JP2003254998A - 組電池のセル電圧測定方法及びその装置 - Google Patents

組電池のセル電圧測定方法及びその装置

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JP2003254998A
JP2003254998A JP2002057086A JP2002057086A JP2003254998A JP 2003254998 A JP2003254998 A JP 2003254998A JP 2002057086 A JP2002057086 A JP 2002057086A JP 2002057086 A JP2002057086 A JP 2002057086A JP 2003254998 A JP2003254998 A JP 2003254998A
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Hideaki Kanbara
英明 蒲原
Tsutomu Saigo
勉 西郷
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Yazaki Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路構成を複雑化することなく、効率的且つ
正確に、各単位セルの電圧を監視できるセル電圧測定方
法及びその装置を提供する。 【解決手段】 フライングキャパシタ方式を利用した組
電池1のセル電圧測定方法及びその装置において、ま
ず、組電池を構成する各単位セルの電圧を測定し、各単
位セル毎の測定電圧を所定のグループ分け基準値と比較
することにより、各単位セルを異常グループ又は正常グ
ループのいずれかのグループに分ける。そして、異常グ
ループに属する各単位セルに対する電圧測定の頻度を、
正常グループに属する各単位セルに対する電圧測定の頻
度よりも高くして、各単位セルの電圧を順次測定するよ
うにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二次電池からなる
単位セルを複数個直列に接続して構成した組電池におけ
る各単位セルの電圧をフライングキャパシタ方式を利用
して測定する際に、回路構成を複雑化することなく、効
率的且つ正確に、各単位セルの電圧を監視できるセル電
圧測定方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、普及しつつある電動モータを用い
て走行する電気自動車や、エンジンと電動モータとを併
用して走行するハイブリッド電気自動車においては、ニ
ッケル−水素電池やリチウム電池といった二次電池を単
位セルとしてこれらを複数個直列接続した組電池が、電
動モータの電源として用いられている。そして、上述し
た組電池には、充放電を繰り返すうちに、各単位セルの
充電状態に基づく両端電圧にばらつきが生じ、これを放
置したまま充電や放電を行うと、一部の単位セルが過充
電状態や過放電状態になる可能性があることが知られて
いる。このような過充電状態や過放電状態になると、液
漏れや異常発熱等、好ましくない状態になるため、各単
位セル毎の電圧を精度よくかつ安全に検出するための技
術が必要となる。
【0003】このような技術の一例として、フライング
キャパシタ方式を利用したセル電圧測定装置が、特開2
001−201522号公報等で知られている。この装
置においては、メインバッテリを構成する複数個の単位
セルの電圧をそれぞれ、電圧保持用コンデンサに保持さ
せ、次に被測定単位セルと電圧保持用コンデンサを切り
離した後、この単位セルに対応する電圧保持用コンデン
サをセル電圧測定部に接続して、このセル電圧を測定す
るようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記セ
ル電圧測定装置では、常に、全単位セルに対してそれぞ
れ同一頻度で電圧測定が循環的に繰り返し行われてい
る。すなわち、過充電や過放電に至る可能性の高い単位
セルに対しても、或いは、その可能性の低い単位セルに
対しても、同一頻度で電圧測定が行われている。つま
り、正常な後者の単位セルに対して冗長な監視が繰り返
して行われている一方で、頻繁に監視の必要な前者の単
位セルに対しては、繰り返し発生する1測定サイクル相
当の待機時間により、十分な監視が行なわれないことに
なりかねなかった。これを解決するには、各セル電圧を
並列的に検出するようにすればよいが、そうすると、回
路構成が複雑になり、コスト上昇を招くことになる。
【0005】そこで、本発明は、上記のような問題点に
