JP2003252678A - ガラス組成物、誘電体およびそれらの製造方法ならびにそれらを用いた配線基板 - Google Patents

ガラス組成物、誘電体およびそれらの製造方法ならびにそれらを用いた配線基板

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JP2003252678A
JP2003252678A JP2002055296A JP2002055296A JP2003252678A JP 2003252678 A JP2003252678 A JP 2003252678A JP 2002055296 A JP2002055296 A JP 2002055296A JP 2002055296 A JP2002055296 A JP 2002055296A JP 2003252678 A JP2003252678 A JP 2003252678A
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sro
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silicate
sio
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Yasuaki Yoshida
泰章 吉田
Yasushi Sumi
泰志 墨
Hidetoshi Mizutani
秀俊 水谷
Manabu Sato
学 佐藤
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C10/00Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition
    • C03C10/0054Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition containing PbO, SnO2, B2O3

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  • Materials Engineering (AREA)
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶化の制御が容易であるとともに、高周波
特性に優れたガラス組成物およびそれを用いた基板、な
らびにその製造方法を提供する。 【解決手段】 ガラス組成物は、SiO、Al
、B、SrOを含み、SiOが17〜4
5wt%、Alが2〜19wt%、B
0.4〜9wt%、SrOが46〜63wt%であり、
Srシリケート結晶を析出させている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波伝送特性に
優れたガラス組成物、誘電体およびそれらの製造方法な
らびにそれらを用いた配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報通信の高速化に伴い、配線基
板は、GHz帯以上の高周波領域で使用される場合があ
る。こうした配線基板は、導体に電気信号の伝送損失の
小さいAgやCuなどの金属を用いることが望ましい。
これらの配線基板に使用される絶縁基板として、Agや
Cuと同時かつ低温における焼成が可能であり、しかも
低誘電率でかつ高周波領域でも誘電損失の低い絶縁材料
が種々検討されている。
【0003】すなわち、絶縁材料として、焼成過程で高
周波特性に優れた結晶を析出する下記の結晶化ガラスが
知られている。 スピネル型結晶の結晶化ガラス(例えば、特開平9
−175853号公報) ディオプサイトの結晶化ガラス(例えば、特開平1
0−120436号公報)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記結晶化ガ
ラスは、結晶化速度が速いために、緻密化する前に不均
一に結晶化する組織になり易く、このため、高周波特性
や機械的特性を考慮した最適焼成条件の範囲が狭く、結
晶化の制御が難しいという問題がある。また、上記結晶
化ガラスは、焼成で基板の反りが発生し易く、焼成条件
を変更してもこれを解消することが困難であった。
【0005】こうした課題を解決する技術として、結晶
化度を制御がし易いSr系結晶化ガラスを用いた技術が
知られている(例えば、特許番号第2641521
号)。しかし、Sr系結晶化ガラスは、高周波特性が十
分に優れたものでなく、高周波用配線基板に用いること
が難しかった。
【0006】本発明は、上記従来の技術の問題を解決す
るものであり、結晶化の制御が容易であるとともに、高
周波特性に優れたガラス組成物、誘電体およびそれらの
