JP2003253415A - 連続溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法および装置 - Google Patents

連続溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法および装置

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JP2003253415A JP2002059942A JP2002059942A JP2003253415A JP 2003253415 A JP2003253415 A JP 2003253415A JP 2002059942 A JP2002059942 A JP 2002059942A JP 2002059942 A JP2002059942 A JP 2002059942A JP 2003253415 A JP2003253415 A JP 2003253415A
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宗浩 石岡
Hideyuki Takahashi
秀行 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、連続溶融亜鉛めっき鋼板の製
造において、めっき付着量の幅方向均一性を確保するこ
とができる製造方法および装置を提供することにある。 【解決手段】鋼板をめっき浴中に連続的に浸漬し、表面
に溶融亜鉛が付着した鋼板をめっき浴中のシンクロール
で上方に導いてめっき浴の上方に引上げることにより、
鋼板に連続的に溶融めっきを行う連続溶融亜鉛めっき鋼
板の製造方法であって、めっき浴中のシンクロールを通
過した鋼板の両面に浴中で溶融亜鉛を吹付けるととも
に、めっき浴から引上げられた鋼板に、その両側から非
接触式の磁気付与手段により磁力を作用させることで板
幅方向の反りを矯正することを特徴とする連続溶融亜鉛
めっき鋼板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続溶融亜鉛めっ
きラインにおいて、欠陥の少ない溶融亜鉛めっき鋼板を
製造することを可能とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方
法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来の連続溶融亜鉛めっき鋼板
の製造装置の一例を示す説明図で、この製造装置を用い
た連続溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法では、鋼板1を溶
融亜鉛めっき浴2中に連続的に浸漬した後、シンクロー
ル3にて鉛直方向に向きを変え、サポートロール4を通
過後、めっき浴2から引上げ、めっき浴面上に設置した
ガスワイピングノズル5から気体を吹付けることにより
鋼板表面に余剰に付着した溶融亜鉛を払拭して所定のめ
っき付着量に調整している。サポートロール4はめっき
浴中で鋼板と接触するとともに、鋼板に対してロールを
押込むことにより鋼板を塑性変形させ、めっき浴から出
た鋼板が板幅方向に反らないようにし、これにより鋼板
幅方向でのめっき付着量を均一化させるという機能があ
る。また、めっき浴中では鋼板1から溶出する鉄と亜鉛
の化合物であるドロスが発生し、めっき浴面に浮遊して
いるが、このドロスがサポートロールと鋼板との間に噛
み込まれて鋼板に付着するとプレス加工時等に欠陥を発
生させ問題となるため、ドロス付着が起こらないように
しなければならない。従来の操業では、このドロスがサ
ポートロールと鋼板の間に噛み込まないようにするため
に、サポートロールを押込むことにより、サポートロー
ルの鋼板侵入側の亜鉛圧力を高めてドロス付着の抑制を
図っている。また、サポートロール4はめっき浴の機側
に設置したモータによりスピンドルを介して通常回転さ
