方、エ
ッジの高輝度側の輝度がこの閾値TH3以上の値を有す
るときには、そのエッジを有効なエッジ成分とはみなさ
ずにエッジ情報から除外する。
【0054】図6の例の場合は、画素X4と画素X3と
の差分値が得られたときにはじめてエッジ幅カウント値
が1となり、その後順次エッジ幅カウント値が増加して
いき、最終的に画素X8と画素X7との差分値が得られ
てエッジ成分の終端部が認識されたときにはエッジ幅カ
ウント値は4となっている。そして、画素X3〜X7に
よって構成されるエッジ成分が閾値TH2を超えている
ため、該エッジ成分は一応有効なものとして認識される
ことになる。さらに、エッジの高輝度側における平坦部
の画素X9の輝度が閾値TH3より小さいことが判定さ
れ、エッジ成分としての有効性が確認され、有効なエッ
ジ成分として最終的に認定される。なお、エッジの高輝
度側における平坦部の画素X9の輝度が閾値TH3以上
であると判定されるときには、エッジ成分としての有効
性が否定される。
【0055】そして、エッジ幅検出部232において有
効なエッジ成分が検出された場合には、その検出された
エッジ成分のエッジ幅カウント値がヒストグラム作成部
234に与えられるとともに、エッジ数カウント部23
3にエッジ数のカウント指示が与えられる。
【0056】エッジ幅検出部232はヒストグラム作成
部234に対してエッジ幅カウント値を与えると、エッ
ジ幅カウント値を0にリセットし、それ以後に入力する
差分値に基づいてエッジ幅検出処理を繰り返すことで、
合焦評価領域FR1の画像成分全体について有効なエッ
ジ成分の検出を行う。
【0057】エッジ数カウント部233は、予めエッジ
数カウント値を0に初期化しており、エッジ幅検出部2
32からエッジ数のカウント指示が与えられる度に、エ
ッジ数カウント値を1だけ増加させていく。これによ
り、合焦評価領域FR1の画像成分に含まれる有効なエ
ッジ成分を計数していくことが可能になり、最終的にエ
ッジ数ENが出力される。
【0058】図7はフォーカシングレンズ12の各レン
ズ位置において得られる画像からエッジ数ENを求めた
場合のレンズ位置とエッジ数との関係を示す図である。
図7に示すように、合焦評価領域FR1に含まれる画像
成分が合焦状態にあるときには鮮鋭な画像が得られるた
め、エッジ数は最大値を示す。このため、レンズ位置P
Aが合焦位置となる。また、合焦評価領域FR1に含ま
れる画像成分が合焦状態から遠ざかるにつれて画像の鮮
鋭度は低下し、ある程度ぼけた状態となると、合焦評価
領域FR1の画像成分からは有効なエッジ成分は検出さ
れなくなる。このため、ノイズの影響がないものとする
と、フォーカシングレンズ12がレンズ位置PC〜PD
の範囲内の位置にあるときにはエッジ数ENは0以外の
値を示すが、レンズ位置PC〜PDの範囲外の位置にあ
るときにはエッジ数ENは0となる。
【0059】また、ノイズの影響をある程度考慮したと
しても、合焦評価領域FR1の画像成分が合焦状態に近
い状態にあるときには、エッジ数ENは閾値N1以上の
値をとり、合焦状態に近い状態にないときには、エッジ
数ENは閾値N1未満の値をとることが多いと考えられ
る。
【0060】したがって、エッジ数カウント部233に
おいてカウントされるエッジ数ENの値を参照すれば、
フォーカシングレンズ12があるレンズ位置にあるとき
に、合焦評価領域FR1の画像成分が合焦状態に近い状
態にあるか否かを判断することが可能になる。
【0061】また、ヒストグラム作成部234は、エッ
ジ幅検出部232から得られるエッジ幅カウント値に基
づいて、合焦評価領域FR1に含まれるエッジ成分のヒ
ストグラムを作成する。
【0062】図8はエッジ成分のヒストグラムを示す図
である。なお、図8において分布曲線H1は合焦評価領
域FR1の画像成分が合焦状態に近い状態にあるときを
示しており、また、分布曲線H2は合焦評価領域FR1
の画像成分が合焦状態に近い状態にないときを示してい
る。
【0063】図8に示すように、ヒストグラム作成部2
34は、エッジ幅検出部232から得られるエッジ幅カ
ウント値に基づいて、フォーカシングレンズ12がある
レンズ位置にあるときの画像成分からエッジ幅に関する
ヒストグラムを作成すると、エッジ幅の分布状態は画像
成分の合焦状態に応じた分布を示す。つまり、合焦評価
領域FR1の画像成分が合焦状態に近い状態にあるとき
には、画像の鮮鋭度が増すのでエッジ幅は全体的に小さ
くなり、エッジ幅の分布状態もエッジ幅の比較的小さい
領域に分布することになる。これに対して、合焦評価領
域FR1の画像成分が合焦状態から遠ざかるにつれて画
像の鮮鋭度は低下し、エッジ幅の分布状態はエッジ幅の
比較的大きな領域に分布するように移行する。そして、
ある程度ぼけた状態となると、合焦評価領域FR1の画
像成分からは有効なエッジ成分は検出されなくなるた
め、エッジ幅分布曲線は全く得られなくなる。
【0064】ヒストグラム作成部234においてエッジ
成分のヒストグラムが作成されると、エッジ幅重心値演
算部235が機能し、そのヒストグラムからエッジ幅重
心値EWが求められる。エッジ幅重心値演算部235
は、エッジ成分のヒストグラム分布に基づいて加重平均
演算を行うことにより、エッジ幅の平均値を求め、その
結果得られる値をエッジ幅重心値EWとする。
【0065】例えば、図8の分布曲線H2に示すヒスト
グラム分布の場合、エッジ幅重心値演算部235は加重
平均演算を行うことによってエッジ幅重心値EW2を求
める。また、図8の分布曲線H1に示すヒストグラム分
布の場合、エッジ幅重心値演算部235は加重平均演算
を行うことによってエッジ幅重心値EW1を求める。
【0066】なお、エッジ幅重心値EW1は、画像成分
が合焦状態に近づくにつれて次第に小さくなり、ある値
に収束していくこととなる。
【0067】図9は、フォーカシングレンズ12の各レ
ンズ位置において得られる画像からエッジ幅重心値EW
を求めた場合のレンズ位置とエッジ幅重心値との関係を
示す図である。図9に示すように、合焦評価領域FR1
に含まれる画像成分が合焦状態にあるときには鮮鋭な画
像が得られるため、エッジ幅重心値は極小値を示す。こ
のため、フォーカシングレンズ12がレンズ位置PAが
合焦位置となる。また、合焦評価領域FR1に含まれる
画像成分が合焦状態から遠ざかるにつれて画像の鮮鋭度
は低下するのでエッジ幅重心値EWは増加し、ある程度
ぼけた状態となると、合焦評価領域FR1の画像成分か
らは有効なエッジ成分は検出されなくなる。つまり、エ
ッジ幅重心値EWとレンズ位置との関係をみると、図9
に示すようにエッジ幅重心値EWはM字型特性を示す。
【0068】このため、ノイズの影響がないものとする
と、フォーカシングレンズ12がレンズ位置PE〜PF
の範囲内の位置にあるときにはエッジ幅重心値EWは0
以外の値を示すが、レンズ位置PE〜PFの範囲外の位
置にあるときにはエッジ幅重心値EWは0となる。な
お、レンズ位置PEは図7に示したレンズ位置PCにほ
ぼ一致し、レンズ位置PFは図7に示したレンズ位置P
Dにほぼ一致する。
【0069】また、ノイズの影響をある程度考慮したと
しても、合焦評価領域FR1の画像成分が合焦状態に近
い状態にあるときには、エッジ幅重心値EWは閾値W1
以上かつ閾値W2未満の値をとり、合焦状態に近い状態
にないときには、エッジ幅重心値EWは閾値W1未満又
