JP2003258325A - 熱電モジュールの製造方法および熱電モジュール - Google Patents
熱電モジュールの製造方法および熱電モジュールInfo
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Abstract
造する。 【解決手段】 リード線の一方端に所定量の半田を結合
させる半田結合工程と、前記リード線の半田が結合され
た一方端を少なくとも一対のP型熱電素子とN型熱電素
子を電気的に直列に連結した熱電回路部の両端に設けら
れた端子部と接合するリード線接合工程が設けられてい
ることを特徴とする熱電モジュールの製造方法およびこ
の製造方法で製造された熱電モジュール。
Description
造方法および熱電モジュールに関する。
型熱電素子とN型熱電素子を電気的に直列に連結した熱
電回路部を有している。熱電モジュールとして、熱電回
路部に電気を供給することにより熱電素子の一方端から
他方端に熱を移送するペルチェモジュールと、熱電素子
の一方端と他方端の温度差より発電するゼーベックモジ
ュールが知られている。いずれの場合でも、電気を供給
する、あるいは電気を出力するためのリード線が熱電回
路部の両端に設けられた端子部に接合されている。以
下、特に断りがない限りペルチェモジュールで説明す
る。
子部に接合するために半田付けが行われている。
が多すぎると、図5に示すように熱電素子30の一方面
側に設けられている放熱基板31にリード線32を接合
している半田部33が熱電素子30の他方面側に設けら
れている吸熱基板34に接触する場合があった。半田部
33が吸熱基板34に接触すると、吸熱基板34から放
熱基板31に移動した熱が半田部33を介して吸熱基板
34に戻るため冷却効率が低下する問題点があった。ゼ
ーベックモジュールの場合は、高温側から低温側へ熱が
移動し、両側の温度差が小さくなるため発電効率が低下
する問題点があった。
に、リード線32を接合している端子に隣接している熱
電素子30aに半田部35が接触する場合があった。そ
の結果、熱電素子30aに熱応力がかかったり熱電素子
へ半田材料が拡散するなどして信頼性が低下する問題点
があった。
ように、リード線32が半田部36より露出した状態と
なり、必要な接合強度が得られない問題点があった。
は、リード線の接合する端部を熱電素子の両側に設けら
れた基板に掛け渡して接合し、接合強度を向上させた熱
電モジュールが開示されている。しかし、リード線の掛
け渡し部分を介して放熱基板に移動した熱が吸熱基板に
戻るため冷却効率が低下する問題点があった。ゼーベッ
クモジュールの場合は、リード線の掛け渡し部分を介し
て高温側から低温側へ熱が移動し、両側の温度差が小さ
くなるため発電効率が低下する問題点があった。またペ
ルチェモジュール、ゼーベックモジュールのいずれの場
合も、リード線の掛け渡し部分が、使用時の吸熱、放熱
基板の収縮により接合部に割れが発生し、導通不良とな
る問題点があった。また、実用新案登録第308267
8号公報の場合も、一般的な半田付けの場合と同様に半
田量が多すぎたり、少なすぎたりする問題は生ずる。
率で信頼性に優れた熱電モジュールの製造方法および熱
電モジュールを提供する。
るために、本発明の請求項1において講じた技術的手段
(以下、第1の技術的手段と称する。)は、リード線の
一方端に所定量の半田を結合させる半田結合工程と、前
記リード線の半田が結合された一方端を少なくとも一対
のP型熱電素子とN型熱電素子を電気的に直列に連結し
た熱電回路部の両端に設けられた端子部と接合するリー
ド線接合工程が設けられていることを特徴とする熱電モ
ジュールの製造方法である。
のようである。
めリード線の一方端に接合に適した半田量を結合させる
ことができるので、必要な接合強度が確保でき、両側の
基板に半田やリード線が接触することがなく、熱電素子
に半田が接触することがないため、高効率で信頼性に優
れた熱電モジュールを製造できる。ここで所定量とは、
使用する熱電モジュールとリード線の接合に適した量の
ことである。
の請求項2において講じた技術的手段(以下、第2の技
術的手段と称する。)は、前記半田結合工程に、所定量
の半田を加熱溶融する加熱溶融工程と、加熱された前記
半田にリード線を挿入するリード線挿入工程と、前記半
田が固化するまで冷却する冷却工程が設けられているこ
とを特徴とする請求項1記載の熱電モジュールの製造方
