JP2003251657A - 多孔体の製造方法 - Google Patents

多孔体の製造方法

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JP2003251657A
JP2003251657A JP2002059057A JP2002059057A JP2003251657A JP 2003251657 A JP2003251657 A JP 2003251657A JP 2002059057 A JP2002059057 A JP 2002059057A JP 2002059057 A JP2002059057 A JP 2002059057A JP 2003251657 A JP2003251657 A JP 2003251657A
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Japan
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molding
cavity
molding material
mold
pin
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JP2002059057A
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English (en)
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Tetsuya Yamazaki
徹也 山崎
Yasunori Tanaka
康則 田中
Masanori Ishiguro
雅則 石黒
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の細孔を有する多孔体を精度良く製造す
る。 【解決手段】 固定金型2と、固定金型2との間にキャ
ビティCを形成する移動金型3と、移動金型3を摺動自
在に貫通することで先端部が前記キャビティC内に進出
する成形ピン群10とを備えた金型装置1を使用し、先
ず、成形ピン群10の先端部をキャビティC内から退避
させた状態でキャビティC内に成形材料Rを充填し、次
に、キャビティC内の可塑状態の成形材料R内へ成形ピ
ン群10の先端部を押し込みつつ、移動金型3でキャビ
ティC内の成形材料Rに対し圧力を加えながら移動金型
3を固定金型2から離間する方向に移動させ、その後、
移動金型3によりキャビティC内の成形材料Rに圧力を
加えた状態で成形材料Rを固化させる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、多孔体の製造方法
に関し、特に複数の細孔が高密度に配列された多孔体の
製造に適した製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、複数の細孔が形成された成形品
(以下、「多孔体」という)は、コリメータやフィルタ
等に広く使用されている。これらの多孔体を射出成形に
よって成形する場合、細孔を形成するための成形ピンを
0.5〜1mm程度の微小な径とすると、成形材料の充
填圧力や、成形材料が固化する際の収縮力により、成形
ピンが倒れる又は変形することがあった。このことは、
キャビティ内における成形材料の圧力分布が均等でない
ことに起因するものである。また、多数の細孔が互いに
狭い間隔で高密度に配列された多孔体を成形する際は、
キャビティ内に多数の成形ピンを互いに狭い間隔で配置
しなければならないが、各成形ピンの間が狭いとその間
に成形材料が入りにくいため、各成形ピンの間で成形材
料が充填不足となる。成形ピンが倒れる又は変形する
と、又は成形ピンの間で成形材料が充填不足となると、
当然、多孔体の細孔を精度良く形成することができない
という問題が生じる。 【0003】前記した問題を解決するために、特開平4
−261802号公報には、成形体成形空間(キャビテ
ィ)内に、細孔を成形するコアピンをその両端が固定金
型と移動金型とに固定支持された状態で配置し、かつ、
コアピンを同心的に保持するスライド入子を移動自在に
配置しておき、キャビティ内に成形材料を射出する際
