JP2003260517A - パイプ体の製造方法、パイプ体及びこのパイプ体が用いられた画像形成装置 - Google Patents

パイプ体の製造方法、パイプ体及びこのパイプ体が用いられた画像形成装置

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JP2003260517A
JP2003260517A JP2002061209A JP2002061209A JP2003260517A JP 2003260517 A JP2003260517 A JP 2003260517A JP 2002061209 A JP2002061209 A JP 2002061209A JP 2002061209 A JP2002061209 A JP 2002061209A JP 2003260517 A JP2003260517 A JP 2003260517A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属プレートの折曲線上に機能上必要な切欠
部を形成する場合であっても、その切欠部の存在に起因
して加工方法の調整等を行う必要がなくパイプ体を低コ
ストで製造することができるパイプ体の製造方法を提供
する。 【解決手段】 本発明に係るパイプ体の製造方法では、
二次中間成形品14の隣接面構成壁部16a,16bに
外力を加えて一対の辺6e,6e同士を密着させ、この
密着状態を維持するスプリングバック力が残留するよう
に加工することによってパイプ体を製造するが、その二
次中間成形品14を成形する加工ステップにおいて、一
構成壁部15と隣接面構成壁部16aとを区分する折曲
線6d1の切欠部80を除いた部分の長さと、一構成壁
部15と隣接面構成壁部16bとを区分する折曲線6d
2の切欠部81を除いた部分の長さとを略等しくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属プレートを曲
げ加工することによって断面が多角形状のパイプ体を製
造するパイプ体の製造方法、そのパイプ体及びパイプ体
が用いられた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、断面が多角形状のパイプ体を
製造する技術として、特開平11−290940号公報
に記載のものが知られている。同公報においては、矩形
状の金属プレートを素材として、プレス加工(曲げ加
工)により断面が長方形状のパイプ体を製造している。
この製造方法は、金属プレートの幅方向両端部を長さ方
向に沿って折り曲げ略直角に起立させることにより1次
中間品を成形する第1曲げ工程と(図4参照)、その1
次中間品の未折曲部(図4における符号9に相当)の中
央部分を上方に凸となるように湾曲させ、かつ、この中
央部分に対して両側部分を略直角に折り曲げ起立させる
ことにより2次中間品を成形する第2曲げ工程と(図6
参照)、その2次中間品の一対の側壁部(図6における
符号16a,16bに相当)を互いに内側に向けて押圧
することにより、金属プレートの一対の辺同士(図6に
おいては符号5c,5dで表される端面同士)を突き合
わせるリストライク工程とからなっている。
【0003】上記特開平11−290940号公報に記
載の製造方法では、溶接を伴わずプレス成形のみによっ
てパイプ体を製造することができるが、このように製造
されたパイプ体については金属プレートの一対の辺同士
の接合部に隙間が目立つことが多く、その一対の辺同士
が密着したパイプ体を量産時にばらつきなく安定して製
造することは難しい。
【0004】そこで、出願人は、パイプ体にスプリング
バック力を残留させることにより、接合部についての溶
接作業を不要としながら一対の辺同士を密着させる製造
方法を考案し、特開2001−286934号公報等に
おいて開示した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
図40に示すような切欠部80を有するパイプ体1”を
上記特開2001−286934号公報に記載の製造方
法により製造しようとした場合、その製造過程において
中間成形品をうまく加工することができないという問題
があった。すなわち、図41に示すように、中間成形品
14”の一構成壁部15と一方の隣接面構成壁部16a
とを区分する折曲線6d1上に機能上必要な(例えば、
画像形成装置の筐体をなすカバー部材を差し込んだりフ
ィニッシャーの位置決めをしたりするために必要な)切
欠部80が形成され、かつ、一構成壁部15と他方の隣
接面構成壁部16bとを区分する折曲線6d2上に切欠
部が形成されていないときに、隣接面構成壁部16aと
隣接面構成壁部16bとでは曲げに要する加工力が異な
ることにより、図42(a),(b)に示すようにプレ
ス加工装置21における加工スピードが隣接面構成壁部
16aと隣接面構成壁部16bとで異なり、プレス加工
装置21における中間成形品14”の位置がずれる等し
て切欠部80が形成された側の隣接面構成壁部16aの
方が切欠部が形成されていない隣接面構成壁部16bよ
りも早く折れ曲がる。これにより、図42(c)に示す
ように、左右のバランスが崩れて接合箇所に座屈が生
じ、パイプ体として欠陥になってしまう。
【0006】したがって、上記のような製造方法でパイ
プ体を加工するには、プレス加工装置21に左右の加圧
パンチ部材のスピードを調整する機構を設ける必要があ
り、その調整に多くの時間を要するとともにプレス加工
装置自体が複雑な構成となって、パイプ体の低廉化を阻
害する。
【0007】本発明は、上記の事情に鑑みて為されたも
ので、金属プレートの折曲線上に機能上必要な切欠部を
形成する場合であっても、その切欠部の存在に起因して
加工方法の調整等を行う必要がなくパイプ体を低コスト
で製造することができるパイプ体の製造技術を提供する
ことを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に係る発明は、互いに平行な一対の辺を有
する金属プレートを前記一対の辺と平行な折曲線に沿っ
て複数箇所で折り曲げるとともに、前記一対の辺同士を
接合させることにより、断面が多角形状のパイプ体を製
造するパイプ体の製造方法であって、前記多角形の各辺
に対応する面のうち前記一対の辺同士の接合部を含まな
いものを構成する一構成壁部及び該一構成壁部に隣接す
る二つの隣接面構成壁部を有し、前記一構成壁部と前記
二つの隣接面構成壁部とのなす各角度が前記多角形の対
応する角度よりも大きく前記一対の辺同士が離間状態に
あるとともに、前記一構成壁部と前記二つの隣接面構成
壁部とを区分する各折曲線上に切欠部が形成された中間
成形品を成形する加工ステップと、前記二つの隣接面構
成壁部に外力を加えて前記一構成壁部を外側に向かって
膨出するように湾曲させるとともに、前記一対の辺同士
を密着させる加工ステップと、前記一構成壁部の湾曲部
分に外力を加えて前記一構成壁部を平坦状に変形させ、
前記一対の辺同士の密着状態を維持するスプリングバッ
ク力を残留させる加工ステップとを有し、前記中間成形
品を成形する加工ステップにおいて、前記一構成壁部と
前記二つの隣接面構成壁部の一方とを区分する折曲線の
切欠部を除いた部分の長さと、前記一構成壁部と前記二
つの隣接面構成壁部の他方とを区分する折曲線の切欠部
を除いた部分の長さとを、略等しくすることを特徴とす
る。
【0009】請求項2に係る発明は、互いに平行な一対
の辺を有する金属プレートを前記一対の辺と平行な折曲
線に沿って複数箇所で折り曲げるとともに、前記一対の