着目し、回路構成を複雑化することなく、効率的且つ正
確に、各単位セルの電圧を監視できるセル電圧測定方法
及びその装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた請求項1記載の発明は、二次電池からなる単
位セルを複数個直列に接続して構成した組電池1におけ
る被測定単位セルの電圧を電圧保持用コンデンサCに保
持した後、このコンデンサを前記単位セルから絶縁して
セル電圧測定部に接続し、このコンデンサの端子電圧に
基づいて前記被測定単位セルの電圧を測定する、フライ
ングキャパシタ方式を利用したセル電圧測定方法におい
て、前記組電池を構成する各単位セルの電圧を測定し、
前記各単位セル毎の測定電圧を所定のグループ分け基準
値と比較することにより、前記各単位セルを異常グルー
プ又は正常グループのいずれかのグループに分け、前記
異常グループに属する前記各単位セルに対する電圧測定
の頻度を、前記正常グループに属する前記各単位セルに
対する電圧測定の頻度よりも高くして、前記各単位セル
の電圧を順次測定する、ことを特徴とする。
【0007】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載のセル電圧測定方法において、前記グループ分け基準
値は、前記測定電圧が正常である範囲を規定する上限値
及び下限値を含み、前記測定電圧が前記下限値以下であ
る場合、又は、前記上限値以上である場合を前記異常グ
ループとし、これら以外を前記正常グループとして、前
記各単位セルの電圧を順次測定する、ことを特徴とす
る。
【0008】また、請求項3記載の発明は、二次電池か
らなる単位セルを複数個直列に接続して構成した組電池
1における前記各単位セルの電圧をフライングキャパシ
タ方式を利用して測定する装置において、前記各単位セ
ルの電圧を保持する電圧保持用コンデンサCと、前記各
単位セルにそれぞれ対応して、前記各単位セルと前記電
圧保持用コンデンサとの間に設けられた複数のセル選択
用スイッチ2と、前記電圧保持用コンデンサと前記各単
位セル毎の電圧を測定するセル電圧測定手段との間に接
続された測定電圧出力用スイッチ3と、前記各セル選択
用スイッチ及び前記測定電圧出力用スイッチを所定のタ
イミングで開閉制御することにより、前記電圧保持用コ
ンデンサを介して、前記各単位セルに応じた電圧を前記
セル電圧測定手段に時分割的に出力させる出力制御手段
と、前記セル電圧測定手段により測定された前記各単位
セル毎の電圧を、所定のグループ分け基準値と比較する
ことにより、前記各単位セルを異常グループ又は正常グ
ループのいずれかのグループに分けるグループ分け手段
とを含み、前記出力制御手段は、前記異常グループに属
する前記各単位セルに対する電圧測定の頻度が前記正常
グループに属する前記各単位セルに対する電圧測定の頻
度よりも高くなるように、前記各セル選択用スイッチ及
び前記測定電圧出力用スイッチを開閉制御する、ことを
特徴とする。
【0009】また、請求項4記載の発明は、請求項3記
載のセル電圧測定装置において、前記グループ分け基準
値は、前記測定電圧が正常である範囲を規定する上限値
及び下限値を含み、前記グループ分け手段は、前記測定
電圧が前記下限値以下である場合、又は、前記上限値以
上である場合を前記異常グループとし、これら以外を前
記正常グループとして、前記各単位セルのグループ分け
をする、ことを特徴とする。
【0010】請求項1及び請求項3記載の発明によれ
ば、フライングキャパシタ方式を利用した組電池のセル
電圧測定方法及びその装置において、まず、組電池を構
成する各単位セルの電圧を測定し、各単位セル毎の測定
電圧を所定のグループ分け基準値と比較することによ
り、各単位セルを異常グループ又は正常グループのいず
れかのグループに分ける。そして、異常グループに属す
る各単位セルに対する電圧測定の頻度を、正常グループ
に属する各単位セルに対する電圧測定の頻度よりも高く
して、各単位セルの電圧を順次測定するようにしてい
る。
【0011】また、請求項2及び請求項4記載の発明に
よれば、グループ分け基準値として測定電圧が正常であ
る範囲を規定する上限値及び下限値を設け、測定電圧が
下限値以下である場合、又は、上限値以上である場合を
異常グループとし、これら以外を正常グループとし、こ
れに基づく頻度で各単位セルの電圧を順次測定するよう
にしている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を、
図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態
