JP2012215100A - シリンダヘッド構造およびエキゾーストマニホールド構造 - Google Patents

シリンダヘッド構造およびエキゾーストマニホールド構造 Download PDF

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Abstract

【課題】シリンダヘッドを小型化しようとした時には、排気ガス浄化触媒へのガス当たりの一様度を確保する事が必要となる。一方、排気ガス浄化触媒への排気ガス当たりを一様化させるために、シリンダヘッドの排気出口を大きくしようとすると、排気管との取付において、シール性が保持できない。
【解決手段】本発明のシリンダヘッド構造は、複数の気筒からの排気ポートの集合部を前記外殻の内部に設け、排気出口の下流側に触媒が連結され、略直角に曲がるコーン部を前記排気出口周辺にボルト締結させた構造であって、前記排気出口の形状を、クランク軸方向を長手方向とした時に、前記長手方向に長い長円形状で形成し、前記長円形状は、前記長手方向で最も長い径より上側の曲率半径を下側の曲率半径より小さくし、前記長円形状が、前記締結点を結ぶ線より内側に位置することを特徴とするシリンダヘッド構造およびエキゾーストマニホールド構造を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンのシリンダヘッドおよびエキゾーストマニホールドの構造に関するものであり、特に排気ポートを集合させた集合部をシリンダヘッド内に設け、シリンダヘッド外部に触媒を備えたエキゾーストマニホールドをボルト締結するシリンダヘッドの排気口の形状およびその排気口に連結するエキゾーストマニホールドの連結口形状に関するものである。
近年、多気筒エンジンのシリンダヘッドでは、シリンダヘッド内部で各排気ポートを集合させ、それをシリンダヘッド外部に設けたエキゾーストマニホールドで排気ガスの集合を行わせるタイプのエンジンがある。これは、エンジンの小型化を目指したものでシリンダヘッドの出口(排気口)から直ちに方向を変える配管でエキゾーストマニホールドや、その下流に燃焼触媒の担体が接続される場合が多い。
特許文献1(特開2004−052546号公報)には、シリンダブロックの側面よりも外側に突出する張出部を設け、張出部の内部に各気筒からの排気ポートを集合させる排気集合部を形成することで、張出部の下面とシリンダブロックの側面との間のデッドスペースを有効利用し、エンジン全体を小型化する発明が開示されている。
図7に特許文献1のシリンダヘッドの外面形状を示す。シリンダヘッド112の側面には排気出口148が形成されている。この面には、点火プラグ挿入筒121と共に、補強壁161と引出部149も形成されている。この発明では、シリンダヘッド112は、上下方向の高さも低くなる(全体として平たい形状)ように形成されており、シリンダヘッド112の外面に形成された排気出口148もトラック形状(半円同士を直線で繋いでトラックの形状にしたもの)を形成している。
なお、排気出口148には、下向きに90°屈曲した排気管に続き、略円筒形状の排気ガス浄化触媒が設けられている(図示せず)。また、排気出口148には、エキゾーストマニホールドがボルト締結により取り付けられる。そのためのボス部158a乃至158cが形成されている。
特開2004−052546号公報
エンジンの小型化を行う上では、シリンダヘッドを小型化し、排気管をできるだけエンジンの近傍で取り回しを行うことが必然となる。しかし、排気管をエンジン近傍で取りまわすということは、排気管を急角度で曲げることとなる。一方排気ガスは、高温かつ高速の気体であるので、屈曲した配管中を流れる際には、最も速度が速くなるパスを通過しようとする。
特にシリンダヘッドから出た直後の排気ガスは流速も早い。従って、シリンダヘッドの出口で大きく屈曲する配管では、屈曲の外側と内側で排気ガスに速度の差がつきやすい。すなわち、曲率半径の大きな、屈曲の外側のパスを通過する排気ガスの流速は早く、曲率半径の小さな、屈曲の内側のパスを通過する排気ガスの流速は遅い。すると、シリンダヘッド出口からすぐに大きく屈曲した排気管に続いて配置された排気ガス浄化触媒には、屈曲の外側にあたる部分に流速の早い排気ガスが突入することとなる。
