JP2003254490A - 曲がり部を有する流体通路 - Google Patents

曲がり部を有する流体通路

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JP2003254490A
JP2003254490A JP2002055897A JP2002055897A JP2003254490A JP 2003254490 A JP2003254490 A JP 2003254490A JP 2002055897 A JP2002055897 A JP 2002055897A JP 2002055897 A JP2002055897 A JP 2002055897A JP 2003254490 A JP2003254490 A JP 2003254490A
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Akira Izumi
章 泉
Hideyuki Nakamura
英幸 中村
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Toyota Motor Corp
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Nippon Steel Corp
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】設置性、搭載性の悪化を回避しながらも、曲が
り部を設けたことに起因する圧力損失の増大を効果的に
抑制可能な曲がり部を有する流体通路を提供する。 【解決手段】その直線部2が断面円形状に形成され、そ
の途中に管軸の湾曲したベンド部3の設けられたベンド
管において、ベンド部3の管軸に垂直な断面を、その曲
がり内側の内壁3aの曲率が曲がり外側の内壁3bの曲
率に比して小さくなるように形成する。そうしたベンド
部3の通路断面は、曲がり内側に偏倚して大きい通路面
積を有するようになり、ベンド部3の曲がり内側を流れ
る排気ガスの流速が局所的に低減されるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、曲がり部を有する
流体通路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば内燃機関の吸気管や排気管のよう
な流体を搬送する流体通路には、通路が所定の曲率で曲
げられたベンド(湾曲)部や、2つの直線通路を所定の
角度で交叉するように接続したエルボ(屈曲)部など、
搬送される流体の流れ方向を変化させる曲がり部が必要
に応じて設けられる。また流体通路の合流部や分岐部な
どにおいても、搬送される流体の流れ方向を変化させる
曲がり部が形成されている。
【0003】そうした流体通路の曲がり部での通路の曲
がり方が急であると、その曲がり部から下流側にかけて
曲がり内側を流れる流体の剥離が生じ、主流路面積が狭
められて、流体通路内部の圧力損失の大幅な増大を招い
てしまう。
【0004】そこで従来、例えば特開平10−3080
0号公報には、曲がり部の上下流において、曲がり部内
側の管壁に膨出部を設けることで、流体通路のレイアウ
トを変えずに、曲がり部内側の曲率半径を拡大し、流体
の剥離を抑制する流体通路が提案されている。
【0005】また特開平2−236092号公報には、
流体通路の直管部の内径に比して、曲がり部の内径を増
大させることで、曲がり部の圧力損失を低減する流体通
路が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ただし、上記いずれの
流体通路においても、曲がり部が設けられたことに起因
する流体通路の圧力損失の増大を、必ずしも効果的に抑
制できていないのが実情である。
【0007】まず、曲がり部の上下流に膨出部を設ける
構成の流体通路では、流体の剥離は抑制できたとして
も、その膨出部が流体の流れに対する抵抗となることは
避けられず、場合によっては返って流体通路の圧力損失
の更なる増大を招くおそれもある。
【0008】また曲がり部の内径を拡大する構成の流体
通路では、流体通路の圧力損失は確かに低減できるもの
の、曲がり部の通路面積の大幅な増大は避けられず、そ
の結果として生じる流体通路の設置性の悪化に見合うだ
けの十分な圧力損失増大の抑制効果が得られているとは
言い難い状況にあった。
【0009】本発明は、そうした実情に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、曲がり部に起因する流体通路
の圧力損失の増大を効果的に抑制可能な曲がり部を有す
る流体通路を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果を記載する。請求項1に
記載の発明は、曲がり部を有する流体通路において、流
体通路の曲がり部の曲がり内側を流れる流体とその曲が
り外側を流れる流体との流速差を低減する構造を備えた
ものである。
【0011】一般に、流体通路の曲がり部では、その曲
がり内側を流れる流体の流速が、その曲がり外側を流れ
る流体の流速に比して大きくなる。そして、曲がり内側
と曲がり外側との流体の流速の差が生じると、上述した
ように流体通路の曲がり部の下流で流体の剥離現象が発
生し、流体の主流路面積が狭められてしまい、流体通路
の圧力損失が増大してしまう。したがって、曲がり部の
曲がり内側を流れる流体の流速を低減させたり、その曲
がり外側を流れる流体の流速を増大させたりすること
で、それらの流速差を低減すれば、曲がり部下流での剥
離現象の発生を回避し、曲がり部を設けたことによる流
体通路の圧力損失の増大を好適に抑制することができ
る。
【0012】いずれにせよ、曲がり部の曲がり内側を流
れる流体とその曲がり外側を流れる流体との速度差が低
