JP2003261921A - 水門システム - Google Patents

水門システム

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JP2003261921A
JP2003261921A JP2002062538A JP2002062538A JP2003261921A JP 2003261921 A JP2003261921 A JP 2003261921A JP 2002062538 A JP2002062538 A JP 2002062538A JP 2002062538 A JP2002062538 A JP 2002062538A JP 2003261921 A JP2003261921 A JP 2003261921A
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gate
main girder
dock
bridge
pier
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JP2002062538A
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English (en)
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Masaru Otsuka
勝 大塚
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Yokogawa Bridge Corp
Original Assignee
Yokogawa Bridge Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ゲート強度を高波や津波等の外力に充分に耐
え得るように構築できるようにして、橋梁を利用した新
規な水門システムを提供する。 【解決手段】 一対の橋脚1,1間に架設される主桁2
を有した橋梁Bの当該主桁2の下部の水路Sを開閉する
もので、橋脚1の外側から水路に進出して水路Sを閉じ
る閉位置Rs及び橋脚1の外側に後退して水路Sを開け
る開位置Roに移動可能なゲート10と、従桁3の下部
に設けられゲート10が出入りする開口を有しゲート1
0を開位置Roで収容するドック20とを設け、主桁2
を定常位置Taから下降して閉位置Rsのゲート10に
当該主桁2の荷重をかけてゲート10を押える下降位置
Tcに移動可能にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高波や津波等の際
に水路を閉じる水門システムに係り、特に、橋梁の下に
ある水路を開閉する水門システムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、橋梁として、例えば、川や海等
に設けられるものであって、船舶を通過可能にする、所
謂「昇開橋」といわれる大型のものが知られている。図
13に示すように、この橋梁Bは、海上に設けらるもの
で、一対の橋脚1,1間に架設されアーチによって強度
保持された主桁2を有し、この主桁2の下部を、船舶が
通過可能な水路S(航路)としている。この種の橋梁B
としては、例えば、主桁2の全長が100mを越える大
きさのものがある。
【0003】この主桁2は、定常位置Taから上昇する
上昇位置Tbに移動可能に橋脚1に支持されており、船
舶が主桁2の定常位置Taよりも上に突出する大型の場
合には、主桁2を図示外の駆動機構により上昇位置Ta
に移動させて、船舶が水路Sを通過できるようにしてい
る。図13中3は、橋脚1の左右に設けられ、定常位置
Taの主桁2が接続される従桁である。定常位置Taに
おいては、この主桁2及び従桁3の上を、自動車等の車
両が走行できるようになっている。尚、上記の橋梁Bの
橋脚1は、海上に設けられているが、設置条件によって
例えば川等においては水路を構成する両岸に設けられる
場合等、種々の設置態様がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この橋梁B
が設けられる水路Sにおいて、高波や津波等の際に水路
を閉じる水門を構築しようとする場合、従来において
は、橋梁Bより下流側に、別途構築することが行なわれ
る。しかしながら、橋梁Bの下流に別途水門を構築する
ことになると、水門を構成するゲートを支持する支持構
築物を基礎から構築しなければならない等、構築が大掛
かりになり、構築費用も莫大なものになってしまうとい
う問題があった。そのため、本願出願人は、橋梁に水門
を構築することを検討してきた。この場合、主桁の下部
をゲートで開閉することが考えられるが、単に、ゲート
