JP2003262269A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JP2003262269A JP2002065580A JP2002065580A JP2003262269A JP 2003262269 A JP2003262269 A JP 2003262269A JP 2002065580 A JP2002065580 A JP 2002065580A JP 2002065580 A JP2002065580 A JP 2002065580A JP 2003262269 A JP2003262269 A JP 2003262269A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車速があって出力軸がかなりの回転数で回転
している状態でもニュートラルフェールを確実に検出可
能にする。 【解決手段】 入力軸の回転を変速して出力軸に出力す
る変速機構と、該変速機構の各変速段を成立するために
係脱される複数の係合要素と、ソレノイド弁に供給され
る電気信号に応じた出力油圧を給排して係合要素を夫々
係脱させる複数の油圧サーボ装置と、入力軸及び出力軸
の回転数を夫々検出する入力軸回転数検出装置及び出力
軸回転数検出装置とを備えた自動変速機の制御装置にお
いて、一の変速段を成立する指令が送出されていると
き、入力軸の回転数が、出力軸の回転数に応じて設定さ
れた閾値より大きい場合、ニュートラルフェールと判定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機が走行
レンジにシフトされているにも拘わらずニュートラル状
態になるニュートラルフェールを検出する自動変速機の
制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンの回転が流体伝動装置を
介して入力される入力軸の回転を変速して出力軸に出力
する変速機構と、該変速機構の変速段を切り替える複数
の係合要素と、ソレノイド弁に印加される電気信号に応
じた出力油圧を給排して各係合要素を係脱させる油圧サ
ーボ装置を備えた自動変速機において、指令通りの変速
段を確保するために、ソレノイド弁の断線や短絡等の電
気的故障を検出するだけでなく、ソレノイド弁の弁体の
スティックや異物の噛み込みによる誤動作を検出するこ
とが行なわれている。例えば、一つの変速段への切替え
を指令したときに、該変速段を成立するために係合する
係合要素の係合に必要な時間が経過した後においても、
車速、或いは変速機構からの出力回転数が所定値以下で
あり、且つ変速機構への入力回転数が一定の閾値以上で
あることが検出されたとき、変速機構がニュートラル状
態に固定されたニュートラルフェールであると判定する
自動変速機の故障検出装置が特開平11−280884
号公報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来装置では、入
力回転数が一定の閾値以上の場合ニュートラルフェール
であると判定していたので、僅かでも車速があると入力
回転数は正常な場合でも一定の閾値を越えてしまうの
で、停車時、或いは極低車速時にしかニュートラルフェ
ールを検出できなかった。
【0004】本発明は、係る従来の不具合を解消するた
めになされたもので、車速があって出力軸がかなりの回
転数で回転している状態でもニュートラルフェールを確
実に検出できるようにすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、入力軸の回
転を変速して出力軸に出力する変速機構と、該変速機構
の各変速段を成立するために係脱される複数の係合要素
と、ソレノイド弁に供給される電気信号に応じた出力油
圧を給排して前記係合要素を夫々係脱させる複数の油圧
サーボ装置と、前記入力軸及び出力軸の回転数を夫々検
出する入力軸回転数検出装置及び出力軸回転数検出装置
とを備えた自動変速機の制御装置において、一の変速段
を成立した指令が送出されているとき、前記入力軸の回
転数が、前記出力軸の回転数に応じて設定された閾値よ
り大きい場合、ニュートラルフェールと判定することで
ある。
【0006】請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請
求項1に記載の自動変速機の制御装置において、前記出
力軸の回転数に応じて設定された閾値は、前記出力軸の
回転数に前記一の変速段のギヤ比を乗じた値に判定値を
加算して求めた値であることである。
【0007】請求項3に係る発明の構成上の特徴は、前
記複数の係合要素は、請求項1に記載の自動変速機の制
御装置において、前記変速機構の低速段成立時に常時係
合される第1摩擦係合要素と、高速段成立時に常時係合
される第2摩擦係合要素を含み、前記一の変速段は前記
第1摩擦係合要素が係合され、且つ第2摩擦係合要素が
解放される低速段のいずれかの変速段であることであ
る。
【0008】請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請
求項3に記載の自動変速機の制御装置において、前記出
力軸の回転数に応じて設定された閾値は、前記低速段の
いずれかの変速段のギヤ比に前記出力軸の回転数を乗じ
た値に判定値を加算して求めた値であることである。
【0009】請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請
求項4に記載の自動変速機の制御装置において、前記低
速段のいずれかの変速段は、低速段の中でギヤ比が最大
である第1速段であることである。
【0010】請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請
求項4に記載の自動変速機の制御装置において、前記低
速段のいずれかの変速段は、低速段の中で成立が指令さ
