JP2003261639A - 硬質ポリウレタンフォーム - Google Patents

硬質ポリウレタンフォーム

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JP2003261639A
JP2003261639A JP2002062264A JP2002062264A JP2003261639A JP 2003261639 A JP2003261639 A JP 2003261639A JP 2002062264 A JP2002062264 A JP 2002062264A JP 2002062264 A JP2002062264 A JP 2002062264A JP 2003261639 A JP2003261639 A JP 2003261639A
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polyurethane foam
phthalic acid
rigid polyurethane
water
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JP2002062264A
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English (en)
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Kazuhiko Mizuta
和彦 水田
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工性、作業性、寸法安定性に優れると共
に、難燃性にも優れた完全水発泡の硬質ポリウレタンフ
ォームを提供する。 【解決手段】 ポリイソシアネート成分と、ポリオール
成分、水、触媒及びその他の助剤を含む配合液とを混合
し、ポリイソシアネート成分と水との反応で発生する炭
酸ガスを発泡剤として発泡させて得られる硬質ポリウレ
タンフォーム。ポリオール成分中にエチレン性不飽和ニ
トリルとカルボン酸ビニルエステル系モノマーとの共重
合体を0.5〜5重量%含み、ポリオール成分100重
量部に対する水の割合が3〜9重量部であり、ポリオー
ル成分中に、フタル酸及び/又はその誘導体をエステル
化反応させて得られるフタル酸系ポリエステルポリオー
ルを50重量%以上含み、イソシアネート指数が100
〜200である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイソシアネー
ト成分と、ポリオール成分、水、触媒及びその他の助剤
を含む配合液とを混合し、ポリイソシアネート成分と水
との反応で発生する炭酸ガスを発泡剤として発泡させて
得られる硬質ポリウレタンフォームに係り、特に、発泡
剤としてフロン系発泡剤を全く使用しない完全水発泡の
硬質ポリウレタンフォームであって、施工性、作業性、
寸法安定性及び難燃性に優れる硬質ポリウレタンフォー
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】硬質ポリウレタンフォームは、断熱性及
び自己接着性に優れることから、住宅、冷蔵庫等の断熱
材として広く利用されている。
【0003】これらの用途に用いられる硬質ポリウレタ
ンフォームは、一般にポリイソシアネート成分と、ポリ
オール成分、発泡剤、触媒、整泡剤及びその他の助剤を
混合した配合液とをミキシングヘッドで混合して発泡さ
せるエアレススプレー発泡で得られ、この方法であれ
ば、施工対象物に直接吹き付け施工するという簡単な作
業で、良好な硬質ポリウレタンフォームの断熱層を形成
することができる。
【0004】硬質ポリウレタンフォームにおいては、現
在、主たる発泡剤として用いられているジクロロモノフ
ルオロエタン(HCFC−141b)にはオゾン層破壊
の問題がある。これに代る次世代の発泡剤として、オゾ
ン層を破壊することのないハイドロフルオロカーボン
(HFC)が候補に挙げられているが、一方で、このも
のは強い地球温暖化作用が問題となる。
【0005】このようなことから、これらのフロン系発
泡剤を用いることなく、発泡を行う技術の開発が一つの
課題とされ、水とポリイソシアネートとの反応で生成す
る炭酸ガスを発泡剤として用いる完全水発泡の硬質ポリ
ウレタンフォームが提案された。
【0006】しかし、従来の完全水発泡の硬質ポリウレ
