JP3802819B2 - 多孔体の製造装置及び製造方法 - Google Patents

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康則 田中
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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多孔体の製造装置及び製造方法に関し、特に、複数の細孔が高密度に配列された多孔体の製造に適した製造装置及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の細孔が形成された成形品(以下、「多孔体」という)は、コリメータやフィルタ等に広く使用されている。これらの多孔体を射出成形によって成形する場合、細孔を形成するための成形ピンを0.5〜1mm程度の微小な径とすると、成形材料の充填圧力や、成形材料が固化する際の収縮力により、成形ピンが倒れる又は変形することがあった。このことは、キャビティ内における成形材料の圧力分布が均等でないことに起因するものである。
また、多数の細孔が互いに狭い間隔で高密度に配列された多孔体を成形する際は、キャビティ内に多数の成形ピンを互いに狭い間隔で配置しなければならないが、各成形ピンの間が狭いとその間に成形材料が入りにくいため、各成形ピンの間で成形材料が充填不足となる。
成形ピンが倒れる又は変形すると、又は成形ピンの間で成形材料が充填不足となると、当然、多孔体の細孔を精度良く形成することができないという問題が生じる。
【0003】
前記した問題を解決するために、特開平4−261802号公報には、成形体成形空間(キャビティ)内に、細孔を成形するコアピンをその両端が固定金型と移動金型とに固定支持された状態で配置し、かつ、コアピンを同心的に保持するスライド入子を移動自在に配置しておき、キャビティ内に成形材料を射出する際に、スライド入子でコアピンを保持しつつ、成形材料の充填圧力によりスライド入子を後退させて、細孔を有する成形体を成形する方法が開示されている。
この従来技術は、キャビティ内に成形材料を射出する際に、スライド入子でコアピンを保持することにより、成形材料の充填圧力によりコアピンが変形することを防止しようとするものである。また、この従来技術では、成形材料の充填圧力によりスライド入子を後退させることにより、キャビティ内に成形材料を均一な密度で充填できるとしている。
【0004】
また、特開平7−241881号公報には、キャビティ内に射出した成形材料が可塑性状態にある間に、成形材料中に複数のピンからなる成形ピン群を挿入することにより多孔体を成形する方法が開示されている。また、成形材料中に成形ピン群を挿入する際に、可動金型壁を移動させて、成形体空間(キャビティ)を成形材料中に挿入されている成形ピン群の体積相当分だけ拡大する方法が開示されている。
この従来技術は、可塑性状態にある成形材料中に成形ピン群を挿入することにより、各成形ピンの近傍における成形材料の流動不足を解消しようとするものである。また、成形材料中に成形ピン群を挿入する際に、成形材料中に挿入された成形ピン群の体積相当分だけキャビティを拡大することにより、キャビティ内の圧力上昇によるピンの破損を防止できるとしている。
【0005】
また、特開平11−216885号公報には、貫通穴(成形体の細孔)の一方の全ての出口を封じるように設けられた導入案内部と、貫通穴を成形するため成形ピンとを有する型を用い、この型に成形ピンの軸に対して平行な方向で成形材料を射出し、得られた成形体の導入案内部を成形後に除去する方法が開示されている。
この従来技術は、成形金型に成形材料の導入案内部を設け、成形材料のゲートをこの導入案内部に設けることで、成形ピンの軸とは直角な方向への成形材料の流れを、平行な方向への流れに変えることができ、隣接する成形ピンの隙間に成形材料が流動性の良い状態で均一にかつ十分に充填できるとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した特開平4−261802号公報に開示されている方法では、キャビティ内にコアピンをその両端が固定金型と移動金型とに固定支持された状態で配置しなければならないので、成形金型の構造が複雑になるという問題があった。
また、この方法では、成形材料を射出するゲートを成形ピンの軸方向に配置することは、成形金型の構造上困難であるため、成形材料は成形ピンの軸方向以外の方向から充填されることとなる。そのため、成形材料の充填圧力により成形ピンが倒れる又は変形するという問題があった。
さらに、この従来技術では、細孔が1つである成形体を成形する場合についてしか触れていないが、この方法を多数の細孔を有する成形体に適用した場合は、成形材料を各成形ピンの配列方向に充填することとなるため、各成形ピンの間が狭いと成形材料が入りにくく、各成形ピンの間で成形材料が充填不足となるという問題があった。