は閾値W2以上の値をとることが多いと考えられる。
【0070】したがって、エッジ幅重心値演算部235
において求められるエッジ幅重心値EWの値を参照すれ
ば、フォーカシングレンズ12があるレンズ位置にある
ときに、合焦評価領域FR1の画像成分が合焦状態に近
い状態にあるか否かを判断することが可能になる。
【0071】合焦制御部24は、エッジ演算部23から
得られるエッジ数EN及びエッジ幅重心値EWに基づい
て合焦評価領域FR1の合焦状態を評価し、コントラス
ト演算部22から得られるコントラスト値Cに基づいて
合焦制御を行うように構成される。
【0072】合焦制御部24は撮影レンズ11に含まれ
るフォーカシングレンズ12を段階的に駆動させ、ある
レンズ位置における画像から導かれるエッジ数ENが所
定値(図7に示す閾値N1)以上の値を示し、かつ、そ
のときのエッジ幅重心値EWが所定範囲(図9に示す閾
値W1以上かつ閾値W2未満)内の値を示す場合には、
そのレンズ位置が合焦位置PAに近い位置にあると判断
する。そしてその場合は、コントラスト値Cが増加する
ようにレンズ駆動方向を特定し、その方向にフォーカシ
ングレンズ12を駆動させつつコントラスト値Cに基づ
く合焦評価を行う。
【0073】つまり、合焦制御部24は、エッジ数EN
が所定値(図7に示す閾値N1)以上の値を示し、か
つ、そのときのエッジ幅重心値EWが所定範囲(図9に
示す閾値W1以上かつ閾値W2未満)内の値を示す場合
を合焦位置近傍判定条件として合焦位置近傍判定を行う
のである。
【0074】そして合焦位置近傍判定によってレンズ位
置が合焦位置PAに近い位置にないと判断した場合に
は、コントラスト値Cが増加するようなレンズ駆動方向
を特定してその方向にフォーカシングレンズ12を高速
駆動する。この高速駆動によって、効率的に合焦位置近
傍にフォーカシングレンズ12を移動させることがで
き、効率的にオートフォーカス制御を行って合焦評価領
域FR1の画像成分を迅速に合焦状態に導くことが可能
になる。
【0075】ここで合焦制御部24がエッジ成分の評価
を行う際にエッジ数EN及びエッジ幅重心値EWの双方
を評価対象としている理由について説明する。一般に、
画像のエッジ成分は画像の高周波成分であることからノ
イズの影響を受けやすいという性質を有している。その
ため、この実施の形態では、エッジ成分に関する異なる
指標値としてエッジ数EN及びエッジ幅重心値EWを用
いることにより、ノイズの影響を低減して、より信頼性
の高い合焦位置近傍判定を行うように実現しているので
ある。
【0076】ただし、エッジ数EN及びエッジ幅重心値
EWのうち、エッジ数ENのみに基づいて合焦位置近傍
判定を行うようにしてもよい。その場合は、エッジ数E
Nが所定値(図7に示す閾値N1)以上の値を示すこと
が合焦位置近傍判定条件となる。なお、エッジ幅重心値
EWはエッジ数ENに比べて合焦位置近傍でノイズの影
響を受けやすくなるので、エッジ数EN及びエッジ幅重
心値EWのうちの一方を評価対象とする場合には、エッ
ジ数ENを評価対象とすることが好ましい。
【0077】上記のような構成により、合焦評価領域抽
出部21はフォーカシングレンズ12があるレンズ位置
にあるときの画像信号から合焦評価領域の画像成分を抽
出し、そしてコントラスト演算部22はその画像成分に
基づいてコントラスト値Cを求めて、合焦制御部24に
与えることができる。また、エッジ演算部23はその画
像成分に基づいてエッジ数EN及びエッジ幅重心値EW
を求め、合焦制御部24に与えることができる。そして
合焦制御部24は、エッジ演算部23から得られるエッ
ジ数EN及びエッジ幅重心値EWに基づいてフォーカシ
ングレンズ12が合焦位置近傍に位置するか否かを判断
し、合焦位置近傍に位置しないと判断される場合にはコ
ントラスト値Cがピークを示していてもそのレンズ位置
を合焦位置として採用しないように実現される。
【0078】この結果、疑似ピークを示すレンズ位置が
合焦位置として誤検知されることを良好に防止すること
が可能になる。これは、デフォーカス量が大きい場合に
はエッジ成分が検出されない、という性質を利用するも
のである。より具体的には、デフォーカス量が大きい場
合には、エッジ数ENおよびエッジ幅重心値EWが、そ
れぞれ、ゼロないし非常に小さな値となるため、合焦位
置近傍に位置すると判断するための条件が満たされなく
なるのである。
【0079】また、この第1実施形態においては、各エ
ッジに関して、その高輝度側の輝度が閾値TH3と比較
され、その輝度が閾値TH3よりも小さな値のエッジの
みが有効なエッジ成分として認定され、その輝度が閾値
TH3以上の値のエッジは有効なエッジ成分とはみなさ
れずにエッジ情報から除外される。したがって、このよ
うに高輝度のエッジを除外したエッジ成分に関するエッ
ジ情報に基づいてオートフォーカス制御を行うことによ
って、スミアに起因する合焦位置の誤検出を抑制するこ
とが可能である。
【0080】<A2.動作>次に、上記のような構成の
デジタルカメラ1においてオートフォーカス制御を行う
際の処理シーケンスについて説明する。図10〜図14
はオートフォーカス制御の処理シーケンスを示すフロー
チャートである。
【0081】まず、シャッタボタンが半押し状態にされ
てオートフォーカス制御が開始されると、オートフォー
カス制御部20はカウント値m,nを0に初期化する
(ステップS100)。オートフォーカス制御部20
は、撮影レンズ11に含まれるフォーカシングレンズ1
2をレンズ初期位置に移動させ、そのレンズ初期位置に
おいてCCD撮像素子13から得られる画像からコント
ラスト値を求める。
【0082】そして合焦制御部24は撮影レンズ11に
含まれるフォーカシングレンズ12をレンズ初期位置か
ら近側に12Fδ分の方向判定駆動を行う(ステップS
101)。ここで、Fは撮影レンズ11のFナンバであ
り、δはいわゆる許容錯乱円であり、デジタルカメラ1
の場合はCCD撮像素子13の1〜2画素間のピッチに
相当する。そしてオートフォーカス制御部20は、その
レンズ位置においてCCD撮像素子13から得られる画
像からコントラスト値を求める。
【0083】なお、ステップS100及びS101にお
いてコントラスト値を求める際には、オートフォーカス
制御部20においてコントラスト演算部22が機能する
ことになる。また、方向判定駆動量は12Fδ分に限る
ものではない。
【0084】次に、オートフォーカス制御部20におい
て合焦制御部24が機能し、レンズ初期位置におけるコ
ントラスト値と12Fδ駆動後のレンズ位置におけるコ
ントラスト値とを比較してフォーカシングレンズ12の
レンズ駆動方向を決定する(ステップS102)。すな
わち、レンズ初期位置におけるコントラスト値と12F
δ駆動後のレンズ位置におけるコントラスト値とのうち
のコントラスト値が大きくなる方向にフォーカシングレ
ンズ12の合焦位置が存在するものと推定し、コントラ
スト値が大きくなる方向をレンズ駆動方向として決定す
る。
【0085】続いて、オートフォーカス制御部20はレ
ンズ駆動形態を決定する(ステップS103〜S10
5)。レンズ駆動形態には、フォーカシングレンズ12
の合焦位置を検出するためにフォーカシングレンズ12
を微小駆動させる駆動形態と、フォーカシングレンズ1
2を粗いピッチで高速駆動することによってフォーカシ
ングレンズ12を合焦位置近傍に移動させる駆動形態と