タンフォームでは、泡化反応速度が遅いために、スプレ
ーパタンが狭い、液ダレがあるなどの欠点があり、エア
レススプレー発泡における重要な要素である施工性に劣
る上に、作業性が施工環境温度に大きく影響され、作業
の安定性に劣るという問題点がある。また、通常の密度
範囲(25〜35kg/m)ではフォームの寸法安定
性が著しく劣り、商品化が困難であるという問題点もあ
った。
【0007】この問題を解決するものとして、本出願人
は先にポリイソシアネート成分と、ポリオール成分、
水、触媒及びその他の助剤を混合した配合液とをミキシ
ングヘッドで混合し、ポリイソシアネート成分と水との
反応で発生する炭酸ガスを発泡剤として発泡させるエア
レススプレー発泡で得られる硬質ポリウレタンフォーム
であって、ポリオール成分100重量部に対する水の割
合が3〜9重量部であり、ポリオール成分中にアクリロ
ニトリルと酢酸ビニルとの共重合体を0.5〜5重量%
含むことを特徴とする硬質ポリウレタンフォームを提案
した(特開2000−256434)。
【0008】この硬質ポリウレタンフォームであれば、
配合液の含水率を上記範囲とすると共に、所定量のアク
リロニトリル−酢酸ビニル共重合体を用いることによ
り、施工性、作業性、寸法安定性に優れた完全水発泡の
硬質ポリウレタンフォームを実現することができる。
【0009】即ち、従来の完全水発泡の硬質ポリウレタ
ンフォームでは、得られるフォームのセルのうち、85
〜90%が独立気泡で連続気泡は10〜15%と、独立
気泡の割合が高い。一方で、炭酸ガスは、このフォーム
のセル膜に対する透過性が良いため、このように独立気
泡の割合の高いフォームでは、発泡過程でポリイソシア
ネートと水との反応で生成し、セル内に閉じ込められた
炭酸ガスが、セル膜を透過してフォーム外へ抜け出るこ
とによりフォーム内が減圧状態となり、これによりフォ
ームが収縮するという問題ある。そして、このことが寸
法安定性を損なう原因となっていた。なお、フォームの
気泡のうち、連続気泡は外気とつながっており、このよ
うなガス透過による減圧を引き起こすことはない。
【0010】硬質ポリウレタンフォームのより一層の低
コスト化、軽量化、高機能化の観点からは、フォームの
低密度化が望まれるが、このような収縮の問題は、特に
フォームの低密度化のために、水の投入量を増やした場
合には顕著に現れるこれに対して、特開2000−25
6434では、配合液の含水率を特定すると共に、所定
量のアクリロニトリルと酢酸ビニルとの共重合体を用い
ることにより、施工性及び寸法安定性に優れた硬質ポリ
ウレタンフォームを得ることができる。この特開200
0−256434において、ポリオール成分中のアクリ
ロニトリル−酢酸ビニル共重合体には、フォームのセル
の一部を連続気泡化する作用があり、フォームの収縮を
抑制することに効果を発揮する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、断熱材用硬
質ポリウレタンフォームに求められる最も重要な性能の
一つとして難燃性が挙げられるが、セルの連続気泡化を
促進した特開2000−256434の硬質ポリウレタ
ンフォームでは、連続気泡内に空気が入り込むことによ
って、フォーム中の酸素量が増え、このために、難燃性
が低下するという問題があった。
【0012】本発明は、上記特開2000−25643
4の問題点を解決し、発泡剤としてHCFC−141b
やHFC等のフロン系発泡剤を全く使用しない完全水発
泡の硬質ポリウレタンフォームであって、施工性、作業
性、寸法安定性に優れると共に、難燃性にも優れた硬質
ポリウレタンフォームを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の硬質ポリウレタ
ンフォームは、ポリイソシアネート成分と、ポリオール
成分、水、触媒及びその他の助剤を含む配合液とを混合
し、ポリイソシアネート成分と水との反応で発生する炭
酸ガスを発泡剤として発泡させて得られる硬質ポリウレ
タンフォームであって、ポリオール成分中にエチレン性
不飽和ニトリルとカルボン酸ビニルエステル系モノマー
との共重合体を0.5〜5重量%含み、ポリオール成分
100重量部に対する水の割合が3〜9重量部であり、
ポリオール成分中に、フタル酸及び/又はその誘導体を
エステル化反応させて得られるフタル酸系ポリエステル