【0007】
また、前記した特開平7−241881号公報に開示されている方法では、各成形ピンの近傍における成形材料の流動不足を解消できるとされているものの、各成形ピンの間が狭いと成形材料が入りにくく、各成形ピンの間で成形材料が充填不足となるという問題は解決されていない。また、成形材料中に成形ピン群を挿入する際に、キャビティを成形材料中に挿入された成形ピン群の体積相当分だけ拡大することにより、キャビティ内の圧力上昇による成形ピンの破損を防止できるとしているものの、キャビティ内に充填された成形材料の圧力分布が均等でないことに起因して、成形ピンが倒れる又は変形するという問題は解決されていない。
【0008】
また、前記した特開平11−216885号公報に開示されている方法では、成形材料の流れを、成形ピンと平行な方向への流れに変えることができ、隣接する成形ピンとの隙間に成形材料を流動性の良い状態で均一に、かつ、充分に充填できるとされているが、各成形ピンの間が狭いと成形材料が入りにくく、各成形ピンの間で成形材料が充填不足となるという問題は解決されていない。また、成形材料は、各成形ピンの間よりも成形ピンの無い部分の方に入りやすいため、キャビティ内では、成形材料は成形ピンの無い部分の方から先に充填される。そのため、キャビティ内に充填された成形材料の圧力分布は均等でなく、その圧力分布の差により成形ピンが倒れる又は変形するという問題があった。
【0009】
また、前記した特開平7−241881号公報に開示されている方法では、図10(a)に示すように、ゲート20は成形ピン群21の先端に対向した位置に配置されており、ゲート20の近傍部は成形材料Rを射出するのでキャビティC内の他の部分に比べて高温である。そのため、キャビティC内に成形材料Rを充填完了した後、図10(b)に示すように、ゲート近傍部の成形材料Rがゲート20に向かって流動又は収縮し、ゲート近傍部の成形ピン21が倒れる又は変形するという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、成形金型の構造が複雑になることなく、キャビティ内における成形材料の圧力差や温度差に起因する成形ピンの倒れ又は変形、及び成形ピン間での成形材料の充填不足を防止し、多孔体の細孔を精度良く形成することができる多孔体の製造装置及び製造方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するため、本発明では、複数の細孔が相互に平行に形成された多孔体の片面に各細孔の開口を塞ぐ成形材料流動層が一体に成形された成形品を射出成形により製造する多孔体の製造装置であって、前記成形材料流動層に対応するサブキャビティを有する固定金型と、この固定金型から離間する方向に後退移動することで前記多孔体に対応するメインキャビティを前記固定金型との間に形成する移動金型と、この移動金型を摺動自在に貫通することで先端部が前記メインキャビティ内に臨む相互に平行な成形ピン群と、前記サブキャビティ内に成形材料を充填する射出装置と、前記成形材料の充填圧力により前記固定金型から離間する方向へ後退移動する移動金型が、前記メインキャビティ内の成形材料に圧力を加えながら移動するように前記移動金型の移動を油圧シリンダの油圧で制御するブレーキ機構とを備え、前記サブキャビティに前記成形材料を射出するゲートを、前記成形ピン群の周囲に臨む箇所にて前記サブキャビティに連通して設けたことを特徴とする。
【0012】
このように構成することで、先ず、移動金型を固定金型側に前進移動させて、メインキャビティが形成されていない状態で、サブキャビティ内に成形材料を充填することにより、成形材料をサブキャビティ内で流動させ、サブキャビティ内における成形材料の圧力分布を均等にすることができる。したがって、移動金型を成形材料の充填圧力によりを固定金型から離間する方向に後退移動させてメインキャビティを形成した際に、メインキャビティ内に成形材料を均一な密度で充填することができる。
そして、移動金型を成形材料の充填圧力により固定金型から離間する方向に後退移動させつつ、メインキャビティ内における成形材料の圧力分布が均等になるように成形材料に対して移動金型で圧力を加えながら、メインキャビティ内に成形材料を充填することにより、成形ピン群の各成形ピン間に成形材料を充填する圧力を発生させることができるので、成形ピン間に成形材料を十分に充填することができる。また、メインキャビティ内における成形材料の圧力分布を均等にすることにより、成形材料の充填圧力や、成形材料が固化する際の収縮力による成形ピンの倒れ又は変形を防止することができる。
【0013】
