JP2003257331A - カラー陰極線管及びその製造方法 - Google Patents

カラー陰極線管及びその製造方法

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JP2003257331A
JP2003257331A JP2002060996A JP2002060996A JP2003257331A JP 2003257331 A JP2003257331 A JP 2003257331A JP 2002060996 A JP2002060996 A JP 2002060996A JP 2002060996 A JP2002060996 A JP 2002060996A JP 2003257331 A JP2003257331 A JP 2003257331A
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frame
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color
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JP2002060996A
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Toshibumi Nakatani
俊文 中谷
Kiyohito Miwa
清仁 三輪
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色選別電極の管軸方向の変位や色選別電極の
開孔の変位による色ずれの防止を図ったカラー陰極線管
及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 弾性部材8は、色選別電極6側に凸にな
るように変形した凸状部を有しており、弾性部材8の熱
膨張係数より大きく、色選別電極6と反対側に凸に湾曲
している調整部材16が、弾性部材8の凸状部と対向す
るように接合されている。このことにより、枠状フレー
ム9の圧縮方向に対する剛性を向上でき、架張工程の枠
状フレーム9の変形量を小さくでき、カラー陰極線管1
の動作時における色選別電極6の管軸方向の変位量を小
さくできる。また、調整部材16の熱膨張係数が弾性部
材8より大きいことにより、温度上昇の安定時におい
て、色選別電極6が蛍光体スクリーン面2a側に変位し
た状態にでき、色選別電極6の熱膨張で生じる開孔ずれ
による色ずれも防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータモニ
タやテレビジョンセット等のディスプレイ装置に用いら
れるカラー陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カラー陰極線管においては、反射
外光の範囲を小さくでき、画像の歪みも防止できるとい
った利点があることからパネルの平面化が進められてい
る。カラー陰極線管では、電子銃から発射される3本の
電子ビームに対して色選別の役割を果たし、複数の開孔
を有する板状の色選別電極(シャドウマスク)が、フレ
ームに固定されて色選別電極構体を形成している。色選
別電極構体は、パネルと対向するように配置されてお
り、パネルの平面化に伴ない、色選別電極も平面に近い
状態で保持される必要がある。
【0003】図8(a)は、従来の色選別電極構体の一
例を、色選別電極と枠状フレームとを分離した状態で図
示した斜視図である。長辺フレーム90に、一対の短辺
フレーム91を溶接により接合して、枠状フレーム92
が形成されている。本図では分離して図示しているが、
フレーム上面90aに、電子ビーム通過孔である開孔9
4が形成された色選別電極93が接合されて色選別電極
構体が形成されることになる。
【0004】この色選別電極93と枠状フレーム92と
の接合は、色選別電極93に矢印a方向に引張力を加
え、枠状フレーム92に矢印b方向に圧縮力を加えた状
態で行ない、色選別電極93は長辺フレーム90間に架
張保持されることになる。この架張保持は、長辺フレー
ム90の底面を支持手段(図示せず)上に載置した状態
で行なう。
【0005】このような、架張保持によれば、電子ビー
ムの射突により色選別電極93が熱膨張しても、色選別
電極93の開孔94と蛍光体スクリーン面の蛍光体との
相互位置のずれを低減させることができ、開孔94を通
過する電子ビームが所定の蛍光体に正しく当たらなくな
り、色むらが発生するというドーミング現象の防止を図
ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ような従来のカラー陰極線管には、以下のような問題が
あった。図8(b)は、カラー陰極線管動作前後におけ
る色選別電極構体の形状変化を示した側面図である。実
線は、カラー陰極線管の動作前の状態、破線はカラー陰
極線管の動作後の状態を示している。前記のように、架
張工程においては、枠状フレーム92には圧縮力が印加
されることになるが、圧縮力の印加時においては、長辺
フレーム90は、長辺フレーム90間の間隔が縮みつ
つ、支持手段上の支点cを中心として回転しながら変位
することになる。
【0007】これに伴って、短辺フレーム91は、実線
