JP2003249366A - 有機エレクトロルミネッセント画像表示装置およびその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセント画像表示装置およびその製造方法

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JP2003249366A
JP2003249366A JP2002045694A JP2002045694A JP2003249366A JP 2003249366 A JP2003249366 A JP 2003249366A JP 2002045694 A JP2002045694 A JP 2002045694A JP 2002045694 A JP2002045694 A JP 2002045694A JP 2003249366 A JP2003249366 A JP 2003249366A
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Hiroshi Kubota
博志 久保田
Kenya Miyoshi
建也 三好
Koji Arai
浩次 新井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明電極層の断線がなく、有機エレクトロル
ミネッセンス素子層の安定した発光が得られ、高品質の
画像表示が可能な有機エレクトロルミネッセント画像表
示装置と、このような装置を簡便に製造することを可能
とする製造方法を提供する。 【解決手段】 有機エレクトロルミネッセント画像表示
装置を、透明基材上にカラーフィルタ層、色変換蛍光体
層、透明保護層、透明電極層、有機エレクトロルミネッ
センス素子層、および、背面電極層とを順次設けて備え
たものとし、色変換蛍光体層を覆うように透明基材上に
設けられた透明保護層は色変換蛍光体層の端部により生
じた段差部位を有し、透明電極層は透明基材から色変換
蛍光体層に乗り上げるように透明保護層上に帯状に配設
され、金属導電層が上記段差部位において透明電極層の
少なくとも一部を被覆するように配設されたものとす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機エレクトロルミ
ネッセント画像表示装置とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機のエレクトロルミネッセンス(E
L)素子は、自己発色により視認性が高いこと、液晶デ
ィスプレーと異なり全固体ディスプレーであること、温
度変化の影響をあまり受けないこと、視野角が大きいこ
と等の利点をもっており、近年、画像表示装置の画素等
としての実用化が進んでいる。有機EL素子を用いた画
像表示装置としては、(1)三原色の有機EL素子層を
各発光色毎に所定のパターンで形成したもの、(2)白
色発光の有機EL素子層を使用し、三原色のカラーフィ
ルタを介して表示するもの、(3)青色発光の有機EL
素子層を使用し、蛍光色素を利用した色変換蛍光体層を
設置して、青色光を緑色蛍光や赤色蛍光に変換して三原
色表示をするもの等が提案されている。
【0003】しかし、上記の(1)の有機EL画像表示
装置では、各発色光の取出し効率は高いものの、各色の
有機EL素子の特性を均一にすることが難しく、さら
に、微細なパターンで三原色の有機EL素子層を形成す
る工程が複雑であり、量産化を難しいものとしている。
また、上記の(2)の有機EL画像表示装置では、白色
光を三原色のカラーフィルタで分解すると、三原色の中
の一色の発光効率が白色光の3分の1に低下して取出し
効率が悪く、このため高効率の白色有機EL素子が必要
となるが、十分な輝度を安定して得られる白色有機EL
素子は未だ得られていない。これに対して、上記の
(3)の有機EL画像表示装置では、色変換蛍光体層の
変換効率が光吸収効率と蛍光効率の積で決定されるた
め、光吸収効率と蛍光効率の高い蛍光色素を使用するこ
とにより、変換効率が非常に高い三原色発光が可能であ
る。
【0004】ここで、有機EL素子は、色変換蛍光体層
等から発生する水蒸気、酸素、有機モノマー、低分子成
分等のガスにより劣化するため、色変換蛍光体層上に直
接有機EL素子層を形成することはできず、色変換蛍光
体層を透明保護層で覆って、上記のガスを遮断する必要
がある。そして、この透明保護層上に透明電極を所定の
パターンで形成し、この透明電極上に有機EL素子層、
背面電極層が形成されることになる。また、各色に対応
する蛍光体の変換性能に差があり、所望の色調を得るた
めに各色毎に色変換蛍光体層の厚みを異にする必要があ
る場合、色変換蛍光体層間に段差が生じる。このような
段差が存在すると、有機EL素子層の厚みムラが発生
し、安定した発光が得られないことになるが、上記の透
明保護層を形成することにより、このような段差を解消
することができる。しがたって、有機EL画像表示装置
では、色変換蛍光体層を覆うように形成されている透明
保護層は必須の構成となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、光吸収効率と
蛍光効率の高い色変換蛍光体層を得るためには、色変換
蛍光体層を厚くする必要があり、色変換蛍光体層が厚く
なるほど、その端部での段差が大きくなる。そして、こ
の段差の大きさは、色変換蛍光体層を覆うように形成さ
れている透明保護層に反映される。一方、周辺の端子部
から画素領域まで透明保護層上に形成される帯状の透明
電極層は、一般に真空成膜法により透明電極膜を形成
し、これをパターンエッチングすることにより形成され
る。このため、上記の色変換蛍光体層の端部に生じてい
る透明保護層の段差箇所では、成膜不良や、エッチング
処理時の応力等による切断が生じ易く、透明電極層に断
線が発生し易いという問題がある。
【0006】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、透明電極層の断線がなく、有機エレクト
ロルミネッセンス素子層の安定した発光が得られ、高品
質の画像表示が可能な有機エレクトロルミネッセント画
像表示装置と、このような装置を簡便に製造することを
可能とする製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の有機エレクトロルミネッセント画像
表示装置は、透明基材と、該透明基材上に順次設けられ
たカラーフィルタ層、色変換蛍光体層、透明保護層、透
明電極層、有機エレクトロルミネッセンス素子層、およ
び、背面電極層とを少なくとも備え、前記色変換蛍光体
層を覆うように前記透明基材上に設けられた前記透明保
護層は前記色変換蛍光体層の端部により生じた段差部位
を有し、前記透明電極層は前記透明基材から前記色変換
蛍光体層に乗り上げるように前記透明保護層上に帯状に
配設され、前記段差部位において前記透明電極層の少な
くとも一部を被覆するように金属導電層が配設されてい
るような構成とした。
【0008】本発明の他の態様として、前記金属電極層
は、前記背面電極層と同じ材質からなるような構成とし
た。本発明の他の態様として、前記透明基材と前記カラ
ーフィルタとの間に、所定の開口パターンを有するブラ
ックマトリックスを備えるような構成とした。本発明の
他の態様として、前記有機エレクトロルミネッセンス素
子層は青色発光であり、前記色変換蛍光体層は青色光を
緑色蛍光に変換して発光する緑色変換層と、青色光を赤
色蛍光に変換して発光する赤色変換層とを備えているよ
うな構成とした。
【0009】本発明の有機エレクトロルミネッセント画
像表示装置の製造方法は、透明基材上に複数色の着色層
を色毎に帯状に形成してカラーフィルタ層を設け、前記
カラーフィルタ層上に色変換蛍光体層を設ける工程、該
色変換蛍光体層を覆うように前記透明基材上に透明保護
層を形成し、前記色変換蛍光体層の端部により前記透明
保護層に生じた段差部位を前記透明基材から前記色変換
蛍光体層に乗り上げるように前記透明保護層上に帯状の
透明電極層を形成する工程、該透明電極層と交差するよ
うに所定の間隔を設けて複数の第1隔壁部を形成すると
ともに、前記第1隔壁部に対して直角方向で前記段差部
位に跨る部位に位置し、かつ、前記透明電極層の幅方向
両側に位置するように複数の第2隔壁部を形成する工
程、前記第1隔壁部が形成されている領域に有機エレク