辺同士を接合させることにより、断面が多角形状のパイ
プ体を製造するパイプ体の製造方法であって、前記多角
形の各辺に対応する面のうち前記一対の辺同士の接合部
を含まないものを構成する一構成壁部及び該一構成壁部
に隣接する二つの隣接面構成壁部を有し、前記一構成壁
部と前記二つの隣接面構成壁部とのなす各角度が前記多
角形の対応する角度よりも大きく前記一対の辺同士が離
間状態にあるとともに、前記一構成壁部と前記二つの隣
接面構成壁部とを区分する各折曲線上に切欠部が形成さ
れた中間成形品を成形する加工ステップと、前記二つの
隣接面構成壁部に外力を加えて前記一対の辺同士を密着
させるとともに、外側に向かって膨出しようとする前記
一構成壁部の湾曲を阻止して該一構成壁部を平坦状に保
つことにより、前記一対の辺同士の密着状態を維持する
スプリングバック力を残留させる加工ステップとを有
し、前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、
前記一構成壁部と前記二つの隣接面構成壁部の一方とを
区分する折曲線の切欠部を除いた部分の長さと、前記一
構成壁部と前記二つの隣接面構成壁部の他方とを区分す
る折曲線の切欠部を除いた部分の長さとを、略等しくす
ることを特徴とする。
【0010】請求項3に係る発明は、互いに平行な一対
の辺を有する金属プレートを前記一対の辺と平行な折曲
線に沿って複数箇所で折り曲げるとともに、前記一対の
辺同士を接合させることにより、断面が多角形状のパイ
プ体を製造するパイプ体の製造方法であって、前記多角
形の各辺に対応する面のうち前記一対の辺同士の接合部
を含まないものを構成する一構成壁部及び該一構成壁部
に隣接する二つの隣接面構成壁部を有し、前記一対の辺
同士が離間状態にあるとともに、前記一構成壁部と前記
二つの隣接面構成壁部とを区分する各折曲線上に切欠部
が形成された中間成形品を成形する加工ステップと、前
記二つの隣接面構成壁部に外力を加えて前記一対の辺同
士を密着させるとともに、内側に向かって凸となる凸部
を前記多角形のいずれかの辺に対応する面に位置するよ
うに形成することにより、前記一対の辺同士の密着状態
を維持するスプリングバック力を残留させる加工ステッ
プとを有し、前記中間成形品を成形する加工ステップに
おいて、前記一構成壁部と前記二つの隣接面構成壁部の
一方とを区分する折曲線の切欠部を除いた部分の長さ
と、前記一構成壁部と前記二つの隣接面構成壁部の他方
とを区分する折曲線の切欠部を除いた部分の長さとを、
略等しくすることを特徴とする。
【0011】請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求
項3のいずれかに記載のパイプ体の製造方法において、
前記多角形が線対称であって対称中心となる直線が前記
接合部を通るとともに、前記中間成形品が線対称であっ
て対称中心となる基準直線が前記一構成壁部の中心を通
り、前記二つの隣接面構成壁部に外力を加える加工ステ
ップにおいて、前記二つの隣接面構成壁部の一方に加え
る外力と他方に加える外力とを前記基準直線に対して対
称に作用させることを特徴とする。
【0012】請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求
項4のいずれかに記載のパイプ体の製造方法において、
前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記
一構成壁部と前記二つの隣接面構成壁部の一方とを区分
する折曲線上に位置する切欠部と、前記一構成壁部と前
記二つの隣接面構成壁部の他方とを区分する折曲線上に
位置する切欠部とを、各折曲線の延びる方向に沿って互
いに異なる位置に形成することを特徴とする。
【0013】請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求
項5のいずれかに記載のパイプ体の製造方法において、
前記多角形が三角形、四角形、五角形、六角形又は八角
形であることを特徴とする。
【0014】請求項7に係る発明は、互いに平行な一対
の辺を有する金属プレートを前記一対の辺と平行な折曲
線に沿って複数箇所で折り曲げるとともに、前記一対の
辺同士を接合させることにより製造された断面が多角形
状のパイプ体であって、前記多角形の各辺に対応する面
のうち前記一対の辺同士の接合部を含まないものを構成
する一構成壁部及び該一構成壁部に隣接する二つの隣接
面構成壁部を有し、前記一構成壁部と前記二つの隣接面
構成壁部とのなす各角度が前記多角形の対応する角度よ
りも大きく前記一対の辺同士が離間状態にあるととも
に、前記一構成壁部と前記二つの隣接面構成壁部とを区
分する各折曲線上に切欠部が形成された中間成形品を成
形する加工ステップと、前記二つの隣接面構成壁部に外
力を加えて前記一対の辺同士を密着させるとともに、前
記一対の辺同士の密着状態を維持するスプリングバック
力を残留させる加工ステップとを経て製造され、前記一
構成壁部と前記二つの隣接面構成壁部の一方とを区分す
る折曲線の切欠部を除いた部分の長さと、前記一構成壁
部と前記二つの隣接面構成壁部の他方とを区分する折曲
線の切欠部を除いた部分の長さとが、略等しく形成され
ていることを特徴とする。
【0015】請求項8に係る発明は、互いに平行な一対
の辺を有する金属プレートを前記一対の辺と平行な折曲
線に沿って複数箇所で折り曲げるとともに、前記一対の
辺同士を接合させることにより製造された断面が多角形
状のパイプ体であって、前記多角形の各辺に対応する面
のうち前記一対の辺同士の接合部を含まないものを構成
する一構成壁部及び該一構成壁部に隣接する二つの隣接
面構成壁部を有し、前記一対の辺同士が離間状態にある
とともに、前記一構成壁部と前記二つの隣接面構成壁部
とを区分する各折曲線上に切欠部が形成された中間成形
品を成形する加工ステップと、前記二つの隣接面構成壁
部に外力を加えて前記一対の辺同士を密着させるととも
に、内側に向かって凸となる凸部を前記多角形のいずれ
かの辺に対応する面に位置するように形成することによ
り、前記一対の辺同士の密着状態を維持するスプリング
バック力を残留させる加工ステップとを経て製造され、
前記一構成壁部と前記二つの隣接面構成壁部の一方とを
区分する折曲線の切欠部を除いた部分の長さと、前記一
構成壁部と前記二つの隣接面構成壁部の他方とを区分す
る折曲線の切欠部を除いた部分の長さとが、略等しく形
成されていることを特徴とする。
【0016】請求項9に係る発明は、請求項7又は請求
項8に記載のパイプ体において、前記多角形が線対称で
あって対称中心となる直線が前記接合部を通るととも
に、前記中間成形品が線対称であって対称中心となる基
準直線が前記一構成壁部の中心を通り、前記二つの隣接
面構成壁部の一方に加える外力と他方に加える外力とを
前記基準直線に対して対称に作用させたことにより、前
記一対の辺同士が密着していることを特徴とする。
【0017】請求項10に係る発明は、請求項7乃至請
求項9のいずれかに記載のパイプ体において、前記一構
成壁部と前記二つの隣接面構成壁部の一方とを区分する
折曲線上に位置する切欠部と、前記一構成壁部と前記二
つの隣接面構成壁部の他方とを区分する折曲線上に位置
する切欠部とが、各折曲線の延びる方向に沿って互いに
異なる位置に形成されていることを特徴とする。
【0018】請求項11に係る発明は、請求項7乃至請
求項10のいずれかに記載のパイプ体において、前記多
角形が三角形、四角形、五角形、六角形又は八角形であ
ることを特徴とする。