れている変速段であり、該成立が指令されている変速段
のギヤ比に前記出力軸の回転数を乗じた値に判定値を加
算して閾値を求めることである。
【0011】請求項7に係る発明の構成上の特徴は、請
求項1に記載の自動変速機の制御装置において、前記複
数の係合要素は、前記変速機構の低速段成立時に常時係
合される第1摩擦係合要素と、高速段成立時に常時係合
される第2摩擦係合要素を含み、前記第1摩擦係合要素
が係合され、且つ第2摩擦係合要素が解放される低速段
のいずれかの変速段を前記一の変速段として成立した指
令が送出されているとき、前記入力軸の回転数が、前記
出力軸の回転数に応じて設定された閾値より大きい場
合、前記第2摩擦係合要素が係合され、且つ前記第1摩
擦係合要素が解放される高速段のいずれかの変速段を成
立する指令を送出し、該高速段のいずれかの変速段が成
立した場合、前記第1摩擦係合要素のニュートラルフェ
ールと判定することである。
【0012】請求項8に係る発明の構成上の特徴は、請
求項1に記載の自動変速機の制御装置において、前記複
数の係合要素は、前記変速機構の低速段成立時に常時係
合される第1摩擦係合要素と、該第1摩擦係合要素と共
に係合されて低速段の中の一の変速段を成立する第3摩
擦係合要素を含み、前記変速機構は、前記第1摩擦係合
要素が係合しているときに係合して低速段の中の他の変
速段を成立するワンウェイクラッチを備え、前記第1及
び第3摩擦係合要素を係合して前記低速段の中の一の変
速段を成立した指令が送出されているとき、前記入力軸
の回転数が、前記出力軸の回転数に応じて設定された閾
値より大きい場合、前記第1摩擦係合要素の係合異常と
判定することである。
【0013】請求項9に係る発明の構成上の特徴は、請
求項1乃至8のいずれかに記載の自動変速機の制御装置
において、第1サンギヤ、該第1サンギヤと噛合するピ
ニオンを支承する第1キャリヤ及び前記入力軸に連結さ
れ前記ピニオンと噛合する第1リングギヤを有する減速
プラネタリギヤと、第2及び第3サンギヤ、該第2サン
ギヤに直接噛合するとともに中間ピニオンを介して前記
第3サンギヤに噛合するロングピニオンと該中間ピニオ
ンとを支承して前記入力軸に連結される第2キャリヤ、
及び前記ロングピニオンと噛合し前記出力軸に連結され
た第2リングギヤを有する変速プラネタリギヤとによっ
て前記変速機構を構成し、前記第1キャリヤと前記第
3、第2サンギヤとを夫々選択的に係脱可能に連結する
第1、第3クラッチと、前記入力軸を前記第2キャリヤ
に係脱可能に連結する第2クラッチと、前記第2サンギ
ヤ及び前記第2キャリヤの回転を選択的に規制する第
1、第2回転規制手段とによって前記複数の係合要素を
構成したことである。
【0014】上記のように構成した請求項1に係る発明
においては、一の変速段の成立のために係合されるべき
係合要素が係合されて変速機構が一の変速段に設定され
る。出力軸回転数検出装置によって検出された変速機構
の出力軸の回転数に応じて設定された閾値を求め、入力
軸回転数検出装置によって検出された入力軸の回転数が
この閾値より大きい場合にニュートラルフェールと判定
するようにしたので、停車時、或いは極低車速時は勿論
のこと、或る程度の車速があって出力軸がかなりの回転
数で回転している状態でもニュートラルフェールを確実
に検出することができる。
【0015】上記のように構成した請求項2に係る発明
においては、出力軸回転数検出装置によって検出された
変速機構の出力軸の回転数に指令された一の変速段のギ
ヤ比を乗じた値に判定置を加算して閾値を求め、入力軸
回転数検出装置によって検出された入力軸の回転数がこ
の閾値より大きい場合にニュートラルフェールと判定す
るようにしたので、ニュートラルフェールを正確に誤検
出なく検出することができる。
【0016】上記のように構成した請求項3に係る発明
においては、変速機構の低速段成立時に常時係合される
第1摩擦係合要素が係合され、且つ高速段成立時に常時
係合される第2摩擦係合要素が解放される低速段のいず
れかの変速段の成立が指令されたとき、出力軸の回転数
に応じて設定された閾値を求め、入力軸の回転数が閾値
より大きい場合、ニュートラルフェールと判定するの
で、停車時、或いは極低車速時は勿論のこと、或る程度
の車速があって出力軸がかなりの回転数で回転している
状態でも、ニュートラルフェールを確実に検出すること
ができる。
【0017】上記のように構成した請求項4に係る発明
においては、低速段のいずれかの変速段のギヤ比に出力
軸の回転数を乗じた値に判定値を加算して閾値を求め、
入力軸の回転数が閾値より大きい場合、ニュートラルフ
ェールと判定する。ギヤ比が大きい低速段いずれかのギ
ヤ比を用いて閾値を求めるので、誤検出を防止すること
ができる。
【0018】上記のように構成した請求項5に係る発明
においては、低速段の中でギヤ比が最大である第1速段
のギヤ比に出力軸の回転数を乗じた値に判定値を加算し
て閾値を求め、入力軸の回転数が閾値より大きい場合、
ニュートラルフェールと判定する。低速段の中でもギヤ
比が最大の第1速段のギヤ比を用いて閾値を求めるの
で、誤検出を確実に防止することができる。
【0019】上記のように構成した請求項6に係る発明
においては、低速段の中で成立が指令されている変速段
のギヤ比に出力軸の回転数を乗じた値に判定値を加算し
て閾値を求め、入力軸の回転数が閾値より大きい場合、
ニュートラルフェールと判定する。ギヤ比が大きい低速
段の中で成立が指令されている変速段のギヤ比を用いて
閾値を求めるので、ニュートラルフェールを正確に誤検
出なく検出することができる。
【0020】上記のように構成した請求項7に係る発明
においては、変速機構の低速段成立時に常時係合される
第1摩擦係合要素が係合され、且つ高速段成立時に常時
係合される第2摩擦係合要素が解放される低速段のいず
れかの変速段の成立が指令されたとき、出力軸の回転数