で示したように、下側(蛍光体スクリーン面と反対側)
に凸となるように湾曲することになる。この状態で引張
力が印加された色選別電極93が長辺フレーム90に接
合されることになる。
【0008】カラー陰極線管の動作時においては、電子
ビーム射突による色選別電極93の熱膨張により引張力
は低下し、破線で示したように短辺フレーム91の湾曲
は直線に近づくように変位する。このことにより、色選
別電極93は、Δzだけ蛍光面から遠ざかるように移動
する。
【0009】ここで、短辺フレーム91の剛性が低い
と、圧縮力印加による湾曲の程度も大きくなり、これに
伴って、カラー陰極線管の動作時における前記のような
色選別電極93の変位量も大きくなり、電子ビーム軌道
ずれによる色ずれが生じてしまう。
【0010】このため、短辺フレーム91には所定の剛
性が必要となる。短辺フレーム91として、断面積がよ
り大きなものを用いれば、剛性不足による電子ビーム軌
道のずれは、一応の解決となる。しかしながら、この場
合は、重量が大幅に増加しカラー陰極線管内の落下特性
を悪化させるという別の問題が生じてしまう。
【0011】本発明は、前記のような従来の問題を解決
するものであり、色選別電極側に凸になるように変形し
た凸状部を含んだ弾性部材に、弾性部材より熱膨張係数
の大きい調整部材を色選別電極と反対側に凸となるよう
に湾曲させて接合することにより、色選別電極の管軸方
向の変位や色選別電極の開孔の変位による色ずれの防止
を図ったカラー陰極線管及びその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のカラー陰極線管は、対向する一対の支持体
に弾性部材が保持されて枠状に形成された枠状フレーム
と、画面垂直方向に引張力が印加された状態で、前記支
持体に接合された色選別電極とを備え、前記弾性部材
は、前記色選別電極側に凸になるように変形した凸状部
を含んでおり、熱膨張係数が前記弾性部材の熱膨張係数
より大きく、前記色選別電極と反対側に凸になるように
湾曲している調整部材が、前記弾性部材の凸状部と対向
するように接合されていることを特徴とする前記のよう
なカラー陰極線管によれば、弾性部材は色選別電極側に
凸になるように変形した凸状部を備えており、この凸状
部と対向するように、色選別電極と反対側に凸になるよ
うに湾曲した調整部材が接合されているので、色選別電
極に引張力を印加した状態で、色選別電極を枠状フレー
ムに接合する架張工程において、枠状フレームの変形量
を小さくすることができる。このことにより、カラー陰
極線管動作時における色選別電極の管軸方向の変位量を
小さく抑えることができる。あわせて、調整部材の熱膨
張係数が弾性部材の熱膨張係数より大きいことにより、
カラー陰極線管動作による温度上昇の安定時において、
色選別電極が蛍光体スクリーン面側に変位した状態にす
ることができ、色選別電極の熱膨張で生じる開孔の位置
ずれによる電子ビーム軌道の位置ずれも補正できる。
【0013】次に、本発明のカラー陰極線管の製造方法
は、対向する一対の支持体に弾性部材を接合して枠状フ
レームを形成する枠状フレーム組立工程と、前記枠状フ
レームを熱処理する熱処理工程と、画面垂直方向に引張
力を印加した色選別電極を、前記引張力と反対方向の圧
縮力を印加した前記枠状フレームに接合する架張工程と
を備えており、前記弾性部材は、前記枠状フレームに前
記色選別電極を接合した状態において、前記色選別電極
側に凸になるように変形した凸状部を有しており、前記
熱処理工程の前において、熱膨張係数が前記弾性部材の
熱膨張係数より大きい調整部材を、前記弾性部材の凸状
部と対向する位置に、前記色選別電極と反対側に凸にな
るように湾曲した状態で接合することを特徴とする。
【0014】前記のようなカラー陰極線管によれば、色
選別電極側に凸になるように変形した凸状部を含んだ弾
性部材に、調整部材を色選別電極と反対側に凸となるよ
うに湾曲させて接合することにより、熱処理工程後にお
いて、調整部材が色選別電極と反対側に安定して凸にな
る。このため、枠状フレームの圧縮方向に対する剛性を
安定して向上させることができ、次の架張工程におい
て、枠状フレームの変形量を安定して小さくすることが
できる。このことにより、カラー陰極線管動作時におけ
る色選別電極の管軸方向の変位量を小さく抑えることが
できる。あわせて、調整部材の熱膨張係数が弾性部材の
熱膨張係数より大きいことにより、カラー陰極線管動作
による温度上昇の安定時において、色選別電極が蛍光体
スクリーン面側に変位した状態にすることができ、色選
別電極の熱膨張で生じる開孔の位置ずれによる電子ビー
ム軌道の位置ずれも補正できる。
【0015】前記カラー陰極線管の製造方法において
は、前記調整部材は、前記弾性部材に接合する前に、あ
らかじめ湾曲形状が形成されていることが好ましい。前
記のようなカラー陰極線管によれば、調整部材が色選別
電極と反対側に凸になるような接合が容易になる。
【0016】また、前記弾性部材は、前記枠状フレーム
に前記色選別電極を接合した状態において、前記色選別
電極と反対側に凸になるような湾曲部分を備えており、
前記調整部材を前記前記弾性部材の湾曲部分に接合する
ことにより、前記調整部材を前記色選別電極と反対側に
凸になるように湾曲した状態にすることが好ましい。前
記のようなカラー陰極線管によれば、弾性部材への接合