【0019】請求項12に係る発明は、請求項7乃至請
求項11のいずれかに記載のパイプ体が用いられている
画像形成装置を特徴とする。
【0020】請求項1乃至請求項3、請求項7、請求項
8のいずれかに係る発明によれば、一構成壁部と二つの
隣接面構成壁部の一方とを区分する折曲線の切欠部を除
いた部分の長さと、一構成壁部と二つの隣接面構成壁部
の他方とを区分する折曲線の切欠部を除いた部分の長さ
とが略等しく形成されるので、二つの隣接面構成壁部に
ついての曲げに要する加工力が略等しくなり、それらに
外力を加えて一対の辺同士を密着させる際に二つの隣接
面構成壁部の加工スピードを揃えることが容易で、加工
方法の煩雑な調整等を行うことなく切欠部を有するパイ
プ体を低コストで製造することが可能となる。
【0021】請求項4又は請求項9に係る発明によれ
ば、多角形が線対称であって対称中心となる直線が接合
部を通るとともに、中間成形品が線対称であって対称中
心となる基準直線が一構成壁部の中心を通り、二つの隣
接面構成壁部の一方に加える外力と他方に加える外力と
を基準直線に対して対称に作用させるので、二つの隣接
面構成壁部がいわば自動的にバランスよく加工され、加
工方法の調整等を何ら行うことなくパイプ体を歩留まり
よく製造することができる。
【0022】請求項5又は請求項10に係る発明によれ
ば、一構成壁部と二つの隣接面構成壁部の一方とを区分
する折曲線上に位置する切欠部と、一構成壁部と二つの
隣接面構成壁部の他方とを区分する折曲線上に位置する
切欠部とが各折曲線の延びる方向に沿って互いに異なる
位置に形成されるので、各折曲線の延びる方向に沿って
二つの切欠部の形成位置が重なる場合に比べて、パイプ
体に極端に剛性の弱い箇所が生じない。また、折曲線の
延びる方向に亘って曲げに要する加工力が略一様となる
ので、安定した加工が可能でパイプ体をより高精度に製
造することができる。
【0023】請求項6又は請求項11に係る発明によれ
ば、パイプ体の断面形状である多角形が三角形、四角
形、五角形、六角形又は八角形であるので、プレス加工
による製造が比較的容易で、かつ、汎用性の高いパイプ
体が低コストで製造される。特にパイプ体の断面形状が
四角形である場合には、極めて広範な用途に利用可能で
あるので、上記低コスト化によるメリットが非常に大き
い。
【0024】請求項12に係る発明によれば、請求項7
乃至請求項11のいずれかに記載のパイプ体が画像形成
装置に用いられているので、上記各発明の効果を画像形
成装置において得ることができ、そのパイプ体を多用す
ることによって画像形成装置のコストを大幅に低減させ
ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0026】[実施の形態1]図1は断面が長方形状の
パイプ体の概略構成を示す斜視図であり、図2はそのパ
イプ体の断面形状を示す正面図である。このパイプ体1
は、図2に示す長方形の各辺に対応する四つの面とし
て、底面構成壁部2、底面構成壁部2に隣接する一対の
側面構成壁部3,4、及び底面構成壁部2に対向する上
面構成壁部5を有する。
【0027】底面構成壁部2から側面構成壁部3に架け
ては穴状の切欠部80が形成され、底面構成壁部2から
側面構成壁部4に架けては切欠部80と同形状の切欠部
81が形成されている。切欠部80及び切欠部81はと
もに後述する折曲線の延びる方向(パイプ体1の延設方
向)に沿って二つずつ設けられており、切欠部80及び
切欠部81の同方向に沿った形成位置は同じに設定され
ている。上面構成壁部5は一対の合わせ目構成壁部5
a,5bがそれぞれの端面5c,5dで互いに密着して
なり、上面構成壁部5の中央には合わせ目(接合部)5
eが形成されている。
【0028】このパイプ体1は、図3に示す互いに平行
な一対の辺6e,6eを有する矩形状の金属プレート6
を素材として、プレス加工により成形される。この金属
プレート6の材質としては、塑性加工に用い得るもので
あれば鉄、銅、アルミニウム、ステンレス鋼等のいずれ
でもよいが、ここでは鉄が用いられている。金属プレー
ト6にはあらかじめネジ穴6a,6aが適宜箇所に形成
され、このネジ穴6a,6aは、パイプ体1を画像形成
装置のフレームとして用いる際に取付用の係合部(パイ
プ体1に他のパイプ体等を取り付ける場合に、又はパイ
プ体1を他の部材に取り付ける場合に用いられる係合
部)として使用される。
【0029】また、金属プレート6の後述する折曲線6
1,6d2上には、切欠部80,81となる方形穴8
2,83が形成されている。ここで、金属プレート6の
長さ方向の寸法L1はパイプ体1の全長と同一であり、
折曲線6d1,6d2上の一端から他端までの距離もL1
と同一であるが、折曲線6d1,6d2の実質的な長さ
は、折曲線6d1,6d2の方形穴82,83を除いた部
分の長さとなる。方形穴82の折曲線6d1に沿った寸
法をl1とし、方形穴82が折曲線6d1上にn1個形成
されるとすると、折曲線6d1の方形穴82を除いた部
分の長さS1は(L1−n1×l1)となる。同様に、方形
穴83の折曲線6d2に沿った寸法をl2とし、方形穴8
3が折曲線6d2上にn2個形成されるとすると、折曲線
6d2の方形穴83を除いた部分の長さS2は(L1−n2
×l2)となる。切欠部80に対応する方形穴82と切
欠部81に対応する方形穴83とは同形状かつ同数であ
るから、l1=l2、n1=n2が成り立ちS1とS2とは等
しくなっている。
【0030】上記プレス加工においては、まず、第1加
工ステップとして、一対の辺6e,6eと同方向に延び
る折曲線6c,6cに沿って、金属プレート6の辺部6
b,6bを直角(90°)に折り曲げ起立させる。これ
により、その辺部6b,6bが一対の合わせ目構成壁部
5a,5bをなし、図4に示す断面凹状の一次中間成形
品8が成形される。なお、図4において符号9は未折曲
部、符号6d1,6d2は後に未折曲部9を折り曲げる際
の基準となる折曲線であり、金属プレート6の幅方向の
寸法L2、折曲線6c,6c及び折曲線6d1,6d2
位置は、プレス加工による金属の伸び量を考慮して決定
されている。
【0031】この一次中間成形品8のプレス加工には、
例えば図5に示すプレス装置10を使用する。プレス装
置10は第一固定プレート11と第一加圧パンチ部材1
2と可動プレート12’とから概略構成され、第一固定
プレート11には一次中間成形品8の外形状(合わせ目
構成壁部5a,5bの外形状)に対応する形状の周壁1
1aに囲まれてなる凹所13が設けられている。また、
第一加圧パンチ部材12は一次中間成形品8の内形状に
対応する形状を有し、凹所13に対して図示を略す油圧
シリンダ装置により上下動するようになっている。可動
プレート12’は第一加圧パンチ部材12の上下動に伴
い第一固定プレート11の周壁11aに対して摺動する
ように、図示を略す他の油圧シリンダ装置に接続されて
いる。
【0032】その第一加圧パンチ部材12及び可動プレ
ート12’が上方に位置する状態で固定プレート11よ
りもHだけ高い位置にある可動プレート12’上に金属
プレート6を載置し(図5(a))、第一加圧パンチ部
材12を下降させてこれと可動プレート12’とで金属
プレート6を挟持し加圧することにより、一次中間成形
品8が成形される(図5(b))。
【0033】次いで、第2加工ステップとして、一対の
辺6e,6eと同方向に延びる折曲線6d1,6d2に沿
って一次中間成形品8の未折曲部9を折り曲げるととも
に、その折曲線6d1,6d2に挟まれる部分を上方に向
かって凸となるように湾曲させ、後に底面構成壁部2を