トロルミネッセンス素子層形成用の材料を用いて成膜す
ることにより、前記第1隔壁部をマスクとして前記透明
電極層と交差するように有機エレクトロルミネッセンス
素子層を帯状に形成する工程、前記第1隔壁部および前
記第2隔壁部が形成されている領域に背面電極層形成用
の材料を用いて成膜することにより、前記第1隔壁部を
マスクとして前記有機エレクトロルミネッセンス素子層
上に背面電極層を形成するとともに、前記第2隔壁部を
マスクとして前記段差部位において前記透明電極層の少
なくとも一部を被覆するように金属導電層を形成する工
程、とを有するような構成とした。上記のような本発明
では、金属導電層が透明保護層の段差部位における透明
電極層の厚み不足や断線による導通不良を補修して良好
な導通を確保する作用をなす。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照
しながら説明する。有機エレクトロルミネッセント画像表示装置 図1は、本発明の有機エレクトロルミネッセント(E
L)画像表示装置の一実施形態を示す部分平面図であ
り、図2は図1に示される有機EL画像表示装置のII−
II線における縦断面図であり、図3は図1に示される有
機EL画像表示装置のIII−III線における縦断面図であ
る。尚、図1では、後述する補助電極7、透明電極層8
を示すために、青色有機EL素子層10と背面電極層1
1の一部を切り欠いた状態で示している。図1〜図3に
おいて、有機EL画像表示装置1は、透明基材2と、こ
の透明基材2上に所定の開口パターンを備えたブラック
マトリックス3を介して帯状の赤色着色層4R、緑色着
色層4G、青色着色層4Bからなるカラーフィルタ層4
が設けられている。
【0011】このカラーフィルタ層4上には、赤色変換
蛍光体層5R、緑色変換蛍光体層5Gと青色変換ダミー
層5Bからなる色変換蛍光体層5が形成されている。こ
の色変換蛍光体層5を構成する各層は、赤色着色層4R
上に赤色変換蛍光体層5Rが、緑色着色層4G上に緑色
変換蛍光体層5Gが、青色着色層4B上に青色変換ダミ
ー層5Bがそれぞれ帯状に配設されている。このような
カラーフィルタ層4と色変換蛍光体層5との位置関係を
図4に示す。図4に示される帯状の色変換蛍光体層5の
端部5aでは、段差が生じている。但し、図4では、ブ
ラックマトリックス3、カラーフィルタ層4の状態を示
すために、色変換蛍光体層5の一部を切り欠いた状態で
示している。
【0012】このような色変換蛍光体層5とを覆うよう
に透明保護層6が透明基材2上に設けられ、この透明保
護層6上に補助電極7および透明電極層8が形成されて
いる。図5は、このように補助電極7と透明電極層8が
透明保護層6上に形成されている状態を示す部分平面図
である。図5に示されるように、透明保護層6は色変換
蛍光体層5の端部5aにより生じた段差部位6a(図5
に斜線を付して示した部位)を有している。そして、補
助電極7と透明電極層8は周辺の端子部から中央の画素
領域まで透明保護層6上に帯状に配設され、上記の段差
部位6aにおいて透明基材2(周辺端子部)から色変換
蛍光体層5(画素領域)に乗り上げている。図2では、
上記の段差部位6aにおいて透明電極層8に切断が生じ
ており、透明電極層8の切断端部8a,8bが存在する
ものとして示しているが、段差部位6aにおける透明電
極層8の状態としては、図示のように完全に断線してい
る状態以外に、一部断線している状態、断線していない
ものの膜厚が薄い状態等がある。
【0013】また、本発明の有機EL画像表示装置1で
は、上記のように配設された帯状の透明電極層8と直角
に交差し、ブラックマトリックス3の開口部上に位置す
るように帯状の青色有機EL素子層10と背面電極層1
1とが透明保護層6上に形成されている。また、帯状の
透明電極層8と直角に交差し、ブラックマトリックス3
の遮光部上に位置するように、絶縁層13を介して第1
隔壁部15が透明保護層6上に形成されている。この第
1隔壁部15の上部平面にはダミーの有機EL素子層1
0′と背面電極層11′とが形成されており、これら
は、第1隔壁部15をパターニング手段として利用した
青色有機EL素子層10および背面電極層11の形成に
おいて、帯状のパターンを形成するために、形成材料を
透明電極層8上に到達しないよう第1隔壁部15に付着
させて排除した結果形成されたものである。
【0014】尚、図示例では、絶縁層13は第1隔壁部
15の形成部位のみにストライプ状に設けられている
が、これに限定されるものではなく、透明電極層8と背
面電極層11とが青色有機EL素子層10を介して交差
する各部位(絵素)に開口をもつような格子形状のパタ
ーンからなる絶縁層13であってもよい。
【0015】また、本発明の有機EL画像表示装置1で
は、図1および図2に示すように、上記のように配設さ
れた帯状の透明電極層8のうち、上記の段差部位6aに
位置する透明電極層8を被覆するように金属導電層12
が設けられている。図5では、このように透明電極層8
上に形成されている金属導電層12と段差部位6aとの
位置関係を明確にするために、金属導電層12を2点鎖
線で表示している。これにより、透明電極層8の切断端
部8aと切断端部8bとの間が金属導電層12により補
修されて導通が確保されている(上記の図2を参照)。
また、図1および図2に示されるように、段差部位6a
に跨る部位に位置し、かつ、透明電極層8の幅方向両側
に位置するように複数の第2隔壁部16が、第1隔壁部
15に対して直角方向に形成されている。この第2隔壁
部16の上部平面にはダミーの金属導電層12′が形成
されており、これは、第2隔壁部16をパターニング手
段として利用した金属導電層12の形成において、段差
部位6aに跨るパターンを形成し、かつ、形成材料が隣
り合う透明電極層8間に跨らないよう第2隔壁部16に
付着させて排除した結果形成されたものである。尚、図
示例では、段差部位6aに位置する透明電極層8が金属
導電層12によりほぼ完全に被覆されているが、本発明
ではこれに限定されるものではなく、段差部位6aを跨
るようにして透明電極層8を覆うものであればよく、金
属導電層12の幅は特に制限はない。
【0016】上述のような本発明の有機EL画像表示装
置1では、青色有機EL素子層10で発光された青色光
が、赤色変換蛍光体層5Rにて赤色蛍光とされ、緑色変
換蛍光体層5Gにて緑色蛍光とされ、青色変換ダミー層
5Bでは青色光がそのまま透過し、その後、各色の光は
カラーフィルタ層4にて色補正されて三原色表示がなさ
れる。そして、段差部位6aの透明電極層8の少なくと
も一部を覆うように金属導電層12が形成されているの
で、透明保護層6の段差部位6aを乗り越えるように形
成された透明電極層8に、その形成時の成膜不良(付着
不良)やエッチング処理時の応力等により、導通不良あ
るいは切断が発生していても、この金属導電層12によ
って透明電極層8の良好な導通が確保される。このた
め、透明保護層6上に形成されている帯状の透明電極層
8は、透明基材2から色変換蛍光体層5に乗り上げる段
差部位での断線がなく、信頼性が高く、高品質の画像表
示が可能である。尚、上述の実施形態では、ブラックマ
トリックス3を介してカラーフィルタ4等の各構成層が
設けられているが、ブラックマトリックス3を備えない
形態であってもよい。
【0017】さらに、色変換蛍光体層5は、青色有機E
L素子層10からの青色発光を赤色蛍光、緑色蛍光に変
換する赤色変換蛍光体層5Rと緑色変換蛍光体層5Gを
備えているが、これに限定されるものではなく、発光
(青色)波長よりも長波長の蛍光へ変換できる色変換蛍
光体層を備えるものであればよい。そして、色変換蛍光
体層5からの各色の光を色補正して色純度を高めるカラ
ーフィルタ層4との組み合わせを適正なものに設定する
ことにより、三原色表示を行うことができる。
【0018】次に、本発明の有機EL画像表示装置1の
各構成部材について説明する。有機EL画像表示装置1
を構成する透明基材2は、光透過性を有するガラス材
料、樹脂材料、これらの複合材料からなるものを使用す
ることができる。透明基材2の厚みは、材料、画像表示
装置の使用状況等を考慮して設定することができ、例え
ば、0.2〜2.0mm程度とすることができる。ま
た、カラーフィルタ層4は、色変換蛍光体層5からの各
色の光を色補正して色純度を高めるものである。カラー
フィルタ層4を構成する青色着色層4B、赤色着色層4
