JP2003253183A - ボールペン用水性インキ - Google Patents

ボールペン用水性インキ

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JP2003253183A
JP2003253183A JP2002051536A JP2002051536A JP2003253183A JP 2003253183 A JP2003253183 A JP 2003253183A JP 2002051536 A JP2002051536 A JP 2002051536A JP 2002051536 A JP2002051536 A JP 2002051536A JP 2003253183 A JP2003253183 A JP 2003253183A
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pigment
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Hiroshi Ito
洋 伊東
Hiroshi Miyashita
裕志 宮下
Toshiyuki Wakae
敏行 若江
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Pentel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1年以上の長期間や高温状態に保管されて
も、インキの粘度低下による金属顔料の沈降が無く、品
質が低下しないボールペン用水性インキ。 【解決手段】 ボールペン用水性インキにおいて、少な
くとも平均分子量が5×106以上5×109以下の多糖
類と、金属顔料と、HLB12〜18のポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリエチレン
グリコール脂肪酸エステルを使用。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顔料を安定に分散
する水性インキに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、顔料を使用した水性インキは、イ
ンキの粘度を調整するため、粘度調整剤を使用すること
が知られているが、これは、種々の顔料の分散安定や滑
らかな筆跡を得る利点をも有している。特に、高粘度タ
イプの油性ボールペンや低粘度タイプの水性ボールペン
の様々な欠点を解決する粘度調整剤として、非筆記時に
は比較的高粘度であることによってインキの移動を制限
することで顔料の沈降やインキ洩れや気泡の混入を抑制
し、筆記時には回転するボールの剪弾力によって粘度低
下して滑らかにインキを吐出させる剪弾減粘性を付与
し、また長期間保存した時に物性値が比較的安定してい
る物質として、種々の多糖類を用いることが提案されて
いる。その一例として、特公昭64−8673号公報に
はキサンタンガムが、特開平4−214782号公報に
はウェランガムが、特開平2−279777号公報には
ラムザンガムが、特開平6−88050号公報にはサク
シノグルカン開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、筆跡に
光輝性を得ようとした場合など、比較的比重の重たい金
属顔料を使用すると、従来知られているような多糖類に
てインキの粘度調整を行ったものでは、長期保管や50
℃や60℃の比較的高温状態に置かれた場合に、顔料を
十分に保持しきれなく、顔料が沈降し、筆跡に途切れや
カスレ、更には全く筆記不能になってしまう等の不具合
が生じるという問題があった。また、金属顔料の金属部
がインキ中の微量の電解質や溶存酸素等によりインキ中
で僅かずつイオン化して溶出したものが原因で上記従来
の多糖類が凝集や析出あるいは加水分解等を引き起こ
し、所望のインキ粘度から粘度低下を引き起こしてしま
い、インキ中の金属顔料の分散状態が維持されずに沈降
し、同様の筆跡の途切れやカスレ、筆記不能の問題が懸
念されるものであった。このことは金属箔の破砕微小片
である金属顔料の場合その破砕部が影響を受けやすく顕
著であるといえる。本発明の目的は、長期間の保管後や
比較的高温の雰囲気中に置かれた場合に、金属顔料の沈
降、それによるペン先でのインキ詰まりによって筆記不
能になることを極力抑制したインキ組成物を提供するこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも顔
