JP2003261525A - アジン化合物及びオキシム化合物の製造法 - Google Patents

アジン化合物及びオキシム化合物の製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オキシム化合物又は該オキシム化合物の原料
として有用なアジン化合物を安価な原料から簡易に効率
よく得る。 【解決手段】 下記式(I) 【化1】 [式中、nは0又は1を示す。Xは酸素原子又は−OR
基(Rは水素原子又はヒドロキシル基の保護基を示す)
を示す]で表される環状イミド骨格を有するイミド系化
合物の存在下、下記式(2) 【化2】 (式中、Ra、Rb、Rc、Rdは、同一又は異なって、水
素原子又は炭化水素基を示す。RaとRb、RcとRdは、
それぞれ互いに結合して、隣接する炭素原子と共に環を
形成していてもよい)で表されるペルオキシド化合物
と、アンモニアと、水とを反応させて、下記式(3) 【化3】 (式中、Ra、Rb、Rc、Rdは前記に同じ)で表される
アジン化合物、又は下記式(4a)及び/又は(4b) 【化4】 (式中、Ra、Rb、Rc、Rdは前記に同じ)で表される
オキシム化合物を生成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアミドの中間
原料、有機合成中間体などとして有用なアジン化合物及
びオキシム化合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】オキシム化合物の製造法として、カルボ
ニル化合物とヒドロキシルアミンとを脱水縮合させる方
法、ニトロアルケノンをパラジウム触媒存在下で接触水
添する方法、ヒドロキシアミノアルカンを2価のコバル
ト存在下で空気酸化する方法などが知られている。しか
し、これらの方法では、原料化合物が比較的高価であ
る。
【0003】一方、シクロヘキサンを塩化ニトロシルの
存在下で光照射することにより、ニトロソシクロヘキサ
ンを経由してシクロヘキサノンオキシムを製造する方法
が工業的に行われている。この方法によれば、シクロヘ
キサンを直接オキシムに変換できるので、上記の方法と
比較して製造コストを低くできるという利点があるもの
の、原料として用いる塩化ニトロシルは、通常一酸化窒
素と塩素との反応により製造されるので、設備面や操作
性の点で不利であり、しかも環境への負荷が大きいとい
う欠点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、オキシム化合物又は該オキシム化合物の原料として
有用なアジン化合物を安価な原料から簡易に製造できる
方法を提供することにある。本発明の他の目的は、アジ
ン化合物を原料とするオキシム化合物の新規な製造法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、特定のイミド系化合
物を用いると、ペルオキシド化合物を対応するアジン化
合物及び/又はオキシム化合物に、また、アジン化合物
を対応するオキシム化合物にそれぞれ効率よく変換でき
ること、並びに、特定のイミド系化合物を用いることに
より、メチレン基を有する化合物、アルコール化合物、
及びカルボニル化合物から選択された少なくとも1種の
化合物から、対応するアジン化合物及び/又はオキシム
化合物が効率よく得られることを見出し、本発明を完成
した。
【0006】すなわち、本発明は、下記式(I)
【化11】 [式中、nは0又は1を示す。Xは酸素原子又は−OR
基(Rは水素原子又はヒドロキシル基の保護基を示す)
を示す]で表される環状イミド骨格を有するイミド系化
合物の存在下、下記式(2)
【化12】 (式中、Ra、Rb、Rc、Rdは、同一又は異なって、水
素原子又は炭化水素基を示す。RaとRb、RcとRdは、
それぞれ互いに結合して、隣接する炭素原子と共に環を
形成していてもよい)で表されるペルオキシド化合物
と、アンモニアと、水とを反応させて、下記式(3)
【化13】 (式中、Ra、Rb、Rc、Rdは前記に同じ)で表される
アジン化合物、又は下記式(4a)及び/又は(4b)
【化14】 (式中、Ra、Rb、Rc、Rdは前記に同じ)で表される
オキシム化合物を生成させることを特徴とするアジン化
合物又はオキシム化合物の製造法(以下、「製造法1」
と称する場合がある)を提供する。
【0007】本発明は、また、前記式(I)で表される
環状イミド骨格を有するイミド系化合物の存在下、前記
式(3)で表されるアジン化合物と水とを反応させて、
前記式(4a)及び/又は(4b)で表されるオキシム化合
物を生成させることを特徴とするオキシム化合物の製造
法(以下、「製造法2」と称する場合がある)を提供す
る。
【0008】本発明は、さらに、前記式(I)で表され
る環状イミド骨格を有するイミド系化合物の存在下、下
記式(5a)及び(5b) Ra−CH2−Rb (5a) Rc−CH2−Rd (5b) (式中、Ra、Rb、Rc、Rdは、同一又は異なって、水
素原子又は炭化水素基を示す。RaとRb、RcとRdは、
それぞれ互いに結合して、隣接する炭素原子と共に環を
形成していてもよい)で表される1組のメチレン基を有
する化合物、下記式(6a)及び(6b) Ra−CH(OH)−Rb (6a) Rc−CH(OH)−Rd (6b) (式中、Ra、Rb、Rc、Rdは前記に同じ)で表される
1組のアルコール化合物、及び下記式(7a)及び(7b) Ra−C(=O)−Rb (7a) Rc−C(=O)−Rd (7b) (式中、Ra、Rb、Rc、Rdは前記に同じ)で表される
1組のカルボニル化合物の3組から選択された少なくと
も1組の化合物と、酸素と、アンモニアと、水とを反応
させて、前記式(3)で表されるアジン化合物、又は前
記式(4a)及び/又は(4b)で表されるオキシム化合物
を生成させることを特徴とするアジン化合物又はオキシ
ム化合物の製造法(以下、「製造法3」と称する場合が
ある)を提供する。
【0009】なお、本明細書において、製造法1におけ
る「式(2)で表されるペルオキシド化合物」、製造法
2における「式(3)で表されるアジン化合物」、及び
製造法3における「1組のメチレン基を有する化合物、
1組のアルコール化合物、及び1組のカルボニル化合物
の3組から選択された少なくとも1組の化合物」を、単
に「基質」と称する場合がある。
【0010】
【発明の実施の形態】[イミド系化合物]本発明の各方
法で用いるイミド系化合物が有する式(I)で表される
環状イミド骨格において、窒素原子とXとの結合は単結
合又は二重結合である。前記イミド系化合物は、分子中
に、式(I)で表されるN−置換環状イミド骨格を複数
個有していてもよい。また、このイミド系化合物は、前
記Xが−OR基であり且つRがヒドロキシル基の保護基
である場合、N−置換環状イミド骨格のうちRを除く部
分(N−オキシ環状イミド骨格)が複数個、Rを介して
結合していてもよい。
【0011】式(I)中、Rで示されるヒドロキシル基
の保護基としては、有機合成の分野で慣用のヒドロキシ
ル基の保護基を用いることができる。このような保護基
として、例えば、アルキル基(例えば、メチル、t−ブ
チル基などのC1-4アルキル基など)、アルケニル基
(例えば、アリル基など)、シクロアルキル基(例え
ば、シクロヘキシル基など)、アリール基(例えば、
2,4−ジニトロフェニル基など)、アラルキル基(例
えば、ベンジル、2,6−ジクロロベンジル、3−ブロ
モベンジル、2−ニトロベンジル、トリフェニルメチル
基など);置換メチル基(例えば、メトキシメチル、メ
チルチオメチル、ベンジルオキシメチル、t−ブトキシ
メチル、2−メトキシエトキシメチル、2,2,2−ト
リクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)
メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基な
ど)、置換エチル基(例えば、1−エトキシエチル、1
−メチル−1−メトキシエチル、1−イソプロポキシエ
チル、2,2,2−トリクロロエチル、2−メトキシエ
チル基など)、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロ
フラニル基、1−ヒドロキシアルキル基(例えば、1−
ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシヘキシル、1−ヒド