の組電池のセル電圧測定方法及びその装置に係る回路図
である。図1に示す本実施形態の測定装置は、例えば、
エンジンと電動モータ(いずれも図示せず)を走行駆動
源として併用するハイブリッド電気自動車において、上
記電動モータの電源として用いられるメインバッテリ1
(請求項中の組電池に相当)に接続して使用されるもの
である。
【0013】上記メインバッテリ1は、二次電池からな
る単位セルB1、B2、…、Bnをn個直列に接続して構
成されており、メインバッテリ1の出力端1P、1Nに
は、電動モータ等が必要に応じて負荷として接続される
他、オルタネータ等(図示せず)が必要に応じて充電器
として接続される。
【0014】そして、本実施形態の測定装置は、更にセ
ル選択用スイッチ2、測定電圧出力用スイッチ3、バッ
ファ回路4、マイクロコンピュータ5(以下、マイコン
ともいう)、及び電圧保持用コンデンサCを備えてい
る。
【0015】セル選択用スイッチ2は、マイコン5から
供給される後述の第1開閉制御信号に応答して開閉する
n対のセル選択用スイッチSa1、Sb1、Sa2、Sb
2、…、San、Sbnから構成されている。セル選択用
スイッチSa1、Sb1、Sa2、Sb2、…、San、S
bnの各対はそれぞれ、単位セルB1、…、Bnに対応し
て設けられている。詳しくは、セル選択用スイッチSa
1、Sa2、…、Sanは、単位セルB1、…、Bnの正極
と電圧保持用コンデンサCの一端(図中、上側の端子)
との間に接続され、セル選択用スイッチSb1、Sb2、
…、Sbnは、単位セルB1、…、Bnの負極と電圧保持
用コンデンサCの他端(図中、下側の端子)との間に接
続されている。
【0016】電圧保持用コンデンサCは、上記フライン
グキャパシタ方式において、各単位セルの電圧を保持す
るもので、全単位セルに共通に利用されるものである。
すなわち、電圧保持用コンデンサCは、マイコン5に制
御されて各単位セルの電圧を時分割的に保持すると共
に、この保持した電圧をセル電圧測定手段としてのマイ
コン5側に出力する。これについては、図2〜図4を用
いた説明で明らかになる。
【0017】測定電圧出力用スイッチ3は、マイコン5
から供給される後述の第2開閉制御信号に応答して開閉
する1対の測定電圧出力用スイッチA1、A2から構成さ
れている。測定電圧出力用スイッチA1は電圧保持用コ
ンデンサCの一端とバッファ回路4との間に接続されて
おり、測定電圧出力用スイッチA2は電圧保持用コンデ
ンサCの他端とアースとの間に接続されている。
【0018】バッファ回路4としては、例えば、FET
入力のオペアンプが用いられる。電圧保持用コンデンサ
Cから出力される測定電圧は、このバッファ回路4を介
して、セル電圧測定手段としてのマイコン5のアナログ
デジタル変換部51に出力される。
【0019】マイクロコンピュータ5は、アナログデジ
タル変換部51、並びに、ここでは図示しないCPU
(中央演算処理ユニット)、ROM(読出専用のメモ
リ)、及びRAM(読出書き込み自在のメモリ)を含ん
で構成される。CPUは、ROMに予め格納される処理
プログラムにしたがって各種の処理を行う。RAMは、
CPUでの各種の処理過程で利用するワークエリア、各
種データを格納するデータ記憶エリア等を有する。アナ
ログデジタル変換部51は、バッファ回路4からのアナ
ログ出力をCPUでの処理に適合するようにデジタル変
換する。アナログデジタル変換部51は、ここで示すよ
うにマイコン5に内蔵するようにしてもよいし、マイコ
ン5とは別体に構成してもよい。また、このマイクロコ
ンピュータ5は、請求項のセル電圧測定手段、出力制御
手段、及びグループ分け手段としても機能し、これにつ
いては、図2及び図3を用いて説明する。
【0020】上述した構成のセル電圧測定装置の動作
を、図2の処理手順及び図3及び図4のタイムチャート
を参照して以下説明する。図2は、図1の電圧測定装置
のマイコンが行う本発明の実施形態に係る処理手順を示
すフローチャートである。図3及び図4は、図2の処理
手順に係る各スイッチの開閉タイミングを示すタイムチ
ャートであり、特に、図3は、グループ分け前の各スイ
ッチの開閉タイミングの一例を示すタイムチャートであ
り、図4は、グループ分け後の各スイッチの開閉タイミ
ングの一例を示すタイムチャートである。
【0021】マイコン5は、例えば、イグニッションス
イッチのオンによって動作を開始し、ステップS1にお
いて、マイコン5内のRAMに形成した各種のエリアの
初期設定を行う。このステップS1の初期設定では、例
えば、被測定単位セルを特定するセルカウント値iが1
に設定される。