ポリオールを50重量%以上含み、イソシアネート指数
が100〜200であることを特徴とする。
【0014】配合液の含水率が上記範囲であり、ポリオ
ール成分中に、エチレン性不飽和ニトリルとカルボン酸
ビニルエステル系モノマーとの共重合体を所定の割合で
含む硬質ポリウレタンフォームであれば、発泡反応中に
セルが破裂し、セル空間同士がつながって連続気泡が形
成されるようになり、フォーム中の全気泡における連続
気泡の割合(以下「連続気泡率」と称す。)が30〜4
0%、独立気泡の割合(以下「独立気泡率」と称す。)
を60〜70%と、従来に比べて独立気泡率が低く連続
気泡率の高いフォームを形成することができる。フォー
ムの連続気泡内には、外気とのつながりで空気が存在
し、炭酸ガスはフォーム外へ排出され、炭酸ガスの透過
による減圧及びこれに起因するフォーム収縮の問題は防
止される。
【0015】しかし、このようにフォームの連続気泡率
を高くすると、前述の如く気泡内の酸素量が多くなり、
燃え易くなるという不具合が生じる。
【0016】本発明では、フタル酸系ポリエステルポリ
オールを用いると共に、イソシアネート指数を100〜
200として、フォームにイソシアヌレート構造を導入
して難燃性を高める。
【0017】本発明において、エチレン性不飽和ニトリ
ルとカルボン酸ビニルエステル系モノマーとの共重合体
は、アクリロニトリルと酢酸ビニルとの共重合体が好ま
しい。
【0018】また、該フタル酸系ポリエステルポリオー
ルとしては、m−フタル酸、p−フタル酸及びこれらの
誘導体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を主成
分とするフタル酸成分から得られたフタル酸系ポリエス
テルポリオールが好ましく、ポリオール成分中のフタル
酸系ポリエステルポリオールの含有量は50〜80重量
%であることが好ましい。
【0019】即ち、凝集エネルギーの低い無水フタル酸
を用いると、それ以外のフタル酸(m、p−フタル酸)
を用いたポリオールによって成形したフォームよりも燃
焼し易いという欠点があった。本発明では特に、m、p
−フタル酸系ポリエステルポリオールを用いることによ
って、連続気泡中の酸素の燃焼性を抑制して良好な難燃
性能を得ることができる。
【0020】また、ポリイソシアネート成分としては、
炭酸ガスを速やかに発生させてスプレー施工にも好適な
施工性を維持するために、水との親和性が高いイソシア
ネート成分を用いることが好ましく、該ポリイソシアネ
ート成分は、当該ポリイソシアネート成分100重量部
と水5重量部とをいずれも温度20℃で混合して得られ
た混合物の混合当初30分間の平均昇温速度(以下、単
に「平均昇温速度」と称す。)が0.2〜3.0℃/m
inであるような、水との反応性の高いポリイソシアネ
ート成分であることが好ましい。
【0021】本発明は特に、ポリイソシアネート成分
と、ポリオール成分、水、触媒及びその他の助剤を混合
した配合液とをミキシングヘッドで混合して発泡させる
エアレススプレー発泡で得られる硬質ポリウレタンフォ
ームに好適である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明の硬質ポリウレタン
フォームの実施の形態を詳細に説明する。
【0023】本発明において、発泡剤として用いる水の
使用量が、ポリオール成分100重量部に対し3重量部
よりも低いと、得られるフォームが高密度となりコスト
アップを招き実用的でない。この水の割合が9重量部よ
りも高いとフライアビリティーが顕著になり、エアレス
スプレー発泡の施工に当り、躯体面との接着性が低下す
る他、フォームの収縮傾向が顕著になるなど、好ましく
ない。従って、水の使用量はポリオール成分100重量
部に対して3〜9重量部、好ましくは4〜7重量部とす
る。
【0024】本発明において、ポリオール成分中のエチ
レン性不飽和ニトリルとカルボン酸ビニルエステル系モ
ノマーとの共重合体には、前述の如く、フォームのセル
の一部を連続気泡化する作用があり、フォームの収縮を
抑制することに効果を発揮する。このポリオール成分中
のエチレン性不飽和ニトリルとカルボン酸ビニルエステ
ル系モノマーとの共重合体の割合が0.5重量%未満で
はフォームの独立気泡の割合が増大し、フォームは収縮
する傾向が顕著となる。この割合が5重量%より大きい
場合には、エチレン性不飽和ニトリルとカルボン酸ビニ