ロキシデシル、1−ヒドロキシヘキサデシル、1−ヒド
ロキシ−1−フェニルメチル基など)等のヒドロキシル
基とアセタール又はヘミアセタール基を形成可能な基な
ど;アシル基(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオ
ニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイ
ル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナ
ノイル、デカノイル、ラウロイル、ミリストイル、パル
ミトイル、ステアロイル基などのC1-20脂肪族アシル基
等の脂肪族飽和又は不飽和アシル基;アセトアセチル
基;シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボ
ニル基などのシクロアルカンカルボニル基等の脂環式ア
シル基;ベンゾイル、ナフトイル基などの芳香族アシル
基など)、スルホニル基(メタンスルホニル、エタンス
ルホニル、トリフルオロメタンスルホニル、ベンゼンス
ルホニル、p−トルエンスルホニル、ナフタレンスルホ
ニル基など)、アルコキシカルボニル基(例えば、メト
キシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカ
ルボニル基などのC1-4アルコキシ−カルボニル基な
ど)、アラルキルオキシカルボニル基(例えば、ベンジ
ルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカ
ルボニル基など)、置換又は無置換カルバモイル基(例
えば、カルバモイル、メチルカルバモイル、フェニルカ
ルバモイル基など)、無機酸(硫酸、硝酸、リン酸、ホ
ウ酸など)からOH基を除した基、ジアルキルホスフィ
ノチオイル基(例えば、ジメチルホスフィノチオイル基
など)、ジアリールホスフィノチオイル基(例えば、ジ
フェニルホスフィノチオイル基など)、置換シリル基
(例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリ
ル、トリベンジルシリル、トリフェニルシリル基など)
などが挙げられる。
【0012】また、Xが−OR基である場合において、
N−置換環状イミド骨格のうちRを除く部分(N−オキ
シ環状イミド骨格)が複数個、Rを介して結合する場
合、該Rとして、例えば、オキサリル、マロニル、スク
シニル、グルタリル、アジポイル、フタロイル、イソフ
タロイル、テレフタロイル基などのポリカルボン酸アシ
ル基;カルボニル基;メチレン、エチリデン、イソプロ
ピリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、
ベンジリデン基などの多価の炭化水素基(特に、2つの
ヒドロキシル基とアセタール結合を形成する基)などが
挙げられる。
【0013】好ましいRには、例えば、水素原子;ヒド
ロキシル基とアセタール又はヘミアセタール基を形成可
能な基;カルボン酸、スルホン酸、炭酸、カルバミン
酸、硫酸、リン酸、ホウ酸などの酸からOH基を除した
基(アシル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル
基、カルバモイル基等)などの加水分解により脱離可能
な加水分解性保護基などが含まれる。
【0014】式(I)において、nは0又は1を示す。
すなわち、式(I)は、nが0の場合は5員のN−置換
環状イミド骨格を表し、nが1の場合は6員のN−置換
環状イミド骨格を表す。
【0015】前記イミド系化合物の代表的な例として、
下記式(1)
【化15】 [式中、nは0又は1を示す。Xは酸素原子又は−OR
基(Rは水素原子又はヒドロキシル基の保護基を示す)
を示す。R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、同一又は
異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリ
ール基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキ
シ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、アシ
ル基又はアシルオキシ基を示し、R1、R2、R3、R4
5及びR6のうち少なくとも2つが互いに結合して、環
状イミド骨格を構成する炭素原子又は炭素−炭素結合と
共に、二重結合、又は芳香族性若しくは非芳香族性の環
を形成してもよい。前記R1、R2、R3、R4、R5
6、又はR1、R2、R3、R4、R5及びR6のうち少な
くとも2つが互いに結合して形成された二重結合又は芳
香族性若しくは非芳香族性の環には、下記式(a)
【化16】 (式中、n、Xは前記に同じ)で表されるN−置換環状
イミド基がさらに1又は2個以上形成されていてもよ
い]で表される化合物が挙げられる。
【0016】このイミド系化合物において、置換基
1、R2、R3、R4、R5及びR6のうちハロゲン原子に
は、ヨウ素、臭素、塩素およびフッ素原子が含まれる。
アルキル基には、例えば、メチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−
ブチル、ヘキシル、デシル、ドデシル、テトラデシル、
ヘキサデシル基などの炭素数1〜30程度(特に、炭素
数1〜20程度)の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が含
まれる。
【0017】アリール基には、フェニル、ナフチル基な
どが含まれ、シクロアルキル基には、シクロペンチル、
シクロヘキシル基などが含まれる。アルコキシ基には、
例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、t−ブトキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、
デシルオキシ、ドデシルオキシ、テトラデシルオキシ、
オクタデシルオキシ基などの炭素数1〜30程度(特
に、炭素数1〜20程度)のアルコキシ基が含まれる。
【0018】置換オキシカルボニル基には、例えば、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキ
シカルボニル、ブトキシカルボニル、t−ブトキシカル
ボニル、ヘキシルオキシカルボニル、デシルオキシカル
ボニル、ヘキサデシルオキシカルボニル基などのC1-30
アルコキシ−カルボニル基(特に、C1-20アルコキシ−
カルボニル基);シクロペンチルオキシカルボニル、シ
クロヘキシルオキシカルボニル基などのシクロアルキル
オキシカルボニル基(特に、3〜20員シクロアルキル
オキシカルボニル基);フェニルオキシカルボニル、ナ
フチルオキシカルボニル基などのアリールオキシカルボ
ニル基(特に、C6-20アリールオキシ−カルボニル
基);ベンジルオキシカルボニル基などのアラルキルオ
キシカルボニル基(特に、C7-21アラルキルオキシ−カ
ルボニル基)などが挙げられる。
【0019】アシル基としては、例えば、ホルミル、ア
セチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレ
リル、ピバロイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカ
ノイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ス
テアロイル基などのC1-30脂肪族アシル基(特に、C
1-20脂肪族アシル基)等の脂肪族飽和又は不飽和アシル
基;アセトアセチル基;シクロペンタンカルボニル、シ
クロヘキサンカルボニル基などのシクロアルカンカルボ
ニル基等の脂環式アシル基;ベンゾイル、ナフトイル基
などの芳香族アシル基などが例示できる。
【0020】アシルオキシ基としては、例えば、ホルミ
ルオキシ、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチ
リルオキシ、イソブチリルオキシ、バレリルオキシ、ピ
バロイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、オクタノイルオ