に、スライド入子でコアピンを保持しつつ、成形材料の
充填圧力によりスライド入子を後退させて、細孔を有す
る成形体を成形する方法が開示されている。この従来技
術は、キャビティ内に成形材料を射出する際に、スライ
ド入子でコアピンを保持することにより、成形材料の充
填圧力によりコアピンが変形することを防止しようとす
るものである。また、この従来技術では、成形材料の充
填圧力によりスライド入子を後退させることにより、キ
ャビティ内に成形材料を均一な密度で充填できるとして
いる。 【0004】また、特開平7−241881号公報に
は、キャビティ内に射出した成形材料が可塑性状態にあ
る間に、成形材料中に複数のピンからなる成形ピン群を
挿入することにより多孔体を成形する方法が開示されて
いる。また、成形材料中に成形ピン群を挿入する際に、
可動金型壁を移動させて、成形体空間(キャビティ)を
成形材料中に挿入されている成形ピン群の体積相当分だ
け拡大する方法が開示されている。この従来技術は、可
塑性状態にある成形材料中に成形ピン群を挿入すること
により、各成形ピンの近傍における成形材料の流動不足
を解消しようとするものである。また、成形材料中に成
形ピン群を挿入する際に、成形材料中に挿入された成形
ピン群の体積相当分だけキャビティを拡大することによ
り、キャビティ内の圧力上昇によるピンの破損を防止で
きるとしている。 【0005】また、特開平11−216885号公報に
は、貫通穴(成形体の細孔)の一方の全ての出口を封じ
るように設けられた導入案内部と、貫通穴を成形するた
め成形ピンとを有する型を用い、この型に成形ピンの軸
に対して平行な方向で成形材料を射出し、得られた成形
体の導入案内部を成形後に除去する方法が開示されてい
る。この従来技術は、成形金型に成形材料の導入案内部
を設け、成形材料のゲートをこの導入案内部に設けるこ
とで、成形ピンの軸とは直角な方向への成形材料の流れ
を、平行な方向への流れに変えることができ、隣接する
成形ピンの隙間に成形材料が流動性の良い状態で均一に
かつ十分に充填できるとしている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た特開平4−261802号公報に開示されている方法
では、キャビティ内にコアピンをその両端が固定金型と
移動金型とに固定支持された状態で配置しなければなら
ないので、成形金型の構造が複雑になるという問題があ
った。また、この方法では、成形品の肉厚が小さい場
合、成形材料を射出するゲートを成形ピンの軸方向に配
置することは、成形金型の構造上困難であるため、成形
材料は成形ピンの軸方向以外の方向から充填されること
となる。そのため、成形材料の充填圧力により成形ピン
が倒れる又は変形するという問題があった。さらに、こ
の従来技術では、細孔が1つである成形体を成形する場
合についてしか触れていないが、この方法を多数の細孔
を有する成形体に適用した場合は、成形材料を各成形ピ
ンの配列方向に充填することとなるため、各成形ピンの
間が狭いと成形材料が入りにくく、各成形ピンの間で成
形材料が充填不足となるという問題があった。 【0007】また、前記した特開平7−241881号
公報に開示されている方法では、各成形ピンの近傍にお
ける成形材料の流動不足を解消できるとされているもの
の、各成形ピンの間が狭いと成形材料が入りにくく、各
成形ピンの間で成形材料が充填不足となるという問題は
解決されていない。また、成形材料中に成形ピン群を挿
入する際に、キャビティを成形材料中に挿入された成形
ピン群の体積相当分だけ拡大することにより、キャビテ
ィ内の圧力上昇によるピンの破損を防止できるとしてい
るものの、成形材料中に挿入される成形ピン群の体積相
当分だけキャビティを拡大しているため、成形ピン群の
先端部を可塑状態の成形材料中に挿入すると、それに応
じて可塑状態の成形材料が各成形ピンの間に侵入するこ
となく成形ピン群の周囲に流動してしまう傾向がある。
その結果、各成形ピンの間に成形材料の充填不良が発生
したり、成形材料の流動圧力により各成形ピンに倒れや
曲がりが発生することがある。 【0008】また、前記した特開平11−216885
号公報に開示されている方法では、成形材料の流れを、
成形ピンと平行な方向への流れに変えることができ、隣