【0022】次に、ステップS2においては、図3に示
すような開閉タイミングに基づき、セル選択用スイッチ
Sai、Sbiが閉成される。例えば、iが1のときに
は、図中、TS1で示すタイミングでセル選択用スイッ
チSa1、Sb1が閉成され、同様に、TSnで示すタイ
ミングでセル選択用スイッチSan、Sbnが閉成され
る。なお、図3において、ハイレベル時において該当す
るスイッチが閉成され、ローレベル時において同スイッ
チが開放されることを示している。この図3又は後述の
図4に示すように、セル選択用スイッチS1〜Snを開閉
制御する信号を、本明細書中、第1開閉制御信号とよ
ぶ。この第1開閉制御信号のハイレベル時間及びその発
生タイミングは、各単位セルからの電荷がセル電圧測定
のために電圧保持用コンデンサCに十分にチャージされ
るように予め設定されたものである。
【0023】次に、ステップS3においては、図3に示
すような開閉タイミングに基づき、測定電圧出力用スイ
ッチA1、A2の対が閉成される。例えば、図中、TA1
で示すタイミングで測定電圧出力用スイッチA1、A2の
対が閉成され、同様に、TAnで示すタイミングで測定
電圧出力用スイッチA1、A2の対が閉成される。この図
3又は後述の図4に示すように、測定電圧出力用スイッ
チA1、A2を開閉制御する信号を、本明細書中では、第
2開閉制御信号とよぶ。第2開閉制御信号のハイレベル
時間及びその発生タイミングは、電圧保持用コンデンサ
Cにチャージされた電荷が十分にディスチャージされ
て、正確にセル電圧に応じた電圧がマイコン5側に出力
されるように予め設定されたものである。また、上記第
1及び第2開閉制御信号は、時分割的、且つ、排他的に
各スイッチを開閉制御するようにしている。
【0024】次に、ステップS4においては、電圧保持
用コンデンサCを介して、セル電圧の測定が行われる。
すなわち、上記のように、測定電圧出力用スイッチA
1、A2の対が閉成されることにより、該当する被測定単
位セルの電圧に応じた電圧がセル電圧測定手段としての
マイコン5側に出力される。なお、この際、上記のよう
にフライングキャパシタ方式、すなわち、第1及び第2
開閉制御信号により、組電池1側を切り離した状態で所
定の単位セルの電圧が正確に測定される。なお、ここで
測定された電圧は、単位セルBiの測定電圧Viとして、
後述の処理のために、一旦RAMに保持される。
【0025】次に、ステップS5及びステップS6a、
ステップS6b、ステップS6cにおいては、RAMに
保持されている単位セルBiの測定電圧Viがグループ分
け基準値と比較されて、単位セルBiのグループ分けが
行われる。詳しくは、グループ分け基準値は、上記測定
電圧Viが正常である範囲を規定する下限値Vmin及び上
限値Vmaxを含み、これにしたがって単位セルBiのグル
ープ分けが行なわれる。すなわち、測定電圧Viが下限
値Vmin以下である場合にはその単位セルBiがグループ
G1にグループ分けされ(ステップS6a)、測定電圧
Viが上限値Vmax以上である場合にはその単位セルBi
がグループG3にグループ分けされ(ステップS6
c)、これら以外、すなわち、測定電圧Viが下限値Vm
in〜上限値Vmaxの範囲に収まっている場合にはその単
位セルBiがグループG2にグループ分けされる(ステ
ップS6b)。ここで、グループG1及びG3をまとめ
て異常グループとよび、グループG2を正常グループと
よんでもよい。なお、これらのグループ分けは、後述の
処理のために、一旦RAMに保持される。上記ステップ
S5及びステップS6a、ステップS6b、ステップS
6cは、請求項のグループ分け手段に相当する。
【0026】そして、ステップS7においてはセルカウ
ント値iがカウントアップされて、ステップS8におい
て最後の単位セルBnに到達するまで、上記ステップS
2〜ステップS7の処理が繰り返される(ステップS8
のN)。このようにして、各単位セルB1〜Bnがグルー
プ分けされてステップS9に進む。なお、このステップ
S2〜ステップS6の処理は1回だけでもよいが、複数
回行ない測定電圧Viの平均化処理を行うことにより、
グループ分けの確実性が向上する。
【0027】次に、ステップS9においては、上記各単
位セルB1〜Bnが、上記グループ分けによる所属グルー
プに基づく頻度で電圧測定される。例えば、単位セルB
1、BnがグループG1に属し、単位セルB6、Bn-1がグ
ループG3に属し、それ以外の全単位セルがグループG
2に属するものとする。そして、このグループ分けに基
づき、循環的に繰り返される図3に示したような各セル
選択用スイッチに対する同一頻度の開成タイミングを、