また、サブキャビティに成形材料を射出するゲートを、成形ピン群の周囲に臨む箇所にてサブキャビティに連通して設けることにより、キャビティ内に充填された成形材料が固化する際に、キャビティ内の他の部分に比べて温度の高いゲートの付近に流動又は収縮したとしても、ゲート近傍部に成形ピンが無いので、成形材料の流動又は収縮による成形ピンの倒れ又は変形を防止することができる。
【0014】
また、前記サブキャビティを、前記成形ピン群の先端部にのみ対向して設けることにより、成形材料流動層が成形される部分を小さくすることができるので、成形ピン群の各成形ピンの間に、サブキャビティ内において圧力分布が均等になった成形材料を効率よく充填することができる。
【0015】
また、前記メインキャビティの近傍に、前記移動金型の移動をガイドするガイド手段を設けることにより、移動金型を成形材料の充填圧力により固定金型から離間する方向に後退移動させる際に、移動金型の移動をガイドすることができ、移動金型を成形ピン群に対して確実に摺動させることができる。
【0016】
また、前記多孔体の成形後、前記移動金型を前記固定金型に接近する方向に前進移動させて、前記多孔体を前記メインキャビティから突き出して離型させることにより、ノックアウトピン等のノックアウト(突き出し)機構を別途設けなくても、キャビティから成形品である多孔体を容易に離型させることをできる。
【0017】
また、前記ブレーキ機構を油圧シリンダで構成することにより、移動金型を成形材料の充填圧力により固定金型から離間する方向に後退移動させてメインキャビティを形成する際に、メインキャビティ内における成形材料の圧力分布が均等になるように成形材料に対して移動金型で圧力を加えることを容易に行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の多孔体の製造装置に使用する金型装置の断面図である。また、図2は図1における固定金型及び移動金型周辺の拡大図である。また、図3は、図1及び図2におけるキャビティ(メインキャビティ及びサブキャビティ)周辺の拡大図である。なお、図3では、図1及び図2では図示されているガイド部の図示を省略し、成形材料をキャビティ内で固化させた状態で示している。
【0019】
図1に示すように、金型装置1は、固定金型2と移動金型3を備えて構成されており、移動金型3には、固定金型2との間に多孔体M1(図9(a)参照)に対応するメインキャビティC1(図2及び図3参照)を形成するコア4をさらに備えている。
【0020】
固定金型2は、固定側取付板5に取り付けられており、図3に拡大して示すように、移動金型3と対向する面には、成形材料流動層M2(図9(a)参照)に対応するサブキャビティC2が形成されている。また、固定金型2にはメインキャビティC1及びサブキャビティC2からなるキャビティC内に成形材料である溶融樹脂を射出するためのランナ12とゲート13が形成されている。ゲート13は、成形ピン群10の先端部と対向しないように、固定金型2のキャビティ面のうち、成形ピン群10の周囲(図中右側)に臨む箇所に設けられている。また、固定金型2は、上部2aと下部2bを分離できるように構成されている。
【0021】
図1に示すように、移動金型3は、受板7を介して移動側取付板8に取り付けられた油圧シリンダ6,6に支持されており、油圧シリンダ6から提供される駆動力により、メインキャビティC1内における成形材料の圧力分布が均等になるようにメインキャビティC1に充填された成形材料に対して圧力を加えることができる。また、この移動金型3は、油圧シリンダ6,6の油圧を制御することで、図3に示すメインキャビティC1内に充填された成形材料の充填圧力に応じて固定金型2から離間する方向に後退移動することも可能である。なお、油圧シリンダ6は、特許請求の範囲でいうところの「ブレーキ機構」に相当する。
【0022】
移動側取付板8には、図2に拡大して示すように、移動金型3に対して摺動可能なピンホルダ9が取り付けられている。そして、ピンホルダ9の先端部9aには、図3にさらに拡大して示すように、多孔体M1の複数の細孔H(図9(b)参照)を形成するための複数の互いに平行な成形ピン(成形ピン群10)が固定されている。この成形ピン群10の各成形ピンは、移動金型3の一部であるコア4を摺動自在に貫通し、その先端部10aがサブキャビティC2内に臨んで設けられている。また、ピンホルダ9の先端部9aには、移動金型3が固定金型2に対して接近又は離間する方向に移動する際に、コア4が成形ピン群10に対してスライドするのをガイドするガイドピン11が突設されている。このガイドピン11は、コア4を摺動自在に貫通している。なお、ガイドピン11は、特許請求の範囲でいうところの「ガイド手段」に相当する。
【0023】
この金型装置1は、図示しない射出成形機(射出装置)に取り付けて使用され、射出の動作及び油圧シリンダ6,6の動作が、図示しない制御装置により制御されることで本発明の多孔体の製造装置が構成される。
【0024】
