JP2003254425A - 車両用自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の変速制御装置

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JP2003254425A
JP2003254425A JP2002058688A JP2002058688A JP2003254425A JP 2003254425 A JP2003254425 A JP 2003254425A JP 2002058688 A JP2002058688 A JP 2002058688A JP 2002058688 A JP2002058688 A JP 2002058688A JP 2003254425 A JP2003254425 A JP 2003254425A
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gradient
shift control
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automatic transmission
neighborhood
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JP2002058688A
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Masanobu Horiguchi
正伸 堀口
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 勾配推定値に基づく変速制御の応答性と精度
とを両立させる。 【解決手段】 車両及びエンジンの運転状態から勾配i
を演算し、勾配iに基づいて走行路面を平坦,登坂,降
坂のいずれかに判別する。前記判別の結果、平坦路であ
ると判断されたときには、勾配iの加重平均演算に用い
る加重重み係数Fを比較的小さくすることで、加重平均
値ioが応答良く変化するようにする。一方、登坂又は
降坂時であるときには、前記加重重み係数Fを比較的大
きくすることで、加重平均値ioの精度を高める。そし
て、前記加重平均値ioを変速制御用勾配として用い、
該変速制御用勾配に応じて変速制御を行わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、勾配推定値に基づ
いて変速制御を行う車両用自動変速機の変速制御装置に
関し、特に、勾配推定値を平滑化する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、車両及び自動変速機に連結さ
れるエンジンの運転状態に基づいて走行路面の勾配を推
定し、該勾配推定値に基づいて変速比を設定する構成の
車両用自動変速機の変速制御装置が知られている。特開
2000−035117号公報に開示されるものでは、
勾配に基づく変速制御における精度とリアルタイム性と
を両立させるべく、車両の加速度に応じて勾配推定にお
けるデータ処理の時定数を変更する構成とし、車両が定
常走行しているときには、時定数の大きなロングスパン
推定勾配を用いて変速制御を行う構成となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のよう
に、定常走行状態で時定数の大きなロングスパン推定勾
配を用いて変速制御を行わせる場合、定常走行状態で路
面勾配が変化すると、勾配推定の時定数が大きいままに
保持されるので、勾配変化の判定が遅れ、適切な変速制
御を行わせることができなくなってしまうという問題が
あった。
【0004】例えば、登り勾配の頂点から直ぐ下り勾配
に移行するような勾配変化を示す路面の場合で、登り勾
配の頂点の直前から下り勾配にかかるまでの間、大きな
加速度変化がないと、勾配推定の時定数が大きいままに
保持されることになり、それまでの登り勾配の影響がロ
ングスパン推定勾配に残っているのに、実際には下り勾
配に移行していて、本来の降坂用変速制御が実行されな
いまま降坂走行が行われてしまう可能性があった。
【0005】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、勾配推定の必要精度を確保しつつ、変速制御に必
要な勾配変化の判定を高い応答で行わせることができる
車両用自動変速機の変速制御装置を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのため請求項1記載の
発明では、車両及び自動変速機に連結されるエンジンの