がある。
【0086】オートフォーカス制御部20においてはエ
ッジ演算部23が機能し、その時点で得られる画像に基
づいてエッジ数EN及びエッジ幅重心値EWを算出する
(ステップS103)。そして合焦制御部24がエッジ
数EN及びエッジ幅重心値EWを評価し(ステップS1
04)、フォーカシングレンズ12が合焦位置近傍に位
置するか否かを判断する(ステップS105)。ここで
の判断は、ステップS103で算出されたエッジ数EN
及びエッジ幅重心値EWが上述の合焦位置近傍判定条件
を満足するか否かを判断することによって行われ、合焦
位置近傍判定条件が満たされている場合には、フォーカ
シングレンズ12の合焦位置を検出するために図11の
フローチャートのステップS107に進み、満たされて
いない場合にはフォーカシングレンズ12を合焦位置近
傍に移動させるためにステップS106に進んで高速駆
動シーケンスに移行する。
【0087】ここで高速駆動シーケンス(ステップS1
06)について説明する。高速駆動シーケンスの詳細な
処理手順は図13のフローチャートである。
【0088】まず、合焦制御部24はレンズ駆動方向に
対してフォーカシングレンズ12を高速駆動するための
残り駆動量が十分にあるかどうかを判定し(ステップS
200)、十分な残り駆動量が存在する場合にはステッ
プS202に進み、十分な残り駆動量が存在しない場合
にはステップS201に進んでレンズ駆動方向を反転さ
せる。この実施の形態では、高速駆動を行う際の駆動量
として駆動ピッチが20Fδに設定されるため、ステッ
プS200における判断では、フォーカシングレンズ1
2の残り駆動量が20Fδ以上存在するか否かを確認す
る処理となる。そして20Fδ以上の残り駆動量が存在
しない場合には、ステップS201においてレンズ駆動
方向を反転させてステップS202に進む。
【0089】そして合焦制御部24は決定されたレンズ
駆動方向にフォーカシングレンズ12を駆動ピッチ=2
0Fδで高速駆動する(ステップS202)。これによ
り、合焦位置近傍にないフォーカシングレンズ12が微
小ピッチ(例えば4Fδ)で駆動されて合焦位置を検出
するまでに長時間を要することを回避することができ、
オートフォーカス制御の効率化を図ることが可能にな
る。
【0090】オートフォーカス制御部20においてはコ
ントラスト演算部22が機能し、高速駆動後のレンズ位
置において得られる画像からコントラスト値を求める演
算を行う(ステップS203)。そして、このとき得ら
れたコントラスト値が前回求められたコントラスト値よ
りも小さいか否かの判定を行う(ステップS204)。
この判定によって、高速駆動によってフォーカシングレ
ンズ12が合焦位置を超えたかどうかを判定することが
できる。そしてフォーカシングレンズ12が合焦位置を
未だ超えていないと判断された場合は、ステップS20
9に進む。
【0091】一方、合焦位置を超えたと判断された場合
はステップS205に進んで、エッジ演算部23が機能
し、高速駆動後のレンズ位置において得られる画像から
エッジ数EN及びエッジ幅重心値EWを求める演算を行
う(ステップS205)。そしてこのとき得られたエッ
ジ数ENが所定の閾値N1以上か否かを判定し(ステッ
プS206)、エッジ数ENが所定の閾値N1以上であ
る場合にはさらにエッジ幅重心値EWが所定範囲内(W
1≦EW≦W2)であるか否かを判定する(ステップS
207)。
【0092】ステップS206においてエッジ数ENが
所定の閾値N1以上であると判断され、かつ、ステップ
S207においてエッジ幅重心値EWが所定範囲内(W
1≦EW≦W2)にあると判断される場合は、エッジ成
分による合焦位置近傍判定条件が満たされていることに
なるので、合焦制御部24はフォーカシングレンズ12
が合焦位置近傍に位置していると認識することになる。
【0093】これに対してステップS206又はステッ
プS207のいずれかで合焦位置近傍判定条件が満たさ
れていないと判断された場合は、ステップS208に進
む。
【0094】ステップS208において合焦制御部24
は、フォーカシングレンズ12の移動可能範囲内の全域
についてフォーカシングレンズ12を高速駆動したか、
すなわち全域スキャンを終了したかを判断する。
【0095】そしてフォーカシングレンズ12を高速駆
動するための可動範囲が未だ残されている場合には、ス
テップS202に戻って、フォーカシングレンズ12を
駆動ピッチ=20Fδで高速駆動し、ステップS203
〜S207の処理を繰り返す。
【0096】これに対し、現在のレンズ駆動方向に対し
て高速駆動するための可動領域が残されていない場合に
は、ステップS209に進み、合焦制御部24はそれま
でに得られたコントラスト値のうちから最大値を決定
し、その最大値を示すレンズ位置近傍へフォーカシング
レンズ12を駆動させる。
【0097】デジタルカメラ1で被写体を撮影する場
合、被写体の種類によってはエッジ成分を良好に抽出す
ることが出来ない場合もある。そのため、エッジ数EN
及びエッジ幅重心値EWが合焦位置近傍判定条件を満た
さない場合に、オートフォーカス制御が不可能であると
するよりも、コントラスト値に基づいてオートフォーカ
ス制御を行う方が好ましいと考えられる。そのため、こ
の実施の形態では、フォーカシングレンズ12を全域ス
キャンさせても合焦位置近傍判定条件を満足するような
合焦位置近傍のレンズ位置を特定することができなかっ
た場合に、ステップS209においてコントラスト値が
最大値を示すレンズ位置近傍にフォーカシングレンズ1
2を駆動することで、エッジ成分を良好に抽出すること
ができないような被写体を撮影する場合にも、合焦位置
近傍にフォーカシングレンズ12を移動させてオートフ
ォーカス制御を行うことができるように構成している。
【0098】以上のような処理が終了すると、高速駆動
シーケンスの処理は終了する。
【0099】続いて図11のフローチャートに進み、ス
テップS107において、カウント値mを1増加させ
る。このカウント値mは合焦位置近傍とされる現在のレ
ンズ位置の近辺を微小ピッチでフォーカシングレンズ1
2の駆動を行う際の駆動回数をカウントするための値で
ある。カウント値mで駆動回数のカウントを行うことに
より、微小ピッチでのレンズ駆動を所定回数行っても合
焦位置を特定することができない場合には、再び高速駆
動シーケンスを行うように構成される。
【0100】そしてステップS108に進み、コントラ
スト値に基づく合焦評価が行われる。この合焦評価処理
の詳細な処理手順は図14のフローチャートである。
【0101】まず、合焦制御部24は所定の微小ピッチ
p(例えばp=4Fδ)でフォーカシングレンズ12を
コントラスト値が大きくなる方向に駆動させる(ステッ
プS300)。そしてオートフォーカス制御部20にお
いてコントラスト演算部22が機能し、その移動後のレ
ンズ位置においてCCD撮像素子13から得られる画像
からコントラスト値を求める(ステップS301)。
【0102】ステップS302に進み、合焦制御部24
はコントラスト値の評価を行い、コントラスト値がピー
クを示すレンズ位置(合焦位置)を特定することが可能
かどうかを判断する。例えば、今回算出されたコントラ
スト値が前回値に比べて大きくなっている場合には、未
だピーク位置は検知されておらず、合焦位置を特定する