次に、以上のように構成された金型装置1(多孔体の製造装置)の動作について、図4〜図8を参照して説明する。
【0025】
先ず、図4に示すように、油圧シリンダ6,6の駆動によりコア4を固定金型2へ接近させ、メインキャビティC1が形成されていない状態で、ゲート13から成形材料Rを射出して、サブキャビティC2内に充填する。このとき、成形材料Rは、サブキャビティC2内で流動するので、サブキャビティC2内における成形材料Rの圧力分布は均等になる。
【0026】
次に、図5に示すように、射出装置によりゲート13から成形材料Rを射出しつつ、移動金型2を成形材料Rの充填圧力により固定金型2から離間する方向に後退移動させて、固定金型2のコア4と移動金型3との間にメインキャビティC1を形成する。このメインキャビティC1は、サブキャビティC2と連続して形成される。
移動金型3が後退移動する際は、移動金型2は、油圧シリンダ6から提供される駆動力により、メインキャビティC1内における成形材料Rの圧力分布が均等になるようにメインキャビティC1に充填された成形材料Rに対して圧力を加える。移動金型3は、図6に示すように、メインキャビティC1が製造しようとする多孔体の厚さに拡大されるまで後退移動する。このとき、移動金型3のコア4の移動は、ピンホルダ9の先端部9aに設けられたガイド部11によりガイドされるので、コア4を成形ピン10に対して確実に摺動させることができる。(図2参照)。
【0027】
また、図5に示すように、移動金型3を固定金型2から離間する方向に後退移動させて、メインキャビティC1を形成する際は、図7に拡大して示すように、サブキャビティC2内で圧力分布が均等になった成形材料Rが、コア4が後退すると同時に各成形ピン10の間に成形ピン10の軸方向に沿って入り込む。このとき、成形材料Rは、成形ピン群10の先端部10aから各成形ピンの間に入り込むので、成形ピンの先端部10aの周囲では成形材料Rの圧力が均等になり、各成形ピンが倒れたり変形したりすることが無い。
【0028】
また、前記したように、移動金型3が油圧シリンダ6,6から提供される駆動力により、メインキャビティC1内における成形材料Rの圧力分布が均等になるように、メインキャビティC1内に充填された成形材料Rに対して圧力を加えることにより、メインキャビティC1内では、コア4のキャビティ面を介して成形材料Rに圧力が加えられる。この圧力により、成形材料Rが各成形ピン間の狭い隙間にも入り込むため、成形材料Rが十分に充填される。また、メインキャビティC1内では、成形材料Rの圧力分布が均等になるので、成形材料Rの充填圧力や、成形材料Rが固化する際の収縮力によって成形ピン10が倒れたり変形したりすることがない。その結果、多孔体の細孔が互いに平行にそろって形成することが可能である。
【0029】
また、このとき、図7に示すように、ゲート13は、成形ピン群10の先端部と対向しないように、固定金型2のキャビティ面のうち、成形ピン群10の周囲に臨む箇所に設けられているので、キャビティC内に充填された成形材料RがキャビティC内の他の部分に比べて温度の高いゲート13の下方に流動したとしても、ゲート13近傍部に成形ピン群10が無いため、成形材料Rの流動又は収縮による成形ピンの倒れ又は変形を小さくすることができる。
【0030】
そして、移動金型3により成形材料Rに圧力を加えて、キャビティC内の成形材料Rの圧力をなるべく均等にした状態で成形材料Rを冷やして固化させ、成形材料流動層M1と多孔体M2からなる成形品Mを成形する。この際の冷却は、金属装置1内に冷却用媒体を流通させることで行うことができる。
【0031】
成形品Mが成形されると、図8に示すように、固定金型2の上部2aを下部2bから分離させた後、油圧シリンダ6,6の駆動力により移動金型3を固定金型2の下部2aに接近する方向に前進移動させて、成形品MをメインキャビティC1から突き出して離型させる。
【0032】
この金型装置1で製造された成形品Mは、図9(a)に示すように、サブキャビティC2で成形された成形材料流動層M2と、メインキャビティC1で成形された多孔体M1とが一体に成形されている。そして、図9(b)に示すように、成形品Mから成形材料流動層M1を除去することで、複数の細孔Hが互いに平行に貫通した多孔体M2を得ることができる。
【0033】
このように、本実施形態の多孔体の製造方法によれば、細孔が高密度に配列され、かつ、直径に対し、深さが深い細孔を有する多孔体も製造することが可能である。このような多孔体とは、例えば、厚さが5mm程度であり、直径0.5mm程度の細孔Hが約1000本、千鳥格子状に高密度に配列されて厚さ方向に貫通しており、各細孔Hの間隔は、0.2mm程度の極めて狭い間隔となっている。この多孔体Mは、各細孔Hの真直度及び平行度に優れており、例えば多孔体Mの片面から各細孔Hに平行な光を照射して他の片面で受光した場合、入射光量Iに対する出射光量Oの比R(=O/I)が0.8以上となる。
