JP2003254140A - 車両用内燃機関の出力制御装置 - Google Patents
車両用内燃機関の出力制御装置Info
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Abstract
応じて機関出力を適切に制御できる車両用内燃機関の出
力制御装置を提供する。 【解決手段】 出力制御装置はエンジン制御ECU(1
01)とスタビリティコントローラ(3)とから構成さ
れ、スタビリティコントローラはトルク情報と横加速度
などの車両挙動とに基づき目標トルク(目標Pe)を算
出し、エンジン制御ECUは、アクセル開度センサ
(4)が検出したアクセル開度と目標トルクに対応する
目標アクセル開度(目標APS)の小さい方をアクセル
開度として選択する第1設定部(111)と、アクセル
開度に応じて燃料噴射量を設定すると共に設定燃料噴射
量に基づきトルク情報(理論Pe)を算出する第3設定
部(113)とを有する。
Description
出力制御装置に関し、特に、車載の他の制御装置からの
トルク低減要求に応じてエンジン出力を適切に低減可能
とする出力制御装置に関する。
るため、種々の車両挙動制御装置が実用に供されてい
る。例えば、エンジン出力を駆動輪のスリップが生じな
いように制御するトラクションコントロール装置や車両
旋回を安定に行えるように制御するスタビリティ制御装
置などが知られ、これらのコントローラは、駆動輪がス
リップしたり車両旋回時のエンジン出力が過大であると
判断したときに、エンジン出力低減要求をエンジン出力
制御装置に送出するようになっている。また、自動変速
機においても、変速動作時にエンジン出力低減要求を必
要に応じて送出して円滑な自動変速を実現するようにし
ている。
が車両挙動制御装置や変速制御装置(以下、一括して車
両制御装置という)により判別されるが、一般には、エ
ンジン出力制御装置により算出されたトルク情報が判別
の基礎データとして用いられる。このトルク情報は車両
用ネットワークを介してエンジン出力制御装置から車両
制御装置に送信され、車両制御装置はトルク情報に基づ
いてエンジン出力が過大であると判別すると、トルク低
減要求を出力制御装置に送信する。
ルク低減要求が適正であればエンジン出力を適正値に制
御しつつ車両挙動制御を行うことにより走行性能を向上
可能である。しかしながら、エンジン出力制御装置で算
出されるトルク情報は厳密には正確さを欠き、その様な
トルク情報に基づくトルク低減要求に従ってディーゼル
エンジンの出力を低減させた場合、エンジン出力が過度
に低下してエンジンがストールするおそれがある。
る。図2において、エンジン制御ECU1は、例えば分
配型燃料噴射ポンプ2を備えたディーゼルエンジン(図
示略)の出力を制御するものになっており、エンジン出
力制御に関連して、エンジン制御ECU1は、車両挙動
制御装置としてのスタビリティ制御装置のコントローラ
(以下、ASCECUという)3にドライバ要求Pe
(トルク情報)を送出すると共にASCECU3から必
要に応じて送出される目標トルク(トルク低減要求)を
入力するようになっている。
対応する第1コントロールスリーブ位置(以下、コント
ロールスリーブ位置をCSPと略記する)を求める第1
設定部11と、目標車速維持用の第2CSPを求める第
2設定部12と、第1または第2CSPあるいは目標ト
ルクに対応するCSPの小さい方に各種補正を施して第
3CSPを求める第3設定部13と、第1CSPを補正
してトルク情報たとえばドライバ要求Pe(平均有効
圧)を求める第4設定部14とを備える。
度センサ4から入力したアクセル開度データ(以下、単
にアクセル開度という。その他のデータについても同様
に略記する)に対するなまし処理(一次遅れ処理)をア
クセルペダル踏込時及び解放時にそれぞれ施すダンピン
グ部及びダッシュポット部を有したなまし処理部11a
と、なまし処理済みのアクセル開度APSとエンジン回
転数Neとに基づきマップを参照して第1CSP(基本
CSP)を求める算出部11bとを備える。
した車速に基づいてオートクルーズ用の目標APSを算
出する目標APS算出部12aと、ダンピング部及びダ
ッシュポット部を有するなまし処理部12bと、なまし
処理済みの目標APSとエンジン回転数Neとに基づき
マップを参照して第2CSP(オートクルーズ用の基本
CSP)を求める算出部12cとを備える。
Pの大きい方を選択するマックス選択部13aと、AS