ことができない。このため、コントラスト値が増加する
レンズ駆動方向に対して微小ピッチ(p=4Fδ)での
レンズ駆動とコントラスト値の演算処理とを繰り返すこ
とになる。それに対して今回算出されたコントラスト値
が前回値よりも小さくなった場合には、前回のコントラ
スト値がピーク位置として検知されることになる。
【0103】図11のフローチャートに戻り、ステップ
S109に進む。そして合焦制御部24は合焦位置を特
定することができたか否かを判断する。ここでの判断は
コントラスト値がピークを示すレンズ位置を特定するこ
とができたか否かを判断することによって行われる。
【0104】そして、コントラストのピーク位置が検出
された場合はステップS111に進んで、特定された合
焦位置へ撮影レンズ11のフォーカシングレンズ12を
駆動する。なお、このとき必要に応じてコントラスト値
の補間処理を行ってコントラスト値が最大値を示すレン
ズ位置を求め、そのレンズ位置を合焦位置として特定す
るようにしてもよい。
【0105】一方、コントラストのピーク位置が検出さ
れていない場合はステップS110に進み、合焦制御部
24はカウント値mが10に達したか否かを判断する。
ここで、m=10でない場合はステップS107に戻っ
て、カウント値mを1増加させ、微小ピッチのレンズ駆
動とコントラスト値の演算処理とを行う。このため、微
小ピッチp=4Fδでのレンズ駆動回数が10回を経過
するまでに合焦位置を特定することができた場合には、
ステップS111においてフォーカシングレンズ12が
合焦位置に駆動され、合焦評価領域FR1の画像成分が
合焦状態となる。これに対し、微小ピッチp=4Fδで
のレンズ駆動回数が10回を経過しても合焦位置を特定
することができなかった場合には、ステップS110で
YESと判断され、高速駆動シーケンス(ステップS1
12)へと進むことになる。
【0106】ステップS112の高速駆動シーケンスの
詳細については、上述した図13のフローチャートと同
様である。したがって、ステップS112では再び高速
駆動シーケンスを実行することにより、再び合焦位置近
傍にフォーカシングレンズ12を移動させることにな
る。
【0107】なお、ステップS105において合焦位置
近傍であると判断されていた場合(YESと判断されて
いた場合)は、ステップS112の処理が最初の高速駆
動シーケンスとなる。
【0108】そしてステップS113に進み、合焦制御
部24は、カウント値nを1増加させる。このカウント
値nは高速駆動シーケンス(ステップS112)によっ
て合焦位置近傍とされる現在のレンズ位置の近辺を微小
ピッチでフォーカシングレンズ12の駆動を行う際の駆
動回数をカウントするための値である。カウント値nで
駆動回数のカウントを行うことにより、微小ピッチでの
レンズ駆動を所定回数行っても合焦位置を特定すること
ができない場合には、被写体自体のコントラストが低い
ものとして特定のレンズ位置にフォーカシングレンズ1
2を駆動するように構成される。
【0109】そしてステップS114に進み、コントラ
スト値に基づく合焦評価が行われる。この合焦評価処理
の詳細な処理手順も上述した図14のフローチャートで
ある。したがって、ステップS114においては、微小
ピッチp(p=4Fδ)でのレンズ駆動を行い、そのレ
ンズ位置でのコントラスト値に基づいて合焦状態の評価
が行われる。
【0110】そしてステップS115(図12のフロー
チャート)に進み、合焦制御部24は合焦位置を特定す
ることができたか否かを判断する。ここでの判断は、ス
テップS109と同様に、コントラスト値がピークを示
すレンズ位置を特定することができたか否かを判断する
ことによって行われる。
【0111】そして、コントラストのピーク位置が検出
された場合はステップS116に進んで、特定された合
焦位置へ撮影レンズ11のフォーカシングレンズ12を
駆動する。なお、このときも必要に応じてコントラスト
値の補間処理を行ってコントラスト値が最大値を示すレ
ンズ位置を求め、そのレンズ位置を合焦位置として特定
するようにしてもよい。
【0112】一方、コントラストのピーク位置が検出さ
れていない場合はステップS117に進み、合焦制御部
24はカウント値nが10に達したか否かを判断する。
ここで、n=10でない場合はステップS113(図1
1)に戻って、カウント値nを1増加させ、微小ピッチ
のレンズ駆動とコントラスト値の演算処理とを行う。こ
のため、微小ピッチp=4Fδでのレンズ駆動回数が1
0回を経過するまでに合焦位置を特定することができた
場合には、ステップS116においてフォーカシングレ
ンズ12が合焦位置に駆動され、合焦評価領域FR1の
画像成分が合焦状態となる。これに対し、微小ピッチp
=4Fδでのレンズ駆動回数が10回を経過しても合焦
位置を特定することができなかった場合には、ステップ
S117でYESと判断されてステップS118に進む
ことになる。
【0113】ステップS118の処理が行われるのは、
被写体自体がローコントラストであり、コントラスト値
のピークを検知することができない場合である。そのた
め、ステップS118においては、特定のレンズ位置へ
フォーカシングレンズ12を駆動する。なお、特定のレ
ンズ位置としては、例えばオートフォーカス制御を開始
する前のレンズ位置や、無限遠方に被写体が存在するも
のと仮定して最も遠側のレンズ位置等とすることが考え
られる。
【0114】以上で、この実施の形態におけるオートフ
ォーカス制御が終了する。上記のオートフォーカス制御
では、高輝度側の輝度が所定の閾値以上の値を有するエ
ッジを有効なエッジ成分ではないとしてエッジ情報から
除外した上で、エッジ成分に関するエッジ情報とコント
ラスト情報とに基づいて撮影レンズのフォーカス制御が
行われるので、スミアに起因する疑似ピークを合焦位置
として判定してしまうような誤判定を低減することがで
きる。より具体的には、エッジ数EN及びエッジ幅重心
値EWを評価してフォーカシングレンズ12が合焦位置
近傍に位置するか否かを判断しているので、コントラス
ト値Cが疑似ピークを示す場合であってもそのような疑
似ピークが存在するレンズ位置付近は合焦位置近傍であ
ると判断される可能性は低い。そのため、この実施の形
態におけるオートフォーカス制御を適用することによっ
て、疑似ピーク位置を合焦位置と誤認識することを防止
することができ、疑似ピークによる影響を解消して被写
体を適切に合焦状態とすることが可能になる。
【0115】また、上記のオートフォーカス制御では、
エッジ数EN及びエッジ幅重心値EWが合焦位置近傍判
定条件を満たさない場合には、合焦位置近傍判定条件が
満たされる場合に比べてフォーカシングレンズ12を高
速で駆動させるように構成されるので、フォーカシング
レンズ12を合焦位置近傍に迅速に移動させることがで
き、オートフォーカス制御の迅速化を達成することがで
きる。
【0116】<B.第2実施形態> <B1.概要>この第2実施形態に係るデジタルカメラ
1は、第1実施形態に係るカメラと同様の構成を有して
いる。ただし、この第2実施形態においては、合焦制御
部24は、コントラスト演算部22によるコントラスト
値C、および輝度検出部25による輝度の検出結果等に
基づいて、そのオートフォーカス動作を制御する。ま
た、エッジの数などに関する演算は行われないので、エ
ッジ演算部23(図1)を設ける必要はない。以下で