を設けても、主桁下部という制約があるので、ゲートの
強度を高波や津波等の外力に充分に耐え得るように構築
することが難しいという問題があった。
【0005】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
もので、ゲート強度を高波や津波等の外力に充分に耐え
得るように構築できるようにして、橋梁を利用した新規
な水門システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るため、本発明の水門システムは、一対の橋脚間に架設
される主桁を有した橋梁の当該主桁の下部の水路を開閉
する水門システムにおいて、上記橋脚の外側から水路に
進出して該水路を閉じる閉位置及び該橋脚の外側に後退
して水路を開ける開位置に移動可能なゲートを設け、上
記主桁を定常位置から下降して上記閉位置のゲートに該
主桁の荷重をかけてゲートを押える下降位置に移動可能
にした構成としている。
【0007】これにより、高波や津波等の虞があるとき
等においては、ゲートを開位置から閉位置へ移動させて
水路を閉じる。それから、主桁を下降させ、主桁により
閉位置のゲートに荷重をかける。この状態では、もし、
高波や津波等が生じた場合には、主桁やゲートで波が受
けられ、上流への波及が防止される。この場合、主桁や
ゲートに外力が作用するが、主桁は、ゲートと一体にな
り水門の一部として高波や津波等の外力を受けるととも
に、主桁の荷重をかけてゲートを押えるので、ゲートを
動きにくくすることができ、そのため、高波や津波等の
外力に対する耐力が確保される。
【0008】そして、必要に応じ、上記ゲートを各橋脚
に対応して一対設け、該一対のゲートが水路の中央で互
いに当接して水路を閉じるように構成している。1つの
ゲートを設ける場合に比較して、ゲートを小さくして軽
くすることができるとともに、ゲートの移動距離が短く
なり、そのため、ゲートの移動を円滑容易にかつ迅速に
行なうことができる。また、必要に応じ、上記ゲート
を、バラスト水を注水及び排水可能になるように中空状
に形成し、該バラスト水を注水及び排水するバラスト注
排水装置を設けた構成としている。開閉移動中は、ゲー
トからバラスト水を排水し、軽くすることができるの
で、移動を容易にかつ迅速に行なうことができる。一
方、ゲートの閉位置では、バラスト水を注水することに
より、ゲートを重くして動きにくくすることがき、その
ため、より一層、高波や津波等の外力に対する耐力を向
上させることができる。
【0009】更に、必要に応じ、上記橋脚に主桁の水平
幅方向の移動に対して当接して該主桁を押える水平沓を
設けた構成としている。主桁には高波や津波等の外力が
作用して水平幅方向に押されるが、主桁はこの水平沓に
当接して受けられるので、橋脚に対しての衝撃が緩和さ
れ、外力が確実に押えられる。更にまた、上記ゲートの
下端を支持する支持レールを設けた構成としている。ゲ
ートの移動を円滑容易にかつ迅速に行なわせることがで
きる。また、必要に応じ、上記主桁の下部に上記ゲート
の上端をガイドするガイドレールを設けた構成としてい
る。ゲートの移動を円滑容易にかつ迅速に行なわせるこ
とができる。
【0010】そしてまた、上記橋脚の外側に、上記ゲー
トが出入りする開口を有し該ゲートを開位置で収容する
ドックを設けた構成としている。ゲートは、ドックに収
容されて覆われるので、保護されることになり、それだ
け、メンテナンスが容易になるとともに、耐久性も向上
させられる。また、必要に応じ、上記ゲートの後端部
に、該ゲートの閉位置において、上記ドックの開口側の
内側壁に当接して水平方向の移動が規制される移動規制
部を設けた構成としている。高波や津波等の外力がゲー
トに作用した際、ゲートにモーメント荷重が作用する
が、ゲートの後端部の移動規制部がドックの開口側の内
側壁に受けられるので、このモーメント荷重によっても
ゲートが動きにくくなっており、より一層、高波や津波
等の外力に対する耐力が確実に確保される。
【0011】更に、必要に応じ、上記ドックの開口側の
内側壁に、上記ゲートの移動規制部が当接する樹脂製の
防舷材を設けた構成としている。ゲートの閉位置におい
て、ドックの開口から水が浸入しようとするが、ゲート
の移動規制部が樹脂製の防舷材によってシールされるの
で、ある程度水密性が確保され、ドックに水が浸入する
事態が防止され、ドックが保護される。更にまた、必要
に応じ、上記ドックの内側壁に、上記ゲートを転動して
ガイドするガイドローラを設けた構成としている。ゲー
トの移動時に、ガイドローラがゲートを転動してガイド
するので、より一層ゲートの移動が円滑容易にかつ迅速
に行なわれる。また、上記ゲートを開閉移動させる駆動