減されれば、曲がり部下流での剥離の発生が低減され、
曲がり部に起因する流体通路の圧力損失の増大を効果的
に抑制することができる。
【0013】なお、ここでの「流体通路の曲がり部」と
は、ベンド部やエルボ部などのように、流体通路の方向
が変更される部分を指す。また、流体通路が2つ以上の
流体通路に分岐される分岐部や、2つ以上の流体通路が
合流する合流部においても、流体通路の方向が変更され
るのであれば、ここでの「流体通路の曲がり部」に含ま
れる。
【0014】また請求項2に記載の発明は、曲がり部を
有する流体通路において、流体通路の曲がり部の曲がり
内側を流れる流体の流速を局所的に低減する構造を備え
たものである。
【0015】上記構成では、流体通路の曲がり部におい
て、その曲がり内側を流れる流体の流速が局所的に低減
されるようになる。すなわち、曲がり部の曲がり外側を
流れる流体の流速を低減することなく、その曲がり内側
を流れる流体の流速のみが低減されるようになる。この
ようにすれば、上記のような曲がり部の曲がり内側と曲
がり外側との流速差が低減され、曲がり部に起因する流
体通路の圧力損失の増大を効果的に抑制することができ
る。
【0016】また請求項3に記載の発明は、曲がり部を
有する流体通路において、流体通路の曲がり部の通路軸
方向に垂直な通路断面を、曲がり内側寄りに偏倚して大
きな通路面積を有する断面形状に形成したものである。
【0017】上記構成では、曲がり内側寄りに偏倚して
大きな通路面積を有するように曲がり部の断面形状が形
成されている。すなわち、曲がり部の通路軸に垂直な通
路断面を、その通路軸を通り、且つ該曲がり部の曲がり
中心軸に平行な直線によって、曲がり内側の部分と曲が
り外側の部分とに二分割したとき、曲がり内側の部分の
面積が曲がり外側の部分の面積よりも大きくなるよう
に、曲がり部の断面形状が形成されている。このように
上記構成では、曲がり部の通路断面が他の部位の通路断
面に比してその曲がり内側の流路面積が拡大された異形
の通路断面形状とされている。
【0018】こうした流体通路の曲がり部では、その曲
がり内側の流路面積の拡大により、同曲がり内側を流れ
る流体の流速が低減されるようになる。そして、曲がり
部の曲がり内側を流れる流体と曲がり外側を流れる流体
との流速差が低減され、曲がり部下流での流体の剥離現
象の発生が抑制されるようになる。しかも、そうした断
面形状によれば、流体通路を流れる流体の運動エネルギ
の総和をほとんど減少させることなく、曲がり内側を流
れる流体の流速を低減することができる。したがって、
上記構成によれば、曲がり部に起因する流体通路の圧力
損失の増大をより効果的に抑制することができる。
【0019】また請求項4に記載の発明は、曲がり部を
有する流体通路において、流体通路の曲がり部を、その
通路軸方向に垂直な通路断面の重心位置が曲がり内側寄
りに偏倚した断面形状に形成したものである。
【0020】通路軸方向に垂直な通路断面の重心位置
を、曲がり内側寄りに偏倚した断面形状に形成すれば、
曲がり部の曲がり内側の流路面積が局所的に増大される
ようになる。よって、上記構成によっても、曲がり部の
曲がり内側を流れる流体の流速が低減されるようにな
る。そのため、曲がり内側と曲がり外側との流速差が低
減されて、曲がり部下流での流体の剥離現象の発生が抑
制されるようになり、曲がり部に起因する流体通路内部
での圧力損失の増大を効果的に低減することができる。
【0021】また請求項5に記載の発明は、曲がり部を
有する流体通路において、その流体通路の曲がり部につ
いて、その通路軸方向に垂直な断面での曲がり内側の曲
率を、同曲がり外側の曲率に比して小さくなるように形
成したものである。
【0022】上記のように、通路軸方向に垂直な断面で
の曲がり内側の曲率を、同曲がり外側の曲率に比して小
さくなるように形成すれば、曲がり部の曲がり内側の流
路面積を局所的に増大させることができる。よって、上
記構成によっても、曲がり部での流体の流速が低減さ
れ、曲がり部の曲がり内側での流体の剥離が低減される
ため、流体通路内部での圧力損失の増大を効果的に低減
することができる。
【0023】また請求項6に記載の発明は、請求項5に
記載の曲がり部を有する流体通路において、前記通路軸
方向に垂直な断面での曲がり内側の少なくとも一部が曲
率「0」に形成されたものである。
【0024】上記のように曲がり内側の少なくとも一部
を曲率「0」に、すなわち直線状に形成すれば、曲がり
部の曲がり内側の流路面積をより有効に増大させること
ができる。
【0025】また請求項7に記載の発明は、請求項3〜
6のいずれかに記載の曲がり部を有する流体通路におい
て、前記曲がり部の曲がり外側の通路壁形状を、該曲が
り部に連結される前記流体通路の直線部における前記曲
がり部の曲がり外側の通路壁形状と略同一の形状とした
ものである。
【0026】上記構成によれば、異形の断面形状とされ
た曲がり部においても、その曲がり外側の通路壁形状
は、流体通路の直線部と略同一形状とされているため、
流体通路の断面形状の変化を抑えられる。したがって、
曲がり内側の流路面積が局所的に拡大された通路断面形
状を比較的容易に形成することができる。
【0027】また請求項8に記載の発明は、請求項3〜
7のいずれかに記載の曲がり部を有する流体通路におい
て、前記曲がり部の通路幅を、該曲がり部に連結される
前記流体通路の直線部の通路幅と略同一に形成したもの
である。
【0028】上記構成では、曲がり内側の流路面積が局
所的に拡大された通路断面形状としながらも、その通路
幅が流体通路の直線部と略同一に維持されているため、
流体通路の設置性の悪化についても好適に抑えることが
できる。なお、ここでの「通路幅」とは、流体通路の通
路軸方向に垂直な断面において、曲がり部の曲がり中心
軸に対して平行な方向を流体通路の幅方向の長さをい