に応じて設定された閾値を求める。入力軸の回転数が閾
値より大きい場合、第2摩擦係合要素が係合され、且つ
第1摩擦係合要素が解放される高速段のいずれかの変速
段を成立する指令を送出し、該高速段のいずれかの変速
段が成立した場合、前記第1摩擦係合要素のニュートラ
ルフェールと判定するので、出力軸がかなりの回転数で
回転している状態でも、ニュートラルフェールを確実に
検出することができるとともに、いずれかの高速段が成
立したことを確認することによって、マニュアルバルブ
のシフトが不完全なために油圧サーボ装置に油圧の供給
が遮断されたことによるニュートラルフェールか、第1
速段で係合されるべき第1摩擦係合要素の係合異常によ
るニュートラルフェールかを区別することができる。
【0021】上記のように構成した請求項8に係る発明
においては、請求項1に記載の自動変速機の制御装置に
おいて、前記複数の係合要素は、前記変速機構の低速段
成立時に常時係合される第1摩擦係合要素と、該第1摩
擦係合要素と共に係合されて低速段の中の一の変速段を
成立する第3摩擦係合要素を含み、前記変速機構は、前
記第1摩擦係合要素が係合しているときに係合して低速
段の中の他の変速段を成立するワンウェイクラッチを備
え、第1及び第3摩擦係合要素を係合して低速段の中の
一の変速段を成立した指令が送出されているとき、入力
軸の回転数が、出力軸の回転数に応じて設定された閾値
より大きい場合、第1摩擦係合要素の係合異常と判定す
る。前記低速段の中の一の変速段の場合は、第1又は第
3摩擦係合要素の係合異常が考えられる。仮に第1摩擦
係合要素が正常で、第3摩擦係合要素が係合異常である
とすると、第1摩擦係合要素とワンウェイクラッチとの
係合により前記他の変速段が成立するので、入力軸の回
転数が閾値以下になるはずであるにも拘わらず、閾値よ
り大きくなるのは、第1摩擦係合要素の係合異常による
ニュートラルフェールであると判定することができる。
【0022】上記のように構成した請求項9に係る発明
においては、変速機構を単式の減速プラネタリギヤとラ
ビニョタイプの変速プラネタリギヤとで構成し、減速プ
ラネタリギヤの第1キャリヤと変速プラネタリギヤの第
3、第2サンギヤとを第1、第3クラッチにより夫々選
択的に係脱可能に連結し、入力軸を変速プラネタリギヤ
の第2キャリヤに第2クラッチにより係脱可能に連結
し、第2サンギヤ及び第2キャリヤの回転を第1、第2
回転規制手段により選択的に規制するようにしたので、
簡単な構成で前進6段、後退1段の自動変速機を形成
し、停車時、或いは極低車速時は勿論のこと、或る程度
の車速があって出力軸がかなりの回転数で回転している
状態でもニュートラルフェールを確実に検出することが
できる。
【0023】
【実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施形態
を説明する。図1は本発明に係る自動変速機の制御装置
により制御される自動変速機10の一例を示すスケルト
ン図で、自動変速機10は、図略のエンジンが回転連結
された流体伝動装置としてのトルクコンバータ11及び
トルクコンバータ11から入力軸20に入力された入力
回転を変速して出力軸21に出力する前進6速、後進1
速の変速機構12から構成されている。トルクコンバー
タ11は、ポンプインペラ13、タービンランナ14、
ステータ15、ステータ15を変速機構12のケース1
6に一方向の回転のみ許容して支承するワンウェイクラ
ッチ17、ワンウェイクラッチ17のインナレースをケ
ース16に固定するステータシャフト18を備えてい
る。19はポンプインペラ13とタービンランナ14と
を直結するロックアップクラッチである。
【0024】変速機構12の減速プラネタリギヤG1
は、シングルピニオン型で、第1リングギヤR1が入力
軸20に連結され、第1サンギヤS1がケース16に固
定されて反力を受け、第1キャリヤC1に支承されたピ
ニオンが第1リングギヤR1と第1サンギヤS1とに噛
合されている。変速機構12の主要部である変速プラネ
タリギヤGは、ラビニョタイプで、大径の第2サンギヤ
S2、小径の第3サンギヤS3、第2サンギヤS2に直
接噛合するとともに第3サンギヤS3にピニオンP3を
介して噛合するロングピニオンP2、ロングピニオンP
2及びピニオンP3を支持する第2キャリヤC2(C
3)及びロングピニオンP2と噛合し出力軸21に連結
された第2リングギヤR2(R3)から構成されてい
る。
【0025】減速プラネタリギヤG1の第1キャリヤC
1が第1クラッチC-1を介して変速プラネタリギヤGの
第3サンギヤS3に連結されるとともに、第3クラッチ
C-3を介して第2サンギヤS2に連結されている。変速
プラネタリギヤGの第2サンギヤS2は第1ブレーキB-
1に連結され、第2キャリヤC2(C3)は第2クラッ
チC-2を介して入力軸20に連結されるとともに、ケー
ス16に支持されたワンウェイクラッチF-1及び第2ブ
レーキB-2に並列に連結されている。第1ブレーキB-1
は、第2サンギヤS2の回転を選択的に規制する第1回
転規制手段を構成し、ワンウェイクラッチF-1及び第2
ブレーキB-2は、第2キャリヤC2(C3)の回転を選
択的に規制する第2回転規制手段を構成する。
【0026】自動変速機10の各クラッチ、ブレーキ及
びワンウェイクラッチの係合、解放と各変速段との関係
は図2の係合表に示すようになる。係合表における○印
は係合、無印は解放、△印はエンジンブレーキ時のみの
係合を示す。図3は各クラッチ、ブレーキ及びワンウェ
イクラッチの係合により成立される変速段と、そのとき
のプラネタリギヤG,G1の各要素の回転数比との関係
を示す速度線図である。
【0027】図2,3から明らかなように、第1速段
(1st)は、第1クラッチC-1の係合とワンウェイク
ラッチF-1の自動係合によって達成される。入力軸20
の回転が減速プラネタリギヤG1によって減速された第
