JP2009249475A - 水性光輝性インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
光輝性顔料として、金属酸化物被覆粒子で構成されるパール顔料を単独で、若しくはアルミニウム顔料と混合して用いた水性光輝性インキ組成物において、インキ定着性のために水性樹脂エマルションを含有するにもかかわらず、金属酸化物被覆粒子同士の凝集が防止できることで、経時安定性に優れた水性光輝性インキ組成物を提供する。
【解決手段】
光輝性顔料がパール顔料であり、水溶性有機溶剤が溶解度パラメーターの値(SP値)が32MPa1/2以下であるグリコール類であり、セルロース誘導体を含まない水性光輝性インキ組成物であって、
前記水溶性有機溶剤は、前記光輝性顔料に対し50〜500重量%、かつインキ組成物全量に対して15〜40重量%含まれる。
【選択図】なし

Description

本発明は、いわゆるパール顔料によって光輝性を発揮する水性インキ組成物、特に筆記用具用インキ、印刷用インキ、塗料関連分野において有用な水性光輝性インキ組成物に関する。
従来、金色、銀色等の金属光沢色の筆跡を得るために、アルミニウム粒子から構成されるアルミニウム顔料を用いた水性インキ組成物が提供されていた。ただし、アルミニウムは金属であるため、そのまま水性インキ組成物の成分として使用すると、水と反応して水素ガスを発生してしまうので、該水性インキ組成物を筆記具に用いた場合に、経時安定性に乏しくなるという問題があった。そこで、前記アルミニウム粒子の表面に、燐酸エステルやステアリン酸、或いはオレイン酸などにより耐水処理を行ったアルミニウム顔料が開発された。かかる耐水処理されたアルミニウム顔料は、ペースト状にした上で、水性インキ組成物中に分散させて使用されることが多い(例えば、特許文献1)。
特開昭63−72771号公報
しかし、アルミニウム顔料は、前記耐水処理にも拘わらず、水性インキ組成物中の水素ガス発生の完全な抑制という観点からは、未だ十分な解決をみたとは言いがたく、例えば分散の工程で、重なっていたアルミニウム粒子が剥がれたり、またアルミニウム粒子自身が破砕されたりすることで、上記耐水処理されていないアルミニウム面と水とが接触し、水素ガスが発生してしまう問題が残されていた。
そこで、水と反応して水素ガスを発生することのない、金属光沢のための顔料として、雲母(マイカ)のような薄片状の鉱物系無機粒子や、薄片状の金属などを芯材とし、該芯材の表面を二酸化チタンや酸化鉄などの金属酸化物で薄く被膜した粒子により構成されるパール顔料が開発された。ただし、パール顔料を用いた水性インキ組成物は、アルミニウム顔料に比べ、紙面に対するインキ定着性が弱いので、水性樹脂エマルションなどの定着剤を加えることが必要になる(例えば、特許文献2)。
特開平5−117569号公報
しかしながら、アルミニウム顔料のアルミニウム粒子の表面が疎水性であるのとは異なり、パール顔料は、パール顔料の構成粒子の表面が親水性である。このため、水性樹脂エマルションの製造時に、樹脂をエマルション状態とするのに寄与しなかった余剰な乳化剤や、一旦はミセル状のエマルションを構成していたが、その後エマルションコアから脱離した乳化剤が、その親水基を内側、疎水基を外側にして、前記パール顔料を構成する粒子に吸着する場合がある。そうすると、乳化剤が吸着したパール顔料は、水性インキのなかにあって、疎水性のもの同士が集まり、結果的にパール顔料の凝集、沈降を引き起こし、該水性インキ組成物を用いた筆記具の経時安定性も悪化させてしまう。
かかるパール顔料の凝集、沈降を防ぐためには、我々は、インキ組成物中に、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)などのセルロース誘導体を用いることが効果的であることを見出している。しかしながら、セルロース誘導体を、特に多量に用いると、パール顔料の奏する光輝感が、若干ではあるが失われる。
