JP2003251488A - 溶接方法 - Google Patents

溶接方法

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JP2003251488A
JP2003251488A JP2002056303A JP2002056303A JP2003251488A JP 2003251488 A JP2003251488 A JP 2003251488A JP 2002056303 A JP2002056303 A JP 2002056303A JP 2002056303 A JP2002056303 A JP 2002056303A JP 2003251488 A JP2003251488 A JP 2003251488A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平板上に、溶接断面が長方形等の角柱体を溶
接する方法において、溶接ルート部の疲労強度を低下さ
せずに強固に溶接する。 【解決手段】 一方の長手方向の端部手前から端部を経
由して対向する長手方向の端部手前まで連続して溶接
し、冷却してから他方の長手方向の端部手前から端部を
経由して最初の位置まで溶接した後に、溶接止端部を低
変態温度溶接材料により補強溶接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、平板上
に、溶接断面が長方形等の角柱体を溶接する方法に関す
るものである。更に詳しくは、平板体に溶接断面の縦横
の径が異なる角柱体を溶接した後に、低変態温度溶接材
料を利用して長手方向両端部(溶接止端部)を補強溶接
するのに好適な新しい溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から金属の棒状物の端部を平板体に
溶接することが行われてきているが、平板体に溶接断面
が縦横の長さで異なる角柱体を溶接する場合、熱が均等
に伝わらないことが歪や破壊の原因になっていた。特
に、溶接した後に冷却した際に、溶接部材の収縮が大き
く、歪が生じて溶接部疲労強度の劣化が避けられなかっ
た。このため、溶接疲労強度は溶接ルート部の強度より
常に劣るものとされていた。このような問題点を解決す
るために、この出願の発明者らは、低変態温度溶接材料
を使用する新しい溶接方法を提案した。そして、この方
法は既に特許登録されている(特許第3010211号
公報)。新しい溶接材料を使用するこの特許方法によっ
て、従来からの課題であった溶接疲労強度、すなわち、
溶接部材の溶接強度は大幅に改良されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、溶接部
材として低変態温度溶接材料を使用することによって溶
接疲労強度を向上させることが可能になった。しかしな
がら一方で、低変態温度溶接材料を使用して溶接止端部
を補強溶接した場合、溶接止端部の疲労強度の方が溶接
ルート部の疲労強度より大きくなったため、今度は溶接
ルート部の疲労強度を大きくすることが新たな課題とな
ってきた。
【0004】もちろん、従来の方法においても、特に、
平板体に溶接断面が長方形等の角柱体を溶接する場合に
は、平板体の溶接部近傍の溶接疲労強度は著しく低下し
ていたが、溶接部材と溶接母材の境界部分である溶接止
端部の溶接部疲労強度の方が溶接ルート部の疲労強度よ
り更に小さかったために、溶接ルート部の疲労強度は問
題にならなかった。だが、低変態温度溶接材料を使用し
て溶接止端部を補強溶接することによって、溶接止端部
疲労強度の方が溶接ルート部の疲労強度より大きくなっ
たために溶接ルート部の疲労強度の問題が顕在化するこ
とになった。
【0005】そこで、この出願の発明は、以上のとおり
の問題点を解決し、従来からの各種の溶接材料を用いて
平板体に溶接断面が長方形等の角柱体を溶接する方法に
おいても、溶接ルート部の疲労強度を劣化させることな
く強固な溶接を実現することのできる方法を提供するこ
と、特に、低変態温度溶接材料を使用して溶接止端部を
補強溶接する場合に、溶接ルート部の疲労強度を劣化さ
せることなく、溶接強度の大きな溶接を可能とする新し
い溶接方法を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の課題を解決するためのものとして、第1には、平板上
に、縦横の長さが異なる溶接断面を有する角柱体を溶接
する方法において、一方の長手方向側面部の端部近傍か
ら端部を経由して対向する長手方向側面部を溶接し、次
いで、溶接開始側と反対側の長手方向側面部の端部近傍