キシ、デカノイルオキシ、ラウロイルオキシ、ミリスト
イルオキシ、パルミトイルオキシ、ステアロイルオキシ
基などのC1-30脂肪族アシルオキシ基(特に、C1-20
肪族アシルオキシ基)等の脂肪族飽和又は不飽和アシル
オキシ基;アセトアセチルオキシ基;シクロペンタンカ
ルボニルオキシ、シクロヘキサンカルボニルオキシ基な
どのシクロアルカンカルボニルオキシ基等の脂環式アシ
ルオキシ基;ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ基な
どの芳香族アシルオキシ基などが例示できる。
【0021】前記置換基R1、R2、R3、R4、R5及び
6は、同一又は異なっていてもよい。また、前記式
(1)において、R1、R2、R3、R4、R5及びR6のう
ち少なくとも2つが互いに結合して、環状イミド骨格を
構成する炭素原子又は炭素−炭素結合と共に、二重結
合、または芳香族性又は非芳香属性の環を形成してもよ
い。好ましい芳香族性又は非芳香族性環は5〜12員
環、特に6〜10員環程度であり、複素環又は縮合複素
環であってもよいが、炭化水素環である場合が多い。こ
のような環には、例えば、非芳香族性脂環式環(シクロ
ヘキサン環などの置換基を有していてもよいシクロアル
カン環、シクロヘキセン環などの置換基を有していても
よいシクロアルケン環など)、非芳香族性橋かけ環(5
−ノルボルネン環などの置換基を有していてもよい橋か
け式炭化水素環など)、ベンゼン環、ナフタレン環など
の置換基を有していてもよい芳香族環(縮合環を含む)
が含まれる。前記環は、芳香族環で構成される場合が多
い。前記環は、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキ
シル基、アルコキシ基、カルボキシル基、置換オキシカ
ルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ニトロ基、シ
アノ基、アミノ基、ハロゲン原子などの置換基を有して
いてもよい。
【0022】前記R1、R2、R3、R4、R5、R6、又は
1、R2、R3、R4、R5及びR6のうち少なくとも2つ
が互いに結合して形成された二重結合又は芳香族性若し
くは非芳香族性の環には、前記式(a)で表されるN−
置換環状イミド基がさらに1又は2個以上形成されてい
てもよい。例えば、R1、R2、R3、R4、R5又はR6
炭素数2以上のアルキル基である場合、このアルキル基
を構成する隣接する2つの炭素原子を含んで前記N−置
換環状イミド基が形成されていてもよい。また、R1
2、R3、R4、R5及びR6のうち少なくとも2つが互
いに結合して、環状イミド骨格を構成する炭素−炭素結
合と共に二重結合を形成する場合、該二重結合を含んで
前記N−置換環状イミド基が形成されていてもよい。さ
らに、R1、R2、R3、R4、R5及びR6のうち少なくと
も2つが互いに結合して、環状イミド骨格を構成する炭
素原子又は炭素−炭素結合と共に、芳香族性若しくは非
芳香族性の環を形成する場合、該環を構成する隣接する
2つの炭素原子を含んで前記N−置換環状イミド基が形
成されていてもよい。
【0023】好ましいイミド系化合物には、下記式で表
される化合物が含まれる。
【化17】 (式中、R11〜R16は、同一又は異なって、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキ
ル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル
基、置換オキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキ
シ基を示す。R17〜R26は、同一又は異なって、水素原
子、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、ア
ルコキシ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル
基、アシル基、アシルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、
アミノ基、ハロゲン原子を示す。R17〜R26は、隣接す
る基同士が結合して、式(1c)、(1d)、(1e)、(1
f)、(1h)又は(1i)中に示される5員又は6員のN
−置換環状イミド骨格を形成していてもよい。Xは前記
に同じ)
【0024】置換基R11〜R16におけるハロゲン原子、
アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ヒドロキ
シル基、アルコキシ基、カルボキシル基、置換オキシカ
ルボニル基、アシル基、アシルオキシ基としては、前記
1〜R6における対応する基と同様のものが例示され
る。
【0025】置換基R17〜R26において、アルキル基に
は、前記例示のアルキル基と同様のアルキル基、特に炭
素数1〜6程度のアルキル基が含まれ、ハロアルキル基
には、トリフルオロメチル基などの炭素数1〜4程度の
ハロアルキル基、アルコキシ基には、前記と同様のアル
コキシ基、特に炭素数1〜4程度の低級アルコキシ基、
置換オキシカルボニル基には、前記と同様の置換オキシ
カルボニル基(アルコキシカルボニル基、シクロアルキ
ルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、
アラルキルオキシカルボニル基など)が含まれる。ま
た、アシル基としては前記と同様のアシル基(脂肪族飽
和又は不飽和アシル基、アセトアセチル基、脂環式アシ
ル基、芳香族アシル基等)などが例示され、アシルオキ
シ基としては前記と同様のアシルオキシ基(脂肪族飽和
又は不飽和アシルオキシ基、アセトアセチルオキシ基、
脂環式アシルオキシ基、芳香族アシルオキシ基等)など
が例示される。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、
臭素原子が例示できる。置換基R17〜R26は、通常、水
素原子、炭素数1〜4程度の低級アルキル基、カルボキ
シル基、置換オキシカルボニル基、ニトロ基、ハロゲン
原子である場合が多い。
【0026】好ましいイミド系化合物のうち5員のN−
置換環状イミド骨格を有する化合物の代表的な例とし
て、例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒド
ロキシ−α−メチルコハク酸イミド、N−ヒドロキシ−
α,α−ジメチルコハク酸イミド、N−ヒドロキシ−
α,β−ジメチルコハク酸イミド、N−ヒドロキシ−
α,α,β,β−テトラメチルコハク酸イミド、N−ヒ
ドロキシマレイン酸イミド、N−ヒドロキシヘキサヒド
ロフタル酸イミド、N,N′−ジヒドロキシシクロヘキ
サンテトラカルボン酸ジイミド、N−ヒドロキシフタル
酸イミド、N−ヒドロキシテトラブロモフタル酸イミ
ド、N−ヒドロキシテトラクロロフタル酸イミド、N−
ヒドロキシヘット酸イミド、N−ヒドロキシハイミック
酸イミド、N−ヒドロキシトリメリット酸イミド、N,
N′−ジヒドロキシピロメリット酸ジイミド、N,N′
−ジヒドロキシナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、
α,β−ジアセトキシ−N−ヒドロキシコハク酸イミ
ド、N−ヒドロキシ−α,β−ビス(プロピオニルオキ
シ)コハク酸イミド、N−ヒドロキシ−α,β−ビス
(バレリルオキシ)コハク酸イミド、N−ヒドロキシ−
α,β−ビス(ラウロイルオキシ)コハク酸イミド、
α,β−ビス(ベンゾイルオキシ)−N−ヒドロキシコ
ハク酸イミド、N−ヒドロキシ−4−メトキシカルボニ
ルフタル酸イミド、4−クロロ−N−ヒドロキシフタル
酸イミド、4−エトキシカルボニル−N−ヒドロキシフ
タル酸イミド、N−ヒドロキシ−4−ペンチルオキシカ
ルボニルフタル酸イミド、4−ドデシルオキシ−N−ヒ
ドロキシカルボニルフタル酸イミド、N−ヒドロキシ−
4−フェノキシカルボニルフタル酸イミド、N−ヒドロ
キシ−4,5−ビス(メトキシカルボニル)フタル酸イ
ミド、4,5−ビス(エトキシカルボニル)−N−ヒド
ロキシフタル酸イミド、N−ヒドロキシ−4,5−ビス
(ペンチルオキシカルボニル)フタル酸イミド、4,5
−ビス(ドデシルオキシカルボニル)−N−ヒドロキシ
フタル酸イミド、N−ヒドロキシ−4,5−ビス(フェ