前に調整部材をあらかじめ湾曲させる工程が不要にな
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の一実施形態について説明する。図1(a)は、本発
明の一実施形態に係るカラー陰極線管の断面図を示して
いる。本図に示したカラー陰極線管1は、内面に蛍光体
スクリーン面2aが形成された実質的に長方形状のフェ
イスパネル2と、フェイスパネル2の後方に接続された
ファンネル3とで外囲器が形成されている。ファンネル
3のネック部3aには電子銃4が内蔵されており、電子
銃4から発される電子ビームは、ファンネル3の外周面
上に配置された偏向ヨーク5によって偏向走査される。
【0018】色選別電極(シャドウマスク)6は、電子
銃4から発される3本の電子ビームに対して色選別の役
割を果たすものであり、平板に電子ビーム通過孔である
略スロット形の開孔がエッチングにより多数形成されて
いる。Aは、電子ビーム軌跡を示している色選別電極6
を固定した板状部材の支持体である長辺フレーム7に
は、長手方向の両端部に弾性部材である短辺フレーム8
が接合されている。これら一対の長辺フレーム7及び一
対の短辺フレーム8によって枠状フレーム9が形成され
ている。さらに、この枠状フレーム9とこれに接合され
た色選別電極6とで、色選別電極構体10を形成してい
る。
【0019】また、詳細は後に説明するが、短辺フレー
ム8は、蛍光体スクリーン面2a側に凸になるように変
位した凸状部を有しており、面8bは面8aに対して蛍
光体スクリーン面2a側に変位して段差17を形成して
いる。さらに、この凸状部と対向するように、調整部材
16が配置されており、調整部材16の両端は短辺フレ
ーム8に接合されている。すなわち、短辺フレーム8の
色選別電極6と反対側の面と、調整部材16の色選別電
極6側の面とが空間を介して対向している。
【0020】調整部材11の断面形状、及び接合点(溶
接点)の距離は、色選別電極6の熱膨張で生じる開孔の
位置ずれによる電子ビーム軌道の位置ずれを補正する量
に応じて決定される。
【0021】なお、短辺フレームの凸状部の形状を、図
1(b)に示したような形状としてもよい。本図に示し
た実施形態においても、短辺フレーム8´の凸状部に対
向するように調整部材16´が接合されているが、凸状
部を山形(逆V字形)に折り曲げ頂点を形成した形状と
しており、図1(a)のような面8bが形成されていな
い。
【0022】長辺フレーム7には、板状のスプリング取
付部材11が接合され、このスプリング取付部材11に
はスプリング部材12が接合されている。また、短辺フ
レーム8には板状のスプリング取付部材13が接合され
ており、このスプリング取付部材13にスプリング部材
14が接合されている。なお、図1(b)に示したよう
に、スプリング部材14´をスプリング取付部材を介す
ることなく、短辺フレーム8´に直接接合してもよい。
【0023】色選別電極構体10のフェイスパネル2へ
の固定は、スプリング部材12の取付け穴とフェイスパ
ネル2内面の上下のピン15とを嵌合させ、スプリング
部材14の取付け穴とフェイスパネル2内面の左右のピ
ン(図示せず)とを嵌合させることにより行われてい
る。
【0024】以下、製造工程を説明しながら、本実施形
態について具体的に説明する。図2(a)は、枠状フレ
ーム組立工程を経て形成された枠状フレームの斜視図を
示している。枠状フレーム9は、スプリング取付部材1
1が溶接により接合された一対の対向する長辺フレーム
7に、スプリング取付部材13及び調整部材16が溶接
により接合された一対の短辺フレーム8を溶接により接
合して形成したものである。
【0025】長辺フレーム7は、例えば板厚3〜6mm
程度の材料を略L字状に曲げ加工して形成したものであ
る。また、剛性を確保したまま重量を軽くするため、板
厚1.4〜2mm程度のプレス打ち抜き材料を用いて、
断面形状が三角状となるような曲げ加工部を有したもの
を用いる場合もある。
【0026】短辺フレーム8は、例えば66cm型の色
選別電極を用いた場合、15.5mm角の中実角柱を曲
げ加工したものである。短辺フレーム8には、基準面8
aに対して凸となるように(蛍光体スクリーン面に近づ
くように)変位した凸状部が曲げ加工により形成されて
おり、この凸状部と対向するように、調整部材16が配
置されている。調整部材16の両端は、短辺フレーム8
に溶接により接合されている。
【0027】前記のように、短辺フレーム8に15.5
mm角の中実角柱を用いた場合、調整部材16は例えば
幅15mm、板厚2.5mm、長さ240mmの板状部
材である。
【0028】また、調整部材16の熱膨張係数が、短辺
フレーム8の熱膨張係数より大きい関係を満足する材料
が選定されている。この関係を満足する組み合わせとし
て、短辺フレーム8に鉄材であるSCM415(クロム
モリブデン鋼)、調整部材16にSUS304の組み合
わせがある。
【0029】枠状フレーム9は、フレーム黒化熱処理工
程において、溶接時の加工歪を除去するために、例えば
550℃以上で15分間の条件で熱処理する。本図の状
態は、この熱処理を経た状態である。この状態において
は、調整部材16は、下側(蛍光体スクリーン面と反対
側)に凸となるように湾曲している。
【0030】詳細は後に説明するが、このことにより、
