JP2003257658A - 色変換基材および有機elディスプレイ - Google Patents

色変換基材および有機elディスプレイ

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JP2003257658A
JP2003257658A JP2002060150A JP2002060150A JP2003257658A JP 2003257658 A JP2003257658 A JP 2003257658A JP 2002060150 A JP2002060150 A JP 2002060150A JP 2002060150 A JP2002060150 A JP 2002060150A JP 2003257658 A JP2003257658 A JP 2003257658A
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Masaaki Asano
雅朗 浅野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CCM方式の有機ELディスプレイの色変換
蛍光体層等と、有機EL素子やTFTとの間に、支柱に
より空隙を設ける際の、有機EL素子やTFTへの悪影
響を排除して、色変換蛍光体層等を適用可能とすること
を課題とする。 【解決手段】 基板21上にTFT22、有機EL素子
23が積層された有機EL基板20上に、透明基材11
にブラックマトリックス14、補正用カラーフィルター
層12、色変換蛍光体層13、オーバーコート層15お
よび柱状体30が積層された色変換基材10を積層する
ことにより課題を解決することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、TFT(=薄層ト
ランジスタ)を用いたアクティブマトリックス駆動の有
機ELディスプレイにおいて、TFTおよび有機EL素
子を有する有機EL基板との間隔を保って重ね合せるこ
とが可能な、色変換蛍光体層や補正用カラーフィルター
層等を伴なった色変換基材に関するものである。また、
本発明は、そのような色変換基材を用いて構成された有
機ELディスプレイに関するものでもある。
【0002】
【従来の技術】有機エレクトロルミネッセント(有機E
L)素子を用いた有機ELカラー画像表示装置(以降、
「有機ELディスプレイ」と言う。)には、(1)三原
色の各々の色に発光する有機EL素子を配列した有機E
Lディスプレイ、および(2)白色に発光する有機EL
素子と、配列された三原色のカラーフィルターを組み合
わせた有機ELディスプレイ以外に、(3)有機EL素
子としては、例えば、青色発光のもののみを使用し、青
→緑、および青→赤に、それぞれカラー変換する蛍光体
からなるカラー変換物質(CCM;Color Cha
nging Media)層を組み合わせたCCM方式
の有機ELディスプレイ等がある。
【0003】代表的なCCM方式の有機ELディスプレ
イにおいては、有機EL素子としては、青色に発光する
もののみを使用するので、(1)の有機ELディスプレ
イにおけるように、各色の有機EL素子の特性を揃える
必要が無く、また、(2)の有機ELディスプレイにお
けるように、三原色のカラーフィルターで色分解する際
の白色光の利用率が低い欠点が解消され、CCMの変換
効率を高めることにより、ディスプレイの輝度を向上さ
せることが可能で注目されている。
【0004】しかし、この方式において、基板上に、電
子注入層、発光層、および正孔注入層等を順次設ける等
して構成された有機EL素子上に、直接、色変換蛍光体
層や補正用カラーフィルター層をパターン状に形成しよ
うとすると、有機EL素子が破壊されてしまう恐れがあ
る。また、画面サイズの大型化に伴ない、応答の速いア
クティブマトリックス駆動方式を採るときには、有機E
L素子に対応して配列されたTFTが破壊される危険性
がある。
【0005】そこで、有機EL素子の上記の電子注入
層、発光層、および正孔注入層等の形成されていない部
分に支柱を有する構造として、支柱により所定の空隙を
設けることが提案された(特開平11−297477号
公報)。この発明によれば、設けられた空隙の存在によ
り、色変換蛍光体層を介して、有機EL素子やTFTに
外力が及ぶことが抑制されることが一応、期待できるも
のの、有機EL素子の設けられていない部分に支柱を設
けるとは言え、支柱を設ける際に有機EL素子やTFT
に影響が及ぶことを回避できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明におい
ては、上記のようなCCM方式の有機ELディスプレイ
において、支柱を設けて、色変換蛍光体層等と、有機E
L素子やTFTとの間の空隙を設ける際に、有機EL素
子やTFTへの悪影響を排除して、色変換蛍光体層等を
適用可能とすることを課題とする。
【0007】
【課題を解決する手段】発明者の検討により、色変換蛍
光体層等を、有機EL素子やTFTを設けるのとは別の
透明基材上に形成し、色変換蛍光体層等の上に、柱状体
を形成することにより、有機EL素子やTFTを設けた
基板上に適用した際に、空隙を確保できる上、柱状体を
設ける際に有機EL素子やTFTにもたらされる悪影響
を回避することができた。
【0008】第1の発明は、透明基材に色変換蛍光体層
が積層され、さらに、前記透明基材の前記色変換蛍光体
層が積層された側に、前記色変換蛍光体層よりも突出し
た柱状体を有することを特徴とする色変換基材に関する
ものである。第2の発明は、透明基材に色変換蛍光体層
が積層され、さらに、前記透明基材の前記色変換蛍光体
層が積層されたのとは反対側に、柱状体を有することを
特徴とする色変換基材に関するものである。第3の発明
は、第1または第2の発明において、前記柱状体が、有
機質からなることを特徴とする色変換基材に関するもの
である。第4の発明は、第3の発明において、前記柱状
体が熱硬化性樹脂または/および電離放射線硬化性樹脂
の硬化物からなることを特徴とする色変換基材に関する
ものである。第5の発明は、第1または第2の発明にお
いて、前記柱状体が、無機質からなることを特徴とする
色変換基材に関するものである。第6の発明は、第1〜
第5いずれかの発明において、前記色変換蛍光体層の前
記柱状体を有するのとは反対側に補正用カラーフィルタ
ー層が積層されていることを特徴とする色変換基材に関
するものである。第7の発明は、第1〜第6いずれかの
発明において、前記柱状体が、各色の絵素の周囲を囲む
よう形成されていることを特徴とする色変換基材に関す
るものである。第8の発明は、第1〜第7いずれかの発
明において、ブラックマトリックスを伴なうことを特徴
とする色変換基材に関するものである。第9の発明は、
第1〜第8いずれかの発明の色変換基材と、基板上にT
FTが配列され、前記TFT上に前記TFTの各々に対
応する電極層、有機EL素子層、および透明電極層から
なる有機EL素子が順次積層され、前記TFTで駆動さ
れるよう構成された有機EL基板とが、前記有機EL基
板の前記透明電極層上に、前記色変換基材の前記柱状体
が接するようにして積層され、前記透明電極層と前記色
変換蛍光体層との間に空隙が形成されていることを特徴
とする有機ELディスプレイに関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の有機ELディス
プレイの代表的な構造を示す模式的断面図である。本発
明の有機ELディスプレイ1は、色変換基材10と、有
機EL基板20とが柱状体30を介して積層されること
により、色変換基材10と有機EL基板20との間に空
隙40が形成されたものである。なお、以降の図も含
め、図の上側が有機ELディスプレイの観察側、図の下
側が背面側に、それぞれ対応するものとする。
【0010】有機EL基板20は、一例として、基板2
1上にTFT22が配列されて積層されており、各TF
T22に対応して、有機EL素子がTFT上に積層され