構成する一構成壁部15と、側面構成壁部3を構成する
隣接面構成壁部16aと、側面構成壁部4を構成する隣
接面構成壁部16bとを形成する。これにより、図6、
図7に示すように、中間成形品としての二次中間成形品
14が成形される。
【0034】二次中間成形品14の一構成壁部15は、
図6(b)に拡大して示すように、平坦部15a,15
bと湾曲部15cとからなる。湾曲部15cは平坦部1
5aと平坦部15bとの間に位置し、平坦部15aは隣
接面構成壁部16a又は隣接面構成壁部16bに隣接し
ている。平坦部15aと隣接面構成壁部16a又は隣接
面構成壁部16bとのなす角度θ1は、パイプ体1の断
面形状における対応する角度、すなわち、底面構成壁部
2と側面構成壁部3又は側面構成壁部4とのなす角度で
あるθ(=90°)よりも大きい鈍角であり、この一構
成壁部15の形状に起因して一対の辺6e,6e同士は
離間状態にある。
【0035】二次中間成形品14のプレス加工には、例
えば図8に示すプレス装置17を使用する。プレス装置
17は、凹所18を有する第二固定プレート19と、内
部加圧パンチ部材としての第二加圧パンチ部材20と、
可動プレート20’とから概略構成されている。凹所1
8は二次中間成形品14の外形状(隣接面構成壁部16
a,16bの外形状)に対応する形状の周壁19aに囲
まれてなる。第二加圧パンチ部材20は凹所18に対し
て図示を略す油圧シリンダ装置により上下動し、その下
部には二次中間成形品14の一構成壁部15の内形状と
隣接面構成壁部16a,16bの下部内形状とに対応す
る形状のパンチ部20aが設けられている。可動プレー
ト20’は第二加圧パンチ部材20の上下動に伴い第二
固定プレート19に対して摺動するように、図示を略す
他の油圧シリンダ装置に接続されている。この可動プレ
ート20’の上面20a’は、二次中間成形品14の一
構成壁部15の外形状と対応する形状に仕上げられてい
る。
【0036】その第二加圧パンチ部材20及び可動プレ
ート20’が上方に位置する状態で固定プレート19よ
りもH’だけ高い位置にある可動プレート20’上に一
次中間成形品8を載置し(図8(a))、第二加圧パン
チ部材20を下降させて一次中間成形品8の凹状内部に
進入させ、第二加圧パンチ部材20のパンチ部20a及
び可動プレート20’の上面20a’により未折曲部9
を挟持し加圧することによって、二次中間成形品14が
成形される(図8(b))。この二次中間成形品14の
プレス装置17からの取外しは、第二加圧パンチ部材2
0を上昇させて加圧状態を解除した後に、二次中間成形
品14を長手方向(図8における紙面垂直方向)に引き
抜くことによって行う。但し、例えば図9に示すように
一構成壁部15の湾曲を大きくした場合や、図10に示
すように一構成壁部15に対する隣接面構成壁部16
a,16bの長さの割合が大きい場合には、第二加圧パ
ンチ部材20を上昇させるだけでこれを一対の辺6e,
6eの間を通して引き抜くことができる。これにより、
二次中間成形品14を長手方向に引き抜くという作業工
程を省くことができ、成形作業の効率化、作業スペース
の狭小化を図ることができる。
【0037】なお、図11に示すプレス装置を使用する
ことによって、図12に示す一構成壁部15が平坦な
(湾曲していない)二次中間成形品を成形してもよい
が、パイプ体1が完成したときの底面構成壁部2の平坦
性を考慮すると、あるいは、二次中間成形品14のプレ
ス装置17からの取外しが第二加圧パンチ部材20を上
昇させるだけで済むことを考慮すると、一構成壁部15
は図6、図7に示すように湾曲していることが好まし
い。但し、図6、図7では湾曲状態にある一構成壁部1
5は平坦部15a,15bと湾曲部15cとからなって
いるが、湾曲の態様はこれに限られるものではない。
【0038】次に、その二次中間成形品14を完成品と
してのパイプ体1に成形するために、図13に示すプレ
ス成形装置21を使用する。このプレス成形装置21は
下型22と上型23とから概略構成され、下型22は第
三固定プレート24を有し、上型23は図示を略すシリ
ンダ装置により上下動する可動プレート25を有してい
る。
【0039】第三固定プレート24には一対のストッパ
ー部材26,26と、第三加圧パンチ部材27,27と
が設けられている。この一対の第三加圧パンチ部材2
7,27は図13中左右方向に延びる図示を略す摺動レ
ール上にスライド可能に設けられ、図示を略すカム機構
により互いに接近する方向又は離反する方向に連動して
移動するようになっている。また、同図に示すように下
型22と上型23とが分離している状態では、第三加圧
パンチ部材27,27は図示を略すスプリング部材によ
って互いに離反する方向に付勢されている。
【0040】第三加圧パンチ部材27,27の互いに相
対向する面には、二次中間成形品14の隣接面構成壁部
16a,16bを加圧するパンチ面27b,27bがそ
れぞれ形成されている。
【0041】可動プレート25には、第三加圧パンチ部
材27,27を駆動するための駆動部材29,29が設
けられるとともに、一対の合わせ目構成壁部5a,5b
を加圧するための第四加圧パンチ部材30が設けられて
いる。駆動部材29,29の下部内側にはテーパー部2
9a,29aが形成され、第三加圧パンチ部材27,2
7の上部外側にはテーパー部29a,29aと係合する
テーパー部27a,27aが形成されている。
【0042】二次中間成形品14は、第3加工ステップ
として、まず、一構成壁部15が下向きとなるように第
三加圧パンチ部材27,27の対向空間28の中心位置
にセットされる(図13)。この状態から矢印A1で示
すように上型23を下降させると、駆動部材29,29
のテーパー部29a,29aが第三加圧パンチ部材2
7,27のテーパー部27a,27aに係合し、第三加
圧パンチ部材27,27が上記スプリング部材の付勢力
に抗して互いに接近する方向に同じ速さV1で駆動され
る(図14)。これにより、第三加圧パンチ部材27,
27のパンチ面27b,27bが隣接面構成壁部16
a,16bとの境をなす屈曲部31a,31bに同時に
当接し、隣接面構成壁部16a,16bがそのパンチ面
27b,27bにより加えられる外力によって互いに接
近する方向に加圧される。
【0043】第三加圧パンチ部材27,27が互いに接
近する方向にさらに駆動されると、一構成壁部15の湾
曲が取り除かれつつ端面5c,5dが接近して最終的に
は密着し、上面構成壁部5が形成される(図15)。こ
のとき、一構成壁部15と隣接面構成壁部16a,16
bとのなす角度は多少は小さくなるものの完全にはθ
(=90°)とならず、一構成壁部15が下方に向かっ
て膨出してそれまでとは逆側に湾曲する。また、屈曲部
31a,31bがパンチ面27b,27bに対して上方
に滑りながら隣接面構成壁部16a,16bが起立し、
側面構成壁部3,4が形成される。
【0044】続いて、第4加工ステップとして上型23
をさらに下降させると、第三加圧パンチ部材27,27
のテーパー部27a,27aと駆動部材29,29のテ
ーパー部29a,29aとの係合が解除され、第三加圧
パンチ部材27,27がその位置に停止する。この状態
で上型23を下降させると、第四加圧パンチ部材30が
上面構成壁部5に当接して上面構成壁部5が加圧され、
一構成壁部15が平坦となって底面構成壁部2が形成さ
れる(図16)。
【0045】そして、上型23を上昇させて下型22と
分離させると、第三加圧パンチ部材27,27が再度互
いに離反する方向に移動して、完成したパイプ体1を得