料と、多糖類と、HLB13.0〜18.0のポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含有するボール
ペン用水性インキを要旨とするものである。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
使用する界面活性剤は、HLBが13.0〜18.0の
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又
はHLB13.0〜18.0のポリエチレングリコール
脂肪酸エステルを使用する。HLB13.0〜18.0
のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの具体
例としては、TL−10、TP−10、TS−10、T
O−10M、TO−10、TI−10(以上、日光ケミ
カルズ(株)製)、レオドールTW−L120、同TW
−L106、同TW−P120、同TW−S120、同
TW−O120、レオドールスーパーTW−L120、
同TW−S120、同TW−O120、エマゾールL−
120、同P−120、同S−120、同O−120
(以上、花王(株)製)、ソルボンT−20、同T−4
0、同T−60、同T−80(以上、東邦化学工業
(株)製)、イオネットT−20C、同T−60C、同
T−80C(以上、三洋化成工業(株)製)等が、HL
B13.0〜18.0のポリエチレングリコール脂肪酸
エステルの具体例としてはMYS−25、MYS−4
0、MYS−45、MYS−55、CDS−6000P
(以上、日光ケミカルズ(株)製)、エマノーン111
2(以上、花王(株)製)等が挙げられる。そして、本
発明における前記界面活性剤の使用量は、インキ全量に
対して、0.10〜5.00重量%が好ましい。また、
本発明における前記界面活性剤のHLBは、特に12よ
り小さくなるとインキ中で安定に溶解し難くなるため、
金属顔料に対しての分散剤の効果が小さくなり、沈降防
止の効果が少なくなる傾向がある。
【0006】本発明に使用する多糖類は、その具体例と
して、微生物由来の多糖類であるキサンタンガム、植物
由来の多糖類であるグァーガムやローカストビーンガム
(以上、三晶(株)製)等が挙げられる。特に、シュー
ドプラスチック性が大きいことから比重の重いものをよ
り保持し易く、また保湿性といった性質を有しているこ
とから、その平均分子量が5×106以上5×109以下
である多糖類を使用することが好ましく、その具体例と
して微生物由来の酸性多糖類であるサクシノグルカン
(三晶(株)製)やAlcaligenes latu
s B−16株細菌に生産された酸性多糖類であるB−
16ポリマー(アルカガム)(伯東(株)製)が挙げら
れる。サクシノグルカンは、グルコース、ガラクトー
ス、ピルビン酸又はその塩、コハク酸又はその塩、酢酸
を5〜8:1〜2:0.5〜2:0.5〜2:0.5〜
1のモル比で構成された酸性多糖類である。Alcal
igenes latus B−16株細菌に生産され
た酸性多糖類であるB−16ポリマー(アルカガム)
は、高分子成分と低分子成分を約7:1で含む混合物で
あり、その主成分である高分子成分が、グルコース、グ
ルクロン酸、フコース、ラムノースを2:1:1:1の
モル比で含むユニットから構成された酸性多糖類であ
る。そして、本発明における多糖類の使用量は、インキ
全量に対して0.05〜1.50重量%が好ましい。
0.05重量%未満では、インキ粘度が低すぎて、金属
顔料や他の併用する着色剤としての顔料に対して、沈降
防止の効果が少なくなることがある。一方、1.50重
量%を越えた場合、粘度が高くなり過ぎるため、ペン先
部からのインキの吐出が悪くなる傾向がある。
【0007】本発明に使用する金属顔料は、筆跡の色と
異なる光輝感を醸し出す目的として使用するもので、ア
ルミニウム粉やブロンズ粉、亜鉛粉等が挙げられる。具
体例として、市販されているアルミニウム粉末として
は、スーパーファインNo.22000、同No.18
000、ファインNo.900、同No.800(以
上、大和金属粉工業(株)製)、AA12、AA8、N
o.900、No.18000(以上、福田金属箔粉工
業(株)製)、アルミ粉1000、同2700(以上、
中塚金属箔粉工業(株)製)等、アルミニウムペースト
としては、WB0230、WXM0630(以上、東洋
アルミ(株)製)、スーパーファインNo.22000
WN、同18000WN(以上、大和金属粉工業(株)
製)等、着色アルミニウムとしては、フレンドカラー
F350 BL−W、同 GR−W、F100 BL−