たものである。配列された各々のTFT22の間は、何
もないか、絶縁層が充填されている。
【0011】図2に細部を示すように、TFT22は、
一例として、基板21上にゲート電極22aが積層さ
れ、ゲート電極22a上にはゲート電極22aを絶縁す
る絶縁層24bが積層され、絶縁層24b上にソース電
極22d、および電子注入電極22cを備えた多結晶シ
リコン等の活性半導体層22bが積層され、さらに、そ
れらの上に絶縁層24cが積層されることにより平坦化
されて構成されており、TFT22上には、有機EL素
子層23b、およびホール注入電極(透明電極層であ
る。)23cが順に積層されており、図中、右方向に延
長されたTFT22の電子注入電極22cを背面電極層
とする有機EL素子23が構成され、この有機EL素子
23はTFT22により駆動されるよう構成されてい
る。実際に発光するのは、電子注入電極22cの絶縁層
24cで被覆されていない部分であり、後に述べるよう
に、各色の絵素の周囲を囲むよう柱状体を形成すると
は、この実際に発光する部分の周囲を囲むようにするこ
とが好ましい。
【0012】また、色変換基材10は、一例として、図
1に示すように、透明基材11の下面に、ブラックマト
リックス14が積層され、ブラックマトリックス14が
積層されていない部分、即ち、ブラックマトリックス1
4の開孔部に、補正用カラーフィルター層(図では補正
用CF層)12、および色変換蛍光体層13が順に積層
されたものであり、さらに、ブラックマトリックス14
の下面、および色変換蛍光体層13の下面を含む下面の
前面に、オーバーコート層15が積層されて下面が平坦
化されており、さらにオーバーコート層15の下面であ
って、補正用カラーフィルター層12および色変換蛍光
体層13が積層された部分に対応する位置に、補正用カ
ラーフィルター層12および色変換蛍光体層13の一組
あたりに、二つの柱状体30が積層されたものである。
【0013】このように構成された有機ELディスプレ
イを駆動すると、有機EL基板20のTFT22により
有機EL素子23が発光して、上方に向かう光が生じ、
この光は色変換基材10によって色変換され、さらに補
正用カラーフィルター層12によって、色補正されて、
観察側の透明基材11から上方に出光する。色変換基材
10を用いたCCM方式においては、有機EL素子23
の各部分からは、同じ波長成分を有する紫外光、もしく
は青色光、好ましくは青色光が生じるのが普通であり、
従って、色変換蛍光体層13は、例えば、青色光→緑色
光、および青色光→赤色光の変換を行なう部分と、青色
光をそのまま透過させる部分とからなっている。
【0014】本発明において、色変換基材10と有機E
L基板20との間に空隙40を形成させるための柱状体
は、様々な材質で構成でき、また、設ける位置等も様々
であり得る。色変換基材10の構造を示す図3および図
4を引用しながら、柱状体の種々の態様を説明する。
【0015】図3は、図1におけるのと同様、透明基材
11の色変換蛍光体層13等が積層された側に、柱状体
を有する色変換基材10を示すものである。図3(a)
に示す色変換基材10は、図1中に示すものと同じであ
る。図3(b)に示すように柱状体30bは、オーバー
コート層15の下面であって、補正用カラーフィルター
層12および色変換蛍光体層13が積層された部分のほ
ぼ中央に、補正用カラーフィルター層12および色変換
蛍光体層13の一組あたりに、一つの柱状体30aが積
層されたものである。柱状体の高さは、1μm〜10μ
mが好ましく、より好ましくは2μm〜6μmである。
【0016】このように、柱状体を設ける密度は、色変
換基材の上側からの外力により、色変換基材10が変形
して下層のTFTを損傷しないよう、適宜に決めること
ができ、柱状体30aの断面形状、高さも任意に決める
ことができる。なお、図3(a)および(b)を引用し
て説明した柱状体30aおよび30bは、透明であるこ
とが好ましい。
【0017】図3(c)に示す色変換基材10において
は、柱状体30cは、オーバーコート層15の下面であ
って、ブラックマトリックス14が積層された位置に対
応する位置に積層されたものである。この図3(c)を
引用した例においては、柱状体30bは、有機EL素子
からの光が透過しない部分に配置されているので、映像
に与える影響が無く、好ましい。また、この場合、柱状
体30cは、透明であっても、あるいは透明でなくても
よい。
【0018】図3(d)に示す色変換基材10において
は、柱状体30cは、ブラックマトリックスが、オーバ
ーコート15の下面に突出するよう、丈が高く形成さ
れ、柱状体30dとされたものである。従って、柱状体
30dは、ブラックマトリックス14に重ねて、ブラッ
クマトリックス14とは異なる素材で形成されたもので
あってもよいが、ブラックマトリックスと同様な素材で
構成され、ブラックマトリックスを高くしたものであっ
てもよい。なお、図3(a)〜(d)を引用して説明し
た柱状体30の種々の配置のやり方は、任意に併用する
ことができる。
【0019】図3に示す色変換基材10においては、透
明基材11の色変換蛍光体層13が積層された側に、色
変換蛍光体層よりも突出した柱状体を有するものである
が、本発明の色変換基材10は、透明基材11の前記色
変換蛍光体層13が積層されたのとは反対側に、柱状体
を有するものであってもよい。
【0020】図4(a)に示す色変換基材10’は、透
明基材11の上面に、ブラックマトリックス14が積層
され、ブラックマトリックス14が積層されていない部
分、即ち、ブラックマトリックス14の開孔部に、色変
換蛍光体層13、および補正用カラーフィルター層(図
では補正用CF層)12が順に積層されたものであり、
さらに、ブラックマトリックス14の上面、および色変
換蛍光体層13の上面を含む上面の前面に、オーバーコ
ート層15が積層されて下面が平坦化されており、さら
に透明基材11の下面であって、反対面の補正用カラー
フィルター層12および色変換蛍光体層13が積層され
た部分に対応する位置に、補正用カラーフィルター層1
2および色変換蛍光体層13の一組あたりに、二つの柱
状体30a’が積層されたものであり、丁度、図3
(a)に示す色変換基材10における柱状体30aを、
基材11の上面側に付け替え、補正用カラーフィルター
層12および色変換蛍光体層13の形成順を逆にし、全
体を上下に反転したものに相当する。
【0021】同様に、図4(b)もしくは(c)に示す
色変換基材10’は、それぞれ、対応する図3(b)も
しくは(c)に示す色変換基材10における柱状体30
bもしくは30cを、基材11の上面側に付け替え、補
正用カラーフィルター層12および色変換蛍光体層13
の形成順を逆にし、全体を上下に反転したものに相当す
る。なお、図4(a)および(b)に示す色変換基材1
0’においては、柱状体30a’および30b’は透明
であることが好ましく、図4(c)に示す色変換基材1
0’においては、柱状体30cは、透明であっても、あ
るいは透明でなくてもよい。なお、図4(a)〜(c)
を引用して説明した柱状体30’の種々の配置のやり方
は、任意に併用することができる。
【0022】図3に示す色変換基材10を用いて有機E
Lディスプレイを構成する際には、透明基材11側が上
側であり、図4に示す色変換基材10’を用いて有機E
Lディスプレイを構成する際には、透明基材11側が上
側である。いずれのタイプの色変換基材を用いても、有
機ELディスプレイを構成し得るが、図3に示す色変換
基材10を用いる場合には、有機EL素子と色変換蛍光
体層との間隔が狭く、有機EL素子が発光して生じた光
の減衰を最小限にすることが可能であり、有機ELディ
スプレイ1の観察側が透明基材11となるため、保護機
能を有する上、透明基材11上に、反射防止層、防汚
層、そのほかの機能層やタッチパネルを形成することが
容易である。また、図4に示す色変換基材10’を用い
る場合には、有機EL素子と色変換蛍光体層との間に、