排気ガス浄化触媒は所定の温度範囲で活性する。従って、排気ガスが強く当たっている部分と、排気ガスの当たりが弱い部分とでは、触媒の活性に不均一が生じる。また、一部分の触媒にだけ排気ガスが強く当たり続けると、その部分だけが高温になりすぎ、触媒機能が失活するおそれもある。すなわち、シリンダヘッドを小型化しようとした時には、排気ガス浄化触媒へのガス当たりの一様度を確保する事が必要となる。
一方、排気ガス浄化触媒への排気ガス当たりを一様化させるために、シリンダヘッドの排気出口を大きくしようとすると、排気管との取付において、シール性が保持できない。例えば、特許文献1では、3本のボルト締結用ボスが設けられているが、排気出口148は、それぞれのボス部を結んだ線からはみ出る部分200が生じている。このような状態では、シリンダヘッドと排気管を十分な力で締結することはできない。つまり、ボス部を結んだ線と排気出口が重なってしまっていては、ボルトの軸力が均一とならず、シール性が低下する。
本発明は上記のような課題に鑑み想到されたものであり、シリンダヘッド直後の屈曲した排気管に接続される排気ガス浄化触媒に対する排気ガスの当たりの一様性を高め、また、シリンダヘッドと排気管の締結を強固に行うことのできるシリンダヘッド構造を提供することを目的とする。また、そのシリンダヘッドに連結されるエキゾーストマニホールド構造も提供する。
より具体的に本発明のシリンダヘッド構造は、
外面に排気出口が形成された外殻を有し、
複数の気筒からの排気ポート下流部を集合させた集合部を前記外殻の内部に設け、前記集合部の出口が前記排気出口に前記外殻の内部で連通され、
前記排気出口に、下流側に排ガス浄化触媒が連結され、略直角に曲がるコーン部を
前記外面の前記排気出口周辺に設けられた複数の締結点でボルト締結させたエンジンのシリンダヘッド構造であって、
前記排気出口の形状を、クランク軸方向を長手方向とした時に、前記長手方向に長い長円形状で形成し、
前記長円形状は、前記長手方向で最も長い径より上側の曲率半径を下側の曲率半径より小さくし、
前記長円形状が、前記締結点を結ぶ線より内側に位置することを特徴とする。
また、本発明のエキゾーストマニホールド構造は、
前記シリンダヘッドの排気出口に複数の締結点でボルト締結されるフランジが形成されたエキゾーストマニホールド入り口と、
前記排気ガス浄化触媒に連結されるエキゾーストマニホールド出口を有し、
前記エキゾーストマニホールド入り口は、エンジンのクランク軸方向を長手方向とした時に、前記長手方向に長い長円形状で形成し、
前記長円形状は、前記長手方向で最も長い径より上側の曲率半径を下側の曲率半径より小さくし、
前記長円形状が、前記締結点を結ぶ線より内側に位置することを特徴とする。
本発明のシリンダヘッド構造では、シリンダヘッドの外殻に形成された排気出口が横長の長円であり、最も長い径の上側の曲率半径を下側の曲率半径より小さくしているので、排気出口の下側の排気ガスの流速が上側の排気ガスの流速に比較し、相対的に早くすることができるので、上側および下側の曲率半径が同じ場合と比較して、触媒へのガス当たりの一様性が向上する。
また、排気出口がコーン部のボルト締結点を結ぶ線より内側に位置するので、オーバーハングが生じることがない。したがって、シリンダヘッドとコーン部の締結部分のシール性を高気密に保つことができる。
また、上記のシリンダヘッド構造に連結されるエキゾーストマニホールドの入り口の形状は、シリンダヘッドの排気出口同様の形状である。具体的には、横長の長円であり、最も長い径の上側の曲率半径を下側の曲率半径より小さくしている。従って、排気出口の下側の排気ガスの流速が上側の排気ガスの流速に比較し、相対的に早くすることができるので、上側および下側の曲率半径が同じ場合と比較して、触媒へのガス当たりの一様性が向上するという本発明のシリンダヘッド構造同様の効果を奏する。
本発明のシリンダヘッド構造の外観を示す図である。 図1中のA−A断面を示す図である。 排気出口の正面(図3(a))および断面図(図3(b))である。 本発明に適用されない排気出口形状の例を示す図である。 楕円を円弧で近似する様子を示す図である。 排気出口周辺の締結点を示す図である。 従来のシリンダヘッドの外観を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明を説明する。なお、以下の説明は本発明の一実施形態を例示するものであり、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、下記の実施形態を変形してもよい。
