JP2003261870A - 真空紫外線励起用蛍光体及び発光素子 - Google Patents

真空紫外線励起用蛍光体及び発光素子

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JP2003261870A JP2002066829A JP2002066829A JP2003261870A JP 2003261870 A JP2003261870 A JP 2003261870A JP 2002066829 A JP2002066829 A JP 2002066829A JP 2002066829 A JP2002066829 A JP 2002066829A JP 2003261870 A JP2003261870 A JP 2003261870A
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Atsushi Yamada
敦司 山田
Shoichi Yamauchi
正一 山内
Shigehisa Todoko
茂久 戸床
Tsutomu Takahata
努 高畑
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Abstract

(57)【要約】 【課題】真空紫外線励起において高輝度な青色発光を呈
する、寿命特性の良い安定な真空紫外線励起用蛍光体及
びそれを備えた発光素子を提供する。 【解決の手段】2価のユーロピウムで付活され、下記組
成式で表される蛍光体とし、これを用いて発光素子を構
成する。 (Ba1-x-y,Mx,Euy2-zMgzSin2n+2 (式中、Mはカルシウム、ストロンチウムの少なくとも
1種類であり、xは0≦x≦0.2、yは0<y<0.
2、zは0.8≦z≦1.2、2.4≦n≦4.0の範
囲の数である。)

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】
【0001】本発明は真空紫外線励起により、高輝度の
青色発光を呈し、化学的に安定なユーロピウム付活酸化
物蛍光体及びそれを用いた発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】真空紫外線は波長が200nmより短い
紫外線であり、大気中のO2等により吸収されるため、
真空中や真空紫外線を吸収しない希ガス等の雰囲気中で
のみ励起源として利用可能である。その制約のため、従
来は蛍光体の励起源としてはあまり利用されず、専ら水
銀放電等により発生する200nmから400nmの波
長の紫外線が利用されてきた。
【0003】近年、プラズマディスプレイパネル(PD
P)や希ガスランプ等の真空紫外線励起により蛍光体を
発光させる機構を有する発光素子の開発が盛んになって
きた。中でも、PDPは陰極線管(CRT)やカラー液
晶ディスプレイでは困難とされる大画面平面ディスプレ
イとして期待されている。
【0004】PDPは多数の微小放電セルをマトリック
ス状に配置して構成された表示素子である。各放電セル
内の空間にはHe―Xe、Ne−Xe、Ar等の希ガス
が封入されており、その希ガスの放電で得られる波長が
147、173nmの真空紫外線により蛍光体が励起さ
れ、可視光を発する。光の3原色である青色、緑色、赤
色蛍光体が各放電セルに塗布され、フルカラー表示を行
っている。
【0005】また、希ガスランプは希ガスの放電で得ら
れる真空紫外線により蛍光体が励起し、可視光を発する
機構のランプである。従来から使用している蛍光ランプ
は水銀の環境への影響が懸念されている。希ガスランプ
は水銀を使用しないため、環境問題の観点から注目され
ている。
【0006】真空紫外線励起用蛍光体、特にPDP用は
CRT用や蛍光ランプ用蛍光体を中心に探索され、既に
3原色が提案されている。青色蛍光体としては例えばB
aMgAl1017:Eu、緑色蛍光体としては例えばZ
2SiO4:Mn、BaAl 1219:Mn、赤色蛍光体
としては例えば(Y、Gd)BO3:Euが現在、使用
されている。この中で、青色蛍光体のBaMgAl10
17:Euは、他色蛍光体に比べ、パネル製造時の熱処理
による劣化、および、真空紫外線による経時劣化が顕著
であり、寿命特性の優れた新たな蛍光体が望まれてい
る。
【0007】また、本発明に関連する2価のユーロピウ
ムで付活されたアルカリ土類金属マグネシウム珪酸塩
は、蛍光ランプ用蛍光体として検討された経緯があり、
例えば、特開平1−92288号等に記載されている
が、蛍光ランプ用として特に優れた特性を示さなかった
ことから、実用化には至っていない。また、記載された
蛍光体組成範囲においては複数の化合物生成が可能であ
るが、発光に寄与する結晶相に関する記述はない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、真空
紫外線励起において高輝度な青色を呈する、寿命特性の
良い安定な真空紫外線励起用蛍光体及びそれを備えた発
光素子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、バリウムマグネ
シウム珪酸塩に2価のユーロピウムを付活した化合物が
真空紫外線励起において高輝度な青色発光を呈し、寿命
特性の良い安定な蛍光体であることを見出し、本発明を