機構を設けた構成としている。自動でゲートを移動でき
る。そしてまた、上記主桁は、定常位置から上昇して船
舶の水路の通過を許容する上昇位置に移動可能である構
成としている。船舶を通過可能にする所謂「昇開橋」と
いわれる大型の橋梁に適用できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の実施の形態に係る水門システムについて詳細に説明
する。尚、上記と同様のものには同一の符号を付して説
明する。図1乃至図7に示すように、本発明の実施の形
態に係る水門システムは、海上に設けられ、船舶を通過
可能にする所謂「昇開橋」といわれる大型の橋梁Bに構
築されるものであって、一対の橋脚1,1間に架設され
アーチによって強度保持された主桁2を有し、この主桁
2の下部を船舶が通過可能な水路S(航路)とし、この
水路Sを開閉するものである。主桁2の全長Lは、10
0mを越える(実施の形態では、例えば、L=312
m)。そして、水路Sを開閉する手段として、橋脚1の
外側から水路Sに進出して水路Sを閉じる閉位置Rs
(図2(b))及び橋脚1の外側に後退して水路Sを開
ける開位置Ro(図2(a))に移動可能なゲート10
を備えている。
【0013】橋脚1の左右には、定常位置Taにある主
桁2が接続される従桁3が構築されている。主桁2及び
従桁3は水底に打設されて構築された多数の杭で構成さ
れた基礎4に設けられている。主桁2の定常位置Taに
おいては、この主桁2及び従桁3の上を、自動車等の車
両が走行できるようになっている。主桁2は、定常位置
Taから上昇する上昇位置Tbに移動可能に橋脚1に支
持されており、船舶が主桁2の定常位置Taよりも上に
突出する大型の場合には、主桁2を上昇位置Tbに移動
させて、船舶が水路Sを通過できるようにしている。そ
して、主桁2は、定常位置Taから下降して閉位置Rs
のゲート10に主桁2の荷重をかけてゲート10を押え
る下降位置Tcに移動可能に橋脚1に支持されている。
尚、主桁2の定常位置Taは、ゲート10の上端より上
の位置に設定されている。主桁2は、周知のカウンター
ウエイトや滑車機構を使用した駆動機構(図示せず)に
よって移動制御される。
【0014】橋脚1は、図5に示すように、主桁2の端
部の両側に位置する塔柱1a,1aを有して門型に形成
されており、橋脚1には、定常位置Taで、主桁2の端
部を支承し、下降位置Tcに移動させるとき、主桁2の
端部の支承を解除する可動支承体5が設けられている。
また、図3及び図5に示すように、橋脚1の塔柱1aに
は、主桁2の下降位置Tcにおいて、主桁2の水平幅方
向の移動に対して当接して主桁2を押える水平沓6が設
けられている。水平沓6は、鉄製の箱にコンクリートを
詰める等して形成されて、塔柱1aに付設されている。
橋脚1の上部には、主桁2やゲート10の駆動機構を制
御するコントロール室7(オペレータルーム)が設けら
れている。
【0015】次に、ゲート10について詳しく説明する
と、ゲート10は、鋼板及びコンクリートで形成された
所謂ハイブリッド構造をしており、各橋脚1に対応して
一対設けられ、一対のゲート10が水路Sの中央で互い
に当接して水路Sを閉じるように構成されている。ゲー
ト10の当接端面には、図4に示すように、一方側に凸
部10aが形成され、他方側に凹部10bが形成され
て、互いに嵌合するよう構成され、閉時の水密が図られ
るようにしてある。各ゲート10は、開位置Roにおい
て、従桁3の下側に位置させられる。ゲート10は、図
3に示すように、滑車機構を使用した駆動機構11によ
って移動制御される。また、ゲート10は、図8に示す
ように、バラスト水を注水及び排水可能になるように中
空状に形成されており、図1に示すように、先端部にバ
ラスト水を注水及び排水するポンプを備えたバラスト注
排水装置12が設けられている。13はバラスト注排水
装置12をコントロールするための機械室である。
【0016】更に、ゲート10は、図5乃至図8に示す
ように、その下端が基礎4上に設けられる支持レール1
4により方向が制御される。詳しくは、ゲート10の下
端には長手方向に沿って一対の凹条15が設けられ、支
持レール14にはこの凹条15に係合してガイドする一
対の凸条16が設けられている。また、主桁2の下部に
は、図5乃至図8に示すように、ゲート10の上端をガ
イドするガイドレール17が設けられている。詳しく
は、ゲート10の上端には長手方向に沿って凸条18が
設けられ、ガイドレール17はこの凸条18に係合して
ガイドする凹条19で構成されている。尚、実施の形態
では、ゲート10が開閉移動させられるとき、支持レー
ル14及びガイドレール17にガイドされて移動可能に
なるように、主桁2は、下降位置Tcよりやや上の下降
途中位置で一端停止させられる。
