JP2003261588A - オレフィン重合などに用いられる遷移金属錯体 - Google Patents

オレフィン重合などに用いられる遷移金属錯体

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JP2003261588A JP2002063890A JP2002063890A JP2003261588A JP 2003261588 A JP2003261588 A JP 2003261588A JP 2002063890 A JP2002063890 A JP 2002063890A JP 2002063890 A JP2002063890 A JP 2002063890A JP 2003261588 A JP2003261588 A JP 2003261588A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリオレフィンを製造するための重合用触媒
などとして有用な新規な遷移金属化合物を提供する。 【解決手段】 下記の一般式(1)で表されるアミノホ
スフィンを配位子とする遷移金属化合物。式(1)中、
MはTi、Zr、またはHfから選ばれる遷移金属原子
である。2つのXは、お互いに同一でも異なっていても
よく、それぞれ独立して、水素原子;ハロゲン原子;炭
素数1〜20の炭化水素基もしくはアルコキシ基;また
はアミノ基を示す。2つのR1は、お互いに同一でも異
なっていてもよく、それぞれ独立して、炭素数1〜20
の炭化水素基またはケイ素原子を有する炭化水素基を示
す。2つのR2、2つのR3、およびR2とR3は、お互い
に同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、炭
素数1〜20の炭化水素基、ケイ素原子を有する炭化水
素基もしくはアルコキシ基;またはアミノ基を示す。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属錯体の技術分
野に属し、特に、ポリオレフィン製造用触媒などとして
利用される新規な遷移金属化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】遷移金属化合物(遷移金属錯体)の主要
な用途の1つは、オレフィン重合用触媒である。例え
ば、シクロペンタジエニル誘導体を配位子として有する
周期表4族の遷移金属化合物とアルミノキサンを組み合
わせて用いた均一系オレフィン重合触媒は、ポリオレフ
ィンの製造に有用であることが知られている(特開昭5
8−19309号公報など)。
【0003】ポリオレフィンの汎用プラスチックとして
の要求性能が多様化していることから、より優れた均一
系オレフィン重合触媒の開発は重要な課題である。この
観点から、シクロペンタジエニル基を含まず、ヘテロ原
子を含有した配位子をもつ遷移金属錯体を均一系オレフ
ィン重合触媒として用いる検討が活発におこなわれてい
る。とくに、配位子に窒素原子を含み、その窒素原子が
遷移金属とシグマ結合をもつIV族遷移金属錯体を含む重
合触媒に関しては、特開平8−176217号公報、特
開平8−245713号公報、特開平10−29821
6号公報にアミン化合物を配位子として有する遷移金属
アミド錯体を構成成分とするオレフィン重合用触媒が開
示されている。さらに、特開平2000−322771
0公報に電子吸引性のアミド配位子、とくにスルホンア
ミド配位子を有する遷移金属化合物を構成成分とするオ
レフィン重合触媒が開示されている。また、遷移金属―
窒素シグマ結合を含み、分子内に存在するイミン官能基
により配位安定化された錯体を構成成分とするオレフィ
ン重合触媒は、特開平2001-1181333に開示
されている。
【0004】窒素原子を含む配位子を用い、配位子と金
属が窒素―金属シグマ結合で結ばれている遷移金属錯体
をオレフィン重合に用いた検討は、学術的観点からも多
く行われており、例えば、D.H.MacConvilleら、R.R.Sch
rockらは、J.Am.Chem.Soc.,118, 10008(1996)や119, 38
30 (1997)などにおいて、2つのアリールアミノ基を含
むキレート型のチタンあるいはジルコニウム錯体を構成
要素に含む触媒系を用いて、1−ヘキセンやエチレンの
重合をおこなっている。同様なキレート型IV族アミド錯
体は、Organometallics, 1999, 18, 428; Organometall
ics、2000, 19,344; Organometallics, 2000, 19, 1963
にも、オレフィン重合活性のある錯体が報告されてい
る。
【0005】さらに、最近、窒素―リン結合をもつ有機
リン化合物を配位子を用い、配位子と金属が窒素―金属
シグマ結合で結ばれている遷移金属錯体をオレフィン重