運転状態に基づいて走行路面の勾配を推定し、該勾配推
定値に基づいて変速制御を行う車両用自動変速機の変速
制御装置において、前記勾配推定値を平滑化処理して前
記変速制御に用いる構成とし、かつ、前記平滑化処理の
度合いを、勾配値に応じて変化させる構成とした。
【0007】上記構成によると、勾配推定値を平滑化処
理し、該平滑化処理後の勾配推定値に基づいて例えば変
速比の設定などを行うとき、平滑化処理の度合い(平滑
化の時定数)を勾配値に応じて変化させ、平滑処理後の
勾配値の応答を変化させる。請求項2記載の発明では、
勾配領域を、0%近傍領域とそれ以外の非0%近傍領域
とに分け、0%近傍領域での平滑化度合いを非0%近傍
領域での平滑化度合いよりも軽くする構成とした。
【0008】上記構成によると、勾配領域を、平坦路を
含む0%近傍領域とそれ以外の登坂・降坂路を含む非0
%近傍領域とに分け、0%近傍領域では、精度よりも応
答性を重視して平滑化度合いを比較的軽くし、非0%近
傍領域では、応答性よりも精度を重視して平滑化度合い
を比較的重くする。請求項3記載の発明では、変速制御
が、勾配推定値に応じて平坦路用変速制御と登降坂用変
速制御とに切り換えられる構成であって、前記変速制御
の切り換え判定に用いる勾配閾値を基準に、0%近傍領
域と非0%近傍領域とに判別する構成とした。
【0009】上記構成によると、そのときの路面勾配と
勾配閾値との比較によって平坦路用変速制御と登降坂用
変速制御とに切り換えられ、かつ、前記変速制御の切り
換え判定に用いる勾配閾値を基準に、勾配推定値の平滑
化度合いの切り換えを行わせる。請求項4記載の発明で
は、前記0%近傍領域と非0%近傍領域との判別におい
てヒステリシス特性を有する構成とした。
【0010】上記構成によると、0%近傍領域から非0
%近傍領域への移行判定と、非0%近傍領域から0%近
傍領域への移行判定とで、異なる勾配値に基づいて移行
判断を行わせる。請求項5記載の発明では、非0%近傍
領域に該当する状態から0%近傍領域への移行判定時に
比べて、0%近傍領域に該当する状態から非0%近傍領
域への移行判定時における0%近傍領域を広く判別する
構成とした。
【0011】上記構成によると、非0%近傍領域から0
%近傍領域に移行判定されるときよりも、0%近傍領域
から非0%近傍領域に移行判定されるときの勾配絶対値
が大きくなるように設定される。請求項6記載の発明で
は、勾配値に応じて平滑化度合いが変更される平滑化処
理前の勾配推定値に基づいて、0%近傍領域と非0%近
傍領域との判別を行う構成とした。
【0012】上記構成によると、平滑化処理前の勾配推
定値に基づいて、0%近傍領域と非0%近傍領域との判
別が行われ、平滑化度合いが切り換えられる。尚、勾配
値に応じて平滑化度合いが変更される平滑化処理前の勾
配推定値には、車両及びエンジンの運転状態に基づいて
演算した勾配値の他、該勾配推定値を、勾配値に応じて
変更される平滑化度合いよりも小さい一定の平滑度合い
で軽く平滑化処理した値が含まれる。
【0013】請求項7記載の発明では、勾配値に応じて
平滑化度合いが変更される平滑化処理後の勾配推定値に
基づいて、0%近傍領域と非0%近傍領域との判別を行
う構成とした。上記構成によると、前回の領域判定に基
づく平滑化処理結果としての勾配推定値から、0%近傍
領域と非0%近傍領域との判別を行って平滑化度合いを
決定し、該決定に従って平滑化処理した勾配推定値に基
づいて変速制御を行わせる。
【0014】請求項8記載の発明では、非0%近傍領域
に該当する状態から0%近傍領域への移行判定時である
か、0%近傍領域に該当する状態から非0%近傍領域へ
の移行判定時であるかによって、勾配値に応じて平滑化
度合いが変更される平滑化処理前の勾配推定値と、勾配
値に応じて平滑化度合いが変更される平滑化処理後の勾
配推定値とのいずれかを選択し、0%近傍領域と非0%
近傍領域との判別を行う構成とした。
【0015】上記構成によると、非0%近傍領域に該当
する状態から0%近傍領域への移行判定時であるか、0
%近傍領域に該当する状態から非0%近傍領域への移行
判定時であるかによって、前回の領域判定に基づく平滑
化処理結果としての勾配推定値と、新たな勾配推定値と
のいずれかを選択し、該選択された勾配値に基づいて0
%近傍領域と非0%近傍領域との判別を行う。
【0016】
【発明の効果】請求項1記載の発明によると、そのとき
の勾配から、変速制御に用いる勾配推定値に精度が要求
されるか否かを判断して、平滑化度合いを変化させるの
で、精度が要求されないときに応答良く勾配推定値を変
化させることができ、勾配に応じた変速制御の精度と応
答性とを両立させることができるという効果がある。