る。一般に、プレス加工により工作物に変形を与えると
スプリングバック(その加工力を除去した後に工作物の
有する弾性によって変形が多少元に戻る現象)が生じる
ため、パイプ体1の底面構成壁部2はそのスプリングバ
ックに伴い発生する応力(スプリングバック力)によっ
て図17に鎖線で示すように湾曲面に戻ろうとする傾向
があり、この底面構成壁部2に残留したスプリングバッ
ク力f1によって端面5c,5dの密着状態は維持され
る。
【0046】この実施の形態に係るパイプ体の製造方法
では、上述したように、一構成壁部15と隣接面構成壁
部16aとを区分する折曲線6d1の切欠部80を除い
た部分の長さS1と、一構成壁部15と隣接面構成壁部
16bとを区分する折曲線6d2の切欠部81を除いた
部分の長さS2とが略等しく形成されるので、第3加工
ステップにおける隣接面構成壁部16a,16bについ
ての曲げに要する加工力が略等しくなり、それらに外力
を加えて一対の辺6e,6e同士を密着させる際に隣接
面構成壁部16a,16bの加工スピードを揃えること
が容易で、従来のプレス成形装置21を用いて加工方法
の煩雑な調整等を行うことなくパイプ体1を低コストで
製造することができる。
【0047】特に、この実施の形態ではパイプ体1の断
面形状が線対称であって対称中心となる直線O1(図2
参照)が合わせ目5eを通るとともに、二次中間成形品
14が線対称であって対称中心となる基準直線O2(図
13参照)が一構成壁部15の中心を通り、第3加工ス
テップにおいて隣接面構成壁部16a,16bの一方に
加える外力と他方に加える外力とを基準直線O2に対し
て対称に作用させるので、隣接面構成壁部16a,16
bがいわば自動的にバランスよく加工されてパイプ体1
が歩留まりよく製造される。
【0048】[実施の形態2]本実施の形態に係るパイ
プ体の製造方法では、第3加工ステップにおいて、プレ
ス成形装置21の代わりに図18に示すプレス成形装置
21’を用いる。このプレス成形装置21’は、第四加
圧パンチ部材30が設けられておらず、かつ、第三加圧
パンチ部材27,27のパンチ面27b,27bに摩擦
係数の高い摩擦接触部材27c,27cが設けられてい
る点でプレス成形装置21と異なるが、他の点について
は実施の形態1におけると同様であるので同一の符号を
付して説明を省略する。
【0049】第1加工ステップ及び第2加工ステップを
経て製造された二次中間成形品14は、第3加工ステッ
プとして、まず、一構成壁部15が下向きとなるように
第三加圧パンチ部材27,27の対向空間28の中心位
置にセットされる(図18)。この状態から矢印A1で
示すように上型23を下降させると、駆動部材29,2
9のテーパー部29a,29aが第三加圧パンチ部材2
7,27のテーパー部27a,27aに係合し、第三加
圧パンチ部材27,27が図示を略すスプリング部材の
付勢力に抗して互いに接近する方向に同じ速さV2で駆
動される(図19)。これにより、第三加圧パンチ部材
27,27のパンチ面27b,27bが屈曲部31a,
31bに同時に当接し、隣接面構成壁部16a,16b
がそのパンチ面27b,27bにより加えられる外力に
よって互いに接近する方向に加圧される。
【0050】第三加圧パンチ部材27,27が互いに接
近する方向にさらに駆動されると、一構成壁部15の湾
曲が取り除かれつつ端面5c,5dが接近して最終的に
は密着し、上面構成壁部5が形成される。このとき、一
構成壁部15は下方に向かって膨出しようとするが、屈
曲部31a,31bと摩擦接触部材27c,27cとの
最大静止摩擦力が大きいことにより、一構成壁部15は
第三固定プレート24に当接した段階でそれ以上下方に
膨出することができず、平坦状に保たれる。また、屈曲
部31a,31bは一構成壁部15が第三固定プレート
24から浮き上がらない程度の範囲内で摩擦接触部材2
7c,27cに対して若干上方にずれ、これにより隣接
面構成壁部16a,16bが起立して側面構成壁部3,
4が形成されるとともに、一構成壁部15によって底面
構成壁部2が形成される(図20、図21)。
【0051】そして、上型23を上昇させて下型22と
分離させると、第三加圧パンチ部材27,27が再度互
いに離反する方向に移動して、完成したパイプ体1を得
る。このパイプ体1も、実施の形態1におけると同様
に、底面構成壁部2に残留したスプリングバック力によ
って端面5c,5dが密着している。
【0052】なお、プレス成形装置21’には、二次中
間成形品14の浮き上がりを防止して一構成壁部15の
逆側への湾曲を阻止するために、図22に示すように摩
擦接触部材27c,27cの代わりに係合突起27
c’,27c’を設けてもよい。あるいは、底面構成壁
部2及び上面構成壁部5の平坦性をより確実に得るため
に、可動プレート25に第四加圧パンチ部材30を設
け、上記第3加工ステップの後に第四加圧パンチ部材3
0によって上面構成壁部5を加圧することとしてもよ
い。
【0053】[実施の形態3]本実施の形態に係るパイ
プ体の製造方法では、第1加工ステップ及び第2加工ス
テップにおいて、一構成壁部15と隣接面構成壁部16
a,16bとのなす角度がθ(=90°)の二次中間成
形品14’を成形する。また、第3加工ステップにおい
て、プレス成形装置21の代わりに図23に示すプレス
成形装置21”を用いる。このプレス成形装置21”
は、第三加圧パンチ部材27,27のパンチ面27b,
27bに突出部27d,27dが設けられている点でプ
レス成形装置21と異なるが、他の点については実施の
形態1におけると同様であるので同一の符号を付して説
明を省略する。
【0054】第1加工ステップ及び第2加工ステップを
経て製造された二次中間成形品14’は、第3加工ステ
ップとして、まず、一構成壁部15が下向きとなるよう
に第三加圧パンチ部材27,27の対向空間28の中心
位置にセットされる(図23)。この状態から矢印A1
で示すように上型23を下降させると、駆動部材29,
29のテーパー部29a,29aが第三加圧パンチ部材
27,27のテーパー部27a,27aに係合し、第三
加圧パンチ部材27,27が図示を略すスプリング部材
の付勢力に抗して互いに接近する方向に同じ速さV3で
駆動される(図24)。これにより、第三加圧パンチ部
材27,27のパンチ面27b,27bが屈曲部31
a,31bに同時に当接し、隣接面構成壁部16a,1
6bがそのパンチ面27b,27bにより加えられる外
力によって互いに接近する方向に加圧される。
【0055】第三加圧パンチ部材27,27が互いに接
近する方向にさらに駆動されると、一構成壁部15の湾
曲が取り除かれつつ端面5c,5dが接近して最終的に
は密着し、上面構成壁部5が形成される。このとき、屈
曲部31a,31bがパンチ面27b,27bに対して
上方にずれながら隣接面構成壁部16a,16bが起立
し、側面構成壁部3,4が形成されるとともに、一構成
壁部15が第三固定プレート24に当接して第三固定プ
レート24から反力を受け、最終的には平坦状となって
底面構成壁部2が形成される(図25)。また、側面構
成壁部3,4には、突出部27d,27dにより内側に
向かって凸となるように凸部3a,4aが形成される。
【0056】続いて、第4加工ステップとして上型23
をさらに下降させると、第三加圧パンチ部材27,27
のテーパー部27a,27aと駆動部材29,29のテ
ーパー部29a,29aとの係合が解除され、第三加圧
パンチ部材27,27がその位置に停止する。この状態
で上型23を下降させると、第四加圧パンチ部材30が
上面構成壁部5に当接してこれを加圧する(図26)。