接する成形ピンとの隙間に成形材料を流動性の良い状態
で均一に、かつ、充分に充填できるとされているが、各
成形ピンの間が狭いと成形材料が入りにくく、各成形ピ
ンの間で成形材料が充填不足となるという問題は解決さ
れていない。また、成形材料は、各成形ピンの間よりも
成形ピンの無い部分の方に入りやすいため、キャビティ
内では、成形材料は成形ピンの無い部分の方から先に充
填される。そのため、キャビティ内に充填された成形材
料の圧力分布は均等でなく、その圧力分布の差により成
形ピンが倒れる又は変形するという問題があった。 【0009】そこで、本発明は、成形金型の構造が複雑
になることなく、キャビティ内における成形材料の圧力
差に起因する成形ピンの倒れ又は変形、及び成形ピン間
での成形材料の充填不足を防止し、多孔体の細孔を精度
良く形成することができる多孔体の製造方法を提供する
ことを課題とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】前記した課題を解決する
ため、本発明では、複数の細孔が相互に平行に形成され
た多孔体を射出成形により製造するに当たり、固定金型
と、この固定金型との間にキャビティを形成する移動金
型と、この移動金型又は前記固定金型を摺動自在に貫通
することで先端部が前記キャビティ内に進出する相互に
平行な成形ピン群とを備えた金型装置を使用し、先ず、
前記成形ピン群の先端部を前記キャビティ内から退避さ
せた状態でキャビティ内に成形材料を充填し、次に、前
記キャビティ内の可塑状態の成形材料内へ前記成形ピン
群の先端部を押し込みつつ、前記移動金型で前記キャビ
ティ内の成形材料に対し圧力を加えながら前記移動金型
を前記固定金型から離間する方向に移動させ、その後、
前記移動金型によりキャビティ内の成形材料に圧力を加
えた状態を保持して成形材料を固化させることを特徴と
する。 【0011】このように、本発明の方法では、成形ピン
群をキャビティから退避させた状態で成形材料をキャビ
ティに充填するので、成形材料の流れにより各成形ピン
が倒れたり変形したりすることがない。そして、キャビ
ティ内に成形材料が充填された後に移動金型で成形材料
に対し成形ピン間部を成形ピン軸方向に流動させるのに
必要な圧力を加えながら、成形ピン群の先端部を成形材
料へ押し込むので、各成形ピンの周囲では成形材料が成
形ピンの軸方向に沿って流れる。そのため、各成形ピン
の倒れ、変形が生じることがなく、各成形ピンの互いの
平行を保ったまま、各成形ピン間に成形材料を充填する
ことができる。また、この成形ピン群を押し込む際、成
形ピン群が入り込んだ分だけ成形材料の圧力が上昇し、
移動金型が成形材料に押されて固定金型から離間する方
向へ移動(後退)するが、本発明の方法では、移動金型
でキャビティ内の成形材料に圧力を加えながら移動金型
を後退させるので、各成形ピン間に十分に成形材料を充
填させることができる。 【0012】また、本発明の方法に使用する装置として
は、複数の細孔が相互に平行に形成された多孔体を射出
成形により製造する多孔体の製造装置であって、固定金
型と、この固定金型との間にキャビティを形成する移動
金型と、この移動金型又は前記固定金型を摺動自在に貫
通することで先端部が前記キャビティ内に進出する相互
に平行な成形ピン群と、前記成形ピン群の先端部が前記
キャビティ内から退避した状態で前記キャビティ内に成
形材料を充填する射出装置と、前記射出装置による成形
材料の射出後に、前記キャビティ内の可塑状態の成形材
料に対し前記成形ピン群の先端部を押し込む成形ピン駆
動装置と、成形ピン群の押し込みに応じて前記固定金型
から離間する方向へ移動する移動金型が、前記キャビテ
ィ内の成形材料に圧力を加えながら移動するように前記
移動金型の移動を制御するブレーキ機構とを備えるよう
に構成することができる。 【0013】このように構成することで、先ず、成形ピ
ン群の先端部がキャビティ内から退避した状態で射出装
置により成形材料をキャビティ内に充填するので、各成
形ピンが射出された成形材料の流れにより倒れたり変形
したりすることがない。そして、成形ピン駆動装置によ
り、キャビティ内に成形材料が充填された後に成形材料
に移動金型で圧力を加えながら成形ピン群の先端部を可
塑状態の成形材料に対し押し込むので成形材料が成形ピ
