JP2003250577A - 2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents
2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エステルの製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エス
テルを製造する方法を提供すること。 【解決手段】2−ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸
エステルの製造方法であって、2−オキソシクロアルカ
ンカルボン酸エステルを不斉的に還元して2−ヒドロキ
シシクロアルカンカルボン酸エステルを生成する能力及
び該能力を有する酵素が依存する補酵素を再生する能力
を人為的に付与されてなる形質転換体又はその死菌化細
胞に、2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを
作用させる工程、ならびに生成した2−ヒドロキシシク
ロアルカンカルボン酸エステルを採取する工程を有する
ことを特徴とする製造方法等が提供可能になった。
テルを製造する方法を提供すること。 【解決手段】2−ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸
エステルの製造方法であって、2−オキソシクロアルカ
ンカルボン酸エステルを不斉的に還元して2−ヒドロキ
シシクロアルカンカルボン酸エステルを生成する能力及
び該能力を有する酵素が依存する補酵素を再生する能力
を人為的に付与されてなる形質転換体又はその死菌化細
胞に、2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを
作用させる工程、ならびに生成した2−ヒドロキシシク
ロアルカンカルボン酸エステルを採取する工程を有する
ことを特徴とする製造方法等が提供可能になった。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2‐ヒドロキシシ
クロアルカンカルボン酸エステルの製造方法等に関す
る。
クロアルカンカルボン酸エステルの製造方法等に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】2‐ヒ
ドロキシシクロアルカンカルボン酸エステルは、生理活
性物質(例えば特許番号第2532299号に記載される、血
中脂質低下作用及び抗動脈硬化作用を有する薬剤の活性
成分となる化合物)の中間体として有用な化合物であ
り、その工業的に有利な製造方法の開発が望まれてい
る。
ドロキシシクロアルカンカルボン酸エステルは、生理活
性物質(例えば特許番号第2532299号に記載される、血
中脂質低下作用及び抗動脈硬化作用を有する薬剤の活性
成分となる化合物)の中間体として有用な化合物であ
り、その工業的に有利な製造方法の開発が望まれてい
る。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、2‐ヒド
ロキシシクロアルカンカルボン酸エステルの製造方法を
鋭意検討した結果、2‐オキソシクロアルカンカルボン
酸エステルにある種の生物学的触媒を作用させることに
より2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エステル
を生成させ、これを採取することにより2‐ヒドロキシ
シクロアルカンカルボン酸エステルを製造できることを
見出し、本発明を完成した。
ロキシシクロアルカンカルボン酸エステルの製造方法を
鋭意検討した結果、2‐オキソシクロアルカンカルボン
酸エステルにある種の生物学的触媒を作用させることに
より2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エステル
を生成させ、これを採取することにより2‐ヒドロキシ
シクロアルカンカルボン酸エステルを製造できることを
見出し、本発明を完成した。
【0004】即ち、本発明は、
1.2−ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エステル
の製造方法であって、2−オキソシクロアルカンカルボ
ン酸エステルを不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロ
アルカンカルボン酸エステルを生成する能力及び該能力
を有する酵素が依存する補酵素を再生する能力を人為的
に付与されてなる形質転換体(以下、本形質転換体と記
すこともある。)又はその死菌化細胞に、2−オキソシ
クロアルカンカルボン酸エステルを作用させる工程、な
らびに生成した2−ヒドロキシシクロアルカンカルボン
酸エステルを採取する工程を有することを特徴とする製
造方法(以下、本発明製造方法と記すこともある。); 2.形質転換体が、下記の2つの人為的に付与される能
力を同時に有する酵素のアミノ酸配列をコードする塩基
配列からなるDNAを含有する1つのプラスミド、下記
(i)の人為的に付与される能力を有する酵素のアミノ
酸配列をコードする塩基配列からなるDNA及び下記
(ii)の人為的に付与される能力を有する酵素のアミ
ノ酸配列をコードする塩基配列からなるDNAを同時に
有する1つのプラスミド、あるいは、下記(i)の人為
的に付与される能力を有する酵素のアミノ酸配列をコー
ドする塩基配列からなるDNAを含有するプラスミド及
び下記(ii)の人為的に付与される能力を有する酵素
のアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるDNAを
有するプラスミドからなる2つのプラスミド、が少なく
とも導入されてなる形質転換体であることを特徴とする
前項1記載の製造方法 <人為的に付与される能力> (i)2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを
不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボ
ン酸エステルを生成する能力 (ii)上記(i)の能力を有する酵素が依存する補酵
素を再生する能力; 3.形質転換体が大腸菌であることを特徴とする前項1
記載の製造方法; 4.補酵素が、NADH/NAD+(ニコチンアミドア
デニンジヌクレオチド)もしくはNADPH/NADP
+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)で
あることを特徴とする前項1記載の製造方法; 5.脂肪族アルコールの存在下、形質転換体又はその死
菌化細胞に2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステ
ルを作用させることを特徴とする前項1記載の製造方
法; 6.脂肪族アルコールが200℃以下の沸点を持つアル
コールであることを特徴とする前項5記載の製造方法; 7.脂肪族アルコールが2−プロパノールであることを
特徴とする前項5記載の製造方法; 8.グルコースの存在下、形質転換体又はその死菌化細
胞に2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを作
用させることを特徴とする前項1記載の製造方法; 9.2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを不
斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボン
酸エステルを生成する能力が、下記のアミノ酸配列群の
中から選ばれるアミノ酸配列を有する酵素が持つ能力で
あることを特徴とする前項1記載の製造方法; <アミノ酸配列群> (a)配列番号1又は3で示されるアミノ酸配列 (b)配列番号1又は3で示されるアミノ酸配列におい
て1若しくは複数のアミノ酸配列が欠失、置換若しくは
付加されたアミノ酸配列であって、かつ、2‐オキソシ
クロアルカンカルボン酸エステルを不斉的に還元して2
‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エステルを生成
する能力を有する酵素のアミノ酸配列 (c)配列番号2又は4で示される塩基配列がコードす
るアミノ酸配列 (d)配列番号2又は4で示される塩基配列からなるD
NAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズする
DNAの塩基配列がコードするアミノ酸配列を有し、か
つ、2‐オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを不
斉的に還元して2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン
酸エステルを生成する能力を有する酵素のアミノ酸配列 (e)コリネバクテリウム属又はペニシリウム属に属す
る微生物由来の、2‐オキソシクロアルカンカルボン酸
エステルを不斉的に還元して2‐ヒドロキシシクロアル
カンカルボン酸エステルを生成する能力を有する酵素の
アミノ酸配列 10.2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを
不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボ
ン酸エステルを生成する能力が、下記のアミノ酸配列群
の中から選ばれるアミノ酸配列を有する酵素が持つ能力
であることを特徴とする請求項1記載の製造方法 <アミノ酸配列群> (a)配列番号1で示されるアミノ酸配列 (b)配列番号1で示されるアミノ酸配列において1若
しくは複数のアミノ酸配列が欠失、置換若しくは付加さ
れたアミノ酸配列であって、かつ、2‐オキソシクロア
ルカンカルボン酸エステルを不斉的に還元して2‐ヒド
ロキシシクロアルカンカルボン酸エステルを生成する能
力を有する酵素のアミノ酸配列 (c)配列番号2で示される塩基配列がコードするアミ
ノ酸配列 (d)配列番号2で示される塩基配列からなるDNAと
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
の塩基配列がコードするアミノ酸配列を有し、かつ、2
‐オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを不斉的に
還元して2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エス
テルを生成する能力を有する酵素のアミノ酸配列 (e)コリネバクテリウム属に属する微生物由来の、2
‐オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを不斉的に
還元して2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エス
テルを生成する能力を有する酵素のアミノ酸配列; 11.2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを
不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボ
ン酸エステルを生成する能力が、下記のアミノ酸配列群
の中から選ばれるアミノ酸配列を有する酵素が持つ能力
であることを特徴とする請求項1記載の製造方法 <アミノ酸配列群> (a)配列番号3で示されるアミノ酸配列 (b)配列番号3で示されるアミノ酸配列において1若
しくは複数のアミノ酸配列が欠失、置換若しくは付加さ
れたアミノ酸配列であって、かつ、2‐オキソシクロア
ルカンカルボン酸エステルを不斉的に還元して2‐ヒド
ロキシシクロアルカンカルボン酸エステルを生成する能
力を有する酵素のアミノ酸配列 (c)配列番号4で示される塩基配列がコードするアミ
ノ酸配列 (d)配列番号4で示される塩基配列からなるDNAと
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
の塩基配列がコードするアミノ酸配列を有し、かつ、2
‐オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを不斉的に
還元して2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エス
テルを生成する能力を有する酵素のアミノ酸配列 (e)ペニシリウム属に属する微生物由来の、2‐オキ
ソシクロアルカンカルボン酸エステルを不斉的に還元し
て2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エステルを
生成する能力を有する酵素のアミノ酸配列; 12.2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを
不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボ
ン酸エステルを生成する能力が、配列番号1で示される
アミノ酸配列を有する酵素が持つ能力であることを特徴
とする前項1記載の製造方法; 13.2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを
不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボ
ン酸エステルを生成する能力が、配列番号3で示される
アミノ酸配列を有する酵素が持つ能力であることを特徴
とする前項1記載の製造方法; 14.2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを
不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボ
ン酸エステルを生成する能力が、配列番号2で示される
塩基配列がコードするアミノ酸配列を有する酵素が持つ
能力であることを特徴とする前項1記載の製造方法; 15.2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを
不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボ
ン酸エステルを生成する能力が、配列番号4で示される
塩基配列がコードするアミノ酸配列を有する酵素が持つ
能力であることを特徴とする前項1記載の製造方法; 16.2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを
不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボ
ン酸エステルを生成させるための触媒としての、2−オ
キソシクロアルカンカルボン酸エステルを不斉的に還元
して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エステル
を生成する能力及び該能力を有する酵素が依存する補酵
素を再生する能力を人為的に付与されてなる形質転換体
又はその死菌化細胞の使用;等を提供するものである。
の製造方法であって、2−オキソシクロアルカンカルボ
ン酸エステルを不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロ
アルカンカルボン酸エステルを生成する能力及び該能力
を有する酵素が依存する補酵素を再生する能力を人為的
に付与されてなる形質転換体(以下、本形質転換体と記
すこともある。)又はその死菌化細胞に、2−オキソシ
クロアルカンカルボン酸エステルを作用させる工程、な
らびに生成した2−ヒドロキシシクロアルカンカルボン
酸エステルを採取する工程を有することを特徴とする製
造方法(以下、本発明製造方法と記すこともある。); 2.形質転換体が、下記の2つの人為的に付与される能
力を同時に有する酵素のアミノ酸配列をコードする塩基
配列からなるDNAを含有する1つのプラスミド、下記
(i)の人為的に付与される能力を有する酵素のアミノ
酸配列をコードする塩基配列からなるDNA及び下記
(ii)の人為的に付与される能力を有する酵素のアミ
ノ酸配列をコードする塩基配列からなるDNAを同時に
有する1つのプラスミド、あるいは、下記(i)の人為
的に付与される能力を有する酵素のアミノ酸配列をコー
ドする塩基配列からなるDNAを含有するプラスミド及
び下記(ii)の人為的に付与される能力を有する酵素
のアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるDNAを
有するプラスミドからなる2つのプラスミド、が少なく
とも導入されてなる形質転換体であることを特徴とする
前項1記載の製造方法 <人為的に付与される能力> (i)2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを
不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボ
ン酸エステルを生成する能力 (ii)上記(i)の能力を有する酵素が依存する補酵
素を再生する能力; 3.形質転換体が大腸菌であることを特徴とする前項1
記載の製造方法; 4.補酵素が、NADH/NAD+(ニコチンアミドア
デニンジヌクレオチド)もしくはNADPH/NADP
+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)で
あることを特徴とする前項1記載の製造方法; 5.脂肪族アルコールの存在下、形質転換体又はその死
菌化細胞に2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステ
ルを作用させることを特徴とする前項1記載の製造方
法; 6.脂肪族アルコールが200℃以下の沸点を持つアル
コールであることを特徴とする前項5記載の製造方法; 7.脂肪族アルコールが2−プロパノールであることを
特徴とする前項5記載の製造方法; 8.グルコースの存在下、形質転換体又はその死菌化細
胞に2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを作
用させることを特徴とする前項1記載の製造方法; 9.2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを不
斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボン
酸エステルを生成する能力が、下記のアミノ酸配列群の
中から選ばれるアミノ酸配列を有する酵素が持つ能力で
あることを特徴とする前項1記載の製造方法; <アミノ酸配列群> (a)配列番号1又は3で示されるアミノ酸配列 (b)配列番号1又は3で示されるアミノ酸配列におい
て1若しくは複数のアミノ酸配列が欠失、置換若しくは
付加されたアミノ酸配列であって、かつ、2‐オキソシ
クロアルカンカルボン酸エステルを不斉的に還元して2
‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エステルを生成
する能力を有する酵素のアミノ酸配列 (c)配列番号2又は4で示される塩基配列がコードす
るアミノ酸配列 (d)配列番号2又は4で示される塩基配列からなるD
NAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズする
DNAの塩基配列がコードするアミノ酸配列を有し、か
つ、2‐オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを不
斉的に還元して2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン
酸エステルを生成する能力を有する酵素のアミノ酸配列 (e)コリネバクテリウム属又はペニシリウム属に属す
る微生物由来の、2‐オキソシクロアルカンカルボン酸
エステルを不斉的に還元して2‐ヒドロキシシクロアル
カンカルボン酸エステルを生成する能力を有する酵素の
アミノ酸配列 10.2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを
不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボ
ン酸エステルを生成する能力が、下記のアミノ酸配列群
の中から選ばれるアミノ酸配列を有する酵素が持つ能力
であることを特徴とする請求項1記載の製造方法 <アミノ酸配列群> (a)配列番号1で示されるアミノ酸配列 (b)配列番号1で示されるアミノ酸配列において1若
しくは複数のアミノ酸配列が欠失、置換若しくは付加さ
れたアミノ酸配列であって、かつ、2‐オキソシクロア
ルカンカルボン酸エステルを不斉的に還元して2‐ヒド
ロキシシクロアルカンカルボン酸エステルを生成する能
力を有する酵素のアミノ酸配列 (c)配列番号2で示される塩基配列がコードするアミ
ノ酸配列 (d)配列番号2で示される塩基配列からなるDNAと
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
の塩基配列がコードするアミノ酸配列を有し、かつ、2
‐オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを不斉的に
還元して2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エス
テルを生成する能力を有する酵素のアミノ酸配列 (e)コリネバクテリウム属に属する微生物由来の、2
‐オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを不斉的に
還元して2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エス
テルを生成する能力を有する酵素のアミノ酸配列; 11.2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを
不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボ
ン酸エステルを生成する能力が、下記のアミノ酸配列群
の中から選ばれるアミノ酸配列を有する酵素が持つ能力
であることを特徴とする請求項1記載の製造方法 <アミノ酸配列群> (a)配列番号3で示されるアミノ酸配列 (b)配列番号3で示されるアミノ酸配列において1若
しくは複数のアミノ酸配列が欠失、置換若しくは付加さ
れたアミノ酸配列であって、かつ、2‐オキソシクロア
ルカンカルボン酸エステルを不斉的に還元して2‐ヒド
ロキシシクロアルカンカルボン酸エステルを生成する能
力を有する酵素のアミノ酸配列 (c)配列番号4で示される塩基配列がコードするアミ
ノ酸配列 (d)配列番号4で示される塩基配列からなるDNAと
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
の塩基配列がコードするアミノ酸配列を有し、かつ、2
‐オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを不斉的に
還元して2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エス
テルを生成する能力を有する酵素のアミノ酸配列 (e)ペニシリウム属に属する微生物由来の、2‐オキ
ソシクロアルカンカルボン酸エステルを不斉的に還元し
て2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エステルを
生成する能力を有する酵素のアミノ酸配列; 12.2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを
不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボ
ン酸エステルを生成する能力が、配列番号1で示される
アミノ酸配列を有する酵素が持つ能力であることを特徴
とする前項1記載の製造方法; 13.2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを
不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボ
ン酸エステルを生成する能力が、配列番号3で示される
アミノ酸配列を有する酵素が持つ能力であることを特徴
とする前項1記載の製造方法; 14.2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを
不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボ
ン酸エステルを生成する能力が、配列番号2で示される
塩基配列がコードするアミノ酸配列を有する酵素が持つ
能力であることを特徴とする前項1記載の製造方法; 15.2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを
不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボ
ン酸エステルを生成する能力が、配列番号4で示される
塩基配列がコードするアミノ酸配列を有する酵素が持つ
能力であることを特徴とする前項1記載の製造方法; 16.2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを
不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボ
ン酸エステルを生成させるための触媒としての、2−オ
キソシクロアルカンカルボン酸エステルを不斉的に還元