製造方法ならびにそれらを用いた配線基板を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題を解決するためになされた本発明は、SiO
Al、B、およびSrOを含むガラス組成
物において、SiOが17〜45wt%、Al
が2〜19wt%、Bが0.4〜9wt%、Sr
Oが46〜63wt%であるガラス材料から、Srシリ
ケート結晶を析出させた結晶化ガラスから形成されたこ
と、を特徴とする。
【0008】結晶化ガラスとは、特殊な組成のガラスを
再加熱処理して、多数の微細な結晶を均一に析出させて
得られたガラスをいい、本発明では、SiO、Al
、B、およびSrOの組成からなるガラス材
料に、Srシリケート結晶を析出したものである。Sr
シリケート結晶とは、SrO・SiO、2SrO・S
iO、3SrO・SiOをいう。Srシリケート結
晶は、上記組成のガラスを、例えば、平均粒度0.1〜
20μmに調製したガラスカレットを、700〜110
0℃、好ましくは、850〜1050℃の温度で1〜5
時間保持した際に析出させた結晶であり、X線回析方法
によるピークで同定できるものである。
【0009】本結晶化ガラスはSiOが17〜45w
t%、Alが2〜19wt%、Bが0.4
〜9wt%、SrOが46〜63wt%のガラス材料を
用いている。これらの範囲であれば、屈伏点が500〜
900℃となり、かつSrシリケート結晶が析出され
る。ここで、屈伏点(変形温度ともいう)は、ガラス材
料を加熱して、転移点以上で軟化した後に、最初に吸熱
する値が大きくなるときの温度をいう。
【0010】ここで、ガラス材料のうち、SiOは、
17〜45wt%である。これは、SiOが17wt
%未満であるとガラス化が困難になり、一方、45wt
%を越えるとSrシリケート結晶の析出量が不十分であ
る。望ましくは、20〜42wt%であり、特に望まし
くは29〜37wt%である。
【0011】Alは、2〜19wt%である。こ
れは、Alが2wt%未満であるとSrシリケー
ト結晶の析出が不安定になり、一方、19wt%を越え
ると、Srシリケート結晶が析出しないからである。望
ましくは、6〜16wt%、特に望ましくは9〜15w
t%である。
【0012】Bは、0.4〜9wt%である。こ
れは、Bが0.4wt%未満であるとガラスの溶
融が困難になり、一方、9wt%を越えると高周波特性
が低下するからである。望ましくは、0.4〜5wt
%、特に望ましくは0.4〜3wt%である。
【0013】SrOは、46〜63wt%である。これ
は、SrOが46wt%未満であるとSrシリケート結
晶の析出量が不十分であり、一方、63wt%を越える
とガラス化が困難となるからである。望ましくは、46
〜61wt%、特に望ましくは、47〜60wt%であ
る。
【0014】本発明にかかるガラス材料によれば、粘性
が大きいので、加熱によるSrシリケート結晶の析出が
徐々に行なわれ、結晶化の制御が容易である。また、S
rシリケート結晶がガラス中に均一に析出させることが
でき、比誘電率および誘電損失について優れた高周波特
性を得ることができる。
【0015】このように、優れた高周波特性を示す理由
は、以下の理由と考えられる。結晶化ガラスから結晶化
するアルカリ土類金属系結晶には、シリケート系、アノ
ーサイト系が知られている。シリケート系結晶には、デ
ィオプサイト、エンスタタイト、フォルステライトが知
られている。また、アノーサイト系結晶には、アノーサ
イト、セルジアンが知られている。シリケート系結晶
は、アノーサイト系結晶よりも、結晶構造の点から良好
な高周波特性を有すると考えられる。また、シリケート
系結晶の中でSrSiOが特異的に低誘電率であるこ
とが芦塚ら(日本セラミック協会1998年年会)によ
って報告されている。こうした特性を活かして、ガラス
材料は、SiOとSrOなどを上述した範囲として、
SrSiOを選択的に析出させることにより、優れた
高周波特性を得ることができた。したがって、本発明
は、従来の技術(特許番号第2641521号)と比べ
て、SrOの量を多くして、Srシリケート結晶を析出
させることにより、優れた高周波特性を得ることができ
る。
【0016】なお、ガラス材料は、上述の成分以外であ
っても、Srシリケート結晶が析出し、かつ高周波特性
を阻害しない量であれば、例えば、MgO、CaO、B
aO、ZnO、NiOが含まれていてもよい。また、本
結晶化ガラスにおいて析出する結晶は、高周波特性など
を阻害しない量であれば、Srシリケート結晶以外の結
晶(例えば、SrAl、AlSiO、Srア
ノーサイト、Baアノーサイト)などが析出してもよ
い。さらに、高周波特性に悪影響を及ぼすアルカリ金属
類、毒性のあるPb、Sbを含まないものがより好まし
い。
【0017】本発明の他の態様のガラス組成物は、Si
、Al、B、およびSrOを含み、S