合に用いることが注目され、以下の4例が報告されてい
る:以下の式(a)(S. Collinsら、Organometallics,
18, 2731(1999))、(b)(D. W. Stephanら、Organo
metallics, 18, 2046 (1999))、(c)および(d)
(M. S. Eisenら、J. Organomet. Chem., 604, 116 (20
00))。それらの報告に示されている金属錯体を図1に
示す。これらの化合物は、いずれもオレフィン重合に活
性を示すが、後述の本発明により提供される式(1)に
示す構造を有しない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
オレフィンを製造することが可能なオレフィン重合活性
等をもつ新規遷移金属錯体を提供すること、ならびに、
それを構成要素とするオレフィンの重合用触媒、さら
に、それを用いたオレフィンの重合方法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このた
び、上記課題を達成するものとして、新規化合物であ
る、下記の一般式(1)で表わされるアミノホスフィン
を配位子とする遷移金属化合物(遷移金属錯体)を見出
した。
【0008】
【化2】
【0009】式(1)において、MはTi、Zr、また
はHfから選ばれる遷移金属原子である。2つのXは、
お互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立し
て、水素原子;ハロゲン原子(好ましくは、塩素、臭素
またはヨウ素);炭素数1〜20の炭化水素基(好まし
くは、ビニル基、アルキル基またはアリール基)もしく
はアルコキシ基;またはアミノ基を示す。Xとして特に
好ましいのは、塩素、臭素、炭素数1〜4のアルキル
基、フェニル基またはベンジル基である。
【0010】2つのR1は、お互いに同一でも異なって
いてもよく、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化
水素基(好ましくは、アルキル基またはアリール基)ま
たはケイ素原子を有する炭化水素基(好ましくは、オル
ガノシリル基)を示す。R1として特に好ましいのは炭
素数1〜4のアルキル基、フェニル基またはベンジル基
である。2つのR2、2つのR3、およびR2とR3は、お
互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立し
て、炭素数1〜20の炭化水素基(好ましくは、アルキ
ル基またはアリール基)、ケイ素原子を有する炭化水素
基(好ましくはオルガノシリル基)もしくはアルコキシ
基;またはアミノ基を示す。R2およびR3として特に好
ましいのは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基ま
たはベンジル基である。R1とR1、R2とR2、R1
2、および/またはR2とR3は、環を形成してもよ
い。環の大きさは、特に制限はないが、好ましくは4員
環〜7員環である。
【0011】以上の式(1)の定義から理解されるよう
に、式(1)で表わされる本発明の遷移金属化合物は、
図1に示されるような従来より提示された窒素−リン結
合をもつ有機リン化合物を配位子とする遷移金属錯体と
は別異の新規な遷移金属化合物である。
【0012】
【発明の実施の形態】式(1)で表わされる本発明の遷
移金属化合物のうち、Xがハロゲン原子、アルコキシ
基、アミノ基をもつものは、アミノホスフィンのアルカ
リ金属塩と(2)の構造をもつIV族遷移金属化合物との
反応で合成される。
【0013】
【化3】
【0014】式(2)で表される化合物中、Mはチタ
ン、ジルコニウム、ハフニウムのいずれかであり、Zは
ハロゲン原子、アルコキシ基のいずれかから選ばれる。
Yはハロゲン原子である。
【0015】式(1)で表わされる本発明の遷移金属化
合物のうち、Xが水素原子をもつものは、式(1)で示
す化合物のうち、Xがハロゲン原子をもつものと、典型
金属水素化物の反応によって合成される。
【0016】式(1)で表わされる本発明の遷移金属化
合物のうち、Xがアルキル基、アリール基、ビニル基を
もつものは、式(1)で示す化合物のうち、Xがハロゲ
ン原子をもつものと、典型金属のアルキル、アリール、
ビニル誘導体との反応によって合成される。
【0017】一般式(1)で表されるアミノホスフィン
を配位子とする本発明の遷移金属化合物は、図2に示さ
れるように双方のリン原子が金属Mに配位した構造
(A)、片方のリン原子が金属Mに配位した構造
(B)、双方のリン原子が金属Mに配位していない構造
(C)のいずれの構造もとりうる。これらの構造は置換
基の種類や化合物の状態によって決まり、例えば、固体
状態では構造(A)をとることがX線結晶構造解析によ