【0017】請求項2記載の発明によると、一般に、平
坦路付近では、勾配推定値に高い精度が要求されないこ
とから、平坦路付近での勾配更新速度を高めて、平坦路
から登り又は下り勾配への移行を応答良く判断できると
共に、登降坂では高い精度で勾配に応じた変速制御を行
わせることができるという効果がある。請求項3記載の
発明によると、登降坂用変速制御が行われる勾配領域で
あるか否かに対応して、勾配推定値に精度が要求される
か否かが判断されるので、登降坂用変速制御に応答良く
移行させることができると共に、登降坂用変速制御にお
いて高い精度の勾配推定値に基づいて高精度な制御を行
わせることができるという効果がある。
【0018】請求項4記載の発明によると、平坦路と非
平坦路との判別においてヒステリシス特性を有すること
で、同じ勾配値であっても変化方向に応じて精度と応答
性とのいずれを重視させるかを変更することができると
いう効果がある。請求項5記載の発明によると、平坦路
を挟む勾配変化時に、平滑化度合いが過敏に切り換わる
ことを回避しつつ、勾配変化に対して確実に登降坂用変
速制御へ切り換えさせることができるという効果があ
る。
【0019】請求項6記載の発明によると、平滑処理前
の値から勾配領域の判定を行わせることで、勾配が該当
する領域の判定、即ち、平滑化度合いの切り換えを応答
良く行わせることができるという効果がある。請求項7
記載の発明によると、平滑処理後の値から勾配領域の判
定を行わせることで、変速制御に用いる勾配推定値の変
化に対応して平滑化度合いの切り換えが行われ、変速制
御から要求される勾配推定値の性能に対応して平滑化度
合いの切り換えを行わせることが可能になるという効果
がある。
【0020】請求項8記載の発明によると、勾配変化の
方向によって、応答良く平滑化度合いの切り換えを行わ
せるか、また、変速制御から要求される勾配推定値の性
能に対応して平滑化度合いの切り換えを行わせるかを選
択することができ、より高精度な平滑化度合いの切り換
えを行えるという効果がある。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。図1は、車両用自動変速機の変速制御装置のシ
ステム構成を示す図である。この図1において、エンジ
ン1の出力側に接続される自動変速機2は、トルクコン
バータ3と、歯車式変速機4と、歯車式変速機4中の各
種摩擦係合要素の締結・解放操作を行うコントロールバ
ルブ5とを備える。
【0022】但し、変速機を歯車式に限定するものでは
なく、無段変速機であっても良い。前記コントロールバ
ルブ5に対する作動油圧の供給は、シフトソレノイド,
ライン圧ソレノイド,ロックアップソレノイド等によっ
て制御されるが、ここでは変速のためのシフトソレノイ
ド6A,6Bのみを示してある。前記シフトソレノイド
6A,6Bを制御するコントロールユニット7には、各
種のセンサから信号が入力される。
【0023】前記各種のセンサとしては、自動変速機2
の出力軸8から回転信号を得て車速VSPを検出する車
速センサ9、エンジン1のスロットル弁10の開度TV
Oを検出するスロットルセンサ11、トルクコンバータ
3のタービン回転速度Ntを検出するタービンセンサ1
2、エンジン1の吸入空気量を検出するエアフローメー
タ13、エンジン1の回転速度Neを検出するエンジン
回転センサ14などが設けられる。
【0024】前記コントロールユニット7は、車速VS
Pやスロットル開度TVOなどに基づいて変速段を決定
し、該決定に応じて前記シフトソレノイド6A,6Bの
ON・OFFの組み合わせを制御し、前記コントロール
バルブ5を介して歯車式変速機4をその変速段に制御す
る。また、車両の路面勾配iを推定すると共に、該勾配
推定値iの加重平均値である変速制御用勾配ioを求
め、該変速制御用勾配ioと制御切り換え用の閾値±B
(例えばB=6%)との比較に基づいて、登降坂用変速
制御への移行を判断し、登降坂時には、勾配ioに応じ
た変速比に制御する。
【0025】図2のフローチャートは、変速制御用勾配
ioに応じた変速制御を示すものであり、本フローチャ
ートに示されるプログラムは所定時間毎に割り込み実行
される。まず、ステップS1では、車両走行路面の勾配
推定値iを、車両及びエンジン1の運転状態に基づいて
演算する。
【0026】前記ステップS1における勾配推定値iの
演算は、図3のフローチャートに詳細に示される。図3
のフローチャートにおいて、ステップS101では、エ
アフローメータ13で検出された吸入空気量Qaを読み
込む。ステップS102では、タービンセンサ12で検
出されたタービン回転速度Nt、及び、エンジン回転セ
