JP2003253249A - 紫外線遮蔽材料 - Google Patents

紫外線遮蔽材料

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JP2003253249A JP2002051558A JP2002051558A JP2003253249A JP 2003253249 A JP2003253249 A JP 2003253249A JP 2002051558 A JP2002051558 A JP 2002051558A JP 2002051558 A JP2002051558 A JP 2002051558A JP 2003253249 A JP2003253249 A JP 2003253249A
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勝彦 若林
Masahiro Kishida
昌浩 岸田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 人体に接触しても安全でかつ取扱い性にすぐ
れた紫外線遮蔽材料を提供する。 【解決手段】 シリカからなる粒径が20〜100nm
の微粒子内部に、1個又は複数個の酸化セリウム及び/
または酸化チタンからなる紫外線吸収物質の微粒子を含
有させた構造を有することを特徴とする微粒子状の紫外
線遮蔽材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線遮蔽材料
(紫外線吸収材料)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年のオゾンホールの拡大に従って、紫
外線が皮膚に与える有害性(皮膚癌、皮膚の老化)が懸
念されており、紫外線防御効果の高い顔料の開発が望ま
れている。顔料などに含まれる無機系の紫外線吸収物質
としては、酸化チタン(TiO 2)、酸化セリウム(C
eO2)、酸化亜鉛(ZnO)等がある。これらの金属
酸化物は、幅広い紫外線領域の光に対して遮蔽効果を有
し、さらに紫外線による変質が少ないという特徴を有し
ている。
【0003】上記金属酸化物の中では、紫外線吸収能に
おいてはTiO2が最も優れている。しかし、TiO2
粒子を化粧料に配合する顔料に多量に混合した場合、化
粧仕上がりが青白くなるという問題点がある。CeO2
はバンドギャップがTiO2より大きいため(TiO2
3.0eV、CeO2:3.1eV)、紫外光吸収能に
関してはTiO2より劣るが、凝集が抑制された微粒子
状のCeO2を調製すれば、幅広い紫外領域で有効な紫
外線吸収剤となる。さらに、CeO2は薄黄色を呈して
いるため、色調の点に関してはTiO2よりCeO2の方
が顔料に混入する紫外線吸収物質として優れている。一
方、ZnOに関しては、その紫外線吸収効果が小さい
が、安価であるという利点を有する。
【0004】また、TiO2やCeO2、ZnOなどの紫
外線吸収物質は光触媒であるため、皮膚細胞へ悪影響を
及ぼすとともに、化粧品配合成分の変成や分解を引き起
こす可能性がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、人体に接触
しても安全でかつ取扱い性にすぐれた紫外線遮蔽材料を
提供することをその課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。
【0007】即ち、本発明によれば、シリカからなる粒
径が20〜100nmの微粒子内部に、1個又は複数個
の紫外線吸収物質の微粒子を含有させた構造を有するこ
とを特徴とする微粒子状の紫外線遮蔽材料が提供され
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の紫外線遮蔽材料におい
て、その芯物質を構成する微粒子状の紫外線吸収物質に
は、紫外線吸収能を有する従来公知の各種の金属酸化物
から成る微粒子が包含される。この場合の紫外線吸収物
質としては、CeO2、TiO2、ZnO等を挙げること
ができる。この芯物質の粒子径は3nm〜20nm、好
ましくは5nm〜15nmである。その芯物質を含有す
るシリカ微粒子の粒子径は20nm〜100nm、好ま
しくは40nm〜80nmである。その内部に芯物質と
して含有される紫外線吸収微粒子の数は1〜30個、好
ましくは1〜20個である。また、芯物質である紫外線
吸収物質の周囲に形成されるシリカの厚さ(周壁の厚
さ)は5nm〜50nm、好ましくは5nm〜20nm
である。
【0009】本発明の紫外線遮蔽材料は、前記した様
に、シリカ微粒子内に紫外線吸収物質の微粒子を含有さ
せた構造(紫外線吸収物質の微粒子の周囲をシリカで層
で被覆した構造)を有する微粒子である。芯物質の種類