rシリケート結晶を析出させた結晶化ガラスであり、そ
の屈伏点が500〜900℃である。特に700〜85
0℃であることが望ましい。
【0018】これは、ガラス組成物を成形する場合、有
機樹脂等の成形用バインダを添加するが、このバインダ
を効率的に除去するために、上記屈伏点の範囲であるこ
とが好ましい。つまり、焼結温度を850〜1050℃
に設定する場合に、屈伏点が500℃より低いと、成形
体の緻密化が低温で開始するためにバインダが分解揮発
できなくなり、バインダ成分が残留し、多孔質となり機
械的強度の低下や、高周波特性に影響を及ぼす結果にな
るためである。一方、屈伏点が900℃より高いと、ガ
ラス粉末の量を多くしないと焼結しにくくなり、相対的
に高価なガラスの使用量が増加するため、コスト削減の
妨げとなるからである。また、屈伏点が900℃より高
いと、焼結しにくくなるので、例えば、無機フィラーを
添加するとともに導体を配設した場合に、焼結挙動が遅
れ、導体の焼結挙動との間に大きな差が生まれてしま
い、結果として基板に反りが生じやすいからである。
【0019】また、本発明の他の態様として、Si
、Al、B、およびSrOを含み、S
rシリケート結晶を析出させた結晶化ガラスであり、結
晶化温度が1000〜1100℃であることが望まし
い。ここで、結晶化温度は、示差熱分析(Differential
Thermal Analysis:DTA)により求めた温度であ
る。すなわち、測定室内に試料と基準物質とを入れて、
室温から1100℃まで昇温速度10℃/分で加熱す
る。このときの、試料と基準物質との温度差がピーク状
の値を示した場合に、その温度を結晶化温度とした。こ
の結晶化温度は、試料が結晶化する際に発熱し、その発
熱が最も大きくなる温度である。ガラス組成物におい
て、結晶化温度が1000℃未満であると、850〜1
050℃の温度で焼結した際に、低い温度で結晶化して
しまい、結晶の析出が不安定かつ均一に分散した状態に
ならず、配線基板とすることができないからであり、一
方、1100℃を越えると、Srシリケート結晶が析出
し難く、良好な高周波特性がえられないからである
【0020】また、これらの態様において、屈伏点およ
び結晶化温度を調製したガラス組成物において、SiO
が17〜45wt%、Alが2〜19wt%、
およびBが0.4〜9wt%、SrOが46〜6
3wt%であることにより、好適に実現できる。
【0021】さらに、発明の他の態様として、ガラス材
料を、セラミックス材料からなる無機フィラー(例え
ば、針形状や粒子形状の骨材)に混合して焼成すること
によりSrシリケート結晶を析出させた配線基板であっ
て、上記誘電体を絶縁層に用いて、絶縁層の表面および
/または内部にAg、Au、Pt、Pd、Cu、Ni等
の貴金属および/または卑金属から選ばれる材料からな
る導体を配設することにより配線基板を構成することが
できる。上記ガラス材料から形成された絶縁層は、A
g、Au、Pt、Pd、Cu、Ni等の貴金属および/
または卑金属から選ばれる材料からなる導体と比較的低
い温度で、同時焼成することができるとともに、Agな
どの電気的特性から、伝送損失の小さく、優れた高周波
特性を有する配線基板を作製することができる。なお、
上述したガラス組成物の成分以外に、アルミナ、コーデ
ィエライト、ムライトのセラミック粉末や、着色剤など
の添加物が含まれていてもよい。
【0022】本発明の他の態様は、SiO、Al
、B、およびSrOを含み、Srシリケート結
晶を析出させた結晶化ガラスであり、誘電損失が0.0
02以下に構成することができる。このようなガラス組
成物は、ICパッケージなど各種の電子部品の材料とし
て用いることができる。
【0023】他の発明は、上記ガラス組成物を用いた配
線基板を製造する方法において、ガラス材料から形成さ
れたガラス粉末、および無機フィラーとなるセラミック
ス粉末を準備する工程と、ガラス粉末とセラミックス粉
末とを混合して所定形状に成形して成形体を形成する工
程と、上記成形体を850〜1050℃で焼成すること
により緻密化するとともにSrシリケート結晶を析出す
る工程と、を備えたことを特徴とする。
【0024】本発明にかかるガラス材料から形成された
ガラス粉末と、無機フィラーとを混合して、成形体を作
製した後、成形体を850〜1050℃で焼成すると、
ガラス粉末は、ガラス相を維持しつつ無機フィラーの間
隙を液相状態にて緻密化する。このとき、ガラス粉末の
結晶化温度は、焼成温度よりも低いガラス転移点以上の
温度にて徐々にSrシリケート結晶を析出する。この場
合において、ガラス粉末を組成するガラス材料は、Sr
O成分が多く、その粘性が高く、屈伏点が高いから、物
質移動(拡散)がゆっくりとなり、結晶化度の制御が容
易となる。よって、結晶化温度より低い温度で焼結して