枠状フレーム9は圧縮力(矢印b方向)に対する剛性が
安定して向上し、次の架張工程における圧縮力印加時の
枠状フレーム9の変形量を安定して小さくすることがで
きるので、カラー陰極線管の動作時における色選別電極
の管軸方向の変位量を安定して小さくできる。
【0031】次に、フレーム黒化熱処理工程における作
用について、図3を参照しながら説明する。図3の各図
は、短辺フレーム8の凸状部の側面図を示している。図
3(a)は、調整部材16と短辺フレーム8とが分離し
た状態で図示している。本図のように、分離状態で考え
てみると、破線で示したように、短辺フレーム8は、高
温熱処理による熱膨張により、立ち上がり部分8cは、
長手方向の形状に沿って熱膨張し、水平部分8dは水平
方向に熱膨張する。一方、調整部材16は、破線で示し
たように、湾曲形状に沿って熱膨張する。
【0032】調整部材16、短辺フレーム8のそれぞれ
について、接合点dの間隔を比較してみると、短辺フレ
ーム8の熱膨張係数に比べ、調整部材16の熱膨張係数
が大きいので、短辺フレーム8の接合点間隔L1に比
べ、調整部材16の接合点間隔L2が大きくなってい
る。
【0033】実際には、調整部材16と短辺フレーム8
とは溶接して接合されているので、高温熱処理により、
溶接点dは一体となって変位する。ここで、板状の調整
部材16に比べ、中実角柱の短辺フレーム8の剛性は十
分大きい。したがって、図3(b)の状態は、L1に対
して僅かに伸びた溶接点間隔がL3の剛体に、L3より
長い溶接点間隔L2の調整部材16を、矢印e方向に圧
縮力を印加しつつ、溶接点同士を合わせて接合したのと
同じことと考えることができる。
【0034】このことにより、調整部材16の両端間の
直線距離は、L2からL3へと短くなることになり、図
3(b)の実線で示したように、調整部材16は、破線
で示した熱処理前の状態に比べ、下側に凸になるように
たわむことになる。そして、剛性の低い板状の調整部材
16にはこのたわみにより塑性変形し、熱クリープによ
りこの塑性変形が進行することになる。
【0035】フレーム黒化熱処理工程を終え、常温に戻
した場合は、塑性変形部分は元の状態には戻らないの
で、調整部材16は図3(b)の破線に示した状態にま
では戻らず、破線の状態に比べ、下側に凸になった状態
まで戻ることになる。すなわち、本実施形態によれば、
高温熱処理後における調整部材16の変形方向は安定し
ており、熱処理前に比べ、下側に凸になることになる。
【0036】図3(c)は、比較例に係る短辺フレーム
95の凸状部の側面図を示している。短辺フレーム95
と調整部材96との熱膨張係数の関係については、前記
実施形態と同じであるが、本比較例は、熱処理前におい
て、板状の調整部材96の形状が直線状である点が前記
実施形態と異なる。本図の例においても、板状の調整部
材96に比べ、中実角柱の短辺フレーム95の剛性は十
分大きく、熱膨張により発生した調整部材96の圧縮力
は、図3(b)のL3に相当する両端の溶接点d間で変
形して吸収されることになる。
【0037】しかしながら、この場合の変形は一方向に
は定まらず、一点鎖線97で示したように上側にたわむ
場合と、一点鎖線98で示したように下側にたわむ場合
とがある。いずれの側にたわむかは、材料のくせ(例え
ば、成形時の加工歪、ロール目方向(材料圧延方
向))、溶接時の残留応力等によって左右され、熱処理
前に判断することは容易ではない。
【0038】前記のように、剛性の低い板状の調整部材
96は、この変形により、塑性変形し、熱クリープによ
り、この塑性変形が進行することになる。このため、熱
処理後、常温に戻した際においても、塑性変形部分は元
の形状には戻らず、調整部材96は元の直線状ではな
く、上側又は下側に湾曲した状態になっていることにな
る。したがって、熱処理前の調整部材96が直線状の比
較例に係る構成では、高温熱処理後における調整部材1
6の変形方向は不安定となる。
【0039】フレーム黒化熱処理工程を終えると、ミー
リング工程に移行するのが一般的である。この工程は、
枠状フレーム9の加圧時の変形を見越して、長辺フレー
ム7の上面形状を加圧時に最適になるように切削加工す
るものであり、あわせて長辺フレーム7上面のうねり等
の除去や、溶接を安定して行なうための黒化皮膜の除去
も兼ねているが、必ずしも必須の工程ではない。
【0040】このような前段階処理を経た後、架張工程
へ移行し、色選別電極を枠状フレームに架張保持する。
図2(b)は、色選別電極構体の完成状態の斜視図であ
る。架張工程においては、色選別電極6には引張力(矢
印a方向)を、枠状フレーム10には圧縮力(図2
(a)の矢印b方向)を加えた状態で、色選別電極6を
長辺フレーム7の上面に溶接により接合する。
【0041】このような、架張保持によれば、電子ビー
ムの射突により色選別電極6が熱膨張しても、色選別電
極6の開孔18と蛍光体スクリーン面の蛍光体との相互
位置のずれを低減させることができ、開孔18を通過す
る電子ビームが所定の蛍光体に正しく当たらなくなり、
色むらが発生するというドーミング現象の防止を図るこ
とができる。架張工程後は、図2(b)に示したよう
に、スプリング取付部材11、13にそれぞれ、スプリ
ング部材12、14が溶接により接合される。
【0042】架張工程における作用について、図4を参
照しながら具体的に説明する。図4(a)は、枠状フレ