して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エステル
を生成する能力及び該能力を有する酵素が依存する補酵
素を再生する能力を人為的に付与されてなる形質転換体
又はその死菌化細胞の使用;等を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
2‐オキソシクロアルカンカルボン酸エステルとは、2
‐オキソシクロアルカンカルボン酸部分の炭素原子数が
5〜8である2‐オキソシクロアルカンカルボン酸エス
テル化合物又はその塩を意味する。さらに、例えば、一
般式(1)
2‐オキソシクロアルカンカルボン酸エステルとは、2
‐オキソシクロアルカンカルボン酸部分の炭素原子数が
5〜8である2‐オキソシクロアルカンカルボン酸エス
テル化合物又はその塩を意味する。さらに、例えば、一
般式(1)
【化1】
(式中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基、n=0〜
2)で示される2‐オキソシクロアルカンカルボン酸エ
ステル等又はその塩をあげることができる。2‐ヒドロ
キシシクロアルカンカルボン酸エステルとは、前記の2
‐オキソシクロアルカンカルボン酸エステルのケトン部
分を還元して得られるヒドロキシ体又はその塩である。
具体的には、本発明製造方法において原料化合物として
一般式(1)で示される2‐オキソシクロアルカンカル
ボン酸エステルを用いる場合には、これに対応するヒド
ロキシ体である 一般式(2)
2)で示される2‐オキソシクロアルカンカルボン酸エ
ステル等又はその塩をあげることができる。2‐ヒドロ
キシシクロアルカンカルボン酸エステルとは、前記の2
‐オキソシクロアルカンカルボン酸エステルのケトン部
分を還元して得られるヒドロキシ体又はその塩である。
具体的には、本発明製造方法において原料化合物として
一般式(1)で示される2‐オキソシクロアルカンカル
ボン酸エステルを用いる場合には、これに対応するヒド
ロキシ体である 一般式(2)
【化2】
(式中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基、n=0〜
2)で示される2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン
酸エステルが製造される。
2)で示される2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン
酸エステルが製造される。
【0006】本発明製造方法で用いられる形質転換体
は、2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを不
斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボン
酸エステルを生成する能力及び該能力を有する酵素が依
存する補酵素を再生する能力を人為的に付与されてなる
形質転換体である。このような形質転換体としては、例
えば、下記の2つの人為的に付与される能力を同時に有
する酵素のアミノ酸配列をコードする塩基配列からなる
DNAを含有する1つのプラスミド、下記(i)の人為
的に付与される能力を有する酵素のアミノ酸配列をコー
ドする塩基配列からなるDNA及び下記(ii)の人為
的に付与される能力を有する酵素のアミノ酸配列をコー
ドする塩基配列からなるDNAを同時に有する1つのプ
ラスミド、あるいは、下記(i)の人為的に付与される
能力を有する酵素のアミノ酸配列をコードする塩基配列
からなるDNAを含有するプラスミド及び下記(ii)
の人為的に付与される能力を有する酵素のアミノ酸配列
をコードする塩基配列からなるDNAを有するプラスミ
ドからなる2つのプラスミド、が少なくとも導入されて
なる形質転換体等をあげることができる。 <人為的に付与される能力> (i)2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを
不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボ
ン酸エステルを生成する能力 (ii)上記(i)の能力を有する酵素が依存する補酵
素を再生する能力
は、2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを不
斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボン
酸エステルを生成する能力及び該能力を有する酵素が依
存する補酵素を再生する能力を人為的に付与されてなる
形質転換体である。このような形質転換体としては、例
えば、下記の2つの人為的に付与される能力を同時に有
する酵素のアミノ酸配列をコードする塩基配列からなる
DNAを含有する1つのプラスミド、下記(i)の人為
的に付与される能力を有する酵素のアミノ酸配列をコー
ドする塩基配列からなるDNA及び下記(ii)の人為
的に付与される能力を有する酵素のアミノ酸配列をコー
ドする塩基配列からなるDNAを同時に有する1つのプ
ラスミド、あるいは、下記(i)の人為的に付与される
能力を有する酵素のアミノ酸配列をコードする塩基配列
からなるDNAを含有するプラスミド及び下記(ii)
の人為的に付与される能力を有する酵素のアミノ酸配列
をコードする塩基配列からなるDNAを有するプラスミ
ドからなる2つのプラスミド、が少なくとも導入されて
なる形質転換体等をあげることができる。 <人為的に付与される能力> (i)2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを
不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボ
ン酸エステルを生成する能力 (ii)上記(i)の能力を有する酵素が依存する補酵
素を再生する能力
【0007】このような形質転換体は、通常、(1)2
−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを不斉的に
還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エス
テルを生成する能力及び当該能力を有する酵素が依存す
る補酵素を再生する能力の2つの人為的に付与される能
力を同時に有する酵素、や(2)2−オキソシクロアル
カンカルボン酸エステルを不斉的に還元して2−ヒドロ
キシシクロアルカンカルボン酸エステルを生成する能力
を有する酵素及び当該酵素が依存する補酵素を再生する
能力を有する酵素の2種類の酵素、を含有している。
(以下、前記(1)及び(2)の酵素を総じて本酵素と
記すこともある。)。
−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを不斉的に
還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エス
テルを生成する能力及び当該能力を有する酵素が依存す
る補酵素を再生する能力の2つの人為的に付与される能
力を同時に有する酵素、や(2)2−オキソシクロアル
カンカルボン酸エステルを不斉的に還元して2−ヒドロ
キシシクロアルカンカルボン酸エステルを生成する能力
を有する酵素及び当該酵素が依存する補酵素を再生する
能力を有する酵素の2種類の酵素、を含有している。
(以下、前記(1)及び(2)の酵素を総じて本酵素と
記すこともある。)。
【0008】また、「2−オキソシクロアルカンカルボ
ン酸エステルを不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロ
アルカンカルボン酸エステルを生成する能力」の具体的
な例としては、例えば、下記のアミノ酸配列群の中から
選ばれるアミノ酸配列を有する酵素が持つ能力をあげる
ことができる。 <アミノ酸配列群> (a1)配列番号1で示されるアミノ酸配列 (a2)配列番号3で示されるアミノ酸配列 (b1)配列番号1で示されるアミノ酸配列において1
若しくは複数のアミノ酸配列が欠失、置換若しくは付加
されたアミノ酸配列であって、かつ、2‐オキソシクロ
アルカンカルボン酸エステルを不斉的に還元して2‐ヒ
ドロキシシクロアルカンカルボン酸エステルを生成する
能力を有する酵素のアミノ酸配列 (b2)配列番号3で示されるアミノ酸配列において1
若しくは複数のアミノ酸配列が欠失、置換若しくは付加
されたアミノ酸配列であって、かつ、2‐オキソシクロ
アルカンカルボン酸エステルを不斉的に還元して2‐ヒ
ドロキシシクロアルカンカルボン酸エステルを生成する
能力を有する酵素のアミノ酸配列 (c1)配列番号2で示される塩基配列がコードするア
ミノ酸配列 (c2)配列番号4で示される塩基配列がコードするア
ミノ酸配列 (d1)配列番号2で示される塩基配列からなるDNA
とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDN
Aの塩基配列がコードするアミノ酸配列を有し、かつ、
2‐オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを不斉的
に還元して2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エ
ステルを生成する能力を有する酵素のアミノ酸配列 (d2)配列番号4で示される塩基配列からなるDNA
とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDN
Aの塩基配列がコードするアミノ酸配列を有し、かつ、
2‐オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを不斉的
に還元して2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エ
ステルを生成する能力を有する酵素のアミノ酸配列 (e1)コリネバクテリウム属に属する微生物由来の、
2‐オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを不斉的
に還元して2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エ
ステルを生成する能力を有する酵素のアミノ酸配列 (e2)ペニシリウム属に属する微生物由来の、2‐オ
キソシクロアルカンカルボン酸エステルを不斉的に還元
して2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エステル
を生成する能力を有する酵素のアミノ酸配列
ン酸エステルを不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロ
アルカンカルボン酸エステルを生成する能力」の具体的
な例としては、例えば、下記のアミノ酸配列群の中から
選ばれるアミノ酸配列を有する酵素が持つ能力をあげる
ことができる。 <アミノ酸配列群> (a1)配列番号1で示されるアミノ酸配列 (a2)配列番号3で示されるアミノ酸配列 (b1)配列番号1で示されるアミノ酸配列において1
若しくは複数のアミノ酸配列が欠失、置換若しくは付加
されたアミノ酸配列であって、かつ、2‐オキソシクロ
アルカンカルボン酸エステルを不斉的に還元して2‐ヒ
ドロキシシクロアルカンカルボン酸エステルを生成する
能力を有する酵素のアミノ酸配列 (b2)配列番号3で示されるアミノ酸配列において1
若しくは複数のアミノ酸配列が欠失、置換若しくは付加
されたアミノ酸配列であって、かつ、2‐オキソシクロ
アルカンカルボン酸エステルを不斉的に還元して2‐ヒ
ドロキシシクロアルカンカルボン酸エステルを生成する
能力を有する酵素のアミノ酸配列 (c1)配列番号2で示される塩基配列がコードするア
ミノ酸配列 (c2)配列番号4で示される塩基配列がコードするア
ミノ酸配列 (d1)配列番号2で示される塩基配列からなるDNA
とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDN
Aの塩基配列がコードするアミノ酸配列を有し、かつ、
2‐オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを不斉的
に還元して2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エ
ステルを生成する能力を有する酵素のアミノ酸配列 (d2)配列番号4で示される塩基配列からなるDNA
とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDN
Aの塩基配列がコードするアミノ酸配列を有し、かつ、
2‐オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを不斉的