上記現状を鑑みて、本発明では、インキ組成物中にセルロース誘導体を配合する以外の手段で、パール顔料を含む水性光輝性インキ組成物において、インキ定着性のために水性樹脂エマルションを含有するにもかかわらず、経時安定性に優れた水性光輝性インキ組成物を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の水性光輝性インキ組成物では、パール顔料を必須とする光輝性顔料、水性樹脂エマルション及び水溶性有機溶剤を含み、セルロース誘導体を含まない水性光輝性インキ組成物であって、
前記水溶性有機溶剤が、溶解度パラメーターの値(SP値)が32MPa1/2以下である1種または2種以上のグリコール類であり、
前記水溶性有機溶剤は、前記光輝性顔料に対して50〜500重量%、かつインキ組成物全量に対して15〜40重量%含まれることを最も主要な特徴とする。
本発明では、インキ組成物において、グリコール類が湿潤効果を付与して、ペン先での乾燥防止(キャップオフ性の向上)する効果を発揮するだけでなく、該グリコール類のSP値が32MPa1/2以下のものを使用することにより、インキ組成物全体のSP値を低下させることができ、その結果、水性樹脂エマルションを安定化させている乳化剤のエマルションコアからの遊離を抑制することで、金属酸化物被覆粒子同士の凝集を防ぎ、光輝性顔料として金属酸化物被覆顔料を用いた水性光輝性インキ組成物であっても、該インキの経時安定性を改善することができる。加えて、前記グリコール類の配合割合をインキ組成物全量に対してだけでなく、光輝性顔料に対しても厳密に規定することにより、インキのにじみなどの基本的特性やパール顔料の奏する光輝感を維持したまま、前記凝集防止効果を発揮させることができる。
本発明に用いる光輝性顔料は、パール顔料を必須として含有する。上述の通り、パール顔料として現在一般的に知られているものは、薄片状の芯材の表面を金属酸化物で被覆した金属酸化物被覆粒子の集合体から構成されるものである。通常使用される芯材は、雲母(マイカ)や金属片などが一般的であるが、この他にも例えばガラスフレークなどを用いることができる。
前記芯材粒子を被覆する金属酸化物としては、特に制限されないが、一般的に用いられている金属酸化物として、酸化鉄や二酸化チタンなどを例示することができる。また芯材は、二種類以上の金属酸化物にて表面被覆することもできる。使用可能な光輝性顔料の平均粒子径としては特に限定されないが、好適には3〜150μm程度である。
具体的にパール顔料として入手可能な各社のパール顔料のシリーズとしては、Merck社のIriodin,Xirallic,Color Stream,Bi-flair、BASF社のPaliocrom,Variocrom、Wacker社のHeliconeなどを挙げることができる。いずれも表面処理を施したいわゆる耐侯性グレードであってもよい。なかでも本発明においては、Merck社の商品名「イリオジン323」,「イリオジン302」,「イリオジン500」,「イリオジン120」,「イリオジン123」を好適に用いることができる。
また、前記パール顔料が必須に含まれることを条件として、光輝性顔料にアルミニウム顔料など他の光輝性顔料を配合することもできる。パール顔料は、透明性が高いので、パール顔料のみを光輝性顔料とした水性光輝性インキ組成物を用いた筆記具では、黒紙上における筆記において発色性に劣るという問題がある。一方、パール顔料の他に、アルミニウム顔料を加えて光輝性顔料とした水性光輝性インキ組成物を用いた筆記具では、黒紙上における筆記において発色性に優れる。ただし、アルミニウム顔料の添加は、上述の通り、水性光輝性インキ組成物の中において水素発生の問題を生じやすいので、その添加量は極力抑えることが好ましい。具体的には本発明の水性光輝性インキ組成物においてアルミニウム顔料を含有させる場合には、パール顔料の重量に対し、20重量%以下とすることが好ましい。なお、本発明の光輝性インキ組成物中にアルミニウム顔料を更に配合させるためには、従来知られている技術と同様に、予め耐水処理されたアルミニウムペーストを用いることもできる。
パール顔料やアルミニウム顔料などを含めた光輝性顔料全体の好適な含有量としては、インキ組成物全量に対して1.0〜30.0重量%であり、更に好ましくは、インキ組成物全量に対して1.0〜20.0重量%である。光輝性顔料が1.0重量%未満であると、十分な光輝性を発揮することができない。
(水性樹脂エマルション)