う。
【0029】また請求項9に記載の発明は、請求項3〜
8のいずれかに記載の曲がり部を有する流体通路におい
て、前記曲がり部の通路高さを、該曲がり部に連結され
る前記流体通路の直線部の通路高さと略同一に形成した
ものである。
【0030】上記構成では、曲がり内側の流路面積が局
所的に拡大された通路断面形状としながらも、その通路
高さが流体通路の直線部と略同一に維持されているた
め、曲がり部に起因する流体通路の圧力損失の増大を抑
制しつつ、流体通路の設置性の悪化についても好適に抑
えることができる。なお、ここでの「通路高さ」とは、
流体通路の通路軸方向に垂直な断面において、曲がり部
の曲がり中心軸に直交する方向の長さをいう。
【0031】また請求項10に記載の発明は、請求項3
〜9のいずれかに記載の曲がり部を有する流体通路にお
いて、前記曲がり部よりも上流側に、その通路軸方向に
垂直な通路断面が前記曲がり部と同様の断面形状に形成
された部位が更に設けられたものである。
【0032】上記構成によれば、曲がり部よりも上流側
に、曲がり部と同様に、曲がり部の曲がり内側に繋がる
側の流路面積が局所的に拡大された部位が設けられてい
るため、曲がり部の曲がり内側を流れる流体の流速を、
曲がり部に流入する前に予め低減することができるよう
になる。したがって、曲がり部の曲がり内側を流れる流
体の流速を、より効果的に低減することができるように
なる。
【0033】また請求項11に記載の発明は、請求項1
〜10のいずれかに記載の曲がり部を有する流体通路に
おいて、前記流体通路を、流体を搬送する配管としたも
のである。
【0034】上記構成によれば、曲がり部に起因する圧
力損失の増大を効果的に低減可能な曲がり部を有する配
管を実現できる。また請求項12に記載の発明は、請求
項11に記載の曲がり部を有する流体通路において、前
記流体通路が内燃機関の吸気管としたものである。
【0035】上記構成によれば、曲がり部に起因する圧
力損失の増大を効果的に低減可能な内燃機関の吸気管を
実現できる。また請求項13に記載の発明は、請求項1
1に記載の曲がり部を有する流体通路において、前記流
体通路を、内燃機関の排気管としたものである。
【0036】上記構成によれば、曲がり部に起因する圧
力損失の増大を効果的に低減可能な内燃機関の排気管を
実現できる。
【0037】
【発明の実施の形態】(ベンド管への適用例)まず、本
発明の曲がり部を有する流体通路を、内燃機関の排気管
として用いられるベンド(湾曲)管に適用した一実施形
態について、図1〜図6を参照して詳細に説明する。
【0038】なお、以下の説明では、流体通路の通路軸
方向に垂直な断面において、曲がり部の曲がり中心軸に
対して平行な方向を流体通路の幅方向といい、その軸方
向に直交する方向を流体通路の高さ方向という。例え
ば、図2(a)(b)では、その左右方向が流体通路
(ベンド管1)の幅方向であり、その上下方向が流体通
路(ベンド管1)の高さ方向である。
【0039】図1は、本発明の曲がり部を有する流体通
路の適用されたベンド(湾曲)管1の部分断面構造を示
している。このベンド管1の途中には、管軸(通路軸)
Lが所定の曲がり半径Rで湾曲されたベンド部(曲がり
部)3が設けられている。ベンド管1の内部は、排気ガ
ス(流体)を搬送する流体通路となっている。
【0040】このベンド管1において、そのベンド部3
の上下流の直管部2、すなわち図1のA−A線よりも上
流の部分、及びE−E線よりも下流の部分は、その管軸
L方向に垂直な断面が図2(a)に示されるように半径
rの円形状に形成されている。
【0041】一方、ベンド管1のベンド部3、すなわち
図1におけるB−B線〜C−C線〜D−D線の部分の管
軸L方向に垂直な断面は、図2(b)に示すような上記
直管部2とは異なる断面形状に形成されている。ちなみ
に、図1のA−A線〜B−B線の部分、及びE−E線〜
D−D線の部分では、ベンド管1の上記断面は、図2
(a)に示される形状から図2(b)に示される形状へ
と滑らかに徐変されている。図3は、ベンド管1のベン
ド部3、すなわちベンド管1の図1のA−A線からE−
E線の部分の部分斜視構造を示している。
【0042】すなわち、このベンド管1は、途中にベン
ド部3の設けられた断面円形状の配管について、そのベ
ンド部3の断面形状を、図2(b)に示す形状に変形さ
せたものとなっている。
【0043】次に、直管部2とは異なる形状に形成され
たベンド部3の断面形状を詳細に説明する。図2(b)
に示すように、このベンド管1のベンド部3の管軸L方
向に垂直な断面では、曲がり外側の管壁3bは、直管部
2の断面形状をそのまま維持するように形成されてい
る。すなわち、上記断面での曲がり外側の管壁3bの曲
率は、直管部2の断面の半径rとなっている。
【0044】一方、ベンド部3の上記断面では、曲がり
内側の管壁3aは、上記平面Fに垂直な直線状に形成さ
れている。すなわち、上記断面曲がり内側の管壁3aの
曲率が「0」とされている。なお、こうしたベンド部3
において曲がり内側の直線となった部分の長さは、直管
部2の管径2r以下となっている。
【0045】こうして、ベンド部3の上記断面における
曲がり内側の管壁3aの曲率は、その曲がり外側の管壁
3bの曲率よりも小さくなっている。また同曲がり内側
の管壁3aの曲率は、直管部2の管壁の曲率よりも小さ
くなっている。
【0046】こうしたベンド部3の断面は、直管部2と
同じく半径rの断面円形状に形成された曲がり外側の部
分と、一辺が直管部2の管径2rと同じ長さの断面略方
形状に形成された曲がり内側の部分とを組み合わせたよ
うな形状となっている。そして全体としては、ベンド部
3の断面は、直線部が曲がり内側に向いた略D字形状と
なっている。ちなみに、こうしたベンド部3の上記断面
における通路幅(上記流体通路の幅方向の最大長)W、