図1は、本発明のシリンダヘッド構造の斜視図を示す。本発明のシリンダヘッド構造1では、シリンダヘッド10とコーン部12および排気ガス浄化触媒(コンバータ:以後単に「触媒」とも呼ぶ。)14を有する。シリンダヘッド10は、外殻10fを有し、上側および下側は、連結面10cを有する。外殻10fとはシリンダヘッド10の外側面である。
シリンダヘッド10はシリンダブロック(図示せず)上部に気密的に連結され、またシリンダヘッド10上部には、ヘッドカバー(若しくはロッカカバー:図示せず)がやはり気密的に固定されるからである。なお、シリンダヘッド10の高さは符号10hで表す。また、コーン部12には入り口12iの周囲にフランジ12fが設けられ、シリンダヘッド10とボルトで締結される。
また、シリンダヘッド10は内部にウォータージャケット(図示せず)が構成されている。ウォータージャケットは、シリンダヘッド10の各部を冷却するための冷却水を流すための通路であり、図示しない冷却水取入れ口と、冷却水出口10wを有している。
図2は、図1のA−A断面の模式図である。図2を参照して、シリンダヘッド10は、内部に各気筒からの排気ポート15a乃至15f(まとめて「排気ポート15」という。)が集合する集合部16を有する。従来は排気ポート15が集合する集合部16はシリンダヘッド10の外部に形成していた。しかし、エンジンを小型化する上で集合部16はシリンダヘッド10の内部に形成される。なお、本実施の形態では、気筒は3つ(17a乃至17c)の場合について説明するが、気筒の数は3に限定されるものではない。また、図2のように集合部16が形成されるので、クランク軸は矢印18と平行な方向に配置される。
再度図1を参照して、シリンダヘッド10には、排気出口20が形成される。排気出口20は、シリンダヘッド10の外殻(側面)10fに形成された貫通孔である。排気出口20の内側は、排気ポート15の集合部16の出口が連結されている。従って、排気出口20を外側から見ると排気ポート15の集合部16の内側がのぞける。排気出口20の外側にはエキゾーストマニホールドを兼ねたコーン部12が締結される。
なお、本明細書では「エキゾーストマニホールド」と「コーン部」は同意として用いる。コーン部12は、排気出口20を出るとすぐに下方に向けてほぼ90°屈曲した構造をしている。コーン部12の出口12oには、排気ガス浄化触媒14が取り付けられている。コーン部12の出口12oと排気ガス浄化触媒14は、溶接で接合させるのが好適である。排気ガスがもれないように気密性が必要であるうえ、振動に曝される箇所であるので、強固な結合が必要だからである。
図3(a)には、シリンダヘッド10を正面から見た排気出口20を表す。排気出口20は、長円形状をしている。ここで長円形状とは、なめらかな曲線で形成され、シリンダヘッド10の外殻にそった横方向と、シリンダヘッド10の高さ方向である縦方向にそれぞれ1つの最大径軸を有する丸形状であって、横方向の最大径(以後「横最大径22」と呼ぶ)が縦方向の最大径(以後「縦最大径23」と呼ぶ)より大きい形状をいう。なお、横方向はクランク軸方向18と一致する。
なお、排気出口20と連結されるコーン部12の入り口12iも、製造時の公差の範囲内で、同様の形状をしている。シリンダヘッド10の排気出口20とコーン部12の入り口12iで形状が異なると、排気ガスの流れがスムースに流れず、本発明の効果を奏することができないからである。
より具体的には、横最大径22を境にして上部形状24と下部形状26に分けられ、上部形状24と下部形状26が共に楕円である。全体として長円形状であるので、これら上下の楕円は、それぞれ同じ長軸(横最大径22に一致する)を有し、扁平率が異なる楕円の組み合わせである。なお、ここで楕円とは、円弧の組み合わせで楕円を近似した形状を含んでよい。実際のシリンダヘッドの製造では、正確な楕円を組み合わせた形状の貫通孔を製造するのは困難な場合もあるからである。
さらに、上部形状24の扁平率は下部形状26の扁平率より小さい。なお、ここで扁平率は楕円の長軸をaとし、短軸をbとすると「1−b/a」で表され、真円なら「0」、縦に潰れるに従って「1」に近づく値である。従って、上部形状24の方が下部形状26より扁平率が小さいというのは、下部形状26の方が縦方向に潰れた楕円であることを意味する。言い換えると、下部形状26の楕円における短軸長(若しくは短軸長の1/2)が上部形状22の楕円における短軸長(若しくは短軸長の1/2)より短い。なお、図3(a)で下部形状26の下に描いた二点鎖線28fは、上部形状24と同じ短軸長を有する楕円の場合を示す。