ノキシカルボニル)フタル酸イミドなどの式(1)にお
けるXが−OR基で且つRが水素原子である化合物;こ
れらの化合物に対応する、Rがアセチル基、プロピオニ
ル基、ベンゾイル基等のアシル基である化合物;N−メ
トキシメチルオキシフタル酸イミド、N−(2−メトキ
シエトキシメチルオキシ)フタル酸イミド、N−テトラ
ヒドロピラニルオキシフタル酸イミドなどの式(1)に
おけるXが−OR基で且つRがヒドロキシル基とアセタ
ール又はヘミアセタール結合を形成可能な基である化合
物;N−メタンスルホニルオキシフタル酸イミド、N−
(p−トルエンスルホニルオキシ)フタル酸イミドなど
の式(1)におけるXが−OR基で且つRがスルホニル
基である化合物;N−ヒドロキシフタル酸イミドの硫酸
エステル、硝酸エステル、リン酸エステル又はホウ酸エ
ステルなどの式(1)におけるXが−OR基で且つRが
無機酸からOH基を除した基である化合物などが挙げら
れる。
【0027】好ましいイミド系化合物のうち6員のN−
置換環状イミド骨格を有する化合物の代表的な例とし
て、例えば、N−ヒドロキシグルタルイミド、N−ヒド
ロキシ−α,α−ジメチルグルタルイミド、N−ヒドロ
キシ−β,β−ジメチルグルタルイミド、N−ヒドロキ
シ−1,8−デカリンジカルボン酸イミド、N,N′−
ジヒドロキシ−1,8;4,5−デカリンテトラカルボ
ン酸ジイミド、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタレンジ
カルボン酸イミド(N−ヒドロキシナフタル酸イミ
ド)、N,N′−ジヒドロキシ−1,8;4,5−ナフ
タレンテトラカルボン酸ジイミドなどの式(1)におけ
るXが−OR基で且つRが水素原子である化合物;これ
らの化合物に対応する、Rがアセチル基、プロピオニル
基、ベンゾイル基等のアシル基である化合物;N−メト
キシメチルオキシ−1,8−ナフタレンジカルボン酸イ
ミド、N,N′−ビス(メトキシメチルオキシ)−1,
8;4,5−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドなど
の式(1)におけるXが−OR基で且つRがヒドロキシ
ル基とアセタール又はヘミアセタール結合を形成可能な
基である化合物;N−メタンスルホニルオキシ−1,8
−ナフタレンジカルボン酸イミド、N,N′−ビス(メ
タンスルホニルオキシ)−1,8;4,5−ナフタレン
テトラカルボン酸ジイミドなどの式(1)におけるXが
−OR基で且つRがスルホニル基である化合物;N−ヒ
ドロキシ−1,8−ナフタレンジカルボン酸イミド又は
N,N′−ジヒドロキシ−1,8;4,5−ナフタレン
テトラカルボン酸ジイミドの硫酸エステル、硝酸エステ
ル、リン酸エステル又はホウ酸エステルなどの式(1)
におけるXが−OR基で且つRが無機酸からOH基を除
した基である化合物などが挙げられる。
【0028】前記イミド系化合物のうち、Xが−OR基
で且つRが水素原子である化合物(N−ヒドロキシ環状
イミド化合物)は、慣用のイミド化反応、例えば、対応
する酸無水物とヒドロキシルアミンとを反応させ、酸無
水物基の開環及び閉環を経てイミド化する方法により得
ることができる。また、前記イミド系化合物のうち、X
が−OR基で且つRがヒドロキシル基の保護基である化
合物は、対応するRが水素原子である化合物(N−ヒド
ロキシ環状イミド化合物)に、慣用の保護基導入反応を
利用して、所望の保護基を導入することにより調製する
ことができる。例えば、N−アセトキシフタル酸イミド
は、N−ヒドロキシフタル酸イミドに無水酢酸を反応さ
せたり、塩基の存在下でアセチルハライドを反応させる
ことにより得ることができる。また、これ以外の方法で
製造することも可能である。
【0029】特に好ましいイミド化合物は、脂肪族多価
カルボン酸無水物(環状無水物)又は芳香族多価カルボ
ン酸無水物(環状無水物)から誘導されるN−ヒドロキ
シイミド化合物(例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミ
ド、N−ヒドロキシフタル酸イミド、N,N′−ジヒド
ロキシピロメリット酸ジイミド、N−ヒドロキシグルタ
ルイミド、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタレンジカル
ボン酸イミド、N,N′−ジヒドロキシ−1,8;4,
5−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドなど);及び
該N−ヒドロキシイミド化合物のヒドロキシル基に保護
基を導入することにより得られる化合物などが含まれ
る。
【0030】式(I)で表されるN−置換環状イミド骨
格を有するイミド系化合物は、反応において、単独で又
は2種以上組み合わせて使用できる。前記イミド系化合
物は反応系内で生成させてもよい。
【0031】[助触媒等]なお、本発明の各製造法で
は、必要に応じて、イミド系化合物とともに助触媒を用
いることもできる。助触媒として、例えば、バナジウム
化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、周期表1族
又は2族の金属元素化合物等の金属化合物;有機オニウ
ム塩などが挙げられる。また、このほか、例えば特開平
9−327626号公報にイミド化合物触媒の助触媒と
して記載されているものなどを使用できる。これらの助
触媒は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0032】また、系内にラジカル開始剤(アゾビスイ
ソブチロニトリルなど)やラジカル反応促進剤、酸化剤
など初期活性化剤を添加してもよい。ラジカル開始剤の
使用量は、例えば、基質1モルに対して、0.0000
001〜0.5モル、好ましくは0.0001〜0.3
モル程度である。さらに、中間体である過酸化物等の安
定化のために、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)な
どの安定化剤(中間体過酸化物のトラップ剤)を系内に
添加してもよい。安定化剤の使用量は、例えば、基質1
モルに対して、0.0000001〜0.1モル、好ま
しくは0.00001〜0.01モル程度である。
【0033】[製造法1]本発明の製造法1では、前記
式(I)で表される環状イミド骨格を有するイミド系化
合物の存在下、前記式(2)で表されるペルオキシド化
合物と、アンモニアと、水とを反応させて、前記式
(3)で表されるアジン化合物、又は前記式(4a)及び
/又は(4b)で表されるオキシム化合物を生成させる。
【0034】式(2)中、Ra、Rb、Rc、Rdにおける
炭化水素基には、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素
基、芳香族炭化水素基、これらが複数個結合した基が含
まれる。脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチ
ル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、
オクチル、デシル、テトラデシル基などのアルキル基
(例えば、C1-20アルキル基など);ビニル、アリル基
などのアルケニル基(例えば、C2-20アルケニル基な
ど);エチニル、プロピニル基などのアルキニル基(例
えば、C2-20アルキニル基など)などが挙げられる。
【0035】脂環式炭化水素基としては、例えば、シク
ロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘ
キシル、シクロオクチル、シクロデシル、シクロドデシ
ル基などのシクロアルキル基(3〜20員のシクロアル
キル基など);シクロペンテニル、シクロヘキセニル基
などのシクロアルケニル基(3〜20員のシクロアルケ
ニル基など)などが挙げられる。脂環式炭化水素基の脂
環には他の環(芳香族性又は非芳香族性の炭素環又は複
素環)が縮合していてもよく、この場合橋かけ環が形成
されていてもよい。芳香族炭化水素基としては、例え
ば、フェニル基、ナフチル基などの炭素数6〜20の芳
香族炭化水素基などが挙げられる。
【0036】前記炭化水素基のなかでも、特に、C1-20
アルキル基、3〜20員のシクロアルキル基、C6-20
香族炭化水素基、これらが複数個結合した基などが好ま