1キャリヤC1の回転が、第1クラッチC-1により変速
プラネタリギヤGの第3サンギヤS3に入力され、ワン
ウェイクラッチF-1によって逆転を阻止された第2キャ
リヤC2(C3)が反力を受け、第2リングギヤR2
(R3)が最大ギヤ比で減速回転されて出力軸21に出
力する。
【0028】第2速段(2nd)は、第1クラッチC-1
と第1ブレーキB-1の係合によって達成される。入力軸
20の回転が減速プラネタリギヤG1によって減速され
た第1キャリヤC1の回転が、第1クラッチC-1経由で
変速プラネタリギヤGの第3サンギヤS3に入力され、
第1ブレーキB-1の係合によって回転を阻止された第2
サンギヤS2が反力を受け、第2リングギヤR2(R
3)が第2速段に減速回転されて出力軸21に出力す
る。このときのギヤ比は、図3に示すように、第1速段
(1st)より小さくなる。
【0029】第3速段(3rd)は、第1及び第3クラ
ッチC-1,C-3の係合によって達成される。入力軸20の
回転が減速プラネタリギヤG1によって減速された第1
キャリヤC1の回転が、第1及び第3クラッチC-1,C-3
により第3及び第2サンギヤS3,S2に同時に入力さ
れて変速プラネタリギヤGが直結状態となり、第2リン
グギヤR2(R3)が第1キャリヤC1と同一回転数で回
転されて出力軸21に出力する。
【0030】第4速段(4th)は、第1及び第2クラ
ッチC-1,C-2の係合によって達成される。入力軸20の
回転が第2クラッチC-2により変速プラネタリギヤGの
第2キャリヤC2(C3)に直接入力され、入力軸20
の回転が減速プラネタリギヤG1によって減速された第
1キャリヤC1の回転が、第1クラッチC-1により変速
プラネタリギヤGの第3サンギヤS3に入力され、第2
リングギヤR2(R3)が入力軸20と第1キャリヤC
1との中間の回転数に減速されて出力軸21に出力す
る。
【0031】第5速段(5th)は、第2及び第3クラ
ッチC-2,C-3の係合により達成される。入力軸20の回
転が第2クラッチC-2により変速プラネタリギヤGの第
2キャリヤC2(C3)に直接入力され、入力軸20の
回転が減速プラネタリギヤG1によって減速された第1
キャリヤC1の回転が、第3クラッチC-3により変速プ
ラネタリギヤGの第2サンギヤS2に入力され、第2リ
ングギヤR2(R3)が第5速段に増速回転されて出力
軸21に出力する。
【0032】第6速段(6th)は、第2クラッチC-2
と第1ブレーキB-1との係合により達成される。入力軸
20の回転が第2クラッチC-2により変速プラネタリギ
ヤGの第2キャリヤC2(C3)に直接入力され、第1
ブレーキB-1の係合によって回転を阻止された第2サン
ギヤS2が反力を受け、第2リングギヤR2(R3)が
第6速段に増速回転されて出力軸21に出力する。
【0033】後進段(R)は、第3クラッチC-3と第2
ブレーキB-2との係合によって達成される。入力軸20
の回転が減速プラネタリG1によって減速された第1キ
ャリヤC1の回転が、第3クラッチC-3経由で変速プラ
ネタリギヤGの第2サンギヤS2に入力され、第2ブレ
ーキB-2の係合によって回転を阻止された第2キャリヤ
C2(C3)が反力を受け、第2リングギヤR2(R
3)が逆転されて出力軸21に出力する。
【0034】上記自動変速機10においては、第1乃至
第3クラッチC-1〜C-3及び第1ブレーキB-1が係合要素
であり、第1クラッチC-1は、変速機構12の低速段で
ある第1乃至第3速段の成立時に常時係合される第1摩
擦係合要素であり、第2クラッチC-2は、高速段である
第4乃至第6速段の成立時に常時係合される第2摩擦係
合要素である。第1速段が、低速段の中でギヤ比が最大
で、ワンウェイクラッチF-1の自動係合のため第1クラ
ッチC-1の係合によって成立される。第5及び第6速段
が、第2クラッチC-2が係合され、且つ第1クラッチC-1
が解放される高速段であり、後述するエマージェンシ制
御においてはギヤ比が大きい第5速段が成立される。こ
こで係合要素とは前進時の走行レンジD又は後進時の走
行レンジRが選択されたときに係合されるクラッチ又は
ブレーキを含む概念である。また、走行レンジが選択さ
れた状態でブレーキの制動力によって車両が第1速段状
態で停止し、ニュートラル制御されて第1クラッチC-1
が解放された状態になると第1速段から第2速段が選択
されるため発進時にブレーキが離された場合、登り坂で
車両に後退方向の力が作用しても第1ブレーキB-1が出
力軸21の逆転を阻止するので、車両は後退することが
なく、第1クラッチC-1が係合し始めて駆動力を伝達す
ると第1速段に切り替えられて車両は円滑に発進する。
なお、エンジンブレーキが必要な時には第2ブレーキB-
2が係合され、第2キャリヤC2(C3)が正回転を阻
止されて、出力軸21からの回転が第3サンギヤS3、
第1クラッチC-1、減速プラネタリG1、トルクコンバ
ータ11を経由してエンジンに伝達され、エンジンブレ
ーキがかかる。
【0035】次に、第1クラッチC-1の油圧駆動部に給
排される出力油圧を送出する油圧サーボ装置26を図4
に基づいて説明する。25は運転者がシフトレバーを操
作してニュートラルN、前進走行レンジD、後進走行レ
ンジRに手動で切り替えるマニュアルバルブで、ポート
PLにオイルポンプからのライン圧が供給されている。
マニュアルバルブ25が走行レンジにシフトされたとき
ポートPLと連通されるポートDには、第1クラッチC-
1の油圧駆動部に供給される出力油圧を出力する油圧サ
ーボ装置26の増幅弁27の入力ポート28及び切替弁
29のライン圧ポート30が夫々接続されている。31
はオイルポンプからのライン圧が減圧弁を介して供給さ
れるソレノイドモジュレータバルブで、所定圧に制御し
た出力油圧を油圧サーボ装置26のリニアソレノイド調
圧弁32の入力ポート33及び切替弁29のポート34