CECU3から入力した目標トルクとエンジン回転数N
eとに基づきマップを参照して目標トルクに対応するC
SPを求める算出部13bと、マックス選択されたCS
Pと目標トルクに対応するCSPの小さい方を選択する
ミニマム選択部13cと、ミニマム選択されたCSPに
対して水温補正、燃温補正、大気圧補正、学習補正など
の各種補正を施して第3CSP(燃料噴射制御用のCS
P)を求める算出部13dとを備え、分配型燃料噴射ポ
ンプ2のコントロールスリーブ位置を第3CSPに制御
してエンジン出力を可変制御するようになっている。こ
の様に、第3設定部13では燃料噴射制御用CSPの算
出に際して種々の補正が行われる。例えば、製造上のバ
ラツキに起因して個々の燃料噴射ポンプの燃料噴射特性
が台上試験用のマスタポンプのものと若干異なることを
考慮して、その様な特性のバラツキの影響を低減するた
めにCSPに対して学習補正を施こすようにしている。
及び燃温補正を施す補正部14aと、補正済みCSPと
エンジン回転数Neとに基づいてマップを参照してドラ
イバ要求Peを算出する算出部14bとを備える。すな
わち、CSPが同一であっても水温や燃温が異なると燃
料噴射量が大きく変化することを考慮して、マスタポン
プを用いた台上試験時(ドライバ要求Pe算出用マップ
の作成時)と実際のエンジン出力制御時とにおける水温
や燃温の差異の影響を解消するため、第4設定部14で
は第1CSPに対して水温補正及び燃温補正が施こされ
る。
基づいて旋回時の適正なエンジン出力トルクを表す参照
トルクを算出し、ドライバ要求Peと参照トルクとに基
づいて算出した目標トルクをエンジン制御ECU1に送
出する。上述のように、図2に示す制御システムでは、
ドライバ要求Peは、アクセル開度に対応する基本CS
P(第1CSP)に対して水温・燃温補正のみを施して
得たCSPに対応しており、いわば、基本CSPに簡易
的な補正を施したものになっている。この様に、ドライ
バ要求Peは、燃料噴射制御用CSPの算出に際して施
されるその他の補正たとえば学習補正を反映していない
分、トルク情報としての正確さを欠くものになってい
る。このため、ドライバ要求Peに基づいてASCEC
U3により算出される目標トルクがエンジンの無負荷ト
ルクを下回るおそれがあり、その様な目標トルクに対応
するCSPに基づいて燃料噴射ポンプ2のコントロール
スリーブ位置制御(燃料噴射制御)ひいてはディーゼル
エンジンの出力制御が行われると、エンジンストールが
生じるおそれがある。また、エンジンストール防止のた
めに目標トルクが常に大きめになるような算出処理をA
SCECU3で行うと燃料噴射量が常に多めになって燃
費が悪化する。
の場合、目標トルクが過小すなわちトルク低減要求が過
大であると、ガソリンエンジンでは通常惹起しないエン
ジンストールという問題が生じるおそれがあり、これを
解消しようとすると燃費が悪化するおそれがある。本発
明の目的は、内燃機関のストールを防止しつつ車両挙動
に応じて内燃機関の出力を適切に制御できる車両用内燃
機関の出力制御装置を提供することにある。
内燃機関の出力制御装置は、アクセル開度に応じて燃料
噴射量相関値を設定する噴射量設定手段と、燃料噴射装
置の作動を制御する噴射装置作動制御手段と、噴射量設
定手段により設定された燃料噴射量相関値に基づき内燃
機関の出力トルク相関値を導出するトルク相関値導出手
段と、この出力トルク相関値と車両の運転状態とに基づ
き内燃機関の目標トルク相関値を導出する目標トルク導
出手段と、アクセル開度センサにより検出されたアクセ
ル開度と目標アクセル開度導出手段により目標トルク相
関値に応じて導出された目標アクセル開度の小さい方を
選択して噴射量設定に供するアクセル開度情報選択手段
とを備えたことを特徴とする。
射量相関値に基づく出力トルク相関値と車両挙動とに基
づき目標トルク相関値を導出するので車両の運転状態に
対応する最適な目標トルク相関値を適切に設定でき、ま
た、目標トルク相関値に基づいて導出した目標アクセル
開度とアクセル開度センサにより検出されるアクセル開
度との小さい方を噴射量相関値設定用のアクセル開度と
するので、燃料噴射量の極端な低下を未然に防止するこ
とができ、内燃機関のストールを有効に防止しながら車
両挙動に対応して内燃機関の出力を適切に制御できる。
すなわち、目標トルク相関値に対応して直接的に噴射量
を制御すると内燃機関のストールを招くおそれがある