り明らかになっている(図4参照)。また、溶液状態で
は、低温では(A)の構造をとるが、温度をあげると
(A)、(B)、(C)が相互変換し、溶液中室温で
は、構造(C)をとることを核磁気共鳴スペクトルで証
明している。式(1)は、このような構造の全てを包含
するものとして表わしている。
【0018】式(1)で表わされる本発明の遷移金属化
合物の主要な用途の1つはオレフィン重合用触媒であ
る。式(1)の遷移金属化合物は単独でもオレフィン重
合触媒として用いられ得るが、一般的には式(1)の化
合物を主触媒として、助触媒の存在下でオレフィン重合
を行ない、ポリオレフィンを製造する。助触媒とは、式
(1)に示す遷移金属錯体と作用あるいは反応すること
により、オレフィンを重合することが可能な重合活性種
を形成しうる化合物を示している。
【0019】このような活性化助触媒の例として、近
年、均一系オレフィン重合触媒系の助触媒成分として多
く用いられているアルキルアルミノキサンや、非配位性
のイオン化イオン性化合物をあげることができるが、こ
れに限定されるものではない。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるもの
ではない。遷移金属化合物の合成は、シュレンクテクニ
ックもしくはグローブボックスを用いて行い、すべての
操作をアルゴン雰囲気下で行った。遷移金属化合物の調
製に用いた溶媒は、全て公知の方法で脱酸素、脱水を行
った後、使用直前に真空下で反応容器に移送して用い
た。遷移金属化合物の同定は融点測定、室温での1H、
13C、 31P NMR(JEOL Lambda 400, 600 MHz)、マス
スペクトル(ShimadzuGCMS QP−5050A)、元素分析、X線
結晶構造解析(Rigaku RAXIS RAPID, MoKα線0.71069オ
ングストローム)を用いて行った。重合反応は、100 mL
オートクレーブを用い、エチレンガスを連続的に供給し
ながら所定の時間、室温で行った。重合に用いた溶媒
は、市販の脱水溶媒(関東化学)を公知の方法で脱酸素、
脱水を行った後用いた。エチレンガスは重合グレードを
用い、さらなる精製を行う事なしに用いた。
【0021】実施例1:ジクロロチタニウムビス(N−
t−ブチルジフェニルホスフィンアミド)TiCl2[N
(t−Bu)Ph2P]2の調製 アルゴン気流下、−78℃でN−t−ブチルアミノジフェ
ニルホスフィン(350mg/1.36 mmol)のエーテル溶液
(30 mL)にn−ブチルリチウム(0.51 mL/2.66 M/1.
36 mmol)を加え、室温まで昇温し3時間の攪拌を行っ
た。その後、再度−78℃に冷却し、四塩化チタニウムの
ヘキサン溶液(3.1 mL/0.2 M/0.68 mmol)を滴下さ
せ、室温まで昇温し12時間の攪拌を行った。反応終了
後、減圧乾燥しトルエン(40 mL)に溶解させ、反応混
合物溶液をセライトろ過した。得られた暗赤色溶液を減
圧乾燥し、トルエン−ヘキサン(1:5)混合溶液を用い
洗浄することにより、表題化合物[Ph2PN(t−B
u)]2TiCl2(360 mg/ 0.57 mmol/84 %)(図3の
(I)の化合物)を得た。 mp.136−137℃。1 H NMR (CD2Cl2):δ1.36 (s, 18H, t−Bu), 7.19−7.33
(m, 8H, ortho), 7.35−7.44(m, 4H, para), 7.46−7.5
6(m, 8H, meta).13 C{1H} NMR (CD2Cl2):δ31.9(t−Bu), 63.4(m, 4oof
t−Bu), 127.4(m, metaof PPh2), 129.5(para of PP
h2), 131.7(m, 4o of PPh2), 132.6(m, ortho of PP
h2).31 P{1H} NMR (CD2Cl2):δ−15.8 (s). DI-MS m/z = 630, 632. Anal.Calcd. for C32H38N2P2Cl2Ti: H, 6.07; C, 60.8
7; N, 4.44. Found: H, 6.11; C, 60.47; N, 4.29. 上記方法で得たジクロロチタニウムビス(N−t−ブチ
ルジフェニルホスフィンアミド)をトルエンに溶かし、
−30℃で一昼夜静置することで単結晶を得た。析出した
結晶のX線結晶構造解析の結果(ORTEP図)を図4に示す。
【0022】実施例2:錯体溶液の調製と重合実験 アルゴン気流下、実施例1で得たジクロロチタニウムビ
ス(N−t−ブチルジフェニルホスフィンアミド) (6.3
mg/10 μmol)にメチルアルミノキサン(東ソー・アクゾ
(株)製PMAO, アルミニウム原子換算で10 mmol)のトルエ
ン溶液(50 mL)を加え、室温で12時間の攪拌を行ない錯