に供給する。リニアソレノイド調圧弁32は、リニアソ
レノイドSLC-1が後述する制御装置から供給される制御
信号である制御電流に応じて作動して弁体36を圧縮バ
ネ37のバネ力とバランスする位置まで移動し、入力ポ
ート33から流入する所定圧に制御された油圧を絞って
制御装置からの制御電流の増大につれて減少する制御油
圧を出力ポート38に生成する。リニアソレノイド調圧
弁32の出力ポート38は、増幅弁27の制御ポート3
9に接続されるとともに、切替弁29の切替ポート40
に接続されている。
【0036】増幅弁27は、弁体49が制御ポート39
から供給されて弁体49の大径端面に作用するリニアソ
レノイド調圧弁32の制御油圧による軸力が弁体49の
小径端面に作用する圧縮バネ41のバネ力とフィードバ
ック油圧による軸力とが釣り合う位置に移動され、入力
ポート28に供給されたライン圧を制御電流の増大につ
れて減少するリニアソレノイド調圧弁32の制御油圧に
応じた出力油圧Pcを出力し、出力ポート42から切替弁
29の入力ポート43に供給する。切替弁29は、弁体
45が図示右半分位置にシフトされると、入力ポート4
3を出力ポート44に連通し、増幅弁27からの出力油
圧Pcを第1クラッチC-1の油圧駆動部に供給し、弁体4
5が図示左半分位置にシフトされると、ライン圧ポート
30を出力ポート44に連通し、マニュアルバルブ25
のポートDからのライン圧を第1クラッチC-1の油圧駆
動部に供給し、第1クラッチC-1をライン圧によって係
合状態に維持する。クラッチC-2,C-3、ブレーキB-1,B
-2の各油圧駆動部に油圧を給排する油圧サーボ装置26
も同一構成であるので、詳細な説明は省略し、以降の説
明において、第2、第3クラッチC-2,C-3、第1、第2
ブレーキB-1,B-2に夫々対応する油圧サーボ装置26の
リニアソレノイドを示すときは、リニアソレノイドSLC-
2,SLC-3,SLB-1,SLB-2と表示する。
【0037】自動変速機の制御装置を図5に示すブロッ
ク図に基づいて説明する。CPUを内蔵した制御装置50
は、エンジンの回転が伝達されるトルクコンバータ11
のエンジン側回転数Neを検出するエンジン側回転数セン
サ51、入力軸20の回転数Niを検出する入力軸回転数
センサ52、出力軸21の回転数Nvを検出する出力軸
回転数センサ53、マニュアルバルブ25が走行レンジ
Dにシフトされているか否かを示す信号Drを送出するレ
ンジ位置センサ54、アクセルの踏み込み量Ssを検出す
るスロットル開度センサ55、ブレーキの踏み込み有無
信号Bsを送出するフットブレーキセンサ56及び係合要
素の油圧駆動部に給排される油圧の温度Tを検出する油
温センサ57等から各検出信号が入力され、これら検出
信号に基づいて制御信号である制御電流を各油圧サーボ
装置26のリニアソレノイド調圧弁32に出力するとと
もに、図6に示す制御プログラムを実行してニュートラ
ルフェールを検出するようになっている。
【0038】次に、本発明に係る自動変速機の制御装置
の実施形態の作動を説明する。フットブレーキが踏まれ
て、マニュアルバルブ25がシフトレバーによりニュー
トラルNにシフトされると、制御装置50は、全ての係
合要素、即ち第1乃至第3クラッチC-1〜C-3及び第1、
第2ブレーキB-1,B-2を解放するために、各係合要素に
対応する油圧サーボ装置26の出力油圧Pcを0にする最
大制御電流Imaxを各油圧サーボ装置50のリニアソレノ
イドSLC-1〜SLC-3,SLB-1,SLB-2に供給する。これによ
り、各リニアソレノイド調圧弁32の弁体36及び増幅
弁27の弁体49が図4の左半分位置にシフトされ、出
力ポート38及び出力ポート42がタンクに連通されて
各出力油圧Pcが0になる。各切替弁29は、調圧弁32
から切替ポート40に供給される制御油圧が0になるの
で、制御油圧と圧縮バネ46のバネ力との和がソレノイ
ドモジュレータバルブ31からポート34に供給される
所定圧より小さくなり、弁体45が図示右半分位置にシ
フトされ、油圧駆動部がタンクに連通されて各係合要素
が解放される。運転者はこの状態でエンジンを始動し、
マニュアルバルブ25を走行レンジDにシフトし、ブレ
ーキペダルを離してアクセルを踏んで発進する。制御装
置50は、ND制御を行なって第1クラッチC-1を係合シ
ョックが発生しないように係合し、第1速段を成立す
る。即ち、図7に示すように、第1クラッチC-1のクラ
ッチ板間の隙間を早くつめるために、第1クラッチC-1
用の油圧サーボ装置のリニアソレノイドSLC-1に供給す
る制御電流Iをパルス状に低下して第1クラッチC-1の
油圧駆動部にパルス状の初期油圧Ppを供給した後に、制
御電流を若干増加して第1クラッチC-1がクラッチ板の
接触によりスリップを開始する位置まで油圧駆動部のピ
ストンを移動させるために必要なストローク圧Psを供給
し、次に制御電流Iを漸減して出力油圧Pcを漸増し、第
1クラッチC-1をショックが発生しないように係合す
る。その後に制御電流は0に低下され、第1クラッチC-
1はライン圧によって係合状態に維持される。本実施の
形態では、制御装置が所定の変速段を達成、維持するた
めの電気信号を、各油圧サーボ装置50のリニアソレノ
イド(ソレノイド弁)に出力している状態が、一の変速
段を成立した指令が創出されている状態である。例えば
第1速段の場合は、第1クラッチC-1用の油圧サーボ装
置のリニアソレノイドSLC-1に供給する制御電流を0に
低下している状態である。
【0039】この状態で図6の制御プログラムが実行さ
れる。ステップ61でクラッチC-1の油圧駆動部に給排
される油圧の温度が所定温度E℃より高いか否か判定さ
れる。油温が所定温度E℃より低い場合は、粘性が高
く、制御装置50が出力する制御電流Iに応じた出力油
圧Pcが油圧サーボ装置26から第1クラッチC-1の油圧
制御部に供給されるのに時間を要するので、係合すべき