ルエステル系モノマーとの共重合体が配合液中で安定し
て分散状態を保つことが難しくなり、短時間で沈降して
しまい、配合液の貯蔵安定性に欠けるものとなる。ポリ
オール成分中のエチレン性不飽和ニトリルとカルボン酸
ビニルエステル系モノマーとの共重合体の割合は、好ま
しくは1.0〜3.0重量%であり、このような割合で
エチレン性不飽和ニトリルとカルボン酸ビニルエステル
系モノマーとの共重合体を用いることにより、前述の如
く、連続気泡率30〜40%、独立気泡率60〜70%
の、耐収縮性に優れたフォームを得ることが好ましい。
【0025】このエチレン性不飽和ニトリルとカルボン
酸ビニルエステル系モノマーとの共重合体としては、特
にアクリロニトリルと酢酸ビニルとの共重合体を用いる
ことが好ましいが、何らこれに限定されるものではな
い。
【0026】本発明においては、ポリオール成分中にフ
タル酸系ポリエステルポリオールを50重量%以上用い
る。
【0027】このフタル酸系ポリエステルポリオールの
フタル酸成分は、無水フタル酸(o−フタル酸)以外の
フタル酸、即ち、m−フタル酸(イソフタル酸)及び/
又はp−フタル酸(テレフタル酸)並びにこれらの誘導
体を主成分とすることが好ましい。
【0028】即ち、前述の如く、凝集エネルギーの低い
無水フタル酸を用いると、それ以外のフタル酸(m,p
−フタル酸)を用いたポリオールから得られたフォーム
よりも燃焼し易いという欠点がある。これに対して、
m,p−フタル酸よりなるポリエステルポリオールを用
いることによって良好な難燃性能を得ることができる。
【0029】このようなフタル酸系ポリエステルポリオ
ール、好ましくはm,p−フタル酸系ポリエステルポリ
オールの好ましい水酸基価は150〜450mg−KO
H/gである。
【0030】ポリオール成分中のこのようなフタル酸系
ポリエステルポリオールの割合が少ないと十分な難燃性
の向上効果が得られないため、ポリオール成分中の含有
量は50重量%以上とする。しかし、この含有量が過度
に多いとフォーム強度が低下するので、ポリオール成分
中に50〜80重量%、特に60〜70重量%含有され
ていることが好ましい。
【0031】ポリオール成分としては、上記フタル酸系
ポリエステルポリオールの他、フェノール及び/又はそ
の誘導体をマンニッヒ変性して得られたポリエーテルポ
リオール(以下「マンニッヒ変性ポリオール」と称
す。)、即ち、フェノール、或いはノニルフェノール、
アルキルフェノール等のフェノール誘導体をホルムアル
デヒドとジエタノールアミン等の2級アミンやアンモニ
ア、1級アミン等を用いてマンニッヒ変性し、エチレン
オキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキ
サイドを開環付加重合して得られるポリエーテルポリオ
ールを用いても良い。このようなマンニッヒ変性ポリオ
ールは、自己反応活性が高く、かつ難燃性も比較的高い
ため、マンニッヒ変性ポリオールを用いることにより、
例えば、エアレススプレー発泡型硬質ポリウレタンフォ
ームにおいて、吹き付け発泡時に難燃性能を著しく損な
うことなく、速やかに反応を進めることができる。
【0032】更に、フタル酸系ポリエステルポリオール
及びマンニッヒ変性ポリオールの他、本発明の目的を損
なわない範囲でエチレンジアミン、トリレンジアミン、
シュークロース、アミノアルコール、ジエチレングリコ
ール等のマンニッヒ変性ポリオールとは異なる開始剤の
ポリオール化合物をポリオール成分中40重量%以下の
範囲で併用しても良い。
【0033】本発明において用いるポリイソシアネート
成分は、炭酸ガスを速やかに発生させてスプレー施工に
必要な施工性を維持するために、水との親和性が高いイ
ソシアネート成分を用いることが好ましい。本発明で
は、水と混合した場合の平均昇温速度により、このポリ
イソシアネート成分の親水性を定量化した。即ち、通常
のポリイソシアネートは水と混合しても殆ど発熱しな
い。平均昇温速度が0.2℃/min未満の通常のポリ
イソシアネートでは反応が遅くなり、特にスプレー施工
するときの環境温度が低い場合には良好なスプレーパタ
ンが得られず、発泡速度が遅くなるなどの不具合を生じ
る。平均昇温速度が3.0℃/minより大きい場合に
は、ポリイソシアネートの液表面が大気中の水分と反応
して固化し易くなり、安定性が悪化して実使用に耐えら
れなくなる。従って、用いるポリイソシアネート成分の