R、緑色着色層4Gは、青色有機EL素子層10からの
青色発光、赤色変換蛍光体層5Rからの赤色蛍光、およ
び、緑色変換蛍光体層5Gからの緑色蛍光の特性に応じ
て適宜材料を選択して形成することができ、例えば、ア
ゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系等の顔料の
1種または複数種を感光性樹脂に分散して調製した樹脂
組成物を用いて形成することができる。
【0019】有機EL画像表示装置1を構成する色変換
蛍光体層5のうち、赤色変換蛍光体層5Rおよび緑色変
換蛍光体層5Gは、蛍光色素単体からなる層、あるい
は、樹脂中に蛍光色素を含有した層である。青色発光を
赤色蛍光に変換する赤色変換蛍光体層5Rに使用する蛍
光色素としては、4−ジシアノメチレン−2−メチル−
6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン等
のシアニン系色素、1−エチル−2−[4−(p−ジメ
チルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル]−ピリ
ジウム−パークロレート等のピリジン色素、ローダミン
B、ローダミン6G等のローダミン系色素、オキサジン
系色素等が挙げられる。また、青色発光を緑色蛍光に変
換する緑色変換蛍光体層5Gに使用する蛍光色素として
は、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−
トリフルオロメチルキノリジノ(9,9a,1−gh)
クマリン、3−(2′−ベンゾチアゾリル)−7−ジエ
チルアミノクマリン、3−(2′−ベンズイミダゾリ
ル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン等のクマリ
ン色素、ベーシックイエロー51等のクマリン色素系染
料、ソルベントイエロー11、ソルベントイエロー11
6等のナフタルイミド色素等が挙げられる。さらに、直
接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料等の各種染料
も蛍光性があれば使用することができる。上述のような
蛍光色素は単独、あるいは、2種以上の組み合わせで使
用することができる。赤色変換蛍光体層5Rおよび緑色
変換蛍光体層5Gが樹脂中に蛍光色素を含有したもので
ある場合、蛍光色素の含有量は、使用する蛍光色素、色
変換蛍光体層の厚み等を考慮して適宜設定することがで
きるが、例えば、使用する樹脂に対し0.1〜10重量
%程度とすることができる。
【0020】また、青色変換ダミー層5Bは、青色有機
EL素子層10で発光された青色光をそのまま透過して
カラーフィルタ層4に送るものであり、赤色変換蛍光体
層5R、緑色変換蛍光体層5Gとほぼ同じ厚みの透明樹
脂層とすることができる。赤色変換蛍光体層5Rおよび
緑色変換蛍光体層5Gが樹脂中に蛍光色素を含有したも
のである場合、樹脂としては、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチル
セルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリ塩化ビ
ニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹
脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等の透明(可視光
透過率50%以上)樹脂を使用することができる。ま
た、色変換蛍光体層5のパターン形成をフォトリソグラ
フィー法により行う場合、例えば、アクリル酸系、メタ
クリル酸系、ポリケイ皮酸ビニル系、環ゴム系等の反応
性ビニル基を有する光硬化型レジスト樹脂を使用するこ
とができる。さらに、これらの樹脂は、上述の青色変換
ダミー層5Bに使用することができる。
【0021】このような色変換蛍光体層5の厚みは、赤
色変換蛍光体層5Rおよび緑色変換蛍光体層5Gが青色
有機EL素子層10で発光された青色光を十分に吸収し
蛍光を発生する機能が発現できるものとする必要があ
り、使用する蛍光色素、蛍光色素濃度等を考慮して適宜
設定することができ、例えば、2〜15μm程度とする
ことができ、赤色変換蛍光体層5Rと緑色変換蛍光体層
5Gとの厚みが異なる場合があってもよい。
【0022】有機EL画像表示装置1を構成する透明保
護層6は、色変換蛍光体層5等から発生する水蒸気、酸
素、有機モノマー、低分子成分等のガスを遮断して青色
有機EL素子層10が劣化するのを防止する保護作用
と、色変換蛍光体層5以下の構成により段差(表面凹
凸)が存在する場合に、この段差を解消して平坦化を図
り、青色有機EL素子層10の厚みムラ発生を防止する
平坦化作用をなすものである。このような透明保護層6
は、透明(可視光透過率50%以上)樹脂により形成す
ることができる。具体的には、アクリレート系、メタク
リレート系の反応性ビニル基を有する光硬化型樹脂、熱
硬化型樹脂を使用することができる。また、透明樹脂と
して、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、
ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹
脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、
ポリアミド樹脂等を使用することができる。透明保護層
6は、青色有機EL素子層10と色変換蛍光体層5との
ギャップによる発光漏れを防止する点から、上記の保護
作用、平坦化作用を発現できる範囲で膜厚は薄い方が好
ましく、例えば、0.5〜10μmの範囲とすることが
できる。
【0023】本発明では、上記の透明保護層6上に絶縁
性の透明バリアー層として無機酸化物膜を設けることが
好ましい。この無機酸化物膜は、酸化珪素、酸化アルミ
ニウム、酸化チタン、酸化イットリウム、酸化ゲルマニ
ウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、
酸化ホウ素、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化
鉛、酸化ジルコニウム、酸化ナトリウム、酸化リチウ
ム、酸化カリウム等の1種あるいは2種以上の酸化物を
用いて形成することができ、特に酸化珪素、酸化アルミ
ニウム、酸化チタンが好適に使用できる。無機酸化物膜
の厚みは、バリアー性と透明性とを考慮して0.01〜
200μmの範囲で適宜設定することができる。このよ
うな無機酸化物膜は2層以上の多層構成であってもよ
く、また、窒化珪素等の窒化物を副成分として含有した
ものであってもよい。
【0024】有機EL画像表示装置1を構成する補助電
極7は、一般には、金属材料が用いられ、金、銀、銅、
マグネシウム合金(MgAg等)、アルミニウム合金
(AlLi、AlCa、AlMg等)、金属カルシウム
等を挙げることができる。このような補助電極7は、周
辺の端子部から中央の画素領域までブラックマトリック
ス3の遮光部分上に位置するように配設されている。
【0025】有機EL画像表示装置1を構成する透明電
極層8の材料としては、仕事関数の大きい(4eV以
上)金属、合金、これらの混合物を使用することがで
き、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化イン
ジウム、酸化亜鉛、酸化第二スズ等の導電材料を挙げる
ことができる。この透明電極層8は、周辺の端子部から
中央の画素領域までブラックマトリックス3の開口部分
上および上記補助電極7上に位置するように帯状に配設
されている。このような透明電極層8はシート抵抗が数
百Ω/□以下が好ましく、材質にもよるが、透明電極層
8の厚みは、例えば、10nm〜1μm、好ましくは1
0〜200nm程度とすることができる。
【0026】有機EL画像表示装置1を構成する青色有
機EL素子層10は、発光層単独からなる構造、発光層
の透明電極層8側に正孔注入層を設けた構造、発光層の
背面電極層11側に電子注入層を設けた構造、発光層の
透明電極層8側に正孔注入層を設け、背面電極層11側
に電子注入層を設けた構造等とすることができる。青色
有機EL素子層10を構成する発光層は、以下の機能を
併せ持つものである。 ・注入機能:電界印加時に陽極または正孔注入層より正