ーム9の側面図を示している。架張工程においては、枠
状フレーム9には、長辺フレーム7の間隔が縮む方向
(矢印b方向)に圧縮力を加える。この圧縮力の印加
は、長辺フレーム7の底面を支持手段(図示せず)上に
載置した状態で行なう。
【0043】図4(b)は、圧縮力の印加前後における
要部拡大図を示している。実線が圧縮力の印加前の状態
で、破線が圧縮力の印加後の状態である。前記のよう
に、長辺フレーム7の底面は、支持手段上に載置されて
いるので、長辺フレーム7は、支点fを中心として回転
しつつ、長辺フレーム7間の間隔が縮む方向に変位する
ことになる。
【0044】この場合、短辺フレーム8には、曲げモー
メントが加わることになり、枠状フレーム9を全体とし
て見ると、図4(a)の矢印gで示したように、下側
(蛍光体スクリーン面と反対側)に凸となるように湾曲
する。これに伴って、調整部材16も下側に凸となるよ
うに湾曲し、調整部材16の少なくとも下端面には、引
張力(矢印e方向)が印加されることになる。すなわ
ち、枠状フレーム9を矢印g方向の湾曲させるために
は、調整部材16に引張力を加える必要があり、このこ
とは短辺フレーム8の曲げに対する抵抗となり、枠状フ
レーム9の変形が抑えられる。
【0045】すなわち、調整部材16を備えたことによ
り、枠状フレーム9は圧縮力印加に対する剛性が向上す
ることになる。本実施形態によれば、調整部材16を接
合していない構成と比べると、枠状フレームに同じ圧縮
力を加えた場合、枠状フレームの変形量は抑えられるこ
とになる。前記のように、高温熱処理後における調整部
材16の変形方向は安定して下側に凸になるので、枠状
フレーム9の圧縮力印加に対する剛性向上の効果も安定
して得られることになる。
【0046】架張工程を経て、色選別電極構体10が完
成した後は、第2の黒化熱処理工程に移る。この第2の
黒化熱処理工程は、色選別電極6の表面を黒化熱処理す
ることにより、電子ビームが色選別電極6に照射された
際のハレーションを防止することと、ガラスフリット工
程より高い温度設定条件で、色選別電極構体10をあら
かじめ、熱処理しておくものである。このように、いっ
たん高温熱処理を行なった状態の色選別電極構体10を
用いて、蛍光体スクリーン面2aとの位置合わせを行な
っておけば、ガラスフリット工程を経た後においても、
この状態が保たれることになり、色選別電極16と蛍光
体スクリーン面2aとの位置ずれを防止できる。
【0047】次の蛍光体スクリーン面形成工程において
は、パネル2の内面に蛍光体スクリーン面2aを形成す
る。この蛍光体スクリーン面2aの形成は、パネル2の
内面に塗布したフォトレジストを、色選別電極6を露光
マスクとして選択露光することにより、黒色マトリクス
膜と、赤、緑、青の各色蛍光塗膜とを所望の位置に形成
することによって行なう。
【0048】次のガラスフリット工程においては、44
0〜470℃、20分程度の条件下で、パネル2とファ
ンネル3とを熱処理して接合を行う。
【0049】次に、前記のような工程を経て、完成した
カラー陰極線管1の動作について説明する。前記のよう
に架張工程において枠状フレーム9の変形量が抑えられ
ることにより、カラー陰極線管1の動作時には、枠状フ
レーム9の熱膨張による色選別電極6の管軸方向の変位
を抑えることができ、電子ビーム軌道のずれによる色ず
れを防止できるという効果が得られる。
【0050】このことについて、図5を参照しながら具
体的に説明する。図5(a)は、調整部材を接合してい
ない比較例に係る色選別電極構体100の要部側面図で
ある。本図に示した比較例は、調整部材が接合されてい
ないので、調整部材が接合された本実施形態と比べる
と、圧縮力印加に対する剛性が低くなり、架張工程にお
ける短辺フレーム8の変形量も大きくなっている。破線
は、カラー陰極線1の動作前の状態を示している。
【0051】カラー陰極線管1の動作時においては、電
子ビーム射突による色選別電極6の熱膨張により引張力
は低下し、短辺フレーム8は、破線から実線へと、湾曲
部分が直線に近づくように変位する。これに伴って、色
選別電極6も破線から実線へと変位し、変位量Δ1分だ
け蛍光体スクリーン面から遠ざかることになる。
【0052】図5(b)は、本実施形態に係る色選別電
極構体10の要部側面図である。前記比較例と同様に、
カラー陰極線管1の動作時においては、短辺フレーム8
は、破線から実線へと、湾曲部分が直線に近づくように
変位する。これに伴って、色選別電極6も破線から実線
へと変位し、変位量Δ2分だけ蛍光面から遠ざかること
になる。
【0053】しかしながら、本実施形態に係る枠状フレ
ーム9は、調整部材16の接合により圧縮方向に対する
剛性を高めていることにより、図5(a)の比較例に係
る枠状フレーム101に比べ、架張工程における枠状フ
レーム9の変形量は抑えられている。このため、色選別
電極6の変位量Δ2は、比較例に係る変位量Δ1と比べ
ると小さくなる。このことにより、比較例に比べ、温度
上昇時における電子ビームの軌道の位置ずれを小さく抑
えることができる。
【0054】なお、調整部材16を下に凸となるように
接合した効果をより明らかにするために、調整部材16
を本実施形態とは逆に上に凸となるように接合した比較
例1と、調整部材16を下に凸となるように接合した実
施例1とで、比較実験を行なった。実験に用いた色選別