に還元して2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エ
ステルを生成する能力を有する酵素のアミノ酸配列 (e1)コリネバクテリウム属に属する微生物由来の、
2‐オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを不斉的
に還元して2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エ
ステルを生成する能力を有する酵素のアミノ酸配列 (e2)ペニシリウム属に属する微生物由来の、2‐オ
キソシクロアルカンカルボン酸エステルを不斉的に還元
して2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エステル
を生成する能力を有する酵素のアミノ酸配列
【0009】本形質転換体は、遺伝子工学的な手法を用
いて作製すればよい。尚、このような形質転換体を作製
する際に用いられる、2−オキソシクロアルカンカルボ
ン酸エステルを不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロ
アルカンカルボン酸エステルを生成する能力を少なくと
も有する酵素(以下、本還元酵素と記すこともある。)
のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子
(以下、本還元酵素遺伝子と記すこともある。)は、
(1)天然に存在する遺伝子の中からクローニングされ
たものであってもよいし、(2)天然に存在する遺伝子
であっても、このクローニングされた遺伝子の塩基配列
において、その一部の塩基の欠失、置換又は付加が人為
的に導入されてなる遺伝子(即ち、天然に存在する遺伝
子を変異処理(部分変異導入法、突然変異処理等)を行
ったものであってもよいし、(3)人為的に合成された
ものであってもよい。
いて作製すればよい。尚、このような形質転換体を作製
する際に用いられる、2−オキソシクロアルカンカルボ
ン酸エステルを不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロ
アルカンカルボン酸エステルを生成する能力を少なくと
も有する酵素(以下、本還元酵素と記すこともある。)
のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子
(以下、本還元酵素遺伝子と記すこともある。)は、
(1)天然に存在する遺伝子の中からクローニングされ
たものであってもよいし、(2)天然に存在する遺伝子
であっても、このクローニングされた遺伝子の塩基配列
において、その一部の塩基の欠失、置換又は付加が人為
的に導入されてなる遺伝子(即ち、天然に存在する遺伝
子を変異処理(部分変異導入法、突然変異処理等)を行
ったものであってもよいし、(3)人為的に合成された
ものであってもよい。
【0010】ここで、前記(b)、(b1)又は(b
2)にある「アミノ酸が欠失、置換若しくは付加された
アミノ酸配列」や前記(d)、(d1)又は(d2)に
ある「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする
DNAの塩基配列がコードするアミノ酸配列」には、例
えば、配列番号1又は3で示されるアミノ酸配列を有す
る酵素が細胞内で受けるプロセシング、該酵素が由来す
る生物の種差、個体差、組織間の差異等により天然に生
じる変異や、人為的なアミノ酸の変異等が含まれる。前
記(b)、(b1)又は(b2)にある「(アミノ酸
が)欠失、置換若しくは付加(された)」(以下、総じ
てアミノ酸の改変と記すこともある。)を人為的に行う
場合の手法としては、例えば、配列番号1又は3で示さ
れるアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するDNA
に対して慣用の部位特異的変異導入を施し、その後この
DNAを常法により発現させる手法が挙げられる。ここ
で部位特異的変異導入法としては、例えば、アンバー変
異を利用する方法(ギャップド・デュプレックス法、Nu
cleic Acids Res.,12,9441-9456(1984))、変異導入用
プライマーを用いたPCRによる方法等が挙げられる。
前記で改変されるアミノ酸の数については、少なくとも
1残基、具体的には1若しくは数個、又はそれ以上であ
る。かかる改変の数は、2‐オキソシクロアルカンカル
ボン酸エステルを2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボ
ン酸エステルに還元する能力を見出すことのできる範囲
であればよい。また前記欠失、置換若しくは付加のう
ち、特にアミノ酸の置換に係る改変が好ましい。当該置
換は、疎水性、電荷、pK、立体構造上における特徴等
の類似した性質を有するアミノ酸への置換がより好まし
い。このような置換としては、例えば、グリシン、ア
ラニン;バリン、イソロイシン、ロイシン;アスパ
ラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン;
セリン、スレオニン;リジン、アルギニン;フェ
ニルアラニン、チロシンのグループ内での置換が挙げら
れる。
2)にある「アミノ酸が欠失、置換若しくは付加された
アミノ酸配列」や前記(d)、(d1)又は(d2)に
ある「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする
DNAの塩基配列がコードするアミノ酸配列」には、例
えば、配列番号1又は3で示されるアミノ酸配列を有す
る酵素が細胞内で受けるプロセシング、該酵素が由来す
る生物の種差、個体差、組織間の差異等により天然に生
じる変異や、人為的なアミノ酸の変異等が含まれる。前
記(b)、(b1)又は(b2)にある「(アミノ酸
が)欠失、置換若しくは付加(された)」(以下、総じ
てアミノ酸の改変と記すこともある。)を人為的に行う
場合の手法としては、例えば、配列番号1又は3で示さ
れるアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するDNA
に対して慣用の部位特異的変異導入を施し、その後この
DNAを常法により発現させる手法が挙げられる。ここ
で部位特異的変異導入法としては、例えば、アンバー変
異を利用する方法(ギャップド・デュプレックス法、Nu
cleic Acids Res.,12,9441-9456(1984))、変異導入用
プライマーを用いたPCRによる方法等が挙げられる。
前記で改変されるアミノ酸の数については、少なくとも
1残基、具体的には1若しくは数個、又はそれ以上であ
る。かかる改変の数は、2‐オキソシクロアルカンカル
ボン酸エステルを2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボ
ン酸エステルに還元する能力を見出すことのできる範囲
であればよい。また前記欠失、置換若しくは付加のう
ち、特にアミノ酸の置換に係る改変が好ましい。当該置
換は、疎水性、電荷、pK、立体構造上における特徴等
の類似した性質を有するアミノ酸への置換がより好まし
い。このような置換としては、例えば、グリシン、ア
ラニン;バリン、イソロイシン、ロイシン;アスパ
ラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン;
セリン、スレオニン;リジン、アルギニン;フェ
ニルアラニン、チロシンのグループ内での置換が挙げら
れる。
【0011】本発明において「(アミノ酸が)欠失、置
換若しくは付加(された)」には、例えば、2つの蛋白
質間のアミノ酸配列に関する高い配列同一性(具体的に
は、80%以上の配列同一性、好ましくは90%以上、
より好ましくは95%以上の配列同一性)が存在してい
る必要がある。また「ストリンジェントな条件下でハイ
ブリダイズする」には2つのDNA間の塩基配列に関す
る配列同一性(具体的には、80%以上の配列同一性、
好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の配
列同一性)が存在している必要がある。ここで「配列同
一性」とは、2つのDNA又は2つの蛋白質間の配列の
同一性及び相同性をいう。前記「配列同一性」は、比較
対象の配列の領域にわたって、最適な状態にアラインメ
ントされた2つの配列を比較することにより決定され
る。ここで、比較対象のDNA又は蛋白質は、2つの配
列の最適なアラインメントにおいて、付加又は欠失(例
えばギャップ等)を有していてもよい。このような配列
同一性に関しては、例えば、Vector NTIを用いて、Clus
talWアルゴリズム(Nucleic Acid Res.,22(22):4673-468
0(1994)を利用してアラインメントを作成することによ
り算出することができる。尚、配列同一性は、配列解析
ソフト、具体的にはVector NTI、GENETYX-MACや公共の
データベースで提供される解析ツールを用いて測定され
る。前記公共データベースは、例えば、ホームページア
ドレスhttp://www.ddbj.nig.ac.jpにおいて、一般的に
利用可能である。前記(d)、(d1)又は(d2)に
ある「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
る」に関して、ここで使用されるハイブリダイゼーショ
ンは、例えば、Sambrook J., Frisch E. F., Maniatis
T.著、モレキュラークローニング第2版(Molecular Cl
oning 2nd edition)、コールド スプリング ハーバ
ーラボラトリー発行(Cold Spring Harbor Laboratory
press)に記載される方法や、「クローニングとシーク
エンス」(渡辺格監修、杉浦昌弘編集、1989年、農
村文化社発行)に記載されているサザンハイブリダイゼ
ーション法等の通常の方法に準じて行うことができる。
また「ストリンジェントな条件下」とは、例えば、6×
SSC(900mM NaCl、90mM クエン酸三
ナトリウムを含む溶液。尚ここでは、NaCl175.3g、
クエン酸三ナトリウム88.2gを含む溶液を水800ml
で溶解し、10N NaClでpHを調製した後、全量を1000 ml
とした溶液を20×SSCとする。)中で65℃にてハ
イブリッドを形成させた後、2×SSCで50℃にて洗
浄するような条件(Molecular Biology, John Wiley &S
ons, N. Y. (1989), 6.3.1-6.3.6)等を挙げることがで
きる。洗浄ステップにおける塩濃度は、例えば、2×S
SCで50℃の条件(低ストリンジェンシーな条件)か
ら0.1×SSCで65℃までの条件(高ストリンジェ
ンシーな条件)から選択することができる。洗浄ステッ
プにおける温度は、例えば、室温(低ストリンジェンシ
ーな条件)から65℃(高ストリンジェンシーな条件)
から選択することができる。また、塩濃度と温度の両方
を変えることもできる。
換若しくは付加(された)」には、例えば、2つの蛋白
質間のアミノ酸配列に関する高い配列同一性(具体的に
は、80%以上の配列同一性、好ましくは90%以上、
より好ましくは95%以上の配列同一性)が存在してい
る必要がある。また「ストリンジェントな条件下でハイ
ブリダイズする」には2つのDNA間の塩基配列に関す
る配列同一性(具体的には、80%以上の配列同一性、
好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の配
列同一性)が存在している必要がある。ここで「配列同
一性」とは、2つのDNA又は2つの蛋白質間の配列の
同一性及び相同性をいう。前記「配列同一性」は、比較
対象の配列の領域にわたって、最適な状態にアラインメ
ントされた2つの配列を比較することにより決定され
る。ここで、比較対象のDNA又は蛋白質は、2つの配
列の最適なアラインメントにおいて、付加又は欠失(例
えばギャップ等)を有していてもよい。このような配列
同一性に関しては、例えば、Vector NTIを用いて、Clus
talWアルゴリズム(Nucleic Acid Res.,22(22):4673-468
0(1994)を利用してアラインメントを作成することによ
り算出することができる。尚、配列同一性は、配列解析
ソフト、具体的にはVector NTI、GENETYX-MACや公共の
データベースで提供される解析ツールを用いて測定され
る。前記公共データベースは、例えば、ホームページア
ドレスhttp://www.ddbj.nig.ac.jpにおいて、一般的に
利用可能である。前記(d)、(d1)又は(d2)に
ある「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