完成させた。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明の蛍光体は2価のユーロピウムで付
活され、下記組成式で表されることを特徴とする真空紫
外線励起用蛍光体である。 (Ba1-x-y,Mx,Euy2-zMgzSin2n+2 (式中、Mはカルシウム及び/又はストロンチウムであ
り、xは0≦x≦0.2、yは0<y<0.2、zは
0.8≦z≦1.2、nは2.4≦n≦4.0の範囲の
数である。) 本発明の真空紫外励起用蛍光体は、上記の蛍光体であっ
て、BaMgSi38を基体とし、Euを付活剤として
含有するものである。本蛍光体は、真空紫外線励起で4
67nm付近に発光ピークを有する青色発光を呈する。
【0012】BaMgSi38は、J.F.Argyl
e and F.A.hummel, THE GLA
SS INDUSTRY Vol.46,No.12
716−718,1965年 に記載された化合物であ
る。図1の1のプロファイルはこの化合物のX線回折パ
ターンを示したものである。
【0013】BaMgSi38のBaサイトはカルシウ
ム、ストロンチウムで部分置換することができ、またM
gとSiの組を2倍のAlで置換することができる。
【0014】また、本発明の発光素子は、上記の真空紫
外線励起用蛍光体を用い、希ガス中の放電で得られる真
空紫外線により前記真空紫外線励起用蛍光体を励起して
発光させることを特徴とする発光素子である。なお、本
発明の発光素子としては、例えば、可視光を発する照明
用の希ガスランプやプラズマディスプレイパネル(PD
P)を構成する放電セル等を例示することができる。
【0015】この蛍光体中のM量xは0≦x≦0.2で
ある。M量xが0.2を越えるとBaMgSi38の結
晶構造が得にくくなり、副生成物が生成し、発光強度が
低下、および発光色の緑色化が生じるため好ましくな
い。
【0016】MがCaの場合、Ca置換量の増加によ
り、BaMgSi38の格子定数が僅かに減少し、発光
スペクトルは徐々に長波長側にシフトする。Sr量置換
も同様であるがCa置換の場合よりも発光スペクトルの
長波長側へのシフトが少ない。特に色純度の良い青色を
得るためには、x=0であることが好ましい。x=0の
BaMgSi38の発光色は、国際照明委員会の定める
CIE色度座標で、x=0.139、y=0.130で
表される。
【0017】この蛍光体中のEu量yは0<y<0.2
である。Eu量yが0.2を超えると濃度消光のため、
発光効率が低下し、好ましくない。さらに好ましくは、
Eu量yは0.01≦y≦0.1である。この範囲内で
発光効率の最大値が得られる。
【0018】この蛍光体中のマグネシウム量zは0.8
≦z≦1.2である。マグネシウム量zが0.8未満、
またzが1.2を超えるとBaMgSi38の結晶相が
得にくくなり、発光強度が低下、および発光色の緑色化
が生じるため好ましくない。
【0019】この蛍光体中のSi量nは2.4≦n≦
4.0である。Si量nが4.0を超えると発光相の他
にSiO2が過剰に存在し、発光強度が低下するため好
ましくない。さらに好ましくはSi量は2.7≦n≦
3.6である。この範囲内ではBaMgSi38がほぼ
単相で生成し、発光強度が強いため好ましい。
【0020】次に本発明の蛍光体の製造方法の一例を示
す。
【0021】本発明の蛍光体の原料は酸化物、炭酸塩、
硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、水酸化物など焼成処理
中に容易に酸化物になるものを使用することができる。
【0022】バリウム原料としては、例えば、酸化バリ
ウム、炭酸バリウム、塩化バリウム、硝酸バリウム、硫
酸バリウム、酢酸バリウム、蓚酸バリウム、バリウムの
アルコキシドを使用することができる。カルシウム原料
としては、例えば、酸化カルシウム、水酸化カルシウ
ム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウ
ム、硫酸カルシウム、酢酸カルシウム、蓚酸カルシウ
ム、カルシウムのアルコキシドを使用することができ
る。
【0023】ストロンチウム原料としては、例えば、酸
化ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、炭酸ストロ
ンチウム、塩化ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、
硫酸ストロンチウム、酢酸ストロンチウム、蓚酸ストロ
ンチウム、ストロンチウムのアルコキシドを使用するこ
とができる。マグネシウム原料としては、例えば、酸化
マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウ
ム、硫酸マグネシウム使用することができる。
【0024】シリコン原料としては、例えば、石英、ク
リストバライト等の二酸化珪素、シリコンのアルコキシ
ドを使用することができる。
【0025】ユーロピウム原料としては、例えば、酸化
ユーロピウム、塩化ユーロピウム、フッ化ユーロピウム
を使用することができる。
【0026】これらの原料を所定量秤量し、混合する。
混合方法は湿式混合、乾式混合のどちらでもよい。ま
た、ゾルゲル法、共沈法などの化学反応を利用して原料
を調製することもできる。なお、結晶成長を促進させ、
発光輝度を向上させるために、蛍光体原料に対して0.