少なくとも透明基材11が介在し、間隔が広くなるが、
色変換蛍光体層、補正用カラーフィルター層、およびブ
ラックマトリックス等を構成する素材が含み得る溶剤や
湿気の影響を透明基材11により遮断することができる
利点がある。なお、図4に示す色変換基材10’の場
合、透明基材11が厚いと、光のクロストークにより、
視野角に問題が発生し、好ましくないので、薄い方が好
ましく、フィルム状であることが好ましい。
【0023】柱状体30は、断面が正四角形等の多角形
である角柱、断面が円である円柱のほか、断面が長方形
であるもの、断面が楕円形であるもの等の様々な形状で
あり得る。柱の上部もしくは下部が太くなったものでも
よい。断面が長方形で、断面の長辺/短辺の比の大き
い、言い換えれば板状のものであってもよい。この場
合、断面の長辺が柱状体の高さに比して十分な大きさの
ある、壁状のものであってもよい。さらに、図5に示す
ように、各色ごとの絵素40に対応して、絵素40の周
囲を囲むように四面の壁が連なった形状の柱状体30
(図5の例では、全体が直方体の箱の底を除去した形状
のもの)であってもよい。実際には、この柱状体は、横
および縦に、それぞれ、aもしくはbのピッチで配列さ
れる。絵素40の配列に合わせて、一列目と二列目を1
/2ピッチずらす等の配列もあり得る。ここで絵素40
とは、カラー画像を構成する単位である画素をさらに色
毎に分けたもので、例えば、赤色、青色、および緑色の
ものである。このように、各絵素40の周囲を囲むよう
に四面の壁が連なった形状の柱状体30を用いると、絵
素40(この発明で言えば、有機EL素子の各々が表示
する。)の方向からの光が柱状体30に遮られ、隣接す
る区域に光がもれるクロストークを確実に防止できる利
点がある。この場合、柱状体30を黒色に形成すれば、
ブラックマトリックスの役目も兼ねることができるが、
光の有効利用の観点からは、二酸化チタンを含む等によ
り、白色化した遮光性材料で柱状体を形成しておくとよ
い。
【0024】本発明の色変換基材10もしくは10’
(以降、符号10で代表させるものとする。)の透明基
材11は、色変換基材10を支える支持体である。図3
に示すように、透明基材11が最上面である場合、さら
に、観察側には、擦傷防止のためのハードコート層、帯
電防止層、汚染防止層、反射防止層、防眩層等が直接積
層されるか、もしくは透明フィルム上に積層されて適用
されていてもよく、あるいは、タッチパネルのような機
能が付加されていてもよい。透明基材11は、大別する
と、ガラスや石英ガラス等の無機質の板状透明基材、も
しくはアクリル樹脂等の有機質の(=合成樹脂製の)板
状透明基材、または、合成樹脂製の透明フィルム状基材
であり得る。厚みのごく薄いガラスも透明フィルム状基
材として利用することができる。透明基材11として
は、透明性および平滑性が高いものが好ましい。透明基
材11がガラス等の場合には、バリア性に問題がない
が、透明基材11がプラスチックフィルムであるとき
は、バリア性が乏しい場合があるので、バリア性層を積
層したものを使用することが好ましい。
【0025】透明基材11を構成する合成樹脂として
は、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ
エーテルスルホン樹脂、メタクリル酸メチル樹脂等のア
クリル樹脂、トリアセチルセルロース樹脂等のセルロー
ス樹脂、エポキシ樹脂、または環状オレフィン樹脂もし
くは環状オレフィン共重合樹脂等を挙げることができ
る。
【0026】本発明の色変換基材10のブラックマトリ
ックス14は、各画素毎に発光する区域を区画すると共
に、発光する区域どうしの境界における外光の反射を防
止し、映像のコントラストを高めるためのもので、通
常、黒色の細線で構成された、縦横の格子状等、もしく
は一方向のみの格子状等のパターン状に形成されたもの
であり、有機ELディスプレイの発光は、このブラック
マトリックス14の開孔部を経由し、観察者に到達する
ものである。ブラックマトリックス14がなくても、有
機ELディスプレイ1は機能を果たし得るが、上記のよ
うな観点で、ブラックマトリックス14を設けることが
多い。
【0027】ブラックマトリックス14は、各画素毎に
発光する区域を区画すると共に、発光する区域どうしの
境界における外光の反射を防止し、映像のコントラスト
を高めるためのもので、通常、黒色の細線で構成され
た、縦横の格子状等、もしくは一方向のみの格子状等の
パターン状に形成されたものであり、有機ELディスプ
レイの発光は、このブラックマトリックス14の開孔部
を経由し、観察側に到達するものであって、以降の各層
の形成は、このブラックマトリックス14を基準に行な
われる。なお、ブラックマトリックス14がなくても、
有機ELディスプレイ1としての働きはなし得るが、上
記のような観点で、ブラックマトリックス5を設けるこ
とが多い。
【0028】ブラックマトリックス14を形成するに
は、まず、透明基材11を十分に洗浄したのち、クロム
等の金属を使用して、蒸着、イオンプレーティング、も
しくはスパッタリング等の各種の方法で金属薄膜を形成
する。この場合、十分に遮光し得る光学濃度、耐洗浄性
および加工特性等を考慮すると、クロムによる金属薄膜
が最も好ましい。形成された金属薄膜からブラックマト
リックス11を形成するためには、通常のフォトリソグ
ラフィー法等を利用することができ、例えば、形成され
た金属薄膜の表面にフォトレジストを塗布し、パターン
マスクで被覆して露光、現像、エッチング、および洗浄
等の各工程を経て、ブラックマトリックス11を形成す
ることができる。また、ブラックマトリックス11は、
無電界メッキ法、もしくは黒色のインキ組成物を用いた
印刷法等を利用しても形成することができる。ブラック
マトリックス11の厚みは、薄膜で形成する場合には、
0.2μm〜0.4μm程度であり、印刷法によるとき
は0.5μm〜2μm程度である。
【0029】本発明の色変換基材10の補正用カラーフ
ィルター層12は、ブラックマトリックス14の開孔部
に対応して設けられるもので、各画素に対応して、赤色
光用、緑色光用、および青色光用の三種類が規則的に配
列したものである。図1では明らかではないが、補正用
カラーフィルター層12の各色の部分は、ブラックマト
リックス5の開孔部毎に設けたものであってもよいが、
便宜的には、図1等における手前側から奥側の方向に帯
状に設けたものであってもよい。CCM方式の有機EL
ディスプレイ1においては、有機EL素子23から発し
た青色光が、色変換蛍光体層13により変換されて赤色
光、緑色光、および青色光の三原色の各光が生じるの
で、一応のカラー映像の再現は可能になるが、これらの
光をさらに補正して、所定の帯域内の光を取り出し、デ
ィスプレイの演色性を高める意味で、補正用カラーフィ
ルター層12を設けることが好ましい。
【0030】補正用カラーフィルター層12の形成は、
所定の色に着色した感光性樹脂組成物を一様に塗布し、
乾燥させた後、所定のパターン露光を行ない、その後、
現像するプロセスを、各色毎に繰返すことによって、行
なうことができる。あるいは、所定の色に着色したイン
キ組成物を形成して用い、各色毎に印刷することによっ
て行なってもよい。補正用カラーフィルタ層12の厚み
は、1μm〜3μm程度である。
【0031】本発明の色変換基材10色変換蛍光体層1
3は、ブラックマトリックス14の開孔部、および補正
用カラーフィルター層12に対応して設けられるもの
で、やはり、各画素毎に、赤色光用、緑色光用、および
青色光用の三種類が規則的に配列したものであるが、こ
のうち、青色光用については、有機EL素子23が、も
ともと青色光を発光するものである場合、色変換を行な
う必要がない。従って、何も設けなくてもよいが、何も
ないと段差が生じるので、実際には、無色透明の素通し
のパターン(ダミーパターン)を形成しておくとよい。
また、色変換蛍光体層13の各部分は、補正用カラーフ
ィルター層12の各色の部分と同様、ブラックマトリッ
