JP2003262677A - シンチレータパネルおよびその製造方法 - Google Patents

シンチレータパネルおよびその製造方法

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JP2003262677A JP2002062468A JP2002062468A JP2003262677A JP 2003262677 A JP2003262677 A JP 2003262677A JP 2002062468 A JP2002062468 A JP 2002062468A JP 2002062468 A JP2002062468 A JP 2002062468A JP 2003262677 A JP2003262677 A JP 2003262677A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度を増して大画面化を容易にしたシ
ンチレータパネル、およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 基板10上に金属反射膜11と、これを
覆う第1の保護有機膜12と、シンチレータ13とを有
し、耐湿保護膜14で被覆されているシンチレータパネ
ル1は、その側壁部に枠状に形成された第2の保護有機
膜15によって補強されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用、工業用の
X線撮影等に用いられるシンチレータパネルとその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、医療、工業用のX線撮影では、X
線感光フィルムが用いられてきたが、利便性や撮影結果
の保存性の面から放射線検出器を用いた放射線イメージ
ングシステムが普及してきている。このような放射線イ
メージングシステムにおいては、放射線検出器により2
次元の放射線による画素データを電気信号として取得
し、この信号を処理装置により処理してモニタ上に表示
している。
【0003】代表的な放射線検出器としては、アルミニ
ウム、ガラス、溶融石英等の基板上にシンチレータを形
成してシンチレータパネルを形成し、これと撮像素子と
を貼り合わせた構造を有する放射線検出器が存在する。
この種の放射線検出器においては、基板側から入射する
放射線をシンチレータで光に変換して撮像素子で検出し
ている(特公平7−21560号公報参照)。
【0004】さらに、シンチレータパネルの光出力を増
大させるために、図7に示されるように、シンチレータ
13の光出力面と反対の面(ここでは、基板10側)に
金属反射膜11を設け、この金属反射膜11がシンチレ
ータ13と接触することでシンチレータ13成分による
変質を防止するために、金属反射膜11を保護膜12で
覆った構造のシンチレータパネル1xがある(特許第3
126715号)。そして、シンチレータ13の防湿の
ため防湿膜14でシンチレータ13が被覆されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この種のシンチレータ
パネルを大画面化した場合でも出力画像の明るさを確保
するためには、基板による放射線吸収を抑制する必要が
あり、基板を薄型に維持する必要がある。しかし、基板
を薄く維持したまま大画面化しようとすると、機械的強
度の向上が困難であり、シンチレータパネルを保持、固
定する場合にパネルへの負担が大きくなってしまう。
【0006】そこで本発明は、機械的強度を増して大画
面化を容易にしたシンチレータパネル、およびその製造
方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明に係るシンチレータパネルは、(1)放射線透過
性の基板と、(2)この基板の一方の表面上に形成され
た金属反射膜と、(3)この金属反射膜を覆う第1の保
護有機膜と、(4)この第1の保護有機膜の前記金属反
射膜被覆部上に蒸着によって多数の針状結晶として形成
されたアルカリハライド系シンチレータと、(5)この
シンチレータ側壁から少なくとも基板の側壁部分までを
覆う枠状の第2の保護有機膜と、(6)シンチレータと
第2の保護有機膜の表面をともに覆う防湿有機膜と、を
備えていることを特徴とする。
【0008】あるいは、本発明に係るシンチレータパネ
ルは、(1)〜(4)と(7)シンチレータから少なく
とも基板の側壁までを覆う防湿有機膜と、(8)シンチ
レータ側壁から少なくとも基板の側壁部分までを防湿有