が、目標トルク相関値に対応した目標アクセル開度を設
定するため、燃料噴射量が極端に低下することがなく内
燃機関のストールを招くことがない。
設定手段が、アクセル開度に応じて設定される基本噴射
量相関値を所定の補正手段により補正して燃料噴射量相
関値を設定するように構成され、また、目標アクセル開
度導出手段が、目標トルク相関値を補正手段による補正
に対して逆補正してから目標アクセル開度を導出するよ
うに構成されることを特徴とする。
燃料噴射量相関値の設定で使用される補正とは逆の補正
を目標トルク相関値に対して行ってから目標アクセル開
度を導出するので、目標アクセル開度に対応して噴射量
相関値を設定する場合でも補正が二重に行われることが
無く、精度の高い出力制御を実現できる。請求項3に記
載の出力制御装置は、アクセル開度センサの出力に基づ
いて要求トルク相関値を導出する要求トルク相関値導出
手段を更に備え、噴射量設定手段が、アクセル開度に応
じて設定される基本噴射量相関値を所定の補正手段によ
り補正して燃料噴射量相関値を設定するように構成さ
れ、また、目標アクセル開度導出手段が、出力トルク相
関値と要求トルク相関値から求まる補正分トルク相当値
を目標トルク相関値から減算した値に基づいて目標アク
セル開度を導出することを特徴とする。
燃料噴射量相関値の設定で使用される補正による補正分
トルク相当値を目標トルク相関値から減算した値に基づ
いて目標アクセル開度を導出するので、目標アクセル開
度に対応して噴射量相関値を設定する場合でも補正が二
重に行われることがなく、精度の高い出力制御を実現で
きる。
は、目標トルク導出手段は、車両挙動制御装置等の車両
制御装置に設けられる。この場合、車両制御装置により
エンジン出力を適切に制御でき、また、トルクによりエ
ンジン出力を管理できるので車両制御装置からのエンジ
ン出力制御が簡単になる。また、好ましくは、運転状態
検出手段は、運転状態として車両挙動より具体的には横
加速度あるいはヨーレイトを検出する。この場合、機関
出力を適切に制御できるので、車両のヨー運動等を高精
度に制御できる。
車両用内燃機関の出力制御装置を説明する。図1に示す
ように、本実施形態の出力制御装置は、例えば分配型燃
料噴射ポンプ2を備えたディーゼルエンジン(図示略)
の出力を制御するエンジン制御ECU101と、車両挙
動制御装置としてのスタビリティ制御装置のコントロー
ラ(ASCECU)3とから構成される。この出力制御
装置は、図2に示した装置と基本構成が略同一であり、
図2のものと共通の構成については簡略に説明すること
にする。
た4つの設定部11〜14にそれぞれ略対応する第1な
いし第4設定部111〜114に加えて、第5設定部1
15を備えている。第1設定部111は、アクセル開度
センサ4が検出したアクセル開度(図示しないアクセル
操作部材たとえばアクセルペダルの開度)を入力してな
まし処理を施すなまし処理部111aと、なまし処理済
みのアクセル開度APSまたは後述の如く第5設定部1
15により求められる目標APSの小さい方を選択する
ミニマム選択部111bと、ミニマム選択されたAPS
とエンジン回転数Neとに基づきマップを参照してアク
セル開度に対応する第1CSP(基本CSP)を求める
算出部111cとを備える。
力した車速に基づいてオートクルーズ用の目標APSを
算出する目標APS算出部112aと、なまし処理部1
12bと、なまし処理済みのオートクルーズ用目標AP
Sとエンジン回転数Neとに基づきマップを参照して車
速に対応する第2CSP(オートクルーズ用の基本CS
P)を求める算出部112cと、ASCECU3のスタ
ビリティ制御動作時にオフされるスイッチ112dとを
備える。
SPの大きい方を選択するマックス選択部113aと、
マックス選択されたCSPに対して水温補正、燃温補
正、大気圧補正、学習補正などの各種補正を施して第3
CSP(燃料噴射制御用のCSP)を求める算出部(補
正手段)113bとを備え、分配型燃料噴射ポンプ2の
CSPを第3CSPに制御してディーゼルエンジン出力
を可変制御するようになっている。すなわち、第3設定
部113は、アクセル開度に応じて設定される基本CS
Pすなわち基本燃料噴射量相関値を補正して燃料噴射量
相関値を設定する噴射量設定手段として機能すると共に
噴射ポンプ(燃料噴射装置)2の作動を制御する噴射装
置作動制御手段として機能する。
エンジン回転数Neとに基づいてマップを参照して理論