定期的に、図4に示すような各セル選択用スイッチに対
する頻度に差を持たせた開成タイミングに変更する。例
えば、1測定サイクル毎に、図3で示したスイッチ開成
タイミングと図4で示したスイッチ開成タイミングとを
交互に繰り返すようにする。なお、図4に示す開成タイ
ミングは、正常グループであるグループG2に属する単
位セルのセル選択用スイッチS5、S2、S3及びS4の開
成タイミング(図3における)に替えて、異常グループ
であるグループG1及びG3に属する単位セルのセル選
択用スイッチS1、S6、Sn-1及びSnの開成タイミング
を割り当てるようにしている。このようにして、例え
ば、異常グループであるグループG1及びG3に属する
単位セルB1、B6、Bn-1及びBnの電圧の測定頻度を2
0msecに1度とし、正常グループであるグループG2に
属するその他の単位セルの電圧の測定頻度を100msec
に1度とする。このようにすることにより、過充電や過
放電に至る可能性の低い単位セルの監視に浪費していた
冗長な時間の一部を、過充電や過放電に至る可能性の高
い単位セルの監視のために有効に利用できるようにな
る。また、上記のようなグループ分けや測定頻度制御
は、図1に示した回路構成に対するソフトウエア処理に
より達成できるので、回路構成が複雑化することもな
い。このステップS9も、請求項の出力制御手段に相当
する。
【0028】ここで、測定頻度制御は上例に限定される
ものではない。上記のように図1及び図4を組み合わせ
た各スイッチの開成タイミング制御に替えて、例えば、
1測定サイクル中で上記のように20msec対100msec
の割合になるように、測定頻度に差を持たせた開成タイ
ミング制御を行い、これを循環的に繰り返すようにして
もよい。測定順序も、グループ分けに基づき、より監視
の必要な単位セルから先に行なうようにしてもよい。要
するに、異常グループに属する各単位セルに対する電圧
測定の頻度を、正常グループに属する各単位セルに対す
る電圧測定の頻度よりも高くして、各単位セルの電圧を
測定するようにすればよい。
【0029】このように、本実施形態によれば、測定電
圧が下限値以下である場合、又は、上限値以上である場
合を異常グループとし、これら以外を正常グループとし
て、これに基づき各単位セルに対する電圧測定頻度に差
をつけるようにしたので、回路構成を複雑化することな
く、効率的且つ正確に、過充電や過放電に至る可能性の
ある単位セルを含む各単位セルの電圧を監視できるよう
になる。
【0030】なお、上記グループ分けをより細分化し
て、測定頻度もより細かく差を付けるようにしてもよ
い。また、上記技術思想は、充放電制御にも利用可能で
あり、例えば、充電時にはグループG1の頻度をより高
め、放電時にはグループG3の測定頻度をより高めて電
圧測定するようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1及び請求
項3記載の発明によれば、フライングキャパシタ方式を
利用した組電池のセル電圧測定方法及びその装置におい
て、まず、組電池を構成する各単位セルの電圧を測定
し、各単位セル毎の測定電圧を所定のグループ分け基準
値と比較することにより、各単位セルを異常グループ又
は正常グループのいずれかのグループに分ける。そし
て、異常グループに属する各単位セルに対する電圧測定
の頻度を、正常グループに属する各単位セルに対する電
圧測定の頻度よりも高くして、各単位セルの電圧を順次
測定するようにしている。このように各単位セルに対し
て電圧測定の頻度に差をつけることにより、回路構成を
複雑化することなく、効率的且つ正確に、各単位セルの
電圧を監視できるようになる。
【0032】また、請求項2及び請求項4記載の発明に
よれば、グループ分け基準値として測定電圧が正常であ
る範囲を規定する上限値及び下限値を設け、測定電圧が
下限値以下である場合、又は、上限値以上である場合を
異常グループとし、これら以外を正常グループとして、
これに基づく頻度で各単位セルの電圧を順次測定するよ
うにしたので、回路構成を複雑化することなく、効率的
且つ正確に、過充電や過放電に至る可能性のある単位セ
ルを含む各単位セルの電圧を監視できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の組電池のセル電圧測定方
法及びその装置に係る回路図である。
【図2】図1の電圧測定装置のマイコンが行う本発明の
実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。
【図3】グループ分け前の各スイッチの開閉タイミング