ンの軸方向に沿って流れる。そのため、各成形ピンの倒
れ、変形が生じることがなく、各成形ピンの互いの平行
を保ったまま、各成形ピン間に成形材料を充填すること
ができる。また、この成形ピン群の押し込みの際、成形
ピン群が入り込んだ分だけ成形材料の圧力が上昇し、成
形ピンの進出に応じて移動金型が成形材料に押されて固
定金型から離間する方向へ移動(後退)するが、本発明
の装置では、ブレーキ機構により移動金型でキャビティ
内の成形材料に圧力を加えながら移動金型を後退させる
よう制御するので、各成形ピン間に充分に成形材料を充
填させることができる。 【0014】なお、成形ピン群の先端部がキャビティ内
から退避しているとは、成形ピン群の先端部がキャビテ
ィ内に入っていてはいけないということではなく、成形
ピンの太さに応じ、わずかにキャビティ内に入り込んで
いても構わない。すなわち、射出される成形材料の流れ
により各成形ピンが倒されたりすることが無いような長
さであれば、成形ピン群の先端部がキャビティ内に入り
込んでいても構わない。 【0015】 【発明の実施形態】次に、本発明の実施形態について、
図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の
多孔体の製造方法及び製造装置に使用する金型装置の断
面図である。図2は図1における固定金型及び移動金型
周辺の拡大図である。また、図3は、図1及び図2にお
けるキャビティ周辺の拡大図である。なお、図3では、
図1及び図2で図示されているガイドピンの図示を省略
し、成形材料をキャビティ内で固化させた状態を示して
いる。 【0016】図1に示すように、金型装置1は、固定金
型2と移動金型3を備えて構成されており、移動金型3
には、固定金型2との間に多孔体M(図8参照)に対応
するキャビティC(図2及び図3参照)を形成するコア
4をさらに備えている。 【0017】固定金型2は、固定側取付板5に取り付け
られており、図3に拡大して示すように、固定金型2に
はキャビティC内に成形材料である溶融樹脂を射出する
ためのランナ12とゲート13が形成されている。ま
た、固定金型2は、上部2aと下部2bを分離できるよ
うに構成されている。 【0018】図1に示すように、移動金型3は、受板7
を介して移動側取付板8に取り付けられた油圧シリンダ
6,6に支持されており、油圧シリンダ6から提供され
る駆動力により、キャビティC内における成形材料の圧
力分布が均等になるようにキャビティCに充填された溶
融樹脂に対して圧力を加えることができる。また、この
移動金型3は、油圧シリンダ6,6の油圧を制御するこ
とで図3に示すキャビティC内に充填された溶融樹脂の
充填圧力に応じて固定金型2から離間する方向に後退移
動することも可能である。なお、油圧シリンダ6は、
「ブレーキ機構」に相当する。また、ブレーキ機構は、
油圧シリンダ6によりキャビティC内の成形材料Rに抗
力を発生するものにかぎらず、摩擦を利用したブレーキ
や、スプリングにより抗力を発生するものでも構わな
い。 【0019】移動側取付板8には、図2に拡大して示す
ように、移動金型3に対し摺動可能なピンホルダ9が取
り付けられている。そして、ピンホルダ9の先端部9a
には、図3にさらに拡大して示すように、多孔体Mの複
数の細孔H(図8参照)を形成するための複数の互いに
平行な成形ピン(成形ピン群10)が固定されている。
この成形ピン群10の各成形ピンは、移動金型3の一部
であるコア4を摺動自在に貫通し、その先端部10aが
キャビティC内に臨んで設けられている。また、ピンホ
ルダ9の先端部9aには、移動金型3が固定金型2に対
して接近又は離間する方向に移動する際、及び成形ピン
群10がコア4に対してスライド移動してキャビティC
内に進出する際に、コア4及び成形ピン群10の移動を
ガイドするガイドピン11が突設されている。このガイ
ドピン11は、コア4を摺動自在に貫通している。 【0020】ピンホルダ9は、成形ピン駆動装置である
油圧シリンダ15を介して移動側取付板8に支持されて
いる。すなわち、油圧シリンダ15の駆動により、ピン
ホルダ9が固定金型2に対し接近、離間することで、ピ
ンホルダ9の先端部9aに固定された成形ピン群10を
キャビティC内に進出、退避させることが可能となって