法である。
のようである。
ード線に結合するので、リード線に結合する半田量を確
実に管理できる。
の請求項3において講じた技術的手段(以下、第3の技
術的手段と称する。)は、前記半田結合工程が、前記リ
ード線の一方端にシート状の半田を巻き付ける工程であ
ることを特徴とする請求項1記載の熱電モジュールの製
造方法である。
のようである。
ので、リード線に結合する半田量を確実に管理できる。
の請求項4において講じた技術的手段(以下、第4の技
術的手段と称する。)は、前記半田結合工程において、
前記リード線の一方端に結合させる半田量が0.15〜
0.40mm3であることを特徴とする請求項1〜3の
いずれかに記載の熱電モジュールの製造方法である。
のようである。
結合させる半田量が0.15mm3以上であるので、接
合強度が大きく、リード線にかかる応力によりリード線
がはずれることを防止できる。また、あらかじめリード
線の一方端に結合させる半田量が0.40mm3以下で
あるので、半田がリード線を接合する基板と対向する基
板に当接することを防止できる。この結果、基板間での
熱の移動により効率を低下させることを防止できるので
高効率の熱電モジュールを製造できるし、基板間に半田
の熱膨張・熱収縮に伴う応力がかからないので、接合部
が割れて導通不良になることを防止でき、信頼性に優れ
た熱電モジュールを製造できる。さらに、あらかじめリ
ード線の一方端に結合させる半田量が0.40mm3以
下であるので、リード線の接合部に隣接する熱電素子に
半田が接触することを防止でき、熱電素子に熱応力がか
かることや熱電素子へSnなどの半田材料が拡散するこ
とを防止できるので、高効率で信頼性に優れた熱電モジ
ュールを製造できる。
の請求項5において講じた技術的手段(以下、第5の技
術的手段と称する。)は、請求項1〜4のいずれかの方
法でリード線を接合したことを特徴とする熱電モジュー
ルである。
のようである。
法で製造するので、高効率で信頼性に優れた熱電モジュ
ールができる。
て、図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施形態
のペルチェモジュールの斜視図である。吸熱側絶縁基板
3の一部を省略している。放熱側絶縁基板2、吸熱側絶
縁基板3にはそれぞれ電極2a、3aが設けられ、熱電
素子1はP型熱電素子またはN型熱電素子であり、良く
知られているようにP型熱電素子とN型熱電素子が交互
に電気的に直列に接続され、熱電回路部100が構成さ
れている。ペルチェモジュールは、熱電回路部100を
放熱側絶縁基板2と吸熱側絶縁基板3で挟持し、熱電素
子1と放熱側絶縁基板2の電極2aおよび熱電素子1と
吸熱側絶縁基板3の電極3aを図示しない半田で接合し
て形成されている。放熱側絶縁基板2には熱電回路部1
00の両端に設けられた端子部10にリード線4の一端
が半田部5により接続されている。
する説明図であり、図2(a)は加熱溶融工程を説明す
る説明図、図2(b)はリード線挿入工程を説明する説
明図、図2(c)はリード線取り出し工程を説明する説
明図である。また図3は第1実施形態のリード線接合工
程を説明する説明図である。
量の半田7を入れ、るつぼ6の下部に設けられた図示し
ないヒータにより加熱溶融した(図2(a))。ここで
は半田7として略球状の半田球を用いている。次にリー
ド線挿入工程で、リード線4を溶融している半田7に挿
入する(図2(b))。その後、ヒータをるつぼ6から
遠ざけるなどしてるつぼ6を冷却し半田7を固化する
(冷却工程)。これにより、リード線4の一方端に所定
量の半田7が結合され、図2(c)のように、るつぼ6
から半田7が結合されたリード線4を取り出す。
ているリード線4の端部を熱電回路部100の端子部1
0に当接させ、半田ゴテにて半田7を溶融、再固化して
半田部5を形成し、リード線4を端子部10に接合した
(リード線接合工程)。こうして、所定量の半田球をリ
ード線10の端部に結合した後、熱電回路部100の端
子部10にリード線4を接合しているので、接合に最適
な半田量を容易に管理でき、半田が多すぎたり少なすぎ
たりする結果生ずる上記の問題点を解決し、高効率で信
頼性に優れた熱電モジュールを製造できる。
する説明図であり、図2(a)はリード線の一方端にシ
ート状の半田を当接している図、図2(b)はリード線
の一方端にシート状の半田を巻き付けた後の図である。