本発明で用いる水性樹脂エマルションは、水性光輝性インキ組成物において、前記パール顔料の定着性を改善させるものである。水性インキ組成物において、顔料の定着性を改善させるための成分としては、他にも水溶性合成樹脂なども存在するが、水性樹脂エマルションを用いると、増粘剤や着色剤が配合される様態において、増粘剤の溶解性、着色剤の分散性及びインキの粘弾性などの特性に悪影響を与えることが少ない。従って、定着性向上に水性樹脂エマルションを用いた水性インキ組成物は、インキの粘性、筆記適性、及び筆跡の色に影響を与えることなく、前記光輝性顔料の定着性を向上することができる。
水性樹脂エマルションとしては、例えば、アクリル系水性樹脂エマルション、スチレン−アクリル系水性樹脂エマルション、酢酸ビニル系水性樹脂エマルションを用いることができる。また、アクリル系水性樹脂エマルションとしては、アクリル酸アルキルエステル共重合体水性樹脂エマルションが好適である。スチレン−アクリル系水性樹脂エマルションとしては、スチレン−アクリル酸エステル共重合体水性樹脂エマルションが好適である。また、酢酸ビニル系水性樹脂エマルションには、酢酸ビニル樹脂水性樹脂エマルション、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体水性樹脂エマルションが好適に用いられる。合成樹脂エマルションはこれらの合成樹脂の1種又は2種以上を混合して用いることができる。
具体的には、アクリル系合成樹脂エマルションとしては、例えば、商品名「ニカゾールFX336」(日本カーバイド工業株式会社製、最低造膜温度<0℃、pH7.5、200mPa・s)、商品名「ニカゾールA−02HN」(日本カーバイド工業株式会社製、最低造膜温度<0℃、pH7.0、500mPa・s)、商品名「ニカゾールFH−011A」(日本カーバイド工業株式会社製、最低造膜温度<0℃、pH7.0、150mPa・s)、また、酢酸ビニル系合成樹脂エマルションとしては、例えば、商品名「モビニール231」(クラリアントポリマー株式会社製、最低造膜温度<0℃、pH4.0、粘度500〜1500mPa・s)などが挙げられる。なお、この粘度測定は25℃におけるB型粘度計で測定した数値である。
なかでも、アクリル酸アルキルエステル共重合体水性樹脂エマルション、商品名「ニカゾールA−02HN」(日本カーバイド工業株式会社製)は、光輝性顔料の光輝感を妨げることなく使用できるので、水性光輝性インキ組成物に配合する水性樹脂エマルションとして好適である。
水性樹脂エマルションの好適な含有量としては、インキ組成物全量に対して固形分で0.1〜30重量%であり、前記パール顔料に対し固形分で5〜500重量%である。更に好ましくは、インキ組成物全量に対して固形分で1.0〜20重量%で、前記パール顔料に対し固形分で20〜200重量%である。
合成樹脂エマルションの含有量がインキ組成物全量に対して固形分で0.1重量%未満であると、基材に対するパール顔料の定着性が低下する。一方、基材に対する定着性確保のためには、インキ組成物全量に対して固形分で30重量%を超えて、またはパール顔料に対して固形分で500重量%超えて配合する必要がないだけでなく、ペン先で塗膜化しやすくなり、筆記適性が低下する。
(水溶性有機溶剤)
本発明の水性光輝性インキ組成物に用いる水溶性有機溶剤は、溶解度パラメーターの値(SP値)が32MPa1/2以下であるグリコール類である。グリコール類は、一般的にインキに湿潤効果を付与して、ペン先での乾燥防止(キャップオフ性の向上)するために配合される。更に本発明では、かかるグリコール類のなかでも、SP値が32MPa1/2以下のグリコール類を配合することで、前記水性樹脂エマルションのエマルションコアからの乳化剤の流離を抑制することができる。
なお、溶解度パラメータ(SP値)は物質の極性を示す指標であり、溶剤と樹脂の親和性の指標となるものである。一般的に両者のSP値が近いほど、樹脂の溶剤への溶解性は良好になり、またSP値が小さい系ほど、親油性が大きい系であることが知られている。すなわち、系全体のSP値を下げることで、前記水性樹脂エマルションに含まれる乳化剤は、その近傍に親水性の高い金属酸化物被覆粒子が存在した場合でも、エマルションコアから遊離しにくくなる。