る」に関して、ここで使用されるハイブリダイゼーショ
ンは、例えば、Sambrook J., Frisch E. F., Maniatis
T.著、モレキュラークローニング第2版(Molecular Cl
oning 2nd edition)、コールド スプリング ハーバ
ーラボラトリー発行(Cold Spring Harbor Laboratory
press)に記載される方法や、「クローニングとシーク
エンス」(渡辺格監修、杉浦昌弘編集、1989年、農
村文化社発行)に記載されているサザンハイブリダイゼ
ーション法等の通常の方法に準じて行うことができる。
また「ストリンジェントな条件下」とは、例えば、6×
SSC(900mM NaCl、90mM クエン酸三
ナトリウムを含む溶液。尚ここでは、NaCl175.3g、
クエン酸三ナトリウム88.2gを含む溶液を水800ml
で溶解し、10N NaClでpHを調製した後、全量を1000 ml
とした溶液を20×SSCとする。)中で65℃にてハ
イブリッドを形成させた後、2×SSCで50℃にて洗
浄するような条件(Molecular Biology, John Wiley &S
ons, N. Y. (1989), 6.3.1-6.3.6)等を挙げることがで
きる。洗浄ステップにおける塩濃度は、例えば、2×S
SCで50℃の条件(低ストリンジェンシーな条件)か
ら0.1×SSCで65℃までの条件(高ストリンジェ
ンシーな条件)から選択することができる。洗浄ステッ
プにおける温度は、例えば、室温(低ストリンジェンシ
ーな条件)から65℃(高ストリンジェンシーな条件)
から選択することができる。また、塩濃度と温度の両方
を変えることもできる。
【0012】本還元酵素遺伝子は、例えば、下記のよう
な調製方法に準じて調製すればよい。コリネバクテリウ
ム・シュードジフテリティカム(Corynebacterium pseu
dodiphteriticum)等のコリネバクテリウム属に属する
微生物等から通常の遺伝子工学的手法に準じて染色体D
NAを調製し、調製された染色体DNAを鋳型として、
かつ適切なプライマーを用いてPCRを行うことによ
り、配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩
基配列からなるDNA、配列番号1で示されるアミノ酸
配列において1若しくは複数のアミノ酸が欠失、置換若
しくは付加されたアミノ酸配列をコードする塩基配列か
らなるDNA、配列番号2で示される塩基配列を有する
DNA等を増幅して本還元酵素遺伝子を調製する。ここ
でコリネバクテリウム・シュードジフテリティカム由来
の染色体DNAを鋳型として、かつ配列番号5に示され
る塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号6に
示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプラ
イマーに用いてPCRを行う場合には、配列番号2で示
される塩基配列からなるDNAを増幅して本還元酵素遺
伝子を調製することになる。当該PCRの条件として
は、例えば、4種類のdNTPを各々20μM、2種類
のオリゴヌクレオチドプライマーを各々15pmol、
Taqpolymeraseを1.3U及び鋳型となる
cDNAライブラリーを混合した反応液を97℃(2分
間)に加熱した後、97℃(0.25分間)‐50℃
(0.5分間)‐72℃(1.5分間)のサイクルを10
回、次いで97℃(0.25分間)‐55℃(0.5分間)
‐72℃(2.5分間)のサイクルを20回行い、さらに
72℃で7分間保持する条件が挙げられる。尚、当該P
CRに用いるプライマーの5’末端側には、制限酵素認
識配列等を付加していてもよい。上記のようにして増幅
されたDNAを、Sambrook J., Frisch E. F., Maniati
s T.著「Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd
edition」(1989), Cold Spring Harbor Laboratory
Press、「Current Protocols in Molecular Biology」
(1987), John Wiley & Sons, Inc. ISBNO-471-50338-X
等に記載されている方法に準じてベクターにクローニン
グして組換ベクターを得ることができる。用いられるベ
クターとしては、具体的には、例えば、pUC119(宝酒造
社製)、pTV118N(宝酒造社製)、pBluescriptII (東
洋紡社製)、pCR2.1-TOPO(Invitrogen社製)、pTrc99
A(Pharmacia社製)、pKK223-3(Pharmacia社製)等が
挙げられる。このようにしてベクターに組み込んだ形態
で本還元酵素遺伝子を調製すれば、後の遺伝子工学的手
法における使用において便利である。
な調製方法に準じて調製すればよい。コリネバクテリウ
ム・シュードジフテリティカム(Corynebacterium pseu
dodiphteriticum)等のコリネバクテリウム属に属する
微生物等から通常の遺伝子工学的手法に準じて染色体D
NAを調製し、調製された染色体DNAを鋳型として、
かつ適切なプライマーを用いてPCRを行うことによ
り、配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩
基配列からなるDNA、配列番号1で示されるアミノ酸
配列において1若しくは複数のアミノ酸が欠失、置換若
しくは付加されたアミノ酸配列をコードする塩基配列か
らなるDNA、配列番号2で示される塩基配列を有する
DNA等を増幅して本還元酵素遺伝子を調製する。ここ
でコリネバクテリウム・シュードジフテリティカム由来
の染色体DNAを鋳型として、かつ配列番号5に示され
る塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号6に
示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプラ
イマーに用いてPCRを行う場合には、配列番号2で示
される塩基配列からなるDNAを増幅して本還元酵素遺
伝子を調製することになる。当該PCRの条件として
は、例えば、4種類のdNTPを各々20μM、2種類
のオリゴヌクレオチドプライマーを各々15pmol、
Taqpolymeraseを1.3U及び鋳型となる
cDNAライブラリーを混合した反応液を97℃(2分
間)に加熱した後、97℃(0.25分間)‐50℃
(0.5分間)‐72℃(1.5分間)のサイクルを10
回、次いで97℃(0.25分間)‐55℃(0.5分間)
‐72℃(2.5分間)のサイクルを20回行い、さらに
72℃で7分間保持する条件が挙げられる。尚、当該P
CRに用いるプライマーの5’末端側には、制限酵素認
識配列等を付加していてもよい。上記のようにして増幅
されたDNAを、Sambrook J., Frisch E. F., Maniati
s T.著「Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd
edition」(1989), Cold Spring Harbor Laboratory
Press、「Current Protocols in Molecular Biology」
(1987), John Wiley & Sons, Inc. ISBNO-471-50338-X
等に記載されている方法に準じてベクターにクローニン
グして組換ベクターを得ることができる。用いられるベ
クターとしては、具体的には、例えば、pUC119(宝酒造
社製)、pTV118N(宝酒造社製)、pBluescriptII (東
洋紡社製)、pCR2.1-TOPO(Invitrogen社製)、pTrc99
A(Pharmacia社製)、pKK223-3(Pharmacia社製)等が
挙げられる。このようにしてベクターに組み込んだ形態
で本還元酵素遺伝子を調製すれば、後の遺伝子工学的手
法における使用において便利である。
【0013】また、ペニシリウム・シトリナム(Penici
llium citrinum)等のペニシリウム属に属する微生物等
から通常の遺伝子工学的手法(例えば、「新 細胞工学
実験プロトコール」(東京大学医科学研究所制癌研究部
編、秀潤社、1993年)に記載された方法)に準じてcD
NAライブラリーを調製し、調製されたcDNAライブ
ラリーを鋳型として、かつ適切なプライマーを用いてP
CRを行うことにより、配列番号3で示されるアミノ酸
配列をコードする塩基配列からなるDNA、配列番号3
で示されるアミノ酸配列において1若しくは複数のアミ
ノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列をコ
ードする塩基配列からなるDNA、配列番号4で示され
る塩基配列を有するDNA等を増幅して本還元酵素遺伝
子を調製する。ここでペニシリウム・シトリナム由来の
cDNAライブラリーを鋳型として、かつ配列番号7に
示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番
号8に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと
をプライマーに用いてPCRを行う場合には、配列番号
4で示される塩基配列からなるDNAを増幅して本還元
酵素遺伝子を調製することになる。当該PCRの条件と
しては、例えば、4種類のdNTPを各々20μM、2
種類のオリゴヌクレオチドプライマーを各々15pmo
l、Taqpolymeraseを1.3U及び鋳型と
なるcDNAライブラリーを混合した反応液を97℃
(2分間)に加熱した後、97℃(0.25分間)‐50
℃(0.5分間)‐72℃(1.5分間)のサイクルを1
0回、次いで97℃(0.25分間)‐55℃(0.5分
間)‐72℃(2.5分間)のサイクルを20回行い、さ
らに72℃で7分間保持する条件が挙げられる。尚、当
該PCRに用いるプライマーの5’末端側には、制限酵
素認識配列等を付加していてもよい。上記のようにして
増幅されたDNAを、Sambrook J., Frisch E. F., Man
iatis T.著「Molecular Cloning: A Laboratory Manual
2nd edition」(1989), Cold Spring Harbor Laborat
ory Press、「Current Protocols in Molecular Biolog
y」(1987), John Wiley & Sons, Inc. ISBNO-471-50338
-X等に記載されている方法に準じてベクターにクローニ
ングして組換ベクターを得ることができる。用いられる
ベクターとしては、具体的には、例えば、pUC119(宝酒
造社製)、pTV118N(宝酒造社製)、pBluescriptII
(東洋紡社製)、pCR2.1-TOPO(Invitrogen社製)、pT
rc99A(Pharmacia社製)、pKK223-3(Pharmacia社製)
等が挙げられる。このようにしてベクターに組み込んだ
形態で本還元酵素遺伝子を調製すれば、後の遺伝子工学
的手法における使用において便利である。
llium citrinum)等のペニシリウム属に属する微生物等
から通常の遺伝子工学的手法(例えば、「新 細胞工学
実験プロトコール」(東京大学医科学研究所制癌研究部
編、秀潤社、1993年)に記載された方法)に準じてcD
NAライブラリーを調製し、調製されたcDNAライブ
ラリーを鋳型として、かつ適切なプライマーを用いてP
CRを行うことにより、配列番号3で示されるアミノ酸
配列をコードする塩基配列からなるDNA、配列番号3
で示されるアミノ酸配列において1若しくは複数のアミ
ノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列をコ
ードする塩基配列からなるDNA、配列番号4で示され
る塩基配列を有するDNA等を増幅して本還元酵素遺伝
子を調製する。ここでペニシリウム・シトリナム由来の
cDNAライブラリーを鋳型として、かつ配列番号7に
示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番
号8に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと
をプライマーに用いてPCRを行う場合には、配列番号
4で示される塩基配列からなるDNAを増幅して本還元
酵素遺伝子を調製することになる。当該PCRの条件と
しては、例えば、4種類のdNTPを各々20μM、2
種類のオリゴヌクレオチドプライマーを各々15pmo
l、Taqpolymeraseを1.3U及び鋳型と
なるcDNAライブラリーを混合した反応液を97℃