体溶液Aを調製した。エチレン重合:100 mLのオートク
レーブに、上記方法で調整した錯体溶液Aを加え、10 k
g/cm2Gのエチレン圧になるようにエチレンを供給しなが
ら室温で30分間重合を行った。得られたポリマーをメタ
ノール/塩酸で洗浄した後、減圧下、一昼夜乾燥を行い
31 mgのポリマーを得た。
【0023】実施例3:ジブロモチタニウムビス(N−t
−ブチルジフェニルホスフィンアミド)TiBr2[N(t
−Bu)Ph2P]2の調製 アルゴン気流下、−78℃でN−t−ブチルアミノジフェ
ニルホスフィン (225mg, / 0.88 mmol)のエーテル溶液
(20 mL)にn−ブチルリチウム(0.33 mL/2.66 M/0.88 m
mol)を加え、室温まで昇温し3時間の攪拌を行った。そ
の後、再度−78℃に冷却し、四臭化チタニウム (160.9
mg/0.44 mmol)のエーテル溶液(8 mL)を滴下させ、室温
まで昇温し12時間の攪拌を行った。反応終了後、減圧乾
燥しトルエン(20 mL)に溶解させ、反応混合物溶液をセ
ライトろ過した。得られた暗赤色溶液を減圧乾燥し、ト
ルエン-ヘキサン(1 : 8)混合溶液を用い洗浄する事によ
り、表題化合物[Ph2PN(t−Bu)]2TiBr2(133 m
g/0.18 mmol/42 %)を得た。 mp. 127 − 129℃.1 H NMR (CD2Cl2): δ1.39 (s, 18H, t−Bu), 7.26−7.2
9 (m, 8H, ortho), 7.36−7.39 (m, 4H, para), 7.47−
7.53 (m, 8H, meta).13 C{1H} NMR (CD2Cl2): δ32.1 (t−Bu), 63.2 (m, 4o
of t−Bu), 127.4 (m, meta of PPh2), 129.6 (para of
PPh2), 131.1 (m, 4o of PPh2), 132.7 (m, ortho of
PPh2).31 P{1H} NMR (CD2Cl2):δ−17.3 (s). DI-MS m/z = 718.
【0024】実施例4:錯体溶液の調製と重合実験 アルゴン気流下、実施例3で得たジブロモチタニウムビ
ス(N−t−ブチルジフェニルホスフィンアミド) (7.2
mg/10μmol)にメチルアルミノキサン(東ソー・アクゾ
(株)製PMAO、 アルミニウム原子換算で10 mmol)のトル
エン溶液(50 mL)を加え、室温で12時間の攪拌を行ない
錯体溶液Bを調製した。 エチレン重合:100 mLのオートクレーブに、上記方法で
調整した錯体溶液Bを加え、10 kg/cm2Gのエチレン圧に
なるようにエチレンを供給しながら室温で30分間重合を
行った。得られたポリマーをメタノール/塩酸で洗浄し
た後、減圧下、一昼夜乾燥を行い38 mgのポリマーを得
た。
【0025】実施例5:ジクロロジルコニウムビス(N−
t−ブチルジフェニルホスフィンアミド)ZrCl2[N
(t−Bu)Ph2P]2の調製 アルゴン気流下、−78℃でN−t−ブチルアミノジフェ
ニルホスフィン (515mg, /2.0 mmol)のエーテル溶液(4
0 mL)にn−ブチルリチウム(0.75 mL/2.66 M/2.0 mmo
l)を加え、室温まで昇温し3時間の攪拌を行った。その
後、再度−78℃に冷却し、四塩化ジルコニウム(231 mg
/1.0 mmol)のエーテル懸濁溶液(10 mL)を反応溶液へポ
リテトラフルオロエチレン製キャヌラーを用い輸送し、
室温まで昇温後12時間の攪拌を行った。反応終了後、減
圧乾燥し塩化メチレン(35 mL)に溶解させ、反応混合物
溶液をセライトろ過した。得られた薄黄色溶液を減圧乾
燥し、エーテル(10mL)を用い洗浄する事により、白色
固体生成物[Ph2PN(t−Bu)]2ZrCl2(548 mg/
0.81 mmol/81 %)を得た。 mp. 125−126℃(dec.).1 H NMR (CD2Cl2): δ1.46 (s, 18H, t−Bu), 6.83−7.0
5 (br s, 12H, ortho orpara), 7.51−7.05 (br s, 8H,
meta). 13C{1H} NMR (CD2Cl2):δ321.9 (t−Bu), 58.8
(m, 4o of t−Bu), 126.3 (m, meta of PPh2), 127.6
(para of PPh2),132.2 (m, 4o of PPh2), 135.5 (m, or
tho of PPh2).31 P{1H} NMR (CD2Cl2):δ−11.5 (s). DI−MS m/z = 672, 674. Anal.Calcd. for C32H38N2P2Cl2Zr: H, 5.68; C, 56.9
6; N, 4.15. Found: H, 6.14; C, 57.61; N, 4.04.