クス14の開孔部のみに設けたものであってもよいが、
図1等における手前側から奥側の方向に帯状に設けたも
のであっても、ブラックマトリックス14の開孔部に対
応したものである。
【0032】色変換蛍光体層13の赤色光用、および緑
色光用の部分は、青色を赤色に変換する赤色変換蛍光体
層、および青色を緑色に変換する緑色変換蛍光体層であ
って、それぞれの色変換を行なう赤色変換蛍光色素もし
くは緑色変換蛍光色素を樹脂中に溶解もしくは分散した
組成物で構成される。赤色変換蛍光色素としては、4−
ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルア
ミノスチリル)−4H−ピラン等のシアニン系色素、1
−エチル-2-[4−(p−ジメチルアミノフェニル)−
1,3−ブタジエニル]−ピリジウム−パークロレート
等のピリジン系色素、ローダミンB、もしくはローダミ
ン6G等のローダミン系色素、またはオキサジン系色素
等を例示することができる。
【0033】緑色変換蛍光色素としては、2,3,5,
6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチ
ルキノリジノ(9,9a,1−gh)クマリン、3−
(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマ
リン、もしくは3−(2’−ベンズイミダゾリル)−7
−N,N−ジエチルアミノクマリン等のクマリン色素、
ベーシックイエロー51等のクマリン色素系染料、また
は、ソルベントイエロー11、もしくはソルベントイエ
ロー116等のナフタルイミド系色素等を例示すること
ができる。
【0034】赤色変換蛍光色素、緑色変換蛍光色素とし
ては、さらに、直接染料、酸性染料、塩基性染料、もし
くは分散染料等の各種染料のうちからも蛍光性のあるも
のを選択して使用することができ、赤色変換蛍光色素お
よび緑色変換蛍光色素としては、一種、もしくは二種以
上を併用することができる。
【0035】赤色変換蛍光色素、もしくは緑色変換蛍光
色素を溶解、もしくは分散させる樹脂としては、ポリメ
チルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビ
ニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹
脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル
樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹
脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、マレイン酸樹脂、ポリイミド樹脂、もしくはポリア
ミド樹脂等の透明樹脂を例示することができる。また
は、樹脂としては、アクリレート系、メタクリレート
系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応
性ビニル基を有する電離放射線硬化性樹脂(実際には、
電子線硬化性樹脂もしくは紫外線硬化性樹脂であって、
後者であることが多い。)を使用することもできる。
【0036】色変換蛍光体層13の形成は、上記の赤色
変換蛍光色素、もしくは緑色変換蛍光色素と樹脂とを、
必要に応じ、溶剤、希釈剤、もしくはモノマー等、さら
には、適宜な添加剤と共に混合して、赤色光用、緑色光
用の各区域を形成するための感光性樹脂組成物とした
後、これらの感光性樹脂組成物を一様に塗布し、乾燥さ
せた後、所定のパターン露光を行ない、その後、現像す
るプロセスを、各色毎に繰返すことによって行なうこと
ができる。あるいは、所定の色に着色したインキ組成物
を形成して用い、各色毎に印刷することにより行なって
もよい。色変換蛍光体層13のうち、青色光用の区域の
形成は、上記の感光性樹脂組成物もしくはインキ組成物
から赤色変換蛍光色素、もしくは緑色変換蛍光色素を除
いた組成物を用い、その他は、赤色光用、緑色光用の各
区域を形成するのと同様な手法により行なうことができ
る。色変換蛍光体層における樹脂と、赤色変換蛍光色
素、もしくは緑色変換蛍光色素の割合は、例えば、樹脂
/蛍光色素=100/0.5〜100/5程度である。
なお、以降も含め、配合比、部数、%等は、いずれも質
量基準である。また、色変換蛍光体層13の厚みは、5
μm〜20μm程度であることが好ましい。
【0037】本発明の色変換基材10のオーバーコート
層15は、色変換蛍光体層13、補正用カラーフィルタ
ー層12、およびブラックマトリックス14等が積層さ
れた面にさらに重ねて積層され、その面を平滑化させ、
また、透明基材11が上面側である場合には、色変換蛍
光体層13、補正用カラーフィルター層12、およびブ
ラックマトリックス14等と、有機EL素子23とを隔
離する役割を有する。特に、有機EL素子は、色変換蛍
光体層13により影響されやすいので、オーバーコート
層15が積層されることにより、有機EL素子の寿命が
延長されるからである。ただ、オーバーコート層15
は、有機ELディスプレイ1の表示機能上は必ずしも必
要ではない。
【0038】オーバーコート層15は透明樹脂で構成さ
れ、具体的な樹脂としては、色変換蛍光体層13を構成
する樹脂として前記したものと同様な樹脂を使用し、必
要に応じ、溶剤、希釈剤、もしくはモノマー等、さらに
は、適宜な添加剤と共に混合して、感光性樹脂組成物と
した後、この感光性樹脂組成物を、一様に塗布し、乾燥
させた後、電離放射線を照射して硬化させることによる
か、または、電離放射線硬化性ではない通常の塗料組成
物とした後、適宜なコーティング手段により塗布を行な
った後、乾燥させることによって形成することができ
る。オーバーコート層15の厚みとしては、下層の凹凸
状態にもよるが1μm〜10μmであることが好まし
い。また、オーバーコート層8の上面は、平均粗さ(R
a)が5nm以下であることが好ましい。必要に応じ、
オーバーコート層8の上面には、透明なガスバリア性層
を積層するとよい。
【0039】柱状体30および30’(以降、符号30
で代表させる。)は、好ましくは絶縁性の有機質もしく
は無機質の素材からなるものである。有機質の場合に
は、他の層とのなじみがよく、また、形成時に形成対象
にかかる熱が比較的少なくて済む。また、無機質の場合
には、形成時に形成対象にかかる熱が大きいが、ガラス
基板等の無機系の対象物とのなじみがよく、形成後の柱
状体から、溶剤等が滲出することが無い。有機質として
は、熱可塑性樹脂も使用し得るが、熱硬化性樹脂の硬化
物の方が好ましく、形成の際に、フォトリソグラフィー
によるパターン化が容易であり、得られる柱状体の耐久
性が高い点で、電離放射線硬化性樹脂の硬化物であるこ
とがより好ましい。柱状体を無機質で構成する際には、
酸化ケイ素やケイ素を使用することができる。
【0040】柱状体30を電離放射線硬化性樹脂を用い
て構成する場合には、色変換蛍光体層13を形成する際
に使用し得るものとして挙げた、アクリレート系、メタ
クリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム
系等の反応性ビニル基を有する電離放射線硬化性樹脂
(実際には、電子線硬化性樹脂もしくは紫外線硬化性樹
脂であって、後者であることが多い。)を使用する。
【0041】柱状体30の形成は、柱状体30を有機質
で構成する場合には、上記の樹脂を、必要に応じ、溶
剤、希釈剤、もしくはモノマー等、さらには、適宜な添
加剤と共に混合して、柱状体形成用の塗料組成物もしく
はインキ組成物を調製して用いる。これら組成物が電離
放射線硬化性である場合には、一様に塗布し、乾燥させ
た後、所定のパターン露光を行ない、その後、現像する
プロセスを、行なうことによって柱状体30を形成でき
る。あるいは、インキ組成物を用いて、厚盛りに適した
スクリーン印刷等の手法により、必要に応じて、重ね刷