から端部を経由して対向する長手方向側面部を溶接する
ことを特徴とする溶接方法を提供し、また、第2には、
一方の長手方向の端部直前の側面部から端部を経由して
対向する端部直前までの反対側の長手方向側面部を溶接
し、冷却してからこの端部直前の長手方向側面部から端
部を経由して溶接開始位置まで溶接することを特徴とす
る溶接方法を提供する。
【0007】そして、この出願の発明は、第3には、上
記いずれかの方法により溶接した後に、長手方向両端部
(溶接止端部)を低変態温度溶接材料により補強溶接す
ることを特徴とする溶接方法を、第4には、この低変態
温度溶接材料は、溶接が完了する温度、もしくは完了付
近温度でマルテンサイド変態膨張が終了するものである
ことを特徴とする溶接方法を提供する。
【0008】さらに、この出願の発明は、第5には、上
記いすれかの方法において、溶接に先立って、溶接断面
の長手方向両端部を仮付けする溶接方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】この出願の発明は、上記のとおり
の特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態につ
いて説明する。
【0010】まず、この出願の発明の溶接方法とこれま
での溶接方法を、平板体からなる主板に溶接断面が長方
形の角柱体からなる付加物を溶接する態様として説明す
る。
【0011】図1は従来の溶接方法の態様を示した図で
ある。図1(a)は付加物(2)の部分を上方から見た
図であり、付加物(2)の主板への仮止め部位(3)を
示している。図1(b)は溶接後の態様を示した側面図
であり、主板(1)、付加物(2)、溶接材料(4)を
示している。図1(c)は平面図である。この平面図に
おいては、付加物の長手方向側面部(5)と、付加物の
端部(6)、そして溶接の方向(7)(8)を示してい
る。この溶接の方向(7)(8)に見られるように、従
来の溶接方法は、まず、溶接方法(7)のように、溶接
断面の片側の長手方向側面部(5A)の大半を溶接し、
これに連続して一方の端部(6A)を溶接し、さらに反
対側の長手方向側面部(5B)の端部(6A)近端部を
溶接する。次いで、同様にして溶接方向(8)の溶接を
行っている。
【0012】これに対して、この出願の第1もしくは第
2の発明を図2に従って説明すると、図2(a)(b)
(c)は各々図1(a)(b)(c)に対応する概略図
である。図2(a)においては、付加物(2)を、その
両端部(6)を主板への仮止め部位(3)としているこ
とが示されている。
【0013】この出願の第1および第2の発明の溶接方
法では、まず、主板(1)上の付加物(2)の長手方向
両端部に温度が低い状態で仮付け(3)を行う。そし
て、図2(C)の溶接方向(7)(8)に示されている
ように、まず、溶接方向(7)に従って、付加物(2)
の端部(6)手前直前から長手方向側面部(5)を経て
対向する端部(6)の手前まで矢印方向(7)で示す方
向に連続して溶接を行う。そして、冷却後、溶接開始端
部と対向する端部(6)の手前から矢印方向(8)で示
すように溶接をする。このように、この出願の発明は、
付加物(2)を溶接するに際し、従来のように付加物
(2)の長手方向側面部(5)大半の溶接から始めるの
でがなく、まず、付加物(2)の端部(6)近傍から始
めて、端部(6)を経由して長手方向側面部まで溶接す
ることによって、溶接母材の熱履歴の影響を最小とし、
溶接ルート部の疲労強度を著しく向上させる。このよう
な作用効果は、溶接材料として低変態温度材料を用い
て、以上の溶接が終了した後に長手方向両端部、つまり
溶接止端部を補強溶接することによって顕著なものとな
る。この場合の低変態温度溶接材料としては、溶接が完
了する温度、もしくは完了付近温度でマルテンサイト変
態膨張が終了するものであることが好ましい。
【0014】この出願の発明は、以上のように角回溶接
の手順方法が従来とは本質的に相違すること、さらに
は、仮止め部位を両端部とすること、溶接材料として低
変態温度材料を用いることを特徴とし、これらによっ
て、溶接ルート部疲労強度を低下させることなく、溶接
疲労強度の向上を図ることを特徴としている。
【0015】以上のとおりのこの出願の発明の溶接方法
は各種の鋼材を対象とする溶接方法として極めて有効で
あり、有用である。
【0016】そこで以下に実施例を示し、さらに詳しく
説明する。
【0017】もちろん、以下の例によって発明が限定さ
れることはない。
【0018】
【実施例】図3は、この発明の溶接方法によって得られ
た溶接構造体の溶接強度「応力範囲」と「繰り返し数」
の関係で調べたものである。対象とした母材と付加物は
