JP2003262505A - 拡散板を使用した干渉計、及び、拡散板の製造方法 - Google Patents

拡散板を使用した干渉計、及び、拡散板の製造方法

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JP2003262505A
JP2003262505A JP2002065095A JP2002065095A JP2003262505A JP 2003262505 A JP2003262505 A JP 2003262505A JP 2002065095 A JP2002065095 A JP 2002065095A JP 2002065095 A JP2002065095 A JP 2002065095A JP 2003262505 A JP2003262505 A JP 2003262505A
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light
plate
interferometer
diffuser
diffuser plate
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Seiji Takeuchi
誠二 竹内
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作成が容易で拡散光が被検面を均一に照明
し、被検面を正確に測定することができる拡散板干渉計
及びかかる拡散板の製造方法を提供する。 【解決手段】 光源からの光を回折散乱させてほぼラン
ダムな位相を与える点対称な拡散板と、干渉縞を検出す
る検出手段とを有し、前記拡散板で回折して被検面で反
射して前記拡散板を透過する光と、前記拡散板を透過し
て前記被検面で反射して前記拡散板で回折する光とを干
渉させる干渉計において、前記拡散板の対称点を軸に回
転可能に構成することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に干渉計に係
り、特に波面を測定する干渉計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術としてバーチ(Burch)に
よる拡散板を使用した干渉計(以下、「拡散板干渉
計」)などがある(J.M.Burch, “Scat
ter−Fringe Interferometr
y,” J. Opt.Soc.Am.52,600
(1962))。ここで、「拡散板」とは、光を拡散及
び散乱させる板をいう。以下、図5、6及び7を用いて
従来の拡散板干渉計を説明する。
【0003】図5は、従来の拡散板干渉計の概略的な光
路図である。ここで光源11からの光はピンホール12
とレンズ13を通り、ペリクルミラー14で反射して拡
散板30を照射する。拡散板30で拡散する信号光21
は被検物16の被検面17を広く照射し、反射して再度
拡散板30に入射する。拡散板30は被検面17の曲率
中心近傍に位置している。一方、拡散板30を透過する
参照光22はレンズ13の焦点距離を設定してあるた
め、被検面17の中心点18に集光する。参照光22は
被検面17の中心点18で反射し、再度拡散板30に入
射する。拡散板30に入射した信号光と参照光は一度目
の入射とは逆に信号光は透過し、参照光は拡散して干渉
する。これらの干渉光がレンズ19で集光され、干渉縞
となって観察面20に現れる。
【0004】図6は、拡散板30の概略平面図である。
拡散板30の上にはすりガラスなどからの拡散光で感光
し、エッチングなどで凹凸を付けた拡散パターン32が
ある。但し、この拡散パターン32は中心34で完全に
点対称となっている。
【0005】図7は、干渉光束の位相を説明するための
概略的な光路図である。ここでは簡単にするため光の伝
播と反射による位相は無視して説明する。
【0006】まず、拡散板30に入射する入射光15の
初期位相をφiとする。参照光21は拡散板30を透過
して特に位相に変化を受けないため、透過しても位相φ
iのままである。その後、被検面17の中心で参照光2
2aとして反射するが、位相変化を受けず位相φiのま
ま再度拡散板30に入射して参照光22bとなる。
【0007】一方、信号光21は拡散板30を通過した
際に拡散し、その際に入射した位置に依存する位相の変
化φ(ξ)を受ける。また、信号光21は被検面17で
信号光21aとして反射し、被検面17の位置xに依存
する被検面17の情報を含んだ位相φ(x)を受ける。
このため、再度拡散板30に入射する時には信号光21
