JP2003252943A - 熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物

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JP2003252943A
JP2003252943A JP2002051784A JP2002051784A JP2003252943A JP 2003252943 A JP2003252943 A JP 2003252943A JP 2002051784 A JP2002051784 A JP 2002051784A JP 2002051784 A JP2002051784 A JP 2002051784A JP 2003252943 A JP2003252943 A JP 2003252943A
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thermosetting resin
resin
phenol
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thermosetting
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Hideo Nagase
英雄 長瀬
Teruki Aizawa
輝樹 相沢
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械特性の低下等、諸特性を低下させずに成
形性、硬化性を向上させたジヒドロベンゾオキサジン環
を有する熱硬化性樹脂の組成物及びその硬化物を提供す
る。 【解決手段】 一官能のフェノール類、1級アミン及び
アルデヒド類から合成される一官能のジヒドロベンゾオ
キサジン環を有する熱硬化性樹脂を加熱により重合して
得られる軟化点が80〜130℃の熱硬化性樹脂(A)
を必須成分として含有する熱硬化性樹脂組成物及びその
硬化物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、難燃性等
に優れる高機能成形材料、塗料、コーティング材、接着
剤、封止材、印刷配線板用プリプレグ、金属張積層板、
FRP及び炭素製品等の原料として用いられる熱硬化性
樹脂組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキ
シ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂
等の熱硬化性樹脂は、その熱硬化性という性質に基づく
耐熱性、信頼性により、多くの産業分野で用いられてい
る。しかし、フェノール樹脂やメラミン樹脂は、硬化時
に揮発性副生成物を発生し、エポキシ樹脂や不飽和ポリ
エステル樹脂は耐熱性に劣り、ビスマレイミド樹脂は非
常に高価である等、それぞれ固有の問題点が存在し、現
実には用途に応じて、問題点については適宜妥協する必
要があった。そこで、これらの問題点を有しない新規な
熱硬化性樹脂の開発が従来より進められてきた。
【0003】その一つとして、ジヒドロベンゾオキサジ
ン化合物がある(特開昭49−47387号公報、米国
特許第5152939号明細書)。この化合物の硬化
は、ジヒドロベンゾオキサジン環の開環重合反応を利用
するものであるため、揮発分の発生を殆ど伴わずに熱硬
化する。また、これらの樹脂の硬化性、反応性の研究と
しては、J.Am.Chem.Soc.3424(19
65)のBurkeらの報告、Polym.Sci.T
echnol.27(1985)のRiessらの文献
がある。また、特開平7−188364号公報には、分
子中のフェノール性ヒドロキシル基をジヒドロベンゾオ
キサジン化する際に、フェノール性ヒドロキシル基を特
定の割合で環化せずに残すことにより、硬化性を改善し
たジヒドロベンゾオキサジン化合物が記載されている。
また、特開平9−272786号公報には機械特性を低
下させずに硬化性を向上させたジヒドロベンゾオキサジ
ン化合物とノボラック型フェノール樹脂を含有する熱硬
化性樹脂組成物が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開昭49−4738
7号公報に記載されている開環重合反応を利用したジヒ
ドロベンゾオキサジン化合物の硬化物は、従来知られて
いる熱硬化性樹脂と比較して耐熱性が良好であり、しか
も高強度である。しかし、開環重合反応による硬化は、
通常のフェノール樹脂の硬化反応による硬化と比べて長
時間を要するという欠点があり、生産性の点で産業上の
用途が限定されるという問題点も知られているが、特開
平9−272786号公報では、ノボラック型フェノー
ル樹脂の併用によりジヒドロベンゾオキサジン化合物の
硬化性の改良が試みられている。また、特開平7−18