SP値(σ)の計算方法はσ=(ΣEcoh/V)1/2である。ここで、Ecohとは置換基の固有の値であり、Vはモル分子容積である。この値は、POLYMER HANDBOOK(WILEY-INTERSCIENCE 4th EDITION 1999 A John Wiley & Sons Inc.,Publication )に準拠している。
POLYMER HANDBOOK記載値及び記載値より算出される各種グリコール類のSP値を表1に示した。この表から、本発明では、グリセリン、エチレングリコールは前記条件を満たさず、一方、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールは上記条件を満たす化合物であることが分かる。ただしポリエチレングリコールは、取り扱いの観点から、平均分子量が400程度以下の比較的重合度合いが比較的小さい、常温で液体状のポリエチレングリコールを用いることが好ましい。これら条件を満たす水溶性有機溶剤は、1種類で用いることもできるし、これら条件を満たす水溶性有機溶剤同士で、2種以上を混合して用いることもできる。
Figure 2009249475
前記水溶性有機溶剤の適正な配合量は、前記水性樹脂エマルションの配合量や使用する水溶性有機溶剤のSP値にも多少左右されうるが、前記光輝性顔料に対しては、50〜500重量%の範囲で配合される。更には、前記光輝性顔料に対し、100〜300重量%の範囲で配合されることがより好ましい。またインキ組成物全量に対しては、15〜40重量%の範囲、好ましくは20〜30重量%の範囲で含まれる。前記水溶性有機溶剤の配合量が前記光輝性顔料に対し、50重量%未満であるか若しくはインキ組成物全量に対し15重量%未満であると、本発明の凝集抑制効果が発揮しがたくなる。一方、水溶性有機溶剤がインキ組成物全量中40重量%を超えると、筆跡が乾燥し難くなる。
(増粘剤)
本発明の水性光輝性インキ組成物には、更に増粘剤を加えることができる。増粘剤としては、インキに擬塑性流動特性(チキソトロピー性)をインキに与える化合物を用いることが好ましい。具体的には、ラムザンガムなどの微生物産系多糖類及びその誘導体、トラガンシガムなどの水溶性植物系多糖類およびその誘導体、ゼラチンなどの水溶性動物系多糖類、N−ビニルアセトアミド樹脂などの増粘樹脂を挙げることができる。
なかでも本発明の水性光輝性インキ組成物をゲルインキ用のインキとして用いる際には、特に微生物産系多糖類及びその誘導体、具体的にはラムザンガム、ウェランガム、キサンタンガム(ケルザン)、レオザン、ダイユータンガムなどが好適に用いられる。また、前記増粘剤は1種又は2種以上を混合して用いることができる。
これらの増粘剤は、インキ組成物全量中0.1〜0.5重量%含まれていることが好ましい。増粘剤がインキ組成物全量中0.5重量%を超えると、インキとしては粘度が上がりすぎ、流動性が低下する。増粘剤として、ラムザンガム、ウェランガム、キサンタンガム(ケルザン)、レオザン、ダイユータンガムなどの微生物産系多糖類及びその誘導体を用いた場合の最適配合量は、0.2〜0.4重量%である。
(界面活性剤)
本発明の水性光輝性インキ組成物では、溶解度パラメーターの値(SP値)が32MPa1/2以下であるグリコール類を配合することで、インキ組成物全体のSP値を低下させ、これにより水性樹脂エマルションを安定化させている乳化剤のエマルションコアからの遊離を抑制するものである。
しかしながら、水性樹脂エマルションに吸着する乳化剤以外に、更に界面活性剤を添加すると、添加した界面活性剤もまた上記凝集効果を惹き起こしてしまうため、本発明でインキ組成物全体のSP値を低下させる意義が乏しくなってしまう。したがって、本発明の水性光輝性インキ組成物では、できるだけ追加の界面活性剤は添加されないことが好ましい。
ただし、本発明で使用する光輝性顔料をパール顔料とアルミニウム顔料の混合物で構成する場合、アルミニウム顔料を分散させるため、どうしても界面活性剤の添加が必要になるが、この場合に添加する界面活性剤の量もできるだけ抑えるべきである。本発明の水性光輝性インキ組成物において、光輝性顔料をパール顔料とアルミニウム顔料の混合物とする場合、許容される界面活性剤の添加量は、インキ組成物全量中1.0重量%以下に抑えることが好ましい。