aの位相はφi+φ(ξ)+φ(x)である。再度拡散
板30に入射して信号光21aは信号光21bとなる。
【0008】この系は中央の一点鎖線で回転対称である
ため、入射光15が拡散板30に入射した位置ξと、信
号光21aと参照光22aが再度拡散板30に入射する
位置とは一点鎖線に対して対称な位置にあり、−ξの位
置に再入射する。図ではわかりやすくするためにわざと
2つの光束をずらして示しているが、実際は拡散板上で
重なっている。拡散板30を通過する時、信号光21b
はそのまま透過し位相変化を受けずにφi+φ(ξ)+
φ(x)の位相で観察面に到達する。一方、参照光22
bは−ξの位置において拡散し、位置に応じた位相変化
φ(−ξ)を受けてφi+φ(−ξ)となって観察面に
到達する。
【0009】これらの信号光21bと参照光22bが重
なった時に二光束は干渉する。拡散板30は中心で点対
称に作成されているため、信号光21bが受ける位相φ
(ξ)と参照光22bが受ける位相φ(−ξ)とは同じ
であり、以降は両方φ(ξ)とする。
【0010】実際には信号光が再度拡散板30で拡散し
た光や、参照光が再度透過する光などが存在するが、光
量としては微弱であったり、不要な方向へ進むため干渉
縞の観察には影響しない。
【0011】参照光も信号光も1回拡散し、1回透過す
るため振幅は同じEとすると、観察面での干渉光量は次
式で表される。
【0012】
【数1】
【0013】これを簡単にすると拡散板41で付与され
る位相φ(ξ)がキャンセルされて次式となり、被検面
42による位相変化を示す強度の関数となっている。
【0014】
【数2】
【0015】観察面20と被検面17とはレンズ19に
よって結像関係にあり、数式2は被検面17のある位置
xでの形状などが波面に与える位相を観察面20のある
1点の強度分布として表している。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】拡散板干渉計は拡散板
を用いているために、観察される干渉縞にスペックルが
ノイズとして見られるという課題があった。次に、拡散
板が正確な点対称である必要があるため、拡散板を作成
するのが難しいという課題があった。また、拡散光が被
検面に均一に照射するように作成するのが難しいという
課題があった。
【0017】そこで、本発明は、作成が容易で拡散光が
被検面を均一に照明し、被検面を正確に測定することが
できる拡散板干渉計及びかかる拡散板の製造方法を提供
することを例示的な目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の一側面としての干渉計は、光源からの光を
回折散乱させてほぼランダムな位相を与える点対称な拡
散板と、干渉縞を検出する検出手段とを有し、前記拡散
板で回折して被検面で反射して前記拡散板を透過する光
と、前記拡散板を透過して前記被検面で反射して前記拡
散板で回折する光とを干渉させる干渉計において、前記
拡散板の対称点を軸に回転可能に構成することを特徴と
する。かかる干渉計は、拡散板を回転することによって
被検面上でのスペックルパターンを平均化し、干渉縞の
強度分布又は干渉条件を一定にすることができる。この
結果、かかる干渉計は干渉縞のスペックルを低減又は除
去することができる。
【0019】本発明の別の側面としての被検面を測定す
るための干渉計は、光源からの光を回折散乱させてほぼ
ランダムな位相を与える点対称な拡散板と、当該拡散板
で回折して前記被検面で反射して前記拡散板を透過する
光と、前記拡散板を透過して前記被検面で反射して前記
拡散板で回折する光とを干渉させた結果としての干渉縞
を検出する検出手段と、前記干渉縞からスペックルを低
減するスペックル低減手段とを有することを特徴とす
る。かかる干渉計は、スペックル低減手段を利用してス
ペックルを低減又は除去することができる。
【0020】本発明の更に別の側面としての干渉計は、
光源からの光を回折散乱させてほぼランダムな位相を与
える点対称な拡散板と、干渉縞を検出する検出手段とを
有し、前記拡散板で回折して被検面で反射して前記拡散
板を透過する光と、前記拡散板を透過して前記被検面で
反射して前記拡散板で回折する光とを干渉させる干渉計
において、前記拡散板をコンピュータジェネレーティッ
ドホログラム(以下、「CGH」という。)で作成する
ことを特徴とする。かかる干渉計はCGHを利用して容
易に拡散板を作成することができる。前記拡散板は、前
記被検面の全面にほぼ均一に回折散乱光が照射されるよ
うに最適化されていることが好ましい。これにより、干
渉計は最適化された波面関数を得ることができる。