1から10重量%のアルカリ金属のハロゲン化物、アル
カリ土類金属のハロゲン化物、ハロゲン化アンモニウ
ム、硼素化合物等の低融点化合物を融剤として添加、混
合しても良い。特に融剤として、塩化アンモニウム、塩
化バリウム、塩化マグネシウム、塩化ユーロピウム等の
塩化物を用いることが好ましい。
【0027】この原料混合物をアルミナるつぼ等の耐熱
容器に入れて、不活性ガス中または、水素ガスなどの還
元雰囲気中、900〜1300℃で1乃至50時間焼成
する。さらに好ましくは、焼成温度1000〜1100
℃である。また、1〜5%の水素を含有する不活性ガス
を用いると、付活剤であるEuが2価の状態に良好に保
持され、発光強度の強い蛍光体が得られるため好まし
い。得られた焼成物を粉砕し、再焼成を繰り返すこと
も、均質な蛍光体粉末を得るために有効である。その場
合は、最終の焼成において、還元雰囲気であればよい。
【0028】次に、この焼成物を目的の純度、粒度に調
整するために必要に応じ、粉砕、水洗、乾燥、篩い分け
を行い、本発明の蛍光体を得ることができる。
【0029】以上のようにして本発明蛍光体は製造でき
るが、本発明は、従来より評価されていた254nmと
いった波長の紫外線を励起光源とした蛍光体にも使用可
能であるが、146nm、173nmといった波長の真
空紫外線を励起光源とした蛍光体として特に有用であ
る。このような短波長域において十分な蛍光量を有し、
かつ実施例にも記載のような、発光強度を維持できる蛍
光体は実用上極めて有用である。
【0030】また、本発明蛍光体は、希ガス中の放電で
得られる真空紫外線により励起して発光できる発光源と
して備え、例えば、PDP(プラズマディスプレイパネ
ル)用の発光素子として用いることができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものでは
ない。なお、本実施例においては、得られた蛍光体の、
結晶構造の同定、真空紫外線蛍光評価、熱劣化試験、経
時劣化試験は、各々以下のようにして行った。 (1)結晶構造 粉末の結晶構造は粉末X線回折装置(マック・サイエン
ス社製MPX3)により同定した。X線源としてはCu
−Kα線を使用した。 (2)発光評価 ・紫外線蛍光評価 市販の分光蛍光光度計(FP−777、日本分光製)を
用い、254nmの紫外線による発光スペクトルを測定
した。 ・真空紫外線蛍光評価 光源として、146nm及び172nmのエキシマラン
プ(ウシオ電機製)を使用し、真空チャンバー内にサン
プルをセットし、真空度0.1torrにて、発光スペ
クトルを測定した。 発光色 国際照明委員会が定めたCIE表示系で発光色を表し
た。発光色の測定はJISZ 8717に準じて行っ
た。 (3)熱劣化試験 蛍光体を大気中、600℃、1時間熱処理した後に25
4nmの紫外線及び146nm、172nmの真空紫外
線蛍光評価を行った。発光強度の維持率は下記の式から
求めた。 発光強度の維持率(%)=(熱処理後の発光ピーク強
度)/(初期の発光ピーク強度)×100 (4)経時劣化試験 254nmの紫外線及び146nm、172nmの真空
紫外線(エキシマランプ:ウシオ電機製)を10時間照
射した後の発光強度を測定した。発光強度の維持率は下
記の式から求めた。 発光強度の維持率(%)=(10時間照射後の発光ピー
ク強度)/(初期の発光ピーク強度)×100 (実施例1) BaCO3 2.50g MgCO3 1.34g SiO2 2.40g Eu23 0.12g NH4Cl 0.25g(フラックス:塩化アンモニ
ウム) 蛍光体原料として上記各原料を秤量し、混合した。この
混合物をアルミナ製容器に入れ、電気炉に導入し、4%
の水素ガスを含有した窒素ガスの雰囲気中で1050℃
で4時間焼成した。この焼成物を粉砕し、組成がBa
0.95Eu0.05MgSi38の蛍光体を得た。得られた蛍