せているが、このような方式ではサポートロールの回転
が鋼板通過速度と一致しないだけでなく、均一回転が保
てないため、めっき付着量ムラや擦り疵が発生し品質上
問題となる。これらの問題点を解決するためにサポート
ロール4の無駆動化も実施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ドロス付着を抑制する
ためにサポートロールの押込み量を変更したり、または
サポートロールを装置構成として無駆動とした場合のロ
ール回転性を確保するためにロール押込み量を増すと、
鋼板幅方向の反り(C反り)形状を適正に矯正するロー
ル押込み量とはかなり異なる状態での操業となり、過剰
な押込み量となってめっき付着量の幅方向均一性が確保
できなくなって問題となっていた。本発明の目的は、上
記のような従来技術の問題点を解決し、連続溶融亜鉛め
っき鋼板の製造において、めっき付着量の幅方向均一性
を確保することができる製造方法および装置を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】発明者等は、サポートロ
ールと鋼板間でのドロスの噛み込みによる表面欠陥を解
消する方策として、サポートロールを設置しないことを
前提に、サポートロールに代わってめっき浴を出た鋼板
の反りを矯正することができる手段について検討を行っ
た。その結果、磁力により非接触で鋼板反りを矯正でき
る磁気付与手段を用い、これをめっき浴の上方に設置す
ることが有効であることが判った。しかし、このような
磁気付与手段によって鋼板の反りは防止できるものの、
浴中にサポートロールが無いために鋼板随伴するめっき
金属流を遮るものがなくなり、鋼板面に付着して持上げ
られる持上げ亜鉛量は、サポートロールがある場合より
も多くなる。特に、高速操業においては鋼板面に付着し
て持上げられる亜鉛量がかなり増加するため、ワイピン
グ圧力を高くする必要があり、その結果としてワイピン
グによる亜鉛粒(スプラッシュ)が発生するという新た
な問題が生じることが明らかになった。
【0005】そこで、本発明者等は、鋼板によって持上
げられる亜鉛量の増加を抑制し、ワイピングによる亜鉛
スプラッシュの発生を防止するための方法について検討
を行った。その結果、図4に示すように、鋼板随伴流を
抑制して鋼板による持上げ亜鉛量を低減するための方法
として、浴面上に設置したガスワイピングノズルとは別
に、浴中で鋼板進行方向に対向するように亜鉛を吹付け
ることが有効であることを見出した。
【0006】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、その特徴は以下の通りである。
【0007】(1)鋼板をめっき浴中に連続的に浸漬
し、表面に溶融亜鉛が付着した鋼板をめっき浴中のシン
クロールで上方に導いてめっき浴の上方に引上げること
により、鋼板に連続的に溶融めっきを行う連続溶融亜鉛
めっき鋼板の製造方法であって、めっき浴中のシンクロ
ールを通過した鋼板の両面に浴中で溶融亜鉛を吹付ける
とともに、めっき浴から引上げられた鋼板に、その両側
から非接触式の磁気付与手段により磁力を作用させるこ
とで板幅方向の反りを矯正することを特徴とする連続溶
融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【0008】(2)めっき浴中で鋼板両面に吹付けられ
る溶融亜鉛の鋼板面衝突時の流速を鋼板通板速度の0.
5〜1.5倍とすることを特徴とする上記(1)に記載
の連続溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【0009】(3)鋼板をめっき浴中に連続的に浸漬
し、表面に溶融亜鉛が付着した鋼板をめっき浴中のシン
クロールで上方に導いてめっき浴の上方に引上げること
により、鋼板に連続的に溶融めっきを行う連続溶融亜鉛
めっき鋼板の製造装置であって、めっき浴中のシンクロ
ールを通過した鋼板の両面に浴中で溶融亜鉛を吹付ける
浴中ノズルと、めっき浴から引上げられた鋼板に、その