【0021】本発明の拡散板の製造方法は、コンピュー
タジェネレーティッドホログラムを利用して、光源から
の光を回折散乱させてほぼランダムな位相を与える点対
称な微細パターンを有する拡散板を設計するステップ
と、前記微細パターンを形成することによって前記拡散
板を形成するステップとを有することを特徴とする。か
かる方法はCGHを使用して拡散板を簡単に作成するこ
とができる。前記拡散板形成ステップは、例えば、原版
を転写する露光装置、電子ビーム描画装置、プリンタな
どを使用する。干渉縞を検出する検出手段を有し、前記
拡散板で回折して被検面で反射して前記拡散板を透過す
る光と、前記拡散板を透過して前記被検面で反射して前
記拡散板で回折する光とを干渉させる干渉計に前記拡散
板は使用され、前記設計ステップは、前記拡散板の拡散
による回折散乱光が前記被検面の全面にほぼ均一に照射
されるように最適化することが好ましい。これにより、
干渉計は最適化された波面関数を得ることができる。
【0022】本発明の他の目的及び更なる特徴は、以
下、添付図面を参照して説明される好ましい実施例によ
って明らかにされるであろう。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施形態を、図1
から図3を参照して説明する。ここで、図1は、本実施
形態の拡散板干渉計の概略的な光路図である。
【0024】光源101からの光はピンホール102と
レンズ103を通り、ペリクルミラー104で反射して
拡散板120を照射する。拡散板120で拡散する信号
光111は被検物106の被検面107を広く照射し、
反射して再度拡散板120に入射する。拡散板120は
被検面107の曲率中心近傍に位置している。一方、拡
散板120を透過する参照光112はレンズ103の焦
点距離を設定してあるため、被検面107の中心点10
8に集光する。この参照光112は被検面107の中心
点108で反射し、再度拡散板120に入射する。
【0025】拡散板120に入射した信号光と参照光は
一度目の入射とは逆に信号光は透過し、参照光は拡散し
て干渉する。これらの干渉光がレンズ109で集光さ
れ、干渉縞となって観察面110に現れる。拡散板12
0は中央に穴がある中空回転ステージ130に設置され
ており、干渉縞を観測する際はステージ130を回転さ
せ、ある時間平均での光量を観測する。時間平均の光量
パターンを観察する際、観察面110にCCDを配置す
ることもある。
【0026】図2は、拡散板120の概略平面図であ
る。拡散板120の上にはすりガラスなどからの拡散光
で感光し、エッチングなどで凹凸を付けた拡散パターン
122がある。但し、この拡散パターン122は中心1
24で完全に点対称となっている。この拡散板120は
中央に穴がある中空回転ステージ130に設置されてお
り、中空回転ステージ130の回転中心と拡散パターン
122の対称軸とは一致している。中空回転ステージ1
30はモーター132によって回転し、中空回転ステー
ジ130に適用可能である。
【0027】図3は、干渉光束の位相を説明するための
概略的な光路図である。ここでは簡単にするため光の伝
播と反射による位相は無視して説明する。
【0028】まず、拡散板120に入射する入射光10
5の初期位相をφiとする。参照光112は拡散板を透
過して特に位相に変化を受けないため、透過しても位相
φiのままである。その後、被検面107の中心で参照
光112aとして反射するが、位相変化を受けず位相φ
iのまま再度拡散板120に入射して参照光112bと
なる。
【0029】一方、信号光111は拡散板120を通過
した際に拡散し、その際に入射した位置ξに依存する位
相の変化φ(ξ)を受ける。また、信号光111は被検
面107で信号光111aとして反射する際、被検面1
07の位置xに依存する被検面107の情報を含んだ位
相φ(x)を受ける。このため、再度拡散板120に入
射する時には信号光111bの位相はφi+φ(ξ)+
φ(x)である。
【0030】この系は中央の一点鎖線で回転対称である
ため、入射光105が拡散板120に入射した位置ξ
と、信号光111aと参照光112aが再度拡散板12
0に入射する位置とは対称な位置にあり、−ξの位置に
再入射する。図ではわかりやすくするためにわざと2つ
の光束はずらして示してあるが、実際は拡散板上で重な
っている。拡散板120を通過する時、信号光111b
はそのまま透過し位相変化を受けずにφi+φ(ξ)+
φ(x)の位相で観察面110に到達する。一方、参照
光112bは−ξの位置において拡散し、位置に応じた