光体の粉末X線回折結果を図1に示す(図1中、1と付
した下段のプロファイル)。BaMgSi38由来の回
折パターンを示した。
【0032】(実施例2) BaCO3 2.09g MgCO3 1.38g SiO2 2.47g SrCO3 0.40g Eu23 0.12g NH4Cl 0.32g(フラックス:塩化アンモニ
ウム) 蛍光体原料として上記各原料を秤量し、混合した。この
混合物をアルミナ製容器に入れ、電気炉に導入し、2%
の水素ガスを含有した窒素ガスの雰囲気中で1100℃
で2時間焼成した。この焼成物を粉砕し、組成がBa
0.75Sr0.2Eu0 .05MgSi38の蛍光体を得た。得
られた蛍光体の粉末X線回折結果を図1に示す(図1
中、2と付した上段のプロファイル)。BaMgSi3
8由来の回折パターンを示した。
【0033】(実施例3) BaCO3 2.10g MgCO3 1.71g SiO2 2.56g Eu23 0.12g NH4Cl 0.13g(フラックス:塩化アンモニ
ウム) 蛍光体原料として上記各原料を秤量し、混合した。この
混合物をアルミナ製容器に入れ、電気炉に導入し、5%
の水素ガスを含有した窒素ガスの雰囲気中で1000℃
で1時間焼成した。この焼成物を粉砕し、組成がBa
0.75Eu0.05Mg 1.2Si38の蛍光体を得た。X線回
折の結果、BaMgSi38由来の回折パターンを確認
した。
【0034】(実施例4) BaCO3 2.50g MgCO3 1.34g SiO2 2.65g Eu23 0.12g 蛍光体原料として上記各原料を秤量し、混合した。この
混合物をアルミナ製容器に入れ、電気炉に導入し、2%
の水素ガスを含有した窒素ガスの雰囲気中で1300℃
で4時間焼成した。この焼成物を粉砕し、組成がBa
0.95Eu0.05MgSi3.69.2の蛍光体を得た。X線回
折の結果、BaMgSi38由来の回折パターンを確認
した。
【0035】(実施例5) BaCO3 2.61g MgCO3 1.34g SiO2 2.41g Eu23 0.02g NH4Cl 0.32g(フラックス:塩化アンモニ
ウム) 蛍光体原料として上記各原料を秤量し、この混合物をア
ルミナ製容器に入れ、電気炉に導入し、1%の水素ガス
を含有した窒素ガスの雰囲気中で1100℃で4時間焼
成した。この焼成物を粉砕し、組成がBa0.99Eu0.01
MgSi38の蛍光体を得た。X線回折の結果、BaM
gSi38由来の回折パターンを確認した。
【0036】発光評価 実施例1から5の蛍光体を254nmの紫外線、146
nm、および172nmの真空紫外線にて発光評価を行
った。図2に実施例1と2の蛍光体の146nmの真空
紫外線励起による発光スペクトルを示す。図2中、3、
4と付した発光スペクトルはそれぞれ実施例1、2の蛍
光体の発光スペクトルを示す。また、表1、2、3にそ
れぞれの励起源による蛍光体の発光ピーク波長、発光ピ
ーク強度を示す。すべての蛍光体で146,172nm
の真空紫外線励起により発光を確認した。
【0037】
【表1】
【表2】
【表3】 熱劣化試験 実施例1から5の蛍光体について熱劣化試験を行った。
結果を表1、2、3に示す。254nmの紫外線では、
熱劣化はほとんど観察されなかったが、146nm、1
72nmの真空紫外線では、熱劣化が観察された。14
6nm、172nmの真空紫外線では、すべての蛍光体
で発光強度の維持率は85%以上であり、比較例1のB
aMgAl1017に比べて加熱処理に対し安定であるこ
とが確認された。
【0038】経時劣化試験 実施例1から5の蛍光体について、254nmの紫外
線、146nm、172nmの真空紫外線での経時劣化
試験を行った。結果を表1、2、3に示す。254nm
の紫外線では、経時劣化はほとんど観察されなかった
が、146nm、173nmの紫外線では経時劣化が観
察された。すべての蛍光体で10時間の真空紫外線照射