(2分間)に加熱した後、97℃(0.25分間)‐50
℃(0.5分間)‐72℃(1.5分間)のサイクルを1
0回、次いで97℃(0.25分間)‐55℃(0.5分
間)‐72℃(2.5分間)のサイクルを20回行い、さ
らに72℃で7分間保持する条件が挙げられる。尚、当
該PCRに用いるプライマーの5’末端側には、制限酵
素認識配列等を付加していてもよい。上記のようにして
増幅されたDNAを、Sambrook J., Frisch E. F., Man
iatis T.著「Molecular Cloning: A Laboratory Manual
2nd edition」(1989), Cold Spring Harbor Laborat
ory Press、「Current Protocols in Molecular Biolog
y」(1987), John Wiley & Sons, Inc. ISBNO-471-50338
-X等に記載されている方法に準じてベクターにクローニ
ングして組換ベクターを得ることができる。用いられる
ベクターとしては、具体的には、例えば、pUC119(宝酒
造社製)、pTV118N(宝酒造社製)、pBluescriptII
(東洋紡社製)、pCR2.1-TOPO(Invitrogen社製)、pT
rc99A(Pharmacia社製)、pKK223-3(Pharmacia社製)
等が挙げられる。このようにしてベクターに組み込んだ
形態で本還元酵素遺伝子を調製すれば、後の遺伝子工学
的手法における使用において便利である。
【0014】2−オキソシクロアルカンカルボン酸エス
テルを不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカン
カルボン酸エステルを生成する能力を有する酵素が依存
する補酵素を再生する能力を有する酵素(以下、本補酵
素再生酵素遺伝子と記すこともある。)は、例えば、本
補酵素再生酵素遺伝子が本還元酵素とは異なる酵素であ
る場合には、下記のような調製方法に準じて調製すれば
よい。バシラス・メガテリウム(Bacillus megateriu
m)等のバシラス属に属する微生物等から通常の遺伝子
工学的手法に準じて染色体DNAを調製し、調製された
染色体DNAを鋳型として、かつ適切なプライマーを用
いてPCRを行うことにより、配列番号12で示される
アミノ酸配列をコードする塩基配列からなるDNA、配
列番号12で示されるアミノ酸配列において1若しくは
複数のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ
酸配列をコードする塩基配列からなるDNA、配列番号
11で示される塩基配列を有するDNA等を増幅して本
補酵素再生酵素遺伝子を調製する。ここでバシラス・メ
ガテリウム由来の染色体DNAを鋳型として、かつ配列
番号9に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチド
と配列番号10に示される塩基配列を有するオリゴヌク
レオチドとをプライマーに用いてPCRを行う場合に
は、配列番号11で示される塩基配列からなるDNAを
増幅して本補酵素再生酵素遺伝子を調製することにな
る。当該PCRの条件としては、例えば、4種類のdN
TPを各々20μM、2種類のオリゴヌクレオチドプラ
イマーを各々15pmol、Taqpolymeras
eを1.3U及び鋳型となるcDNAライブラリーを混
合した反応液を97℃(2分間)に加熱した後、97℃
(0.25分間)‐50℃(0.5分間)‐72℃(1.5
分間)のサイクルを10回、次いで97℃(0.25分
間)‐55℃(0.5分間)‐72℃(2.5分間)のサイ
クルを20回行い、さらに72℃で7分間保持する条件
が挙げられる。尚、当該PCRに用いるプライマーの
5’末端側には、制限酵素認識配列等を付加していても
よい。上記のようにして増幅されたDNAを、Sambrook
J., Frisch E. F., Maniatis T.著「Molecular Clonin
g: A Laboratory Manual 2nd edition」(1989), Cold
Spring Harbor Laboratory Press、「Current Protoco
ls in Molecular Biology」(1987), John Wiley & Son
s, Inc. ISBNO-471-50338-X等に記載されている方法に
準じてベクターにクローニングして組換ベクターを得る
ことができる。用いられるベクターとしては、具体的に
は、例えば、pUC119(宝酒造社製)、pTV118N(宝酒造
社製)、pBluescriptII (東洋紡社製)、pCR2.1-TOPO
(Invitrogen社製)、pTrc99A(Pharmacia社製)、pKK
223-3(Pharmacia社製)等が挙げられる。このようにし
てベクターに組み込んだ形態で本還元酵素遺伝子を調製
すれば、後の遺伝子工学的手法における使用において便
利である。
テルを不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカン
カルボン酸エステルを生成する能力を有する酵素が依存
する補酵素を再生する能力を有する酵素(以下、本補酵
素再生酵素遺伝子と記すこともある。)は、例えば、本
補酵素再生酵素遺伝子が本還元酵素とは異なる酵素であ
る場合には、下記のような調製方法に準じて調製すれば
よい。バシラス・メガテリウム(Bacillus megateriu
m)等のバシラス属に属する微生物等から通常の遺伝子
工学的手法に準じて染色体DNAを調製し、調製された
染色体DNAを鋳型として、かつ適切なプライマーを用
いてPCRを行うことにより、配列番号12で示される
アミノ酸配列をコードする塩基配列からなるDNA、配
列番号12で示されるアミノ酸配列において1若しくは
複数のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ
酸配列をコードする塩基配列からなるDNA、配列番号
11で示される塩基配列を有するDNA等を増幅して本
補酵素再生酵素遺伝子を調製する。ここでバシラス・メ
ガテリウム由来の染色体DNAを鋳型として、かつ配列
番号9に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチド
と配列番号10に示される塩基配列を有するオリゴヌク
レオチドとをプライマーに用いてPCRを行う場合に
は、配列番号11で示される塩基配列からなるDNAを
増幅して本補酵素再生酵素遺伝子を調製することにな
る。当該PCRの条件としては、例えば、4種類のdN
TPを各々20μM、2種類のオリゴヌクレオチドプラ
イマーを各々15pmol、Taqpolymeras
eを1.3U及び鋳型となるcDNAライブラリーを混
合した反応液を97℃(2分間)に加熱した後、97℃
(0.25分間)‐50℃(0.5分間)‐72℃(1.5
分間)のサイクルを10回、次いで97℃(0.25分
間)‐55℃(0.5分間)‐72℃(2.5分間)のサイ
クルを20回行い、さらに72℃で7分間保持する条件
が挙げられる。尚、当該PCRに用いるプライマーの
5’末端側には、制限酵素認識配列等を付加していても
よい。上記のようにして増幅されたDNAを、Sambrook
J., Frisch E. F., Maniatis T.著「Molecular Clonin
g: A Laboratory Manual 2nd edition」(1989), Cold
Spring Harbor Laboratory Press、「Current Protoco
ls in Molecular Biology」(1987), John Wiley & Son
s, Inc. ISBNO-471-50338-X等に記載されている方法に
準じてベクターにクローニングして組換ベクターを得る
ことができる。用いられるベクターとしては、具体的に
は、例えば、pUC119(宝酒造社製)、pTV118N(宝酒造
社製)、pBluescriptII (東洋紡社製)、pCR2.1-TOPO
(Invitrogen社製)、pTrc99A(Pharmacia社製)、pKK
223-3(Pharmacia社製)等が挙げられる。このようにし
てベクターに組み込んだ形態で本還元酵素遺伝子を調製
すれば、後の遺伝子工学的手法における使用において便
利である。
【0015】本形質転換体を調製する方法としては、例
えば、(1)本還元酵素遺伝子と本補酵素再生酵素遺伝
子との両遺伝子及び宿主細胞で機能可能なプロモーター
が機能可能な形で接続されてなるDNAのような、本遺
伝子が宿主細胞中で発現できるような単一な組換プラス
ミドを作製し、これを宿主細胞に導入することにより作
製する方法、(2)本還元酵素遺伝子と本補酵素再生酵
素遺伝子との両遺伝子のうちの一方の遺伝子及び宿主細
胞で機能可能なプロモーターが機能可能な形で接続され
てなるDNAのような、本遺伝子のうちの一方の遺伝子
が宿主細胞中で発現できるような組換プラスミドを上記
遺伝子毎に別々に作製し、これらを宿主細胞に導入する
ことにより作製する方法等があげられる。さらに、一方
の遺伝子又は両遺伝子を宿主細胞の染色体中に導入する
方法も利用することができる。尚、上記単一な組換プラ
スミドを宿主細胞に導入することにより作製する方法と
しては、例えば、プロモーター、ターミネーター等の発
現制御に関わる領域をそれぞれの両遺伝子に連結して組
換プラスミドを構築したり、ラクトースオペロンのよう
な複数のシストロンを含むオペロンとして発現させるよ
うな組換プラスミドを構築する方法等をあげることがで
きる。ここで上記の組換プラスミドとしては、例えば、
宿主細胞中で複製可能な遺伝情報を含み、自立的に増殖
できるものであって、宿主細胞からの単離・精製が容易
であり、宿主細胞中で機能可能なプロモーターを有し、
検出可能なマーカーを持つ発現ベクターに、本酵素をコ
ードする遺伝子が機能可能な形で導入されたものを好ま
しく挙げることができる。尚、発現ベクターとしては、
各種のものが市販されている。ここで、「機能可能な形
で」とは、上記の組換プラスミドを宿主細胞に導入する
ことにより宿主細胞を形質転換させた際に、本遺伝子
(又は本遺伝子のうちの一方の遺伝子)が、プロモータ
ーの制御下に発現するようにプロモーターと結合された
状態にあることを意味する。プロモーターとしては、大
腸菌のラクトースオペロンのプロモーター、大腸菌のト
リプトファンオペロンのプロモーター、又は、tacプロ
モーターもしくはtrcプロモーター等の大腸菌内で機能
可能な合成プロモーター等をあげることができる。また
コリネバクテリウム・シュードジフテリティカム、ペニ
シリウム・シトリナム、バシラス・メガテリウムにおい
て本遺伝子の発現を制御しているプロモーターを利用し
てもよい。また発現ベクターとしては、選択マーカー遺
伝子(例えば、カナマイシン耐性遺伝子、ネオマイシン
耐性遺伝子等の抗生物質耐性付与遺伝子等)を含むベク
ターを用いると、当該ベクターが導入された形質転換体
を当該選択マーカー遺伝子の表現型等を指標にして容易
に選択することができる。さらなる高発現を導くことが
必要な場合には、本還元酵素及び/又は本補酵素再生酵
素のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子
の上流にリボゾーム結合領域を連結してもよい。用いら
れるリボゾーム結合領域としては、Guarente L.ら(Cel
l 20, p543)や谷口ら(Genetics of Industrial Micro
organisms,p202, 講談社)による報告に記載されたもの
を挙げることができる。宿主細胞としては、原核生物
(例えば、Escherichia属、Bacillus属、Corynebacteri
um属、Staphylococcus属、Streptomyces属)もしくは真
核生物(例えば、Saccharomyces属、Kluyveromyces属、
Aspergillus属)である微生物細胞、昆虫細胞又は哺乳
動物細胞等を挙げることができる。例えば、本形質転換
体の大量調製が容易になるという観点では、大腸菌等を
好ましく挙げることができる。本還元酵素及び/又は本
補酵素再生酵素が宿主細胞中で発現できるようなプラス
ミドを宿主細胞に導入する方法としては、用いられる宿
主細胞に応じて通常使われる導入方法であればよく、例
えば、「Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd
edition」(1989), Cold Spring Harbor Laboratory
Press、「Current Protocols in Molecular Biology」
(1987), John Wiley & Sons, Inc. ISBNO-471-50338-X