電極は66cm型であり、色選別電極のコーナ部と、色
選別電極中央の水平軸の端部に相当する箇所で、電子ビ
ームの移動量を測定した。
【0055】測定は、温度上昇時(電子ビーム照射開始
から10分後)に行ない、水平軸端部においては、比較
例1の電子ビーム移動量が55〜105μmであったの
に対し、実施例1では50〜70μmと移動量は小さく
なった。また、コーナ部においても、比較例1の電子ビ
ーム移動量が30〜80μmであったのに対し、実施例
1では25〜55μmと移動量は小さくなった。
【0056】このことは、比較例1のように調整部材1
6を上に凸となるように接合した場合は、枠状フレーム
加圧時の曲げモーメントは、調整部材16の湾曲を直線
状に戻すように作用するに止まり、この段階では本実施
形態のように調整部材16に引張力を印加するに至ら
ず、曲げに対する抵抗が小さく剛性向上の効果が小さい
ためと考えられる。
【0057】前記の説明は、架張工程において枠状フレ
ーム9の変形量が抑えられていることによる効果を説明
するために、便宜上調整部材16の熱膨張による色選別
電極6の変位量を含めていないが、本実施形態では、温
度上昇の安定時においては、さらに前記変位量Δ2に、
調整部材16の作用による色選別電極6の逆方向の変位
量が加算されることになる。
【0058】このことについて、図5(c)を参照しな
がら説明する。図5(c)は、調整部材16の熱膨張前
後における色選別電極構体10の要部側面図である。色
選別電極6は、電子ビームの照射により温度上昇するこ
とになるが、時間経過とともに、色選別電極6の熱が、
長辺フレーム7、短辺フレーム8、調整部材16へと伝
わることになる。前記のように、調整部材16の熱膨張
係数は、短辺フレーム8の熱膨張係数より大きい。ま
た、調整部材16は、下に凸の状態で、短辺フレーム8
に接合されている。このため、図3を用いて説明したよ
うに、調整部材16は、温度上昇により湾曲形状に沿っ
た長さ方向に熱膨張することになるが、調整部材16に
比べ、熱膨張係数が小さくかつ剛性の大きい短辺フレー
ム8に両端が接合されているので、調整部材16には圧
縮力が印加され、下に凸となるように変形する。この場
合、調整部材16に発生した圧縮力の反力は、短辺フレ
ーム8と調整部材16との接合点を外側に広げ、上に持
ち上げるように作用する。このことにより、図5(c)
の破線で示したように、スプリング部材14の孔14a
と係合したピンを支点として短辺フレーム8が、蛍光体
スクリーン面2a側に持ち上がるように変位し、これに
伴って色選別電極6は破線から実線へと変位し、変位量
Δ3分だけ蛍光体スクリーン面に近づくことになる。
【0059】したがって、本実施形態においては、カラ
ー陰極線管1の動作時における色選別電極6管軸方向の
変位量は、図5(b)の変位量Δ2に、これと逆方向の
変位量Δ3を加算したものとなる。したがって、変位量
Δ3が変位量Δ2より大きくなるように、枠状フレーム
9を設計すれば、カラー陰極線管1の動作時の安定状態
において、色選別電極6が蛍光体スクリーン面側に変位
する設定も可能となる。
【0060】なお、前記のように、短辺フレーム8の剛
性は、調整部材16の剛性より十分大きいので、変位量
Δ3を大きくすることには限度があるが、本実施形態は
変位量Δ2が小さく抑えられているので、変位量Δ3が
変位量Δ2より大きくなる枠状フレームの設計が可能に
なる。
【0061】ここで、前記のように変位量Δ3を変位量
Δ2より大きくできることにより、本実施形態では、色
選別電極6の熱膨張による開孔位置ずれの補正も可能に
なる。このことについて、以下、具体的に説明する。前
記のように、色選別電極6の架張保持により、カラー陰
極線管1の動作時における色選別電極6の熱膨張による
色選別電極6の変位量を小さくでき、電子ビーム軌道の
ずれによる色ずれを防止できる。
【0062】しかしながら、色選別電極6の熱膨張を完
全に抑えることは困難であり、電子ビームの照射開始
後、色選別電極構体10の温度上昇が安定した状態にお
いて、熱膨張によって、色選別電極6の開孔17が外側
に広がることになる。この場合、電子ビームは、正規の
蛍光体スクリーン面2a(図1)の位置に対して、外側
に到達することになり、色ずれの原因となる。
【0063】変位量Δ3が変位量Δ2より大きくなる
と、動作前の色選別電極6の位置に比べ、動作後の安定
状態における色選別電極6の位置は、蛍光体スクリーン
面2aに近づいていることになる。このことにより、開
孔18に入射した電子ビームの蛍光体スクリーン面2a
への到達位置は、変位前の状態に比べ内側になり、色ず
れが補正されることになる。
【0064】次に、短辺フレーム8の凸状の変位部分に
ついて説明する。このように、短辺フレーム8に凸状の
変位部分を設けたのは、カラー陰極線管1の動作時にお
ける色選別電極6の管軸方向の変位(図5(b)のΔ2
に相当)を小さくするためである。このことについて、
図6を参照しながら説明する。
【0065】以下の説明は、短辺フレーム8の凸状の変
位部分の作用効果を説明するため、調整部材を備えてい
ない例で説明する。図6は、色選別電極構体103、1
04に加わるモーメントを比較するための図であり、そ
れぞれ色選別電極構体103、104の側面を部分的に
示している。図6(a)は、凸状の変位部分が形成され