によってその調製法が異なるが、その代表例としてCe
2又はTiO2を芯物質として含む材料の調製法を以下
に示す。
【0010】(CeO2微粒子を芯物質とした包接型紫
外線遮蔽材料)この紫外線遮蔽材料を製造するには、先
ず、微粒子状のCeO2前駆体を含有するマイクロエマ
ルションを作る。このマイクロエマルションは、界面活
性剤を含む非水溶性溶媒に、硝酸セリウム、酢酸セリウ
ム等の水溶性セリウム化合物の水溶液を加えて高速攪拌
する。この場合、界面活性剤、有機溶媒の選択は重要
で、CeO2微粒子がシリカによって被覆された包接型
構造の微粒子を安定的に得るためには、界面活性剤には
ポリオキシエチレンセチルエーテルを使用するのが好ま
しい。前記ポリオキシエチレン基において、そのオキシ
エチレンの平均付加モル数は5〜25、好ましくは15
〜20である。また、有機溶媒としては非水溶性の溶
媒、特にシクロヘキセン、シクロヘキサンを使用するの
が好ましい。攪拌温度は室温〜60℃、好ましくは40
〜50℃である。前記セリウム化合物を含む水溶液にお
いて、そのセリウム化合物濃度は0.1〜1mol/
l、好ましくは0.2〜0.5mol/lである。非水
溶性溶媒に加えるセリウム化合物を含む水溶液の量は、
非水溶性溶液1リットルあたり、1〜200cc、好ま
しくは20〜50ccである。非水溶性溶媒とセリウム
化合物を含む水溶液との混合温度は、室温〜60℃、好
ましくは40〜50℃である。
【0011】次に、前記マイクロエマルションに対し、
アンモニア水溶液、もしくはシュウ酸水溶液を加えて、
攪拌することにより、マイクロエマルション中に含まれ
るセリウム化合物と反応させてCeO2前駆体微粒子
(水酸化セリウム、もしくはシュウ酸セリウム微粒子)
を生成させる。前記アンモニア水、もしくはシュウ酸水
溶液の添加量は、セリウム化合物を水酸化セリウム、も
しくはシュウ酸セリウムに変換させるのに十分な量であ
ればよい。
【0012】その後、CeO2前駆体微粒子を含むマイ
クロエマルション溶液に、包接物質であるシリカの原料
アルコキシド(ケイ素アルコキシド)とアンモニア水溶
液を加え、マイクロエマルション中で加水分解させる。
そのケイ素アルコキシドを加水分解させて重縮合させ
る。前記原料アルコキシドとしては、炭素数1〜6、好
ましくは1〜3の低級アルキル基を有するケイ素テトラ
アルコキシドを用いることができる。その量は、エマル
ション中に含まれるセリウムとケイ素との原子比[C
e]/[Si]で0.02〜0.3、好ましくは0.0
4〜0.25となるような割合である。ケイ素アルコキ
シドの加水分解時の溶液温度は室温〜60℃、好ましく
は40℃〜50℃である。
【0013】この操作により、CeO2前駆体微粒子を
含むシリカ水酸化物が得られるが、このものは、液中か
ら濾別し、次いでプロパノールで洗浄した後、80℃で
乾燥し、さらに空気流通下350〜600℃、好ましく
は400℃〜500℃で焼成する。この焼成により、前
記金属水酸化物は金属酸化物となり、さらに超微粒子に
付着する界面活性剤は消失される。このようにして、紫
外線吸収物質であるCeO2微粒子の1つ又は複数個が
シリカによって被覆された、包接型紫外線遮蔽材料を得
る。
【0014】(TiO2微粒子を芯物質とした包接型紫
外線遮蔽材料)前記と同様の界面活性剤、有機溶媒を用
いることにより、TiO2微粒子をシリカによって被覆
した、包接型紫外線遮蔽材料の調製を行うことができ
る。先ず、界面活性剤を含む非水溶性溶媒に、純水を加
えて高速攪拌し、マイクロエマルション溶液を作成す
る。攪拌温度は室温〜60℃、好ましくは40〜50℃
である。前記マイクロエマルションにおいて、その加え
る純水量は、非水溶性溶液1リットルあたり、1〜20
0cc、好ましくは20〜100ccである。
【0015】次に、前記マイクロエマルションに対し、
TiO2の原料アルコキシドを加えて、攪拌することに
より、マイクロエマルション中に含まれる水と反応させ
てTiO2前駆体微粒子(水酸化チタン;Ti(OH)4)
を生成させる。前記原料アルコキシドとしては、炭素数
1〜6、好ましくは4〜6の低級アルキル基を有するチ
タニウムテトラアルコキシドを用いることができる。そ
の量は、マイクロエマルション溶液1リットルあたり1
〜10g、好ましくは5〜7gである。
【0016】その後、TiO2前駆体微粒子を含むマイ
クロエマルション溶液に、包接物質であるシリカの原料
アルコキシドとアンモニア水溶液を加え、エマルション
中で加水分解させる。そのケイ素アルコキシドを加水分
解させて重縮合させる。前記原料アルコキシドとして
は、炭素数1〜6、好ましくは1〜3の低級アルキル基
を有するケイ素テトラアルコキシドを用いることができ
る。その量は、エマルション中に含まれるチタニウムと
ケイ素との原子比[Ti]/[Si]で0.1〜0.