図3(b)には、図3(a)のB−B断面の概念図を示す。二点鎖線28sは図3(a)の二点鎖線28fと同じ場合を横から見た状態である。図3(b)はシリンダヘッド10からコンバータ14までの排気ガスの流れを示す。コーン部12は、シリンダヘッド10の排気出口20と同様の形状を有する入り口12iから排気ガス浄化触媒14と接続する出口12oまで、連続的に変化する形状を有する。ただし、排気ガスの流れを制御する突出部や凹みがあってもよい。
もし、排気出口20の上部形状24および下部形状26が同じ楕円から構成されていたとすると(図3(b)の二点鎖線の場合)、図3(b)では、排気出口20の下端20bbでの曲率半径が大きくなる。一方、排気出口20の下部形状26が扁平率の大きな楕円(より潰れた楕円)から構成されていると(図3(b)の実線の場合)、図3(b)では、排気出口20の下端20abでの曲率半径は小さくなる。
ここで、もし二点鎖線のように排気出口20の下端20bbでの曲率半径が大きいと、この部分を流れる排気ガス30bbの流速は遅くなり、排気出口20の上端20tを通過する排気ガス30tの流速との差が大きくなる。つまり触媒14へのガス当たりという観点では、シリンダヘッド10から遠い部分の触媒14oはガス当たりが強く、シリンダヘッド10に近い部分の触媒14iのガス当たりは弱い。つまり、ガス当たりの一様性は悪化する。
一方、排気ポート15から集合部16にかけて流れる排気ガスは、下側の排気ガス量が少なくなる傾向がある。そのため、排気出口20の下端20abで曲率半径を小さくすることで、この部分を流れる排気ガス30abの流速が高くなる。つまり、排気出口20の上端20t付近を流れる排気ガス30tの流速との差が小さい状態でコーン部12を曲がって触媒14に当たるようになり、触媒14へのガス当たりの一様性が向上する。
言い換えると、シリンダヘッド10に接続された排気管が直後に略90度屈曲するような配置の場合は、シリンダヘッド10の排気出口20の形状を下側の曲率半径が上側の曲率半径より大きな円弧で形成すると、屈曲後の配管断面における排気ガスの流速を一様に近い状態に整流することができる。
図4(a)には、排気出口がトラック形状40である場合を示す。トラック形状とは、1つの円を中央で分割し、左右の半円41a、41bを直線42a、42bでつないだ形状をいう。排気出口20がトラック形状40であると、排気ポート15の集合部16の出口もトラック形状40に形成されているということである。つまり、集合部16の上下の壁も出口付近の中央ではフラットになっている。このような形状では、上壁40u付近に多い排気ガスが左右に広がるため、排気出口の中央と左右端で排気ガスの流速が異なることとなる。したがって、触媒14に当たる排気ガスの流速を一様にすることはできない。
また、図4(b)には、図3(a)の極端な例を示す。上部形状24は半円45で、下部形状26は直線である。排気出口20がこのような形状になると、隅に角形状45cが生じることとなる。シリンダヘッド10は強いヒートサイクルに曝されるので、このような角形状45cは応力の集中を生じるので、シリンダヘッド10の耐久性自体に問題が生じるおそれがある。
再び図3(a)を参照して、以上のように、触媒14へのガス当たりの一様性を高めるためには、排気出口20の下部形状26を上部形状24に比べ、縦に扁平した楕円を利用するのがよい。この排気出口20の形状は、排気出口20の横最大径22に対する上部形状24および下部形状26の高さの比で規定される。シリンダヘッド10の高さ10h(図1参照)を低くするために、長円形状の排気出口20を設けるので、横最大径22に対する縦最大径23の比が重要だからである。
具体的には、横最大径22の長さをLとすると、上部形状24の高さ24hは、0.3L乃至0.4Lが好ましく、上部形状24の高さ24hと下部形状26の高さ26hの比は1.5乃至2.0の間が好ましい。ここで「高さ(24hと26h)」とは、上部形状24および下部形状26で一致する長軸(横最大径22)から最遠点までの距離をいい、上部形状24および下部形状26が楕円の場合は、それぞれの短軸長の半分となる。上部形状24の高さ24hが0.5Lに近付くと真円(の半分)に近付き、十分な排気出口面積を確保するには、シリンダヘッド10の高さ10hが高くなる。結果、エンジン自体を小型化できない。一方、上部形状24の高さが0.3Lより小さいと、排気出口20自体が扁平になり過ぎて、排気ガスの流れに対する抵抗が高くなる。