ンサ14で検出されたエンジン回転速度Neを読み込
む。
【0027】ステップS103では、ステップS10
1,102で読み込んだ吸入空気量Qa及びエンジン回
転速度Neに基づいてエンジン発生トルクTeを演算す
る。ステップS104では、トルクコンバータ3の速度
比eを演算する。 速度比e=Nt/Ne 次のステップS105では、前記速度比eに基づいてト
ルクコンバータ3のトルク比tを求める。
【0028】ステップS106では、前記エンジン発生
トルクTeとトルク比tとに基づいてタービントルクT
tを演算する。 タービントルクTt=Te×t ステップS107では、前記タービントルクTt、その
ときの変速段におけるギヤ比、ファイナルギヤ比、タイ
ヤ半径に基づいて駆動力を算出する。
【0029】駆動力=Tt×変速段ギヤ比×ファイナル
ギヤ比/タイヤ半径 ステップS108では、前記駆動力,車速から演算され
る加速抵抗及び転がり・空気抵抗に基づいて勾配抵抗を
算出する。 勾配抵抗Rs=駆動力−加速抵抗−転がり・空気抵抗 ステップS109では、前記勾配抵抗Rsと車両重量W
とから勾配i(%)を求める。
【0030】ステップS1で上記のようにして勾配i
(%)を演算すると、ステップS2〜ステップS14で
は、前記勾配i(%)を加重平均演算により平滑化して
変速制御用勾配io(加重平均値)を求めると共に、勾
配状態に応じて前記加重平均演算で用いる加重重み係数
F(前回の制御用勾配ioに対する重み付けを示す係
数)を切り換える処理を行う。
【0031】ステップS2では、前回における係数F切
り換え用の勾配判別において、平坦路であると判別され
ていたか否か(換言すれば、加重重み係数F=4である
か否か)を判別する。平坦路であると判別されていたと
きには、ステップS3へ進み、今回ステップS1で演算
した前記勾配iが、前記制御切り換え用の閾値Bを基準
とする+B+α(αは閾値Bよりも小さい微小値)より
も大きくなったか否かを判別する。
【0032】i>+B+αであるときには、平坦路から
登坂路に切り換わったものと判断し、ステップS5へ進
んで、前記加重重み係数Fに、登降坂時用の値として予
め設定された比較的大きな値(例えば8)を設定する。
一方、ステップS3でi≦+B+αであると判別された
ときには、ステップS4へ進み、i<−B−αになって
いるか否かを判別する。
【0033】i<−B−αであるときには、平坦路から
降坂路に切り換わったものと判断し、ステップS5へ進
んで、前記加重重み係数Fとして登降坂時用の値として
予め設定された比較的大きな値(例えば8)を設定す
る。また、ステップS4で、i≧−B−αであると判別
されたときには、平坦路が継続していると判断し、ステ
ップS6へ進んで、前記加重重み係数Fに、平坦路用の
値として予め設定された比較的小さな値(例えば4)を
設定する。
【0034】一方、ステップS2で、前回における係数
F切り換え用の勾配判別で、登坂又は降坂路の判定がな
されていると判断されたときには、ステップS7へ進
み、前回の判別結果が、登坂・降坂のいずれであったか
を判別する。前回登坂判別されていたときには、ステッ
プS8へ進み、i<+B−αになったか否かを判別す
る。
【0035】ステップS8でi<+B−αであると判別
された場合には、登坂から平坦に切り換わったと判断
し、ステップS9へ進んで、前記加重重み係数Fに、平
坦路用の値として予め設定された比較的小さな値(例え
ば4)を設定する。一方、ステップS8で、i≧+B−
αであると判別された場合には、前回に引き続く登坂状
態であると判断し、ステップS10へ進んで、前記加重
重み係数Fに、登降坂路用の値として予め設定された比
較的大きな値(例えば8)を設定する。
【0036】同様に、ステップS7で前回降坂判別され
ていたと判断されたときには、ステップS11へ進み、
i>−B+αになったか否かを判別する。ステップS1
1でi>−B+αであると判別された場合には、降坂か
ら平坦に切り換わったと判断し、ステップS12へ進ん
で、前記加重重み係数Fに、平坦路用の値として予め設
定された比較的小さな値(例えば4)を設定する。
【0037】一方、ステップS11で、i≦−B+αで
あると判別された場合には、前回に引き続く降坂状態で
あると判断し、ステップS13へ進んで、前記加重重み
係数Fに、登降坂路用の値として予め設定された比較的
大きな値(例えば8)を設定する。上記のように、制御
切り換え用の閾値Bを基準に、αのプラス・マイナスに
よってヒステリシス特性を付与して、係数Fの切り換え
のために勾配iを平坦,登坂,降坂に判別する。
【0038】そして、平坦路(0%近傍領域)であれ
ば、前記加重重み係数Fとして比較的小さな値(例えば