W、同 GR−W(以上、昭和電工(株)製)等が挙げ
られる。特に、多色化が可能で、且つ、非常に大きい光
輝感が得られるものとして、アルミニウムを着色樹脂層
で被覆した破砕微小片が挙げられるが、市販されている
ものとしては、尾池工業(株)製のエルジー Silv
er #325、同 Red Gold #325、同
Blue Gold #325、同 RED#32
5、同 Blue #325、同 Green #32
5、同 Violet #325、同 Black #
325、同 Copper #325(以上粒径44μ
m)、エルジー Silver #500、同 Gol
d #500(以上粒径28μm)、更には、エルジー
#100シリーズ(粒径150μm)、エルジー #
150シリーズ(粒径105μm)、エルジー #20
0シリーズ(粒径74μm)がある。この金属蒸着箔の
破砕微小片は単独でも2種類以上併用しても使用可能で
ある。また、その使用量は、少なすぎると筆跡中で十分
な光輝感が得られず、多すぎると筆跡が金属蒸着箔のみ
で覆われて筆跡の色調とのコントラストが出なくなるた
めに、インキ全量に対して2.0〜8.0重量%の範囲
で使用するのが好ましい。
【0008】また、金属顔料の大きさは、粒子径が5μ
m〜150μmのものが好ましく、より好ましいのは、
20μm〜100μmである。粒子径が20μmより小
さいと十分な光輝感が得られないことがあり、150μ
mより大きいと、ペン先でインキが詰まってしまい筆記
出来なくなる場合があるためである。
【0009】金属顔料に併用して、他の着色剤を使用す
ることもできる。併用により得られたインキからは、金
属顔料或いは着色樹脂被覆等により有彩色に着色された
金属蒸着箔顔料が本来有する色調と、併用する他の着色
剤の色調とによるコントラストを有する筆跡を得ること
ができる。着色剤として顔料を用いる場合は、従来公知
の顔料を使用することが出来、具体例として、ファーネ
ストブラック、コンタクトブラック、サーマルブラッ
ク、アセチレンブラック等のカーボンブラック、黒色酸
化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルト
ブルー、チタンイエロー、ターコイズ、モリブデートオ
レンジ、酸化チタン等の無機顔料、C.I.PIGME
NT RED2、同3、同5、同17、同22、同3
8、同41、同48:2、同48:3、同49、同5
0:1、同53:1、同57:1、同58:2、同6
0、同63:1、同63:2、同64:1、同88、同
112、同122、同123、同144、同146、同
149、同166、同168、同170、同176、同
177、同178、同179、同180、同185、同
190、同194同206、同207、同209、同2
16、同245、C.I.PIGMENT ORANG
E 5、同10、同13、同16、同36、同40、同
43、C.I.PIGMENTVIOLET 19、同
23、同31、同33、同36、同38、同50、C.
I.PIGMENT BLUE 2、同15、同15:
1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:
5、同16、同17、同22、同25、同60、同6
6、C.I.PIGMENT BROWN 25、同2
6、C.I.PIGMENT YELLOW 1、同
3、同12、同13、同24、同93、同94、同9
5、同97、同99、同108、同109、同110、
同117、同120、同139、同153、同166、
同167、同173C.I.PIGMENTGREEN
7、同10、同36等の有機顔料等が挙げられる。こ
れらは、1種もしくは2種以上混合して用いることが出
来る。
【0010】また、顔料インキ製造上有利なことから、
顔料を水性媒体に分散した分散顔料の水性インキ組成物
ベースを用いることもできる。具体的には、富士色素
(株)製のFuji.SPシリーズ、山陽色素(株)製
のEmacolシリーズ、Sandyeシリーズ、オリ
エント化学工業(株)製のMicroPigmoシリー
ズ、MicroJetシリーズ、東洋インキ(株)製の
Rio、Fastシリーズ、EM Colorシリーズ
(以上、無機、有機顔料の分散体)、日本蛍光化学
(株)製のNKWシリーズ、東洋ソーダ(株)製のコス
モカラーシリーズ、シンロイヒ(株)製のシンロイヒ・
カラーベースシリーズ(以上、蛍光顔料の分散体)等が
挙げられる。これらは1種もしくは2種以上混合して用
いることが出来る。
【0011】着色剤として染料を用いる場合は、従来公
知の染料を使用することが出来、具体例として、C.