また、上部形状24と下部形状26の高さの比が大きくなると、下側の楕円の扁平率が高くなるので、図4(b)に近付く。一方、高さの比が1に近づくと、排気出口は真円若しくは上下で対称な楕円に近付き、排気ガスの一様性が劣化する。
なお、楕円形状は、円弧で近似することもできる。図5には、上部形状24の楕円を円弧で近似する様子を示す。楕円形状は、上部円弧24aと両脇の上側部円弧24bで近似される。それぞれの円弧の残りを点線で表した。図示しないが同じことは下部形状26の楕円においても可能で、それぞれ対応する部分を下部円弧26a、下側部円弧26bとする。すなわち、本発明における排気出口20の形状は、上部円弧24aと上側部円弧24bと下部円弧26aと下側部円弧26bの4つの円弧で近似させることができる。それぞれの円弧は、曲率半径をそれぞれR24a、R24b、R26a、R26bとする。
例えば、横最大径22の長さをLとして、R24aが0.8L、R24bが0.3L、R26aが1.5L、そしてR26bが0.2Lとすると、好ましい排気出口20の1態様を形成することができる。なお、それぞれ±0.05Lの範囲で値を変化させてもよい。
ここで、上部形状24で横最大径22から最も遠い位置での曲率半径R24を「上部形状の曲率半径」と呼ぶ。上部形状24の楕円を上記の円弧で近似した場合は、上部円弧24aの半径(R24a)が上部形状24の曲率半径である。また、同様に、下部形状26において横最大径22から最も遠い位置での曲率半径R26を「下部形状の曲率半径」と呼ぶ。下部形状26を上記の円弧で近似すると、下部円弧26aの半径(R26a)が下部形状26の曲率半径である。
また、排気出口20が完全な楕円形状であっても、上記と同じ点での曲率半径を「上部形状の曲率半径」および「下部形状の曲率半径」と呼ぶ。本発明のシリンダヘッド構造における排気出口20の形状は上部形状24の曲率半径が下部形状26の曲率半径より小さいとも言える。
上記のような排気出口20の形状は、コーン部12を取付ける際にシリンダヘッド10とのシール性を高める効果も有する。図6(a)には、排気出口20の周囲に形成されるボルトの締結点(50a乃至50d)を示す。シリンダヘッド10の排気出口20にはエキゾーストマニホールドを兼ね、排気出口20を出た直後にほぼ垂直下方に方向を変えるコーン部12が連結される。排気出口20から放出される排気ガスは、高温・高圧であるので、コーン部12は排気出口20に密着させ強固に固定する必要がある。
締結点(50a乃至50d)はコーン部12をシリンダヘッド10に締結するためのボルトが螺着するボルト穴である。ボルトは数が多いほど、強固に取付けることができるが、数が多いと作業工数が増加し、コストが上がる。
長円形状の排気出口20にボルト締結するコーン部12は開口周囲にフランジ12fを配し、そのフランジ12fでボルト締結するのが好ましい(図1参照)。しかし、コーン部12はシリンダヘッド10を出た直後に下方に曲がる形状をしているため、コーン部12の開口全周囲にフランジ12fを配しても、コーン部12で陰になる部分のボルト止めは出来ない。従って、排気出口20の上方および側方でシリンダヘッド10との締結を行う必要がある。
締結ボルト同士(すなわち、締結点同士)は、できるだけ接近させた方がよいが、図6の二点鎖線28fで示すように締結点50cと締結点50dを結ぶ線上から排気出口がはみ出ている場合(これをオーバーハング状態と呼ぶ)は、コーン部12とシリンダヘッド10の間のボルト締結において、シール性が十分でなく、排気ガスが漏洩するおそれが生じる。
この点、本発明のシリンダヘッド構造1の排気出口20形状は下部形状26の曲率半径R26が大きいので、上側の締結点(50aと50b)と下側の締結点(50cと50d)の間隔52を大きくする必要がない。つまり、丈の短い(高さ10hの低い)シリンダヘッド10であっても、オーバーハング無しでコーン部12を締結することができる。なお、これは見方を変えると、ガス量の多い、コーン部12の上側の曲率半径を大きくしたため、シリンダヘッド10に締結したコーン部12の剛性が向上するともいえる。従って、ガスによる放射音を低減する効果も得る事ができる。
また、図6(b)に示す図6(a)のC−C断面のように、本発明のシリンダヘッド構造1では、締結点50(50d)のネジ穴の底53より外殻10fに近い点までウォータージャケット55の先端55tが延設される。締結ボルトのヒートショックを緩和してネジ抜けを防止するためである。より詳細に説明すると、ウォータージャケット55は、締結点50の少なくとも一方に配置される。