平均昇温速度は0.2〜3.0℃/min、特に0.3
〜2.5℃/minであることが好ましい。
【0034】本発明において、ポリイソシアネート成分
としては、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレ
ンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート化
合物、イソホロンジイソシアネート等の脂環族系ポリイ
ソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート等の
脂肪族系ポリイソシアネート類等の1種又は2種以上を
使用することができ、上述のような水との親和性に優れ
たポリイソシアネート成分は、例えば粗製ジフェニルメ
タンジイソシアネートで言えば、ベンゼン環の周囲を親
水性の高い基で置換する、或いはベンゼン環間のアルキ
レン部分に親水性の高い変性基を導入することにより実
現することができる。
【0035】なお、本発明において、ポリイソシアネー
ト成分のイソシアネート指数は100〜200とし、三
量化触媒の存在の下、イソシアヌレート発泡体として難
燃性を確保することが好ましい。
【0036】本発明で使用されるその他の原料について
は、以下に示す通りである。
【0037】(1) 触媒 触媒としては、トリエチレンジアミン、ペンタメチルジ
エチレントリアミン、テトラメチルヘキサメチレンジア
ミン等のアミン触媒や、ジブチル錫ジラウレート、オク
チル酸鉛、スタナスオクトエート、オクチル酸カリウム
(2−エチルヘキシル酸カリウム)、酢酸カリウムなど
の有機金属系触媒の1種又は2種以上を使用することが
できる。
【0038】(2) 整泡剤 整泡剤としては、硬質ポリウレタンフォーム製造用とし
て効果のあるものは全て使用できる。例えばポリオキシ
アルキレンアルキルエーテル等のシリコーン系のもの等
を用いることができる。
【0039】また、本発明においては、上記以外の任意
の成分、例えば難燃剤、充填剤等も本発明の目的を妨げ
ない範囲で使用することができる。
【0040】本発明の硬質ポリウレタンフォームを、ミ
キシングヘッドを用いたエアレススプレー発泡で製造す
る場合、上記ポリイソシアネート成分と、ポリオール成
分、水、触媒、整泡剤及びその他の助剤を混合した配合
液とを30〜50℃でミキシングヘッドを用いて混合
し、施工対象面に吐出圧力3.9〜7.8MPaで吹き
付け、所定の厚さとなるまで吹き付けを繰り返して発泡
させることにより製造することができる。
【0041】なお、本発明の硬質ポリウレタンフォーム
は、フォームのコア密度が20〜45kg/mである
ことが好ましい。コア密度(心密度)が20kg/m
未満であると強度が著しく低下して収縮し、45kg/
を超えると、高密度化のために硬質ポリウレタンフ
ォームの燃焼量が増えて難燃性が著しく低下する。従っ
て、コア密度は20〜45kg/m好ましくは25〜
40kg/mとする。
【0042】
【実施例】以下に実験例、実施例及び比較例を挙げて本
発明をより具体的に説明する。
【0043】実験例1 下記3種類のポリイソシアネート1〜3を準備し、下記
方法に従って、その親水性及び安定性の評価を行った。 ポリイソシアネート1: 日本ポリウレタン工業(株)製 「DRC−592」 粗製ジフェニルメタンジイソシアネート (NCO%:30.9) ポリイソシアネート2: 日本ポリウレタン工業(株)製 「C−1156」(汎用品) 粗製ジフェニルメタンジイソシアネート (NCO%:30.2) ポリイソシアネート3: 日本ポリウレタン工業(株)製 「DRC−594」 粗製ジフェニルメタンジイソシアネート (NCO%:30.4)
【0044】[親水性]容積500ccのビーカーにいず
れも液温20℃のイソシアネート成分200gと水10
gを採り、十分攪拌した後熱伝対を挿入し、攪拌30分
後の混合物の温度を測り、平均昇温速度を求めた。この
ときの混合液の状態と平均昇温速度を表1に示す
【0045】
【表1】
【0046】[安定性]容積200ccのビーカーに各イ
ソシアネート成分を100g採り、温度22℃、相対湿
度55%、及び、温度35℃、相対湿度85%に調整し
た恒温槽内にそれぞれ投入し、それぞれ一定の時間毎に
試験体の状態を観察し、下記基準で評価して結果を表
2,3に示した。 <評価基準> ○:問題なし △:液面に薄皮発生 ×:液面全体が固化して使用不能