及び通路高さ(上記流体通路の高さ方向の最大長)H
は、直管部2の断面の直径2rと同じである。
【0047】このように、このベンド管1では、ベンド
部3の曲がり外側部分の断面形状は、直管部2の断面形
状から変化していないのに対して、曲がり内側部分の断
面形状は、直管部2の断面形状に対して流路面積を拡大
するように変形されている。これにより、ベンド部3
は、その曲がり内側寄りに偏倚して大きな流路面積を有
するような断面形状となっている。
【0048】ちなみにこのベンド管1は、ベンド部3も
直管部2と同じ断面形状となった一定断面の円管を、ハ
イドロフォーム(バルジ加工)によって、そのベンド部
3を上記形状に成形することで製造されている。すなわ
ち、上記ベンド部3の外周形状に沿った金型内に円管を
入れ、内部に導入された液体の圧力で円管を膨らませ
て、金型に沿った形状に成形することで、上記のような
形状のベンド部3を有するベンド管1が製造されてい
る。
【0049】さて、こうしたベンド管1では、直管部2
からベンド部3に流入した排気ガスは、曲がり外側に向
けて遠心力を受ける。そのため、ベンド部3に流入した
ときに曲がり内側管壁3aの近くを流れていた排気ガス
は、ベンド部3において、図4に矢印F1で示すよう
に、曲がり内側管壁3aから離れるように流れるように
なる。そのため、ベンド管1の曲がり内側では、ベンド
部3からその下流にかけて、同図4に示すように、排気
ガスの流れが管壁3aから剥離した領域が形成される。
そしてそうした剥離領域が形成されれば、主流路面積が
狭められてしまい、ベンド管1の内部での排気ガスの圧
力損失が増大してしまうこととなる。
【0050】その点、本実施形態のベンド管1では、ベ
ンド部3の曲がり内側部分の流路面積が直管部2に比し
て拡張されているため、ベンド部3の曲がり内側を流れ
る排気ガスの流勢(流速)が局所的に低減されるように
なる。また、ベンド管1では、その曲がり内側部分の流
路面積が偏倚して大きくなっているため、ベンド部3で
の排気ガスの流れが、曲がり内側寄りに誘導される。
【0051】そのため、同図4において矢印F2に示す
ように、排気ガスが曲がり内側の管壁3aのより近くを
流れるようになり、剥離領域が縮小されて上記圧力損失
の増大が抑制されるようになる。
【0052】図6は、断面形状の異なる次の4つのベン
ド管(イ)〜(ニ)について、配管内部の圧力損失と曲
がり部の配管周長との関係が示されている。これらベン
ド管(イ)〜(ニ)は、その途中に曲がり半径25mm
で管軸が湾曲された曲がり部(ベンド)の設けられたベ
ンド管となっている。
【0053】同図6に点(イ)としてプロットされたベ
ンド管は、直管部も曲がり部も、図5(イ)にその管壁
断面の形状を示すような直径φ=36.5mmの円形状
に形成された一定断面のベンド管である。また同図6に
点(ハ)としてプロットされたベンド管は、やはり直管
部も曲がり部断面も、図5(ハ)に示すような直径φ=
41.1mmの円形状に形成された一定断面のベンド管
である。
【0054】一方、同図6に点(ロ)としてプロットさ
れたベンド管は、図5(ロ)にその曲がり部の断面形状
を示すように、直管部管壁の断面が直径φ=36.5m
mの円形状に形成された配管に対して、本実施形態の曲
がり構造を適用したものである。
【0055】更に、同図6に点(ニ)としてプロットさ
れたベンド管は、直管部管壁の断面が直径φ=36.5
mmの円形状に形成された配管に対して、その曲がり部
の断面を図5(ニ)に示すような形状に形成したもので
ある。すなわち、このベンド管では、その管軸方向に垂
直な断面について、その曲がり部の曲がり内側の曲率を
直管部の曲率よりも小さくするとともに、その曲がり部
の曲がり外側の曲率を直管部の曲率よりも大きくされて
いる。それにより、このベンド管(ニ)では、曲がり部
の流路面積を拡張することなく、曲がり部の断面が、曲
がり内側に偏倚して広い流路面積を有するように形成さ
れている。更にこのベンド管(ニ)では、曲がり部の管
壁周長は、直管部よりも短縮されている。
【0056】図6の縦軸は、上記各ベンド管(イ)〜
(ニ)に所定条件で流体を流したときの、上記ベンド管
(イ)の圧力損失を基準(1.0)とした各ベンド管
(イ)〜(ニ)の配管内部の圧力損失の比が示されてい
る。ちなみに上記流体条件は、内燃機関の高負荷運転中
の排気管内での排気ガスの流れを再現するように設定さ
れている。
【0057】同図6に示されるように、本実施形態の曲
がり部構造の適用されたベンド管(ロ)では、直管部の
管径が同じのベンド管(イ)に比して圧力損失が大幅に
低減されており、直管部の管径がより大きいベンド管
(ハ)と同程度の圧力損失となっている。すなわち、曲
がり部3の断面を図2(b)に示される形状に形成した
本実施形態の曲がり部構造の適用により、配管の直管部
の管径を拡大することなく、配管内部を流れる排気ガス
の圧力損失を低減し、その排出効率を向上することがで
きる。
【0058】また、そうした本実施形態の曲がり部構造
を適用すれば、配管内部を流れる圧力損失を増大させる
ことなく、配管の直管部の管径を小さくできるようにも
なり、配管の設置性や搭載性を向上することができる。
また管径の縮小により、配管の材料コストを低減するこ
ともできる。
【0059】なお、上記ベンド管(ニ)についても、直
管部の管径が同じのベンド管(イ)に比して圧力損失が
低減されている。このベンド管(ニ)では、曲がり部の
流路面積は、上記ベンド管(イ)に比して大きくはなっ
ていない。このことから、上記のような曲がり部の断面
形状、すなわち曲がり内側の曲率を曲がり外側よりも小
さくして、曲がり内側に偏倚して流路面積の拡大された
断面形状が、圧力損失の低減に有効であることを確認で
きる。
【0060】また、このベンド管(ニ)では、上記ベン
ド管(イ)に比して、曲がり部の管壁周長が短くなって