位相変化φ(−ξ)を受けてφi+φ(−ξ)となって
観察面110に到達する。
【0031】これらの信号光111bと参照光112b
が重なった時に二光束は干渉する。拡散板120は中心
124で点対称に作成されているため、信号光111b
が受ける位相φ(ξ)と参照光112bが受ける位相φ
(−ξ)とは同じであり、以降は両方φ(ξ)とする。
【0032】実際には信号光が再度拡散板で拡散した光
や、参照光が再度透過する光などが存在するが、光量と
しては微弱であったり、不要な方向へ進むため干渉縞の
観察には影響しない。
【0033】参照光も信号光も2回拡散するため振幅は
同じEとすると、観察面での干渉光量は上述の数式1で
表される。これを簡単にすると拡散板で付与される位相
φ(ξ)がキャンセルされて上述の数式2となり、被検
面による位相変化を示す強度の関数となっている。観察
面110と被検面107はレンズ109によって結像関
係にあるため、数式2は被検面107のある位置xで形
状などが波面に与える位相を観察面110のある1点に
て強度分布で表している。
【0034】上記は拡散板120上の位置ξを通り、拡
散により被検面107上での位置xへ回折した光束につ
いての回折であるが、実際には拡散現象はランダムであ
るため、拡散板120上の様々な点から被検面107上
位置xへ回折する光がある。拡散板120を使っている
ため、被検面107上で光の強度分布は荒いスペックル
パターンとなり、観察面110でもスペックルパターン
の中で干渉で強め合う点があったり、弱め合う点が存在
する。拡散板120を中空回転ステージ130によって
回転することによって被検面107上でのスペックルパ
ターンも回転し、時間平均では荒い強度分布が平均化さ
れ、一様になる。上記干渉縞の強度分布の式にもξが入
っていないため、拡散板120の回転角度に依存せずに
干渉条件は常に一定である。スペックルによる強度分布
が除去された分、干渉縞はスペックルパターンなく一様
に観測される。
【0035】本発明の第2の実施形態は、拡散板干渉計
において拡散板120をCGH(コンピュータージェネ
レーテッドホログラム)によって作成したものである。
CGHとは計算機によって計算し、種々の方法により縮
小作成された微細なパターンからなる光学素子で、これ
に光を照射することによって、所望の回折波面を生成す
る。本実施形態は、半導体デバイスなどを作成する際に
用いるステッパーを使用してCGH拡散板を作成する。
コンピューターによって設計した制御されたランダムパ
ターンを元にマスクを作成し、このマスクのパターンを
ステッパーを用いて感光レジストを塗布した石英基板、
蛍石基板、フッ素ドープ石英などの透明基板に転写す
る。レジストを現像し、エッチングを施すことで基板に
制御されたランダムパターンを凹凸として形成する。拡
散板干渉計に必要な位置の点対称性はマスク作製誤差と
ステッパーの収差内に抑えられる。位相の点対称性は凹
凸を作製するプロセスにも依存する。複数のパターンを
重ねて転写することで多段位相型のCGH拡散板を作製
している。ここで制御されたランダムパターンとは単に
ランダムなパターンではなく、回転対称性や、被検面を
全面照射する程度の拡散角を有するなど、少なくとも拡
散板干渉計に必要である条件を満たすランダムパターン
である。ステッパーの他のマスクを使う露光手段、例え
ばコンタクト露光やスキャナー露光でも同様のCGH拡
散板が作製できる。また基板にクロムなど遮光性のある
膜を塗布し、その上にレジストを塗布し、露光、現像、
エッチングのプロセスを経て選択的にCr膜を除去する
ことで振幅型やバイナリ型のCGH拡散板が作製でき
る。
【0036】本発明の第3の実施形態は、拡散板干渉計
において拡散板120をまた別の手法によるCGHによ
って作成したものである。本実施形態は、半導体デバイ
スなどを作成する際に用いる電子ビーム描画装置などを
使用してCGH拡散板を作成する。コンピューターによ
って設計した制御されたランダムパターンを元に電子ビ
ームを制御し、パターンを感光レジストを塗布した石英
基板、蛍石基板、フッ素ドープ石英などの透明基板に転
写する。レジストを現像し、エッチングを施すことで基
板に制御されたランダムパターンを凹凸として形成す
る。拡散板干渉計に必要な位置の点対称性は電子ビーム
の制御誤差内に抑えられる。位相の点対称性は凹凸を作
製するプロセスにも依存する。複数のパターンを繰り返
し重ねて転写することで多段位相型のCGH拡散板を作
製している。グレートーンレジストを用いて描画の際の
強度を制御することで一度の露光で多段位相を作製する