8364号公報に記載されているように、ジヒドロベン
ゾオキサジン化する際に分子中にフェノール性ヒドロキ
シル基をある一定割合で残した場合、得られるベンゾオ
キサジン化合物の硬化性が改善できることが確認されて
いるが、この化合物の合成時の加熱により開環反応が進
行してしまうため、安定した合成を行うことが難しいと
いう問題がある。また、Riessらは、一官能性フェ
ノール化合物を用いた際の硬化性を検討しているが、硬
化しないことが報告されている。本発明は、かかる状況
に鑑みなされたもので、機械特性の低下等、諸特性を低
下させずに成形性、硬化性を向上させたジヒドロベンゾ
オキサジン環を有する熱硬化性樹脂の組成物及びその硬
化物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、一官能のジ
ヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂を加熱
により重合させて得られる軟化点が80〜130℃の熱
硬化性樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物又は一官能の
ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂を加
熱により重合させて得られる軟化点が80〜130℃の
熱硬化性樹脂にフェノール樹脂を硬化剤として配合した
熱硬化性樹脂組成物が揮発分の発生を殆ど伴わずに硬化
し、機械的特性等、諸特性に優れていることを見出し、
これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。特
に従来、一官能性のジヒドロベンゾオキサジン環を有す
る熱硬化性樹脂は、単独では硬化せず、硬化剤を配合し
て得られる硬化物の機械的強度も低かったが、開環重合
を進めることにより、多官能のジヒドロベンゾオキサジ
ン環を有する熱硬化性樹脂と同様に、硬化性及び硬化物
の機械的強度を向上できた。一方、多官能のジヒドロベ
ンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂では達し得なか
った硬化物の高温での低弾性率化が図れ、吸湿後のはん
だ耐熱性等、耐熱信頼性が飛躍的に向上した。
【0006】すなわち、本発明は、次に示す発明に関す
る。 (1)一官能のフェノール類、1級アミン及びアルデヒ
ド類から合成される一官能のジヒドロベンゾオキサジン
環を有する熱硬化性樹脂を加熱により重合して得られる
軟化点が80〜130℃の熱硬化性樹脂(A)を必須成
分として含有する熱硬化性樹脂組成物。 (2)熱硬化性樹脂(A)及び(B)フェノール樹脂を
必須成分とする熱硬化性樹脂組成物。 (3)フェノール樹脂(B)が、フェノールノボラック
樹脂、フェノール・アラルキル樹脂、ビフェニル変性フ
ェノール樹脂、キシレン変性フェノール樹脂、メラミン
変性フェノール樹脂及びグアナミン変性フェノール樹脂
から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂である上記の熱
硬化性樹脂組成物。 (4)ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹
脂(A)が、フェノール又はクレゾール、芳香族アミン
類及びホルムアルデヒド類から合成される熱硬化性樹脂
である上記の熱硬化性樹脂組成物。 (5)芳香族アミン類がアニリンである上記の熱硬化性
樹脂組成物。 (6)上記の熱硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化
物。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる(A)
成分の一官能のジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱
硬化性樹脂は、一官能のフェノール類、1級アミン及び
アルデヒド類から合成される。(A)成分のジヒドロベ
ンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の合成に用いら
れる一官能のフェノール類としては、フェノール性水酸
基を有する化合物であれば特に制限はないが、例えば、
フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−ク
レゾール等が挙げられ、これらの1種を単独で用いても
2種以上を組み合わせてて用いてもよい。(A)成分の
ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の合
成に用いられるアルデヒド類としては、アルデヒド基を
有する化合物又はアルデヒド源であれば特に制限はない
が、例えば、ホルムアルデヒド、ホルマリン、パラホル