孔を注入することができ、陰極または電子注入層より電
子を注入することができる機能 ・輸送機能:注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で
移動させる機能 ・発光機能:電子と正孔の再結合の場を提供し、これを
発光につなげる機能
【0027】このような機能をもつ発光層の材料として
は、例えば、特開平8−279394号公報に開示され
ているベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベ
ンゾオキサゾール系等の蛍光増白剤、金属キレート化オ
キシノイド化合物、スチリルベンゼン系化合物、ジスチ
リルピラジン誘導体、芳香族ジメチリディン系化合物等
を挙げることができる。
【0028】具体的には、2−2′−(p−フェニレン
ジビニレン)−ビスヘンゾチアゾール等のベンゾチアゾ
ール系; 2−[2−[4−(2−ベンゾイミダゾリ
ル)フェニル]ビニル]ベンゾイミダゾール、2−[2
−(4−カルボキシフェニル)ビニル]ベンゾイミダゾ
ール等のベンゾイミダゾール系; 2,5−ビス(5,
7−ジ−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)−
1,3,4−チアジアゾール、4,4′−ビス(5,7
−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)スチルベ
ン、2−[2−(4−クロロフェニル)ビニル]ナフト
[1,2−d]オキサゾール等のベンゾオキサゾール系
等の蛍光増白剤を挙げることができる。
【0029】また、上記の金属キレート化オキシノイド
化合物としては、トリス(8−キノリノール)アルミニ
ウム、ビス(8−キノリノール)マグネシウム、ビス
(ベンゾ[f]−8−キノリノール)亜鉛等の8−ヒド
ロキシキノリン系金属錯体やジリチウムエピントリジオ
ン等を挙げることができる。また、上記のスチリルベン
ゼン系化合物としては、1,4−ビス(2−メチルスチ
リル)ベンゼン、1,4−ビス(3−メチルスチリル)
ベンゼン、1,4−ビス(4−メチルスチリル)ベンゼ
ン、ジスチリルベンゼン、1,4−ビス(2−エチルス
チリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−エチルスチリ
ル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メチルスチリル)−
2−メチルベンゼン、1,4−ビス(2−メチルスチリ
ル)−2−エチルベンゼン等を挙げることができる。
【0030】また、上記のジスチリルピラジン誘導体と
しては、2,5−ビス(4−メチルスチリル)ピラジ
ン、2,5−ビス(4−エチルスチリル)ピラジン、
2,5−ビス[2−(1−ナフチル)ビニル]ピラジ
ン、2,5−ビス(4−メトキシスチリル)ピラジン、
2,5−ビス[2−(4−ビフェニル)ビニル]ピラジ
ン、2,5−ビス[2−(1−ピレニル)ビニル]ピラ
ジン等を挙げることができる。また、上記の芳香族ジメ
チリディン系化合物としては、1,4−フェニレンジメ
チリディン、4,4−フェニレンジメチリディン、2,
5−キシレンジメチリディン、2,6−ナフチレンジメ
チリディン、1,4−ビフェニレンジメチリディン、
1,4−p−テレフェニレンジメチリディン、9,10
−アントラセンジイルジルメチリディン、4,4′−ビ
ス(2,2−ジ−t−ブチルフェニルビニル)ビフェニ
ル、4,4′−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフ
ェニル等、およびその誘導体を挙げることができる。
【0031】さらに、発光層の材料として、特開平5−
258862号公報に記載されている一般式(Rs−
Q)2−AL−O−Lで表される化合物も挙げることが
できる(上記式中、ALはベンゼン環を含む炭素原子6
〜24個の炭化水素であり、O−Lはフェニラート配位
子であり、Qは置換8−キノリノラート配位子であり、
Rsはアルミニウム原子に置換8−キノリノラート配位
子が2個以上結合するのを立体的に妨害するように選ば
れた8−キノリノラート置換基を表す)。具体的には、
ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(パラーフェ
ニルフェノラート)アルミニウム(III)、ビス(2−
メチル−8−キノリノラート)(1−ナフトラート)ア
ルミニウム(III)等が挙げられる。発光層の厚みは特
に制限はなく、例えば、5nm〜5μm程度とすること
ができる。
【0032】正孔注入層の材料としては、従来より光伝
導材料の正孔注入材料として使用されているものや有機
EL素子の正孔注入層に使用されている公知のものの中
から任意のものを選択して使用することがでる。正孔注
入層の材料は、正孔の注入、電子の障壁性のいずれかを
有するものであり、有機物あるいは無機物のいずれであ
ってもよい。具体的には、トリアゾール誘導体、オキサ
ジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリール
アルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導
体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導
体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、
スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒ
ドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、
ポリシラン系、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴ
マー等の誘電性高分子オリゴマー等、を挙げることがで
きる。
【0033】さらに、正孔注入層の材料として、ポリフ
ィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリルア
ミン化合物を挙げることもできる。上記のポリフィリン
化合物としては、ポリフィン、1,10,15,20−
テトラフェニル−21H、23H−ポリフィン銅(I
I)、アルミニウムフタロシアニンクロリド、銅オクタ
メチルフタロシアニン等を挙げることができる。また、
芳香族第三級アミン化合物およびスチリルアミン化合物
としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,
4′−ジアミノフェニル、N,N′−ジフェニル−N,
N′−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビフ
ェニル]−4,4′−ジアミン、4−(ジ−p−トリル
アミノ)−4′−[4(ジ−p−トリルアミノ)スチリ
ル]スチルベン、3−メトキシ−4′−N,N−ジフェ
ニルアミノスチルベンゼン、4,4′−ビス[N−(1
−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル、4,
4′,4″−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N
−フェニルアミノ]トリフェニルアミン等を挙げること
ができる。正孔注入層の厚みは特に制限はなく、例え
ば、5nm〜5μm程度とすることができる。
【0034】また、電子注入層の材料としては、陰極よ
り注入された電子を発光層に伝達する機能を有していれ
ばよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任
意のものを選択して使用することができる。具体的に
は、ニトロ置換フルオレン誘導体、アントラキノジメタ
ン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキ
シド誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカル
ボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタ
ン誘導体、アントラキノジメタンおよびアントロン誘導