Peを算出する算出部113cを備え、この算出部11
3cは理論Peをトルク情報としてASCECU3に送
出するようになっている。すなわち、第3設定部113
は、燃料噴射量相関値に基づき内燃機関の出力トルク相
関値(理論Pe)を導出するトルク相関値導出手段とし
て機能する。
と第1設定部111から送出されるなまし処理済みのア
クセル開度とに基づきマップを参照してアクセル開度に
対応するCSPを求める算出部114aと、このCSP
と第2設定部112が求めたオートクルーズ用の第2C
SPのうちの大きい方を選択するマックス選択部114
bと、マックス選択されたCSPに対して水温補正及び
燃温補正を施す補正部114cと、水温及び燃温補正済
みのCSPとエンジン回転数Neとに基づきマップを参
照してドライバ要求Peを表すトルクを算出する算出部
114dとを備え、ドライバ要求PeはASCECU3
に送出される。すなわち、第4設定部114は、アクセ
ル開度センサ出力に基づいて要求トルク相関値を導出す
る要求トルク相関値導出手段として機能する。
ての図示しない横加速度センサやヨーレイトセンサなど
の車両挙動検出手段から入力した横加速度やヨーレイト
などの車両挙動情報、及びまたは車速、操舵角などの運
転パラメータに基づいて例えば旋回時の適正なエンジン
トルクを参照トルクとして算出し、また、エンジン制御
ECU101の第3設定部113から入力した理論Pe
と参照トルクとに基づいて算出した目標トルク(目標P
e)をエンジン制御ECU101に送出するようになっ
ている。すなわち、ASCECU(挙動制御装置)3
は、目標トルク相関値を導出する目標トルク導出手段と
して機能する。 車両挙動制御の終了後、ASCECU
3は目標Peをドライバ要求Peまで漸増させ、これに
より通常のエンジン出力制御に移行してエンジン出力は
ドライバの要求に適合したものになる。
15は、ASCECU3から送出される目標Peから目
標APSを算出して第1設定部111のミニマム選択部
111bに送出するようになっている。このため、第5
設定部115は、ASCECU3から入力した目標Pe
に対して、第4設定部114の補正部114cにおける
水温補正及び燃温補正に対する逆補正を行う逆補正部1
15aと、理論Peからドライバ要求Peを減算して得
た差を逆補正済みの目標Peから減算する減算部115
bと、逆補正部115aから送出される逆補正済みの目
標Peと減算部115bから送出される減算補正済みの
目標Peの小さい方を選択するミニマム選択部115c
と、ミニマム選択された目標Pe(トルク)とエンジン
回転数Neとに基づきマップを参照して目標Peに対応
するCSPを求める算出部115dと、この算出CSP
とエンジン回転数Neとに基づいてマップを参照して目
標Peに対応する目標APSを求める算出部115eと
を備える。
ク相関値を逆補正すると共に、出力トルク相関値と要求
トルク相関値とから求まる補正分トルク相当値を目標ト
ルク相関値から減算した値に基づいて目標トルク相関値
に対応する目標アクセル開度を導出する目標アクセル開
度導出手段として機能する。付言すれば、第1設定部1
11のミニマム選択部111bは、目標アクセル開度と
アクセル開度センサ4により検出されるアクセル開度と
の小さい方を噴射量設定手段(補正部113b)に供給
するアクセル開度情報選択部として機能する。
の出力制御装置は、図2に示した従来装置に比べて、構
成・作用効果が種々の点で相違する。すなわち、本実施
形態の第1の特徴は、ドライバ要求Peに代えて理論P
eをトルク情報としてASCECU(車両挙動制御装
置)3に供する点にある。ドライバ要求Peは、水温・
燃温補正のみを施したCSPに対応するトルク情報であ
って、燃料噴射量設定用のCSPの算出において施され
るその他の補正が施されていない点でトルク情報として
の正確さを欠くが、これに対して、理論Peは各種補正
を施した燃料噴射量設定用のCSPをトルク換算して得
たものであり、燃料噴射量設定に係る全ての補正が反映
されており、ドライバ要求Peに比べて正確である。従
って、理論Peから算出される目標Peも正確なものに
なる。この結果、ASCECU3による車両挙動制御や
エンジン制御ECU101によるエンジン出力制御にお
ける制御精度が向上する。
標APSを燃料噴射量設定(燃料噴射量設定用CSPの
算出)に供する点にある。図2の従来装置では、目標P
eを燃料噴射量に対応するCSPに換算したものを燃料