りすることによって柱状体30を形成してもよい。
【0042】柱状体30を、無機質で構成する場合に
は、蒸着もしくはスパッタリング等の気相成長法により
成膜を行ない、フォトリソグラフィー法により、パター
ン化することによって形成すればよい。
【0043】柱状体30の高さは、柱状体30が他の部
分、例えば、色変換蛍光体層13が露出している場合、
色変換蛍光体層13よりも突出している突出部の高さが
1μm〜10μmであることが好ましい。柱状体30を
図4に示すように、透明基材11に直接に積層する場合
は、柱状体30の高さそのものが1μm〜10μmとな
る。
【0044】本発明の有機EL基板20の基板21とし
ては、TFT23および有機EL素子23を支持するも
ので、先に説明した透明基材11を構成する素材に加
え、金属、石英等、熱硬化性樹脂の硬化物等からなるも
のでよく、自身が絶縁性であるか、絶縁性を付与したも
のを用いる。
【0045】本発明の有機ELディスプレイ1に用いら
れる有機EL基板20は、TFT22上に両面を電極層
で挟まれた有機EL素子層23bからなる有機EL素子
20が積層されたものである。TFT22自体について
は、図1を引用して代表例を説明したが、例えば、多結
晶シリコン膜を用いたものであり、ドレイン電極22c
もしくはソース電極22dが有機EL素子の背面電極層
23aと接続されている。
【0046】背面電極層23aは、有機EL素子層23
bを発光させるための一方の電極をなすものである。背
面電極層23aは、仕事関数が4eV以下程度と小さい
金属、合金、もしくはそれらの混合物から構成される。
具体的には、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、
マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マ
グネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混
合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム
/酸化アルミニウム(Al23)混合物、インジウム、
もしくはリチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等
を例示することができる。これらのうちでも、電子注入
性および電極としての酸化等に対する耐久性を考慮する
と、電子注入型金属と、これより仕事関数の値が大きく
安定な金属である第二金属との混合物が好ましく、例え
ば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニ
ウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミ
ニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、もしく
はリチウム/アルミニウム混合物を用いることがより好
ましい。
【0047】このような背面電極層23aは、シート抵
抗が数百Ω/cm以下であることが好ましく、厚みとし
ては、10nm〜1μm程度が好ましく、より好ましく
は、50〜200nm程度である。
【0048】有機EL素子層23bは、有機ELディス
プレイ1においては青色発光の有機EL素子層であり、
代表的には、(1)発光層単独からなるもの、(2)発
光層の透明電極層側に正孔注入層を設けたもの、(3)
発光層の背面電極層側に電子注入層を設けたもの、
(4)発光層の透明電極層側に正孔注入層を設け、背面
電極層側に電子注入層を設けたもの等の種々の構造のも
のがあり得るが、青色発光が得られる限り、これら以外
の構造のものであってもよい。
【0049】青色発光の有機EL素子層23bは、いず
れの構造を有するものであるにせよ、(a)注入機能、
(b)輸送機能、および(c)発光機能の各機能を併せ
持つものである。(a)の注入機能は、電界を印加した
際に、陽極または正孔注入層より正孔を注入することが
でき、陰極または電子注入層より電子を注入することが
出来る機能であり、(b)の輸送機能は、注入した電荷
(電子および正孔)を電界の力で異動させる機能であ
り、(c)の発光機能は、電子と正孔の再結合の場を提
供し、これを発光につなげる機能である。
【0050】青色発光する発光層を構成する発光材料と
しては、青色から青緑色の発光を得ることが可能なもの
として、特開平8−279394号公報に例示されてい
る、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベン
ゾオキサゾール系等の蛍光増白剤、特開昭63−295
695号公報に開示されている金属キレート化オキシノ
イド化合物、欧州特許第0319881号明細書や欧州
特許第0373582号明細書に開示されたスチリルベ
ンゼン系化合物、特開平2−252793号公報に開示
されているジスチリルピラジン誘導体、もしくは欧州特
許第0388768号明細書や特開平3−231970
号公報に開示された芳香族ジメチリディン系化合等物を
例示することができる。
【0051】具体的には、ベンゾチアゾール系として
は、2−2’−(p−フェニレンジビニレン)−ビスベ
ンゾチアゾール等、ベンゾイミダゾール系としては、2
−[2−[4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル]
ビニル]ベンゾイミダゾール、もしくは2−[2−(4
−カルボキシフェニル)ビニル]ベンゾイミダゾール
等、ベンゾオキサゾール系としては、2,5−ビス
(5,7−ジ−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリ
ル)−1,3,4−チアジアゾール、4,4’−ビス
(5,7−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)ス
チルベン、もしくは2−[2−(4−クロロフェニル)
ビニル]ナフト[1,2−d]オキサゾール等を例示す
ることができる。
【0052】金属キレート化オキシノイド化合物として
は、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ビス
(8−キノリノール)マグネシウム、ビス(ベンゾ
[f]−8−キノリノール)亜鉛等の8−ヒドロキシキ
ノリン系金属錯体、もしくはジリチウムエピントリジオ
ン等、スチリルベンゼン系化合物としては、1,4−ビ
ス(2−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3
−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(4−メチ
ルスチリル)ベンゼン、ジスチリルベンゼン、1,4−
ビス(2−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス
(3−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(2−
メチルスチリル)−2−メチルベンゼン、もしくは1,
4−ビス(2−メチルスチリル)−2−エチルベンゼン
等を例示することができる。
【0053】ジスチリルピラジン誘導体としては、2,
5−ビス(4−メチルスチリル)ピラジン、2,5−ビ
ス(4−エチルスチリル)ピラジン、2,5−ビス[2
−(1−ナフチル))ビニル]ピラジン、2,5−ビス
(4−メトキシスチリル)ピラジン、2,5−ビス[2
−(4−ビフェニル)ビニル]ピラジン、もしくは2,
5−ビス[2−(1−ピレニル)ビニル]ピラジン等、
並びに、芳香族ジメチリディン系化合物としては、1,
4−フェニレンジメチリディン、4,4−フェニレンジ
メチリディン、2,5−キシレンジメチリディン、2,
6−ナフチレンジメチリディン、1,4−ビフェニレン
ジメチリディン、1,4−p−テレフェニレンジメチリ