両側から非接触式の磁力を作用させることで板幅方向の
反りを矯正する磁気付与手段とを備えたことを特徴とす
る連続溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置。
【0010】(4)浴中ノズルからの鋼板面に対する溶
融亜鉛の噴射方向は水平よりも下向きであり、噴射方向
の下向き角度θが30°〜80°であることを特徴とす
る上記(3)に記載の連続溶融亜鉛めっき鋼板の製造装
置。 (5)めっき浴中に、シンクロールをその上方を除いて
外囲する仕切部材を設置することを特徴とする上記
(3)または(4)に記載の連続溶融亜鉛めっき鋼板の
製造装置。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による連続溶融め
っき鋼板の製造方法および装置の一実施形態を示す説明
図である。
【0012】図1に示す装置は、鋼板をめっき槽に保持
されためっき浴2中に連続的に浸漬し、その表面に溶融
亜鉛を付着させて上方に引上げて鋼板1に連続的に溶融
めっきを行う装置であって、焼鈍炉からめっき浴に侵入
した鋼板をめっき浴上方に方向転換させるロール(シン
クロール)3と、上方に方向転換された鋼板の表裏面に
対してめっき浴中で溶融亜鉛を吹付ける浴中ノズル8
と、めっき浴上方に引上げられた鋼板の表面に余剰に付
着した溶融亜鉛をガスにより払拭して所定のめっき付着
量に調整するために、めっき浴面上に設置されたガスワ
イピングノズル5と、ガスワイピングノズル5の上方に
設置され、めっき浴から引上げられた鋼板に、その両側
から非接触式の磁力を作用させることで板幅方向の反り
を矯正する磁気付与手段7とを備えている。前記磁気付
与手段7は、鋼板に磁気による吸引力を及ぼして鋼板の
反りを矯正する電磁石を鋼板通板ラインの両側に備えて
いる。この磁気付与手段7は鋼板の反りを計測して、そ
の反り量に応じて電磁石の出力を制御する方式のもので
もかまわない。
【0013】なお、電磁石は鋼板の幅方向に3箇所(中
央と両端)程度配置することが好ましく、反りの矯正は
ガスワイピングノズル5の位置で鋼板が平坦になるよう
にするのが好ましい。
【0014】前記浴中ノズル8は、本製造装置において
通板される鋼板の最大幅以上のスリット長さを有し、鋼
板の表裏面に対してめっき浴中で溶融亜鉛を吹付けるこ
とができるスリットノズルなどで構成される。
【0015】なお、浴中ノズル8の設定位置としては、
浴面から下方に50mmから200mm程度が好まし
い。あまり浴面に近いとノズルから吐出する亜鉛により
浴面が乱され、トップドロスを発生させることになる
し、また、あまり下側に設置すると鋼板随伴流を抑制し
た効果がなくなるからである。また、鋼板パスラインか
らノズル吐出口までの距離としては、10mmから10
0mm程度が好ましい。浴中ノズル吐出口が鋼板に近す
ぎると、鋼板と接触してスリキズを作る恐れがあるし、
離れすぎると適正な鋼板衝突時の流速を達成するために
高い圧力(大きな動力)が必要となり不利となるからで
ある。
【0016】図1に示す装置を用いた連続溶融めっき鋼
板の製造方法では、焼鈍炉からめっき浴2に侵入した鋼
板1をロール3によりめっき浴上方に方向転換させ、該
鋼板1の表裏面に浴中で浴中ノズル8により溶融亜鉛を
吹付けた後にめっき浴2より上方に引上げて、鋼板表面
に余剰に付着した溶融亜鉛をめっき浴面上に設置したガ
スワイピングノズル5により払拭して所定のめっき付着
量に調整し、さらにワイピングノズル部での鋼板の反り
を磁気付与手段7により非接触で矯正する。
【0017】浴中ノズル8からの鋼板面に対する溶融亜
鉛の噴射方向は水平よりも下向きとすることが望ましい
が、その場合、図3に示すように溶融亜鉛の噴射方向の
下向き角度θ(水平に対する下向き角度)が30°未満
であると、吹き出した亜鉛が鋼板に持上げられるように
なるため随伴流抑制の効果は少ない。また、溶融亜鉛の
噴射方向の下向き角度θ(水平に対する下向き角度)が