しい。
【0037】上記の炭化水素基には、反応を損なわない
範囲で、種々の置換基が結合していてもよい。このよう
な置換基として、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル
基、メルカプト基、置換オキシ基(例えば、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アシルオキシ基など)、置換チ
オ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基(アル
コキシカルボニル基など)、置換又は無置換カルバモイ
ル基、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換アミノ基、
複素環式基、オキソ基などが挙げられる。
【0038】RaとRb、RcとRdが、それぞれ互いに結
合して、隣接する炭素原子と共に形成してもよい環とし
ては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペン
タン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロ
オクタン環、シクロノナン環、シクロデカン環、シクロ
ドデカン環、シクロテトラデカン環、シクロヘキサデカ
ン環、シクロオクタデカン環、シクロイコサン環、シク
ロドコサン環、シクロトリアコンタン環等の3〜40員
程度(好ましくは3〜30員程度)のシクロアルカン
環;シクロペンテン環、シクロヘキセン環等3〜40員
程度(好ましくは3〜30員程度)のシクロアルケン環
などが挙げられる。なかでも、シクロペンタン環、シク
ロヘキサン環、シクロオクタン環、シクロドデカン環等
の5〜20員程度のシクロアルカン環が好ましい。
【0039】前記シクロアルカン環は反応を阻害しない
範囲で置換基を有していてもよい。このような置換基と
して、例えば、上記の炭化水素基が有していてもよい置
換基のほか、アルキル基(例えば、メチル、エチル、イ
ソプロピル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル
基等のC1-20アルキル基など、特にC1-4アルキル
基)、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル
基、シクロアルケニル基、アリール基(例えば、フェニ
ル、ナフチル基など)、アラルキル基(例えば、ベンジ
ル基など)などが挙げられる。また、シクロアルカン環
には、芳香族性又は非芳香族性の炭素環や複素環が縮合
していてもよく、この場合橋かけ環が形成されていても
よい。
【0040】RaとRb及びRcとRdがそれぞれ互いに結
合して隣接する炭素原子と共に環を形成しているペルオ
キシド化合物の代表的な例として、下記式(8)で表さ
れるビス(1−ヒドロキシシクロアルキル)ペルオキシ
ド類が挙げられる。
【化18】 (式中、環Zはシクロアルカン環を示す)
【0041】環Zにおけるシクロアルカン環としては、
前記のシクロアルカン環が挙げられる。このシクロアル
カン環は前記の置換基を有していてもよい。また、芳香
族性又は非芳香族性の炭素環や複素環が縮合していても
よく、この場合橋かけ環が形成されていてもよい。
【0042】式(2)で表されるペルオキシド化合物の
うち鎖状化合物として、ビス(1−ヒドロキシ−1−フ
ェニルメチル)ペルオキシド、ビス(1−ヒドロキシ−
1−メチルエチル)ペルオキシド、ビス(1−ヒドロキ
シ−1−メチルプロピル)ペルオキシド、ビス(1−ヒ
ドロキシ−1−フェニルエチル)ペルオキシド、ビス
(1−ヒドロキシ−1,1−ジフェニルメチル)ペルオ
キシドなどが挙げられる。また、前記式(8)で表され
るビス(1−ヒドロキシシクロアルキル)ペルオキシド
類の代表的な例として、ビス(1−ヒドロキシシクロプ
ロピル)ペルオキシド、ビス(1−ヒドロキシシクロブ
チル)ペルオキシド、ビス(1−ヒドロキシシクロペン
チル)ペルオキシド、ビス(1−ヒドロキシシクロヘキ
シル)ペルオキシド、ビス(1−ヒドロキシシクロヘプ
チル)ペルオキシド、ビス(1−ヒドロキシシクロオク
チル)ペルオキシド、ビス(1−ヒドロキシシクロノニ
ル)ペルオキシド、ビス(1−ヒドロキシシクロデシ
ル)ペルオキシド、ビス(1−ヒドロキシシクロテトラ
デシル)ペルオキシド、ビス(1−ヒドロキシシクロヘ
キサデシル)ペルオキシド、ビス(1−ヒドロキシシク
ロオクタデシル)ペルオキシドなどが挙げられる。
【0043】式(2)で表されるペルオキシド化合物
は、例えば、前記式(6a)で表されるアルコール化合物
及び前記式(7b)で表されるカルボニル化合物[又は、
前記式(6b)で表されるアルコール化合物及び前記式
(7a)で表されるカルボニル化合物]を、前記式(I)
で表される環状イミド骨格を有するイミド系化合物の存
在下、分子状酸素と反応させることにより得ることがで
きる[国際公開公報WO99/50204(PCT/JP99/01464)参
照]。この反応は溶媒の存在下又は非存在下で行われ
る。溶媒としては、例えば、酢酸、プロピオン酸などの
有機酸;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリ
ル類;ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムア
ミド(DMF)、ジメチルアセトアミドなどのアミド
類;ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;ジクロ
ロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジ
クロロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼンなどのハ
ロゲン化炭化水素;ニトロベンゼン、ニトロメタン、ニ
トロエタンなどのニトロ化合物;酢酸エチル、酢酸ブチ
ルなどのエステル類;これらの混合溶媒などが挙げられ
る。前記カルボニル化合物の使用量は、アルコール化合
物1モルに対して、例えば0.5〜5モル程度である。
前記イミド系化合物の使用量は、アルコール化合物1モ
ルに対して、例えば0.000001〜1モルである。
分子状酸素としては、純粋な酸素、不活性ガスで希釈さ
れた酸素、又は空気を使用できる。反応温度は30〜1
50℃程度である。反応は常圧下又は加圧下で行われ
る。必要に応じて、マンガン化合物、コバルト化合物な
どの金属化合物等を助触媒として用いることもできる。
なお、式(7b)で表されるカルボニル化合物として式
(6a)で表されるアルコール化合物に対応する化合物を
用いた場合には、対称なペルオキシド化合物が生成す
る。
【0044】また、式(2)で表されるペルオキシド化
合物は、前記式(5a)で表されるメチレン基を有する化
合物と式(5b)で表されるメチレン基を有する化合物と
を、前記式(I)で表される環状イミド骨格を有するイ
ミド系化合物の存在下、分子状酸素と反応させることに
より得ることもできる。なお、式(5a)で表されるメチ
レン基を有する化合物と式(5b)で表されるメチレン基
を有する化合物とは同一の化合物であってもよい(この
場合、対称なペルオキシド化合物が生成する)。この反
応は溶媒の存在下又は非存在下で行われる。溶媒として
は上記と同様の溶媒を使用できる。前記イミド系化合物
の使用量は、メチレン基を有する化合物1モルに対し
て、例えば0.000001〜1モル程度である。分子
状酸素としては、純粋な酸素、不活性ガスで希釈された
酸素、又は空気を使用できる。反応温度は60〜150
℃程度である。反応は常圧下又は加圧下で行われる。必
要に応じて、マンガン化合物、コバルト化合物などの金
属化合物等を助触媒として用いることもできる。
【0045】さらに、式(2)で表されるペルオキシド
化合物は、前記式(7a)で表されるカルボニル化合物と
式(7b)で表されるカルボニル化合物とを、過酸化水素
と反応させることにより得ることができる。なお、式
(7a)で表されるカルボニル化合物と式(7b)で表され
るカルボニル化合物とは同一の化合物であってもよい。
この場合には対称なペルオキシド化合物が生成する。
【0046】本発明の製造法1において、アンモニアは
気体のアンモニアをそのまま使用してもよく、有機溶媒