は、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0117】この第2実施形態においては、主に夜景撮
影時に利用されるオートフォーカス制御について説明す
る。
【0118】従来技術の欄において図21(a)、
(b)を参照しながら説明したように、夜景撮影時にお
いては、画像内の点光源被写体の影響によって、デフォ
ーカス量が増大しているにもかかわらず(ピンぼけの度
合いが大きくなっているにもかかわらず)、コントラス
ト値が増大することがある。
【0119】なお、同様の事態は、図22(a)、
(b)に示すような状況においても発生することがあ
る。図22(a)は、合焦状態の点光源を含む画像を示
しており、図22(b)は、デフォーカス量が大きくな
る(すなわちピンぼけの度合いが大きくなる)ことによ
って、合焦状態よりも大きくなった点光源(実線の円)
を含む画像を示している。図22(a)においては、コ
ントラスト値の評価対象領域である合焦評価領域FR1
の外部に点光源が存在しているため、点光源の存在がコ
ントラスト値の増大に寄与することはない。これに対し
て、図22(b)においては、点光源の輪郭部分が合焦
評価領域FR1内に存在するため、コントラスト値が増
大する。したがって、図22(a)から図22(b)へ
と変化することに伴って、デフォーカス量が増大するに
もかかわらずコントラスト値Cも増大するという現象が
生じる。
【0120】そして、図21および図22などのような
状況においては、図15に示すように、レンズ位置に応
じたコントラストの変化曲線CLは、本来の合焦位置付
近における真のピークPK1に加えて、疑似的なピーク
PK2をも有することになる。
【0121】図15は、点光源を含む夜景画像を撮影す
る場合における、レンズ位置とコントラストとの関係
(言い換えればコントラストの変化曲線CL)を示す図
である。この図15に示すように、コントラストの変化
曲線CLは、2つのピークPK1,PK2を有してい
る。一方のピークPK1は、主被写体に関する本来の合
焦位置PS1に対応するピーク、すなわち、真のピーク
である。他方のピークPK2は、点光源の存在によって
疑似的に形成されたピーク、すなわち偽のピークであ
る。
【0122】従来のオートフォーカス制御は、コントラ
ストの変化曲線が1つだけの極大値(最大値)を有する
ことを想定していたため、このような疑似的なピークに
対応するレンズ位置を合焦位置であると誤検出してしま
うことがあった。
【0123】この第2実施形態では、このような誤検出
を低減するため、点光源を含む夜景撮影の状況であると
判定される場合には方式MB(後述)のオートフォーカ
ス動作を行う。
【0124】また、点光源を含む夜景撮影の状況ではな
いと判定される場合には、別の方式MAを採用するもの
とする。方式MAは、方式MBよりも高速なオートフォ
ーカス動作が可能であるという利点を有しているため、
さらに効率的なオートフォーカス動作を実現することが
できる。
【0125】このように、この第2実施形態において
は、被写体輝度に応じてオートフォーカス動作を変更す
る場合、より詳細には、被写体輝度に応じて2つの方式
MA,MBのオートフォーカス動作を選択的に利用する
場合が例示される。
【0126】ここで、方式MA,MBは、いずれも、撮
影レンズを所定ピッチで駆動しつつ各レンズ位置におい
てコントラストの検出を行い、コントラストがピークを
示すレンズ位置を撮影レンズの合焦位置として特定する
点で共通している。一方、両方式MA,MBは、次のよ
うな点において相違する。
【0127】まず、方式MAは、局所的な領域で極大値
を求めることによりオートフォーカス制御を行う方式で
ある。具体的には、現在のレンズ位置から撮影レンズを
所定ピッチで駆動しつつ、各レンズ位置においてコント
ラストの検出を行い、コントラストの値が増加傾向から
減少傾向に最初に転じた位置付近の極大値を求め、この
極大値を最大値として算出する。そして、このコントラ
ストの最大値に対応する位置を合焦位置として決定し、
その合焦位置に撮影レンズ(より厳密にはフォーカシン
グレンズ)を移動させる。
【0128】この方式MAにおいては、コントラストの
値が増加傾向から減少傾向に最初に転じた付近の極大値
(最大値)に対応するレンズ位置が、合焦位置として求
められるので、撮影レンズを全ての領域にわたって駆動
する必要がない。そのため、方式MBに比べて高速に合
焦位置にレンズを移動することができる。後述するステ
ップS404(図16)においては、このような方式M
Aのオートフォーカス動作が行われる。
【0129】一方、方式MBは、比較的広い範囲(ここ
ではレンズ駆動領域の全域)のレンズ位置においてコン
トラストの検出動作を行うことにより、本来の合焦位置
を求める方式である。この方式MBは、コントラストの
値が増加傾向から減少傾向に最初に転じた付近に必ずし
も最大値が存在するものとは限らないことを前提にして
いる。
【0130】具体的には、全域スキャンを行って、レン
ズ位置とコントラストとの関係を、比較的広い範囲(こ
こでは全域)のレンズ位置に関して求める。そして、こ
のようにして得られたレンズ位置とコントラストとの関
係に基づいて、真のピークを求めるのである。より具体
的には、図15に示すように、撮影レンズの所定位置P
S3よりも遠い側のレンズ位置領域R1と所定位置PS
3よりも近い側のレンズ位置領域R2との間に優先関係
を設けることによって、真のピークを求める。なお、こ
の明細書では、比較的遠い位置の被写体が合焦状態とな
るレンズ位置を、「比較的遠い側のレンズ位置」である
として表現するものとする。また、逆に、比較的近い位
置の被写体が合焦状態となるレンズ位置を、「比較的近
い側のレンズ位置」であるとして表現するものとする。
【0131】仮に、撮影レンズの現在位置が比較的近い
側の位置PS4(図15)であるときにオートフォーカ
ス動作を方式MAで行うものとすると、位置PS4に近
いピークPK2に対応するピーク位置PS2が合焦位置
として検出される。このピーク位置PS2は、点光源の
影響による疑似ピーク位置である。したがって、この場
合、方式MAを用いると、誤った位置が合焦位置として
決定されることになる。
【0132】そこで、この第2実施形態においては、点
光源を含む夜景を撮影する際には、方式MAではなく、
方式MBのオートフォーカス動作を行うことにより、こ
のような誤判定を回避する。この動作は、ステップSB
(図17)において行われる。この動作については、後
に図17などを参照しながら詳細に説明する。
【0133】<B2.動作>つぎに、図16および図1
7のフローチャートに基づいて、このオートフォーカス
制御動作について詳細に説明する。図16は、全体の流
れを示すフローチャートであり、図17は、一部の処理
(ステップSB)の流れを示すフローチャートである。
【0134】まず、ステップS401においては、撮影
画像が夜景であるか否か(より正確には撮影画像が暗い
画像であるか否か)を判定する。具体的には、輝度値B
vが所定の閾値TH4以下であるという条件を満たすか
否かを判定する。輝度値Bvは、被写体の平均的な明る
さを示す指標値であり、輝度検出部25によって検出さ
れる。また、輝度値Bvは、撮影環境が暗いときには比
較的小さな値になる。ここでは、この条件(すなわち、