体、オキサジアゾール誘導体、上記のオキサジアゾール
環の酸素原子をイオウ原子に置換したチアゾール誘導
体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有
したキノキサリン誘導体、トリス(8−キノリノール)
アルミニウム等の8−キノリノール誘導体の金属錯体、
フタロシアニン、金属フタロシアニン、ジスチリルピラ
ジン誘導体等を挙げることができる。電子注入層の厚み
は特に制限はなく、例えば、5nm〜5μm程度とする
ことができる。
【0035】有機EL画像表示装置1を構成する背面電
極層11の材料としては、仕事関数の小さい(4eV以
下)金属、合金、これらの混合物で形成される。具体的
には、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネ
シウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシ
ウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、
マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化
アルミニウム(Al23)混合物、インジウム、リチウ
ム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。
電子注入性および電極としての酸化等に対する耐久性を
考えると、電子注入性金属と、これより仕事関数の値が
大きく安定な金属である第二金属との混合物が好まし
く、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/
アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合
物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合
物、リチウム/アルミニウム混合物等が挙げられる。こ
のような背面電極層11はシート抵抗が数百Ω/□以下
が好ましく、このため、背面電極層11の厚みは、例え
ば、10nm〜1μm、好ましくは50〜200nm程
度とすることができる。
【0036】有機EL画像表示装置1を構成する金属導
電層12は、上記の背面電極層11と同様の材料により
形成することができ、厚みは、例えば、10nm〜1μ
m、好ましくは50〜200nm程度とすることができ
る。有機EL画像表示装置1を構成する絶縁層13は、
ブラックマトリックス3の遮光部上に位置するように形
成されている。この絶縁層13は、例えば、上述の透明
保護層6と同様の感光性樹脂およびポリイミド樹脂等の
感光性樹脂を用いて形成することができ、厚みは0.3
〜2.0μm程度とすることができる。
【0037】有機EL画像表示装置1を構成する第1隔
壁部15は、後述する本発明の製造方法において、帯状
の透明電極層8と直角に交差するように青色有機EL素
子層10と背面電極層11とを帯状に形成するための隔
壁パターンである。また、第2隔壁部16は、後述する
本発明の製造方法において、帯状の透明電極層8のう
ち、透明保護層6の段差部位6aに位置する透明電極層
8を被覆するように金属導電層12を形成するための隔
壁パターンである。このような第1隔壁部15および第
2隔壁部16は、上述の透明保護層6と同様の感光性樹
脂、または、上記感光性樹脂に染料、顔料、カーボンブ
ラック等を添加した感光性樹脂を使用してフォトリソグ
ラフィー法により形成することができ、高さは2.0〜
10.0μm程度とすることができる。また、第1隔壁
部15の幅は、ブラックマトリックス3の遮光部の幅等
に応じて設定することができ、通常、10〜100μm
程度とすることができ、第2隔壁部16の幅は、帯状の
透明電極層8の形成間隔や幅、形成しようとする金属導
電層12の幅等を考慮して設定でき、通常、第1隔壁部
15の幅と同一に設定することができる。
【0038】有機エレクトロルミネッセント画像表示装
置の製造方法 次に、本発明の有機エレクトロルミネッセント(EL)
画像表示装置の製造方法の一実施形態を、上述の有機E
L画像表示装置1を例として図面を参照しながら説明す
る。 (1) 本発明の製造方法の最初の工程では、図6に示
すように、透明基材2上にブラックマトリックス3を介
してカラーフィルタ層4を形成する。その後、カラーフ
ィルタ層4上に帯状の赤色変換蛍光体層5R、緑色変換
蛍光体層5Gと青色変換ダミー層5Bからなる色変換蛍
光体層5を形成する(上記の図4参照)。尚、図6で
は、ブラックマトリックス3の状態を示すために、赤色
着色層4Rの一部を切り欠いた状態で示している。
【0039】ブラックマトリックス3は所定のパターン
で開口部3aと遮光部3bを備えている。このようなブ
ラックマトリックス3は、スパッタリング法、真空蒸着
法等により厚み1000〜2000Å程度のクロム等の
金属薄膜、または、酸化クロム等の金属酸化物薄膜を形
成し、この薄膜をパターニングして形成したもの、カー
ボン微粒子等の遮光性粒子を含有させたポリイミド樹
脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂層を形成し、
この樹脂層をパターニングして形成したもの、カーボン
微粒子、金属酸化物等の遮光性粒子を含有させた感光性
樹脂層を形成し、この感光性樹脂層をパターニングして
形成したもの等、いずれであってもよい。また、カラー
フィルタ層4は、赤色着色層4R、緑色着色層4Gおよ
び青色着色層4Bがそれぞれブラックマトリックス3の
開口部3aを覆うように帯状に配列されており、所望の
着色材を含有した感光性樹脂を使用した顔料分散法によ
り形成することができ、さらに、印刷法、電着法、転写
法等の公知の方法により形成することができる。このよ
うなカラーフィルタ層4の厚みは、各着色層の材料、色
変換蛍光体層5から発光される蛍光等に応じて適宜設定
することができ、例えば、1.0〜2.0μm程度の範
囲で設定することができる。
【0040】色変換蛍光体層5の形成では、赤色変換蛍
光体層5Rが赤色着色層4R上に配設され、緑色変換蛍
光体層5Gが緑色着色層4G上に配設され、青色変換ダ
ミー層5Bが青色着色層4B上に配設されるようにす
る。色変換蛍光体層5を構成する赤色変換蛍光体層5R
と緑色変換蛍光体層5Gは、蛍光色素単体で形成する場
合、例えば、所望のパターンマスクを介して真空蒸着
法、スパッタリング法により帯状に形成することができ
る。また、樹脂中に蛍光色素を含有した層として形成す
る場合、例えば、蛍光色素と樹脂とを分散、または可溶
化させた塗布液をスピンコート、ロールコート、キャス
トコート等の方法で塗布して成膜し、これをフォトリソ
グラフィー法でパターニングする方法、上記の塗布液を
スクリーン印刷法等でパターン印刷する方法等により赤
色変換蛍光体層5Rや緑色変換蛍光体層5Gを形成する
ことができる。また、青色変換ダミー層5Bは、所望の
感光性樹脂塗料をスピンコート、ロールコート、キャス
トコート等の方法で塗布して成膜し、これをフォトリソ
グラフィー法でパターニングする方法、所望の樹脂塗布
液をスクリーン印刷法等でパターン印刷する方法等によ
り形成することができる。
【0041】(2) 本発明の製造方法の次の工程で
は、色変換蛍光体層5を覆うように透明基材2上に透明
保護層6を形成し、その後、上記の色変換蛍光体層5の
端部により透明保護層6に生じた段差部位6aを透明基
材2から色変換蛍光体層5に乗り上げるように、透明保
護層6上に補助電極7と透明電極層8を形成する(上記
の図5参照)。上記の透明保護層6の形成は、上述の使
用材料が液状の場合、スピンコート、ロールコート、キ
ャストコート等の方法で塗布して成膜し、光硬化型樹脂
は紫外線照射後に必要に応じて熱硬化させ、熱硬化型樹
脂は成膜後そのまま硬化させる。また、使用材料がフィ
ルム状に成形されている場合、直接、あるいは粘着剤を
介して貼着することができる。このように色変換蛍光体
層5を覆うように透明基材2上に形成された透明保護層
6は、色変換蛍光体層5の端部5aにより段差部位6a
が生じたものとなる(上記の図2参照)。
【0042】補助電極7および透明電極層8は、上述の
材料を用いて真空蒸着法、スパッタリング法により薄膜
を形成し、これをフォトリソグラフィー法を用いたパタ
ーンエッチングで所望の形状とすることができる。上述