等に記載される塩化カルシウム法や、「Methods in Ele
ctroporation:Gene Pulser /E.coli Pulser System」 B
io-Rad Laboratories, (1993)等に記載されるエレクト
ロポレーション法等をあげることができる。宿主細胞に
おいて本還元酵素遺伝子及び/又は本補酵素再生酵素遺
伝子が宿主細胞中で発現できるようなプラスミドが導入
された形質転換体を選抜するには、前記の如く、例え
ば、ベクターに含まれる選択マーカー遺伝子の表現型を
指標にして選抜すればよい。プラスミドが導入された宿
主細胞(即ち、形質転換体)が本還元酵素遺伝子及び本
補酵素再生酵素遺伝子を保有していることは、例えば、
「Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd editi
on」(1989), Cold Spring Harbor Laboratory Press
等に記載される通常の方法に準じて、制限酵素部位の確
認、塩基配列の解析、サザンハイブリダイゼーション、
ウエスタンハイブリダイゼーション等を行うことによ
り、確認することができる。
えば、(1)本還元酵素遺伝子と本補酵素再生酵素遺伝
子との両遺伝子及び宿主細胞で機能可能なプロモーター
が機能可能な形で接続されてなるDNAのような、本遺
伝子が宿主細胞中で発現できるような単一な組換プラス
ミドを作製し、これを宿主細胞に導入することにより作
製する方法、(2)本還元酵素遺伝子と本補酵素再生酵
素遺伝子との両遺伝子のうちの一方の遺伝子及び宿主細
胞で機能可能なプロモーターが機能可能な形で接続され
てなるDNAのような、本遺伝子のうちの一方の遺伝子
が宿主細胞中で発現できるような組換プラスミドを上記
遺伝子毎に別々に作製し、これらを宿主細胞に導入する
ことにより作製する方法等があげられる。さらに、一方
の遺伝子又は両遺伝子を宿主細胞の染色体中に導入する
方法も利用することができる。尚、上記単一な組換プラ
スミドを宿主細胞に導入することにより作製する方法と
しては、例えば、プロモーター、ターミネーター等の発
現制御に関わる領域をそれぞれの両遺伝子に連結して組
換プラスミドを構築したり、ラクトースオペロンのよう
な複数のシストロンを含むオペロンとして発現させるよ
うな組換プラスミドを構築する方法等をあげることがで
きる。ここで上記の組換プラスミドとしては、例えば、
宿主細胞中で複製可能な遺伝情報を含み、自立的に増殖
できるものであって、宿主細胞からの単離・精製が容易
であり、宿主細胞中で機能可能なプロモーターを有し、
検出可能なマーカーを持つ発現ベクターに、本酵素をコ
ードする遺伝子が機能可能な形で導入されたものを好ま
しく挙げることができる。尚、発現ベクターとしては、
各種のものが市販されている。ここで、「機能可能な形
で」とは、上記の組換プラスミドを宿主細胞に導入する
ことにより宿主細胞を形質転換させた際に、本遺伝子
(又は本遺伝子のうちの一方の遺伝子)が、プロモータ
ーの制御下に発現するようにプロモーターと結合された
状態にあることを意味する。プロモーターとしては、大
腸菌のラクトースオペロンのプロモーター、大腸菌のト
リプトファンオペロンのプロモーター、又は、tacプロ
モーターもしくはtrcプロモーター等の大腸菌内で機能
可能な合成プロモーター等をあげることができる。また
コリネバクテリウム・シュードジフテリティカム、ペニ
シリウム・シトリナム、バシラス・メガテリウムにおい
て本遺伝子の発現を制御しているプロモーターを利用し
てもよい。また発現ベクターとしては、選択マーカー遺
伝子(例えば、カナマイシン耐性遺伝子、ネオマイシン
耐性遺伝子等の抗生物質耐性付与遺伝子等)を含むベク
ターを用いると、当該ベクターが導入された形質転換体
を当該選択マーカー遺伝子の表現型等を指標にして容易
に選択することができる。さらなる高発現を導くことが
必要な場合には、本還元酵素及び/又は本補酵素再生酵
素のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子
の上流にリボゾーム結合領域を連結してもよい。用いら
れるリボゾーム結合領域としては、Guarente L.ら(Cel
l 20, p543)や谷口ら(Genetics of Industrial Micro
organisms,p202, 講談社)による報告に記載されたもの
を挙げることができる。宿主細胞としては、原核生物
(例えば、Escherichia属、Bacillus属、Corynebacteri
um属、Staphylococcus属、Streptomyces属)もしくは真
核生物(例えば、Saccharomyces属、Kluyveromyces属、
Aspergillus属)である微生物細胞、昆虫細胞又は哺乳
動物細胞等を挙げることができる。例えば、本形質転換
体の大量調製が容易になるという観点では、大腸菌等を
好ましく挙げることができる。本還元酵素及び/又は本
補酵素再生酵素が宿主細胞中で発現できるようなプラス
ミドを宿主細胞に導入する方法としては、用いられる宿
主細胞に応じて通常使われる導入方法であればよく、例
えば、「Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd
edition」(1989), Cold Spring Harbor Laboratory
Press、「Current Protocols in Molecular Biology」
(1987), John Wiley & Sons, Inc. ISBNO-471-50338-X
等に記載される塩化カルシウム法や、「Methods in Ele
ctroporation:Gene Pulser /E.coli Pulser System」 B
io-Rad Laboratories, (1993)等に記載されるエレクト
ロポレーション法等をあげることができる。宿主細胞に
おいて本還元酵素遺伝子及び/又は本補酵素再生酵素遺
伝子が宿主細胞中で発現できるようなプラスミドが導入
された形質転換体を選抜するには、前記の如く、例え
ば、ベクターに含まれる選択マーカー遺伝子の表現型を
指標にして選抜すればよい。プラスミドが導入された宿
主細胞(即ち、形質転換体)が本還元酵素遺伝子及び本
補酵素再生酵素遺伝子を保有していることは、例えば、
「Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd editi
on」(1989), Cold Spring Harbor Laboratory Press
等に記載される通常の方法に準じて、制限酵素部位の確
認、塩基配列の解析、サザンハイブリダイゼーション、
ウエスタンハイブリダイゼーション等を行うことによ
り、確認することができる。
【0016】本形質転換体の培養は、微生物培養、昆虫
細胞もしくは哺乳動物細胞の培養に使用される通常の方
法によって行うことができる。例えば大腸菌の場合、適
当な炭素源、窒素源およびビタミン等の微量栄養物を適
宜含む培地中で培養を行う。培養方法としては、固体培
養、試験管振盪式培養、往復式振盪培養、ジャーファー
メンター(Jar Fermenter)培養、タンク培養等の液体
培養のいずれの方法でもよく、好ましくは、通気撹拌培
養法等の液体培養を挙げることができる。培養温度は、
本形質転換体が生育可能な範囲で適宜変更できるが、通
常約10〜50℃、好ましくは約20〜40℃である。
培地のpHは約6〜8の範囲が好ましい。培養時間は、
培養条件によって異なるが通常約1日〜約5日が好まし
い。本形質転換体を培養するための培地としては、例え
ば、微生物等の宿主細胞の培養に通常使用される炭素源
や窒素源、有機塩や無機塩等を適宜含む各種の培地を用
いることができる。炭素源としては、例えば、グルコー
ス、デキストリン、シュークロース等の糖類、グリセロ
ール等の糖アルコール、フマル酸、クエン酸、ピルビン
酸等の有機酸、動物油、植物油及び糖蜜が挙げられる。
これらの炭素源の培地への添加量は培養液に対して通常
0.1〜30%(w/v)程度である。窒素源として
は、例えば、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、麦芽エ
キス、大豆粉、コーン・スティープ・リカー(Corn Ste
ep Liquor)、綿実粉、乾燥酵母、カザミノ酸等の天然
有機窒素源、アミノ酸類、硝酸ナトリウム等の無機酸の
アンモニウム塩、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウ
ム、リン酸アンモニウム等の無機酸のアンモニウム塩、
フマル酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム等の有機
酸のアンモニウム塩及び尿素が挙げられる。これらのう
ち有機酸のアンモニウム塩、天然有機窒素源、アミノ酸
類等は多くの場合には炭素源としても使用することがで
きる。これらの窒素源の培地への添加量は培養液に対し
て通常0.1〜30%(w/v)程度である。有機塩や
無機塩としては、例えば、カリウム、ナトリウム、マグ
ネシウム、鉄、マンガン、コバルト、亜鉛等の塩化物、
硫酸塩、酢酸塩、炭酸塩及びリン酸塩を挙げることがで
きる。具体的には、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、
塩化コバルト、硫酸亜鉛、硫酸銅、酢酸ナトリウム、炭
酸カルシウム、リン酸水素一カリウム及びリン酸水素二
カリウムが挙げられる。これらの有機塩及び/又は無機
塩の培地への添加量は培養液に対して通常0.0001
〜5%(w/v)程度である。さらに、tacプロモータ
ー、trcプロモーター及びlacプロモーター等のアロラク
トースで誘導されるタイプのプロモーターと、本酵素の
アミノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子とが
機能可能な形で接続されてなるDNAが導入されてなる
形質転換体の場合には、本酵素の生産を誘導するための
誘導剤として、例えば、isopropyl thio-β-D-galactos
ide(IPTG)を培地中に少量加えることもできる。
細胞もしくは哺乳動物細胞の培養に使用される通常の方
法によって行うことができる。例えば大腸菌の場合、適
当な炭素源、窒素源およびビタミン等の微量栄養物を適
宜含む培地中で培養を行う。培養方法としては、固体培
養、試験管振盪式培養、往復式振盪培養、ジャーファー
メンター(Jar Fermenter)培養、タンク培養等の液体
培養のいずれの方法でもよく、好ましくは、通気撹拌培
養法等の液体培養を挙げることができる。培養温度は、
本形質転換体が生育可能な範囲で適宜変更できるが、通
常約10〜50℃、好ましくは約20〜40℃である。
培地のpHは約6〜8の範囲が好ましい。培養時間は、
培養条件によって異なるが通常約1日〜約5日が好まし
い。本形質転換体を培養するための培地としては、例え
ば、微生物等の宿主細胞の培養に通常使用される炭素源
や窒素源、有機塩や無機塩等を適宜含む各種の培地を用
いることができる。炭素源としては、例えば、グルコー
ス、デキストリン、シュークロース等の糖類、グリセロ
ール等の糖アルコール、フマル酸、クエン酸、ピルビン
酸等の有機酸、動物油、植物油及び糖蜜が挙げられる。
これらの炭素源の培地への添加量は培養液に対して通常
0.1〜30%(w/v)程度である。窒素源として
は、例えば、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、麦芽エ
キス、大豆粉、コーン・スティープ・リカー(Corn Ste
ep Liquor)、綿実粉、乾燥酵母、カザミノ酸等の天然
有機窒素源、アミノ酸類、硝酸ナトリウム等の無機酸の
アンモニウム塩、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウ
ム、リン酸アンモニウム等の無機酸のアンモニウム塩、
フマル酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム等の有機
酸のアンモニウム塩及び尿素が挙げられる。これらのう
ち有機酸のアンモニウム塩、天然有機窒素源、アミノ酸
類等は多くの場合には炭素源としても使用することがで
きる。これらの窒素源の培地への添加量は培養液に対し
て通常0.1〜30%(w/v)程度である。有機塩や
無機塩としては、例えば、カリウム、ナトリウム、マグ
ネシウム、鉄、マンガン、コバルト、亜鉛等の塩化物、
硫酸塩、酢酸塩、炭酸塩及びリン酸塩を挙げることがで
きる。具体的には、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、
塩化コバルト、硫酸亜鉛、硫酸銅、酢酸ナトリウム、炭