ディン、9,10−アントラセンジイルジルメチリディ
ン、4,4’−ビス(2,2−ジ−t−ブチルフェニル
ビニル)ビフェニル、4,4’−ビス(2,2−ジフェ
ニルビニル)ビフェニル等、もしくはそれらの誘導体を
例示することができる。
【0054】青色発光する発光層を構成する発光材料と
しては、特開平5−258862号公報等に記載されて
いる一般式(Rs−Q)2−AL−O−Lであらわされ
る化合物を例示することができる(一般式中、Lはベン
ゼン環を含む炭素原子6〜24個の炭化水素であり、O
−Lはフェニラート配位子であり、Qは置換8−キノリ
ノラート配位子であり、Rsはアルミニウム原子に置換
8−キノリノラート配位子が2個以上結合するのを立体
的に妨害するように選ばれた8−キノリノラート環置換
基を表す。)。具体的には、ビス(2−メチル−8−キ
ノリノラート)(パラ−フェニルフェノラート)アルミ
ニウム(III)、もしくはビス(2−メチル−8−キ
ノリノラート)(1−ナフトラート)アルミニウム(I
II)等を例示することができる。
【0055】以上に例示したような材料からなり、青色
発光する発光層の厚みとしては、特に制限はないが、例
えば、5nm〜5μm程度とすることができる。
【0056】正孔注入層を構成する材料としては、従来
より非伝導材料の正孔注入材料として使用されているも
のや、有機EL素子の正孔注入層に使用されている公知
の物の中から任意に選択して使用することができ、正孔
の注入、もしくは電子の障壁性のいずれかを有するもの
であって、有機物、もしくは無機物のいずれであっても
よい。
【0057】具体的に正孔注入層を構成する材料として
は、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イ
ミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラ
ゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン
誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘
導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導
体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベ
ン誘導体、シラザン誘導体、ポリシラン系、アニリン系
共重合体、もしくはチオフェンオリゴマー等の導電性高
分子オリゴマー等を例示することができる。さらに正孔
注入層の材料としては、ポリフィリン化合物、芳香族第
三級アミン化合物、もしくはスチリルアミン化合物等を
例示することができる。
【0058】具体的には、ポルフィリン化合物として
は、ポルフィン、1,10,15,20−テトラフェニ
ル−21H,23H−ポルフィン銅(II)、アルミニ
ウムフタロシアニンクロリド、もしくは銅オクタメチル
フタロシアニン等、芳香族第三級アミン化合物として
は、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−
ジアミノフェニル、N,N’−ジフェニル−N,N’−
ビス−(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニ
ル]−4,4’−ジアミン、4−(ジ−p−トリルアミ
ノ)−4’−[4(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]
スチルベン、3−メトキシ−4’−N,N−ジフェニル
アミノスチルベンゼン、4,4’−ビス[N−(1−ナ
フチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル、もしくは
4,4’,4”−トリス[N−(3−メチルフェニル)
−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン等、を例示
することができる。
【0059】以上に例示したような材料からなる正孔注
入層の厚みとしては、特に制限はないが、例えば、5n
m〜5μm程度とすることができる。
【0060】電子注入層を構成する材料としては、ニト
ロ置換フルオレン誘導体、アントラキノジメタン誘導
体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘
導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸
無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導
体、アントラキノジメタンおよびアントロン誘導体、オ
キサジアゾール誘導体、もしくはオキサジアゾール誘導
体のオキサジアゾール環の酸素原子をイオウ原子に置換
したチアゾール誘導体、電子吸引基として知られている
キノキサリン環を有したキノキサリン誘導体、トリス
(8−キノリノール)アルミニウム等の8−キノリノー
ル誘導体の金属錯体、フタロシアニン、金属フタロシア
ニン、もしくはジスチリルピラジン誘導体等を例示する
ことができる。
【0061】以上に例示したような材料からなる電子注
入層の厚みとしては、特に制限はないが、例えば、5n
m〜5μm程度とすることができる。
【0062】透明電極層23cは、背面電極層23aと
の間にはさんだ有機EL素子層23bに電圧をかけ、所
定の位置で発光を起こさせるためのものである。透明電
極層23は、透明性および導電性を有する金属酸化物の
薄膜で構成されるのが普通であり、具体的には、金属酸
化物として、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジ
ウム、酸化亜鉛、もしくは酸化第2錫を例示することが
でき、層のシート抵抗が数百Ω/cm以下であることが
好ましく、厚みとしては、10nm〜1μm程度である
ことが好ましい。透明電極層23cは、上記のような金
属酸化物の一様な薄膜を形成後に、フォトエッチングに
より不要部を除去することにより形成することが好まし
い。
【0063】柱状体30を有する色変換基材10と有機
EL基板20とは、色変換基材10の柱状体30のある
側を下側にして有機EL基板20上に重ね、色変換基材
10と有機EL基板20とを密着させることにより、柱
状体30が介在することにより、空隙40が形成された
有機ELディスプレイを得ることができる。
【0064】色変換基材10と有機EL基板20との密
着は、周縁部の接着、機械的固定によってもよいが、色
変換基材10と有機EL基板20との間に透明な接着剤
組成物を充填することによって行なうことが好ましく、
このようにすると、接着剤組成物が充填されていない場
合にくらべ、色変換基材10の上部から外力が加えられ
ても、色変換基材10が変形して有機EL基板20上に
接触することが抑制される利点が生じる。また、粘着剤
組成物を充填した場合には、色変換基材10の上部の一
部に外力が加えられても、色変換基材10に加わる力が
種々の方向、位置に分散するので、有機EL基板10の
一部に大きな力が加わることがない利点が生じる。
【0065】
【実施例】(実施例)透明基板として、ガラス板(厚さ
=1.1mm、米国・コーニング社製)を用い、その上
に金属クロムを1500Åの膜厚でスパッタ法にて成膜
した。更に、この上にレジスト(シップレ−社製、商品
名;「AZ1350SF」)を6000Åの膜厚で塗布
し、温度;90℃のホットプレ−ト上で5分間加熱し、
所定のパタ−ンを介して、水銀ランプで露光した。次い
で専用現像液で現像し、ブラックマトリックスを形成す
るためのレジスト画像を形成した。当該基板を1%硫酸
セリウムアンモニウム水溶液中に浸漬して余分な部位に
あるクロムをエッチングし、レジストを剥離して、クロ
ムによるブラックマトリックスを形成した。
【0066】次に、着色感光性樹脂として、べンジルメ
タクリレ−ト・メタクリル酸共重合物と4−(p−N.