第1クラッチC-1の係合遅れによりニュートラルフェー
ルであると誤って判定しないように制御プログラムを終
了する(ステップ74)。油温が所定温度E℃より高い
場合、走行レンジD又は手動変速モードSが選択されて
おり、ND制御中でなく、走行レンジDからニュートラル
Nに切り替えるDN制御中でなく、ニュートラル制御中で
なく、変速制御中でなく、且つ出力軸21の回転数Nvが
所定回転数Mrpm以下であることが確認されると(ステ
ップ62〜66)、ニュートラル判定条件が成立してい
るか否かの判定が行なわれる(ステップ67)。走行レ
ンジD又は手動変速モードSでなく、後進レンジRが選
択されている場合は図8に示す制御プログラムが実行さ
れるので、このプログラムは終了する。ND、DN制御中、
ニュートラル制御中、変速制御中のいずれかの場合、制
御中にニュートラル状態になるので、ニュートラルフェ
ールとの誤判定を避けるためにプログラムを終了する。
走行レンジDの場合、発進用の変速段が成立して回転数
Nvが所定回転数Mrpm以上になると、第1速段以外の変
速段が指令されるので、プログラムを終了する。
【0040】ニュートラル判定条件が成立しているか否
かを判定するために、制御装置50は、出力軸回転数セ
ンサ53によって検出された出力軸21の回転数Nvに第
1速段のギヤ比Gr1を乗じた値に判定値A1を加算して第
1閾値L1を、L1=Nv×Gr1+A1・・・(1)によって算
出し、入力軸回転数センサ52によって検出された入力
軸20の回転数Niが第1閾値L1より大きいとき、ニュー
トラル判定条件が成立と判断する。第1閾値L1は、図7
に示すように、第1クラッチC-1の係合によって成立さ
れる第1速段が正常に成立した場合の出力軸21の回転
数Nvに対する入力軸20の計算上の回転数に、入力軸2
0から出力軸21への実際の回転伝達が異常であるか否
か判定するための判定値A1を加算したものである。
【0041】なお、第1閾値L1は、(1)式で算出する
代わりに出力軸21の回転数Nvに対応してマップに記憶
しておいてもよい。また、判定値A1は定数である必要は
なく、回転数Nvの増加につれて増加させてもよい。
【0042】ニュートラル判定条件が不成立、即ち第1
クラッチC-1が正常に係合している場合は、プログラム
を終了するが、ニュートラル判定条件が成立した場合、
スロットル踏込み後、トルクリミテーションしながら制
御装置50は、例えば第1クラッチC-1が解放し第2及
び第3クラッチC-2,C-3が係合して成立される第5速段
への移行を指令する(ステップ68)。移行が完了する
と第5速段でのニュートラル判定条件が成立しているか
否かの判定が行なわれる(ステップ69)。即ち、制御
装置50は、出力軸回転数センサ53によって検出され
た出力軸21の回転数Nvに第5速段のギヤ比Gr5を乗じ
た値に判定値A5を加算して第2閾値L5を、式L5=Nv×Gr
5+A5によって算出し、入力軸回転数センサ52によっ
て検出された入力軸20の回転数Niが第2閾値L5より大
きいとき、ニュートラル判定条件が成立と判断する。第
5速段ではニュートラル判定条件が成立しない場合、ク
ラッチ係合判定条件が成立するか否か判定される(ステ
ップ70)。即ち、現時点での入力軸20の回転数Niが
第5速段の成立を指令した時点での回転数Niより減少
し、且つ現時点でのエンジン側回転数Neがアイドル回転
以上か否かチェックし、成立していると第2、第3クラ
ッチC-2,C-3の係合判定条件が成立したと判定される。
クラッチ係合判定条件が成立すると、第1クラッチC-1
が異常と判断される(ステップ71)。入力軸回転数セ
ンサ52によって検出された入力軸20の回転数Niが第
1閾値L1より大きくなってニュートラル判定条件が成立
するのは、第1クラッチC-1が異常で係合されない場合
と、ワンウェイクラッチF-1が故障して空転する場合と
があるが、ワンウェイクラッチF-1は殆ど故障しないの
で、第1クラッチC-1の異常と判断してもよい。第1ク
ラッチC-1が異常と判断されると、エマージェンシ制御
が行なわれ、第5速段に固定して走行可能とする(ステ
ップ72)。第5速段でもニュートラル判定条件が成立
すると、マニュアルバルブ25が異常で、油圧サーボ装
置26に油圧が供給されていないと判断する(ステップ
73)。上述の説明では、ND制御を行なった後にニュー
トラルフェールを判定する制御プログラムを実行してい
るが、車両が信号等により停車している間及びこのよう
な停車後の発進時にもこの制御プログラムは同様に実行
される。
【0043】手動変換モードSにしてマニュアルバルブ
25を第2速段又は第3速段にして発進する場合も、前
述と同様に、油温がE℃以上である等、ステップ61〜
66の条件が満たされると、制御装置50は、入力軸回
転数センサ52によって検出された入力軸20の回転数
Niが、出力軸回転数センサ53によって検出された出力
軸21の回転数Nvに第1速段のギヤ比Gr1を乗じた値に
判定値A1を加算した第1閾値L1より大きいか否かチェッ
クし、大きい場合ニュートラル判定条件が成立したと判
定する。
【0044】ニュートラル判定条件が不成立、即ち第1
クラッチC-1が正常に係合している場合は、プログラム
を終了するが、ニュートラル判定条件が成立した場合、
制御装置50は、例えば第1クラッチC-1が解放し第2
及び第3クラッチC-2,C-3が係合して成立される第5速
段への移行を指令する(ステップ68)。移行が完了す
ると第5速段でのニュートラル判定条件が成立している
か否かの判定が行なわれる(ステップ69)。制御装置
50は、入力軸20の回転数Niが、出力軸21の回転数
Nvに第5速段のギヤ比Gr5を乗じた値に判定値A5を加算
した第2閾値L5より大きいか否かチェックし、小さいと
きニュートラル判定条件が不成立と判定する。第5速段
ではニュートラル判定条件が成立しない場合、クラッチ