【0017】更に、橋脚1の外側であって、従桁3の下
側には、ゲート10が出入りする開口21を有しゲート
10を開位置Roで収容する断面コ字状のコンクリート
製のドック20が設けられている。ドック20の底壁に
も、上記の支持レール14が設けられている。更にま
た、図3及び図4に示すように、ゲート10の後端部に
は、ゲート10の閉位置Rsにおいて、ドック20の開
口21側の内側壁に当接して水平方向の移動が規制され
る移動規制部22が設けられている。この移動規制部2
2は、ゲート10の一般部より厚さが厚く形成されてい
る。一方、ドック20の開口21側の内側壁には、ゲー
ト10の移動規制部22が当接する樹脂製の防舷材23
が設けられている。防舷材23は棒状に形成されてお
り、ドック20の開口21側の内側壁に適宜付設されて
いる。これにより、ゲート10の閉時の水密が図られ
る。また、ドック20の内側壁には、記ゲート10を転
動してガイドするガイドローラ24が多数列設されてい
る。
【0018】従って、この水門システムにおいては、図
2(a)及び図9(a)に示すように、常時は、主桁2
が定常位置Taに位置させられ、自動車等の車両の船舶
の往来を許容するるとともに、ゲート10が開位置Ro
に位置させられ、水路Sを開放しておき、船舶の往来を
許容する。この場合、図1に示すように、船舶が主桁2
の定常位置Taよりも上に突出する大型の場合には、主
桁2を図示外の駆動機構により上昇位置Tbに移動させ
て、船舶を通過させる。
【0019】次に、高波や津波等の虞があるとき等に、
ゲート10を閉じる場合について、図9に示す工程図及
び図11に示すフローチャートを用いて説明する。予
め、水路S(航路)の閉鎖を予告して交通遮断等の準備
に入る(B1−1,G1−1,G1−2)。また、バラ
スト注排水装置12により、ゲート10の重さを微調整
する(G1−3)。そして、水路S(航路)の閉鎖指示
により、安全を確認し(B1−2)、交通遮断等を実行
し(B1−3)、可動支承体5を移動させて主桁2の端
部の支承を解除し(B1−4)、図9(b)に示すよう
に、主桁2を下降(例えば5.5m下降)させ(B1−
5)、ガイドレール17の凹条19がゲート10の上端
の凸条18に係合した位置で停止させる(B1−6)。
【0020】この状態で、図9(c)に示すように、ゲ
ート10を開位置Roから閉位置Rsへと引出す(G1
−4)。この場合、ゲート10の下端の凹条15が、支
持レール14の凸条16にガイドされるので、ゲート1
0の移動が円滑容易にかつ迅速に行なわれる。また、ゲ
ート10の上端の凸条18が主桁2の下部に設けたガイ
ドレール17の凹条19にガイドされるので、この点で
も、ゲート10の移動が円滑容易にかつ迅速に行なわれ
る。更にまた、ドック20の内側壁に設けたガイドロー
ラ24がゲート10を転動してガイドするので、より一
層ゲート10の移動が円滑容易にかつ迅速に行なわれ
る。
【0021】また、この場合、ゲート10内において
は、バラスト水が調整されて存在するが、ほとんど中空
状態なので、重量が軽くなっており、そのため、ある程
度水に浮揚されて移動されることになり、この点でも、
移動が円滑容易にかつ迅速に行なわれる。ゲート10
は、各橋脚1に対応して一対設けられ水路Sの中央で互
いに当接して水路Sを閉じるので、1つのゲートを設け
る場合に比較して、ゲート10を小さく形成することが
でき、また、それだけ、ゲート10の移動距離も短くな
ることから、この点でも、移動が円滑容易にかつ迅速に
行なわれる。
【0022】ゲート10が閉位置Rsに位置したならば
(G1−5)、両ゲート10の閉合を確認し(G1−
6)、それから、バラスト注排水装置12により、バラ
スト水を注水する(G1−7)。これにより、ゲート1
0が重くなり支持レール14に着底していく。バラスト
水の注入が完了したら(G1−8)、バラストの重さで
ゲート10が着底したことを確認する(G1−9)。そ
して、図9(d)に示すように、更に主桁2を下降(例
えば2.5m下降)させ(B1−7)、主桁2を下降位
置Tcに位置させる(B1−8)。これにより、主桁2
により閉位置Rsのゲート10に荷重がかけられる(B
1−9)。全システムの確認をし(B1−10,G1−
10)、ゲート10の閉鎖を終了する(B1−11,G
1−11)。
【0023】この状態で、もし、高波や津波等が生じた
場合には、主桁2やゲート10で波が受けられ、上流へ
の波及が防止される。この場合、主桁2やゲート10に
外力が作用するが、主桁2は、ゲート10と一体になり
水門の一部として高波や津波等の外力を受けるととも
に、主桁2の荷重をかけてゲート10を押えるので、ゲ
ート10を動きにくくすることがき、そのため、高波や