ムアルデヒド等のホルムアルデヒド類が挙げられる。パ
ラホルムアルデヒドは、80重量%以上のホルムアルデ
ヒド濃度のもの、特に90重量%以上のホルムアルデヒ
ド濃度のものが好ましい。(A)成分のジヒドロベンゾ
オキサジン環を有する熱硬化性樹脂の合成に用いられる
1級アミン類としては、芳香族アミン類が好ましく用い
られる。芳香族アミン類としては、芳香族炭化水素のア
ミン誘導体が好ましく用いられ、例えば、アニリン、ト
ルイジン、アニシジンがより好ましく用いられる。これ
らは1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用い
てもよい。
【0008】ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬
化性樹脂(A)の合成方法としては、特に制限はない
が、フェノール類と1級アミン類及びアルデヒド類を溶
剤中で反応させる方法等が挙げられる。中でも、フェノ
ール類とアルデヒド類を溶剤中に懸濁させた後、70℃
以下、より好ましくは40〜60℃で1級アミン類を1
5〜30分かけて添加し、その後、反応温度を還流温度
(約80℃)に昇温し、乳化後1〜4時間、より好まし
くは約2時間反応させ、反応終了後、減圧下で溶剤及び
水分を除去し、更に120〜150℃で2〜7時間反応
させ、軟化点が80〜130℃になるように調整する。
樹脂の軟化点が80℃より低い場合、硬化性が遅くな
り、また強度が低くなり、特性向上の効果が得られな
い。樹脂作製の作業性や、封止材作製の作業性の点か
ら、軟化点は85〜125℃がより好ましい。反応に用
いられる溶剤としては、特に制限はないが、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級ア
ルコール及びMEK、MIBK、メチルグリコール等が
挙げられ、中でも、価格及びアルデヒド類との親和性の
観点からメタノールが好ましい。反応割合は好ましくは
フェノール類1当量に対し1級アミン類を1当量、アル
デヒド類を2当量反応させる。(A)成分のジヒドロベ
ンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂は、150℃以
上、好ましくは、170〜220℃に加熱することによ
り、触媒や硬化剤を用いないでも、副生成物を生じるこ
となく硬化させることができる。ジヒドロベンゾオキサ
ジン環を有する熱硬化性樹脂(A)は、1種を単独で用
いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0009】本発明において用いられる(B)成分のフ
ェノール樹脂は、特に制限はないが、例えば、フェノー
ル、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノ
ールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミ
ノフェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトー
ル、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフ
トール類とホルムアルデヒド等のアルデヒド基を有する
化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られる
フェノールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹
脂、フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシ
パラキシレンやビス(メトキシメチル)ビフェニルから
合成されるフェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・
アラルキル樹脂、キシレン変性フェノール樹脂、ナフト
ール変性フェノール樹脂、ナフタレン変性フェノール樹
脂、ビフェニル変性フェノール樹脂、メラミン変性フェ
ノール樹脂、グアナミン変性フェノール樹脂などが挙げ
られ、これらを単独で用いても2種類以上を組み合わせ
て用いてもよい。中でも、低粘度化及び高充填化の観点
からフェノール・アラルキル樹脂、キシレン変性フェノ
ール樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂が好ましく、
難燃性の観点からはメラミン変性フェノール樹脂、グア
ナミン変性フェノール樹脂が好ましい。ジヒドロベンゾ
オキサジン環を有する熱硬化性樹脂(A)とフェノール
樹脂(B)とはミキサー等で微粉砕した後、粉体混合し
てもよいが、加熱ロール等で溶融混合する方法、溶剤中
で溶解混合しても良い。フェノール樹脂(B)はジヒド
ロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂(A)10
0重量部に対して5〜100重量部配合することが好ま
しい。また、上記熱硬化性樹脂組成物には必要に応じ
て、充填材、強化繊維、離型剤、着色剤、接着剤、硬化
促進剤等を添加することもできる。硬化促進剤として
は、リン系の硬化促進剤、例えばトリフェニルホスフィ
ンと1,4−ベンゾキノンとの付加物が好ましく用いら
れる。硬化促進剤の配合割合はジヒドロベンゾオキサジ
ン環を有する熱硬化性樹脂(A)100重量部に対して
0.5〜10重量部配合することが好ましい。本発明の
熱硬化性樹脂組成物中に、ジヒドロベンゾオキサジン環
を有する熱硬化性樹脂(A)は47〜95重量%含有さ
せることが好ましい。
【0010】本発明の熱硬化性樹脂組成物を加熱ロール
等により混練し、然る後に180〜220℃、成形圧2
〜7MPaで5〜30分間圧縮成形又は移送成形するこ
とにより硬化し、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する
熱硬化性樹脂単独より硬化性に優れた、更に機械特性や
難燃性が良好な硬化物を得ることができる。また、この
硬化物を更に常圧下で180〜220℃で5〜120分
間アフターキュアさせることにより、より良好な特性を
有する硬化物が得られる。本発明の熱硬化性樹脂組成物
は、その用途に応じ、例えば、金属張積層板、成形材
料、封止材、FRP用樹脂材料等の用途においては、エ
ポキシ樹脂とその硬化剤を添加しても良い。
【0011】添加成分として用いられるエポキシ樹脂と
しては、特に制限はなく、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA、ビ
スフェノールF、ビスフェノールS等の多塩基酸とエピ
クロルヒドリンの反応により得られるグリシジルエステ
ル型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン等のポリ
アミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリ
シジルアミン型エポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸
等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂及
び脂環族エポキシ樹脂、臭素化されたエポキシ樹脂等が
あり、これらを1種単独で、又は2種以上を併用しても
良い。エポキシ樹脂の配合割合は、熱硬化性樹脂(A)
100重量部に対して3〜200重量部とすることが好
ましい。エポキシ樹脂の硬化剤としては、特に制限はな
いが、硬化時に揮発分を発生しないものが好ましく、特
に、ノボラック型フェノール樹脂、ジシアンジアミド、
イミダゾール類、トリフェニルホスフィン等が好適であ
る。なお、エポキシ樹脂の硬化剤としてノボラック型フ
ェノール樹脂を用いる場合には、上記の熱硬化性樹脂組
成物について記載したノボラック型フェノール樹脂の配
合量に加えて、エポキシ樹脂のエポキシ基1モルに対
し、ノボラック型フェノール樹脂のヒドロキシル基が、
通常0.5〜1.5モルである量のノボラック型フェノ
ール樹脂を添加することが好ましい。
【0012】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、耐熱性、
難燃性、成形作業性等に優れる高機能成形材料、塗料、
コーティング材、接着剤、封止材、印刷配線板用プリプ
レグ、金属張積層板、FRP及び炭素製品等の樹脂材料
として好適に用いられる。例えば、本発明の熱硬化性樹
脂組成物をそのまま、又は必要に応じて充填材、強化繊
維、離型剤、着色剤等を添加して、各種成形材料、半導
体素子等の封止用の封止材等として用いることができ
る。また、本発明の熱硬化性樹脂組成物及び必要に応じ
て充填材等を含有するワニスをガラス布等の基材に含浸
させ、加熱乾燥することにより、印刷配線板の製造に用
いられるプリプレグを得ることができる。このプリプレ
グを複数枚重ね、更にその片面又は両面に銅箔等の金属
箔を配置して加熱加圧することにより、金属張積層板と
することができる。このようにして得られるプリプレグ
や金属張積層板を用いて作製される印刷配線板は、耐熱
性、難燃性に優れるものであることから、各種電気・電
子分野において好適に用いられる。
【0013】
【実施例】次に、実施例により本発明を説明するが、本
発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではな
い。以下に使用する樹脂の合成例を示す。得られた樹脂
は、次の試験により評価した。 (1)軟化点 金属環に樹脂を溶融充填し、環の試料上面中央に金属球
をのせ、所定の支持器に固定する。1000mlのビー