(着色剤)
光輝性顔料は、インキに光輝感を与えるが、明瞭な色彩を付与するものではないので、光輝感のある有色インキを得るためには、前記光輝性顔料と反応せず、また光輝性顔料の奏する光輝感に影響を与えない限りで、更に着色剤を加えることもできる。具体的な着色剤としては、酸性染料、直接染料、塩基性染料などの水溶性染料のほか、カーボンブラックなどの無機顔料、銅フタロシアニン系顔料、スレン系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アンスラキノン系顔料、ジオキサン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、インドレノン系顔料、アゾメチン系顔料などの有機顔料のほか、蛍光顔料、着色樹脂エマルションなどが挙げられる。また、これらを顔料分散体として用いることもできる。また、本発明で着色剤は1種又は2種以上を混合して使用することができる。
また、隠蔽性のある酸化チタン、アルキレンビスメラミン誘導体、球状・偏平状等の各種形状のプラスチックピグメント(合成樹脂粒子顔料)など、各種の無機又は有機白色顔料などの隠蔽性顔料と混合して用いることもできる。また、アルミニウム顔料を金属被覆顔料(芯材表面が金属被覆された粒子の集合による顔料)とともに用いることもできる。
前記光輝性顔料以外の着色剤は、加えすぎると前記光輝性顔料の光輝感を低減することになるので、前記パール顔料、アルミニウム顔料を含む前記光輝性顔料全体に対して、30重量%以下の範囲で使用することが好ましい。
(その他の添加物)
なお、本発明においてはその他必要に応じて、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾールジシクロヘキシルアンモニウムナイトレート等の防錆剤、ベンゾイソチアゾリン系、ペンタクロロフェノール系、クレゾール等の防腐防黴剤などを添加することができる。
インキ組成物において、防錆剤や防腐防黴剤としては、具体的には、商品名「プロクセルXL−2」「コートサイドH」「サンアイバックSA」などが一般的に用いられている。
(インキの作製方法)
従来公知の分散方法、脱泡方法、濾過などでインキを作製することができるが、投入方法としては、下記の方法が好ましい。すなわち、水、光輝性顔料、SP値が32MPa1/2以下であるグリコール類、着色剤(任意成分)を室温にてディゾルバー等により攪拌分散させた後、増粘剤(任意成分)を投入し、更に攪拌する。その後、水性樹脂エマルション、防黴剤(任意成分)を攪拌しながら加え、また必要に応じてpH調整し、これを加圧濾過等により濾過した後、脱泡して、光輝性水性インキ組成物を得る。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表2に示す組成及び配合量(重量%)で、上記製造方法により、水、光輝性顔料、SP値が32MPa1/2以下であるグリコール類、着色剤(実施例5)を室温にてディゾルバー等により攪拌分散させた後、増粘剤を投入し、更に攪拌する。その後、水性樹脂エマルション、防黴剤を攪拌しながら加え、これを加圧濾過等により濾過した後、脱泡して、実施例の光輝性水性インキ組成物を得た(実施例1〜5)。比較のため、SP値が32MPa1/2以下であるグリコール類の配合量が前記光輝性顔料に対し、50重量%未満である光輝性水性インキ組成物(比較例1)、SP値が32MPa1/2以下であるグリコール類に替えて、SP値が32MPa1/2を越えるグリコール類を配合した光輝性水性インキ組成物(比較例2〜4)、SP値が32MPa1/2以下であるグリコール類の配合量が、インキ組成物全量に対し、15重量%未満である光輝性水性インキ組成物(比較例5)も併せて得た。
Figure 2009249475
表2中、各原料の具体的な組成及び商品名は下記の通りである。
パール顔料(1) 「イリオジン323」(Merck社製)
パール顔料(2) 「イリオジン302」(Merck社製)
パール顔料(3) 「イリオジン500」(Merck社製)
パール顔料(4) 「イリオジン120」(Merck社製)