も、焼結時の初期でガラスが緻密化される前に、結晶化
されることもなく、つまり、焼結による結晶析出工程の
際に、時間をかけて緻密化されつつ、Srシリケート結
晶の析出が徐々に行なわれるので、ガラス相内に均一な
Srシリケート結晶を得ることができる。
【0025】ここで、ガラス粉末は、上記ガラス材料を
溶融した後、急冷することによりガラスカレットを作製
し、これを粉砕することにより得ることができる。ガラ
ス粉末の平均粒径は、特に制限はないが、成形性等を考
慮して、0.5〜20μmの範囲が好ましく、さらに1
〜10μmの範囲がより好ましい。無機フィラーは、α
−SiO、Alなどの粒子から形成することが
できる。無機フィラーを粒子とした場合には、その粒子
の平均粒径に特に制限はないが、0.5〜20μmの範
囲が好ましく、さらに1〜10μmの範囲とすることが
好ましい。上記範囲未満では、絶縁基板の形成が困難と
なり、一方、上記範囲を超えると絶縁基板の強度が不足
する傾向にあるからである。焼結温度は、ガラスで緻密
化しつつSrシリケート結晶を析出する温度であること
が必要であり、結晶化温度が1000〜1100℃の場
合には、850〜1050℃であることが望ましく、特
に望ましくは900〜1000℃である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下実施例により本発明を具体的
に説明する。
【0027】A.実施例1 原材料として、ガラス粉末、および粒子形状の骨材(無
機フィラー)としてのα−SiOなどを準備した。ガ
ラス粉末は、SiO、B、Al、SrO
などを原料として、1500〜1600℃で溶かし、過
冷却によりガラスカレットを作製し、これを、所定の粒
径(平均粒径2.5μm)に粉砕することにより作製し
た。このとき、図1に示すように、ガラス粉末は、試料
A〜Iの9種類を作製した。骨材としてのα−SiO
は、平均粒径4.3μmに調製した。続いて、図1の組
成からなる試料A〜Iのガラス粉末75wt%に、α−
SiO粉末25wt%を混合した混合粉末を作製し、
さらに、これらの混合粉末100重量部に対して、4重
量部のバインダ(アクリル樹脂)と溶剤(アセトン)を
加えて、150メッシュに造粒した。造粒粉を1軸成形
した後、150MPaの等方静水圧プレス処理(CI
P)を行い、成形体(φ18mm×高さ10mm)を得
た。この成形体を、焼成のための支持板である多孔質セ
ラミックセッタ上に載置し、950℃、2時間、大気中
で焼成して焼結体を作製した。さらに、焼結体を研磨な
どで所定の大きさに加工することにより(φ15mm×
高さ7.5mm)、試料を作製した。
【0028】各々の試料につき、比誘電率、誘電損失お
よび析出結晶を測定した。測定方法は下記の通りであ
る。 (1) 比誘電率・誘電損失 比誘電率、誘電損失は、JIS規格 R 1627 T
E011モードにて、共振周波数(8〜12GHz)に
て測定した。その結果を図2に示す。 (2) 析出結晶 粉末の試料を作製し、これをX線回析方法によりピーク
値により測定した。X線回析法によれば、図3の○で示
すように、Srシリケート結晶(SrSiO)が析出
していることが分かった。その結果を図2にも示す。
【0029】試料A〜Fは、主な析出結晶がSrシリケ
ート結晶であり、比誘電率が6.0前後と低く、また誘
電損失も0.0015以下と良好な高周波特性を示し
た。特に試料A〜Eは、結晶化温度が1000〜110
0℃であり、950℃の焼結温度で焼結した場合に、緻
密化する前に結晶析出が不均一に行なわれることがな
く、緻密な焼結体が得られた。また、試料Fは、結晶化
温度が985℃と低く、Srアノーサイト結晶が析出せ
ず、より優れた誘電損失を得ることができた。なお、組
成Fは、焼結化温度が低いことから導体に対して焼結挙
動が大きく、また基板に反りを生じやすいが、例えば、
簡単な配線基板に用いた場合に、優れた誘電損失を生か
すことができる。試料GはSrOを試料A〜Fより増加
させたものであり、また試料HはB を含有させな
かったものであるが、これらの試料については、屈伏点
が高く、粘性が高くなりすぎて、ガラス粉末を作製する
ことが困難であった。試料Iは、SrOをMgOに置換
したものであるが、Srシリケート結晶が析出しないの
で、上記実施例のような優れた高周波特性を得ることが
できなかった。
【0030】したがって、実施例にかかる試料A〜Fに
ついて、結晶化温度より低い焼結温度にて焼結すること
により、骨材の間をガラス相により緻密化を行ないつつ
Srシリケート結晶をガラス相中に均一に析出させるこ
とができ、優れた電気的特性を得ることができた。
【0031】B.実施例2 図1の試料と同じ組成のガラス粉末75wt%と、α−
SiO粉末25wt%との混合粉末100重量部に対