機膜の上から覆う枠状の第2の保護有機膜と、を備えて
いることを特徴とする。
【0009】前者のシンチレータパネルは、以下の本発
明に係るシンチレータパネルの製造方法により製造する
ことができる。この製造方法は、(a)放射線透過性の
基板の一方の表面上に金属反射膜を形成する工程と、
(b)金属反射膜上に第1の保護有機膜を形成する工程
と、(c)第1の保護有機膜の金属反射膜被覆部上にア
ルカリハライド系シンチレータ成分を蒸着することで多
数の針状結晶として成長させてシンチレータを形成する
工程と、(d)シンチレータの側壁から少なくとも基板
の側壁までを覆う第2の保護有機膜を形成する工程と、
(e)シンチレータと第2の保護有機膜表面をともに覆
う防湿有機膜を形成する工程と、を備えることを特徴と
する。
【0010】後者のシンチレータパネルは、以下の本発
明に係る別のシンチレータパネルの製造方法により製造
することができる。この製造方法は、(a)〜(c)の
後、(f)シンチレータから少なくとも基板の側壁まで
を覆う防湿有機膜を形成する工程と、(g)シンチレー
タ側壁から少なくとも基板の側壁部分までを防湿有機膜
の上から覆う第2の保護有機膜を形成する工程と、を備
えていることを特徴とする。
【0011】本発明によれば、シンチレータパネル(基
板およびシンチレータ)の側壁部分を第2の保護有機膜
で被覆することで、シンチレータパネルの機械的強度を
向上させることができる。こうして強化された第2の保
護有機膜による被覆部分を利用することで、強度の弱い
シンチレータ部分に触れることなく、シンチレータパネ
ルを保持、固定することができるので、シンチレータの
損傷や、放射線入射面、光出力面への汚れの付着を防止
し、シンチレータパネルへの機械的負担を抑制すること
ができる。また、シンチレータ形成部分の基板を厚くす
ることなく、第2の保護有機膜による被覆部分を厚くす
ることでその機械的強度をさらに高めることができるた
め、機械的強度を向上させつつ、基板の薄型化と大画面
化を両立させることができる。
【0012】この第2の保護有機膜は、基板のシンチレ
ータ形成面と反対の面まで達していることが好ましい。
シンチレータ形成面と反対の面まで保護有機膜で覆うこ
とで、基板の周縁部を含めて補強することができる。
【0013】基板のシンチレータ形成領域の外側で、か
つ、第2の保護有機膜で被覆されている部分に複数の貫
通孔が形成されていてもよい。この貫通孔を利用してシ
ンチレータパネルの保持、固定を容易に行うことができ
る。
【0014】また、第2の保護有機膜は、少なくともシ
ンチレータが発する光に対して不透明であってもよい。
シンチレータが発する光に対して不透明とすることで、
シンチレータパネル側面からの外乱光の入射を抑制し、
高いS/N比を得ることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理
解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に
対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説
明は省略する。なお、各図面は説明の理解を容易にする
ため、誇張ないし省略している部分がありその寸法比は
必ずしも実際のそれとは一致しない。
【0016】図1(a)は、本発明に係るシンチレータ
パネルの第1の実施形態を示す断面構成図である。この
シンチレータパネル1は、放射線透過性の基板10(ガ
ラス、アモルファスカーボンその他の炭素を主成分とす
る材料からなる)の一方の表面上に、金属反射膜11が
形成されている。この金属反射膜11はAl、Ag、C
r、Cu、Ni、Ti、Mg、Rh中の材料からなる。
この金属反射膜11上から基板10を包み込むような形
で第1の保護有機膜12が形成されている。この第1の
保護有機膜12は、例えば、ポリパラキシリレンからな
る。金属反射膜11と第1の保護有機膜12の積層され
た部分の表面上には、基板10を透過して入射した放射
線を可視光へと変換するシンチレータ13が形成されて
いる。このシンチレータ13には、例えば、Tlドープ
のCsIが用いられている。CsIは多数の針状結晶が
林立した構造を有している。このシンチレータ13の頂
面の周縁部から基板10の裏面の縁まで覆う形で額縁状
の第2の保護有機膜15が形成されている。この保護有
機膜15は、例えば、ポリイミドからなる。この第2の
保護有機膜は、シンチレータ13の側壁に密着するとと
もに、第1の保護有機膜10上に密着して、この第1の