輝度値Bvが所定の閾値TH4以下であるという条件)
を満たす場合には、撮影画像が暗い画像であることが判
るので、撮影画像が夜景であるとみなし、ステップS4
02に進む。一方、この条件を満たさない場合には、ス
テップS404に進む。
【0135】ステップS402においては、点光源が画
像内に含まれているか否かを判定する。具体的には、閾
値TH5(たとえば最大値の90%〜95%程度)以上
の階調値を有する画素(「高輝度画素」とも称する)が
所定の閾値TH6(たとえば全画素のうち数%程度の
数)以上存在するという条件、言い換えれば、高輝度画
素の数が閾値TH6以上であるという条件を満たすか否
かを判定する。この条件(すなわち、高輝度画素が所定
程度以上存在するという条件)を満たす場合には、画像
内に点光源が存在するものとみなし、次のステップS4
03に進む。一方、この条件を満たさない場合には、ス
テップS404に進む。
【0136】さらに、ステップS403においては、フ
ラッシュの状態を判定する。具体的には、フラッシュが
オフ状態(フラッシュ発光を伴わない撮影状態)である
という条件を満たすか否かを判定する。一般に、暗い撮
影環境下において、人物などの比較的近い被写体を撮影
するときにはフラッシュがオン状態(フラッシュ発光を
伴う撮影状態)にされ、一方、夜景などの比較的遠い被
写体を撮影するときにはフラッシュがオフ状態(フラッ
シュ発光を伴わない撮影状態)にされる。したがって、
フラッシュの状態をも判定することによって、夜景撮影
の状況であるか否かをより正確に判定することが可能に
なる。そして、この条件(すなわち、フラッシュがオフ
状態であるという条件)を満たす場合には、撮影対象が
夜景であるとみなして、ステップSB(図17、ステッ
プS406)に進む。一方、この条件を満たさない場合
には、ステップS404に進む。
【0137】以上の3つの条件を判断することによっ
て、オートフォーカス動作として、2つの方式MA,M
Bのうちのいずれを選択するかが決定される。言い換え
れば、輝度検出部25によって検出された輝度に応じ
て、オートフォーカス動作が変更されるのである。
【0138】より具体的には、3つの条件のうちいずれ
か1つでも満たされない場合には、ステップS404に
進む。ステップS404においては、局所的な領域で極
大値を求める方式MAによるオートフォーカス動作が行
われる。
【0139】具体的には、上述したように、オートフォ
ーカス制御部20のコントラスト演算部22は、撮影レ
ンズを駆動しつつ各レンズ位置のコントラスト値を求め
る。そして、合焦制御部24は、コントラスト値が増加
傾向から減少傾向に最初に転じた位置付近の極大値を求
め、この極大値を最大値として算出する。そして、合焦
制御部24は、このコントラストの最大値に対応する位
置を合焦位置として決定し、その合焦位置に撮影レンズ
を移動させる。オートフォーカス制御部20は、このよ
うなオートフォーカス動作を行う。
【0140】一方、3つの条件の全てが満たされる場
合、すなわち、撮影画像が夜景(暗い画像)であり、か
つ、点光源が画像内に含まれており、かつ、フラッシュ
を伴わない撮影が行われようとしているものと判定され
る場合には、ステップSB(図17)に進む。ステップ
SBにおいては、フォーカスレンズの駆動範囲全域にわ
たる領域でのコントラストの極大値を求める方式MBに
よるオートフォーカス動作が行われる。
【0141】この動作について図17を参照しながら説
明する。なお、この動作において、各レンズ位置のコン
トラスト値は、コントラスト演算部22によって求めら
れ、下記の各制御動作は、合焦制御部24によって実現
される。
【0142】まず、ステップS406において、フォー
カスレンズ移動可能区間の全域にわたる複数の位置のそ
れぞれにおいて、オートフォーカス用の画像を撮影し、
各レンズ位置に対するコントラスト評価値を求める。具
体的には、最近側のレンズ位置PS0から最遠側のレン
ズ位置PS10に至るまで、所定ピッチで撮影レンズを
駆動しつつ各レンズ位置においてコントラストの検出を
行う。そして、各レンズ位置におけるコントラストの検
出結果を所定のメモリ(たとえば全体制御部50内のR
AM等)に一旦格納する。
【0143】次のステップS407,S408において
は、合焦位置として判定できるピーク(すなわち有効な
ピーク)が、所定の位置PS3よりも遠い側に存在する
か否かを判定する。そして、有効なピークが所定の位置
PS3よりも遠い側に存在する場合には、そのピークに
対応するレンズ位置を優先的に合焦位置として判断する
のである。この判断は、「夜景撮影時は被写体が比較的
遠い位置に存在することが多い」という性質を利用する
ものである。
【0144】ここで、位置PS3は、或る被写体距離D
(=D3)に存在する被写体が合焦状態となるようなレ
ンズ位置である。したがって、位置PS3は、所定の被
写体距離D3を与えることによって求められる。
【0145】なお、この位置PS3の設定方法は、被写
体距離D3を与えるものに限定されない。たとえば、所
定の被写体倍率β=β3(たとえば1/40)を与える
ことによって位置PS3を求めるようにしても良い。こ
の場合には、被写体倍率βと焦点距離fと被写体距離D
との関係を示す次の数1に基づいて、被写体倍率β3を
被写体距離D3に変換すればよい。なお、焦点距離f
は、撮影時点のズームレンズの倍率に応じて一意に決定
される値を用いればよい。また、被写体倍率β=1/4
0は、人物の頭から胸までを画面内に収める程度の倍率
である。
【0146】
【数1】
【0147】また、レンズ位置PS3は、このようにし
て直接的ないし間接的に与えられた被写体距離D3に基
づいて求められる。
【0148】具体的には、この位置PS3は、被写体距
離Dと被写体距離Dの被写体を合焦状態にするフォーカ
スレンズのレンズ位置xとの関係を示すテーブルに基づ
いて求められればよい。なお、このようなテーブルとし
ては、あらかじめデジタルカメラ1内に格納されている
ものを用いることができる。
【0149】あるいは、被写体距離Dとレンズ位置xと
の関係を示す次の数2に基づいて、被写体距離D3の被
写体を合焦状態にするレンズ位置x(=x3)を求める
ようにしても良い。
【0150】
【数2】
【0151】ここで、係数P,Qは、各レンズに固有の
定数である。また、レンズ位置xは、無限遠の被写体に
合焦する位置を基準位置として、その基準位置からの繰
り出し量として表現される。
【0152】さて、ステップS407,S408の動作
について説明する。
【0153】まず、ステップS407において、所定の
位置PS3よりも遠い側のレンズ位置における、コント
ラストの最大値を検出する(ステップS407)。この
検出動作は、メモリに一旦格納されたコントラスト値の
情報を対象として行われ、所定の位置以遠の被写体が合
焦状態となるようなレンズ位置の範囲内におけるコント
ラストの最大値が求められる。たとえば、図15におい
ては、ピークPK1のコントラスト値が最大値として求
められる。
【0154】そして、ステップS408においては、そ
の最大値近傍のコントラスト値に基づいて、合焦位置を
算出することが可能であるか否かを判定する。具体的に
は、コントラストの変化曲線CLが、最大値付近におい
て、なだらかな変化を伴うピークを有しているか否かを