いる。管壁周長が短くなれば、その分、配管の材料が低
減されるため、図5(ニ)に示すような曲がり部の断面
形状を適用することで、圧力損失が同等の配管を、より
少ない材料コストで製造できるようにもなる。
【0061】ちなみに、ベンド部3の曲がり方が急であ
る程、すなわち曲がり半径が小さい程、或いは曲がり角
度が大きい程、上記のような排気ガスの剥離が生じ易く
なるため、上記曲がり構造の採用による圧力損失の低減
効果は大きくなる。発明者らによる解析結果によれば、
ベンド部3の曲がり半径が直管部2の直径の1.3倍以
下である場合に、圧力損失の低減効果が顕著となること
が確認されている。
【0062】なお、このベンド管1では、そのベンド部
3、すなわち図1におけるB−B線〜C−C線〜D−D
線の部分の管軸L方向に垂直な断面を同一の断面形状と
するようにしているが、そのベンド部3の断面形状を滑
らかに徐変させるようにしても良い。例えば、図1のA
−A線〜C−C線の部分、及びE−E線〜C−C線の部
分において、ベンド管1の断面形状を、図2(a)に示
される形状から図2(b)に示される形状へと滑らかに
徐変させるようにしても良い。
【0063】以上説明した本実施形態によれば、次のよ
うな効果を奏することができる。 (1)本実施形態では、ベンド管1のベンド部3の管軸
L方向に垂直な断面において、曲がり内側の曲率が曲が
り外側の曲率に比して小さい形状に形成されており、曲
がり内側に偏倚して大きい流路面積を有するようになっ
ている。したがって、ベンド部3下流での排気ガスの剥
離現象の発生を低減し、ベンド部3に起因するベンド管
1の内部での排気ガスの圧力損失の増大を有効に抑制す
ることができる。
【0064】(2)本実施形態では、ベンド管1の管軸
L方向に垂直な断面において、ベンド部3の曲がり内側
の曲率が、そのベンド部3の上流に接続された直管部2
の曲がり内側の曲率に比して、小さくなるようにベンド
部3の断面形状が形成されている。これにより、直管部
2からベンド部3に向かうにつれ、その曲がり内側の部
分の流路面積が局所的に拡張されるようになっている。
したがって、ベンド部3下流での排気ガスの剥離現象の
発生を低減し、ベンド部3に起因するベンド管1の内部
での排気ガスの圧力損失の増大を有効に抑制することが
できる。
【0065】(3)本実施形態では、上記のようなベン
ド部3の曲がり内側の流路面積を局所的に拡大すること
で、その曲がり内側を流れる流体の流速を低減して、剥
離現象の発生を抑制している。このように、流路抵抗を
設けずに流体の流速を低減する構造となっているため、
ベンド管1を流れる流体の運動エネルギをほとんど減少
させることなく剥離現象の発生を抑制でき、ベンド部2
に起因するベンド管1の内部での排気ガスの圧力損失の
増大を効果的に抑制できる。
【0066】(4)本実施形態では、ベンド部3の曲が
り内側の流路面積を拡張しながらも、ベンド部3の上記
幅方向の最大長(管幅)は、直管部2の同幅方向の最大
長(直管部2の管径)を超えないようになっている。そ
のため、圧力損失を低減しながらも、ベンド管1の設置
性や搭載性の悪化も回避できる。
【0067】(5)更に本実施形態では、ベンド部3の
上記高さ方向の最大長(管高さ)についても、直管部2
の同高さ方向の最大長(直管部2の管径)を超えないよ
うになっている。そのため、圧力損失を低減しながら
も、ベンド管1の設置性や搭載性の悪化も回避できる。
【0068】(6)また本実施形態では、ベンド部3の
管軸方向に垂直な断面における曲がり外側の曲率は、直
管部2の同断面での曲がり外側の曲率と同じとなってい
る。すなわち、本実施形態では、曲がり内側の部分を拡
張するようにベンド部3の断面形状を形成しながらも、
曲がり外側については直管部2もベンド部3も同一の断
面形状となっている。そのため、上記のようなベンド部
3の断面形状を比較的容易に形成することができる。
【0069】(エルボ管への適用例)続いて、以上のベ
ンド管における曲がり部を有する流体通路を、エルボ
(屈曲)管に適用した場合を説明する。
【0070】ちなみに、エルボ管の曲がり部(エルボ
部)は、管軸方向が屈曲されており、実質的な曲がり半
径が「0」となっている。そのため、エルボ管では、管
軸方向の曲がり角度が同じであれば、上記ベンド管に比
して曲がり方が急となり、圧力損失が大きくなる。
【0071】図7は、上記ベンド管1と同様の曲がり部
構造の適用されたエルボ管11の部分断面構造を示して
いる。このエルボ管11では、管軸L1を有する直管部
12aと管軸L2を有する直管部12bとの2つの直管
部が、エルボ部13を介して、それらの管軸L1,L2
が直交するように接続されている。
【0072】このエルボ管11にエルボ部13に接続さ
れる直線部、すなわち図7のF−F線よりも上流の部分
12a、及びJ−J線よりも下流の部分12bでは、そ
の管軸L1,L2方向に垂直な断面は、図8(a)に示
すように、半径rの断面円形状に形成されている。
【0073】図8(b)は、図7のG−G線及びI−I
線の部分、すなわちエルボ管11におけるエルボ部13
の両端での管軸L1,L2に垂直な断面の形状を示して
いる。図7のF−F線〜G−G線の部分、及びJ−J線
〜I−I線の部分では、エルボ管11の断面形状は、図
8(a)に示される形状から図8(b)に示される形状
へと滑らかに徐変されている。このように、このエルボ
管11の両端部の断面形状は、上述のベンド管1のベン
ド部3(図2(b)参照)と同様の断面形状となってい
る。
【0074】また図8(c)は、図7のH−H線に沿っ
たエルボ管11の断面形状を示している。ちなみに、同
図8(c)に示される断面は、管軸L1,L2に対して
45度傾斜した断面である。
【0075】こうしたエルボ管11においても、上記ベ
ンド管1と同様に、エルボ部13に起因する排気ガスの