して、バインダ(アクリル樹脂)20重量部、可塑剤
(フタル酸ジブチル)10重量部、トルエン・イソプロ
ピールアルコール混合溶液(適量)を加えてスラリー状
の組成物を調製し、ドクターブレード法により厚さ30
0μmの絶縁層となるグリーンシートを作製した。次
に、得られたグリーンシートの表面にCuペーストをス
クリーン印刷し、導体となる未焼成導体配線を形成し
た。さらに、この未焼成導体配線を覆うように、上記と
同じ組成および形状のグリーンシートを積層した。その
後、得られた未焼成積層体を湿潤窒素雰囲気下800℃
で脱脂した後、窒素雰囲気下1000℃で2時間焼成し
て配線基板を作製した。上記実施例により製造された配
線基板は、反りのない、実施例1と同様に高周波特性に
優れた配線基板であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例および比較例にかかるガラス組
成物を説明する説明図である。
【図2】図1の組成物により作製した試料の結果を説明
する説明図である。
【図3】試料のX線回析の結果を説明する説明図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水谷 秀俊 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 佐藤 学 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 Fターム(参考) 4G030 AA09 AA35 AA36 AA37 AA61 BA09 BA12 CA01 GA27 4G062 AA01 AA11 BB01 DA04 DA05 DB03 DB04 DC02 DC03 DD01 DE01 DF01 EA01 EB01 EC01 ED01 EE01 EF05 EF06 EG01 FA01 FA10 FB01 FC01 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM27 NN26 PP02 QQ06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiO、Al、B、およ
    びSrOを含むガラス組成物において、 SiOが17〜45wt%、Alが2〜19w
    t%、Bが0.4〜9wt%、SrOが46〜6
    3wt%であるガラス材料から、Srシリケート結晶を
    析出させた結晶化ガラスから形成されたこと、を特徴と
    するガラス組成物。
  2. 【請求項2】 SiO、Al、B、およ
    びSrOを含むガラス材料から、Srシリケート結晶を
    析出させた結晶化ガラスであり、その屈伏点が500〜
    900℃であるガラス組成物。
  3. 【請求項3】 SiO、Al、B、およ
    びSrOを含むガラス材料から、Srシリケート結晶を
    析出させた結晶化ガラスであり、結晶化温度が1000
    〜1100℃であるガラス組成物。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3のガラス組成物
    において、 SiOが17〜45wt%、Alが2〜19w
    t%、Bが0.4〜9wt%、SrOが46〜6
    3wt%であるガラス組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかのガ
    ラス材料を、セラミックス材料からなる無機フィラーに
    混合して焼成することにより上記Srシリケート結晶を
    析出させた誘電体。
  6. 【請求項6】 請求項5の誘電体を絶縁層に用いた配線
    基板であって、該絶縁層の表面および/または内部に、
    Ag、Au、Pt、Pd、Cu、Ni等の貴金属および
    /または卑金属から選ばれる少なくとも1の材料からな
    る導体を配設した配線基板。
  7. 【請求項7】 SiO、Al、B、およ
    びSrOを含むガラス材料から、Srシリケート結晶を
    析出させた結晶化ガラスであり、誘電損失が0.002
    以下である誘電体。
  8. 【請求項8】 請求項5の誘電体の製造方法であり、 上記ガラス材料から形成されたガラス粉末、および無機
    フィラーとなるセラミックス粉末を準備する工程と、 ガラス粉末とセラミックス粉末とを混合して、所定形状
    に成形して成形体を形成する工程と、 上記成形体を850〜1050℃で焼成することにより
    緻密化するとともにSrシリケート結晶を析出する工程
    と、 を備えたことを特徴とする誘電体の製造方法。
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