I.ダイレクトブラック17、同19、同22、同3
2、同38、同51、同71、C.I.ダイレクトイエ
ロー4、同26、同44、同50、C.I.ダイレクト
レッド1、同4、同23、同31、同37、同39、同
75、同80、同81、同83、同225、同226、
同227、C.I.ダイレクトブルー1、同15、同4
1、同71、同86、同87、同106、同108、同
199等の直接染料や、C.I.アシッドブラック1、
同2、同24、同26、同31、同52、同107、同
109、同110、同119、同154、C.I.アシ
ッドイエロー1、同7、同17、同19、同23、同2
5、同29、同38、同42、同49、同61、同7
2、同78、同110、同127、同135、同14
1、同142、C.I.アシッドレッド8、同9、同1
4、同18、同26、同27、同35、同37、同5
1、同52、同57、同82、同83、同87、同9
2、同94、同111、同129、同131、同13
8、同186、同249、同254、同265、同27
6、C.I.アシッドバイオレット15、同17、同4
9、C.I.アシッドブルー1、同7、同9、同15、
同22、同23、同25、同40、同41、同43、同
62、同78、同83、同90、同93、同100、同
103、同104、同112、同113、同158、
C.I.アシッドグリーン3、同9、同16、同25、
同27、C.I.アシッドオレンジ56等の酸性染料、
C.I.フードイエロー3等の食用染料、マラカイトグ
リーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB
(C.I.44045)、メチルバイオレットFN
(C.I.42535)、ローダミンF4G(C.I.
45160)、ローダミン6GCP(C.I.4516
0)等の塩基性染料等が挙げられる。尚、上記顔料、分
散顔料、染料は混合して使用することもできる。
【0012】更に、インキとしての種々の品質、例え
ば、低温時でのインキ凍結防止、ペン先でのインキ乾燥
防止、顔料の分散媒、染料の溶解剤、粘度調整剤の溶解
・分散等の目的で水並びに従来公知の水溶性有機溶剤を
使用することが可能である。水溶性有機溶剤の具体例と
しては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリ
エチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−
ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリ
セリン等のグリコール類や、エチレングリコールモノメ
チルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のグ
リコールエーテル類や、2−ピロリドン、N−メチル−
2−ピロリドン、トリエタノールアミン等が挙げられ
る。これらの水溶性有機溶剤は、単独或は混合して使用
することができる。その使用量はインキ組成物全量に対
して10〜60重量%が好ましい。
【0013】また、尿素、エチレン尿素、チオ尿素など
の湿潤剤や、ベンゾチアゾリン系、オマジン系などの防
腐剤、ベンゾトリアゾールなどの防錆剤、顔料の分散安
定剤としての天然高分子や合成高分子等の樹脂やポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフ
ェニルエーテルやその硫酸塩等の界面活性剤、金属箔や
顔料などを被筆記面に定着させるためにスチレン−アク
リル共重合体やそのアルカリ塩、酢酸ビニル系樹脂等の
エマルジョン、アンモニア、モノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン、トリポリ燐
酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなど炭酸や燐酸のアルカ
リ金属塩、水酸化ナトリウムなどアルカリ金属の水酸化
物や2,2−アミノメチル−1,3−プロパンジオール
等のpH調整剤、シリコーン系エマルジョン等の消泡剤
等といった種々の添加剤を必要に応じて使用することも
できる。
【0014】本発明のインキ組成物を製造するに際して
は、従来知られている種々の方法が採用できる。例え
ば、着色剤として染料や分散顔料を用いる場合は、ヘン
シェルミキサー等の撹拌機に水とアルカガムを入れ撹拌
した後、残りの成分を入れ、更に混合撹拌することによ
り容易に得られる。濾過等を必要に応じて行っても良