80°を越えると浴中ノズル8と鋼板との間隔が近接し
て鋼板がノズルに接触するようになるため問題であり現
実的ではない。したがって、この浴中ノズル8からの鋼
板面に対する溶融亜鉛の噴射方向の下向き角度θが30
°〜80°であることが好ましい。
【0018】図4において、(a)は浴中ノズルを設け
ない場合を示し、(b)は浴中で浴中ノズルから鋼板進
行方向に対向するように水平に対して下向きに亜鉛を吹
付ける場合を示している。(b)の場合、浴中ノズルか
らの亜鉛の吹付けにより(a)に比較して随伴流の領域
が押狭められて、鋼板随伴流を抑制している。
【0019】また、図5に鋼板随伴流と浴中ノズルから
鋼板面に吹付ける溶融亜鉛の鋼板衝突時の流速/鋼板通
板速度との関係の一例を示す。図5によれば、浴中ノズ
ルから鋼板面に吹付ける溶融亜鉛の鋼板衝突時の流速が
鋼板通板速度の0.5倍未満であると、鋼板随伴流を抑
制する効果が少なく、また鋼板通板速度の1.5倍を越
えると鋼板随伴流の抑制効果が飽和することから、溶融
亜鉛吹き出しの動力等を考慮した場合、浴中ノズルから
鋼板面に吹付ける溶融亜鉛の鋼板衝突時の流速を鋼板通
板速度の0.5倍〜1.5倍とすることが望ましい。
【0020】図2は、本発明の連続溶融めっき鋼板の製
造方法および装置の他の実施形態を示す説明図である。
図2に示す装置は、図1に示す実施形態に、さらにめっ
き浴中に、シンクロール3をその上方を除いて外囲する
仕切部材6を設置したものである。この仕切部材6によ
り溶融亜鉛を上下にしきり、かつ仕切部材6の上部およ
び下部にある溶融亜鉛を流動可能にしたものである。仕
切部材6は、シンクロールをその上方を除いて外囲する
ように設置され、通常鋼板1の走行方向の断面形状は、
底部が円弧状で鋼板入側の側壁と鋼板出側の側壁は上方
外側に傾斜状に形成され、側面側壁はほぼ垂直に配設さ
れている。
【0021】ここで、仕切部材6の上部にある溶融亜鉛
めっき浴2aでは、溶融亜鉛は走行する鋼板1に随伴し
て図の矢印のように流れ、仕切部材6の上方を通過する
鋼板1が溶融亜鉛めっき浴2aから引き出される側から
仕切部材6の下部へ流動し、仕切部材6の下部にある溶
融亜鉛めっき浴2bでは、溶融亜鉛は仕切部材6の上方
を通過する鋼板1が溶融亜鉛めっき浴2aへ引き入れら
れる側から仕切部材6の上部へ流動するような溶融亜鉛
の循環流を生じさせる。
【0022】いま、溶融亜鉛めっき浴2aでは鋼板1か
らFeが溶出し、微細なFe−Zn系ドロスが生成す
る。この微細なドロスの一部は鋼板1に付着して溶融亜
鉛めっき浴2aから除かれる。この微細なドロスは鋼板
1に付着しても品質上の問題はない。溶融亜鉛めっき浴
2aから除かれなかった微細なドロスは、走行する鋼板
1に随伴する溶融亜鉛の流れとともに、仕切部材6の上
方を通過する鋼板1が溶融亜鉛めっき浴2aから引き出
される側から仕切部材6の下部へ速やかに排出される。
【0023】溶融亜鉛めっき浴2bに流入した微細なド
ロスは、仕切部材6の下方を通り、仕切部材6の上方を
通過する鋼板1が溶融亜鉛めっき浴2aへ引き入れられ
る側へ移動する。溶融亜鉛めっき浴2bは、溶融亜鉛め
っき浴2aに比較して容量が大きく、また鋼板1の走行
に随伴する溶融亜鉛の流れの影響が直接およばないの
で、溶融亜鉛の流れは緩やかである。そのため、溶融亜
鉛めっき浴2bに流入した溶融亜鉛がスナウトまで流れ
る間に、溶融亜鉛に含まれるドロスは、溶融亜鉛めっき
浴2bの底部に沈降し、堆積する。この堆積したドロス
は、集合して粗大なドロスに成長する。この粗大なドロ
スは鋼板1の走行速度が変化しても浮上しにくいため、
溶融亜鉛めっき浴2bを流動しスナウト周辺部に到達し
た溶融亜鉛は清浄である。
【0024】このドロスの含まれない清浄な溶融亜鉛
は、鋼板1の走行に随伴する溶融亜鉛の流れによって、
仕切部材6の上端から溶融亜鉛めっき浴2aに流入する
ことになる。したがって、この仕切部材6の内側はドロ
ス濃度の低い状況を作り出すことができ、この仕切部材