係合判定条件が成立するか否か判定される(ステップ7
0)。現時点での回転数Niが第5速段の成立を指令した
時点での回転数Niより減少し、且つ現時点でのエンジン
側回転数Neが第5速段の成立を指令した時点での回転数
Neより増大すると第2、第3クラッチC-2,C-3の係合判
定条件が成立したと判定される。クラッチ係合判定条件
が成立すると、第1クラッチC-1が異常と判断され(ス
テップ71)、前述と同様のエマージェンシ制御が行な
われる。第2速段又は第3速段で発進した場合に、ニュ
ートラル判定条件が成立するのは、第1摩擦係合要素と
しての第1クラッチC-1の係合異常、若しくは第3摩擦
係合要素としての第1ブレーキB-1又は第3クラッチC-3
の係合異常である。仮に第1クラッチC-1が正常で、第
1ブレーキB-1又は第3クラッチC-3が係合異常で解放し
ているとすると、第1クラッチC-1及びワンウェイクラ
ッチF-1が係合して第1速段が成立するので、前述のニ
ュートラル判定条件が不成立となるはずであるにも拘わ
らず、ニュートラル判定条件が成立するのは、第1クラ
ッチC-1の係合異常であると判断する。第2速段で発進
した場合は、第1ブレーキB-1が第3摩擦係合要素とし
て機能し、第3速段で発進した場合は、第3クラッチC-
3が第3摩擦係合要素として機能する。第5速段でもニ
ュートラル判定条件が成立すると、マニュアルバルブ2
5が異常と判断する(ステップ73)。
【0045】エンジンをかけた後に後進する場合、運転
者はフットブレーキを踏んでシフトレバーによりマニュ
アルバルブ25をニュートラルNにシフトし、エンジン
を始動した後に、マニュアルバルブ25を後進レンジR
にシフトし、ブレーキペダルを離してアクセルを踏んで
後進する。制御装置50は、第2ブレーキB-2を係合し
た後に、前述のND制御と同様にNR制御を行なってクラッ
チC-3を係合ショックが発生しないように係合し、後進
段を成立する。この状態で図8の制御プログラムが実行
され、前述と同様に、油温がE℃以上であり、後進レン
ジRが選択されており、NR制御中でなく、後進レンジR
からニュートラルNに切り替えるRN制御中でなく、ニュ
ートラル制御中でなく、且つ出力軸21の回転数Nvが所
定回転数Mrpm以下であることが確認されると(ステッ
プ81〜85)、クラッチ係合判定条件が成立するか否
か判定される(ステップ86)。即ち、現時点での入力
軸20の回転数Niが後進段の成立を指令した時点での回
転数Niより減少し、且つ現時点でのエンジン側回転数Ne
がアイドル回転以上か否かチェックし、成立していると
第3クラッチC-3の係合判定条件が成立したと判断され
る。クラッチ係合判定条件が不成立であるとプログラム
は終了するが、成立するとニュートラル判定条件が成立
しているか否かの判定が行なわれる(ステップ87)。
制御装置50は、出力軸回転数センサ53によって検出
された出力軸21の回転数Nvに後進段のギヤ比Grbを乗
じた値に判定値Abを加算して閾値Lbを、式Lb=Nv×Grb
+Abによって算出し、入力軸回転数センサ52によって
検出された入力軸20の回転数Niが閾値Lbより大きいと
き、ニュートラル判定条件が成立と判断する。ニュート
ラル判定条件が不成立、即ち第3クラッチC-3及び第2
ブレーキB-2が正常に係合している場合は、プログラム
を終了するが、ニュートラル判定条件が成立した場合
は、第3クラッチC-3又は第2ブレーキB-2の係合異常に
よるニュートラルフェールと判定され(ステップ8
8)、異常ランプを点灯する等のエマージェンシ制御が
行なわれる。
【0046】出力軸21の回転数Nvが所定回転数Mrpm以
上の場合でも、入力軸20の回転数Niが、出力軸21の
回転数Nvにニュートラルフェールの判定時に成立するよ
うに指令されている変速段のギヤ比を乗じた値に判定値
Aを加算した閾値Lより大きいときニュートラルフェー
ルと判定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る自動変速機の制御装置により制
御される自動変速機のスケルトン図。
【図2】 自動変速機の各変速段におけるクラッチ、ブ
レーキの係合表。
【図3】 自動変速機の各変速段におけるプラネタリギ
ヤの各要素の回転数比を示す速度線図。
【図4】 第1クラッチC-1を係脱する油圧サーボ装置
を示す図。
【図5】 自動変速機の制御装置を示すブロック図。
【図6】 ニュートラルフェール検出用の制御プログラ
ムのフロー図。
【図7】 出力軸の回転数に対応して設定された入力軸
の回転数の閾値及び第1クラッチの係合過程の出力油圧
を示すグラフ。
【図8】 後進段用の制御プログラムのフロー図。
【符号の説明】
10・・・自動変速機、11・・・トルクコンバータ
(流体伝動装置)、12・・・変速機構、20・・・入
力軸、21・・・出力軸、25・・・マニュアルバル
ブ、26・・・油圧サーボ装置、27・・・増幅弁、2
9・・・切替弁、32・・・リニアソレノイド調圧弁、
SLC-1〜SLC-2,SLB-1,SLB-2・・・リニアソレノイド、
36,49・・・弁体、50・・・制御装置、51・・
・エンジン側回転数センサ、52・・・入力軸回転数セ
ンサ、53・・・出力軸回転数センサ、54・・・レン
ジ位置センサ、55・・・スロットル開度センサ、56
・・・フットブレーキセンサ、C-1・・・第1クラッ
チ、C-2・・・第2クラッチ、C-3・・・第3クラッチ、
B-1・・・第1ブレーキ、B-2・・・第2ブレーキ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早渕 正宏 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 西田 正明 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 筒井 洋 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 Fターム(参考) 3J552 MA02 MA12 MA25 MA26 NA01 NB01 PA51 PB01 RA02 SA02 SB01 VA32W VA37W VA42W VA74W