ていない比較例に係る構成である。図中のz軸の方向は
管軸方向と等しく、上側に向かう方向を正とする。
【0066】いずれの図の場合も、色選別電極6は、前
記の架張工程を経て、長辺フレーム7の上面7aに架張
保持されており、色選別電極6は矢印a方向に引張力が
加わっている。色選別電極6の引張力をFとすると、長
辺フレーム7の上面7aには、引張力Fと同じ大きさの
反力Fが矢印の方向(上面7aが内側に倒れ込む方向)
に加わることになる。なお、スプリング部材12は厚さ
1mm程度のものであり、色選別電極6の熱膨張による
モーメント変化は、すべて枠状体に組み立てられた各枠
状フレームにより決定される。
【0067】各図において、反力Fによるモーメントに
ついてみると、図6(a)に示した比較例の場合は、反
力Fによる短辺フレーム8の中軸上の中心点であるA点
回りのモーメントMは、上面7aから中軸までの最短直
線距離をLとすると、M=F×Lとなる。すなわち、図
6(a)に示した状態では、長辺フレーム7の上面7a
の反力FによるA点回りのモーメントMが加わった状態
でつり合い状態が保たれていることになる。
【0068】このつり合い状態から、カラー陰極線管1
の動作による電子ビームの色選別電極6への射突によ
り、色選別電極6が熱膨張して、引張力Fが小さくなる
と、長辺フレーム7の上面7aの反力によるA点回りの
モーメントMも小さくなり、つり合い状態も変動するこ
とになる。
【0069】図6(a)の場合では、熱膨張による引張
力Fの低下により、一点鎖線で示した位置から実線の位
置に移動し、この状態で再びつり合い状態が保たれるこ
とになる。すなわち、熱膨張により、長辺フレーム7の
上面7aは、z軸の負方向にΔzだけ変位することにな
る。実際には短辺フレーム102はスプリング部材12
の取付け穴12aで拘束されているため、Δzだけz軸
の負方向に変位することになる。
【0070】次に、図6(b)に示した構成の場合につ
いてみると、反力FによるA点回りのモーメントM′
は、上面7aから短辺フレーム8の中軸までの最短直線
距離L′とすると、M′=F×L′となる。本図の場合
は、短辺フレーム8の面8bは、面8aに対して、z軸
の正方向すなわち色選別電極6側に位置している。これ
に伴って、A点もz軸の正方向に変位している。したが
って、距離L′は距離Lに比べ段差17の分短くなって
いるので、L′<Lとなり、M′<Mの関係が成り立
つ。
【0071】すなわち、図6(b)に示した状態では、
Mより小さいモーメントM′が加わった状態でつり合い
状態が保たれていることになる。図6(a)の場合と同
様に、色選別電極6が熱膨張して、引張力Fが小さくな
ると、モーメントM′も小さくなり、つり合い状態も変
動することになる。本図の場合では、引張力Fの低下に
より、一点鎖線で示した位置から実線の位置に移動し、
この状態で再びつり合い状態が保たれることになる。こ
のとき、一点鎖線で示したようにたわんだ短辺フレーム
8は、解放されるように動く。すなわち、熱膨張によ
り、長辺フレーム7の上面7aは、z軸の負方向にΔ
z′だけ変位することになる。
【0072】ここで、このような引張力の変動によるz
軸方向の変位量は、短辺フレーム8のたわみを発生させ
る長辺フレーム7の上面の反力によるA点回りのモーメ
ントに比例する。前記のように、M′<Mであるので、
Δz′<Δzの関係が成り立つ。したがって、本実施形
態によれば、長辺フレーム7の上面7aの反力によるA
点回りのモーメントを小さくできるので、短辺フレーム
8のたわみの変化量を軽減させ長辺フレーム7の上面7
aのz軸方向の変位量も小さくすることができる。
【0073】すなわち、電子ビーム射突による色選別電
極6が熱膨張しても、色選別電極6の管軸方向(z軸方
向)の変位を抑えることができる。以上の説明は、調整
部材を設けていない例で説明したが、図5(b)を用い
て説明したように、調整部材を備えた構成とすることに
より、色選別電極6の管軸方向の変位をより小さくする
ことができる。
【0074】図7は、本発明の別の実施形態に係る枠状
フレームの側面図を示している。前記実施形態で説明し
た短辺フレーム8は、両端部と、中央部の凸状部を除け
ば、直線状になっており、短辺フレーム8には、溶接前
にあらかじめ湾曲させた調整部材19が接合されてい
る。
【0075】図7に示した短辺フレーム18を長手方向
についてみると、両端部と、中央部の凸状部を除いた部
分は、色選別電極と反対側に凸になるような湾曲部分を
備えており、この湾曲部分は両端部から中央部に向うに
つれて下側に変位している。この場合の変位は、水平線
に対する下側への傾きが5度以下であることが好まし
い。
【0076】短辺フレーム18に接合する調整部材19
は、あらかじめ湾曲させたものを用いてもよいが、溶接
前の調整部材19が湾曲していない平板状であっても、
調整部材19の両端部を、短辺フレーム18の湾曲形状
に沿って溶接することにより、溶接後の調整部材19
は、図7に示したように、下側に凸に湾曲させることが
できる。
【0077】また、両端部と、中央部の凸状部を除き、
直線状になっている短辺フレームに調整部材を溶接する
場合において、湾曲していない平板状の調整部材を用
い、この調整部材が下側に凸となるように力を加えつ
つ、溶接後において調整部材が下側に凸となるようにし
てもよい。