圧力損失の増大を有効に抑制することができる。曲がり
方が急なエルボ管11では、ベンド管に比して剥離がよ
り生じ易いため、ベンド管の場合に比べ、上記のような
曲がり部13の断面形状の適用による圧力損失の抑制効
果が大きくなる傾向にある。
【0076】(排気マニホールドへの適用例)更に発明
者らは、本実施形態の曲がり部構造を内燃機関の排気マ
ニホールドに適用した場合の圧力損失の抑制効果につい
ても検討している。
【0077】排気マニホールドは、エンジンルーム内の
限られた空間に設置されるため、曲がり部の曲がり半径
や管径の縮小による省スペース化への要求が大きい部位
である。また圧力損失の低減により、排気ガスの排出効
率が高められれば、内燃機関の出力向上に直結する部位
でもある。
【0078】図9(a)は、本実施形態のベースとなっ
た従来通りの曲がり部構造の採用された排気マニホール
ド20の部分断面構造を示している。同図9(a)に示
される排気マニホールド20では、並列に配設された3
つの流入ポート、すなわち第1ポート21、第2ポート
22、及び第3ポート23と、それら各ポート21〜2
3の管軸に垂直な方向に延伸されたメイン管24とを備
えている。この排気マニホールド20において各流入ポ
ート21〜23、及びメイン管24の管軸方向に垂直な
断面は、それぞれ同一径の円形状に形成されている。
【0079】第1ポート21は、管軸方向が直角に屈曲
されたエルボ状の曲がり部25を通じて、第2ポート2
2及び第3ポート23は、T字状の合流部26,27を
通じて、メイン管24にそれぞれ接続されている。各流
入ポート21〜23はその上流側で内燃機関の各気筒に
それぞれ接続され、メイン管24はその下流側で触媒に
接続されている。
【0080】内燃機関の各気筒から排出された排気ガス
は、各ポート21〜23より、曲がり部25又は合流部
26,27を通じてメイン管24に流入し、更にそのメ
イン管24を通じて触媒に送られる。このときの第2ポ
ート22及び第3ポート23を通じて送られた排気ガス
は、同図9(a)に矢印で示すように、合流部26,2
7を通じてその流れ方向が直角に変えられる。よって、
合流部26,27も、同図9(a)に矢印で示すよう
に、その内部を流れる排気ガスの流れ方向を変更する曲
がり部となっている。
【0081】一方、図9(b)に側部断面構造の示され
る排気マニホールド30は、その第1ポート31とメイ
ン管34とを接続する曲がり部35、及び第2、第3ポ
ート32,33とメイン管35との合流部36,37の
断面を、第1実施形態のベンド部3と同様の断面形状に
形成したものである。すなわち、この排気マニホールド
30の曲がり部35及び合流部36,37の管軸方向に
垂直な断面は、図2(b)に示した形状と同様に、曲が
り内側に直線状となった部分が設けられ、その曲がり内
側に偏倚して流路面積が拡大された断面形状に形成され
ている。
【0082】発明者らは、以上の排気マニホールド2
0,30について、その内部を流れる排気ガスの圧力損
失を、数値解析を用いて求めている。その数値解析によ
れば、本発明にかかる曲がり部構造の適用された排気マ
ニホールド30は、従来通りの曲がり構造を採用した排
気マニホールド20に比して、その内部での圧力損失が
大きく低減されることが確認されている。
【0083】また、発明者らは、数値解析を用いて、上
記各排気マニホールド20,30の内部での排気ガスの
挙動についても調査しており、本実施形態の曲がり部構
造の適用により、曲がり部及び合流部における排気ガス
の剥離が低減されていることが確認されている。
【0084】更に、上記従来の排気マニホールド20で
は、メイン管25を流れる排気ガスが合流部26,27
を通過する際に、その排気ガスの一部が流入ポート2
2,23に流入してしまうことも、圧力損失を増大させ
る要因となっている。上記排気ガス挙動の調査結果によ
れば、排気マニホールド30では、そうした他の流入ポ
ートへの排気ガスの流入が低減されることも確認されて
いる。
【0085】このように、本実施形態の曲がり部構造の
適用により、高い設定性及び搭載性と、低い圧力損失と
を兼ね備えた排気マニホールドを実現できる。また、こ
こで示したように2つ以上の配管が1つに合流される配
管合流部においても、その内部を流れる流体の流れ方向
が変更される曲がり部が形成され、配管内部の圧力損失
の増大を招くことがある。そのような場合にも、その曲
がり部の断面形状を、第1或いは第2実施形態と同様に
形成することで、そうした圧力損失の増大を有効に抑制
できる。
【0086】更に、1つの配管が2つ以上の配管に分岐
される配管分岐部についても、そうした曲がり部が形成
されることがある。勿論、そうした配管分岐部について
も、同様の曲がり部構造を適用することで、設置性や搭
載性を損なうことなく、圧力損失の増大を有効に抑制す
ることができる。
【0087】さて、以上の各実施形態では、曲がり部の
断面形状を図2(b)等に示される形状とするようにし
ている。一方、上述したように、図5(ニ)に示すよう
な断面形状についても、配管内部の圧力損失の抑制効果
があることが確かめられている(図6参照)。
【0088】要は、配管の曲がり部を、次のような断面
形状に形成すれば、好適な設置性や搭載性を保持しなが
らも、曲がり部に起因する圧力損失の増大を有効に抑制
できる。
【0089】ここでは、曲がり部以外の部位の断面形状
が、図10(a)に示されるような円形状とされた配管
を例として、圧力損失の低減に有効な断面形状について
説明する。
【0090】上記のような断面円形状の配管では、曲が
り内側部分では、曲がり内側に向かうほど管幅が狭まっ
ている。そうした曲がり部の曲がり内側部分の管幅を拡
げれば、その曲がり内側を流れる流体が上記幅方向に拡
散されて、その流速が低減されるため、上述したような
曲がり部の曲がり内側部分での剥離の発生を低減するこ