【0034】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、適宜変更して実施することが可能である。
【0035】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、成形金型の構造が複雑になることなく、キャビティ内における成形材料の圧力差や温度差に起因する成形ピンの倒れ又は変形、及び成形ピン間での成形材料の充填不足を防止し、その結果多孔体の細孔を精度良く形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多孔体の製造装置に使用する金型装置の断面図である。
【図2】図1における固定金型及び移動金型の周辺の拡大図である。
【図3】図1及び図2におけるキャビティ周辺の拡大図である。
【図4】金型装置の断面図であり、サブキャビティ内に成形材料を充填した状態を示す。
【図5】金型装置の断面図であり、移動金型を固定金型から離間させる方向に後退移動させて、メインキャビティを形成しつつ、メインキャビティ内に成形材料を充填した状態を示す。
【図6】金型装置の断面図であり、移動金型を図5の状態からさらに後退移動させて、メインキャビティを多孔体の大きさまで拡大した状態を示す。
【図7】図5におけるキャビティ周辺の拡大図である。
【図8】金型装置の断面図であり、移動金型を固定金型の下部に接近させる方向に移動させて、成形品をメインキャビティから突き出して離型させた状態を示す。
【図9】金型装置で製造された成形品を示す斜視図であり、(a)は成形材料流動層と多孔体とが一体に成形された状態を示し、(b)は(a)の状態から成形材料流動層を取り除いた状態を示す。
【図10】従来のゲートを成形ピン群の先端に対向した位置に配置した場合の成形材料の流れを説明するための図であり、(a)は成形材料がキャビティ内に充填された状態を示し、(b)は成形材料がゲートに向かって流動した状態を示す。
【符号の説明】
1 金型装置
2 固定金型
3 移動金型
4 コア
5 固定側取付板
6 油圧シリンダ(ブレーキ機構)
7 受板
8 移動側取付板
9 ピンホルダ
10 成形ピン群
11 ガイドピン(ガイド手段)
12 ランナ
13 ゲート
C キャビティ
C1 メインキャビティ
C2 サブキャビティ
R 成形材料
M 成形品
M1 多孔体
M2 成形材料流動層
H 細孔

Claims (2)

  1. 複数の細孔が相互に平行に形成された多孔体の片面に各細孔の開口を塞ぐ成形材料流動層が一体に成形された成形品を射出成形により製造する多孔体の製造装置であって、
    前記成形材料流動層に対応するサブキャビティを有する固定金型と、
    この固定金型から離間する方向に後退移動することで前記多孔体に対応するメインキャビティを前記固定金型との間に形成する移動金型と、
    この移動金型を摺動自在に貫通することで先端部が前記メインキャビティ内に臨む相互に平行な成形ピン群と、
    前記サブキャビティ内に成形材料を充填する射出装置と、
    前記成形材料の充填圧力により前記固定金型から離間する方向へ後退移動する移動金型が、前記メインキャビティ内の成形材料に圧力を加えながら移動するように前記移動金型の移動を油圧シリンダの油圧で制御するブレーキ機構と、
    を備え、
    前記サブキャビティに前記成形材料を射出するゲートを、前記成形ピン群の周囲に臨む箇所にて前記サブキャビティに連通して設けたことを特徴とする多孔体の製造装置。
  2. 複数の細孔が相互に平行に貫通した多孔体の片面に各細孔の開口を塞ぐ成形材料流動層が一体に成形された成形品を射出成形により製造するに当たり、前記成形材料流動層に対応するサブキャビティを有する固定金型と、この固定金型から離間する方向に後退移動することで前記多孔体に対応するメインキャビティを前記固定金型との間に形成する移動金型と、この移動金型を摺動自在に貫通することで先端部が前記メインキャビティ内に臨む相互に平行な成形ピン群とを備えた金型装置を使用し、
    先ず、前記移動金型を前記固定金型側に前進移動させ、前記メインキャビティが形成されていない状態で前記サブキャビティ内に、前記成形ピン群の周囲に望む箇所へ連通するゲートから成形材料を充填し、
    次に、前記移動金型を前記成形材料の充填圧力により前記固定金型から離間する方向に後退移動させつつ、前記移動金型の移動を油圧シリンダの油圧で制御することで前記キャビティ内の成形材料に対し圧力を加えながら、前記メインキャビティ内に前記成形材料を充填し、
    その後、前記移動金型により前記成形材料に前記圧力を加えた状態で前記成形材料を固化させることを特徴とする多孔体の製造方法。
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