4)を設定し、登降坂路(非0%近傍領域)であれば、
前記加重重み係数Fとして比較的大きな値(例えば8)
を設定する。前記加重重み係数Fは、ステップS14に
おける加重平均演算に用いられる。ステップS14で
は、前回の加重平均値io,今回ステップS1で演算し
た勾配i及び前記加重重み係数Fに基づき、 io=(前回io×(F−1)+i)/F として、変速制御用勾配io(加重平均値io)を更新す
る。
【0039】そして、ステップS15では、前記変速制
御用勾配ioと前記閾値Bとの比較に基づいて、勾配状
態を平坦,登坂,降坂のいずれかに判別し、登坂又は降
坂時であれば、変速制御用勾配ioに応じて変速比を決
定する登降坂時用変速制御を行う。上記構成によると、
平坦路(0%近傍領域)であるときには、前記加重重み
係数Fが比較的小さな値に設定されることで、前記変速
制御用勾配ioが勾配iの変化に対して応答良く更新さ
れるから、平坦路からの勾配変化に対して、変速制御用
勾配ioに基づく登坂・降坂判定を大きな遅れなく行わ
せることができる。
【0040】平坦路と判定される勾配領域(0%近傍領
域)内では、変速制御用勾配ioが直接変速比の決定に
関わることがなく、制御用勾配ioに要求される精度
が、登坂・降坂領域(非0%近傍領域)に比べて低いか
ら、上記のように平滑化度合いを軽くして応答性を優先
させても問題はない。一方、登坂・降坂領域(非0%近
傍領域)では、勾配に応じた変速比の設定などを行わせ
るため、勾配を精度良く判断することが要求されるが、
前記加重重み係数Fとして比較的大きな値を設定して平
滑化度合いを重くすることで、必要な精度が確保され
る。
【0041】また、αによってヒステリシス特性を持た
せることで、前記加重重み係数Fの設定にハンチングが
発生することを回避でき、安定して加重平均処理を行わ
せることができる。更に、平坦路領域から脱する方向に
おいて平坦路領域を広げることで、応答良く更新される
勾配ioに基づいて確実に登降坂用制御への切り換え判
定がなされてから、加重重みの切り換えを行わせること
ができ、また、登坂・降坂から平坦路に戻るときに、変
速制御としては登降坂用変速制御のままであるのに、早
くから加重重み係数Fが小さく変更されてしまうことを
回避できる。
【0042】尚、上記実施形態では、勾配iに基づいて
前記加重重み係数F(平滑化度合い)を切り換える構成
としたが、変速制御用勾配ioの前回値に基づいて前記
加重重み係数F(平滑化度合い)を切り換える構成とす
ることができる。また、係数F切り換え用の勾配判別に
おいて、変速制御用勾配判定の閾値Bを基準にする構成
に限定されるものではなく、係数F切り換え用の勾配判
別に用いる閾値は任意の値を用いることができる。
【0043】更に、勾配iに基づく勾配判定による加重
重み係数F(平滑化度合い)の切り換えと、変速制御用
勾配ioの前回値に基づく勾配判定による加重重み係数
F(平滑化度合い)の切り換えとを組み合わせて用いる
構成とすることができ、係る構成とした実施形態を、図
5のタイムチャートを参照しつつ、図4のフローチャー
トに従って説明する。
【0044】図4のフローチャートにおいて、ステップ
S21で勾配iの推定演算を行うと、次のステップS2
2では、係数Fの切り換えのための勾配状態の判定で平
坦路の判定がなされているか否かを判別する。そして、
平坦路判定がなされているときには、ステップS23へ
進み、前回の変速制御用勾配ioが、+B+αよりも大
きくなったか否かを判別する。
【0045】io>+B+αであれば、平坦から登坂に
移行したと判断し、ステップS25へ進んで、加重重み
係数Fに登降坂用の比較的大きな値を設定する。一方、
io≦+B+αであるときには、ステップS24へ進
み、io<−B−αであるか否かを判別し、io<−B−
αであれば、平坦から降坂に移行したと判断し、ステッ
プS25へ進んで、加重重み係数Fに登降坂用の比較的
大きな値を設定する。
【0046】io≧−B−αであれば、継続して平坦路
であると判断し、ステップS26へ進んで、加重重み係
数Fに平坦路用の比較的小さな値を設定する。また、ス
テップS22において、係数Fの切り換えのために判定
されている勾配状態が平坦路ではなく、登坂又は降坂判
定状態であると判別されると、ステップS27へ進み、
勾配iが0%を横切ったか否かを判別する。
【0047】勾配iが0%を横切るまでは、継続して登
坂又は降坂判定状態であると判断して、ステップS28
へ進み、加重重み係数Fに登降坂用の比較的大きな値を
設定する。一方、勾配iが0%を横切ったことがステッ
プS27で判別されると、登坂又は降坂からの平坦路へ