6の中の溶融亜鉛を鋼板随伴流を抑制するための浴中ノ
ズル8から吹き出せば、ドロスが鋼板1に付着する恐れ
がなくなる。本発明のような装置を設置した連続溶融亜
鉛めっき鋼板の製造装置を用いて、めっき鋼板を製造す
れば、浴中ロールに起因したドロス等を含む異物噛み込
み、めっき付着量ムラや擦り疵のない表面外観の良好な
鋼板を、高速操業においてもスプラッシュ欠陥の発生な
く製造することが可能となる。
【0025】
【実施例】図2に示したような連続溶融亜鉛めっき鋼板
製造装置を用いて、板厚0.8mmの鋼板を速度150
mpm、張力2.5kgf/mm2で通板させて、溶融
亜鉛めっき鋼板を製造した。
【0026】図2に示す装置においては、鋼板パスライ
ンから距離8mmの位置にスリットギャップ0.9mm
のワイピングノズルを設置し、鋼板片面当りのめっき付
着量が45g/m2になるようにワイピングガス圧力を
調整した。
【0027】また、スリット長さ2mでスリットギャッ
プ3mmの浴中ノズルを、浴中に鋼板に対して表裏1対
設置した。浴中ノズルの設置位置は、浴面から下方に1
00mmとし、鋼板パスラインからノズル吐出口までの
距離は20mmとした。
【0028】ワイピングノズルの上方の鋼板幅方向3箇
所に静磁場によりC反り矯正を行う電磁石を、鋼板パス
ラインから20mm離れた位置に設置した。この電磁石
C反り矯正装置は、下流側に設置しためっき付着量計
(図示せず)で計測した鋼板幅方向のめっき付着量偏差
が目標付着量±2.5g/m2以下になるように、その
電流値を調整して板形状矯正を行った。なお、電磁石に
よる板形状矯正を行なわなかった場合には、目標付着量
±6g/m2のバラツキがあった。
【0029】次に随伴流を抑制するための浴中ノズルの
吹付け角度および吹付け流速を変更し、めっき付着量が
45g/m2になるようなワイピングガス圧力を調べ
た。その結果を表1、2に、スプラッシュ発生状況と併
せて示す。表1に示したスプラッシュ発生状況の「無
し」は目視により亜鉛の飛散が確認できなかったもので
あり、「有り」は目視確認ができたものである。
【0030】
【表1】
【0031】表1によれば、高速時においては、浴中ノ
ズルから亜鉛を吹付ける時、浴中ノズルからの鋼板面に
対する溶融亜鉛の噴射方向は水平よりも下向きであり、
噴射方向の下向き角度θを、30°、60°として取付
けた場合には、ワイピングガス圧力もサポートロールを
設置した場合とほとんど同じでスプラッシュも発生して
いないことが確認された。これに対して、溶融亜鉛の噴
射方向の下向き角度θを30°より小さい0°、20°
として取付けた場合には、ワイピングガス圧力も高くな
り、スプラッシュも発生して随伴流を抑制するよりもむ
しろ増加させるような傾向にあり望ましくないことが判
った。また、浴中ノズルから亜鉛を吹付けなかった場合
には、所定のめっき付着量を達成するためにはワイピン
グ圧力を高めにしなければならず、このような場合に
は、さらにスプラッシュも発生し、スプラッシュ欠陥が
増加する恐れがあることを示唆している。
【0032】
【表2】
【0033】表2によれば、めっき浴中で鋼板両面に吹
付ける溶融亜鉛の鋼板面衝突時の流速を鋼板通板速度の
0.5〜1.5倍とすれば、サポートロールがある場合
と同じ程度のワイピング圧力でめっき付着量調整が可能
なことが確認された。これに対して、めっき浴中で鋼板
両面に吹付けられる溶融亜鉛の鋼板面衝突時の流速を鋼
板通板速度の0倍(浴中ノズルから亜鉛を吹付けなかっ
た場合)および0.3倍とすれば、ワイピングガス圧力
も高くなり、スプラッシュも発生して望ましくないこと
が判った。
【0034】また、図2においては、めっき浴中のシン
クロールを下側から囲むような仕切部材を設けており、
鋼板に付着したドロスは鋼板の中の300mm×300
mmのサンプル領域10個所でドロス個数の計測を行な
ったが、1サンプル領域当り平均ドロス個数2個以下で