判定する。たとえば、その最大値の両側2つずつのコン
トラスト値が、最大値Cmaxに対応するレンズ位置から
遠ざかるにつれて、徐々に減少しているか否かを確認す
ればよい。
【0155】図18(a)においては、レンズ位置が、
最大値C3(=Cmax)に対応する位置から図の右側に
ずれていくにつれて、その右側の2つのコントラスト値
C4,C5は徐々に小さな値になっている(C3>C4
>C5)。また、レンズ位置が、最大値C3(=Cma
x)に対応する位置から図の左側にずれていくにつれ
て、その左側の2つのコントラスト値C2,C1は徐々
に小さくなっている(C3>C2>C1)。このような
場合には、コントラストがなだらかな変化をしているも
のと判定する。
【0156】一方、図18(b)においては、レンズ位
置が、最大値C8(=Cmax)に対応する位置から図の
右側にずれていくにつれて、各コントラスト値は徐々に
小さくなっているわけではなく、一旦減少した後、直ぐ
に増加している(C8>C9<C10)。このような場
合には、コントラストがなだらかな変化をしていないも
のと判定する。
【0157】なお、ここでは、図18(a)のように最
大値の両側において、それぞれ2つずつのコントラスト
値が徐々に小さくなっている場合に、なだらかな変化を
しているものと判定しているが、これに限定されない。
たとえば、最大値の両側において、3つずつ以上の所定
数のコントラスト値が徐々に小さくなっている場合に、
なだらかな変化をしているものと判定するようにしても
よい。また、最大値の左側と右側とで、異なる数のコン
トラスト値を考慮対象とするようにしても良い。
【0158】以上のような判定動作によって、最大値C
max付近のコントラスト値の変化状況を確認する。
【0159】そして、コントラスト値がなだらかな変化
をしているものと判定される場合には、その最大値付近
に有効なピークが存在するものとみなして、ステップS
409に進む。
【0160】ステップS409においては、合焦制御部
24は、合焦位置を決定する。具体的には、最大値Cma
xに対するレンズ位置を合焦位置とみなすことができ
る。なお、これに限定されず、たとえば、最大値Cmax
付記の所定数(たとえば3つ)のコントラスト値を用い
て、近似曲線の頂上の高さを算出するようにしても良
い。
【0161】そして、合焦制御部24は、撮影レンズを
この合焦位置に移動する。たとえば、図15のようなコ
ントラストの変化曲線CLの場合には、撮影レンズを位
置PS1に移動する。
【0162】一方、コントラスト値がなだらかな変化を
していないと判定される場合には、この最大値Cmaxに
対応するレンズ位置を合焦位置として判定しないものと
する。言い換えれば、所定の位置PS3よりも遠い側に
有効なピークが存在しないものと判断する。この場合に
は、ステップS410に進み、今度は所定の位置PS3
よりも近い側に有効なピークが存在するか否かを判定す
る。
【0163】そのため、ステップS410においては、
位置PS3よりも近い側の領域内での最大値を検出す
る。その後、ステップS411に進むと、ステップS4
08における動作と同様の判定動作を行う。
【0164】ステップS411においてコントラスト値
がなだらかな変化をしているものと判定される場合、す
なわちピークが存在するものと判定される場合には、ス
テップS413に進み、そうでないと判定される場合に
はステップS412に進む。
【0165】ステップS412の処理が行われるのは、
被写体自体がローコントラストであり、コントラスト値
のピークを検知することができない場合である。そのた
め、ステップS412においては、特定のレンズ位置へ
フォーカシングレンズ12を駆動する。なお、特定のレ
ンズ位置としては、例えばオートフォーカス制御を開始
する前のレンズ位置や、無限遠方に被写体が存在するも
のと仮定して最も遠側のレンズ位置等とすることが考え
られる。
【0166】一方、ステップS413においては、ステ
ップS409と同様の合焦位置の決定動作が行われる。
この結果、図19に示すように、近側に主被写体の真の
ピークPK6が存在する場合において、その真のピーク
PK6に対応する位置PS6を合焦位置として正確に判
定することができる。なお、図19においては、点光源
による疑似ピークが存在しない場合が示されている。
【0167】以上のようにこの第2実施形態によれば、
輝度検出部25により検出された被写体輝度に応じて、
オートフォーカス動作が変更されるので、適宜のオート
フォーカス制御を行うことが可能である。より具体的に
は、輝度検出部25により検出された被写体輝度が所定
の閾値TH4以下のときに、オートフォーカス動作が方
式MBに変更される。したがって、夜景などの暗い画像
を撮影するときには、より正確なオートフォーカス動作
を用いて、合焦位置をより正確に求めることができる。
【0168】さらに、この第2実施形態によれば、方式
MBのオートフォーカス動作を用いる条件として、被写
体輝度が所定の閾値TH4以下であることだけでなく、
点光源が画像内に含まれていること、および/または、
フラッシュがオフ状態であることが加えられている。し
たがって、方式MBが採用されるための条件はより厳し
いものとなっている。このように、方式MBが採用され
る場面を厳選することによって、言い換えれば、オート
フォーカス動作として比較的高速な方式MAが採用され
やすくすることによって、高精度ではあるが比較的所要
時間が長い方式MBを、不必要に採用しないようにする
ことが可能である。すなわち、輝度値などの条件に応じ
て、両方式MA,MBをその得失に応じて適宜に選択す
ることが可能である。
【0169】なお、この第2実施形態では、方式MBに
おいて全域にわたってコントラスト値を求めているが、
これに限定されない。たとえば、ステップS406にお
いて、位置PS3よりも遠い側の領域内の各レンズ位置
に対応するコントラストを求めておき、ステップS40
8で有効なピークが存在すると判定されなかったときに
のみ、位置PS3よりも近い側の領域内の各レンズ位置
に対応するコントラストを求める動作を行うようにして
もよい。これによれば、位置PS3よりも遠い側の領域
内に有効なピークが存在するときには、位置PS3より
も近い側の領域内の各レンズ位置に対応するコントラス
トを求めるための駆動時間が不要になるので、オートフ
ォーカス動作時間を短縮することができる。
【0170】<C.その他>以上、この発明の実施の形
態について説明したが、この発明は上記説明した内容の
ものに限定されるものではない。
【0171】例えば、上述したオートフォーカス制御部
20はオートフォーカス制御を行うためのオートフォー
カス装置としても機能し、カメラ等の撮影装置に適用さ
れれば、疑似ピークを合焦位置として誤認識することの
ない適切なオートフォーカス制御を行うことが可能にな
る。そのため、上述したオートフォーカス制御部20は
デジタルカメラ1以外の装置に対しても適用することが
可能である。
【0172】また、上記説明においては、シャッタボタ
ンが半押し状態とされたタイミングでオートフォーカス
制御を行う場合を例示したが、オートフォーカス制御を
行うタイミングはそれに限定されるものではない。
【0173】なお、上述した具体的実施形態には以下の
構成を有する発明が含まれている。
【0174】(1)請求項2に記載のオートフォーカス