N−〔ジエトキシカルポニルメチル〕)−2.6−ジ
(トリクロロメチル)−S−トリアジンを主体とした感
光性樹脂に以下の顔料を分散させて着色感光性樹脂を調
製した。なお、以降においても、特に断らない限り、配
合比、部数、および%の表示は質量基準である。 (感光性樹脂) ・べンジルメタクリレ−ト・メタクリル酸共重合物 30部 (77/23モル比) ・ペンタエリスリト−ルテトラアクリレ−ト 7.7部 ・4−(p−N.N−ジ〔エトキシカルポニルメチル〕)−2.6−ジ(トリ クロロメチル)−S−トリアジン 0.3部 ・ハイドロキノンモノメチルエ−テル 0.01部 ・エチルセルソルブアセテ−ト 62部
【0067】上記の感光性樹脂13部に、赤の顔料C.
I.ピグメントレッドI77とC.I.ピグメントイエ
ロー83( 顔料正味重量比100:20)7部、エチル
セロソルブアセテート80部にて混合して、赤色の着色
感光性樹脂を作成した。次に上記の感光性樹脂13部
に、緑の顔料C.I.ピグメントグリーン36とC.
I.ピグメントイエロ−83の混合物(100:10)
重量部、エチルセロソルブアセテート80部にて混合し
て、緑色の着色感光性樹脂を作成した。更に上記の感光
性樹脂13部に、青の顔料C.I.ピグメントブルー1
5:3とC.I.ピグメントバイオレット23の混合物
(100:5)7部、エチルセロソルブアセテート80
部にて混合して、青色の着色感光性樹脂を作成した。
【0068】上記でブラックマトリックスを形成した基
板上に上記に調製した組成からなる顔料を分散した赤色
の着色感光性樹脂をスピンナ−で2.0μmの膜厚にな
るように塗布し、温度;70℃、5分間の条件でプリベ
−クを行った。その後、2KW超高圧水銀灯を備えたプ
ロキシミティ露光機により、第1色目の着色画素のパタ
ーンを有するフォトマスクを介し赤色の着色感光性樹脂
に対して露光量10mJ/cm2 の露光を行った。な
お、プロキシミティギャップ量は100μmに設定し
た。その後、常温の0.5%炭酸アンモニウム水溶液を
用いて45秒間のスプレー現像を行った後、180℃5
分間の条件でポストベークを行い、第1色目の着色画素
(赤)を形成した。この操作を同様に上記で調製した緑
色の着色感光性樹脂、青色の着色感光性樹脂を用いて、
第2色目、第3色目の着色画素を形成した。
【0069】次に、基板をスクリーン印刷機にセット
し、ストライプ状のパターンが得られる版を用いて、バ
インダー樹脂としてのポリ塩化ビニル樹脂(平均分子量
2万)を、溶剤としてのシクロヘキサノン中に溶解した
インキ(粘度8000cps)をブラックマトリックス
のパターンの間隙に印刷し、80℃でベークして、ダミ
ーパターンを得た。ダミーパターンの膜厚は15μm前
後であった。次に、版をダミーパターンのストライプ配
列に対して垂直方向へ平行移動して、クマリン6と、バ
インダー樹脂としてのポリ塩化ビニル樹脂(平均分子量
2万)とを、クマリン6の配合量をポリ塩化ビニル樹脂
1kgに対し0.03molとなるようにして、溶剤と
してのシクロヘキサノン中に溶解したインキ(粘度80
00cps)をブラックマトリックスの別の間隙に印刷
し、80℃でベークして、蛍光体層Aのパターンを得
た。蛍光体層Aの膜厚は15μm前後であった。次に、
版を蛍光体層Aのパターンのストライプ配列に対してさ
らに垂直方向へ平行移動して、クマリン6と、4%(対
ベンゾグアナミン樹脂)のローダミン6Gおよび4%
(対ベンゾグアナミン樹脂)のローダミンBをベンゾグ
アナミン樹脂中に練り込んだ蛍光顔料と、バインダー樹
脂としてのポリ塩化ビニル樹脂(平均分子量2万)と
を、クマリン6の配合量を、ローダミン6Gおよびロー
ダミンBをベンゾグアナミン樹脂中に練り込んだ蛍光顔
料とポリ塩化ビニル樹脂との合計量1kgに対し0.0
3mol、蛍光顔料の配合量を30%、並びにポリ塩化
ビニル樹脂の配合量を70%となるようにして、これら
を溶剤としてのシクロヘキサノンに溶解したインキ(粘
度8000cps)をブラックマトリックスのパターン
のさらに別の間隙に印刷し、80℃でベークして、蛍光
体層Bのパターンを得た。蛍光体層Bの膜厚は20μm
前後であった。
【0070】次にオーバーコート層としてアクリレート
系光硬化型樹脂(JSR(株)製、商品名;「JNPC
06」、固形物38%)をスピンコートし、温度;80
℃、時間;10分の条件で加熱乾燥した。この状態で高
圧水銀灯を光源とするコンタクト式露光機に装着し、露
光量が600mJ/cm2となる様に紫外線(波長36
5nm)を照射し、さらに温度160℃、時間30分の
条件で熱硬化させた。さらに、透光性媒体として、酸化
ケイ素(SiO2)を基板温度160℃に加熱し、10-
6torrの真空度にてスパッタリングした。膜厚は
0.5μmであった。
【0071】さらに、この透光性媒体層上にポジ型の感
光性レジスト層を、キノンジアジド基含有化合物のポジ
型感光性レジスト(東京応化工業(株)製、OFPRシ
リーズを使用。他に、ヘキストジャパン(株)製、商品
名;「AZシリーズ」、および富士ハント(株)製、商
品名;「HPR」、「MPRシリーズ」等も使用可能で
あった。)を使用し、スピンコーティング法により塗布
して形成した上に、ブラックマトリックス用のフォトマ
スク(柱状体形成領域に対応した非透光部)を介して露
光し、その後、現像し硬化させ、柱状体を備えたCCM
基板を形成した。なお、柱状体は、透光性媒体層(パッ
シベーション層)よりも5μm突出するよう形成した
が、2〜10μm程度としてもよく、突出量は有機EL
ディスプレイのEL表示装置のCCM基板とアクティブ
基板とのギャップ層に要求される厚みから適宜設定する
ことができる。また、柱状体の形状は、図示例では絵素
に対応する田の字形状となっているが、これに限定され
るものではなく、円柱形状、角柱形状、截頭錐体形状等
であってもよい。
【0072】上記のようにして得られた、柱状体を備え
たCCM基板は、TFTアレイ基板と貼り合わせた場
合、柱状体がCCM基板とTFTアレイ基板との間に間
隙を形成し、従来のスペーサーであるガラスビーズやプ
ラスチックビーズを使用した場合に比べて、両基板の間
隙精度は極めて高く、画素部分には柱状凸部が存在しな
いため、表示領域の面積低下による開口率の低下はな
く、かつ、柱状体は遮光性を有するので、コントラスト
比の低下も生じることがないものであった。
【0073】一方、ガラス基板(コーニング社製、品
番;1737)上に、各絵素毎にその端部に多結晶シリ
コンTFTのアレイのパターンを設けた。次に、Alタ
ーゲットを用いたDCスパッタ法により、スパッタ圧力
0.3PaにてAl配線電極を200nmの厚さに成膜し
た。次に、Li2Oをターゲットとして、DCスパッタ
法により、電子注入電極を成膜速度10nm/min
で、150nmの厚さに成膜した。
【0074】次いで、基板を成膜室に移動し、真空蒸着
装置の基板ホルダーに固定して、槽内を1×10-4Pa
以下まで減圧した。そして、トリス(8−キノリノラ
ト)アルミニウムを蒸着速度0.2nm/secで50
nmの厚さに蒸着して、電子注入輸送・発光層とした。
次に、減圧状態を保ったまま、N,N’−ジフェニル−
N,N’−m−トリル−4,4’−ジアミノ−1,1’
−ビフェニル(以下、TPD)を蒸着速度0.2nm/
secで35nmの厚さに蒸着し、ホール輸送層とし
た。次に、減圧状態を保ったまま、4,4’,4”−ト