や水に溶解したものを用いてもよい。アンモニアを気体
として使用する場合、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸
化炭素等の不活性ガスで希釈して用いてもよい。アンモ
ニアの使用量は、基質1モルに対して、通常0.5モル
以上、例えば0.5〜100モル程度、好ましくは1〜
50モル程度である。
【0047】反応に用いる水の使用量は、基質1モルに
対して、通常0.5モル以上、例えば0.5〜100モ
ル程度、好ましくは1〜50モル程度である。水を大過
剰量用いることもできる。前記イミド系化合物の使用量
は、広い範囲で選択でき、例えば、基質1モルに対して
0.0000001〜2モル、好ましくは0.0001
〜1モル、さらに好ましくは0.01〜0.8モル程度
であり、0.05〜0.8モル程度である場合が多い。
なお、必要に応じて、系内に前記安定化剤を添加しても
よい。また、ヒドロキシルアミンを添加してもよい。
【0048】反応は溶媒の存在下又は非存在下で行うこ
とができる。溶媒としては、前記式(2)で表されるペ
ルオキシド化合物の調製法において例示したものと同様
の溶媒を使用できる。
【0049】反応温度は、基質の種類などに応じて、例
えば0〜200℃、好ましくは10〜100℃程度の範
囲から選択できる。反応圧力は、常圧、加圧下の何れで
あってもよい。反応はアンモニアの存在下又は流通下、
回分式、半回分式、連続式などの慣用の方法により行う
ことができる。
【0050】本方法では、反応により、原料として用い
た式(2)で表されるペルオキシド化合物に対応する式
(3)で表されるアジン化合物、及び/又は式(4a)で
表されるオキシム化合物及び/又は式(4b)で表される
オキシム化合物が生成する。特に、原料として式(8)
で表されるビス(1−ヒドロキシシクロアルキル)ペル
オキシド類を用いた場合には、下記式(9)
【化19】 (式中、環Zは前記に同じ)で表されるシクロアルカノ
ンアジン類、及び/又は下記式(10)
【化20】 (式中、環Zは前記に同じ)で表されるシクロアルカノ
ンオキシム類が生成する。
【0051】式(3)で表されるアジン化合物のうち鎖
状化合物として、ベンズアルデヒドアジン、アセトンア
ジン、メチルエチルケトンアジン、アセトフェノンアジ
ン、ベンゾフェノンアジンなどが挙げられる。また、前
記式(9)で表されるシクロアルカノンアジン類の代表
的な例として、シクロプロパノンアジン、シクロブタノ
ンアジン、シクロペンタノンアジン、シクロヘキサノン
アジン、シクロヘプタノンアジン、シクロオクタノンア
ジン、シクロノナノンアジン、シクロデカノンアジン、
シクロドデカノンアジン、シクロテトラデカノンアジ
ン、シクロヘキサデカノンアジン、シクロオクタデカノ
ンアジンなどが挙げられる。
【0052】式(4a)、(4b)で表されるオキシム化合
物のうち鎖状化合物として、ベンズアルデヒドオキシ
ム、アセトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、
アセトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシムなど
が挙げられる。また、式(10)で表されるシクロアルカ
ノンオキシム類の代表的な例として、シクロプロパノン
オキシム、シクロブタノンオキシム、シクロペンタノン
オキシム、シクロヘキサノンオキシム、シクロヘプタノ
ンオキシム、シクロオクタノンオキシム、シクロノナノ
ンオキシム、シクロデカノンオキシム、シクロドデカノ
ンオキシム、シクロテトラデカノンオキシム、シクロヘ
キサデカノンオキシム、シクロオクタデカノンオキシム
などが挙げられる。
【0053】製造法1において、アジン化合物とオキシ
ム化合物の生成比率は、例えば、反応温度、反応時間、
触媒の種類及び量、溶媒の種類、水の使用量などの反応
条件を適宜選択することによりコントロールできる。よ
り具体的には、反応時間を長くしたり、イミド系化合物
の量を増やすと、オキシム化合物の生成比率が増大す
る。
【0054】反応終了後、反応生成物は、例えば、濾
過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、吸着、カラムク
ロマトグラフィーなどの分離手段やこれらを組み合わせ
た分離手段により分離精製できる。
【0055】[製造法2]本発明の製造法2では、前記
式(I)で表される環状イミド骨格を有するイミド系化
合物の存在下、前記式(3)で表されるアジン化合物と
水とを反応させて、前記式(4a)及び/又は(4b)で表
されるオキシム化合物を生成させる。
【0056】式(3)中、Ra、Rb、Rc、Rdは前記と
同様である。Ra、Rb、Rc、Rdとしては、特に、C
1-20アルキル基、3〜20員のシクロアルキル基、C
6-20芳香族炭化水素基、これらが複数個結合した基など
が好ましい。また、式(3)で表される化合物のうち、
aとRb及びRcとRdがそれぞれ互いに結合して隣接す
る炭素原子と共に環を形成している化合物も好ましい。
このようなアジン化合物の代表的な例として、前記式
(9)で表されるシクロアルカノンアジン類が挙げられ
る。これらの中でも、シクロペンタノンアジン、シクロ
ヘキサノンアジン、シクロオクタノンアジン、シクロド
デカノンアジン等の5〜20員程度のシクロアルカノン
アジンが好ましい。式(3)で表されるアジン化合物は
本発明の製造法1により得ることができる。
【0057】製造法2において、反応に用いる水の使用
量は、基質1モルに対して、通常0.5モル以上、例え
ば0.5〜100モル程度、好ましくは1〜50モル程
度である。水を大過剰量用いることもできる。前記イミ
ド系化合物の使用量は、広い範囲で選択でき、例えば、
基質1モルに対して0.0000001〜5モル、好ま
しくは0.0001〜3モル、さらに好ましくは0.0
1〜2モル程度であり、0.1〜1.5モル程度である
場合が多い。なお、反応速度や収率を向上させるため、
必要に応じて、系内にアンモニアやヒドロキシルアミン
を加えたり、前記安定化剤を添加してもよい。
【0058】反応は溶媒の存在下又は非存在下で行うこ
とができる。溶媒としては、例えば前記例示の溶媒を使
用できる。反応温度は、基質の種類などに応じて、例え
ば、0〜200℃、好ましくは10〜100℃程度の範
囲から選択できる。反応圧力は、常圧、加圧下の何れで
あってもよい。反応は、回分式、半回分式、連続式など
の慣用の方法により行うことができる。
【0059】本方法では、反応により、原料として用い
た式(3)で表されるアジン化合物に対応する式(4a)
で表されるオキシム化合物及び/又は式(4b)で表され
るオキシム化合物が生成する。特に、原料として式
(9)で表されるシクロアルカノンアジン類を用いた場
合には、前記式(10)で表されるシクロアルカノンオキ
シム類が生成する。
【0060】反応終了後、反応生成物は、例えば、濾
過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、吸着、カラムク
ロマトグラフィーなどの分離手段やこれらを組み合わせ
た分離手段により分離精製できる。
【0061】[製造法3]本発明の製造法3では、前記
式(I)で表される環状イミド骨格を有するイミド系化
合物の存在下、前記式(5a)及び(5b)で表される1組
のメチレン基を有する化合物、前記式(6a)及び(6b)
で表される1組のアルコール化合物、及び前記式(7a)
及び(7b)で表される1組のカルボニル化合物の3組か
ら選択された少なくとも1組の化合物と、酸素と、アン
モニアと、水とを反応させて、前記式(3)で表される
アジン化合物、又は前記式(4a)及び/又は(4b)で表
されるオキシム化合物を生成させる。
【0062】式(5a)で表される化合物と式(5b)で表
される化合物、式(6a)で表される化合物と式(6b)で
表される化合物、式(7a)で表される化合物と式(7b)
で表される化合物は、それぞれ同一化合物であってもよ
い。この場合、対称なアジン化合物、及び/又は1種類
のオキシム化合物が生成する。
【0063】この製造法3では、基質として(i)メチ
レン基を有する化合物(例えばシクロアルカン類)、又
は(ii)アルコール化合物(例えばシクロアルカノール
類)とカルボニル化合物(例えばシクロアルカノン類)
との混合物(例えば、K/Aオイル)を用いることが多