噴射量設定に供しているため、目標Peが過小であれば
これに対応するCSPひいては燃料噴射量がエンジンス
トールを招来するような過度に小さい値に設定されるお
それがある。これに対して、本実施形態の装置では、目
標Peに対応する目標APSを、燃料噴射量設定を行う
第3設定部113よりも上流側の基本CSP算出用の第
1設定部111に供給するようにしている。目標APS
の最小値はアクセル開度ゼロに対応し、たとえ目標AP
Sが最小値がとったとしてもCSPや燃料噴射量はアク
セル開度ゼロに対応する値に設定されるのでエンジンは
アイドル運転され、エンジンストールを生じることがな
い。この様に、目標Peを目標APSに換算して燃料噴
射量設定に供することにより、燃料噴射量(CSP)が
エンジンストールを招来するような過度に小さい値に設
定されることがなく、エンジンストールを確実に防止で
きる。
全てを施した目標Peに対応する目標APSをそのまま
燃料噴射量設定に供した場合には、燃料噴射量設定に際
して基本CSPに対して各種補正が二度施されることに
なる。そこで、本実施形態では、その様な二重補正を回
避するようにしている。すなわち、本実施形態の出力制
御装置の第3の特徴は、第5設定部115の逆補正部1
15aにおいて水温・燃温補正に対する逆補正を目標P
eに施すことにより1回分の水温・燃温補正を相殺し、
また、減算部115bにおいて理論Peとドライバ要求
Peとの差を目標Peから減算することにより水温・燃
温補正以外のその他の補正の1回分を相殺する点にあ
り、これにより二重補正が回避される。
ム選択部115cを設けて逆補正済みの目標Peと減算
補正済みの目標Peの小さい方を選択して目標APSの
算出に供するようにした点にある。ドライバ要求Peが
理論Peよりも大きければ理論Peからドライバ要求P
eを減じた値(補正分トルク相当値)は負になるので、
理論Peからその様な値を減じたもの(減算補正済みの
目標Pe)は、逆補正済みの目標Peよりも大きくな
る。この場合、減算補正済みの目標Peから目標APS
を求めると燃料噴射量が増大するが、本実施形態では上
記の如くミニマム選択により逆補正済みの目標Peを選
択して燃料噴射量の増大を回避することができる。
112cの下流側にスイッチ112dを設けて車両挙動
制御中はオートクルーズ用の基本CSPを燃料噴射量設
定に供することを禁止した点にあり、これにより検出A
PSと目標APSの小さい方に基づいて燃料噴射量を設
定し、ASCECU3からのトルク低減要求に則した燃
料噴射量設定を行うようにしている。
ドライバ要求Peに代わる理論Peを車両挙動制御装置
にトルク情報として送信することにより、トルク情報を
正確なものにするばかりでなく、このトルク情報に基づ
いて算出される目標トルク(目標Pe)をより正確なも
のとし、これにより車両挙動制御およびエンジン出力制
御の精度を向上可能であると共に、トルク低減要求があ
ったときに燃料噴射量(CSP)が過小設定されること
を回避してエンジンストールを確実に防止可能である。
装置についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態
のものに限定されない。例えば、上記実施形態では、車
両挙動制御装置をスタビリティコントローラ(ASCE
CU)で構成した場合について説明したが、これに代え
て或いはこれと共にトラクションコントロール装置や自
動変速制御装置などを車両制御装置として使用可能であ
る。
定用のCSPの算出に際してアクセル開度に対応する第
1CSPと共にオートクルーズ用目標APSに対応する
第2CSPを求めることは必須ではなく、第2CSPの
算出を省略可能であり、また、第1、第2CSPの算出
に際してアクセル開度や車速になまし処理を施すことも
必須ではない。
APSを算出する際に目標Peに対して逆補正を施した
り、理論Peとドライバ要求Peとの差を目標Peから
減算して目標APSを精度良く求めるようにしたが、逆
補正や減算を行うことは必須ではなく、目標Peを目標
APSに直接に換算して装置構成を簡略にしても良い。
ンを出力制御対象としたが、本発明はガソリンエンジン
の出力制御にも適用可能である。
制御装置は、燃料噴射量に対応する出力トルク相関値と
車両挙動とに基づき目標トルク相関値を導出するので車
両挙動に対応する最適な目標トルク相関値を適切に設定
でき、また、目標トルク相関値から導出した目標アクセ