津波等の外力に対する耐力が確保される。また、ゲート
10には、バラスト水が注水されているので、重くなっ
て動きにくくなっており、この点でも、高波や津波等の
外力に対する耐力が確保される。そしてまた、図5に示
すように、ゲート10の下端の凹条15は支持レール1
4の凸条16に係合し、ゲート10の上端の凸条18は
主桁2のガイドレール17の凹条19に係合するので、
この部位の漏水が極めて少なくなり、確実に水路Sを閉
じることができる。
【0024】更に、図3及び図5に示すように、主桁2
には高波や津波等の外力が作用して水平幅方向に押され
るが、橋脚1には主桁2を押える水平沓6が設けられ、
主桁2はこの水平沓6に当接して受けられるので、橋脚
1に対しての衝撃が緩和され、外力が確実に押えられ
る。更にまた、この状態では、ゲート10にモーメント
荷重が作用するが、ゲート10の後端部の移動規制部2
2がドック20の開口21側の内側壁に受けられるの
で、このモーメント荷重によってもゲート10が動きに
くくなっており、より一層、高波や津波等の外力に対す
る耐力が確実に保持される。また、この場合、ドック2
0の開口21から水が浸入しようとするが、ゲート10
の移動規制部22が樹脂製の防舷材23によってシール
されるので、ある程度水密性が確保され、ドック20に
水が浸入する事態が防止され、ドック20が保護され
る。
【0025】次に、ゲート10を開ける場合について、
図10に示す工程図及び図12に示すフローチャートを
用いて説明する。予め、水路S(航路)の開放を予告し
て交通開放等の準備に入る(B2−1)。一方、ドック
20を点検してゲート10の収納準備を行なう(G2−
1)。そして、水路S(航路)の開放指示により、図1
0(a)に示すように、主桁2を上昇(例えば2.5m
上昇)させ(B2−2)、ガイドレール17の凹条19
がゲート10の上端の凸条18に係合した状態で停止さ
せるとともに(B2−3)、ゲート10に作用した主桁
2の荷重を解除する(B2−4)。一方、ゲート10で
は、バラスト注排水装置12により、バラスト水を排水
しておく(G2−2)。
【0026】この状態で、図10(b)に示すように、
ゲート10を閉位置Rsから開位置Roへと引戻す(G
2−4)。この場合も、ゲート10の下端の凹条15
が、支持レール14の凸条16にガイドされるので、ゲ
ート10の移動が円滑容易にかつ迅速に行なわれる。ま
た、ゲート10の上端の凸条18が主桁2の下部に設け
たガイドレール17の凹条19にガイドされるので、こ
の点でも、ゲート10の移動が円滑容易にかつ迅速に行
なわれる。更にまた、ドック20の内側壁に設けたガイ
ドローラ24がゲート10を転動してガイドするので、
より一層ゲート10の移動が円滑容易にかつ迅速に行な
われる。
【0027】また、この場合、ゲート10内において
は、バラスト水が調整されて存在するが、ほとんど中空
状態なので、重量が軽くなっており、そのため、ある程
度水に浮揚されて移動されることになり、この点でも、
移動が円滑容易にかつ迅速に行なわれる。ゲート10
は、一対設けられているので、1つのゲートを設けた場
合に比較して、ゲート10を小さく形成することがで
き、また、それだけ、ゲート10の移動距離も短くなる
ことから、この点でも、移動が円滑容易にかつ迅速に行
なわれる。
【0028】図10(c)に示すように、ゲート10が
開位置Roに位置したならば(G2−5)、更に主桁2
を上昇(例えば5.5m上昇)させ(B2−5)、主桁
2を定常位置Taに位置させる(B2−6)。また、こ
の定常位置Taにおいては、可動支承体5を移動させて
主桁2の端部を再び支承する(B2−7)。これによ
り、安全を確認し(B2−8)、交通開放を行なう(B
2−9)。全システムの確認をし(B2−10,G2−
6)、ゲート10の開放を終了する(B2−11,G2
−7)。このゲート10の閉じた状態では、ゲート10
は、ドック20に収容されて覆われるので、保護される
ことになり、それだけ、メンテナンスが容易になるとと
もに、耐久性も向上させられる。
【0029】尚、上記実施の形態において、本発明を、
橋脚として海上に設けたものに適用したが、必ずしもこ
れに限定されるものではなく、設置条件によって例えば
川等においては水路を構成する両岸に設けられる場合等
種々の設置態様のものに適用でき、適宜変更して良い。
また、上記実施の形態において、本発明を、橋梁として
アーチ型の昇開橋に適用したが、必ずしもこれに限定さ
れるものではなく、吊橋型の昇開橋、斜張橋といわれる
昇開橋、その他の昇開橋、或いは昇開橋以外の橋や船舶
を通過させるための上昇機能を有していない橋梁にも適
用できることは勿論である。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明の水門システ