装置において、前記エッジ情報は、少なくともエッジ数
を含み、前記制御手段は、前記エッジ数が所定値以上を
示す場合を合焦位置近傍判定条件とし、前記合焦位置近
傍判定条件が満たされる場合に、前記コントラスト値が
ピークを示すレンズ位置に前記撮影レンズを駆動するこ
とを特徴とするオートフォーカス装置。
【0175】(2)前記(1)に記載のオートフォーカ
ス装置において、前記エッジ情報は、エッジ幅重心値を
も含み、前記制御手段は、前記エッジ数が所定値以上を
示し、かつ前記エッジ幅重心値が所定範囲内の値を示す
場合を前記合焦位置近傍判定条件とし、前記合焦位置近
傍判定条件が満たされる場合に、前記コントラスト値が
ピークを示す前記レンズ位置に前記撮影レンズを駆動す
ることを特徴とするオートフォーカス装置。
【0176】(3)前記(1)または(2)に記載のオ
ートフォーカス装置において、前記制御手段は、前記合
焦位置近傍判定条件が満たされる場合に、前記コントラ
スト値が大きくなる方向に、前記撮影レンズを駆動する
ことを特徴とするオートフォーカス装置。
【0177】(4)前記(1)ないし(3)のいずれか
に記載のオートフォーカス装置において、前記制御手段
は、前記合焦位置近傍判定条件が満たされない場合に
は、前記合焦位置近傍判定条件が満たされる場合よりも
前記撮影レンズを高速に駆動することを特徴とするオー
トフォーカス装置。
【0178】(5)請求項3または請求項4に記載のオ
ートフォーカス装置において、前記制御手段は、所定位
置よりも遠い側のレンズ位置領域内にコントラストのピ
ークが存在するときには、そのピークに対応するレンズ
位置を合焦位置として判定するように、前記オートフォ
ーカス動作を変更することを特徴とするオートフォーカ
ス装置。
【0179】
【発明の効果】以上のように、請求項1ないし請求項5
に記載の発明によれば、コントラスト値と被写体輝度と
に基づいて、撮影レンズのフォーカス制御が行われるの
で、より正確にオートフォーカス制御を行うことが可能
である。
【0180】特に、請求項2に記載の発明によれば、高
輝度側の輝度が所定の閾値以上の値を有する無効エッジ
を、エッジ情報から除外した上で、そのエッジ情報とコ
ントラスト値とに基づいて撮影レンズのフォーカス制御
が行われるので、より正確にオートフォーカス制御を行
うことができる。たとえば、スミアによる誤判定を低減
することができる。
【0181】また、請求項3に記載の発明によれば、被
写体輝度に応じてオートフォーカス動作が変更されるの
で、適宜のオートフォーカス制御を行うことが可能であ
る。
【0182】さらに、請求項4に記載の発明によれば、
たとえば夜景の撮影時など、被写体輝度が所定の閾値以
下となるような撮影時において、オートフォーカス動作
を適宜に変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタルカメラの構成を示すブロック図であ
る。
【図2】合焦評価領域の一例を示す図である。
【図3】コントラスト演算部の詳細構成を示すブロック
図である。
【図4】コントラスト値の変化の一例を示す図である。
【図5】エッジ演算部の詳細構成を示すブロック図であ
る。
【図6】エッジ演算部における演算処理の概念を示す図
である。
【図7】レンズ位置とエッジ数との関係を示す図であ
る。
【図8】エッジ幅のヒストグラムを示す図である。
【図9】レンズ位置とエッジ幅重心値との関係を示す図
である。
【図10】オートフォーカス制御の処理シーケンスを示
すフローチャートである。
【図11】オートフォーカス制御の処理シーケンスを示
すフローチャートである。
【図12】オートフォーカス制御の処理シーケンスを示
すフローチャートである。
【図13】高速駆動シーケンスの詳細な処理手順を示す
フローチャートである。
【図14】コントラスト値に基づく合焦評価処理の詳細
な処理手順を示すフローチャートである。
【図15】コントラストの変化曲線CLの一例を示す図
である。
【図16】第2実施形態に係る動作を示すフローチャー
トである。
【図17】一部の処理(ステップSB)の流れを示すフ
ローチャートである。
【図18】或るピークが有効なものか否かの判定につい
て説明する図である。
【図19】コントラストの変化曲線CLの別の例を示す
図である。
【図20】スミアについて説明する図である。
【図21】夜景撮影時の点光源を示す図である。
【図22】夜景撮影時の点光源を示す図である。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ 10 撮影機能部 11 撮影レンズ 12 フォーカシングレンズ 20 オートフォーカス制御部 CL コントラスト変化曲線 D 被写体距離 EN エッジ数 EW エッジ幅重心値 FR1 フォーカスエリア(合焦評価領域) G1 画像 PA,PB,PC,PD,PE,PF,PS0〜PS6
レンズ位置 PK1,PK2,PK6 ピーク R1,R2 レンズ位置領域

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の画素で構成される画像信号を入力
    して、撮影レンズのフォーカス制御を行うオートフォー
    カス装置であって、 前記画像信号から画像のコントラスト値を検出するコン
    トラスト検出手段と、 前記画像の被写体輝度を検出する輝度検出手段と、 前記コントラスト値と前記被写体輝度とに基づいて、前
    記撮影レンズのフォーカス制御を行う制御手段と、を備
    えることを特徴とするオートフォーカス装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のオートフォーカス装置
    において、 前記画像のエッジ数およびエッジ幅重心値の少なくとも
    一方を含むエッジ情報を前記画像信号から検出するエッ
    ジ情報検出手段、をさらに備え、 前記輝度検出手段は、前記画像内のエッジの高輝度側の
    輝度を検出し、 前記エッジ情報検出手段は、前記高輝度側の輝度が所定
    の閾値以上の値を有するエッジを、無効エッジとして前
    記エッジ情報から除外し、 前記制御手段は、前記無効エッジが除外された前記エッ
    ジ情報にも基づいて、前記撮影レンズのフォーカス制御
    を行うことを特徴とするオートフォーカス装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のオートフォーカス装置
    において、 前記制御手段は、前記輝度検出手段により検出された前
    記被写体輝度に応じて、前記オートフォーカス動作を変
    更することを特徴とするオートフォーカス装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のオートフォーカス装置
    において、 前記オートフォーカス動作は、前記輝度検出手段により
    検出された前記被写体輝度が所定の閾値以下であること
    を条件として、変更されることを特徴とするオートフォ
    ーカス装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載のオートフォーカス装置を備える撮像装置。
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