この第4加工ステップは底面構成壁部2及び上面構成壁
部5の平坦性を高めるために行われるが、製品の寸法精
度をさほど要しないのであれば省略してもかまわない。
【0057】そして、上型23を上昇させて下型22と
分離させると、第三加圧パンチ部材27,27が再度互
いに離反する方向に移動して、図27及び図28に示す
パイプ体1’を得る。このパイプ体1’の凸部3a,4
aは、スプリングバック力によって図29に鎖線で示す
形状に戻ろうとする傾向があり、この側面構成壁部3,
4に残留したスプリングバック力f2によって端面5
c,5dの密着状態は維持される。ここでは、形状変化
による応力集中を緩和するために、凸部3a,4aと切
欠部80,81とはある程度の間隔を置いて形成してあ
る。
【0058】[実施の形態4]本実施の形態に係るパイ
プ体の製造方法では、図3に示す金属プレートの代わり
に図30に示す金属プレートを用い、ネジ穴6aを形成
しない点で実施の形態1と異なるが、他の点については
同様であるので同一の符号を付して説明を省略する。
【0059】ここで用いる金属プレート6では、方形穴
82及び方形穴83が折曲線の延びる方向に沿って互い
に重ならない位置に形成され、これにより一次中間成形
品8は図31に示すようになり、二次中間成形品14は
図32に示すようになり、パイプ体1は図33に示すよ
うになる。このパイプ体1において、一構成壁部15と
隣接面構成壁部16aとを区分する折曲線6d1上に位
置する切欠部80と、一構成壁部15と隣接面構成壁部
16bとを区分する折曲線6d2上に位置する切欠部8
1とが、折曲線の延びる方向に沿って互いに重ならない
位置にあることは言うまでもない。
【0060】この実施の形態に係るパイプ体の製造方法
では、切欠部80と切欠部81とがこのように折曲線の
延びる方向に沿って互いに異なる位置に形成されるの
で、同方向に沿って切欠部80,81の形成位置が重な
る上記各実施の形態に比べて、パイプ体1に極端に剛性
の弱い箇所が生じない。このため、パイプ体1にねじり
モーメントや曲げモーメントの負荷が作用する際に、パ
イプ体1がより高い耐久性を発揮する。また、折曲線の
延びる方向に亘って(つまり、図24の紙面垂直方向に
亘って)曲げに要する加工力が略一様となるので、安定
した加工が可能でパイプ体1をより高精度に製造するこ
とができる。
【0061】[実施の形態5]図34は断面が三角形状
のパイプ体の製造方法を、図35は断面が五角形状のパ
イプ体の製造方法を、図36は断面が六角形状のパイプ
体の製造方法を、図37は断面が八角形状のパイプ体の
製造方法をそれぞれ示す。これら各図において、(a)
は二次中間成形品をプレス成形装置にセットした状態
を、(b)は第三加圧パンチ部材により隣接面構成壁部
を加圧している状態を、(c)は完成した断面多角形状
のパイプ体を示し、図中の各符号は上記断面四角形(長
方形)状のパイプ体の説明における各符号と対応してい
る。すなわち、1はパイプ体、5a,5bは合わせ目構
成壁部、5c,5dは端面、5eは合わせ目、14は二
次中間成形品、15は一構成壁部、16a,16bは隣
接面構成壁部、2は一構成壁部により構成される底面構
成壁部、3は隣接面構成壁部16aにより構成される側
面構成壁部、4は隣接面構成壁部16bにより構成され
る側面構成壁部、24は第三固定プレート、27は第三
加圧パンチ部材をそれぞれ示し、また、各断面形状は正
多角形であり線対称な図形である。
【0062】この実施の形態に係るパイプ体の製造方法
では、パイプ体1の断面形状が正三角形、正五角形、正
六角形又は正八角形であるので、プレス加工による製造
が比較的容易で、かつ、汎用性の高いパイプ体が低コス
トで製造される。
【0063】なお、図35において一構成壁部15は五
角形の各辺に対応する面のうち合わせ目5eを含まない
もの二つを構成し、図36、図37において隣接面構成
壁部16aには構成壁部16a’を介して外力が作用
し、隣接面構成壁部16bには構成壁部16b’を介し
て外力が作用している。
【0064】[実施の形態6]本実施の形態は、上記各
実施の形態で製造されたパイプ体が画像形成装置のフレ
ームとして使用される例を示す。図38に示すように、
その画像形成装置60は、シート状媒体である用紙61
に画像形成を行う画像形成部62と、画像形成された用
紙61を搬送する搬送部63と、その画像形成部62や
搬送部63等を支持するフレーム64とを備えている。
フレーム64は上記各実施の形態で製造されたパイプ体
1又はパイプ体1’により構成され、これにより大幅な
コストの低減が図られている。
【0065】なお、本発明は上述した各形態に限られる
ものではなく、例えば切欠部80(又は切欠部81)が
図39に示すようにパイプ体1の端部に設けられて穴状
を呈していなくてもよい。また、切欠部80が機能上必
要なものである場合に、切欠部81は加工上のバランス
をとるものであって機能上不要な場合が一般であるが、
切欠部80及び切欠部81がともに機能上必要なもので
あってももちろんよい。さらに、切欠部80と切欠部8
1とは同数でなくても同形状でなくてもよく、折曲線6
1,6d2の実質的な長さS1,S2は必ずしも厳密に等
しくなくてもよい。例えば、図3に示す金属プレート6
においてL1=451〔mm〕、l1=16〔mm〕とし
たときに(S1=419〔mm〕)、l2=8〔mm〕
(S2=435〔mm〕)、l2=10〔mm〕(S2
431〔mm〕)では座屈が生じてうまく加工すること
ができなかったが、l2=13〔mm〕(S2=425
〔mm〕)、l2=16〔mm〕(S2=419〔m
m〕)では座屈が生じずに、パイプ体1をうまく製造す
ることができた。
【0066】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成した
ので、金属プレートの折曲線上に機能上必要な切欠部を
形成する場合であっても、その切欠部の存在に起因して
加工方法の調整等を行う必要がなくパイプ体を低コスト
で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係るパイプ体を示し、(a)は
上方から見た斜視図、(b)は下方から見た斜視図であ
る。
【図2】図1のパイプ体を示す正面図である。
【図3】図1、図2のパイプ体の製造に用いる金属プレ
ートを示す平面図である。
【図4】実施の形態1に係る一次中間成形品を示し、
(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図5】図4の一次中間成形品の成形に用いるプレス装
置を示し、(a)は金属プレートを可動プレートに載置
した状態の説明図、(b)はその金属プレートを加圧し
た状態の説明図である。
【図6】実施の形態1に係る二次中間成形品を示す正面
図であり、(a)はその全体図、(b)は部分拡大図で
ある。
【図7】図6の二次中間成形品を示す斜視図である。
【図8】図6、図7の二次中間成形品の成形に用いるプ
レス装置を示し、(a)は一次中間成形品を可動プレー
トに載置した状態の説明図、(b)はその一次中間成形
品を加圧した状態の説明図である。
【図9】二次中間成形品及びその成形に用いるプレス装
置の他の例を示す説明図である。
【図10】一構成壁部に対して隣接面構成壁部が大きい
場合の二次中間成形品の例を示す正面図である。
【図11】二次中間成形品の成形に用いるプレス装置の
さらに他の例を示す説明図である。
【図12】図11のプレス装置により成形された二次中
間成形品を示す正面図である。