保護有機膜11の上からシンチレータ13の周囲の基板
10の表面およびその側壁を覆っている。シンチレータ
パネル1は、ポリパラキシリレンからなる防湿有機膜1
4で全体を実質的に覆われている。
【0017】次に、このシンチレータパネル1の製造工
程について図1、図2を参照して説明する。まず、矩形
又は円形の基板10(厚さ1mm)を用意し(図2
(a)参照)、表面に真空蒸着法により金属反射膜11
を150nmの厚さで形成する(図2(b)参照)。
【0018】次に、金属反射膜11上にCVD法により
ポリパラキシリレンからなる保護有機膜12を形成す
る。すなわち、金属反射膜11が蒸着された基板10を
CVD装置に入れ、防湿有機膜12を10μmの厚さで
基板10の表面全体に成膜する。これにより金属反射膜
11を覆うととともに、基板10の基板反射膜11の周
囲から側壁、さらには裏面までの全体を実質的に覆うポ
リパラキシリレン製の保護有機膜12が形成される(図
2(c)参照)。この有機膜の製造方法についてはWO99
/66351号国際公開公報に詳述されている。
【0019】次に、金属反射膜11上の保護有機膜12
表面の所定の領域にTlをドープしたCsIの針状結晶
を多数、蒸着法によって成長(堆積)させてシンチレー
タ13を250μmの厚さで形成する(図2(d))。
【0020】続いて、シンチレータ13の頂面の周縁部
からその露出している壁面とその周囲に露出している第
1の保護有機膜12上の基板12の裏面の周縁部に至る
部分にポリイミド製のテープを巻き付けて張り付けるこ
とで、第2の保護有機膜15を形成する。このテープと
しては、ポリイミド樹脂をシート状に成形したテープを
用いればよく、デュポン社製のカプトンテープのように
接着剤が塗布されているタイプのものであってもよい。
【0021】シンチレータ13を形成しているCsI
は、吸湿性が高く露出したままにしておくと空気中の水
蒸気を吸湿して潮解してしまうため、これを防止するた
めにポリパラキシリレンからなる防湿有機膜14(厚さ
10μm)でシンチレータ13を覆い、図1(a)に示
されるシンチレータパネル1を完成させる。この防湿有
機膜14は、保護有機膜12と同じ製法で形成すること
が可能である。
【0022】このシンチレータパネル1は、図1に示さ
れるように放射線入射側と反対の側にシンチレータ13
を向けて配置され、シンチレータ13側に撮像素子、テ
レビカメラ等を配置して使用される。もちろん、図示し
ていない光学系を利用してシンチレータ13の出力画像
を撮像素子、テレビカメラ等に導いてもよい。
【0023】放射線は矢印A方向からシンチレータパネ
ル1に入射し、耐湿保護膜14、第1の保護有機膜1
2、基板10、金属反射膜11、第1の保護有機膜12
の順で透過して、シンチレータ13に到達し、ここでシ
ンチレータ13に吸収されて、可視光が発せられる。発
せられた可視光のうち基板10側へ向かった光は透明な
保護有機膜12を通過した後に金属反射膜11で反射さ
れて、シンチレータ13側へと戻される。この結果、シ
ンチレータ13から発せられた光の大部分が耐湿保護膜
14を通過して矢印B方向へ射出される。図示していな
い撮像素子、テレビカメラでこの光画像を撮像すること
により、放射線画像に相当する画像信号を得ることがで
きる。
【0024】本実施形態のシンチレータパネル1の側壁
は、第2の保護有機膜15によって補強されているの
で、この部分の機械的強度を向上させることができる。
この側壁部分は、放射線およびシンチレータ13によっ
て変換された可視光の光路上には位置しないので、シン
チレータ13の放射線特性、光学特性に影響を与えるこ
となく、必要な強度が得られるよう厚みを増すことが可
能である。反対に、基板10部分は薄型で維持したまま
大面積とすることができるので、大画面化と高解像度、
S/N比とを両立させることができる。
【0025】なお、シンチレータ13を活性化させるた
めに、シンチレータ13形成後にシンチレータ13を加
熱するアニール処理を行う場合がある。本発明に係るシ
ンチレータパネル1においては、そのアニール処理は、
第2の保護有機膜15の形成工程(図2(e)参照)の
前あるいは後に行うことが可能である。
【0026】第2の保護有機膜15の形成前にアニール
処理を行う場合、アニール処理時の熱によって第1の保
護有機膜12の露出部分にピンホール等の損傷が発生し
ている可能性があるが、この損傷部分を塞ぐことで、製
造後の使用時等に金属反射膜11へとシンチレータ成分
や水分が浸透するのを予防する効果がある。