い。
【0064】式(5a)、(5b)、(6a)、(6b)、(7
a)、(7b)中、Ra、Rb、Rc、Rdは前記と同様であ
る。Ra、Rb、Rc、Rdとしては、特に、C1-20アルキ
ル基、3〜20員のシクロアルキル基、C6-20芳香族炭
化水素基、これらが複数個結合した基などが好ましい。
また、式(5a)、(5b)、(6a)、(6b)、(7a)、
(7b)において、RaとRb及びRcとRdがそれぞれ互い
に結合して隣接する炭素原子と共に環を形成しているの
も好ましい。RaとRb及びRcとRdがそれぞれ互いに結
合して隣接する炭素原子と共に環を形成しているメチレ
ン基を有する化合物、アルコール化合物、及びカルボニ
ル化合物の代表的な例として、それぞれ、下記式(1
1)、(12)、(13)で表されるシクロアルカン類、シ
クロアルカノール類、及びシクロアルカノン類が挙げら
れる。
【化21】 (式中、環Zは前記に同じ)
【0065】式(5a)、(5b)で表されるメチレン基を
有する化合物のうち鎖状化合物として、トルエン、プロ
パン、ブタン、エチルベンゼン、フェニルメチルベンゼ
ンなどが挙げられる。また、式(11)で表されるシクロ
アルカン類の代表的な例として、例えば、シクロプロパ
ン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、
シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シク
ロデカン、シクロドデカン、シクロテトラデカン、シク
ロヘキサデカン、シクロオクタデカン、シクロイコサ
ン、シクロドコサン、シクロトリアコンタン等の3〜4
0員程度(好ましくは3〜30員程度)のシクロアルカ
ンなどが挙げられる。なかでも、シクロペンタン、シク
ロヘキサン、シクロオクタン、シクロドデカン等の5〜
20員程度のシクロアルカンが好ましい。
【0066】式(6a)、(6b)で表されるアルコール化
合物のうち鎖状化合物として、ベンジルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、s−ブチルアルコール、α−メ
チルベンジルアルコール、ベンズヒドロールなどが挙げ
られる。また、式(12)で表されるシクロアルカノール
類の代表的な例として、例えば、前記シクロアルカンに
対応するシクロアルカノール、例えば、シクロプロパノ
ール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロ
ヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノー
ル、シクロノナノール、シクロデカノール、シクロドデ
カノール、シクロテトラデカノール、シクロヘキサデカ
ノール、シクロオクタデカノール、シクロイコサノー
ル、シクロドコサノール、シクロトリアコンタノール等
の3〜40員程度(好ましくは3〜30員程度)のシク
ロアルカノールなどが挙げられる。なかでも、シクロペ
ンタノール、シクロヘキサノール、シクロオクタノー
ル、シクロドデカノール等の5〜20員程度のシクロア
ルカノールが好ましい。
【0067】式(7a)、(7b)で表されるカルボニル化
合物のうち鎖状化合物として、ベンズアルデヒド、アセ
トン、メチルエチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフ
ェノンなどが挙げられる。また、式(13)で表されるシ
クロアルカノン類の代表的な例として、例えば、前記シ
クロアルカンに対応するシクロアルカノン、例えば、シ
クロプロパノン、シクロブタノン、シクロペンタノン、
シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノ
ン、シクロノナノン、シクロデカノン、シクロドデカノ
ン、シクロテトラデカノン、シクロヘキサデカノン、シ
クロオクタデカノン、シクロイコサノン、シクロドコサ
ノン、シクロトリアコンタノン等の3〜40員程度(好
ましくは3〜30員程度)のシクロアルカノンなどが挙
げられる。なかでも、シクロペンタノン、シクロヘキサ
ノン、シクロオクタノン、シクロドデカノン等の5〜2
0員程度のシクロアルカノンが好ましい。
【0068】反応に用いる酸素としては、分子状酸素及
び発生期の酸素の何れであってもよい。分子状酸素は特
に制限されず、純粋な酸素を用いてもよく、窒素、ヘリ
ウム、アルゴン、二酸化炭素などの不活性ガスで希釈し
た酸素や空気を使用してもよい。酸素は系内で発生させ
てもよい。酸素の使用量は、基質の種類によっても異な
るが、通常、基質1モルに対して0.5モル以上(例え
ば、1モル以上)、好ましくは1〜100モル、さらに
好ましくは2〜50モル程度である。基質に対して過剰
モルの酸素を使用する場合が多い。
【0069】アンモニアは気体のまま用いてもよく、有
機溶媒や水に溶解したものを用いてもよい。アンモニア
を気体として使用する場合、窒素、ヘリウム、アルゴ
ン、二酸化炭素等の不活性ガスで希釈して用いてもよ
い。アンモニアの使用量は、基質1モルに対して、通常
0.5モル以上、例えば0.5〜100モル程度、好ま
しくは1〜50モル程度である。
【0070】反応に用いる水の使用量は、基質1モルに
対して、通常0.5モル以上、例えば0.5〜100モ
ル程度、好ましくは1〜50モル程度である。水を大過
剰量用いることもできる。
【0071】反応は溶媒の存在下又は非存在下で行うこ
とができる。溶媒としては前記例示の溶媒を使用でき
る。反応温度は、基質の種類などに応じて、例えば、0
〜200℃、好ましくは10〜100℃程度の範囲から
選択できる。反応圧力は、常圧、加圧下の何れであって
もよい。反応は、アンモニア及び酸素の存在下又はアン
モニア及び酸素の流通下、回分式、半回分式、連続式な
どの慣用の方法により行うことができる。
【0072】また、反応を段階的に進行させることもで
きる。例えば、基質、イミド系化合物、及び必要に応じ
てラジカル開始剤、溶媒等の混合物を酸素の存在下で所
定時間反応させ、次いで、水、アンモニア、及び必要に
応じて安定化剤を系内に添加してさらに所定時間反応さ
せることにより、アジン化合物及び/又はオキシム化合
物を生成させることができる。この場合、前段の操作で
前記式(2)で表されるペルオキシド化合物が生成し、
これが後段の操作により目的物に変換されるものと考え
られる。なお、水は前段で添加しておいてもよい。
【0073】本発明では、反応により、原料として用い
た式(5a)及び(5b)で表されるメチレン基を有する化
合物、式(6a)及び(6b)で表されるアルコール類、又
は式(7a)及び(7b)で表されるカルボニル化合物に対
応する式(3)で表されるアジン化合物、及び/又は式
(4a)、式(4b)で表されるオキシム化合物が生成す
る。アジン化合物とオキシム化合物との生成比率は、例
えば、反応温度、反応時間、触媒の種類及び量、溶媒の
種類、水の使用量などの反応条件を適宜選択することに
よりコントロールできる。
【0074】反応終了後、反応生成物は、例えば、濾
過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、吸着、カラムク
ロマトグラフィーなどの分離手段やこれらを組み合わせ
た分離手段により分離精製できる。
【0075】本発明の各製造法で得られたアジン化合
物、オキシム化合物は、医薬、農薬、染料、溶剤、爆薬
などの原料、ポリアミド(ナイロン)の原料などとして
利用できる。特に、6〜12員のシクロアルカノンアジ
ン類及びシクロアルカノンオキシム類は、ポリアミドの
原料として有用である。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、オキシム化合物又は該
オキシム化合物の原料として有用なアジン化合物を安価
な原料から簡易に製造できる。また、アジン化合物から
オキシム化合物を効率よく製造できる。
【0077】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。なお、分析はガスクロマトグラフィー又
は高速液体クロマトグラフィーにより行った。
【0078】実施例1 ビス(1−ヒドロキシシクロヘキシル)ペルオキシド
[前記式(8)において環Zがシクロヘキサン環である
化合物]1ミリモル、N−ヒドロキシフタルイミド0.