ことが可能である。ここで制御されたランダムパターン
とは単にランダムなパターンではなく、少なくとも拡散
板干渉計に必要である条件を満たすランダムパターンで
ある。電子ビーム以外の電磁波、イオンビームなどでも
同様のCGH拡散板の作製は可能である。また基板にク
ロムなど遮光性のある膜を塗布し、その上にレジストを
塗布し、露光、現像、エッチングのプロセスを経て選択
的にCr膜を除去することで振幅型やバイナリ型のCG
H拡散板が作製することができる。
【0037】本発明の第4の実施形態は、拡散板干渉計
において拡散板120をまた別の手法によるCGHによ
って作成したものである。本実施形態は、プリンタなど
を使用してCGH拡散板を作成する。まず、コンピュー
ターによって設計した制御されたランダムパターンをプ
リンタかプロッターに出力する。図4にプリンタに出力
した拡散板の一例を示す。次に、出力結果をカメラなど
でフイルムや感光板に縮小撮影する。白黒の画像のまま
用いる振幅型のCGH拡散板や、撮影したフイルム感光
板をブリーチし、微少な凹凸によって位相型のCGH拡
散板としても使える。拡散板干渉計に必要な位置の点対
称性はプリンターのパターン描画精度とカメラの収差内
に抑えられる。複数のパターンを重ねて転写することで
多段位相型のCGH拡散板を作製している。ここで制御
されたランダムパターンとは単にランダムなパターンで
はなく、少なくとも拡散板干渉計に必要である、点対称
性等の条件を満たすランダムパターンである。図4は白
黒パターンの各セルに階調があるグレースケールパター
ンで、振幅の多段型である。撮影後のフイルムをブリー
チすることで多段位相型のCGHにもなる。
【0038】本発明の第5の実施形態はCGH拡散板の
設計の際に、拡散による回折散乱光が被検面の全面にほ
ぼ均一に照射するように最適化したものである。CGH
の最適化には様々な手法のものがある。代表的な例がG
erchberg−Saxton法である。この手法を
例にとって解説する。
【0039】まず初めに、図4に示すように上半分に完
全にランダムパターンにし、点対称になるように下半分
に転写したパターンを作る。このパターンは多段の階調
が位相を示しているものとし、位相の2次元関数φ
(ξ、η)を作る。この関数を位相とする波面の関数H
(ξ、η)=exp{iφ(ξ、η)}を作る。関数H
をフーリエ変換し、角スペクトル関数を得る。拡散板か
ら被検面に伝播するまでの光の位相を角スペクトル関数
に付与し、逆フーリエ変換すると被検面での波面の関数
G(x、y)が得られる。Hの画素数は少なくともGが
被検面をカバーするように充分小さい画素とする必要が
ある。得られた波面関数Gにおいて、被検面の外にあた
る部分は振幅を0とし、被検面にあたっている部分に関
しては振幅を1とする。こうして修正した波面関数G’
をフーリエ変換し、角スペクトル関数に被検面から拡散
板まで戻る伝播の光の位相を付与し、逆フーリエ変換す
ると、拡散板での波面関数H’が得られる。得られた波
面関数H’において、拡散板の外にあたる部分は振幅を
0とし、被検面にあたっている部分に関しては振幅を1
とする。ここで、さらに拡散板干渉計に適した拡散板の
波面となるよう、例えば上半分の関数を下半分に転写す
るなどして点対称な波面とする。また、得られた位相は
多段の階調に合わせるために量子化する。こうして得ら
れた新しい波面関数Hは元の波面関数Hよりも被検面に
光量が集中し、より一様になるよう改善されている。波
面関数Hから波面関数Gを求め、修正をかけて新しい波
面関数Hを得る演算工程を、例えば20回繰り返し行う
ことで、最適化された波面関数Hが得られる。
【0040】拡散板を通った光が、演算にて最適化され
た波面関数Hとなるように拡散板を形成する。CGHの
作製にも様々な手法があるが、所望の位相を発生させる
ため、基板を位相に応じた深さ分エッチングによって削
ることや、位相に応じた量だけ画素内にある透過する開
口の位置をずらすことでその画素の位相をエンコードす
るなどして拡散板を作製する。図4のように位相を透過
光量に置き換えて制御することでも同様の波面が得られ
ることが知られている。
【0041】本実施形態によると拡散板を回転すること
によりスペックルノイズが除去される。また、本実施形
態によると拡散板をCGHとして作成するため、高精度
に点対称な拡散板を作成している。更に、本実施形態に
よると拡散板をCGHとして作成するため、拡散光を被
検面全面にほぼ均一に照射するように最適化しやすい。
こうして最適化した拡散板を用いることで、被検面全体
に渡ってコントラストが高い干渉縞を得ている。