6、好ましくは0.2〜0.5となるような割合であ
る。ケイ素アルコキシドの加水分解時の溶液温度は室温
〜60℃、好ましくは40℃〜50℃である。その後の
洗浄、乾燥、焼成過程は、前記CeO2を含む材料の場
合と同様である。
【0017】上記のようにして得られる微粒子は、包接
型構造の微粒子である。即ち、1個、もしくは複数個の
紫外線吸収物質であるCeO2微粒子やTiO2微粒子等
の紫外線吸収性微粒子を芯物質とし、その周囲をシリカ
で包囲した構造を有する微粒子である。この微粒子にお
いて、その全体の粒径は20nm〜100nm、好まし
くは20nm〜60nm、特に、20〜40nmであ
り、その芯物質を構成する紫外線遮蔽粒子の粒径は3n
m〜20nm、好ましくは4〜15nmである。また、
そのシリカ層の厚みは5nm〜20nmである。微粒子
中の紫外線吸収物質の含有量は10〜40wt%程度で
ある。
【0018】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。
【0019】実施例1(シリカ包接CeO2微粒子の調
製) 内容積200mlのビーカーに、0.5M界面活性剤ポ
リオキシエチレン(15)セチルエーテル(=C−1
5)−シクロヘキサン溶液100ccを入れ、これに
0.5M硝酸セリウム(Ce(NO34・6H2O)を
5cc加え、50℃下にマグネチックスターラーで攪拌
して、マイクロエマルションを調製した。このマイクロ
エマルションに、濃度1mol/lのシュウ酸水溶液5
cc加え、30分間よく攪拌して、CeO2前駆体微粒
子であるシュウ酸セリウムが分散した溶液を作成した。
その後、攪拌下で50℃の温度において、28%アンモ
ニア水10ccと珪酸エチル(ケイ素エトキシド)5g
を添加し、1時間加水分解を行った。加水分解後、生成
した沈殿を母液から直ちに回収した。得られた沈殿は、
プロパノールで3回洗浄して沈殿に含まれる界面活性剤
や有機溶媒を十分に除去した。この沈殿を80℃で12
時間乾燥してから、空気流通下400℃で2時間焼成し
た。この結果、15.0wt%のCeO2を含むシリカ
ゲル(試料1)2.5gが得られた。このようにして得
られた微粒子は、粒子径約20nmの球形シリカ粒子の
内部に直径約5nmのCeO2微粒子を1個、もしくは
数個含有した紫外線遮蔽材料であった。
【0020】実施例2(シリカ包接CeO2微粒子の調
製) 実施例1において、CeO2前駆体微粒子(シュウ酸セ
リウム)を含んだマイクロエマルション溶液に添加する
珪酸エチル量を10gとした以外は同様にして実験を行
った。加水分解時の珪酸エチル量を実施例1の2倍にし
たため、この場合得られた粒子は、粒子径約30〜35
nmの球形シリカ粒子の内部に1個、もしくは数個のC
eO2微粒子を含有したたものであった。CeO2微粒子
の粒子径は約5nmであり、その含有量は7.0wt%
であった。
【0021】実施例3(シリカ包接CeO2微粒子の調
製) 実施例1において、CeO2前駆体微粒子(シュウ酸セ
リウム)を含んだマイクロエマルション溶液に添加する
珪酸エチル量を3gとした以外は同様にして実験を行っ
た。加水分解時の珪酸エチル量を実施例1の1/2にし
たため、この場合得られた粒子は、粒子径約15〜20
nmの球形シリカ粒子の内部に1個、もしくは数個のC
eO2微粒子を含有したものであった。CeO2微粒子の
粒子径は約5nmであり、その含有量は20wt%であ
った。
【0022】実施例4(シリカ包接CeO2微粒子の調
製) 実施例1において、有機溶媒としてシクロヘキセンを用
いた以外は同様にして実験を行った。この場合得られた
粒子は、粒子径約20nmの球形シリカ粒子の内部に、
1個、もしくは数個のCeO2微粒子が含有したもので
あった。CeO2微粒子の粒子径は約5nmであり、そ
の含有量は15wt%であった。
【0023】実施例5(シリカ包接CeO2微粒子の調
製) 実施例1において、マイクロエマルション溶液に添加す
るセリウム金属塩化合物を硝酸セリウムから、酢酸セリ