いる。この金型装置1は、図示しない射出成形機(射出
装置)に取り付けて使用され、射出の動作及び油圧シリ
ンダ6,6,15の動作が、図示しない制御装置により
制御されることで本発明の多孔体の製造装置が構成され
る。 【0021】次に、以上のように構成された金型装置1
(多孔体の製造装置)の動作について、図4〜図7を参
照して説明する。 【0022】先ず、図4に示すように、油圧シリンダ6
の駆動によりコア4を固定金型2へ接近させ、成形後の
多孔体に使用される成形材料の量と同じ容量の空間(キ
ャビティC)が固定金型2と移動金型3との間で形成さ
れるようにし、かつ、油圧シリンダ15の駆動により成
形ピン群10をキャビティCから退避させて、各成形ピ
ンの先端10b(図3参照)がコア4のキャビティ面と
面一になるようにする。 【0023】次に、図5に示すように、射出装置により
ゲート13から成形材料Rを射出して、キャビティC内
に成形材料Rを充填させる。 【0024】キャビティC内に成形材料Rが充填された
後、図6に示すように、成形材料Rに移動金型3で圧力
を加えながら油圧シリンダ15により成形ピン群10の
先端部10aを可塑状態の成形材料R内に押し込む。こ
のとき、ピンホルダ9の移動は、ピンホルダ9の先端部
9aに設けられたガイドピン11がコア4を摺動自在に
貫通することによりガイドされるので、成形ピン群10
をコア4に対して確実に摺動させることができる。そし
て、成形材料Rは成形ピン群10の先端部10aから成
形ピン群10の軸方向に沿って各成形ピンの間に入り込
むので、成形ピンの先端部10aの周囲では成形材料R
の圧力が均等になり、各成形ピンが倒れたり変形したり
することが無い。 【0025】また、この際、成形ピン群10が成形材料
R内に入り込んだ体積の分だけ、キャビティCの容積が
大きくなるので、成形材料Rの圧力が上昇してコア4及
び移動金型3が固定金型2から離間する方向へ移動す
る。このコア4及び移動金型3の移動に対して、油圧シ
リンダ6が抗力を発生することで、コア4のキャビティ
面を介して成形材料Rに圧力が加えられる。この圧力に
より、成形材料Rが各成形ピン間の狭い隙間にも入り込
むため、成形材料Rが充分に充填される。さらに、この
圧力で逐次成形ピン間に成形材料Rが充填されることか
ら、成形ピン間の空間と、成形ピン群10の外部との圧
力が常に均等に保たれた状態で成形ピン群10が成形材
料Rに対して押し込まれることから、各成形ピンが倒れ
たり変形したりすることが無い。その結果、多孔体の細
孔が互いに平行にそろって形成することが可能である。 【0026】成形ピンの先端10bが固定金型2のキャ
ビティ面まで到達したならば、移動金型3(コア4)に
より成形材料Rに圧力を加えたまま加圧した状態を保持
し、キャビティC内の成形材料Rの圧力をなるべく均等
にした状態で成形材料Rを冷やして固化させる。この際
の冷却は、金型装置1内に冷却用媒体を通流させること
で行うことができる。 【0027】成形材料Rが固化したならば、図7に示す
ように、固定金型2の上部2aを下部2bから分離させ
た後、油圧シリンダ6,6の駆動力により移動金型3を
固定金型2の下部2aに接近する方向に前進移動させ
て、成形品MをキャビティCから突き出して離型させ
る。 【0028】そして、この金型装置1で製造された成形
品に対し、ゲートの残り部分を除去し、さらに固定金型
2により成形された面を機械加工等して各細孔Hを開口
させることで、図8に示すように、複数の細孔Hが互い
に平行に形成された多孔体Mを得ることができる。この
ように、本実施形態の多孔体の製造方法によれば、細孔
が高密度に配列され、かつ、直径に対し、深さが深い細
孔を有する多孔体も製造することが可能である。このよ
うな多孔体とは、例えば、厚さが5mm程度であり、直
径0.5mm程度の細孔Hが約1000本、千鳥格子状
に高密度に配列されて厚さ方向に貫通しており、各細孔
Hの間隔は、0.2mm程度の極めて狭い間隔となって
いる。この多孔体Mは、各細孔Hの真直度及び平行度に
優れており、例えば多孔体Mの片面から各細孔Hに平行
な光を照射して他の片面で受光した場合、入射光量Iに
対する出射光量Oの比R(=O/I)が0.8以上とな
る。 【0029】以上本発明の実施形態について説明した