パール顔料(5) 「イリオジン123」(Merck社製)
アルミニウム顔料(1) 「アルペーストWXM0620」(東洋アルミニウム社製)
水溶性有機溶剤PEG#200 ポリエチレングリコール、平均分子量200
水溶性有機溶剤PEG#300 ポリエチレングリコール、平均分子量300
着色剤(1) 「GBNカラーレッド」(顔料10%)(大日精化社製)
水性樹脂エマルション(1) アクリル酸アルキルエステル共重合体の水性樹脂エマルション「ニカゾールA−02HN」(日本カーバイド工業株式会社製、固形分46.0重量%)
防腐防黴剤(1) 「プロクセルXL−2」(アーチケミカルズ社製)
防腐防黴剤(2) 「コートサイドH」(タケダ薬品工業社製)
なお、パール顔料「イリオジン」シリーズは、透明かつ薄片状の雲母を芯材とし、その表面を二酸化チタン及び/または酸化鉄で被覆した粒子の集合体である。
また、「ニカゾールA−02HN」は、アクリルアルキルエステル・アルキロールアクリルアミド・イタコン酸共重合体水性エマルションである。
(評価)
得られた実施例1〜5、比較例1〜3の光輝性水性インキ組成物をポリ瓶に充填したものと、ペンのインキ収容部に充填したものをそれぞれ用意し、50℃で1ヶ月保存した。充填された保存後の各光輝性水性インキ組成物について、その外観を肉眼観察し、○×により凝集抑制効果の評価を行った。
○:変化なし
×:凝集によりインキが変色して見える
これらの評価も前記表2に併せて示した。
本発明の水性光輝性インキ組成物は、セルロース誘導体を含まなくても、パール顔料特有の特徴を発揮できる、経時安定性に優れた水性光輝性インキ組成物であるから、筆記用具インキ、印刷用インキ、塗料関連分野において産業上利用できるものであるが、特に水性筆記用具のインキとして高い産業上の利用価値を有するものである。

Claims (6)

  1. 光輝性顔料、水性樹脂エマルション及び水溶性有機溶剤を含み、セルロース誘導体を含まない水性光輝性インキ組成物であって、
    前記光輝性顔料として、金属酸化物被覆粒子で構成されるパール顔料を含み、
    前記水溶性有機溶剤が、溶解度パラメーターの値(SP値)が32MPa1/2以下である1種または2種以上のグリコール類であり、
    前記水溶性有機溶剤は、前記光輝性顔料に対して50〜500重量%、かつインキ組成物全量に対して15〜40重量%含まれる
    水性光輝性インキ組成物。
  2. 前記水溶性有機溶剤が、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及び常温で液状のポリエチレングリコールの群から選ばれる1または2以上の化合物である請求項1記載の水性光輝性インキ組成物。
  3. 前記水性樹脂エマルションが、アクリル酸アルキルエステル共重合体水性樹脂エマルションである請求項1記載の水性光輝性インキ組成物。
  4. 前記水性光輝性インキ組成物に、界面活性剤が配合されていない請求項1記載の水性光輝性インキ組成物。
  5. 光輝性顔料、水性樹脂エマルション、水溶性有機溶剤、増粘剤、防黴剤及び水からなる水性光輝性インキ組成物であって、
    前記光輝性顔料が、金属酸化物被覆粒子で構成されるパール顔料であり、
    前記水性樹脂エマルションが、アクリル酸アルキルエステル共重合体水性樹脂エマルションであり、
    前記水溶性有機溶剤が、溶解度パラメーターの値(SP値)が32MPa1/2以下である1種又は2種以上のグリコール類であり、
    前記水溶性有機溶剤は、前記光輝性顔料に対し、50〜500重量%含まれ、
    前記増粘剤が、ラムザンガム、ウェランガム、キサンタンガム、レオザン及びダイユータンガムからなる群から選ばれる1または2以上の化合物である
    水性光輝性インキ組成物。
  6. 前記光輝性顔料が、インキ全量中、1.0〜20.0重量%含まれ、
    前記水性樹脂エマルションが、前記光輝性顔料に対して固形分で20〜200重量%含まれ、
    前記増粘剤が、インキ全量中0.1〜0.5%含まれる
    請求項5記載の水性光輝性インキ組成物。

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