のように透明保護層6には段差部位6aが生じているの
で、補助電極7や透明電極層8の形成時の成膜不良(段
差部分での材料付着不良)、および、パターンエッチン
グ時の応力等による切断が生じ易い。このため、膜厚低
下による高抵抗化、あるいは、断線が発生し易いものと
なる。
【0043】(3) 本発明の製造方法の次の工程で
は、まず、帯状の透明電極層8と直角に交差し、ブラッ
クマトリックス3の遮光部上に位置するようにストライ
プ状の絶縁層13を形成する。次いで、この絶縁層13
上に第1障壁部15を形成するとともに、段差部位6a
に跨る部位に位置し、かつ、透明電極層8の幅方向両側
に位置するように複数の第2隔壁部16を第1隔壁部1
5に対して直角方向に形成する。上記の絶縁層13は、
上述の絶縁材料を用いて真空蒸着法、スパッタリング法
等により薄膜を形成し、これをフォトリソグラフィー法
を用いたパターンエッチングで所望の形状とすることが
できる。
【0044】また、第1障壁部15および第2隔壁部1
6は、上述の感光性樹脂材料をスピンコート、ロールコ
ート、キャストコート等の方法で塗布して成膜し、これ
をフォトリソグラフィー法でパターニングして形成する
ことができる。このように形成された第1障壁部15
は、ブラックマトリックス3の遮光部上に位置する。し
たがって、ブラックマトリックス3の開口部3aに位置
している透明電極層8は、第1障壁部15が形成されず
に露出しているものとなる。また、第2隔壁部16は、
透明保護層6の段差部位6aに跨る部位に位置している
透明電極層8の所望の部位を露出させている。
【0045】(4) 本発明の製造方法の次の工程で
は、第1隔壁部15が形成されている領域に有機エレク
トロルミネッセンス素子層形成用の材料を用いて成膜す
ることにより、第1隔壁部15をマスクとして透明電極
層8と交差するように青色有機EL素子層10を帯状に
形成する(上記の図1および図2参照)。青色有機EL
素子層10の形成は、上述した発光層材料を用いて真空
蒸着法、インクジェット等の印刷法等により成膜して形
成することができる。この方法では、画像表示領域に相
当する開口部を備えたフォトマスク(周辺部の補助電極
7や透明電極層8からなる電極端子への成膜を防止する
ためのマスク)を介して成膜することによって、第1隔
壁部15がマスクパターンとなり、各隔壁部15間のみ
を発光層材料が通過して透明電極層8に到達することが
できる。これにより、フォトリソグラフィー法等のパタ
ーニングを行うことなく、帯状の青色有機EL素子層1
0を形成することができる。上記のような第1隔壁部1
5を用いた青色有機EL素子層10の形成では、図1お
よび図2に示されるように、複数配列している第1障壁
部15のうち、最も周辺部に位置している第1隔壁部1
5の上部平面に、上記の画像表示領域の端部が位置して
おり、幅方向の約半分(画像表示領域側)のみにダミー
の有機EL素子層10′が形成されている。
【0046】また、青色有機EL素子層10が発光層単
独からなる構造ではなく、発光層の透明電極層8側に正
孔注入層を備えた構造、発光層の背面電極層11側に電
子注入層を備えた構造、発光層の透明電極層8側に正孔
注入層を備え背面電極層11側に電子注入層を備えた構
造とする場合、それぞれ上述の正孔注入層材料、電子注
入層材料を用いて真空蒸着法、インクジェット等の印刷
法等により成膜することにより、上記の発光層と同様
に、帯状パターンを形成することができる。
【0047】(5) 本発明の製造方法の次の工程で
は、第1隔壁部15および第2隔壁部16が形成されて
いる領域に背面電極層形成用の材料を用いて成膜するこ
とにより、第1隔壁部15をマスクとして青色有機EL
素子層10上に背面電極層11を形成するとともに、第
2隔壁部16をマスクとして段差部位6aにおいて透明
電極層8の少なくとも一部を被覆するように金属導電層
12を形成する。上記の背面電極層11および金属導電
層12は、上述した電極材料を用いて真空蒸着法、スパ
ッタリング法等の方法により成膜して形成することがで
きる。ここでは、第1隔壁部15がマスクパターンとな
り、各隔壁部15間のみを電極材料が通過して青色有機
EL素子層10上に到達することができる。そして、フ
ォトリソグラフィー法等のパターニングを行う必要がな
いので、青色有機EL素子層10の特性を劣化させるこ
とがない。
【0048】また、第2隔壁層16がマスクパターンと
なり、各隔壁部16間のみを電極材料が通過して、透明
保護層6の段差部位6aに位置する透明電極層8を被覆
するように金属導電層12が設けられる。したがって、
上記の透明電極層8の形成時の成膜不良(付着不良)や
エッチング処理時の応力等により、導通不良あるいは切
断が発生していても、この金属導電層12によって透明
電極層8の良好な導通が確保され、信頼性が高く、高品
質の画像表示が可能な有機EL画像表示装置を良好な製
造歩留りで製造することができる。
【0049】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明する。 [実施例]
【0050】ブラックマトリックスの形成 透明基材として、550mm×650mm、厚み0.7
mmのソーダガラス(旭硝子(株)製 SiO2付ソー
ダガラス)を準備した。この透明基材を定法にしたがっ
て洗浄した後、透明基材の片側全面にスパッタリング法
によりクロムの薄膜(厚み0.2μm)を形成し、この
クロム薄膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、
現像、クロム薄膜のエッチングを行って、70μm×2
70μmの長方形状の開口部を100μmピッチでマト
リックス状に備えたブラックマトリックスを形成した。
【0051】カラーフィルタ層の形成 次に、下記組成の3種の着色層用感光性塗料を用いて各
色の着色層を形成した。すなわち、ブラックマトリック
スが形成された上記の透明基材全面に、緑色着色層用の
感光性塗料をスピンコート法により塗布し、プリベーク
(100℃、5分間)を行った。その後、所定の着色層
用フォトマスクを用いて露光した。次いで、現像液
(0.05%KOH水溶液)にて現像を行い、次いで、
ポストベーク(200℃、60分間)を行って、ブラッ
クマトリックスパターンに対して所定の位置に帯状(幅
80μm)の緑色着色層(厚み2.0μm)を形成し
た。
【0052】同様に、赤色着色層の感光性塗料を用い
て、ブラックマトリックスパターンに対して所定の位置
に帯状(幅80μm)の赤色着色層(厚み2.0μm)
を形成した。さらに、青色着色層の感光性塗料を用い
て、ブラックマトリックスパターンに対して所定の位置
に帯状(幅80μm)の青色着色層(厚み2.0μm)
を形成した。 (赤色着色層感光性塗料) ・ジアントラキノニルレッド(Red−177) … 1重量部 ・メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体 … 8重量部 (メチルメタクリレート:メタクリル酸=2:1) ・光重合開始剤 … 1重量部 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガキュア907) ・ジグライム[Bis(2-methoxyethyl)Ether] … 90重量部 (CH3OCH2CH2)2
【0053】 (緑色着色層感光性塗料) ・フタロシアニングリーン(Green−7) … 1重量部 ・メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体 … 8重量部 (メチルメタクリレート:メタクリル酸=2:1) ・光重合開始剤 … 1重量部 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガキュア907) ・ジグライム[Bis(2-methoxyethyl)Ether] … 90重量部 (CH3OCH2CH2)2
【0054】 (青色着色層感光性塗料) ・フタロシアニンブルー(α)(Blue−15:1) … 1重量部 ・メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体 … 8重量部 (メチルメタクリレート:メタクリル酸=2:1) ・光重合開始剤 … 1重量部 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガキュア907) ・ジグライム[Bis(2-methoxyethyl)Ether] … 90重量部 (CH3OCH2CH2)2