い。着色剤として顔料を用いた場合は、予め顔料をボー
ルミル、ビーズミル、ロールミル等の分散機により分散
し分散顔料状となした後、上記と同様に行えば、容易に
得られる。
【0015】
【作用】本発明に係る、HLB13.0〜18.0のポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又は
ポリエチレングリコール脂肪酸エステルは、第1に金属
顔料の分散剤として働くことにより金属顔料をインキ中
に非常に分散し易くする物質である。第2にその分子量
が大きく、特にボリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エ
ステルはさらに構造が立体的であり、多糖類の形成する
網目構造に絡み易くなることから、金属顔料がより安定
にインキ中に保持され、また多糖類の網目構造そのもの
も補強することになると推察される。また、特に分子量
が大きい多糖類は、分子鎖が長く、分子同士が絡み易く
なり、更に絡み合った分子同士が絡み合ってより複雑化
することで非常に強固で安定な網目構造をとる物質であ
る。またその分子鎖中ではカルボン酸基の一部が解離し
てイオン化(以下、高分子イオンと表記)し、分子内で
相互に反発し合って広がり、同時に水等の溶媒を拘束し
膨潤することでインキを増粘させる物質である。従っ
て、安定で強固な網目構造をとるために、剪断減粘性が
非常に大きくなるため、金属顔料のように比重が大きい
ものでも安定に保持することが可能となる。また、当該
多糖類は、分子量が非常に大きいが、これは分子鎖中の
高分子イオンの存在部分が非常に多くなることを意味
し、金属顔料による溶出イオンによって反発が抑えられ
る割合が相対的に僅かになり、更に、分子同士が絡み合
っていることから、溶出したイオンにより反発を抑えら
れる高分子イオンがあっても、分子同士の絡み合いによ
り全体として補われて、その影響を極力抑制することが
できるものであると推察される。以上のようなことか
ら、当該多糖類が凝集や析出や加水分解等を起こし難
く、一定の粘度を維持し、安定で強固な網目構造を形成
し、更には界面活性剤との相乗効果により金属顔料を安
定に保持することが可能になると推察される。
【0016】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づき更に詳細に
説明する。実施例、比較例中の各インキの粘度は、トキ
メック製ELD型粘度計STローター1rpmにて測定
した。測定時の温度は25℃であった。尚、各実施例中
単に「部」とあるのは「重量部」を表す。
【0017】 実施例1 エルジー Violet #325(紫色金属蒸着箔の破砕微小片、尾池工業( 株)製) 2.00部 エルジー Silver #325(銀色金属蒸着箔の破砕微小片、尾池工業( 株)製) 2.00部 FUJI SP BLACK 8948(黒色顔料分散体、富士色素(株)製) 2.00部 アルカガム(平均分子量:約1×109、伯東(株)製) 0.20部 TO−10(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、日光ケミカルズ( 株)製) 1.50部 エチレングリコール 10.00部 グリセリン 5.00部 ジョンクリル1535(スチレンアクリル共重合体のエマルジョン、ジョンソン ポリマー(株)製) 10.00部 TSA739(シリコーン系エマルジョン、GE東芝シリコーン(株)製) 0.20部 水 66.90部 プロクセルGXL(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、ICIジャパン (株)製) 0.20部 上記成分中、アルカガムと水とをホモミキサーにて10
分間撹拌して得たアルカガム水溶液中に、残りの上記各
成分を加え、更に30分間混合撹拌して粘度5200m
Pa・sの黒色地に紫色系の輝きが散りばめられた筆跡
外観を有するボールペン用水性インキを得た。
【0018】 実施例2 エルジー Green #325(緑色金属蒸着箔の破砕微小片、尾池工業(株 )製) 4.50部 Sandye Super Blue 1808(青色顔料分散体、山陽色素( 株)製) 2.50部 サクシノグルカン(平均分子量:約5×106、三晶(株)製) 0.90部 TP−10(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、日光ケミカルズ( 株)製) 2.00部 エチレングリコール 10.00部 水 71.65部 ジョンクリル450(スチレンアクリル共重合体のエマルジョン、ジョンソンポ リマー(株)製) 8.00部 TSA739(シリコーン系エマルジョン、GE東芝シリコーン(株)製) 0.25部 プロクセルGXL 0.20部 上記成分を実施例1と同様になして粘度19000mP