【0027】第2の保護有機膜15の形成後にアニール
処理を行う場合、第2の保護有機膜がアニール処理時に
第1の保護有機膜11へと過剰な熱が付与されるのを抑
制する耐熱保護膜として機能し、第1の保護有機膜11
の損傷を抑制することができる。この場合には、第2の
保護有機膜15は、第1の保護有機膜に比較して耐熱性
が要求されるが、ポリイミド樹脂は耐熱性が良好であ
り、好適である。
【0028】また、前述したように、第2の保護有機膜
15は、シンチレータ13の出力光の光路上には位置し
ない。そこで、第2の保護有機膜15としては、シンチ
レータ13が発する光に対して不透明(透過率が好まし
くは、50%以下、より好ましくは10%以下)である
ことが好ましい。このように第2の保護有機膜15を不
透明にすると、外乱光が第2の保護有機膜15を通過し
てシンチレータ13に入射し、屈折、反射により、ノイ
ズとして出力画像内への侵入することを抑制できる。こ
の結果、S/N比の良好な出力画像が得られる。
【0029】第2の保護有機膜15は必ずしも基板10
の裏面の周縁部からシンチレータ13の頂面の周縁部ま
でを覆っている必要はなく、図1(b)に示されるよう
に、基板10とシンチレータ13の側壁およびその間の
第1の保護有機膜12上を覆っていれば十分である。こ
のようにすると、光出力面をより大きくすることが可能
となる。
【0030】図3は、本発明に係るシンチレータパネル
の第2の実施形態を示す断面図である。このシンチレー
タパネル1aでは、保護有機膜12aとしてポリイミド
からなる膜を用いており、基板10の裏面までは形成さ
れていない点が第1の実施形態と相違する。
【0031】このポリイミドからなる保護有機膜12a
は、図2(b)に示される金属反射膜11の製造工程の
後で、金属反射膜11上から基板10の側壁にかけて、
ポリイミド樹脂を一定の厚さ(10μm)で塗布し、硬
化させることで製造することができる。
【0032】このように第1の保護有機膜12aを耐熱
性のあるポリイミド樹脂で形成すると、第1の実施形態
におけるポリパラキシリレンからなる第1の保護有機膜
12のように基板10全体を包み込むように形成するこ
とは難しいが、シンチレータ13を活性化させるアニー
ル処理工程において、保護有機膜12aの損傷が抑制さ
れる。
【0033】図4は、本発明に係るシンチレータパネル
の第3の実施形態を示す断面図である。この実施形態の
シンチレータパネル1bは、第2の保護有機膜15が耐
湿保護膜14の外側に形成されている点が、第2の実施
形態のシンチレータパネル1と異なる。すなわち、この
シンチレータパネル1bでは、耐湿保護膜14は、シン
チレータ13の頂面から側壁と、その周囲の第1の保護
有機膜12表面および基板10の側壁から裏面までの全
体を実質的に覆うように形成されている。そして、額縁
状の第2の保護有機膜15は、シンチレータパネル1b
の側壁、つまり、シンチレータ13の側壁から基板10
の側壁までを耐湿保護膜14の上から覆う構造となって
いる。
【0034】ここで、第2の保護有機膜15は、少なく
とも基板10およびシンチレータ13の側壁の縁まで達
していればよいが、基板10の裏面あるいはシンチレー
タ13の頂面まで達していてもよい。
【0035】次に、このシンチレータパネル1bの製造
方法を図4、図5を参照して説明する。金属反射膜11
を製造するまで(図5(a)、(b))は、図2
(a)、(b)に示されるシンチレータパネル1の製造
工程と同一である。この後で、金属反射膜11上および
その周囲の基板10表面上にポリイミド樹脂を塗布して
硬化させることにより、金属反射膜11を覆う平面状の
第1の保護有機膜12を形成する(図5(c)参照)。
【0036】次に、図2(d)の工程と同様に、金属反
射膜11上の第1の保護有機膜12の表面の所定の領域
にTlをドープしたCsIの針状結晶を多数、蒸着法に
よって成長(堆積)させてシンチレータ13を形成する
(図5(d)参照)。その後ポリパラキシリレンからな
る防湿有機膜14でシンチレータ13を覆う(図5
(e)参照)。この後で、防湿有機膜14の上から基板
10とシンチレータ13の側壁およびその中間部分全体
にポリイミド樹脂を塗布して硬化させることにより、枠
状の第2の保護有機膜15を形成して図4に示されるシ
ンチレータパネル1bを完成させる。第1の実施形態と
同様に、樹脂を塗布するのではなく、テープ状、フィル
ム状に成形した樹脂を張り付けることで第2の保護有機
膜15を形成してもよい。
【0037】本実施形態では、耐湿保護膜14も含めて