【0055】色変換蛍光体層の形成 次に、下記組成の青色変換ダミー層用塗布液、緑色変換
蛍光体層用塗布液、および、赤色変換蛍光体層用塗布液
を調製した。次いで、青色変換ダミー層用塗布液を用い
てスクリーン印刷法により青色着色層上に帯状のパター
ン印刷を行い、ベーク(200℃、60分間)を行っ
た。これにより、青色着色層上に帯状(幅80μm)の
青色変換ダミー層(厚み15μm)を形成した。次い
で、緑色変換蛍光体層用塗布液を用いてスクリーン印刷
法により緑色着色層上に帯状のパターン印刷を行い、ベ
ーク(200℃、60分間)を行った。これにより、緑
色着色層上に帯状(幅80μm)の緑色変換蛍光体層
(厚み15μm)を形成した。同様に、赤色変換蛍光体
層用塗布液を用いて、赤色着色層上に帯状(幅80μ
m)の赤色変換蛍光体層(厚み15μm)を形成した。
【0056】以上により、青色変換ダミー層、緑色変換
蛍光体層、赤色変換蛍光体層からなる色変換蛍光体層を
形成した。 (青色変換ダミー層用塗布液) ・メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体 … 50重量部 (メチルメタクリレート:メタクリル酸=2:1) ・ジグライム[Bis(2-methoxyethyl)Ether] … 50重量部 (CH3OCH2CH2)2
【0057】 (緑色変換蛍光体層用塗布液) ・ベーシックイエロー51 … 3重量部 ・メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体 … 47重量部 (メチルメタクリレート:メタクリル酸=2:1) ・ジグライム[Bis(2-methoxyethyl)Ether] … 50重量部 (CH3OCH2CH2)2
【0058】 (赤色変換蛍光体層用塗布液) ・ローダミンB … 3重量部 ・メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体 … 47重量部 (メチルメタクリレート:メタクリル酸=2:1) ・ジグライム[Bis(2-methoxyethyl)Ether] … 50重量部 (CH3OCH2CH2)2
【0059】透明保護層の形成 次いで、下記組成の透明保護層用塗布液を使用し、スピ
ンコート法により透明基材上に塗布した後、ベーク(2
00℃、60分間)を行った。これにより、上記の色変
換蛍光体層を覆うように透明保護層(厚み10μm)を
形成した。次に、上記の透明保護層上にスパッタリング
法により酸化珪素膜(厚み0.2μm)を形成した。 (透明保護層用塗布液) ・メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体 … 18重量部 (メチルメタクリレート:メタクリル酸=2:1) ・光重合開始剤 … 2重量部 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガキュア907) ・ジグライム[Bis(2-methoxyethyl)Ether] … 80重量部 (CH3OCH2CH2)2
【0060】補助電極の形成 次に、上記の透明保護層上の全面にスパッタリング法に
よりアルミニウム薄膜(厚み0.2μm)を形成し、こ
のアルミニウム薄膜上に感光性レジストを塗布し、マス
ク露光、現像、アルミニウム薄膜のエッチングを行っ
て、補助電極を形成した。この補助電極は、透明基材上
から色変換蛍光体層上に乗り上げるようなストライプ状
のパターンであり、色変換蛍光体層上では幅15μmで
ブラックマトリックスの遮光部上に位置し、透明基材周
縁部の端子部では幅が80μmのものとした。
【0061】透明電極層の形成 次いで、上記の補助電極を覆うように透明保護層上にス
パッタリング法により膜200nmの酸化インジウムス
ズ(ITO)電極膜を形成し、このITO電極膜上に感
光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、ITO電極
膜のエッチングを行って、透明電極層を形成した。この
透明電極層は、透明基材上から色変換蛍光体層上に乗り
上げるような幅80μmの帯状パターンであり、色変換
蛍光体層上ではカラーフィルタ層の各着色層上に位置す
るとともに、上記の補助電極に重なるものであった。上
述の補助電極および透明電極層の形成では、色変換蛍光
体層の端部により透明保護層に生じた段差部位で、補助
電極や透明電極層の形成時の成膜不良、および、パター
ンエッチング時の応力等による断線が発生し、この断線
発生率は204/5520であった。
【0062】絶縁層と第1隔壁部および第2隔壁部の形
次いで、上記の透明電極層を覆うように下記組成の絶縁
層用塗料をスピンコート法により全面に塗布し、プリベ
ーク(100℃、5分間)を行った。その後、所定の絶
縁層用フォトマスクを用いて露光し、現像液(0.05
%KOH水溶液)にて現像を行い、次いで、ポストベー
ク(200℃、60分間)を行って、透明保護層上に絶
縁層(厚み2μm)を形成した。この絶縁層は、ブラッ
クマトリックスと同一のパターンであり、ブラックマト
リックスの遮光部上に位置するものとした。 (絶縁層用塗料) ・メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体 … 9重量部 (メチルメタクリレート:メタクリル酸=2:1) ・光重合開始剤 … 1重量部 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガキュア907) ・ジグライム[Bis(2-methoxyethyl)Ether] … 90重量部 (CH3OCH2CH2)2
【0063】次に、下記組成の隔壁部用塗料をスピンコ
ート法により絶縁層を覆うように全面に塗布し、プリベ
ーク(100℃、5分間)を行った。その後、所定の隔
壁部用フォトマスクを用いて露光し、現像液(0.05
%KOH水溶液)にて現像を行い、次いで、ポストベー
ク(200℃、60分間)を行った。これにより、絶縁
層上に第1隔壁部を形成した。この第1隔壁部は、高さ
5.0μm、下部(絶縁層側)の幅15μm、上部の幅
20μmである形状を有するものであった。また、透明
保護層の段差部位に跨る部位に位置し、かつ、透明電極
層の幅方向両側に位置するように複数の第2隔壁部を第
1隔壁部15に対して直角方向に形成した。この第2隔
壁部は、長さ500μm、高さ5.0μm、下部(絶縁
層側)の幅15μm、上部の幅20μmである形状を有
するものであった。
【0064】 (隔壁部用塗料) ・カーボンブラック … 0.1重量部 ・メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体 …17.9重量部 (メチルメタクリレート:メタクリル酸=2:1) ・光重合開始剤 … 2重量部 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガキュア907) ・ジグライム[Bis(2-methoxyethyl)Ether] … 80重量部 (CH3OCH2CH2)2
【0065】青色有機EL素子層の形成 次いで、上記の隔壁部をマスクとして、真空蒸着法によ
り正孔注入層、発光層、電子注入層からなる青色有機E
L素子層を形成した。すなわち、まず、4,4′,4″
−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル
アミノ]トリフェニルアミンを、画像表示領域に相当す
る開口部を備えたフォトマスクを介して200nm厚ま
で蒸着して成膜し、その後、4,4′−ビス[N−(1
−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルを20
nm厚まで蒸着して成膜することによって、第1隔壁部
がマスクパターンとなり、各隔壁部間のみを正孔注入層
材料が通過して透明電極層上に正孔注入層が形成され
た。同様にして、4,4′−ビス(2,2−ジフェニル
ビニル)ビフェニルを50nmまで蒸着して成膜するこ
とにより発光層とした。その後、トリス(8−キノリノ
ール)アルミニウムを20nm厚まで蒸着して成膜する
ことにより電子注入層とした。このようにして形成され