ル開度と検出アクセル開度との小さい方を噴射量設定用
のアクセル開度とするので、燃料噴射量の極端な低下を
防止でき、内燃機関のストールを有効に防止しながら車
両挙動に対応して内燃機関の出力を適切に制御できる。
すなわち、目標トルク相関値に対応した目標アクセル開
度を設定して燃料噴射量設定に供するので、目標相関値
を燃料噴射量設定に直接適用する場合のように燃料噴射
量が極端に低下することがなく、内燃機関のストールを
招くことがない。
射量の設定で使用される補正とは逆の補正を目標トルク
相関値に対して行ってから目標アクセル開度を導出する
ので、目標アクセル開度に対応して噴射量を設定する場
合にも、補正が二重に行われることが無く精度の高い制
御を実現できる。請求項3に記載の出力制御装置は、燃
料噴射量の設定で使用される補正による補正分トルク相
当値を目標トルク相関値から減算した値に基づいて目標
アクセル開度を導出するので、目標アクセル開度に対応
して噴射量を設定する場合にも、補正が二重に行われる
ことがなく精度の高い制御を実現できる。
置の機能ブロック図である。
である。
置) 4 アクセル開度センサ 101 エンジン制御ECU 111 第1設定部 111b 基本CSP算出部 111c ミニマム選択部(アクセル開度情報選択部) 112 第2設定部 112c オートクルーズ用基本CSP算出部 113 第3設定部(噴射量設定手段および噴射装置作
動制御手段) 113b 燃料噴射制御用CSP算出部(補正手段) 113c 理論Pe算出部(トルク相関値導出手段) 114 第4設定部(要求トルク相関値導出手段) 114a 補正部 114b ドライバ要求Pe算出部 115 第5設定部(目標アクセル開度導出手段) 115a 逆補正部 115b 減算部 115d CSP算出部 115e 目標APS算出部
Claims (3)
- 【請求項1】 アクセル操作部材の開度を検出するアク
セル開度センサと、 アクセル開度に応じて燃料噴射量相関値を設定する噴射
量設定手段と、 上記噴射量設定手段により設定された上記燃料噴射量相
関値に基づき燃料噴射装置の作動を制御する噴射装置作
動制御手段と、 上記噴射量設定手段により設定された上記燃料噴射量相
関値に基づき内燃機関の出力トルク相関値を導出するト
ルク相関値導出手段と、 車両の運転状態を検出する車両運転状態検出手段と、 上記トルク相関値導出手段により導出される出力トルク
相関値と上記車両運転状態検出手段が検出した車両の運
転状態とに基づき上記内燃機関の目標トルク相関値を導
出する目標トルク導出手段と、 上記目標トルク導出手段により導出される上記目標トル
ク相関値に対応する目標アクセル開度を導出する目標ア
クセル開度導出手段と、 上記アクセル開度センサにより検出される検出アクセル
開度と上記目標アクセル開度導出手段により導出される
目標アクセル開度の小さい方を上記アクセル開度として
上記噴射量設定手段に供給するアクセル開度情報選択手
段と を備えたことを特徴とする車両用内燃機関の出力制御装
置。 - 【請求項2】 上記噴射量設定手段は、アクセル開度に
応じて設定される基本噴射量相関値を所定の補正手段に
より補正して上記燃料噴射量相関値を設定するように構
成され、 上記目標アクセル開度導出手段は、上記目標トルク相関
値を上記補正手段による補正に対して逆補正してから上
記目標アクセル開度を導出するように構成されることを
特徴とする請求項1に記載の車両用内燃機関の出力制御
装置。 - 【請求項3】 上記アクセル開度センサの出力に基づい
て要求トルク相関値を導出する要求トルク相関値導出手
段を更に備え、 上記噴射量設定手段は、アクセル開度に応じて設定され
る基本噴射量相関値を所定の補正手段により補正して上
記燃料噴射量相関値を設定するように構成され、 上記目標アクセル開度導出手段は、上記出力トルク相関
値と上記要求トルク相関値から求まる補正分トルク相当
値を上記目標トルク相関値から減算した値に基づいて上
記目標アクセル開度を導出することを特徴とする請求項
1に記載の車両用内燃機関の出力制御装置。
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JP2014227031A (ja) * | 2013-05-22 | 2014-12-08 | 三菱自動車工業株式会社 | 運転支援装置 |
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