リス(−N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルア
ミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)を蒸着
速度0.2nm/secで40nmの厚さに蒸着し、ホ
ール注入層とした。これら有機層の全体の厚みは130
nmであった。そして、ITO透明電極(ホール注入電
極)をスパッタ法で85nmの厚さに成膜した。
【0075】これら作製したCCM基板、TFT基板を
貼り合わせて有機ELカラーディスプレイを作製した。
このようにして作製した有機ELカラーディスプレイに
直流電圧を印加し、10mA/cm2の一定電流密度で
連続駆動させた。有機EL構造体は、8V、350cd
/cm2の緑色(発光極大波長λmax=460nm)
の発光が確認できた。青色発光部は、輝度158cd/
cm2で、色座標がx=0.125,y=0.110、
緑色発光部は、輝度2900cd/cm2で、色座標が
x=0.342,y=0.634、赤色発光部は、輝度
70cd/cm 2で、色座標がx=0.644,y=
0.332の発光色が得られた。以上のように、有機E
L多色発光装置を作製し、各色変換層から本来の色の発
光が得られ色ずれ(混色)は見られなかった。
【0076】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、柱状体を色変
換蛍光体層側に有するので、有機ELディスプレイを構
成する際に、色変換蛍光体層側が内側、透明基材側が観
察側となることによって、発光部からの光の減衰が少な
く、表面に保護機能を備えた色変換基材を提供すること
ができる。請求項2の発明によれば、柱状体を透明基材
側に有するので、有機ELディスプレイを構成する際
に、色変換蛍光体層側が外側となることにより、発光部
の有機EL素子への色変換蛍光体層による悪影響を排除
し得る色変換基材を提供することができる。請求項3の
発明によれば、請求項1または請求項2の発明の効果に
加え、印刷法もしくはコーティングおよびリソグラフィ
ーにより柱状体を形成することが可能で、また、柱状体
と他の各層とのなじみがよい色変換基材を提供すること
ができる。請求項4の発明によれば、請求項3の発明の
効果に加え、印刷、もしくは塗布およびリソグラフィー
による柱状体の形成が容易で、得られた柱状体の耐久性
が高い色変換基材を提供することができる。請求項5の
発明によれば、請求項1または請求項2の発明の効果に
加え、形成後の柱状体から、溶剤等が滲出することが無
い等、化学的に安定な柱状体を有する色変換基材を提供
することができる。請求項6の発明によれば、請求項1
〜請求項5いずれかの発明の効果に加え、有機ELディ
スプレイを構成する際に、色変換蛍光体層により変換さ
れた光を、さらに補正して、所定の帯域内の光を取り出
し、ディスプレイの演色性を高めることが可能な色変換
基材を提供することができる。請求項7の発明によれ
ば、柱状体が各色の絵層を囲むよう形成されているため
に、有機ELディスプレイを構成する際に、クロストー
クの防止性の高い色変換基材を提供することができる。
請求項8の発明によれば、請求項1〜請求項7いずれか
の発明の効果に加え、ブラックマトリックスを備えたこ
とにより、有機ELディスプレイを構成する際に、外光
反射を抑制して、映像のコントラスト向上が可能な色変
換基材を提供することができる。請求項9の発明によれ
ば、請求項1〜請求項8いずれかの発明の効果を有する
色変換基材を有機EL基板上に重ねて積層し、柱状体の
介在により空隙を形成したので、色変換基材に外力が加
えられても、有機EL基板に直接、影響がもたらされる
ことを防止でき、しかも、柱状体を色変換基材側に形成
するので、柱状体の形成の際に、有機EL基板上の有機
EL素子やTFTへの影響をなくすことが可能な有機E
Lディスプレイを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機ELディスプレイを示す断面図で
ある。
【図2】有機ELディスプレイの構造を示す断面図であ
る。
【図3】色変換蛍光体層側に柱状体を有する色変換基材
の断面図である。
【図4】色変換蛍光体層とは逆側に柱状体を有する色変
換基材の断面図である。
【図5】柱状体の形状の例を示す模式的な斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 有機ELディスプレイ 10 色変換基材 11 透明基材 12 補正用CF層 13 色変換蛍光体層 14 ブラックマトリックス 15 オーバーコート層 20 有機EL基板 21 基板 30 柱状体 40 絵素 22 TFT 23 有機EL素子 24 絶縁層 30 柱状体 40 空隙

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基材に色変換蛍光体層が積層され、
    さらに、前記透明基材の前記色変換蛍光体層が積層され
    た側に、前記色変換蛍光体層よりも突出した柱状体を有
    することを特徴とする色変換基材。
  2. 【請求項2】 透明基材に色変換蛍光体層が積層され、
    さらに、前記透明基材の前記色変換蛍光体層が積層され
    たのとは反対側に、柱状体を有することを特徴とする色
    変換基材。
  3. 【請求項3】 前記柱状体が、有機質からなることを特
    徴とする請求項1または請求項2記載の色変換基材。
  4. 【請求項4】 前記柱状体が熱硬化性樹脂または/およ
    び電離放射線硬化性樹脂の硬化物からなることを特徴と
    する請求項3記載の色変換基材。
  5. 【請求項5】 前記柱状体が、無機質からなることを特
    徴とする請求項1または請求項2記載の色変換基材。
  6. 【請求項6】 前記色変換蛍光体層の前記柱状体を有す
    るのとは反対側に補正用カラーフィルター層が積層され
    ていることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の色
    変換基材。
  7. 【請求項7】 前記柱状体が、各色の絵素の周囲を囲む
    よう形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項
    6いずれか記載の色変換基材。
  8. 【請求項8】 ブラックマトリックスを伴なうことを特
    徴とする請求項1〜請求項7いずれか記載の色変換基
    材。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項8いずれか記載の色変
    換基材と、基板上にTFTが配列され、前記TFT上に
    前記TFTの各々に対応する電極層、有機EL素子層、
    および透明電極層からなる有機EL素子が順次積層さ
    れ、前記TFTで駆動されるよう構成された有機EL基
    板とが、前記有機EL基板の前記透明電極層上に、前記
    色変換基材の前記柱状体が接するようにして積層され、
    前記透明電極層と前記色変換蛍光体層との間に空隙が形
    成されていることを特徴とする有機ELディスプレイ。
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