【0026】実施例6:錯体溶液の調製と重合実験 アルゴン気流下、実施例5で得たジクロロジルコニウム
ビス(N−t−ブチルジフェニルホスフィンアミド)(6.7
mg/10μmol)にメチルアルミノキサン(東ソー・アクゾ
(株)製PMAO, アルミニウム原子換算で10 mmol)のトルエ
ン溶液(50 mL)を加え、室温で12時間の攪拌を行ない錯
体溶液Cを調整した。 エチレン重合:100 mLのオートクレーブに、上記方法で
調整した錯体溶液Cを加え、10 kg/cm2Gのエチレン圧に
なるようにエチレンを供給しながら室温で30分間重合を
行った。得られたポリマーをメタノール/塩酸で洗浄し
た後、減圧下、一昼夜乾燥を行い178 mgのポリマーを得
た。
【0027】実施例7ジクロロチタニウムビス(N−フェ
ニル−ジ−t−ブチルホスフィンアミド)TiCl2[N
Ph(t−Bu) 2P]2の調製 アルゴン気流下、−78℃でN−フェニルアミノ−ジ−t
−ブチルホスフィン (680 mg, /2.86 mmol)のエーテル
溶液(40 mL)にn-ブチルリチウム(1.8 mL/1.59M/2.86
mmol)を加え、室温まで昇温し3時間の攪拌を行った。そ
の後、再度−78℃に冷却し、チタニウムテトラクロライ
ドのヘキサン溶液(5.2 mL/0.3 M,/1.43 mmol)を滴下
させ、室温まで昇温し12時間の攪拌を行った。反応終了
後、減圧乾燥し塩化メチレン(20 mL)に溶解させ、反応
混合物溶液をセライトろ過した。得られた暗赤色溶液を
減圧乾燥し、ヘキサン20 mL用い洗浄する事により、表
題化合物(620 mg /1.0 mmol/73 %)(図3の(III)の
化合物)を得た。 mp. 140−141℃.1 H NMR (CD2Cl2):δ1.35 (d, JPH = 15.2 Hz, 36H, t-B
u), 6.98 (t, J = 7.2 Hz, 2H, para), 7.24 (dd, J =
7.2, 7.6 Hz, 4H, meta), 7.42 (d, J = 7.6 Hz,4H, or
tho).13 C{1H} NMR (CD2Cl2):δ29.5 (t−Bu), 39.7 (m, 4o o
f t−Bu), 122.0 (m, meta of PPh2), 122.5 (para of
PPh2), 127.4 (m, ortho of PPh2), 128.1 (m, 4 o of P
Ph2).31 P{1H} NMR (CD2Cl2): δ20.9 (s). DI−MS m/z = 606, 608.