【0042】
【発明の効果】本発明は、このように、作成が容易で拡
散光が被検面を均一に照明し、被検面を正確に測定する
ことができる拡散板干渉計及びかかる拡散板の製造方法
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の干渉計の概略的な
光路図である。
【図2】 図1に示す干渉計に使用される拡散板の概略
平面図である。
【図3】 図1に示す干渉計の波面位相の説明図であ
る。
【図4】 本発明の第4及び第5の実施形態の拡散板を
説明するための図である。
【図5】 従来の拡散板干渉計の図である
【図6】 従来の拡散板の図である。
【図7】 従来の拡散板干渉計の干渉光束を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
101 光源 102 ピンホール 103 レンズ 104 ペリクルミラー 106 被検物 107 被検面 108 被検面の中心 110 観察面 120 拡散板 122 拡散板の中心 111 回折散乱光(拡散光、信号光) 112 透過光(参照光) 130 中空回転ステージ 132 モーター

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源からの光を回折散乱させてほぼラン
    ダムな位相を与える点対称な拡散板と、干渉縞を検出す
    る検出手段とを有し、前記拡散板で回折して被検面で反
    射して前記拡散板を透過する光と、前記拡散板を透過し
    て前記被検面で反射して前記拡散板で回折する光とを干
    渉させる干渉計において、前記拡散板の対称点を軸に回
    転可能に構成することを特徴とする干渉計。
  2. 【請求項2】 被検面を測定するための干渉計であっ
    て、 光源からの光を回折散乱させてほぼランダムな位相を与
    える点対称な拡散板と、 当該拡散板で回折して前記被検面で反射して前記拡散板
    を透過する光と、前記拡散板を透過して前記被検面で反
    射して前記拡散板で回折する光とを干渉させた結果とし
    ての干渉縞を検出する検出手段と、 前記干渉縞からスペックルを低減するスペックル低減手
    段とを有することを特徴とする干渉計。
  3. 【請求項3】 光源からの光を回折散乱させてほぼラン
    ダムな位相を与える点対称な拡散板と、干渉縞を検出す
    る検出手段とを有し、前記拡散板で回折して被検面で反
    射して前記拡散板を透過する光と、前記拡散板を透過し
    て前記被検面で反射して前記拡散板で回折する光とを干
    渉させる干渉計において、前記拡散板をコンピュータジ
    ェネレーティッドホログラムで作成することを特徴とす
    る干渉計。
  4. 【請求項4】 前記拡散板は、前記被検面の全面にほぼ
    均一に回折散乱光が照射されるように最適化されている
    ことを特徴とする請求項3記載の干渉計。
  5. 【請求項5】 コンピュータジェネレーティッドホログ
    ラムを利用して、光源からの光を回折散乱させてほぼラ
    ンダムな位相を与える点対称な微細パターンを有する拡
    散板を設計するステップと、 前記微細パターンを形成することによって前記拡散板を
    形成するステップとを有することを特徴とする拡散板の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記拡散板形成ステップは、原版を転写
    する露光装置を使用することを特徴とする請求項5記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 前記拡散板形成ステップは、電子ビーム
    描画装置を使用することを特徴とする請求項5記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 前記拡散板形成ステップは、プリンタを
    使用することを特徴とする請求項5記載の方法。
  9. 【請求項9】 干渉縞を検出する検出手段を有し、前記
    拡散板で回折して被検面で反射して前記拡散板を透過す
    る光と、前記拡散板を透過して前記被検面で反射して前
    記拡散板で回折する光とを干渉させる干渉計に前記拡散
    板は使用され、 前記設計ステップは、前記拡散板の拡散による回折散乱
    光が前記被検面の全面にほぼ均一に照射されるように最
    適化する請求項5記載の方法。
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