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】表2,3より明らかなように、平均昇温速
度が大きく、親水性の高いポリイソシアネートほど雰囲
気中の水分と反応して固化し易い。
【0050】実使用に際しては、開封したドラム缶にス
プレー発泡機のエアーポンプを挿入してポリイソシアネ
ート成分を吸い上げるので、ポリイソシアネート成分の
保管状態は完全な密閉状態とは言えない。このような状
況での実使用において、ポリイソシアネート2(汎用)
は実際には問題なく使用できる実績があることから、安
定性評価で同性状を示すポリイソシアネート1について
は問題なく使用できると考えられる。
【0051】ポリイソシアネート3は可使時間が温度2
2℃、相対湿度55%では一日分の作業時間である8時
間を超えていることから、使用は可能であるが、実際に
使用できる温湿度条件は限定されるので、これを超える
親水性は実用途上の十分な安定性を損なうので好ましく
ない。
【0052】従って、表1〜3の結果から、ポリイソシ
アネート1〜3のうち、平均昇温速度0.6℃/min
のポリイソシアネート1が最も好適であることがわか
る。
【0053】実施例1〜3、比較例1,2 表4に示した配合処方に従って、まず配合液Aを調製し
た。また、実験例1で試料として用いたポリイソシアネ
ート1,2を用意した。
【0054】配合液Aに用いた原料は次の通りである。 ポリオールA: 旭硝子(株)製 マンニッヒ変性ポリマーポリオール(アク リロニトリル−酢酸ビニル共重合体分散タイプ)「XRAG −7102」 水酸基価: 385mg−KOH/g ポリオールB: 第一工業製薬(株)製 マンニッヒ変性ポリオール「DK3 810」 水酸基価: 315mg−KOH/g ポリオールC: 東邦理化(株)製 p−フタル酸ベースポリエステルポリオ ール「B65W」 水酸基価: 186mg−KOH/g ポリオールD: 東邦理化(株)製 o−フタル酸ベースポリエステルポリオ ール「PL2001」 水酸基価: 260mg−KOH/g 難燃剤: 大八化学(株)製「TCPP」(トリスモノクロロプロピルフォス フェート) 整泡剤: 東レダウコーニングシリコン(株)製「SH193」 (ジメチルシロキサンとポリエーテルのブロックコポリマー) 触媒A: 花王(株)製 テトラメチルヘキサメチレンジアミン 触媒B: 花王(株)製 ペンタメチルジエチレントリアミン 触媒C: 日本化学産業(株)製 オクチル酸カリウムのジエチレングリコー ル溶液(カリウム濃度15重量%) 発泡剤: 水
【0055】体積比が1対1となるように配合液Aとこ
れに見合う量のポリイソシアネート(いずれも液温15
℃)を秤量し、手攪拌で6000〜8000rpmで5
秒間攪拌することにより混合、発泡させて、硬質ポリウ
レタンフォームを製造した。
【0056】各例の配合における配合割合、イソシアネ
ート指数は表4に示す通りであった。
【0057】このときの反応性と、得られた硬質ポリウ
レタンフォームのコア密度、寸法安定性及び難燃性を下
記方法に従って調べ、結果を表1に示した。
【0058】[反応性(クリームタイム/ゲルタイ
ム)]配合液Aとポリイソシアネートとの攪拌混合開始
後、攪拌した原料が白色化し発泡が始まった時間を泡化
開始時間(クリームタイム)として記録した。また、フ
ォームに針を侵入させ糸が引く時間をゲル化時間(ゲル
タイム)とした。
【0059】[コア密度]JIS A9514に従って
測定した。
【0060】[寸法安定性]コア部分を寸法50mm×
50mm×50mmで裁断して採取したものを高湿熱環
境下(温度50℃・湿度RH95%)に24時間投入
し、前後の変化率を調べた。
【0061】[難燃性]JIS A1321「建築物の
内装材料及び工法の難燃性試験方法」に示される表面試
験方法による。フォームのコア部分を切出して、表4に
示す試験時間及び試験体厚さで、東洋精機製作所製燃焼
性試験機による表面試験を実施して調べた。
【0062】なお、JIS A1321「建築物の内装
材料及び工法の難燃性試験方法」に示される表面試験方
法による難燃3級規格は次の通りである。 発煙係数≦120 温度時間面積≦350(℃・min) 残炎時間≦30sec 排気温度曲線が開始3分以内に標準曲線をこえないこと 試験体に著しい溶融・亀裂・変形のないこと
【0063】
【表4】