ここで「一方に配置される」とは、締結点の上下左右のいずれか一方にウォータージャケットが配置されていることを意味する。言い換えると、シリンダヘッド10の正面から見た時に、締結点50の全周にウォータージャケット55は配置される必要はない。また、締結点の直径をRRとして、少なくとも3RRより近い位置までウォータージャケット55の先端55tが接近して配設されている。締結点50から離れて設置されると締結ボルトを冷却できないからである。
また、ウォータージャケット55の先端55tは少なくとも締結点50の底53よりシリンダヘッド10の外殻10fに近く配設される。締結ボルトを冷却するためである。以上のように、本発明のシリンダヘッド構造1では排気出口20の締結点50の少なくとも一方に、締結点50の底53より外殻10f側までウォータージャケット55が配置されるので、締結ボルトが温度差の大きなヒートサイクルに曝されないので、ボルト緩みといった問題も生じにくくなる。
以上のように、本発明のシリンダヘッド構造1では、排気出口20の形状を、扁平率の異なる楕円の組み合わせ形状とすることで、触媒14に当たる排気ガスの一様性を高めたので、コーン部12の取り付けに際してシール性も保持することができる。また、ガス量の多い、上側の曲率半径R24を大きくしたので、エキゾーストマニホールド(コーン部12)の剛性が向上し、ガスによる放射音を低減する効果を得る事ができる。また、シリンダヘッド10のウォータージャケット55が締結点50の近傍にまで配置されているので、ヒートサイクルによるネジ抜けも起こりにくい。また、本発明のシリンダヘッドにボルト締結されるエキゾーストマニホールドの入り口も排気出口20と同じ構造を有することで、排気ガスの一様性を高めることができる。
本発明のシリンダヘッド構造は、内燃機関のシリンダヘッドに好適に利用することができる。
1 シリンダヘッド構造
10 シリンダヘッド
10f 外殻
10h シリンダヘッドの高さ
12 コーン部
14 排気ガス浄化触媒(コンバータ若しくは触媒)
15 排気ポート
16 集合部
17 気筒
18 クランク軸方向
20 排気出口
22 横最大径
23 縦最大径
24 上部形状
24h 上部形状の高さ
24a 上部円弧
24b 上側部円弧
26 下部形状
26a 下部円弧
26b 下側部円弧
26h 下部形状の高さ
30 排気ガス
40 トラック形状
41a、41b 半円
42a、42b 直線
45 半円形状
50 締結点
52 締結点間距離
53 締結点の底
55 ウォータージャケット
R24 上部形状の曲率半径
R24a 上部円弧の曲率半径
R24b 上側部円弧の曲率半径

Claims (2)

  1. 外面に排気出口が形成された外殻を有し、
    複数の気筒からの排気ポート下流部を集合させた集合部を前記外殻の内部に設け、前記集合部の出口が前記排気出口に前記外殻の内部で連通され、
    前記排気出口に、下流側に排気ガス浄化触媒が連結され、略直角に曲がるコーン部を
    前記外面の前記排気出口周辺に設けられた複数の締結点でボルト締結させたエンジンのシリンダヘッド構造であって、
    前記排気出口の形状を、クランク軸方向を長手方向とした時に、前記長手方向に長い長円形状で形成し、
    前記長円形状は、前記長手方向で最も長い径より上側の曲率半径を下側の曲率半径より小さくし、
    前記長円形状が、前記締結点を結ぶ線より内側に位置することを特徴とするシリンダヘッド構造。
  2. シリンダヘッドの排気出口と排気ガス浄化触媒の間に配置されるエキゾーストマニホールド構造であって、
    前記シリンダヘッドの排気出口に複数の締結点でボルト締結されるフランジが形成されたエキゾーストマニホールド入り口と、
    前記排気ガス浄化触媒に連結されるエキゾーストマニホールド出口を有し、
    前記エキゾーストマニホールド入り口は、エンジンのクランク軸方向を長手方向とした時に、前記長手方向に長い長円形状で形成し、
    前記長円形状は、前記長手方向で最も長い径より上側の曲率半径を下側の曲率半径より小さくし、
    前記長円形状が、前記締結点を結ぶ線より内側に位置することを特徴とするエキゾーストマニホールド構造。
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