a・sの青色地に緑色系の輝きが散りばめられた筆跡外
観を有するボールペン用水性インキを得た。
【0019】 実施例3 エルジー Red Gold #325(赤金色金属蒸着箔の微小片、尾池工業 (株)製) 4.00部 NKW−2104(オレンジ色蛍光顔料分散体、日本蛍光(株)製) 10.00部 アルカガム 0.18部 TS−10(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、日光ケミカ ルズ(株)製) 2.50部 水 61.02部 エチレングリコール 7.00部 プロピレングリコール 10.00部 KM 72(シリコーン系エマルジョン、信越化学工業(株)製) 0.10部 モビニール DM 875(スチレンアクリル共重合体のエマルジョン、ヘキス ト合成(株)製) 5.00部 プロクセルGXL 0.20部 上記成分を実施例1と同様になして粘度4000mPa
・sの蛍光オレンジ色の地に赤金色系の輝きが散りばめ
られた筆跡外観を有するボールペン用水性インキを得
た。
【0020】 実施例4 エルジー Blue #325(青色金属蒸着箔の破砕微小片、尾池工業(株) 製) 3.50部 Water RED #2(赤色染料、オリエント化学工業(株)製) 6.50部 サクシノグルカン 1.00部 MYS−45(ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、日光ケミカルズ(株) 製) 1.00部 グリセリン 10.00部 エチレングリコール 10.00部 水 62.30部 モビニール DM 875(スチレンアクリル共重合体のエマルジョン、ヘキス ト合成(株)製) 5.00部 プロクセルGXL 0.20部 ベンゾトリアゾール 0.50部 上記各成分を実施例1と同様になして粘度23000m
Pa・sの赤色地に青色系の輝きが散りばめられた筆跡
外観を有するボールペン用水性インキを得た。
【0021】 実施例5 エルジー Green #325 4.00部 Sandye Super Yellow J610(黄色顔料分散体、山陽色 素(株)製) 2.50部 キサンタンガム(平均分子量:約2×106、三晶(株)製)0.90部 MYS−25(ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、日光ケミカルズ(株) 製) 3.00部 エチレングリコール 10.00部 グリセリン 8.00部 ジョンクリル1535 5.00部 TSA739 0.20部 水 66.20部 プロクセルGXL 0.20部 上記成分中、キサンタンガムと水とをホモミキサーにて
10分間撹拌して得たキサンタンガム水溶液中に、残り
の上記各成分を加え、更に30分間混合撹拌して粘度2
2000mPa・sの黄色地に緑色系の輝きが散りばめ
られた筆跡外観を有するボールペン用水性インキを得
た。
【0022】 実施例6 エルジー Red Gold #325 5.00部 NKW−2107(ピンク色蛍光顔料分散体、日本蛍光(株)製) 12.00部 グァーガム(平均分子量:約3×105、三晶(株)製) 1.10部 MYS−40(ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、日光ケミカルズ(株) 製) 2.40部 エチレングリコール 7.00部 グリセリン 10.00部 ジョンクリル1535 7.00部 TSA739 0.10部 水 55.20部 プロクセルGXL 0.20部 上記成分中、グァーガムと水とをホモミキサーにて10
分間撹拌して得たグァーガム水溶液中に、残りの上記各
成分を加え、更に30分間混合撹拌して粘度18000
mPa・sの蛍光ピンク色の地に赤金色系の輝きが散り
ばめられた筆跡外観を有するボールペン用水性インキを
得た。
【0023】比較例1 実施例1において、TO−10をTO−106(HLB
10.0のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル)に変更した以外は、実施例1と同様になして粘度5
400mPa・sの黒色のボールペン用水性インキを得
た。
【0024】比較例2 実施例2において、TP−10を除いて、その分水を増
やした以外は、実施例2と同様になして粘度22000