ウム(Ce(CH3COO)3・H2O)へと変更した。
酢酸セリウム水溶液を含んだマイクロエマルション溶液
にシュウ酸水溶液を添加し、溶液中でCeO2前駆体微
粒子(シュウ酸セリウム)を調製した以外は、実施例1
と同様にして実験を行った。このようにして得られた微
粒子は、粒子径約20nmの球形シリカ粒子の内部に直
径約5nmのCeO2微粒子を1個、もしくは数個含有
したものであり、その含有量は15wt%であった。
【0024】実施例6(シリカ包接TiO2微粒子の調
製) 実施例1と同様の界面活性剤−有機溶媒溶液100cc
に純水5cc加え、50℃下にマグネチックスターラー
で攪拌して、マイクロエマルションを調製した。このマ
イクロエマルションに、チタニウムテトラブトキシド2
gを加え、60分間よく攪拌して、TiO2前駆体微粒
子であるチタニウム水酸化物微粒子が分散した溶液を作
成した。その後、28%アンモニア水10ccと珪酸エ
チル10gを添加し、1時間加水分解を行った。加水分
解後、生成した沈殿を母液から直ちに回収した。得られ
た沈殿は、プロパノールで3回洗浄して沈殿に含まれる
界面活性剤や有機溶媒を十分に除去した。この沈殿を8
0℃で12時間乾燥してから、空気流通下400℃で2
時間焼成した。このようにして得られた微粒子は、粒子
径約40nmの球形シリカ粒子の内部に直径約3〜10
nmのTiO2微粒子を1個、もしくは数個含有した紫
外線遮蔽材料であり、そのTiO2含有量は8wt%で
あった。
【0025】実施例7(シリカ包接TiO2超微粒子の
調製) 実施例6において、TiO2の原料アルコキシドにチタ
ニウムテトラプロポキシドを用いた以外は同様にして実
験を行った。このようにして得られた微粒子は、粒子径
約40nmの球形シリカ粒子の内部に直径約3〜10n
mのTiO2微粒子を1個、もしくは数個含有した紫外
線遮蔽材料であり、そのTiO2含有量は10wt%で
あった。
【0026】実施例8(シリカ包接CeO2−TiO2
粒子の調製) 実施例1において、マイクロエマルション溶液中でCe
2前駆体微粒子(シュウ酸セリウム微粒子)を含んだ
マイクロエマルション溶液100ccに、TiO2の原
料アルコキシドであるチタニウムテトラブトキシド0.
5gを加え、30分よく攪拌して、CeO2前駆体微粒
子(シュウ酸セリウム微粒子)とTiO2前駆体微粒子
(水酸化チタン)が分散した溶液を作成した。その後、
28%アンモニア水5ccと珪酸エチル10gを添加
し、1時間加水分解を行った。これ以降は、実施例1と
同様の処理を施した。このようにして得られた微粒子
は、粒子径約40nmの球形シリカ粒子の内部に、直径
約5〜10nmのCeO2微粒子と直径約3〜10nm
のTiO2微粒子を複数個含有した紫外線遮蔽材料であ
った。
【0027】比較例1 実施例1において、界面活性剤としてジ−2−エチルヘ
キシルスルホコハク酸ナトリウム、もしくはセチルトリ
メチルアンモニウムクロライドを用いた以外は同様にし
て実験を行った。この場合に得られたシリカ粒子は、比
較的大きな直径(平均粒子径:約300nm)を有し、
シリカによってCeO2微粒子が被覆された包接型構造
の微粒子ではなく、シリカ粒子外表面にも多数のCeO
2粒子が分散した構造の粒子であった。
【0028】比較例2 実施例1で有機溶媒に用いたシクロヘキセンと炭素数
(6個)が同じである、鎖状アルコールのヘキサノール
を有機溶媒として用いた以外は同様にして実験を行っ
た。この場合に得られたシリカ粒子は、比較的大きな直
径(平均粒子径:約300nm)を有し、シリカによっ
てCeO2微粒子が被覆された包接型構造の微粒子では
なく、シリカ粒子外表面にも多数のCeO2粒子が分散
した構造の粒子であった。
【0029】比較例3 実施例1において、有機溶媒に環状の炭化水素であるシ
クロヘキサノール、もしくはシクロヘキサノンを用いた
以外は同様にして実験を行った。この場合に得られたシ
リカ粒子は、比較的大きな直径(平均粒子径:約300