が、本発明は前記実施形態に限定されず、適宜変更して
実施することが可能である。例えば、成形材料Rを射出
するゲートは、例示した部位に限らず、移動金型3や、
固定金型2の下部2bに設けても良い。また、実施形態
では成形ピン群10を移動金型3と摺動自在に設けた
が、固定金型2に対し摺動自在に設けて、固定金型2の
キャビティ面から成形ピン群10を押し込んで、成形材
料Rに細孔を形成させることもできる。また、前記実施
形態では、成形ピン群10の先端10bを固定金型2の
キャビティ面にまで当接させる場合を例示したが、成形
ピン群10の先端10bを、キャビティ面まで当接させ
ず、成形材料Rの内部に位置したところで止めて、底を
有する多数の細孔を成形体に形成することも可能であ
る。さらに、成形ピンの断面形状、配列を変更すること
により、多孔体の細孔は断面が円形に限らず、四角形、
六角形等の多角形であってもよいし、その配列も任意の
ものを製造することができる。 【0030】 【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、成
形金型の構造が複雑になることなく、キャビティ内にお
ける成形材料の圧力差に起因する成形ピンの倒れ又は変
形、及び成形ピン間での成形材料の充填不足を防止し、
その結果多孔体の細孔を精度良く形成することができ
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の多孔体の製造方法に使用する金型装置
の断面図である。 【図2】図1における固定金型及び移動金型の周辺の拡
大図である。 【図3】図1及び図2におけるキャビティ周辺の拡大図
である。 【図4】金型装置の断面図であり、キャビティ内に成形
材料を充填する前の状態を示す。 【図5】金型装置の断面図であり、キャビティ内に成形
材料を充填した状態を示す。 【図6】金型装置の断面図であり、成形材料内に成形ピ
ン群の先端部を押し込んだ状態を示す。 【図7】金型装置の断面図であり、移動金型を固定金型
に接近させる方向に移動させて、成形品をキャビティか
ら突き出して離型させた状態を示す。 【図8】金型装置で製造された多孔体を示す斜視図であ
る。 【符号の説明】 1 金型装置 2 固定金型 3 移動金型 4 コア 5 固定側取付板 6 油圧シリンダ 7 受板 8 移動側取付板 9 ピンホルダ 10 成形ピン群 10a 先端部 11 ガイドピン 12 ランナ 13 ゲート 15 油圧シリンダ C キャビティ R 成形材料 M 多孔体
フロントページの続き (72)発明者 石黒 雅則 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富 士写真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AG18 AG20 CA11 CB01 CK18 CK52

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 複数の細孔が相互に平行に形成された多
    孔体を射出成形により製造するに当たり、固定金型と、
    この固定金型との間にキャビティを形成する移動金型
    と、この移動金型又は前記固定金型を摺動自在に貫通す
    ることで先端部が前記キャビティ内に進出する相互に平
    行な成形ピン群とを備えた金型装置を使用し、 先ず、前記成形ピン群の先端部を前記キャビティ内から
    退避させた状態でキャビティ内に成形材料を充填し、 次に、前記キャビティ内の可塑状態の成形材料内へ前記
    成形ピン群の先端部を押し込みつつ、前記移動金型で前
    記キャビティ内の成形材料に対し圧力を加えながら前記
    移動金型を前記固定金型から離間する方向に移動させ、 その後、前記移動金型によりキャビティ内の成形材料に
    圧力を加えた状態で成形材料を固化させることを特徴と
    する多孔体の製造方法。
JP2002059057A 2002-03-05 2002-03-05 多孔体の製造方法 Pending JP2003251657A (ja)

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