カーに支持器を設置し、グリセリンを注入する。温度計
を液球の中心と環の下端が同じ位置になるよう固定し、
加熱を開始する。加熱を初めて3分後、浴液の温度上昇
の割合を5℃/分とする。試料が次第に柔らかくなり、
環台の底面に触れたときの温度を軟化点とする。 (2)溶融粘度 I.C.Iコーンプレート粘度計を用い、150℃の溶
融粘度を測定した。
【0014】合成例1:ジヒドロベンゾオキサジン環を
有する熱硬化性樹脂(I)の合成 フェノール0.94kg(10モル)、92%パラホル
ムアルデヒド0.65kg(20モル)、メタノール9
00mlを用いて、加熱還流しながらパラホルムアルデ
ヒドをフェノールに懸濁した。懸濁液が50℃になった
時点で、アニリン0.93kg(10モル)を分割して
添加し、添加終了後、反応温度を上昇させ、還流反応を
行った。反応液が乳化してから2時間反応を継続し、反
応終了後、減圧下に、溶剤及び副生成した水を留去し、
ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂
(I)を得た。得られた熱硬化性樹脂(I)は液状で溶
融粘度は、0.01Pa・s(0.1P)であった。
【0015】合成例2:ジヒドロベンゾオキサジン環を
有する熱硬化性樹脂(II)の合成 合成例1で得られたジヒドロベンゾオキサジン環を有す
る熱硬化性樹脂(I)を120℃で3時間加熱して重合
させ、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹
脂(II)を得た。得られた熱硬化性樹脂(II)の軟
化点は92℃、溶融粘度は、0.8Pa・s(8P)で
あった。
【0016】合成例3:ジヒドロベンゾオキサジン環を
有する熱硬化性樹脂(III)の合成 ビスフェノールF1.00kg(5モル)、92%パラ
ホルムアルデヒド0.65kg(20モル)、メタノー
ル900mlを用いて、加熱還流しながらパラホルムア
ルデヒドをフェノールに懸濁した。懸濁液が50℃にな
った時点で、アニリン0.93kg(10モル)を分割
して添加し、添加終了後、反応温度を上昇させ、還流反
応を行った。反応液が乳化してから2時間反応を継続
し、反応終了後、減圧下に、溶剤及び副生成した水を留
去し、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹
脂(III)を得た。得られた熱硬化性樹脂(III)
の軟化点は74℃、溶融粘度は、0.08Pa・s
(0.8P)であった。
【0017】合成例4:ノボラック型フェノール樹脂の
合成 フェノール2.4kg、37%ホルマリン水溶液0.1
3kg、パラホルムアルデヒド0.5kg、シュウ酸3
gを5リットルフラスコに仕込み、還流温度で4時間反
応させた後、内部を6666.1Pa以下に減圧して未
反応のフェノール及び水を除去して、ノボラック型フェ
ノール樹脂を得た。得られたノボラック型フェノール樹
脂の軟化点は82℃、溶融粘度は、0.2Pa・s(2
P)であった。
【0018】実施例1〜4、比較例1〜4 ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂とし
て上記合成例1〜3で得られた熱硬化性樹脂、上記合成
例4で得られたノボラック型フェノール樹脂及び硬化促
進剤としてリン系硬化促進剤(トリフェニルホスフィン
と1,4−ベンゾキノンとの付加物:配合量は樹脂量の
2重量部)を表1に示す組成で配合し、実施例1〜4及
び比較例1〜4の樹脂組成物を作製し特性を評価した。
【0019】
【表1】
【0020】作製した実施例、比較例の樹脂組成物及び
その硬化物を、次の各試験により評価した。評価結果を
表2に示す。 (1)ゲル化時間 樹脂組成物0.3gを180℃に加温したゲルタイマー
上で、1回/1秒で攪拌し続け糸引きが無くなるまでの
時間とした。 (2)曲げ試験 180℃、90分、7MPaの条件で成形した試験片を
用いて、(株)島津製作所製テンシロンでJIS−K−
6911に準拠した3点支持型の曲げ試験を行い、曲げ
強度(MPa)、曲げ弾性率(GPa)、破断伸び率
(%)を求めた。測定は80mm×10mm×3mmの
試験片を用いて、215℃にて、ヘッドスピード1.5
mm/分の条件で行った。 (3)ガラス転移温度、線膨張係数 180℃、90分、7MPaの条件で成形した5mm×
3mm×3mmの形状の試験片を用いて、デュポン株式
会社製の熱機械分析装置(TMA−943)により、昇
温速度5℃/minの条件で測定を行った。線膨張曲線
の屈曲点からガラス転移温度(Tg、単価:℃)を求
め、Tg以下の傾きから線膨張係数(E -5/℃)を求め
た。 (4)吸水率 180℃、90分、7MPaの条件で50mm×50m
m×厚さ3mmの樹脂板を作製し、PCT(プレッシャ
ー・クッカー・テスター)(121℃、2気圧)内で2