【0064】表4より、本発明によれば、発泡剤として
水を用いた硬質ポリウレタンフォームであって、寸法安
定性、難燃性に優れた硬質ポリウレタンフォームが提供
されることがわかる。
【0065】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の硬質ポリウ
レタンフォームによれば、施工性、作業性、寸法安定性
に優れると共に、難燃性にも優れた完全水発泡の硬質ポ
リウレタンフォームが提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 BA06 BA07 BA08 CA03 CA15 CB02 CB03 CB07 CB08 CC08 DA01 DA03 DB03 DB04 DB05 DB07 DF22 DG02 DG03 DG04 DG14 DJ08 HA01 HA07 HC03 HC12 HC22 HC46 HC61 HC64 HC67 HC71 HC73 KA01 KB02 KC02 KC17 KC18 KD02 KD12 KE02 MA11 MA17 MA22 NA03 NA08 PA03 PA05 QA01 QB16 QC01 QD02 QD03 RA05 RA14 SA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイソシアネート成分と、ポリオール
    成分、水、触媒及びその他の助剤を含む配合液とを混合
    し、ポリイソシアネート成分と水との反応で発生する炭
    酸ガスを発泡剤として発泡させて得られる硬質ポリウレ
    タンフォームであって、 ポリオール成分中にエチレン性不飽和ニトリルとカルボ
    ン酸ビニルエステル系モノマーとの共重合体を0.5〜
    5重量%含み、 ポリオール成分100重量部に対する水の割合が3〜9
    重量部であり、 ポリオール成分中に、フタル酸及び/又はその誘導体を
    エステル化反応させて得られるフタル酸系ポリエステル
    ポリオールを50重量%以上含み、 イソシアネート指数が100〜200であることを特徴
    とする硬質ポリウレタンフォーム。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該エチレン性不飽和
    ニトリルがアクリロニトリルであり、該カルボン酸ビニ
    ルエステル系モノマーが酢酸ビニルであることを特徴と
    する硬質ポリウレタンフォーム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、該フタル酸系
    ポリエステルポリオールが、m−フタル酸、p−フタル
    酸及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれる1種又は
    2種以上を主成分とするフタル酸成分から得られたフタ
    ル酸系ポリエステルポリオールであることを特徴とする
    硬質ポリウレタンフォーム。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
    て、該ポリオール成分中の該フタル酸系ポリエステルポ
    リオールの含有量が50〜80重量%であることを特徴
    とする硬質ポリウレタンフォーム。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項におい
    て、該ポリイソシアネート成分は、当該ポリイソシアネ
    ート成分100重量部と水5重量部とを温度20℃で混
    合して得られた混合物の混合当初30分間の平均昇温速
    度が0.2〜3.0℃/minとなるポリイソシアネー
    ト成分であることを特徴とする硬質ポリウレタンフォー
    ム。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項におい
    て、ポリイソシアネート成分と、ポリオール成分、水、
    触媒及びその他の助剤を混合した配合液とをミキシング
    ヘッドで混合して発泡させるエアレススプレー発泡で得
    られることを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム。
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