とができる。
【0091】そこで、同図10(a)に曲線C1,C
2,C3に示されるように、曲がり部の曲がり平面に垂
直な直線L0に近づける方向に曲がり内側の断面形状を
拡張していけば、上記曲がり内側部分の管幅を拡げるこ
とができる。ここでは、曲がり内側の断面形状が曲線C
1から曲線C3に向かうほど、直線L0に近づき、より
平坦となっている。すなわち、配管曲がり部の曲がり内
側が、それ以外の部位に比して、より平坦となるような
断面形状とすれば、圧力損失を有効に低減することがで
きる。
【0092】一方、発明者らの調査の結果、曲がり部の
曲がり外側の断面形状については、圧力損失にほとんど
影響の無いことが確認されている。よって、曲がり部の
曲がり外側については、その通路断面をあえて拡大しな
くても、曲がり内側の通路断面を上記のように拡大しさ
えすれば、圧力損失を有効に低減できる。
【0093】図10(b)に示される通路形状a1〜a
3は、断面円形状の通路形状a0に対して、その曲がり
外側の断面形状を維持しながら、曲がり内側の通路断面
を上記のように拡張した曲がり部の断面形状の例であ
る。このように曲がり外側の断面形状を維持しつつ、平
坦な部分が形成されるまで曲がり内側を拡張した通路形
状a3が、図2(b)等に示した上記各実施形態の曲が
り部断面形状である。
【0094】一方、図10(c)に示される通路形状a
4〜a6は、やはり断面円形状の通路形状a0に対し
て、その曲がり内側の通路断面を上記のように拡張しつ
つ、曲がり外側の曲率を大きくした曲がり部の断面形状
の例である。上述のように曲がり外側の断面形状の圧力
損失に与える影響は小さいため、曲がり外側の通路断面
はある程度縮小されても、曲がり内側の通路断面の拡張
により、十分に圧力損失を低減することができる。
【0095】更に、曲がり部の通路断面を、図10
(d)の通路形状a7のように、曲がり内側を長辺とす
る略台形形状としたり、同図の通路形状a8のように、
曲がり内側が直線状に形成されるとともに、曲がり外側
に向けて先細りとなった略三角形状としたりしても良
い。これらの通路形状a7,a8でも、曲がり部の曲が
り内側が平坦に形成されており、曲がり内側を流れる流
体の流速を局所的に低減させることができる。
【0096】いずれにせよ、曲がり内側を平坦とする、
或いは平坦に近づけるように曲がり部の通路断面の形状
を形成すれば、曲がり部の曲がり内側で発生する流体の
剥離を低減することができる。ちなみに、そうした曲が
り部の断面形状では、その通路断面の重心位置が曲がり
内側寄りに偏倚するようになる。
【0097】勿論、円形状以外の断面形状の配管におい
ても、その曲がり部の通路断面を上記と同様に変形させ
た形状とすることで、圧力損失を有効に低減することが
できる。
【0098】例えば、図11(a)に示すような断面楕
円形状の配管に対しては、その曲がり部の通路断面を、
例えば図11(b)或いは同図11(c)に示されるよ
うな形状に形成すれば、有効に圧力損失を低減すること
ができる。また図12(a)に示すような断面略矩形状
の配管に対しては、その曲がり部の通路断面を、例えば
図12(b)或いは同図12(c)に示されるような形
状に形成すれば、同様に有効に圧力損失を低減すること
ができる。
【0099】ちなみに、図11(b)及び図12(b)
は、曲がり外側の通路形状については、曲がり部以外の
部位での流体通路の断面形状(図11(a)、図12
(a))を維持しつつ、曲がり内側を平坦とするように
曲がり部の断面形状を変更したものである。また図11
(c)及び図12(c)は、曲がり内側の通路面積を拡
大するとともに、曲がり外側の通路面積を縮小するよう
に、曲がり部の断面形状を変更したものである。
【0100】更に、以上説明した曲がり部を有する流体
通路は、内燃機関の排気管以外にも、例えば内燃機関の
吸気管等、任意の配管に対して適用することができる。
勿論、流体の内部に流される流体は、気体であっても、
液体であっても良く、例えば水やオイル等の液体を搬送
する配管にも適用できる。また、例えばブロック内に穿
設して形成された通路などのような配管以外の流体通路
にも、同様の曲がり部構造を適用することができる。要
は、その内部に流体の流される流体通路であれば、上記
曲がり部構造を同様、或いはそれに準じた態様で任意に
適用することができる。
【0101】(その他の実施形態)さて、上記各実施形
態では、流体通路の断面形状によってその曲がり内側を
流れる流体の流速を低減し、曲がり部での曲がり内側と
曲がり外側との流体の流速差を縮小することで、曲がり
部下流での流体の剥離現象の発生を抑制するようにして
いる。このように、曲がり部の曲がり内側を流れる流体
の流速を局所的に低減すれば、流体通路内部での流体の
圧力損失を有効に低減することができる。
【0102】一方、曲がり部の曲がり外側を流れる流体
の流速を局所的に高めることによっても、やはり、曲が
り部での曲がり内側と曲がり外側との流体の流速差が縮
小されるようになる。要は、流体通路の曲がり部に、そ
の曲がり内側と曲がり外側との流体の流速差を縮小する
構造を設ければ、曲がり部の曲がり内側での流体の剥離
を抑制し、その内部を流れる流体の圧力損失を有効に低
減することができるようになる。よって、例えば次のよ
うな構成によっても、圧力損失を有効に低減可能とな
る。
【0103】・ 流体通路の曲がり部において、その曲
がり内側と曲がり外側とで内壁表面を異ならせ、流体の
壁面摩擦による抵抗をそれぞれ変えることで、曲がり内
側と曲がり外側との流体の流速差を低減する。例えば、
曲がり部、或いはその上流の部位についてその曲がり内
側の内壁表面の壁面摩擦を大きくして、その曲がり内側
を流れる流体の流速を低減したり、曲がり外側の内壁表
面の壁面摩擦を小さくして、その曲がり外側を流れる流
体の流速を高めるようにしたりする。