あり、通常よりも激減している状況にあった。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高速時においても、サポートロールと鋼板間でのドロス
の噛み込みによる表面欠陥を解消するためのサポートロ
ールを設置しない操業が可能になるため、ドロス付着の
欠陥を発生させることなく、かつ鋼板幅方向に均一なめ
っき付着量を得ることが可能である。また、サポートロ
ールを設置しない操業によるめっき浴交換時間の短縮
化、メンテナンス費用の低減、サポートロールでの異物
噛み込みによる欠陥解消の効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の連続溶融めっき鋼板の製造方法および
装置の一実施形態を示す説明図
【図2】本発明の連続溶融めっき鋼板の製造方法および
装置の他の実施形態を示す説明図
【図3】鋼板面に対する溶融亜鉛の噴射方向の下向き角
度θの説明図
【図4】随伴流抑制効果の概念を示す説明図
【図5】鋼板随伴流と浴中ノズルから鋼板面に吹付ける
溶融亜鉛の鋼板衝突時の流速/鋼板通板速度との関係の
一例を示すグラフ
【図6】従来の連続溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置の一
例を示す説明図
【符号の説明】
1 鋼板 2 溶融亜鉛めっき浴 3 シンクロール 4 サポートロール 5 ガスワイピングノズル 6 仕切部材 7 磁気付与手段 8 浴中ノズル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板をめっき浴中に連続的に浸漬し、表
    面に溶融亜鉛が付着した鋼板をめっき浴中のシンクロー
    ルで上方に導いてめっき浴の上方に引上げることによ
    り、鋼板に連続的に溶融めっきを行う連続溶融亜鉛めっ
    き鋼板の製造方法であって、めっき浴中のシンクロール
    を通過した鋼板の両面に浴中で溶融亜鉛を吹付けるとと
    もに、めっき浴から引上げられた鋼板に、その両側から
    非接触式の磁気付与手段により磁力を作用させることで
    板幅方向の反りを矯正することを特徴とする連続溶融亜
    鉛めっき鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 めっき浴中で鋼板両面に吹付けられる溶
    融亜鉛の鋼板面衝突時の流速を鋼板通板速度の0.5〜
    1.5倍とすることを特徴とする請求項1に記載の連続
    溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 鋼板をめっき浴中に連続的に浸漬し、表
    面に溶融亜鉛が付着した鋼板をめっき浴中のシンクロー
    ルで上方に導いてめっき浴の上方に引上げることによ
    り、鋼板に連続的に溶融めっきを行う連続溶融亜鉛めっ
    き鋼板の製造装置であって、めっき浴中のシンクロール
    を通過した鋼板の両面に浴中で溶融亜鉛を吹付ける浴中
    ノズルと、めっき浴から引上げられた鋼板に、その両側
    から非接触式の磁力を作用させることで板幅方向の反り
    を矯正する磁気付与手段とを備えたことを特徴とする連
    続溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置。
  4. 【請求項4】 浴中ノズルからの鋼板面に対する溶融亜
    鉛の噴射方向は水平よりも下向きであり、噴射方向の下
    向き角度θが30°〜80°であることを特徴とする請
    求項3に記載の連続溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置。
  5. 【請求項5】 めっき浴中に、シンクロールをその上方
    を除いて外囲する仕切部材を設置することを特徴とする
    請求項3または4に記載の連続溶融亜鉛めっき鋼板の製
    造装置。
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