ムによれば、橋脚の外側から水路に進出して水路を閉じ
る閉位置及び橋脚の外側に後退して水路を開ける開位置
に移動可能なゲートを設け、主桁を定常位置から下降し
て閉位置のゲートに主桁の荷重をかけてゲートを押える
下降位置に移動可能にしたので、高波や津波等の虞があ
るとき等にゲートを閉めた際、もし、高波や津波等が生
じた場合には、主桁やゲートで波を受けることができ、
上流への波及を防止することができる。この場合、主桁
やゲートに外力が作用するが、主桁は、ゲートと一体に
なり水門の一部として高波や津波等の外力を受けるとと
もに、主桁の荷重をかけてゲートを押えるので、ゲート
を動きにくくすることがき、そのため、高波や津波等の
外力に対する耐力を確保することがきる。この結果、1
00mを越えるような長さの水路であっても、途中に構
造物を設けることなく、短時間でゲートで締め切ること
を実現し、橋梁機能とともに水門機能を備えた新しい技
術を提供できた。
【0031】また、ゲートを各橋脚に対応して一対設け
水路の中央で互いに当接して水路を閉じるように構成し
た場合には、1つのゲートを設ける場合に比較して、ゲ
ートを小さくして軽くすることができるとともに、ゲー
トの移動距離を短くでき、そのため、ゲートの移動を円
滑容易にかつ迅速に行なわせることができ、緊急時に短
時間で対応できるようにすることができる。更に、ゲー
トをバラスト水を注水及び排水可能になるよう構成した
場合には、開閉移動中は、ゲートからバラスト水を排水
し、軽くすることができるので、移動を容易にかつ迅速
に行なうことができる。一方、ゲートの閉位置では、バ
ラスト水を注水することにより、ゲートを重くして動き
にくくすることがき、そのため、より一層、高波や津波
等の外力に対する耐力を向上させることができる。
【0032】更にまた、橋脚に主桁の水平幅方向の移動
を押える水平沓を設けた場合には、主桁には高波や津波
等の外力が作用して水平幅方向に押されるが、主桁はこ
の水平沓に当接して受けられるので、橋脚に対しての衝
撃を緩和することができ、外力を確実に押えることがで
きる。また、ゲートの下端を支持する支持レールを設け
た場合、あるいは、主桁の下部にゲートの上端をガイド
するガイドレールを設けた場合には、ゲートの移動を円
滑容易にかつ迅速に行なわせることができる。
【0033】そしてまた、橋脚の外側にゲートを収容す
るドックを設けた場合には、ゲートをドックで保護でき
るので、それだけ、メンテナンスを容易にすることがで
きるとともに、耐久性も向上させることができる。ま
た、ゲートの後端部にドックの開口側の内側壁に当接し
て水平方向の移動が規制される移動規制部を設けた場合
には、ゲートに作用するモーメント荷重が移動規制部を
介してドックの開口側の内側壁で受けることができ、よ
り一層ゲートを動きにくくして、高波や津波等の外力に
対する耐力を確実に保持することができる。
【0034】更に、ドックの開口側の内側壁にゲートの
移動規制部が当接する樹脂製の防舷材を設けた場合に
は、ゲートの開位置において防舷材によってある程度水
密性を確保することができ、ドックに水が浸入する事態
を防止してドックを保護することができる。更にまた、
ドックの内側壁にゲートを転動してガイドするガイドロ
ーラを設けた場合には、ゲートの移動をより一層円滑容
易にかつ迅速に行なわせることができる。また、ゲート
を開閉移動させる駆動機構を設けた場合には、自動でゲ
ートを移動できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る水門システムを示す
正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る水門システムを示す
図であり、(a)はゲートの開位置の状態を示す正面
図、(b)はゲートの閉位置の状態を示す正面図、
(c)は平面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る水門システムにおい
て、ゲートの開位置におけるドックの状態を示す断面図
である。
【図4】本発明の実施の形態に係る水門システムにおい
て、ゲートの閉位置におけるドックの状態を示す断面図
である。
【図5】本発明の実施の形態に係る水門システムにおい
て、図1中X視横断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る水門システムにおい
て、図1中Y視横断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る水門システムにおい
て、図1中Z視横断面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る水門システムにおい