mPa・sの青色のボールペン用水性インキを得た。
【0025】比較例3 実施例3において、TS−10をTS−106(HLB
9.6のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル)に変更した以外は、実施例3と同様になして粘度4
200mPa・sの黒色のボールペン用水性インキを得
た。
【0026】比較例4 実施例5において、MYS−25を除いて、その分水を
増やした以外は、実施例5と同様になして粘度2300
0mPa・sの青色のインキ組成物を得た。
【0027】
【発明の効果】以上、実施例1〜6、比較例1〜4で得
たインキ組成物について、下記の試験を行った。結果を
表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】(試験用ボールペンの作成)上記実施例、
比較例で得たインキ組成物をステンレス製のボールペン
チップ(ボール素材:超硬合金、ボール径:1.0m
m)からなるぺんてる(株)製ハイブリッド(製品符号
K230)のリフィルに0.8g程度充填し、遠心機に
て遠心力を加えてインキ中の気泡を脱気して、試験用ボ
ールペンを作成した。
【0030】上記試験用ボールペンの作成直後、下記の
条件で筆記試験を行い、連続してインキが吐出されてい
るかについて、その筆跡を確認した。その後、各試験用
ボールペンをペン先を密閉した状態で50℃恒温室内に
ペン先下向きで1ヶ月放置した後、室温に3時間放置
し、試験前と同様に筆記試験を行いその筆跡を確認し
た。尚、筆記用紙は上質紙(JIS P3201筆記用
紙A)を用いた。
【0031】筆記試験:自転式連続螺旋筆記試験機(M
ODEL TS−4C−20 精機工業研究所製)に
て、筆記速度7cm/秒、筆記角度70゜、筆記荷重1
00gの条件で100m筆記する。筆記終了後、その筆
跡を観察し、筆記線に不連続な部分や薄い部分が所々発
生するようであれば、その長さを測定した。尚、表中の
結果は、その長さの合計とした。
【0032】(インキ単体での保管)作製したインキを
スクリューバイアルS−5(日電化学硝子(株)製)に
10g程度取り、密栓して室温並びに50℃恒温槽に一
定期間放置した後、トキメック製ELD型粘度計STロ
ーター1rpmにてインキの粘度を測定した。測定時の
温度は25℃であった。
【0033】以上、詳細に説明したように、本発明に係
るインキ組成物は、長期間の保管後や比較的高温の雰囲
気中に置かれた場合にも、金属顔料の沈降が抑制され、
それによるペン先でのインキ詰まりによって途切れやカ
スレ、更には筆記不能になることが極力抑制されるもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J039 AB01 AE07 BA06 BA32 BC12 BC20 BE01 CA06 EA41 EA44 GA27

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも顔料と、多糖類と、HLB1
    3.0〜18.0のポリオキシエチレンソルビタン脂肪
    酸エステル及び/又はポリエチレングリコール脂肪酸エ
    ステルを含有するボールペン用水性インキ。
  2. 【請求項2】 前記多糖類の平均分子量が5×106
    上5×109以下である請求項1記載のボールペン用水
    性インキ。
  3. 【請求項3】 前記顔料が、少なくとも一部又は全部が
    アルミニウムである請求項1記載または請求項2に記載
    のボールペン用水性インキ。
  4. 【請求項4】 前記金属顔料が、着色樹脂層で被覆され
    ている請求項3に記載のボールペン用水性インキ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003268287A (ja) * 2002-03-18 2003-09-25 Mikuni Color Ltd 筆記具用インキ組成物及び筆記具用顔料分散液
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JP2011521093A (ja) * 2008-05-28 2011-07-21 エッカルト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 添加剤を伴う金属効果顔料

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