【0104】・ 流体通路の曲がり部において、その曲
がり内側、或いは曲がり外側を局部加熱又は局部冷却
し、その曲がり内側を流れる流体の粘度と曲がり外側を
流れる流体の粘度とを異ならせることで、それらの流速
差を低減する。例えばそうした局部加熱や局部冷却によ
り、曲がり内側を流れる流体の粘度を高めれてその流速
を低減したり、或いは曲がり外側を流れる流体の粘度を
低下させてその流速を高めたり、或いはそれらを組み合
わせることで、曲がり内側と曲がり外側との流体の流速
差を低減することができる。ちなみに、一般に流体通路
を流れる流体が気体である場合には、加熱によりその粘
度が高められ、冷却によりその粘度が下げられる。また
流体が液体である場合には、加熱によりその粘度が下げ
られ、冷却によりその粘度が高められる。
【0105】いずれにせよ、流体通路の曲がり部の曲が
り内側を流れる流体と曲がり外側を流れる流体との速度
差を縮小するようにすれば、曲がり部の曲がり内側での
流体の剥離を抑制し、流体通路内部の圧力損失を低減す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の曲がり部構造の適用されたベンド管
の縦断面図。
【図2】 同ベンド管各部の断面図。
【図3】 同ベンド管のベンド部の斜視図。
【図4】 同ベンド管内部の排気ガスの流れを示す模式
図。
【図5】 本実施形態及び比較対象となる各ベンド管の
断面図。
【図6】 上記各ベンド管のベンド部断面の周長と圧力
損失との関係を示すグラフ。
【図7】 本発明の曲がり構造の適用されたエルボ管の
縦断面図。
【図8】 同エルボ管各部の断面図。
【図9】 従来の排気マニホールドの側部断面構造と本
発明の曲がり構造の適用された破棄マニホールドの側面
構造を併せ示す図。
【図10】 本発明の他の実施形態についてその曲がり
部の断面図。
【図11】 本発明の他の実施形態についてその曲がり
部の断面図。
【図12】 本発明の他の実施形態についてその曲がり
部の断面図。
【符号の説明】
1…ベンド管(流体通路)、2…直管部、3…ベンド部
(曲がり部)、3a…(ベンド部の)曲がり内側管壁、
3b…(ベンド部の)曲がり外側管壁、11…エルボ管
(流体通路)、12a…(エルボ部上流側の)直管部、
12b…(エルボ部下流側の)直管部、13…エルボ部
(曲がり部)、13a…(エルボ部の)曲がり内側管
壁、13b…(エルボ部の)曲がり外側管壁、20,3
0…排気マニホールド、21〜23,31〜33…流入
ポート、24,34…メイン管、25,35…曲がり
部、26,27,36,37…合流部(曲がり部)、
L,L1,L2…管軸。
フロントページの続き (72)発明者 中村 英幸 愛知県東海市東海町5丁目3番地 新日本 製鐵 株式会社名古屋製鐵所内 Fターム(参考) 3H019 EA03 EA07

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体通路の曲がり部の曲がり内側を流れ
    る流体とその曲がり外側を流れる流体との流速差を低減
    する構造を備える曲がり部を有する流体通路。
  2. 【請求項2】 流体通路の曲がり部の曲がり内側を流れ
    る流体の流速を局所的に低減する構造を備える曲がり部
    を有する流体通路。
  3. 【請求項3】 流体通路の曲がり部の通路軸方向に垂直
    な通路断面を、曲がり内側寄りに偏倚して大きな通路面
    積を有する断面形状に形成したことを特徴とする曲がり
    部を有する流体通路。
  4. 【請求項4】 流体通路の曲がり部を、その通路軸方向
    に垂直な通路断面の重心位置が曲がり内側寄りに偏倚し
    た断面形状に形成したことを特徴とする曲がり部を有す
    る流体通路。
  5. 【請求項5】 流体通路の曲がり部について、その通路
    軸方向に垂直な断面での曲がり内側の曲率が同曲がり外
    側の曲率に比して小さくなるように形成されることを特
    徴とする曲がり部を有する流体通路。
  6. 【請求項6】 前記通路軸方向に垂直な断面での曲がり
    内側の少なくとも一部が曲率「0」に形成されてなる請
    求項5に記載の曲がり部を有する流体通路。
  7. 【請求項7】 前記曲がり部の曲がり外側の通路壁形状
    は、該曲がり部に連結される前記流体通路の直線部にお
    ける前記曲がり部の曲がり外側の通路壁形状と略同一の
    形状とされてなる請求項3〜6のいずれかに記載の曲が
    り部を有する流体通路。
  8. 【請求項8】 前記曲がり部の通路幅は、該曲がり部に
    連結される前記流体通路の直線部の通路幅と略同一に形
    成されている請求項3〜7のいずれかに記載の曲がり部
    を有する流体通路。
  9. 【請求項9】 前記曲がり部の通路高さは、該曲がり部
    に連結される前記流体通路の直線部の通路高さと略同一
    に形成されている請求項3〜8のいずれかに記載の曲が
    り部を有する流体通路。
  10. 【請求項10】 前記曲がり部よりも上流側に、その通
    路軸方向に垂直な通路断面が前記曲がり部と同様の断面
    形状に形成された部位が更に設けられている請求項3〜
    9のいずれかに記載の曲がり部を有する流体通路。
  11. 【請求項11】 前記流体通路は、流体を搬送する配管
    である請求項1〜10のいずれかに記載の曲がり部を有
    する流体通路。
  12. 【請求項12】 前記流体通路は、内燃機関の吸気管で
    ある請求項11に記載の曲がり部を有する流体通路。
  13. 【請求項13】 前記流体通路は、内燃機関の排気管で
    ある請求項11に記載の曲がり部を有する流体通路。
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