て、ゲートの断面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る水門システムにおい
て、ゲートを閉じる場合の工程を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る水門システムにお
いて、ゲートを開く場合の工程を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る水門システムにお
いて、ゲートを閉じる場合の制御手順を示すフローチャ
ートである。
【図12】本発明の実施の形態に係る水門システムにお
いて、ゲートを開く場合の制御手順を示すフローチャー
トである。
【図13】従来からある橋梁の一例を示す図である。
【符号の説明】
B 橋梁 S 水路 1 橋脚 1a 塔柱 2 主桁 3 従桁 4 基礎 5 可動支承体 6 水平沓 7 コントロール室 Ta 定常位置 Tb 上昇位置 Tc 下降位置 10 ゲート Rs 閉位置 Ro 開位置 10a 凸部 10b 凹部 11 駆動機構 12 バラスト注排水装置 13 機械室 14 支持レール 15 凹条 16 凸条 17 ガイドレール 18 凸条 19 凹条 20 ドック 21 開口 22 移動規制部 23 防舷材 24 ガイドローラ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の橋脚間に架設される主桁を有した
    橋梁の当該主桁の下部の水路を開閉する水門システムに
    おいて、 上記橋脚の外側から水路に進出して該水路を閉じる閉位
    置及び該橋脚の外側に後退して水路を開ける開位置に移
    動可能なゲートを設け、上記主桁を定常位置から下降し
    て上記閉位置のゲートに該主桁の荷重をかけてゲートを
    押える下降位置に移動可能にしたことを特徴とする水門
    システム。
  2. 【請求項2】 上記ゲートを各橋脚に対応して一対設
    け、該一対のゲートが水路の中央で互いに当接して水路
    を閉じるように構成したことを特徴とする請求項1記載
    の水門システム。
  3. 【請求項3】 上記ゲートを、バラスト水を注水及び排
    水可能になるように中空状に形成し、該バラスト水を注
    水及び排水するバラスト注排水装置を設けたことを特徴
    とする請求項1または2記載の水門システム。
  4. 【請求項4】 上記橋脚に主桁の水平幅方向の移動に対
    して当接して該主桁を押える水平沓を設けたことを特徴
    とする請求項1,2または3記載の水門システム。
  5. 【請求項5】 上記ゲートの下端を支持する支持レール
    を設けたことを特徴とする請求項1,2,3または4記
    載の水門システム。
  6. 【請求項6】 上記主桁の下部に上記ゲートの上端をガ
    イドするガイドレールを設けたことを特徴とする請求項
    1,2,3,4または5記載の水門システム。
  7. 【請求項7】 上記橋脚の外側に、上記ゲートが出入り
    する開口を有し該ゲートを開位置で収容するドックを設
    けたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5または
    6記載の水門システム。
  8. 【請求項8】 上記ゲートの後端部に、該ゲートの閉位
    置において、上記ドックの開口側の内側壁に当接して水
    平方向の移動が規制される移動規制部を設けたことを特
    徴とする請求項7記載の水門システム。
  9. 【請求項9】 上記ドックの開口側の内側壁に、上記ゲ
    ートの移動規制部が当接する樹脂製の防舷材を設けたこ
    とを特徴とする請求項8記載の水門システム。
  10. 【請求項10】 上記ドックの内側壁に、上記ゲートを
    転動してガイドするガイドローラを設けたことを特徴と
    する請求項7,8または9記載の水門システム。
  11. 【請求項11】 上記ゲートを開閉移動させる駆動機構
    を設けたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,
    6,7,8,9または10記載の水門システム。
  12. 【請求項12】 上記主桁は、定常位置から上昇して船
    舶の水路の通過を許容する上昇位置に移動可能であるこ
    とを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10または11記載の水門システム。
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