【0078】なお、前記のように、あらかじめ湾曲させ
た調整部材を用いる場合、中央部の湾曲量(両端部に対
する変位量)が0.5mm以下であることが好ましい。
【0079】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、短辺フ
レーム(弾性部材)は色選別電極側に凸になるように変
形した凸状部を備えており、この凸状部と対向するよう
に、色選別電極と反対側に凸になるように湾曲した調整
部材が接合されているので、色選別電極に引張力を印加
した状態で、色選別電極を枠状フレームに接合する架張
工程において、枠状フレームの変形量を小さくすること
ができる。このことにより、カラー陰極線管動作時にお
ける色選別電極の管軸方向の変位量を小さく抑えること
ができる。あわせて、調整部材の熱膨張係数が弾性部材
の熱膨張係数より大きいことにより、カラー陰極線管動
作による温度上昇の安定時において、色選別電極が蛍光
体スクリーン面側に変位した状態にすることができ、色
選別電極の熱膨張で生じる開孔の位置ずれによる電子ビ
ーム軌道の位置ずれも補正できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の一実施形態に係るカラー陰極線
管の断面図 (b)本発明の別の実施形態に係る短辺フレーム(弾性
部材)の要部を示す図
【図2】(a)本発明の一実施形態に係る枠状フレーム
の斜視図 (b)本発明の一実施形態に係る色選別電極構体の斜視
【図3】(a)本発明の一実施形態に係る短辺フレーム
と調整部材との接合を説明する側面図 (b)本発明の一実施形態に係る短辺フレームと調整部
材との接合状態を示す側面図 (c)比較例に係る短辺フレームと調整部材との接合状
態を示す側面図
【図4】(a)本発明の一実施形態に係る架張工程を説
明する側面図 (b)本発明の一実施形態に係る架張工程における圧縮
力の印加前後を示す要部拡大図
【図5】(a)比較例に係る枠状フレームのカラー陰極
線管動作前後を示す側面図 (b)本発明の一実施形態に係る枠状フレームのカラー
陰極線管動作前後を示す側面図 (c)本発明の一実施形態に係る枠状フレームの調整部
材の効果を示す側面図
【図6】(a)比較例に係る枠状フレームのカラー陰極
線管動作前後を示す側面図 (b)短辺フレームの凸状変位部分の効果を説明する側
面図
【図7】本発明の別の実施形態に係る枠状フレームの側
面図
【図8】(a)従来の色選別電極構体の一例を説明する
斜視図 (b)従来の枠状フレームの一例のカラー陰極線管動作
前後を示す側面図
【符号の説明】
6 色選別電極 7 長辺フレーム 8,18 短辺フレーム 9 枠状フレーム 10 色選別電極構体 16,19 調整部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C027 HH21 HH23 5C031 EE09 EE11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する一対の支持体に弾性部材が保持
    されて枠状に形成された枠状フレームと、 画面垂直方向に引張力が印加された状態で、前記支持体
    に接合された色選別電極とを備え、 前記弾性部材は、前記色選別電極側に凸になるように変
    形した凸状部を有しており、 熱膨張係数が前記弾性部材の熱膨張係数より大きく、前
    記色選別電極と反対側に凸になるように湾曲している調
    整部材が、前記弾性部材の凸状部と対向するように接合
    されていることを特徴とするカラー陰極線管。
  2. 【請求項2】 対向する一対の支持体に弾性部材を接合
    して枠状フレームを形成する枠状フレーム組立工程と、 前記枠状フレームを熱処理する熱処理工程と、 画面垂直方向に引張力を印加した色選別電極を、前記引
    張力と反対方向の圧縮力を印加した前記枠状フレームに
    接合する架張工程とを備えており、 前記弾性部材は、前記枠状フレームに前記色選別電極を
    接合した状態において、前記色選別電極側に凸になるよ
    うに変形した凸状部を含んでおり、 前記熱処理工程の前において、熱膨張係数が前記弾性部
    材の熱膨張係数より大きい調整部材を、前記弾性部材の
    凸状部と対向する位置に、前記色選別電極と反対側に凸
    になるように湾曲した状態で接合することを特徴とする
    カラー陰極線管の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記調整部材は、前記弾性部材に接合す
    る前に、あらかじめ湾曲形状が形成されている請求項3
    に記載のカラー陰極線管の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記弾性部材は、前記枠状フレームに前
    記色選別電極を接合した状態において、前記色選別電極
    と反対側に凸になるような湾曲部分を備えており、前記
    調整部材を前記前記弾性部材の湾曲部分に接合すること
    により、前記調整部材を前記色選別電極と反対側に凸に
    なるように湾曲した状態にする請求項3に記載のカラー
    陰極線管の製造方法。
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