を行った後の発光強度の維持率は87%以上であり、比
較例1のBaMgAl1017に比べて真空紫外線照射に
対して安定であることが確認された。
【0039】(比較例1) BaCO3 2.52g MgCO3 1.20g Al23 6.87g AlF3 0.60g Eu23 0.25g 蛍光体原料として上記各原料を秤量し、混合した。この
混合物をアルミナ製容器に入れ、電気炉に導入し、4%
の水素ガスを含有した窒素ガスの雰囲気中で1500℃
で2時間焼成した。この焼成物を粉砕後、同条件でもう
一度焼成を行った。この焼成物を粉砕し、組成がBa
0.9Eu0.1MgAl1017の蛍光体を得た。得られた蛍
光体の粉末X線回折の結果、β―アルミナ構造を有する
ことが確認された。
【0040】この蛍光体の熱劣化試験と経時劣化試験を
行った。結果を表1に示す。熱処理後の発光強度の維持
率は72%であった。また、経時劣化試験での発光強度
の維持率は82%であった。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、高輝度の青色発光を呈
し、熱安定性が高く、真空紫外線経時劣化に強い真空紫
外線励起用蛍光体を提供できる。また、該真空紫外線励
起用蛍光体を用いて、希ガス中の放電で得られる真空紫
外線により蛍光体を励起して発光させる発光素子を構成
することにより、高輝度の青色発光を呈し、寿命特性の
優れた発光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1と2で得られた蛍光体粉末のX線回折
を示すものである。図の番号1は実施例1、番号2は実
施例2のX線回折パターンを示す。
【図2】実施例1と2で得られた蛍光体粉末の波長=1
46nmの真空紫外線励起による発光スペクトルを示す
ものである。図の番号1は実施例1、番号2は実施例2
の発光スペクトルを示す。
【符号の説明】
1:実施例1のX線回折パターン 2:実施例2のX線回折パターン 3:実施例1の発光スペクトル 4:実施例2の発光スペクトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H001 XA08 XA12 XA14 XA20 XA38 XA56 YA63 5C040 GG08 MA10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2価のユーロピウムで付活され、下記組成
    式で表されることを特徴とする真空紫外線励起用蛍光
    体。 (Ba1-x-y,Mx,Euy2-zMgzSin2n+2 (式中、Mはカルシウム及び/又はストロンチウムであ
    り、xは0≦x≦0.2、yは0<y<0.2、zは
    0.8≦z≦1.2、nは2.4≦n≦4.0の範囲の
    数である。)
  2. 【請求項2】希ガス中の放電で得られる真空紫外線によ
    り励起して発光できる発光源として、請求項1に記載の
    真空紫外線励起用蛍光体を備えることを特徴とする発光
    素子。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005019375A1 (ja) * 2003-08-21 2005-03-03 Sumitomo Chemical Company, Limited 蛍光体及び真空紫外線励起発光素子

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WO2005019375A1 (ja) * 2003-08-21 2005-03-03 Sumitomo Chemical Company, Limited 蛍光体及び真空紫外線励起発光素子

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