所定量のシート状半田8を用意し、リード線4の一方端
に当接させる(図2(a))。その後、シート状半田8
をリード線4に巻き付けると半田8が結合されたリード
線4が完成する(図2(b))。次に第1実施形態と同
様に、半田8が結合されているリード線4の端部を熱電
回路部100の端子部10に当接させ、半田ゴテにて半
田7を溶融、再固化して半田部5を形成し、リード線4
を端子部10に接合した(リード線接合工程)。第2実
施形態も、第1実施形態と同様、所定量のシート状半田
8をリード線10の端部に結合した後、熱電回路部10
0の端子部10に接合しているので、接合に最適な半田
量を容易に管理でき、半田が多すぎたり少なすぎたりす
る結果生ずる上記の問題点を解決し、高効率で信頼性に
優れた熱電モジュールを製造できる。
実施例は第1実施形態で実施している。半田としてSn
/Au=20/80(重量比)(融点:280℃、比
重:14.5)の略球状半田を用いた。実施例1〜3
で、それぞれ0.15、0.275、0.4mm3(そ
れぞれ2.18、4.0、5.8mg)の半田球を使用
して、第1実施形態で説明した方法で半田が一方端に結
合された半田付きリード線を作製した。リード線として
は、外径0.3mm、長さ65mmの軟銅製のものを使
用した。半田溶融工程では、るつぼの温度が320℃に
なるように制御されている。
が放熱側絶縁基板と吸熱側絶縁基板で挟持されたペルチ
ェモジュールの端子部(放熱側絶縁基板側に設けられて
いる)に半田付けで接合した。熱電回路部として、23
対のP型熱電素子とN型熱電素子を交互に電気的に直列
に接続したものを使用している。放熱側絶縁基板と吸熱
側絶縁基板の間隔は1.0mmで、端子部は幅0.75
mm、長さ1.75mmの電極部の長さ方向の一方側に
電極部当接面の断面寸法が0.6mm四方の熱電素子を
電極部端から0.15mmの隙間をあけて半田付けされ
ており、リード線を結合する電極部は幅0.75mm、
長さ1mmである。P型熱電素子としてBiSbTe系
材料の熱電素子を、N型熱電素子としてBiSeTe系
材料の熱電素子を用いた。
た。引張試験は、リード線をその引き出し方向(基板面
に平行な方向)に5mm/minの速度で引っ張り、
2.94N以上の力がかかってもリード線が動かないか
どうかで行った。冷却性能試験は、熱電モジュールを
0.133Paの真空度にて放熱側基板温度27℃に設
定し、電流を変えて測定した吸熱側基板と放熱側基板の
温度差の最大温度差で求めた。
2は半田球の量が異なる以外、実施例と同様にペルチェ
モジュールを作製し、同様に評価した。比較例1、2に
使用した半田球の量は、それぞれ0.10、0.45m
m3(それぞれ1.45、6.53mg)である。
す。
ード線の接合強度を有していたが、比較例1は強度不足
であった。比較例2は、十分な接合強度を有していた
が、冷却効率が劣っていた。目視で観察したところ、半
田が吸熱側絶縁基板にも当接していた。その当接部分
は、素子や電極がない部分であり、絶縁上は問題がな
い。吸熱側絶縁基板から放熱側絶縁基板に移動した熱
が、半田部を介して放熱側絶縁基板から吸熱側絶縁基板
に戻ったため冷却効率が低下したと考えられる。
管理されているので、接合強度不足が生ずることなく、
かつ冷却効率の低下も生ずることがないので、高効率で
信頼性に優れた熱電モジュールを製造できる。
半田を使用したが、他の形状の半田を使用してもよい。
るつぼの材料として溶融半田が濡れにくい材料を使用す
ることにより、半田が溶融されたときに略球状となる
し、また略球状から離れた形状でも所定量の半田がリー
ド線の一方端に結合できればよい。
試験したが、ゼーベックモジュールでも、冷却効率が発
電効率となるだけで、発明の技術的思想は同じである。
Au=20/80(重量比)を使用しているが、特に限
定されず、熱電モジュールに使用できる半田材料なら何
でも使用できる。この中で、特にSn/Pb=63/3
7(重量比)、Sn/Ag=96.5/3.5(重量
比)、Sn/Sb=95/5(重量比)、Snなど融点
が183〜280℃の半田材料を用いると、熱電モジュ
ールに他の部品を半田で実装する際に、リード線が溶融
し脱落することを防止できると共に、半田付け時の温度
で熱電素子の材料特性が低下することを防止できる。
して示したが、第2実施形態で実施例と同様な半田量で
実施しても、第1実施形態と同様の効果を奏する。シー