【図13】図6、図7の二次中間成形品をプレス成形装
置にセットした状態を示す説明図である。
【図14】図13のプレス成形装置にセットした二次中
間成形品の屈曲部に第三加圧パンチ部材が当接した状態
を示す説明図である。
【図15】図13のプレス成形装置において第三加圧パ
ンチ部材の駆動が完了した状態を示す説明図である。
【図16】図13のプレス成形装置において第四加圧パ
ンチ部材が上面構成壁部を加圧した状態を示す説明図で
ある。
【図17】図1、図2のパイプ体に生じるスプリングバ
ックを説明するための模式図である。
【図18】実施の形態2に係るプレス成形装置に二次中
間成形品をセットした状態を示す説明図である。
【図19】図18のプレス成形装置にセットした二次中
間成形品の屈曲部に第三加圧パンチ部材が当接した状態
を示す説明図である。
【図20】図18のプレス成形装置において二次中間成
形品の一構成壁部の外側への膨出が阻止されている状態
を示す説明図である。
【図21】図18のプレス成形装置において第三加圧パ
ンチ部材の駆動が完了した状態を示す説明図である。
【図22】プレス成形装置の他の例を示す説明図であ
る。
【図23】実施の形態3に係るプレス成形装置に二次中
間成形品をセットした状態を示す説明図である。
【図24】図23のプレス成形装置にセットした二次中
間成形品の屈曲部に第三加圧パンチ部材が当接した状態
を示す説明図である。
【図25】図23のプレス成形装置において第三加圧パ
ンチ部材の駆動が完了した状態を示す説明図である。
【図26】図23のプレス成形装置において第四加圧パ
ンチ部材が上面構成壁部を加圧した状態を示す説明図で
ある。
【図27】実施の形態3に係るパイプ体を上方から見た
斜視図である。
【図28】図27のパイプ体を示す正面図である。
【図29】図27、図28のパイプ体に生じるスプリン
グバックを説明するための模式図である。
【図30】実施の形態4に係るパイプ体の製造に用いる
金属プレートを示す平面図である。
【図31】実施の形態4に係る一次中間成形品を示し、
(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図32】実施の形態4に係る二次中間成形品を示す斜
視図である。
【図33】実施の形態4に係るパイプ体を下方から見た
斜視図である。
【図34】断面が三角形のパイプ体の製造方法を示し、
(a)は二次中間成形品をプレス成形装置にセットした
状態を、(b)は第三加圧パンチ部材により隣接面構成
壁部を加圧している状態を、(c)は完成したパイプ体
を示す説明図である。
【図35】断面が五角形のパイプ体の製造方法を示し、
(a)は二次中間成形品をプレス成形装置にセットした
状態を、(b)は第三加圧パンチ部材により隣接面構成
壁部を、(c)は完成したパイプ体を示す説明図であ
る。
【図36】断面が六角形のパイプ体の製造方法を示し、
(a)は二次中間成形品をプレス成形装置にセットした
状態を、(b)は第三加圧パンチ部材により隣接面構成
壁部を間接的に加圧している状態を、(c)は完成した
パイプ体を示す説明図である。
【図37】断面が八角形のパイプ体の製造方法を示し、
(a)は二次中間成形品をプレス成形装置にセットした
状態を、(b)は第三加圧パンチ部材により隣接面構成
壁部を間接的に加圧している状態を、(c)は完成した
パイプ体を示す説明図である。
【図38】本発明に係るパイプ体がフレームに用いられ
た画像形成装置を示す説明図である。
【図39】切欠部が穴状を呈していない例を示す説明図
である。
【図40】機能上必要な切欠部を従来のパイプ体に設け
た例を示す斜視図である。
【図41】図40のパイプ体の製造に用いられる中間成
形品を示す斜視図である。
【図42】図41の中間成形品の加工手順を示し、
(a)は中間成形品をプレス成形装置にセットした状態
を、(b)は隣接面構成壁部を加圧している状態を、
(c)は加圧のバランスが左右で崩れて中間成形品が座
屈した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1,1’ パイプ体 5e 合わせ目(接合部) 6 金属プレート 6c 折曲線 6d1,6d2 折曲線 6e,6e 一対の辺 14,14’ 二次中間成形品(中間成形品) 15 一構成壁部 16a,16b 隣接面構成壁部 60 画像形成装置 80,81 切欠部 O1 直線 O2 基準直線

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに平行な一対の辺を有する金属プレー
    トを前記一対の辺と平行な折曲線に沿って複数箇所で折
    り曲げるとともに、前記一対の辺同士を接合させること
    により、断面が多角形状のパイプ体を製造するパイプ体
    の製造方法であって、 前記多角形の各辺に対応する面のうち前記一対の辺同士
    の接合部を含まないものを構成する一構成壁部及び該一
    構成壁部に隣接する二つの隣接面構成壁部を有し、前記
    一構成壁部と前記二つの隣接面構成壁部とのなす各角度
    が前記多角形の対応する角度よりも大きく前記一対の辺
    同士が離間状態にあるとともに、前記一構成壁部と前記
    二つの隣接面構成壁部とを区分する各折曲線上に切欠部
    が形成された中間成形品を成形する加工ステップと、 前記二つの隣接面構成壁部に外力を加えて前記一構成壁
    部を外側に向かって膨出するように湾曲させるととも
    に、前記一対の辺同士を密着させる加工ステップと、 前記一構成壁部の湾曲部分に外力を加えて前記一構成壁
    部を平坦状に変形させ、前記一対の辺同士の密着状態を
    維持するスプリングバック力を残留させる加工ステップ
    とを有し、 前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記
    一構成壁部と前記二つの隣接面構成壁部の一方とを区分
    する折曲線の切欠部を除いた部分の長さと、前記一構成
    壁部と前記二つの隣接面構成壁部の他方とを区分する折
    曲線の切欠部を除いた部分の長さとを、略等しくするこ
    とを特徴とするパイプ体の製造方法。
  2. 【請求項2】互いに平行な一対の辺を有する金属プレー
    トを前記一対の辺と平行な折曲線に沿って複数箇所で折
    り曲げるとともに、前記一対の辺同士を接合させること
    により、断面が多角形状のパイプ体を製造するパイプ体
    の製造方法であって、 前記多角形の各辺に対応する面のうち前記一対の辺同士
    の接合部を含まないものを構成する一構成壁部及び該一
    構成壁部に隣接する二つの隣接面構成壁部を有し、前記
    一構成壁部と前記二つの隣接面構成壁部とのなす各角度
    が前記多角形の対応する角度よりも大きく前記一対の辺
    同士が離間状態にあるとともに、前記一構成壁部と前記
    二つの隣接面構成壁部とを区分する各折曲線上に切欠部
    が形成された中間成形品を成形する加工ステップと、 前記二つの隣接面構成壁部に外力を加えて前記一対の辺
    同士を密着させるとともに、外側に向かって膨出しよう
    とする前記一構成壁部の湾曲を阻止して該一構成壁部を
    平坦状に保つことにより、前記一対の辺同士の密着状態
    を維持するスプリングバック力を残留させる加工ステッ
    プとを有し、 前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記
    一構成壁部と前記二つの隣接面構成壁部の一方とを区分