た青色有機EL素子層は、幅280μmの帯状パターン
として各第1隔壁部間に存在するものであり、第1隔壁
部の上部表面にも同様の層構成でダミーの青色有機EL
素子層が形成された。
【0066】背面電極層の形成 次に、画像表示領域よりも広い開口部を備えたフォトマ
スクを介して上記の第1隔壁部および第2隔壁部が形成
されている領域に真空蒸着法によりマグネシウムと銀を
同時に蒸着(マグネシウムの蒸着速度=1.3〜1.4
nm/秒、銀の蒸着速度=0.1nm/秒)して成膜し
た。これにより、第1隔壁部がマスクとなって、マグネ
シウム/銀混合物からなる背面電極層(厚み200n
m)が青色有機EL素子層上に形成された。この背面電
極層は、幅80μmの帯状パターンとして青色有機EL
素子層上に存在するものであり、第1隔壁部の上部表面
にもダミーの背面電極層が形成された。また、第2隔壁
部がマスクとなって、透明保護層の段差部位に位置する
透明電極層を被覆するようにマグネシウム/銀混合物か
らなる金属導電層(厚み200nm)が形成された。こ
の金属導電層は、80μm×450μmの方形状パター
ンとして透明電極層上に存在するものであり、第2隔壁
部の上部表面にもダミーの金属導電層が形成された。
【0067】以上により、有機EL画像表示装置を得
た。この有機EL画像表示装置の透明電極層と背面電極
層に直流5Vの電圧を印加することにより、透明電極層
と背面電極層とが交差する所望の部位の青色有機EL素
子層を発光させた。そして、色変換蛍光体層で色変換、
あるいは、そのまま透過し、カラーフィルタ層で色補正
された後、透明基材の反対面側で観測される各色の発光
について、CIE色度座標(JIS Z 8701)を
測定した。その結果、CIE色度座標でx=0.64、
y=0.33の赤色発光、CIE色度座標でx=0.3
0、y=0.60の緑色発光、CIE色度座標でx=
0.15、y=0.06の青色発光が確認され、三原色
画像表示が可能であった。
【0068】[比較例]第2隔壁層を形成せず、背面電
極層形成時に使用するフォトマスクとして、青色有機E
L素子層形成時と同じフォトマスクを使用した他は、実
施例と同様にして、有機EL画像表示装置を得た。この
有機EL画像表示装置に実施例と同様に電圧を印加して
画像表示品質を観察したが、透明電極層の断線発生によ
る発光不良が見られ、良好な三原色画像表示は得られな
かった。
【0069】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば透
明保護層の段差部位を乗り越えるように形成された透明
電極層に、その形成時の成膜不良(付着不良)やエッチ
ング処理時の応力等により、導通不良あるいは断線が発
生していても、この段差部位の透明電極層の少なくとも
一部を覆うように形成された金属導電層によって透明電
極層の良好な導通が確保され、これにより、信頼性が高
く、高品質の画像表示が可能な有機エレクトロルミネッ
セント画像表示装置を良好な製造歩留りで製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機エレクトロルミネッセント画像表
示装置の一実施形態を示す部分平面図である。
【図2】図1に示される有機エレクトロルミネッセント
画像表示装置のII−II線における縦断面図である。
【図3】図1に示される有機エレクトロルミネッセント
画像表示装置のIII−III線における縦断面図である。
【図4】本発明の有機エレクトロルミネッセント画像表
示装置におけるカラーフィルタ層と色変換蛍光体層との
位置関係を示す部分平面図である。
【図5】本発明の有機エレクトロルミネッセント画像表
示装置における段差部位と透明電極層と金属導電層の位
置関係を示す部分平面図である。
【図6】本発明の有機エレクトロルミネッセント画像表
示装置の製造方法を説明する図であり、ブラックマトリ
ックスとカラーフィルタ層との位置関係を示す部分平面
図である。
【符号の説明】
1…有機エレクトロルミネッセント画像表示装置 2…透明基材 3…ブラックマトリックス 4…カラーフィルタ層 4R,4G,4B…着色層 5…色変換蛍光体層 5a…色変換蛍光体層の端部 5R…赤色変換蛍光体層 5G…緑色変換蛍光体層 5B…青色変換ダミー層 6…透明保護層 7…補助電極 8…透明電極層 10…有機エレクトロルミネッセンス素子層 11…背面電極層 12…金属導電層 13…絶縁層 15…第1隔壁部 16…第2隔壁部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 浩次 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB04 AB08 AB11 AB18 BB06 DB03 FA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基材と、該透明基材上に順次設けら
    れたカラーフィルタ層、色変換蛍光体層、透明保護層、
    透明電極層、有機エレクトロルミネッセンス素子層、お
    よび、背面電極層とを少なくとも備え、前記色変換蛍光
    体層を覆うように前記透明基材上に設けられた前記透明
    保護層は前記色変換蛍光体層の端部により生じた段差部
    位を有し、前記透明電極層は前記透明基材から前記色変
    換蛍光体層に乗り上げるように前記透明保護層上に帯状
    に配設され、前記段差部位において前記透明電極層の少
    なくとも一部を被覆するように金属導電層が配設されて
    いることを特徴とする有機エレクトロルミネッセント画
    像表示装置。
  2. 【請求項2】 前記金属電極層は、前記背面電極層と同
    じ材質からなることを特徴とする請求項1に記載の有機
    エレクトロルミネッセント画像表示装置。
  3. 【請求項3】 前記透明基材と前記カラーフィルタとの
    間に、所定の開口パターンを有するブラックマトリック
    スを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の有機エレクトロルミネッセント画像表示装置。
  4. 【請求項4】 前記有機エレクトロルミネッセンス素子
    層は青色発光であり、前記色変換蛍光体層は青色光を緑
    色蛍光に変換して発光する緑色変換層と、青色光を赤色
    蛍光に変換して発光する赤色変換層とを備えていること
    を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の
    有機エレクトロルミネッセント画像表示装置。
  5. 【請求項5】 透明基材上に複数色の着色層を色毎に帯
    状に形成してカラーフィルタ層を設け、前記カラーフィ
    ルタ層上に色変換蛍光体層を設ける工程、 該色変換蛍光体層を覆うように前記透明基材上に透明保
    護層を形成し、前記色変換蛍光体層の端部により前記透
    明保護層に生じた段差部位を前記透明基材から前記色変
    換蛍光体層に乗り上げるように前記透明保護層上に帯状
    の透明電極層を形成する工程、 該透明電極層と交差するように所定の間隔を設けて複数
    の第1隔壁部を形成するとともに、前記第1隔壁部に対
    して直角方向で前記段差部位に跨る部位に位置し、か
    つ、前記透明電極層の幅方向両側に位置するように複数
    の第2隔壁部を形成する工程、 前記第1隔壁部が形成されている領域に有機エレクトロ
    ルミネッセンス素子層形成用の材料を用いて成膜するこ
    とにより、前記第1隔壁部をマスクとして前記透明電極
    層と交差するように有機エレクトロルミネッセンス素子
    層を帯状に形成する工程、 前記第1隔壁部および前記第2隔壁部が形成されている
    領域に背面電極層形成用の材料を用いて成膜することに
    より、前記第1隔壁部をマスクとして前記有機エレクト
    ロルミネッセンス素子層上に背面電極層を形成するとと
    もに、前記第2隔壁部をマスクとして前記段差部位にお
    いて前記透明電極層の少なくとも一部を被覆するように
    金属導電層を形成する工程、とを有することを特徴とす
    る有機エレクトロルミネッセント画像表示装置の製造方
    法。
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