保護有機膜15で覆っているため、側壁部分でシンチレ
ータパネル1bを保持した場合に、耐湿保護膜14を傷
つけるおそれがなく、耐湿保護膜14の損傷によるはが
れを抑制することができる。
【0038】続いて、本発明に係るシンチレータパネル
の保持、固定の一例について説明する。図6〜図9は、
本発明に係るシンチレータパネルの第4の実施形態を示
す図であり、図6がこのシンチレータパネル1cをシン
チレータ13側から見た正面図であり、図7が基板10
側から見た背面図であり、図8、図9は、それぞれ図
6、7中のXIII−XIII線、IX−IX線の断面図である。
【0039】このシンチレータパネル1cは、基本的な
構造は図4に示される第3の実施形態のシンチレータパ
ネル1bと同じであり、第2の保護有機膜15cの基板
の表面、および裏面部分の幅を比較的広くとっている点
が相違する。
【0040】シンチレータパネル1cにおいては、金属
反射膜11、第1の保護有機膜12、シンチレータ13
の積層構造は基板10の中央部分に形成され、シンチレ
ータ13の周囲に余裕がもたせてある。基板10の4隅
(この周囲の余裕領域内)には、基板10を貫通する貫
通孔16が設けられている。これらの貫通孔16は、シ
ンチレータ13の形成前にあらかじめ基板10に設けら
れたものである。
【0041】この貫通孔16にボルト、ねじ等を差し込
んで固定することで、シンチレータパネル1cを固定す
ることができ、固定の際に、第2の保護有機膜15cが
下の基板10や耐湿保護膜14を保護しているので、こ
れらの損傷を抑制できる。耐湿保護膜14がむき出しの
ままであると、ねじ等を差し込んだり、締めつけたりし
た場合に耐湿保護膜14が損傷して、そこから内部への
水分の侵入を許すことになるが、第2の保護有機膜15
cにより耐湿保護膜14が保護されていることにより、
ねじ等を差し込んだり、締めつけたりした場合にも耐湿
保護膜が損傷しがたくなっている。図8では、シンチレ
ータ13が突出している状態で描かれているが、保護機
能を強化するため、第2の保護有機膜15cをシンチレ
ータ13より厚く形成してもよい。
【0042】第2の保護有機膜15cは、シンチレータ
パネル1cの裏面全体を覆うように形成してもよいが、
より明るい出力画像を得るためには、放射線画像の入力
部分には、第2の保護有機膜15cを形成しないことが
好ましい。
【0043】もちろん、第1、第2の実施形態のシンチ
レータパネル1、1aにおいても同様に貫通孔を有する
構成をとることが可能である。
【0044】以上の説明では、耐湿保護膜として、ポリ
パラキシリレン膜を用いたが、このほかにポリモノクロ
ロパラキシリレン、ポリジクロロパラキシリレン、ポリ
テトラクロロパラキシリレン、ポリフルオロパラキシリ
レン、ポリジメチルパラキシリレン、ポリジエチルパラ
キシリレン等のキシリレン系の有機膜を用いることが可
能である。これらのキシリレン系有機膜によれば、シン
チレータの林立している針状結晶の隙間に入り込んだ耐
湿有機膜を形成することができ、また、均一で薄い膜を
形成することができるので、シンチレータパネルの出力
解像度を劣化させることがなく、明るい出力画像を得る
ことができる。
【0045】また、第1の保護有機膜としては、耐湿保
護膜の場合と同様に、キシリレン系の有機膜やその他の
有機樹脂を用いることができる。この種の有機膜を用い
ると、金属反射膜上に容易かつ確実に均一な膜を形成す
ることができる。
【0046】また、シンチレータしては、CsI(T
l)に代えてCsI(Na)、NaI(Tl)、LiI
(Eu)、KI(Tl)等のアルカリハライド系のシン
チレータが放射線の光変換効率が高く、好適である。一
方で、この種のアルカリハライド系のシンチレータ成分
は金属反射膜を腐食させる可能性があるため、金属反射
膜上に保護膜を配置する必要がある。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
シンチレータパネルの側壁部分を枠状に覆う第2の保護
有機膜によって強化しているので、シンチレータパネル
の側壁部分の機械的強度が増し、保持、固定の際の基板
への機械的な負担が低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシンチレータパネルの第1の実施
形態を示す断面構成図である。
【図2】図1のシンチレータパネルの製造工程を示す図
である
【図3】本発明に係るシンチレータパネルの第2の実施
形態を示す断面構成図である。
【図4】本発明に係るシンチレータパネルの第3の実施