0時間処理し、加湿前後の重量変化から求めた。 (5)耐リフロークラック性 表1に示す配合組成物にビフェニル型エポキシ樹脂(ジ
ャパンエポキシレジン(株)製 商品名YX−4000
H エポキシ当量:192g/eq 溶融粘度:0.0
1Pa・s(0.1P))100重量部、キシリレン変
性フェノール樹脂(三井化学(株)製 商品名XL−2
25−3L 水酸基当量:171g 溶融粘度:0.1
5Pa・s(1.5P))85重量部を配合し、充填剤
(球状溶融シリカ(マイクロン(株)製 商品名S−C
OX−31 平均粒径25μm):龍森(株)製 商品
名FB−301 平均粒径10μm)を7:2:1で混
合したもの)を全体の89.2重量%になるように混合
し、二軸加熱ロールを用いて90℃で15分間混練後、
これを粉砕し、粉末状の樹脂組成物を作製した。次い
で、175℃、7MPa、90秒の条件でトランスファ
成形し、54ピンQFP(外寸20mm×14mm×2
mm、リードフレーム材質42アロイ、半導体素子寸法
8mm×10mm)の半導体装置を得た。これを175
℃、6時間の条件でアフターキュアし、評価用サンプル
とした。このQFPを85℃、85%RHの条件下で吸
収させて、所定時間(24時間、72時間毎に215℃
で90秒間のリフロー処理(熱処理)を行い、クラック
の有無を観察してクラック発生率(クラック発生QFP
数/測定QFP数)を求めた。
【0021】
【表2】
【0022】一官能のジヒドロベンゾオキサジン環を有
する熱硬化性樹脂(I)を用いた比較例1では、硬化し
ないため測定不能であった。ノボラック型フェノール樹
脂を併用した比較例2でもゲル化時間が長く硬化性が劣
っており、曲げ強さも低かった。2官能のジヒドロベン
ゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂(III)を用い
た比較例3及び4は、曲げ弾性率が高く耐リフロークラ
ック性が劣っていた。これに対して、本発明のジヒドロ
ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂(II)を含
む実施例1〜4は、ゲル化時間が短く、曲げ強さが高く
弾性率が低く、吸水率も低く、成形性、硬化物特性及び
耐リフロークラック性に優れることが示された。
【0023】
【発明の効果】本発明になる熱硬化性樹脂組成物及びそ
の硬化物は、実施例で示したように、成形性が良好でか
つ低吸湿性で、硬化性及びに機械特性に優れた硬化物が
得られるため、その工業的価値は大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J033 CA02 CA03 CA12 CA20 CA25 CA29 CA44 CC07 EA18 EA19 HA04 HB03 HB06 HB08 HB09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一官能のフェノール類、1級アミン及び
    アルデヒド類から合成される一官能のジヒドロベンゾオ
    キサジン環を有する熱硬化性樹脂を加熱により重合して
    得られる軟化点が80〜130℃の熱硬化性樹脂(A)
    を必須成分として含有する熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱硬化性樹脂(A)及び
    フェノール樹脂(B)を必須成分として含有する熱硬化
    性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 フェノール樹脂(B)が、フェノールノ
    ボラック樹脂、フェノール・アラルキル樹脂、ビフェニ
    ル変性フェノール樹脂、キシレン変性フェノール樹脂、
    メラミン変性フェノール樹脂及びグアナミン変性フェノ
    ール樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂である
    請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱
    硬化性樹脂がフェノール又はクレゾール、芳香族アミン
    類及びホルムアルデヒド類から合成される熱硬化性樹脂
    である請求項1〜3何れかに記載の熱硬化性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 芳香族アミン類がアニリンである請求項
    4記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかに記載の熱硬化性
    樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
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