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸の回転を変速して出力軸に出力す
    る変速機構と、該変速機構の各変速段を成立するために
    係脱される複数の係合要素と、ソレノイド弁に供給され
    る電気信号に応じた出力油圧を給排して前記係合要素を
    夫々係脱させる複数の油圧サーボ装置と、前記入力軸及
    び出力軸の回転数を夫々検出する入力軸回転数検出装置
    及び出力軸回転数検出装置とを備えた自動変速機の制御
    装置において、一の変速段を成立した指令が送出されて
    いるとき、前記入力軸の回転数が、前記出力軸の回転数
    に応じて設定された閾値より大きい場合、ニュートラル
    フェールと判定することを特徴とする自動変速機の制御
    装置。
  2. 【請求項2】 前記出力軸の回転数に応じて設定された
    閾値は、前記出力軸の回転数に前記一の変速段のギヤ比
    を乗じた値に判定値を加算して求めた値であることを特
    徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の係合要素は、前記変速機構の
    低速段成立時に常時係合される第1摩擦係合要素と、高
    速段成立時に常時係合される第2摩擦係合要素を含み、
    前記一の変速段は前記第1摩擦係合要素が係合され、且
    つ第2摩擦係合要素が解放される低速段のいずれかの変
    速段であることを特徴とする請求項1に記載の自動変速
    機の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記出力軸の回転数に応じて設定された
    閾値は、前記低速段のいずれかの変速段のギヤ比に前記
    出力軸の回転数を乗じた値に判定値を加算して求めた値
    であることを特徴とする請求項3に記載の自動変速機の
    制御装置。
  5. 【請求項5】前記低速段のいずれかの変速段は、低速段
    の中でギヤ比が最大である第1速段であることを特徴と
    する請求項4に記載の自動変速機の制御装置。
  6. 【請求項6】 前記低速段のいずれかの変速段は、低速
    段の中で成立が指令されている変速段であり、該成立が
    指令されている変速段のギヤ比に前記出力軸の回転数を
    乗じた値に判定値を加算して閾値を求めることを特徴と
    する請求項4に記載の自動変速機の制御装置。
  7. 【請求項7】 前記複数の係合要素は、前記変速機構の
    低速段成立時に常時係合される第1摩擦係合要素と、高
    速段成立時に常時係合される第2摩擦係合要素を含み、
    前記第1摩擦係合要素が係合され、且つ第2摩擦係合要
    素が解放される低速段のいずれかの変速段を前記一の変
    速段として成立した指令が送出されているとき、前記入
    力軸の回転数が、前記出力軸の回転数に応じて設定され
    た閾値より大きい場合、前記第2摩擦係合要素が係合さ
    れ、且つ前記第1摩擦係合要素が解放される高速段のい
    ずれかの変速段を成立する指令を送出し、該高速段のい
    ずれかの変速段が成立した場合、前記第1摩擦係合要素
    のニュートラルフェールと判定することを特徴とする請
    求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  8. 【請求項8】 前記複数の係合要素は、前記変速機構の
    低速段成立時に常時係合される第1摩擦係合要素と、該
    第1摩擦係合要素と共に係合されて低速段の中の一の変
    速段を成立する第3摩擦係合要素を含み、前記変速機構
    は、前記第1摩擦係合要素が係合しているときに係合し
    て低速段の中の他の変速段を成立するワンウェイクラッ
    チを備え、前記第1及び第3摩擦係合要素を係合して前
    記低速段の中の一の変速段を成立した指令が送出されて
    いるとき、前記入力軸の回転数が、前記出力軸の回転数
    に応じて設定された閾値より大きい場合、前記第1摩擦
    係合要素の係合異常と判定することを特徴とする請求項
    1に記載の自動変速機の制御装置。
  9. 【請求項9】 第1サンギヤ、該第1サンギヤと噛合す
    るピニオンを支承する第1キャリヤ及び前記入力軸に連
    結され前記ピニオンと噛合する第1リングギヤを有する
    減速プラネタリギヤと、第2及び第3サンギヤ、該第2
    サンギヤに直接噛合するとともに中間ピニオンを介して
    前記第3サンギヤに噛合するロングピニオンと該中間ピ
    ニオンとを支承して前記入力軸に連結される第2キャリ
    ヤ、及び前記ロングピニオンと噛合し前記出力軸に連結
    された第2リングギヤを有する変速プラネタリギヤとに
    よって前記変速機構を構成し、前記第1キャリヤと前記
    第3、第2サンギヤとを夫々選択的に係脱可能に連結す
    る第1、第3クラッチと、前記入力軸を前記第2キャリ
    ヤに係脱可能に連結する第2クラッチと、前記第2サン
    ギヤ及び前記第2キャリヤの回転を選択的に規制する第
    1、第2回転規制手段とによって前記複数の係合要素を
    構成したことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに
    記載の自動変速機の制御装置。
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