ともにその鋼種は、JIS G3102 SM570Q
鋼である。なお、アーク溶接の条件は次のとおりとし
た。
【0019】 シールドガス:80%Ar+20%CO2 その流量 :25l/分 溶接方法 :250A 溶接電圧 :27V 溶接速度 :17cm/分 表中の三角印で示したものは、従来の方法として、JI
S Z3312 YGW23を溶接材料として図1で示
した溶接順序で溶接した場合のものである。また、菱形
印で示したものは、同じ溶接材料により図1で示した従
来の溶接順序で溶接した後に、低変態温度溶接材料(組
成(wt%);C:0.025/Si:0.32/M
n:0.70/Ni:10.00/Cr:10.00/
Mo:0.13/残部Fe)を用いて溶接止端部を補強
溶接した場合のものである。
【0020】そして、丸印で示したものは図2で示した
溶接順序で溶接した後に、上記の低変態温度溶接材料を
使用して溶接止端部を補強溶接した場合のものである。
この図3の結果から次のことが確認される。
【0021】 図1に示した従来法での溶接順序によ
る場合でも、図3中に菱形印で示した低変態温度溶接材
料を使用して溶接止端部を補強溶接した溶接体試験片の
疲労強度向上倍率はこのような補強溶接を行わない場合
に比較して約1.25倍向上しているが、この向上の程
度はあまり大きくない。
【0022】 一方、図3中に丸印で示した、図2の
順序での溶接の後に低変態温度溶接材料を使用して溶接
止端部を補強溶接した溶接体試験片の疲労強度向上倍率
は約2.0倍にもなっており、この発明の効果が示され
ている。
【0023】実際に、溶接後の破壊断面を観察してみる
と、図3に三角印で示した従来の溶接方法による場合、
溶接材料と溶接母材の境界である溶接止端部から疲労亀
裂が成長して破断に至っている。これに対し、溶接材料
として、低変態温度溶接材料を使用して溶接止端部を補
強溶接した場合(図3中の菱形印および丸印)には、い
ずれの場合も溶接止端部からは破壊していない。ただ、
従来と同様の溶接順序で溶接した場合(図3中の菱形
印)には、付加物の長手方向溶接部の中央付近で疲労亀
裂が生じているのに対し、この出願の発明の溶接(図3
中の丸印)では、付加物端部付近で疲労亀裂が生じてい
る。
【0024】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この出願の
発明による場合には、溶接ルート部の疲労強度を低下さ
せることなしに疲労強度を向上させることができ、ま
た、低変態温度溶接材料を使用して溶接止端部を補強溶
接することによりこの向上効果は極めて顕著なものとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来法での溶接手順を示した平面図、側面図で
ある。
【図2】この出願の説明の溶接手順を示した平面図、側
面図である。
【図3】疲労S−N線図を例示した図である。
【符号の説明】
1 主板 2 付加物 3 仮止め部位 4 溶接材料 5 付加物の長手側面部 6 付加物の端部 7 溶接方向 8 溶接方向

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板上に、縦横の長さが異なる溶接断面
    を有する角柱体を溶接する方法において、溶接断面の一
    方の長手方向側面部の端部近傍から端部を経由して対向
    する長手方向側面部を溶接し、次いで、溶接開始側と反
    対側の長手方向側面部の端部近傍から端部を経由して対
    向する長手方向側面部を溶接することを特徴とする溶接
    方法。
  2. 【請求項2】 一方の長手方向の端部直前の側面部から
    端部を経由して対向する端部直前までの反対側の長手方
    向側面部を溶接し、冷却してからこの端部直前の長手方
    向側面部から端部を経由して溶接開始位置まで溶接する
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の方法により溶接した
    後に、長手方向両端部を低変態温度溶接材料により補強
    溶接することを特徴とする溶接方法。
  4. 【請求項4】 溶接が完了する温度、もしくは完了付近
    温度でマルテンサイト変態膨張が終了する溶接材料であ
    ることを特徴とする請求項3に記載の溶接方法。
  5. 【請求項5】 溶接に先立って、溶接断面の長手方向両
    端部を仮付けすることを特徴とする請求項1ないし5の
    いずれかに記載の溶接方法。
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