6ミリモル、及びアセトニトリル3mlと水4mlをフ
ラスコに入れ、アンモニアガス雰囲気下(1atm=
0.101MPa)、55℃で12時間攪拌した。反応
混合物をジイソプロピルエーテルで抽出し、有機層を分
析したところ、シクロヘキサノンアジン[式(9)にお
いて環Zがシクロヘキサン環である化合物]が0.35
ミリモル、シクロヘキサノンオキシム[式(10)におい
て環Zがシクロヘキサン環である化合物]が0.52ミ
リモル生成していた。
【0079】実施例2 ビス(1−ヒドロキシシクロヘキシル)ペルオキシド1
ミリモル、N−ヒドロキシフタルイミド0.6ミリモ
ル、EDTA・2Na(エチレンジアミン四酢酸・二ナ
トリウム)5mg、及びアセトニトリル3mlと水4m
lをフラスコに入れ、アンモニアガス雰囲気下(1at
m=0.101MPa)、55℃で12時間攪拌した。
反応混合物をジイソプロピルエーテルで抽出し、有機層
を分析したところ、シクロヘキサノンアジンが0.31
ミリモル、シクロヘキサノンオキシムが0.52ミリモ
ル生成していた。
【0080】比較例1 N−ヒドロキシフタルイミドを用いなかった点以外は実
施例1と同様の操作を行ったところ、シクロヘキサノン
アジンが0.04ミリモル、シクロヘキサノンオキシム
が0.03ミリモル生成していた。
【0081】比較例2 水を用いなかった点以外は実施例1と同様の操作を行っ
たところ、シクロヘキサノンアジンが0.02ミリモル
生成していた。シクロヘキサノンオキシムは全く生成し
ていなかった。
【0082】実施例3 シクロヘキサノン3ミリモル、シクロヘキサノール6ミ
リモル、N−ヒドロキシフタルイミド0.6ミリモル、
AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)0.3ミリモ
ル、及びアセトニトリル3mlをフラスコに入れ、酸素
雰囲気下(1atm=0.101MPa)、55℃で1
9時間攪拌した。その後、EDTA・2Na5mgと水
4mlを加え、アンモニアガス雰囲気下(1atm=
0.101MPa)、30℃で0.5時間攪拌した。反
応混合物をジイソプロピルエーテルで抽出し、有機層を
分析したところ、シクロヘキサノンアジンが0.87ミ
リモル、シクロヘキサノンオキシムが0.43ミリモル
生成していた。
【0083】実施例4 シクロヘキサノンアジン1ミリモル、N−ヒドロキシフ
タルイミド0.6ミリモル、EDTA・2Na5mg、
及びアセトニトリル3mlと水4mlをフラスコに入
れ、アンモニアガス雰囲気下(1atm=0.101M
Pa)、55℃で12時間攪拌した。反応混合物をジイ
ソプロピルエーテルで抽出し、有機層を分析したとこ
ろ、シクロヘキサノンオキシムが0.56ミリモル生成
していた。未反応シクロヘキサノンアジンは0.67ミ
リモルであった。
【0084】実施例5 N−ヒドロキシフタルイミドを1.2ミリモル用いた点
以外は実施例4と同様の操作を行ったところ、シクロヘ
キサノンオキシムが0.99ミリモル生成していた。未
反応シクロヘキサノンアジンは0.31ミリモルであっ
た。
【0085】実施例6 アセトニトリルを用いなかった点以外は実施例4と同様
の操作を行ったところ、シクロヘキサノンオキシムが
0.41ミリモル生成していた。未反応シクロヘキサノ
ンアジンは0.71ミリモルであった。
【0086】実施例7 アンモニアガス雰囲気下ではなく、アルゴン雰囲気下で
反応を行った点以外は実施例4と同様の操作を行ったと
ころ、シクロヘキサノンオキシムが0.48ミリモル生
成していた。未反応シクロヘキサノンアジンは0.41
ミリモルであった。
【0087】比較例3 水を用いなかった点以外は実施例4と同様の操作を行っ
たところ、シクロヘキサノンオキシムは全く生成せず、
未反応シクロヘキサノンアジンが回収された。
【0088】比較例4 N−ヒドロキシフタルイミドを用いなかった点以外は実
施例4と同様の操作を行ったところ、シクロヘキサノン
オキシムは全く生成せず、未反応シクロヘキサノンアジ
ンが0.83ミリモル回収された。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 [式中、nは0又は1を示す。Xは酸素原子又は−OR
    基(Rは水素原子又はヒドロキシル基の保護基を示す)
    を示す]で表される環状イミド骨格を有するイミド系化
    合物の存在下、下記式(2) 【化2】 (式中、Ra、Rb、Rc、Rdは、同一又は異なって、水
    素原子又は炭化水素基を示す。RaとRb、RcとRdは、
    それぞれ互いに結合して、隣接する炭素原子と共に環を
    形成していてもよい)で表されるペルオキシド化合物
    と、アンモニアと、水とを反応させて、下記式(3) 【化3】 (式中、Ra、Rb、Rc、Rdは前記に同じ)で表される
    アジン化合物、又は下記式(4a)及び/又は(4b) 【化4】 (式中、Ra、Rb、Rc、Rdは前記に同じ)で表される
    オキシム化合物を生成させることを特徴とするアジン化
    合物又はオキシム化合物の製造法。
  2. 【請求項2】 下記式(I) 【化5】 [式中、nは0又は1を示す。Xは酸素原子又は−OR
    基(Rは水素原子又はヒドロキシル基の保護基を示す)
    を示す]で表される環状イミド骨格を有するイミド系化
    合物の存在下、下記式(3) 【化6】 (式中、Ra、Rb、Rc、Rdは、同一又は異なって、水
    素原子又は炭化水素基を示す。RaとRb、RcとRdは、
    それぞれ互いに結合して、隣接する炭素原子と共に環を
    形成していてもよい)で表されるアジン化合物と水とを
    反応させて、下記式(4a)及び/又は(4b) 【化7】 (式中、Ra、Rb、Rc、Rdは前記に同じ)で表される
    オキシム化合物を生成させることを特徴とするオキシム
    化合物の製造法。
  3. 【請求項3】 下記式(I) 【化8】 [式中、nは0又は1を示す。Xは酸素原子又は−OR
    基(Rは水素原子又はヒドロキシル基の保護基を示す)
    を示す]で表される環状イミド骨格を有するイミド系化
    合物の存在下、下記式(5a)及び(5b) Ra−CH2−Rb (5a) Rc−CH2−Rd (5b) (式中、Ra、Rb、Rc、Rdは、同一又は異なって、水
    素原子又は炭化水素基を示す。RaとRb、RcとRdは、
    それぞれ互いに結合して、隣接する炭素原子と共に環を
    形成していてもよい)で表される1組のメチレン基を有
    する化合物、下記式(6a)及び(6b) Ra−CH(OH)−Rb (6a) Rc−CH(OH)−Rd (6b) (式中、Ra、Rb、Rc、Rdは前記に同じ)で表される
    1組のアルコール化合物、及び下記式(7a)及び(7b) Ra−C(=O)−Rb (7a) Rc−C(=O)−Rd (7b) (式中、Ra、Rb、Rc、Rdは前記に同じ)で表される
    1組のカルボニル化合物の3組から選択された少なくと
    も1組の化合物と、酸素と、アンモニアと、水とを反応
    させて、下記式(3) 【化9】 (式中、Ra、Rb、Rc、Rdは前記に同じ)で表される
    アジン化合物、又は下記式(4a)及び/又は(4b) 【化10】 (式中、Ra、Rb、Rc、Rdは前記に同じ)で表される
    オキシム化合物を生成させることを特徴とするアジン化
    合物又はオキシム化合物の製造法。
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