形態を示す断面構成図である。
【図5】図4のシンチレータパネルの製造工程を説明す
る図である。
【図6】本発明に係るシンチレータパネルの第3の実施
形態を示す正面図である。
【図7】図6のシンチレータパネルの背面図である。
【図8】図6のXIII−XIII線断面図である。
【図9】図6のIX−IX線断面図である。
【図10】従来のシンチレータパネルの構成を示す断面
図である。
【符号の説明】
1…シンチレータパネル、2…蒸着ホルダー、3…カバ
ープレート、10…基板、11…金属反射膜、12…第
1の保護有機膜、13…シンチレータ、14…防湿膜、
15…第2の保護有機膜、16…貫通孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 孝治 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 Fターム(参考) 2G088 EE01 EE29 FF02 GG19 JJ05 JJ09 JJ35 JJ37

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線透過性の基板と、 前記基板の一方の表面上に形成された金属反射膜と、 前記金属反射膜を覆う第1の保護有機膜と、 前記第1の保護有機膜の前記金属反射膜被覆部上に蒸着
    によって多数の針状結晶として形成されたアルカリハラ
    イド系シンチレータと、 前記シンチレータ側壁から少なくとも前記基板の側壁部
    分までを覆う枠状の第2の保護有機膜と、 前記シンチレータと前記第2の保護有機膜の表面をとも
    に覆う防湿有機膜と、 を備えているシンチレータパネル。
  2. 【請求項2】 放射線透過性の基板と、 前記基板の一方の表面上に形成された金属反射膜と、 前記金属反射膜を覆う第1の保護有機膜と、 前記第1の保護有機膜の前記金属反射膜被覆部上に蒸着
    によって多数の針状結晶として形成されたアルカリハラ
    イド系シンチレータと、 前記シンチレータから少なくとも前記基板の側壁までを
    覆う防湿有機膜と、 前記シンチレータ側壁から少なくとも前記基板の側壁部
    分までを前記防湿有機膜の上から覆う枠状の第2の保護
    有機膜と、 を備えているシンチレータパネル。
  3. 【請求項3】 前記第2の保護有機膜は、前記基板のシ
    ンチレータ形成面と反対の面まで達している請求項1ま
    たは2に記載のシンチレータパネル。
  4. 【請求項4】 前記基板のシンチレータ形成領域の外側
    で、かつ、前記第2の保護有機膜で被覆されている部分
    に複数の貫通孔が形成されている請求項1〜3のいずれ
    かに記載のシンチレータパネル。
  5. 【請求項5】 前記第2の保護有機膜は、少なくとも前
    記シンチレータが発する光に対して不透明であることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシンチレー
    タパネル。
  6. 【請求項6】 放射線透過性の基板の一方の表面上に金
    属反射膜を形成する工程と、 前記金属反射膜上に第1の保護有機膜を形成する工程
    と、 前記第1の保護有機膜の前記金属反射膜被覆部上にアル
    カリハライド系シンチレータ成分を蒸着することで多数
    の針状結晶として成長させてシンチレータを形成する工
    程と、 前記シンチレータの側壁から少なくとも前記基板の側壁
    までを覆う第2の保護有機膜を形成する工程と、 前記シンチレータと前記第2の保護有機膜表面をともに
    覆う防湿有機膜を形成する工程と、 を備えるシンチレータパネルの製造方法。
  7. 【請求項7】 放射線透過性の基板の一方の表面上に金
    属反射膜を形成する工程と、 前記金属反射膜上に第1の保護有機膜を形成する工程
    と、 前記第1の保護有機膜の前記金属反射膜被覆部上にアル
    カリハライド系シンチレータ成分を蒸着することで多数
    の針状結晶として成長させてシンチレータを形成する工
    程と、 前記シンチレータから少なくとも前記基板の側壁までを
    覆う防湿有機膜を形成する工程と、 前記シンチレータ側壁から少なくとも前記基板の側壁部
    分までを前記防湿有機膜の上から覆う第2の保護有機膜
    を形成する工程と、 を備えるシンチレータパネルの製造方法。
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