【0028】実施例8:錯体溶液の調製と重合実験 アルゴン気流下、実施例7で得たジクロロチタニウムビ
ス(N−フェニル−ジ−t−ブチルホスフィンアミド)
(6.1 mg/10μmol)にメチルアルミノキサン(東ソー・ア
クゾ(株)製PMAO, アルミニウム原子換算で10 mmol)のト
ルエン溶液(50mL)を加え、室温で12時間の攪拌を行ない
錯体溶液Cを調整した。 エチレン重合:100 mLのオートクレーブに、上記方法で
調整した錯体溶液Dを加え、10 kg/cm2Gのエチレン圧に
なるようにエチレンを供給しながら室温で30分間重合を
行った。得られたポリマーをメタノール/塩酸で洗浄し
た後、減圧下、一昼夜乾燥を行い66 mgのポリマーを得
た。
【0029】実施例9モノ(クロロ)モノ(ベンジル)チタ
ニウムビス(N−t−ブチル−ジフェニルホスフィンアミ
ド)TiCl(CH2Ph)[N(t−Bu)Ph2P]2の調製 アルゴン気流下、−78℃で[Ph2PN(t−Bu)]2Ti
Cl2(85mg/0.13 mmol)のエーテル懸濁溶液(30 mL)に
塩化ベンジルマグネシウム(0.1 mL/7.0 M/0.16 mmol)
を加え、室温まで昇温し1時間の反応を行った。反応終
了後、減圧乾燥し得られた粗生成物をトルエン(20 mL)
に溶解させセライトろ過を行い、得られた暗赤色溶液を
再度、減圧乾燥しヘキサン(5 mL)で抽出する事により、
表題化合物(63 mg/0.09 mmol/71%)(図3の(IV)の
化合物)を得た。 mp. 127−129℃ (dec.).1 H NMR (C6D6):δ1.55 (s, 18H, t−Bu), 3.45 (br t,
JPH = 7.8 Hz, CH2Ph, 2H), 6.58 (t, J = 7.2 Hz, par
a of CH2Ph, 1H), 6.82−6.86 (m, meta or paraof PPh
2, 6H), 6.92−6.94 (m, meta of CH2Ph, 2H), 6.96−
7.03 (m, meta orpara of PPh2, 6H), 7.11 (d, J = 7.
2 Hz, ortho of CH2Ph, 4H), 7.36−7.39(m, ortho of
PPh2, 4H), 7.52−7.67 (m, ortho of PPh2, 4H).13 C{1H} NMR (C6D6):δ33.8 (t−Bu), 62.8 (JPC = 6 H
z, 4o of t−Bu), 79.8(t, JPC = 11 Hz, CH2Ph) 121.2
(para of CH2Ph), 127.7 (meta or para of PPh2), 12
7.9 (meta or para of PPh2), 128.1 (meta or para of
PPh2), 128.3 (meta or para of PPh2),128.4 (m, ort
ho of CH2Ph), 128.5 (4o of CH2Ph), 129.6 (meta of
CH2Ph), 133.7 (m, ortho of PPh2), 133.9 (m, ortho
of PPh2),134.1 (m, 4o of PPh2), 135.4 (m, 4o of PP
h2).31 P{1H} NMR (C6D6): δ−16.0 (s). DI−MS m/z = 686, 688.
【0030】実施例10:錯体溶液の調製と重合実験 アルゴン気流下、実施例9で得たモノ(クロロ)モノ(ベン
ジル)チタニウムビス(N−t−ブチル−ジフェニルホス
フィンアミド) (6.9 mg/10μmol)にメチルアルミノキ
サン(東ソー・アクゾ(株)製PMAO, アルミニウム原子換
算で10 mmol)のトルエン溶液(50 mL)を加え、室温で12
時間の攪拌を行ない錯体溶液Eを調製した。 エチレン重合:100 mLのオートクレーブに、上記方法で
調整した錯体溶液Eを加え、10 kg/cm2Gのエチレン圧に
なるようにエチレンを供給しながら室温で30分間重合を
行った。得られたポリマーをメタノール/塩酸で洗浄し
た後、減圧下、一昼夜乾燥を行い132 mgのポリマーを得
た。
【0031】実施例11:ジベンジルチタニウムビス(N
−t−ブチル−ジフェニルホスフィンアミド)Ti(CH
2Ph)2[N(t−Bu)Ph2P]2の調製 アルゴン気流下、−78℃で[Ph2PN(t−Bu)]2Ti
Cl2(90 mg/0.14 mmol)のエーテル懸濁溶液(30 mL)に
塩化ベンジルマグネシウム(0.26 mL/7.0 M/0.28 mmo
l)を加え、室温まで昇温し12時間の反応を行った。反応
終了後、減圧乾燥し得られた粗生成物をトルエン(10 m
L)に溶解させセライトろ過を行い、得られた褐色溶液を
再度、減圧乾燥しヘキサン(10 mL)で抽出する事によ
り、表題化合物(84 mg/0.11 mmol/81 %)(図3の
(V)の化合物)を得た。 mp. 119−121℃ (dec.).1 H NMR (C6D6):δ1.33 (s, 18H, t−Bu), 3.27 (br t,
JPH = 7.1 Hz, CH2Ph, 4H), 6.75−6.81 (m, para of C
H2Ph, 2H), 6.97−6.99 (m, meta of CH2Ph, 4H), 7.01
−7.11 (m, meta or para of PPh2, 12H), 7.12−7.14
(m, ortho of CH2Ph, 4H), 7.51−7.62 (m, ortho of P
Ph2, 8H).13 C{1H} NMR (C6D6):δ33.8 (t−Bu), 62.6 (m, 4o of
t−Bu), 84.9 (t, JPC =7 Hz, CH2Ph), 121.0 (para of
CH2Ph), 126.3 (meta or para of PPh2), 129.6 (meta
or para of PPh2), 131.3 (m, ortho of CH2Ph), 133.