    する折曲線の切欠部を除いた部分の長さと、前記一構成
    壁部と前記二つの隣接面構成壁部の他方とを区分する折
    曲線の切欠部を除いた部分の長さとを、略等しくするこ
    とを特徴とするパイプ体の製造方法。
  3. 【請求項3】互いに平行な一対の辺を有する金属プレー
    トを前記一対の辺と平行な折曲線に沿って複数箇所で折
    り曲げるとともに、前記一対の辺同士を接合させること
    により、断面が多角形状のパイプ体を製造するパイプ体
    の製造方法であって、 前記多角形の各辺に対応する面のうち前記一対の辺同士
    の接合部を含まないものを構成する一構成壁部及び該一
    構成壁部に隣接する二つの隣接面構成壁部を有し、前記
    一対の辺同士が離間状態にあるとともに、前記一構成壁
    部と前記二つの隣接面構成壁部とを区分する各折曲線上
    に切欠部が形成された中間成形品を成形する加工ステッ
    プと、 前記二つの隣接面構成壁部に外力を加えて前記一対の辺
    同士を密着させるとともに、内側に向かって凸となる凸
    部を前記多角形のいずれかの辺に対応する面に位置する
    ように形成することにより、前記一対の辺同士の密着状
    態を維持するスプリングバック力を残留させる加工ステ
    ップとを有し、 前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記
    一構成壁部と前記二つの隣接面構成壁部の一方とを区分
    する折曲線の切欠部を除いた部分の長さと、前記一構成
    壁部と前記二つの隣接面構成壁部の他方とを区分する折
    曲線の切欠部を除いた部分の長さとを、略等しくするこ
    とを特徴とするパイプ体の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の
    パイプ体の製造方法において、 前記多角形が線対称であって対称中心となる直線が前記
    接合部を通るとともに、前記中間成形品が線対称であっ
    て対称中心となる基準直線が前記一構成壁部の中心を通
    り、 前記二つの隣接面構成壁部に外力を加える加工ステップ
    において、前記二つの隣接面構成壁部の一方に加える外
    力と他方に加える外力とを前記基準直線に対して対称に
    作用させることを特徴とするパイプ体の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の
    パイプ体の製造方法において、 前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記
    一構成壁部と前記二つの隣接面構成壁部の一方とを区分
    する折曲線上に位置する切欠部と、前記一構成壁部と前
    記二つの隣接面構成壁部の他方とを区分する折曲線上に
    位置する切欠部とを、各折曲線の延びる方向に沿って互
    いに異なる位置に形成することを特徴とするパイプ体の
    製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の
    パイプ体の製造方法において、 前記多角形が三角形、四角形、五角形、六角形又は八角
    形であることを特徴とするパイプ体の製造方法。
  7. 【請求項7】互いに平行な一対の辺を有する金属プレー
    トを前記一対の辺と平行な折曲線に沿って複数箇所で折
    り曲げるとともに、前記一対の辺同士を接合させること
    により製造された断面が多角形状のパイプ体であって、 前記多角形の各辺に対応する面のうち前記一対の辺同士
    の接合部を含まないものを構成する一構成壁部及び該一
    構成壁部に隣接する二つの隣接面構成壁部を有し、前記
    一構成壁部と前記二つの隣接面構成壁部とのなす各角度
    が前記多角形の対応する角度よりも大きく前記一対の辺
    同士が離間状態にあるとともに、前記一構成壁部と前記
    二つの隣接面構成壁部とを区分する各折曲線上に切欠部
    が形成された中間成形品を成形する加工ステップと、 前記二つの隣接面構成壁部に外力を加えて前記一対の辺
    同士を密着させるとともに、前記一対の辺同士の密着状
    態を維持するスプリングバック力を残留させる加工ステ
    ップとを経て製造され、 前記一構成壁部と前記二つの隣接面構成壁部の一方とを
    区分する折曲線の切欠部を除いた部分の長さと、前記一
    構成壁部と前記二つの隣接面構成壁部の他方とを区分す
    る折曲線の切欠部を除いた部分の長さとが、略等しく形
    成されていることを特徴とするパイプ体。
  8. 【請求項8】互いに平行な一対の辺を有する金属プレー
    トを前記一対の辺と平行な折曲線に沿って複数箇所で折
    り曲げるとともに、前記一対の辺同士を接合させること
    により製造された断面が多角形状のパイプ体であって、 前記多角形の各辺に対応する面のうち前記一対の辺同士
    の接合部を含まないものを構成する一構成壁部及び該一
    構成壁部に隣接する二つの隣接面構成壁部を有し、前記
    一対の辺同士が離間状態にあるとともに、前記一構成壁
    部と前記二つの隣接面構成壁部とを区分する各折曲線上
    に切欠部が形成された中間成形品を成形する加工ステッ
    プと、 前記二つの隣接面構成壁部に外力を加えて前記一対の辺
    同士を密着させるとともに、内側に向かって凸となる凸
    部を前記多角形のいずれかの辺に対応する面に位置する
    ように形成することにより、前記一対の辺同士の密着状
    態を維持するスプリングバック力を残留させる加工ステ
    ップとを経て製造され、 前記一構成壁部と前記二つの隣接面構成壁部の一方とを
    区分する折曲線の切欠部を除いた部分の長さと、前記一
    構成壁部と前記二つの隣接面構成壁部の他方とを区分す
    る折曲線の切欠部を除いた部分の長さとが、略等しく形
    成されていることを特徴とするパイプ体。
  9. 【請求項9】請求項7又は請求項8に記載のパイプ体に
    おいて、 前記多角形が線対称であって対称中心となる直線が前記
    接合部を通るとともに、前記中間成形品が線対称であっ
    て対称中心となる基準直線が前記一構成壁部の中心を通
    り、 前記二つの隣接面構成壁部の一方に加える外力と他方に
    加える外力とを前記基準直線に対して対称に作用させた
    ことにより、前記一対の辺同士が密着していることを特
    徴とするパイプ体。
  10. 【請求項10】請求項7乃至請求項9のいずれかに記載
    のパイプ体において、 前記一構成壁部と前記二つの隣接面構成壁部の一方とを
    区分する折曲線上に位置する切欠部と、前記一構成壁部
    と前記二つの隣接面構成壁部の他方とを区分する折曲線
    上に位置する切欠部とが、各折曲線の延びる方向に沿っ
    て互いに異なる位置に形成されていることを特徴とする
    パイプ体。
  11. 【請求項11】請求項7乃至請求項10のいずれかに記
    載のパイプ体において、 前記多角形が三角形、四角形、五角形、六角形又は八角
    形であることを特徴とするパイプ体。
  12. 【請求項12】請求項7乃至請求項11のいずれかに記
    載のパイプ体が用いられていることを特徴とする画像形
    成装置。
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