ト状の半田を巻き付けて半田付きリード線を作製する場
合は、半田を溶融し再固化する工程がないので、工程を
短縮できると共に熱エネルギーを低減できる。なお、シ
ート状半田でなく、ワイヤ状など他の形状の半田を使用
してもよい。シート状半田を使用すれば、リード線で半
田を付ける長さを管理しやすい効果を奏する。
方端に所定量の半田を結合させる半田結合工程と、前記
リード線の半田が結合された一方端を少なくとも一対の
P型熱電素子とN型熱電素子を電気的に直列に連結した
熱電回路部の両端に設けられた端子部と接合するリード
線接合工程が設けられていることを特徴とする熱電モジ
ュールの製造方法およびこの製造方法で製造された熱電
モジュールであるので、高効率で信頼性に優れた熱電モ
ジュールを製造できる。
図
であり、図2(a)は加熱溶融工程を説明する説明図、
図2(b)はリード線挿入工程を説明する説明図、図2
(c)はリード線取り出し工程を説明する説明図であ
る。
明図
であり、図2(a)はリード線の一方端にシート状の半
田を当接している図、図2(b)はリード線の一方端に
シート状の半田を巻き付けた後の図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 リード線の一方端に所定量の半田を結合
させる半田結合工程と、 前記リード線の半田が結合された一方端を、少なくとも
一対のP型熱電素子とN型熱電素子を電気的に直列に連
結した熱電回路部の両端に設けられた端子部と接合する
リード線接合工程が設けられていることを特徴とする熱
電モジュールの製造方法。 - 【請求項2】 前記半田結合工程に、所定量の半田を加
熱溶融する加熱溶融工程と、加熱された前記半田にリー
ド線を挿入するリード線挿入工程と、前記半田が固化す
るまで冷却する冷却工程が設けられていることを特徴と
する請求項1記載の熱電モジュールの製造方法。 - 【請求項3】 前記半田結合工程が、前記リード線の一
方端にシート状の半田を巻き付ける工程であることを特
徴とする請求項1記載の熱電モジュールの製造方法。 - 【請求項4】 前記半田結合工程において、前記リード
線の一方端に結合させる半田量が0.15〜0.40m
m3であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
記載の熱電モジュールの製造方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの方法でリード
線を接合したことを特徴とする熱電モジュール。
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Cited By (2)
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KR20190087822A (ko) * | 2018-01-17 | 2019-07-25 | 엘지이노텍 주식회사 | 열전 소자 |
WO2024185282A1 (ja) * | 2023-03-06 | 2024-09-12 | ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 | 半導体パッケージ、半導体装置、および、半導体パッケージの製造方法 |
-
2002
- 2002-03-05 JP JP2002058646A patent/JP4048797B2/ja not_active Expired - Lifetime
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KR20190087822A (ko) * | 2018-01-17 | 2019-07-25 | 엘지이노텍 주식회사 | 열전 소자 |
KR102448420B1 (ko) * | 2018-01-17 | 2022-09-28 | 엘지이노텍 주식회사 | 열전 소자 |
WO2024185282A1 (ja) * | 2023-03-06 | 2024-09-12 | ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 | 半導体パッケージ、半導体装置、および、半導体パッケージの製造方法 |
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