の一例を示すタイムチャートである。
【図4】グループ分け後の各スイッチの開閉タイミング
の一例を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 組電池 2、S1〜Sn セル選択用スイッチ 3、A1、A2 測定電圧出力用スイッチ 4 バッファ回路 5 マイクロコンピュータ(セル電圧測定手段、グルー
プ分け手段、出力制御手段) B1〜Bn 単位セル C 電圧保持用コンデンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G035 AA01 AB03 AC18 AD17 AD26 AD28 AD45 AD65 5H030 AS08 BB10 FF44

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二次電池からなる単位セルを複数個直列
    に接続して構成した組電池における被測定単位セルの電
    圧を電圧保持用コンデンサに保持した後、このコンデン
    サを前記単位セルから絶縁してセル電圧測定部に接続
    し、このコンデンサの端子電圧に基づいて前記被測定単
    位セルの電圧を測定する、フライングキャパシタ方式を
    利用したセル電圧測定方法において、 前記組電池を構成する各単位セルの電圧を測定し、前記
    各単位セル毎の測定電圧を所定のグループ分け基準値と
    比較することにより、前記各単位セルを異常グループ又
    は正常グループのいずれかのグループに分け、 前記異常グループに属する前記各単位セルに対する電圧
    測定の頻度を、前記正常グループに属する前記各単位セ
    ルに対する電圧測定の頻度よりも高くして、前記各単位
    セルの電圧を順次測定する、 ことを特徴とする組電池のセル電圧測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のセル電圧測定方法におい
    て、 前記グループ分け基準値は、前記測定電圧が正常である
    範囲を規定する上限値及び下限値を含み、 前記測定電圧が前記下限値以下である場合、又は、前記
    上限値以上である場合を前記異常グループとし、これら
    以外を前記正常グループとして、前記各単位セルの電圧
    を順次測定する、 ことを特徴とする組電池のセル電圧測定方法。
  3. 【請求項3】 二次電池からなる単位セルを複数個直列
    に接続して構成した組電池における前記各単位セルの電
    圧をフライングキャパシタ方式を利用して測定する装置
    において、 前記各単位セルの電圧を保持する電圧保持用コンデンサ
    と、 前記各単位セルにそれぞれ対応して、前記各単位セルと
    前記電圧保持用コンデンサとの間に設けられた複数のセ
    ル選択用スイッチと、 前記電圧保持用コンデンサと前記各単位セル毎の電圧を
    測定するセル電圧測定手段との間に接続された測定電圧
    出力用スイッチと、 前記各セル選択用スイッチ及び前記測定電圧出力用スイ
    ッチを所定のタイミングで開閉制御することにより、前
    記電圧保持用コンデンサを介して、前記各単位セルに応
    じた電圧を前記セル電圧測定手段に時分割的に出力させ
    る出力制御手段と、 前記セル電圧測定手段により測定された前記各単位セル
    毎の電圧を、所定のグループ分け基準値と比較すること
    により、前記各単位セルを異常グループ又は正常グルー
    プのいずれかのグループに分けるグループ分け手段とを
    含み、 前記出力制御手段は、前記異常グループに属する前記各
    単位セルに対する電圧測定の頻度が前記正常グループに
    属する前記各単位セルに対する電圧測定の頻度よりも高
    くなるように、前記各セル選択用スイッチ及び前記測定
    電圧出力用スイッチを開閉制御する、 ことを特徴とする組電池のセル電圧測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のセル電圧測定装置におい
    て、 前記グループ分け基準値は、前記測定電圧が正常である
    範囲を規定する上限値及び下限値を含み、 前記グループ分け手段は、前記測定電圧が前記下限値以
    下である場合、又は、前記上限値以上である場合を前記
    異常グループとし、これら以外を前記正常グループとし
    て、前記各単位セルのグループ分けをする、 ことを特徴とする組電池のセル電圧測定装置。
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