の移行と判断し、ステップS29へ進んで、加重重み係
数Fに平坦路用の比較的小さな値を設定する。
【0048】ステップS30では、上記のように、前回
の変速制御用勾配ioと閾値Bとの比較、及び、勾配i
と0%との比較に基づいて設定される加重重み係数Fを
用いて、前記ステップS14と同様に、加重平均演算を
行って変速制御用勾配ioを更新する。そして、ステッ
プS31では、前記変速制御用勾配ioに基づいて変速
制御を行う。
【0049】尚、上記実施形態では、平滑化処理として
加重平均演算を行わせる構成としたが、平滑化処理が加
重平均演算に限定されるものでないことは明らかであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用自動変速機の変速制御装置のシステム構
成図。
【図2】変速制御の第1実施形態を示すフローチャー
ト。
【図3】勾配の推定演算を示すフローチャート。
【図4】変速制御の第2実施形態を示すフローチャー
ト。
【図5】第2実施形態における勾配値の変化を示すタイ
ムチャート。
【符号の説明】
1…エンジン 2…自動変速機 3…トルクコンバータ 4…歯車式変速機 5…コントロールバルブ 6A,6B…シフトソレノイド 7…コントロールユニット 9…車速センサ 10…スロットル弁 11…スロットルセンサ 12…タービンセンサ 13…エアフローメータ 14…エンジン回転センサ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両及び自動変速機に連結されるエンジン
    の運転状態に基づいて走行路面の勾配を推定し、該勾配
    推定値に基づいて変速制御を行う車両用自動変速機の変
    速制御装置において、 前記勾配推定値を平滑化処理して前記変速制御に用いる
    構成とし、かつ、前記平滑化処理の度合いを、勾配値に
    応じて変化させることを特徴とする車両用自動変速機の
    変速制御装置。
  2. 【請求項2】勾配領域を、0%近傍領域とそれ以外の非
    0%近傍領域とに分け、0%近傍領域での平滑化度合い
    を非0%近傍領域での平滑化度合いよりも軽くすること
    を特徴とする請求項1記載の車両用自動変速機の変速制
    御装置。
  3. 【請求項3】前記変速制御が、勾配推定値に応じて平坦
    路用変速制御と登降坂用変速制御とに切り換えられる構
    成であって、前記変速制御の切り換え判定に用いる勾配
    閾値を基準に、前記0%近傍領域と非0%近傍領域とに
    判別することを特徴とする請求項2記載の車両用自動変
    速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】前記0%近傍領域と非0%近傍領域との判
    別においてヒステリシス特性を有することを特徴とする
    請求項2又は3記載の車両用自動変速機の変速制御装
    置。
  5. 【請求項5】前記非0%近傍領域に該当する状態から0
    %近傍領域への移行判定時に比べて、前記0%近傍領域
    に該当する状態から非0%近傍領域への移行判定時にお
    ける0%近傍領域を広く判別することを特徴とする請求
    項4記載の車両用自動変速機の変速制御装置。
  6. 【請求項6】勾配値に応じて平滑化度合いが変更される
    平滑化処理前の勾配推定値に基づいて、前記0%近傍領
    域と非0%近傍領域との判別を行うことを特徴とする請
    求項1〜5のいずれか1つに記載の車両用自動変速機の
    変速制御装置。
  7. 【請求項7】勾配値に応じて平滑化度合いが変更される
    平滑化処理後の勾配推定値に基づいて、前記0%近傍領
    域と非0%近傍領域との判別を行うことを特徴とする請
    求項1〜5のいずれか1つに記載の車両用自動変速機の
    変速制御装置。
  8. 【請求項8】前記非0%近傍領域に該当する状態から0
    %近傍領域への移行判定時であるか、前記0%近傍領域
    に該当する状態から非0%近傍領域への移行判定時であ
    るかによって、勾配値に応じて平滑化度合いが変更され
    る平滑化処理前の勾配推定値と、勾配値に応じて平滑化
    度合いが変更される平滑化処理後の勾配推定値とのいず
    れかを選択し、前記0%近傍領域と非0%近傍領域との
    判別を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1
    つに記載の車両用自動変速機の変速制御装置。
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