nm)を有し、シリカによってCeO2微粒子が被覆さ
れた包接型構造の微粒子ではなく、シリカ粒子外表面に
も多数のCeO2粒子が分散した構造の粒子であった。
【0030】比較例4 実施例6において、界面活性剤としてジ−2−エチルヘ
キシルスルホコハク酸ナトリウム、もしくはセチルトリ
メチルアンモニウムクロライドを用いた以外は同様にし
て実験を行った。この場合に得られたシリカ粒子は、比
較的大きな直径(平均粒子径:約300nm)を有し、
シリカによってCeO2微粒子が被覆された包接型構造
の微粒子ではなく、シリカ粒子外表面にも多数のCeO
2粒子が分散した構造の粒子であった。
【0031】比較例5 実施例6で有機溶媒に用いたシクロヘキセンと炭素数
(6個)が同じである、鎖状アルコールのヘキサノール
を有機溶媒として用いた以外は同様にして実験を行っ
た。この場合に得られたシリカ粒子は、比較例4と同様
に比較的大きな直径(平均粒子径:約300nm)を有
し、シリカによってTiO2微粒子が被覆された包接型
構造の微粒子ではなく、シリカ粒子外表面にも多数のT
iO2粒子が分散した構造の粒子であった。
【0032】比較例6 実施例6において、有機溶媒に環状の炭化水素であるシ
クロヘキサノール、もしくはシクロヘキサノンを用いた
以外は同様にして実験を行った。この場合に得られたシ
リカ粒子は、比較例4と同様に比較的大きな直径(平均
粒子径:約300nm)を有し、シリカによってTiO
2微粒子が被覆された包接型構造の微粒子ではなく、シ
リカ粒子外表面にも多数のTiO2粒子が分散した構造
の粒子であった。
【0033】(紫外線遮蔽材料の光吸収特性)実施例1
と8で得られた紫外線遮蔽材料の吸光特性を、紫外可視
分光光度計を用いて測定した。試料0.4gを硫酸バリ
ウム4gと混合し、分光光度計用固体セルを用いて測定
した。また、比較のために、市販のCeO2微粒子の吸
光特性を調べた。それらの吸光特性を図1に示す。各試
料とも、波長約400nm以下の紫外領域における光の
吸収が確認された。本発明の紫外線遮蔽材料は、紫外線
吸収物質の含有量が10.0wt%程度であるにもかか
わらず、市販のCeO2より紫外光吸収能に優れている
ことが示された。これは、市販のCeO2微粒子では、
凝集が著しく進行しているのに対し、シリカ包接微粒子
では、球状SiO2粒子内に包含されたCeO2微粒子、
TiO2微粒子の凝集が抑制されているためである。
【0034】
【発明の効果】本発明の紫外線遮蔽材料は、その紫外線
吸収物質の周囲がシリカ層で被覆された包接型構造の微
粒子であるため、高い化学的安定性及びすぐれた取扱い
性を有し、そして皮膚に対する悪影響もなく、人体に対
して高い安全性を有すとともに、化粧品等の各種製品中
に配合した場合に配合成分への悪影響を抑えることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】紫外線遮蔽材料の光吸収特性を示す。
フロントページの続き (72)発明者 多湖 輝興 福岡県福岡市東区原田2丁目20番22号 メ ゾンドール三宅302号室 Fターム(参考) 4G047 CA02 CA05 CB05 CB09 CC03 CD04 4G072 AA35 AA37 BB05 DD06 GG02 UU30 4G076 AA02 AA24 AB02 AB12 BA13 BA38 BF05 DA30

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカからなる粒径が20〜100nm
    の微粒子内部に、1個又は複数個の紫外線吸収物質を含
    有させた構造を有することを特徴とする微粒子状の紫外
    線遮蔽材料。
  2. 【請求項2】 該紫外線吸収物質が、酸化セリウム及び
    /又は酸化チタンからなることを特徴とする請求項1に
    記載の紫外線遮蔽材料。
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