4 (4o of CH2Ph), 134.6 (m, ortho of PPh2), 136.3
(m, 4o of PPh2).31 P{1H} NMR (C6D6):δ−17.2 (s).
【0032】実施例12:錯体溶液の調製と重合実験 アルゴン気流下、実施例11で得たジベンジルチタニウム
ビス(N−t−ブチル−ジフェニルホスフィンアミド)
(7.4 mg/10μmol)にメチルアルミノキサン(東ソー・ア
クゾ(株)製PMAO, アルミニウム原子換算で10 mmol)のト
ルエン溶液(50 mL)を加え、室温で12時間の攪拌を行な
い錯体溶液Fを調製した。 エチレン重合:100 mLのオートクレーブに、上記方法で
調整した錯体溶液Fを加え、10 kg/cm2Gのエチレン圧に
なるようにエチレンを供給しながら室温で30分間重合を
行った。得られたポリマーをメタノール/塩酸で洗浄し
た後、減圧下、一昼夜乾燥を行い101 mgのポリマーを得
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来より提示されている窒素−リン結合をもつ
有機リン化合物を配位子とする遷移金属化合物の化学構
造式を示す。
【図2】本発明の遷移金属化合物の構造変化の様子を示
す。
【図3】本発明の遷移金属化合物の具体例の幾つかの化
学構造式を示す。
【図4】本発明の遷移金属化合物の1例のX線結晶構造
解析結果を示すORTEP図である。図中、(A)は側
面図、(B)は正面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 10/00 510 C08F 10/00 510 (72)発明者 小田 隆志 福岡県大野城市白木原1−4−6 YME ビル2階202号 Fターム(参考) 4H049 VN06 VN07 VP01 VQ12 VQ35 VR52 VS12 VU14 4H050 AA01 AA03 AB40 AC50 WB14 WB17 WB21 4J128 AA01 AB00 AB01 AC01 AC08 AC09 AC26 AC27 AE02 AE06 AE13 AE15 BA01A BB00B BB01B BC01B BC04B BC25B EA01 EB01 FA02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1)で表されるアミノホ
    スフィンを配位子とする遷移金属化合物。 【化1】 (式(1)において、MはTi、Zr、またはHfから
    選ばれる遷移金属原子である。2つのXは、お互いに同
    一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素原
    子;ハロゲン原子;炭素数1〜20の炭化水素基もしく
    はアルコキシ基;またはアミノ基を示す。2つのR
    1は、お互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ
    独立して、炭素数1〜20の炭化水素基またはケイ素原
    子を有する炭化水素基を示す。2つのR2、2つのR3
    およびR2とR3は、お互いに同一でも異なっていてもよ
    く、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基、
    ケイ素原子を有する炭化水素基もしくはアルコキシ基;
    またはアミノ基を示す。R1とR1、R2とR2、R1
    2、および/またはR2とR3は、環を形成してもよ
    い。)
  2. 【請求項2】 請求項1の遷移金属化合物から成るオレ
    フィン重合用主触媒。
  3. 【請求項3】 請求項2の主触媒と活性化助触媒とから
    成るオレフィン重合用触媒。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3の触媒を用いて
    オレフィンの重合を行なうことを特徴とするポリオレフ
    ィンの製造方法。
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