酸カルシウム、リン酸水素一カリウム及びリン酸水素二
カリウムが挙げられる。これらの有機塩及び/又は無機
塩の培地への添加量は培養液に対して通常0.0001
〜5%(w/v)程度である。さらに、tacプロモータ
ー、trcプロモーター及びlacプロモーター等のアロラク
トースで誘導されるタイプのプロモーターと、本酵素の
アミノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子とが
機能可能な形で接続されてなるDNAが導入されてなる
形質転換体の場合には、本酵素の生産を誘導するための
誘導剤として、例えば、isopropyl thio-β-D-galactos
ide(IPTG)を培地中に少量加えることもできる。
【0017】本形質転換体の取得は、例えば、前記の培
養により得られた培養物を遠心分離等により形質転換体
を沈殿物として回収すればよい。必要に応じて、回収前
に当該形質転換体を、例えば、100mMリン酸1カリ
ウム−リン酸2カリウムバッファー(pH6.5)等の
緩衝液等を用いて洗浄してもよい。
養により得られた培養物を遠心分離等により形質転換体
を沈殿物として回収すればよい。必要に応じて、回収前
に当該形質転換体を、例えば、100mMリン酸1カリ
ウム−リン酸2カリウムバッファー(pH6.5)等の
緩衝液等を用いて洗浄してもよい。
【0018】さらに本形質転換体から、その死菌化細胞
を下記の方法により調製することもできる。死菌化処理
方法としては、例えば、物理的殺菌法(加熱、乾燥、冷
凍、光線、超音波、濾過、通電)や、化学薬品を用いる
殺菌法(アルカリ、酸、ハロゲン、酸化剤、硫黄、ホウ
素、砒素、金属、アルコール、フェノール、アミン、サ
ルファイド、エーテル、アルデヒド、ケトン、シアン及
び抗生物質)をあげることができる。尚、これらの殺菌
法のうちできるだけ本酵素の酵素活性を失活させず、か
つ反応系への残留、汚染などの影響が少ない処理方法を
各種の反応条件に応じて適宜選択することがよい。
を下記の方法により調製することもできる。死菌化処理
方法としては、例えば、物理的殺菌法(加熱、乾燥、冷
凍、光線、超音波、濾過、通電)や、化学薬品を用いる
殺菌法(アルカリ、酸、ハロゲン、酸化剤、硫黄、ホウ
素、砒素、金属、アルコール、フェノール、アミン、サ
ルファイド、エーテル、アルデヒド、ケトン、シアン及
び抗生物質)をあげることができる。尚、これらの殺菌
法のうちできるだけ本酵素の酵素活性を失活させず、か
つ反応系への残留、汚染などの影響が少ない処理方法を
各種の反応条件に応じて適宜選択することがよい。
【0019】このようにして調製された形質転換体又は
その死菌化細胞は、例えば、凍結乾燥細胞、有機溶媒処
理細胞、乾燥細胞等の形態、あるいは、固定化された形
態(固定化物)で利用してもよい。
その死菌化細胞は、例えば、凍結乾燥細胞、有機溶媒処
理細胞、乾燥細胞等の形態、あるいは、固定化された形
態(固定化物)で利用してもよい。
【0020】固定化物を得る方法としては、例えば、担
体結合法(シリカゲルやセラミック等の無機担体、セル
ロース、イオン交換樹脂等に本形質転換体又はその死菌
化細胞を吸着させる方法)及び包括法(ポリアクリルア
ミド、含硫多糖ゲル(例えばカラギーナンゲル)、アル
ギン酸ゲル、寒天ゲル等の高分子の網目構造の中に本形
質転換体又はその死菌化細胞を閉じ込める方法)が挙げ
られる。
体結合法(シリカゲルやセラミック等の無機担体、セル
ロース、イオン交換樹脂等に本形質転換体又はその死菌
化細胞を吸着させる方法)及び包括法(ポリアクリルア
ミド、含硫多糖ゲル(例えばカラギーナンゲル)、アル
ギン酸ゲル、寒天ゲル等の高分子の網目構造の中に本形
質転換体又はその死菌化細胞を閉じ込める方法)が挙げ
られる。
【0021】続いて、本発明製造方法における触媒反応
について説明する。本発明製造方法において2‐オキソ
シクロアルカンカルボン酸エステルを2‐ヒドロキシシ
クロアルカンカルボン酸エステルに変換する反応は、2
‐オキソシクロアルカンカルボン酸エステルに本形質転
換体又はその死菌化細胞を作用させることによって達成
される。当該反応は、通常、水の存在下で行われる。水
は緩衝液の形態であってもよく、この場合に用いられる
緩衝剤としては、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カ
リウム等のリン酸アルカリ金属塩、酢酸ナトリウム、酢
酸カリウム等の酢酸のアルカリ金属塩が挙げられる。
尚、緩衝液を溶媒として用いる場合、その量は2‐オキ
ソシクロアルカンカルボン酸エステル1重量部に対し
て、通常、1〜300重量倍、好ましくは5〜100重
量倍である。当該反応に際しては、2‐オキソシクロア
ルカンカルボン酸エステルを反応系内に連続又は逐次加
えてもよい。
について説明する。本発明製造方法において2‐オキソ
シクロアルカンカルボン酸エステルを2‐ヒドロキシシ
クロアルカンカルボン酸エステルに変換する反応は、2
‐オキソシクロアルカンカルボン酸エステルに本形質転
換体又はその死菌化細胞を作用させることによって達成
される。当該反応は、通常、水の存在下で行われる。水
は緩衝液の形態であってもよく、この場合に用いられる
緩衝剤としては、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カ
リウム等のリン酸アルカリ金属塩、酢酸ナトリウム、酢
酸カリウム等の酢酸のアルカリ金属塩が挙げられる。
尚、緩衝液を溶媒として用いる場合、その量は2‐オキ
ソシクロアルカンカルボン酸エステル1重量部に対し
て、通常、1〜300重量倍、好ましくは5〜100重
量倍である。当該反応に際しては、2‐オキソシクロア
ルカンカルボン酸エステルを反応系内に連続又は逐次加
えてもよい。
【0022】反応温度としては、本形質転換体又はその
死菌化細胞に含まれた本酵素の安定性、反応速度の点か
ら0〜70℃程度をあげることができ、好ましくは約1
0〜40℃があげられる。反応pHとしては、反応が進
行する範囲内で適宜変化させることができるが、例え
ば、5〜8をあげることができる。
死菌化細胞に含まれた本酵素の安定性、反応速度の点か
ら0〜70℃程度をあげることができ、好ましくは約1
0〜40℃があげられる。反応pHとしては、反応が進
行する範囲内で適宜変化させることができるが、例え
ば、5〜8をあげることができる。
【0023】反応は、水の他に有機溶媒の共存下に行う
こともできる。この場合の有機溶媒としては、例えば、
テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、イソ
プロピルエーテル等のエーテル類、トルエン、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、デカン
等の炭化水素類、t−ブタノール、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコー
ル類、ジメチルスルホキサイドなどのスルホキサイド
類、アセトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリ
ル類及びこれらの混合物が挙げられる。反応に使用する
有機溶媒の量は、2‐オキソシクロアルカンカルボン酸
エステルに対して、通常、100重量倍以下であり、好
ましくは70重量倍以下である。
こともできる。この場合の有機溶媒としては、例えば、
テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、イソ
プロピルエーテル等のエーテル類、トルエン、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、デカン
等の炭化水素類、t−ブタノール、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコー
ル類、ジメチルスルホキサイドなどのスルホキサイド
類、アセトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリ
ル類及びこれらの混合物が挙げられる。反応に使用する
有機溶媒の量は、2‐オキソシクロアルカンカルボン酸
エステルに対して、通常、100重量倍以下であり、好
ましくは70重量倍以下である。
【0024】反応はさらに、例えば、NADH、NAD
PHのような補酵素を加えて通常行うことがよい。反応
に用いられる補酵素の量は、2‐オキソシクロアルカン
カルボン酸エステルに対して、通常、0.5重量倍以
下、好ましくは0.1重量倍以下である。
PHのような補酵素を加えて通常行うことがよい。反応
に用いられる補酵素の量は、2‐オキソシクロアルカン
カルボン酸エステルに対して、通常、0.5重量倍以
下、好ましくは0.1重量倍以下である。
【0025】本発明製造方法における触媒反応では、2
‐オキソシクロアルカンカルボン酸エステルの不斉的な
還元反応において化学量論量の還元型補酵素(電子供与
体)が消費された結果生じた酸化型補酵素(電子受容
体)を、再び還元型補酵素(電子供与体)に変換する能
力、即ち、2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステ
ルを不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカ
ルボン酸エステルを生成する能力を有する酵素が依存す
る補酵素を再生する能力、を有する酵素(即ち、本補酵
素再生酵素)の利用が不可欠となる。この場合には、本
補酵素再生酵素は、前記不斉的な還元反応を行う本還元
酵素とは異なる酵素であってもよいし、また本還元酵素
が補酵素再生酵素としての機能を合わせ持つものであっ
てもよい。もちろん両者の組み合わせであってもよい。
ここで、「本還元酵素が補酵素再生酵素としての機能を
合わせ持つもの」であることは、例えば、単離された本
還元酵素を用いて酸化型補酵素(電子受容体)の存在下
で、補酵素再生酵素の基質である再生系原料化合物を酸
化させる反応を行うことにより還元型補酵素(電子供与
体)を生じるか否かを調べることにより確認すればよ
い。本補酵素再生酵素としては、例えば、グルコース脱
水素酵素、アルコール脱水素酵素、アルデヒド脱水素酵
素、アミノ酸脱水素酵素及び有機脱水素酵素(リンゴ酸
脱水素酵素等)等が挙げられる。中でも、脂肪族アルコ
ール(例えば、2−プロパノール、2−ブタノール、2
−ペンタノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタノー
ル、2−オクタノール等の200℃以下の沸点をもつア
ルコール等)を還元することにより補酵素再生を行う補
酵素再生酵素が好ましい。この場合に用いられる脂肪族
アルコールの量は、2−オキソシクロアルカンカルボン
酸エステルに対して100モル倍以下、好ましくは10
モル倍以下である。
‐オキソシクロアルカンカルボン酸エステルの不斉的な
還元反応において化学量論量の還元型補酵素(電子供与
体)が消費された結果生じた酸化型補酵素(電子受容
体)を、再び還元型補酵素(電子供与体)に変換する能
力、即ち、2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステ
ルを不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカ
ルボン酸エステルを生成する能力を有する酵素が依存す
る補酵素を再生する能力、を有する酵素(即ち、本補酵
素再生酵素)の利用が不可欠となる。この場合には、本
補酵素再生酵素は、前記不斉的な還元反応を行う本還元
酵素とは異なる酵素であってもよいし、また本還元酵素
が補酵素再生酵素としての機能を合わせ持つものであっ
てもよい。もちろん両者の組み合わせであってもよい。
ここで、「本還元酵素が補酵素再生酵素としての機能を
合わせ持つもの」であることは、例えば、単離された本
還元酵素を用いて酸化型補酵素(電子受容体)の存在下
で、補酵素再生酵素の基質である再生系原料化合物を酸
化させる反応を行うことにより還元型補酵素(電子供与
体)を生じるか否かを調べることにより確認すればよ
い。本補酵素再生酵素としては、例えば、グルコース脱
水素酵素、アルコール脱水素酵素、アルデヒド脱水素酵
素、アミノ酸脱水素酵素及び有機脱水素酵素(リンゴ酸
脱水素酵素等)等が挙げられる。中でも、脂肪族アルコ
ール(例えば、2−プロパノール、2−ブタノール、2
−ペンタノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタノー
ル、2−オクタノール等の200℃以下の沸点をもつア
ルコール等)を還元することにより補酵素再生を行う補
酵素再生酵素が好ましい。この場合に用いられる脂肪族
アルコールの量は、2−オキソシクロアルカンカルボン
酸エステルに対して100モル倍以下、好ましくは10
モル倍以下である。
【0026】反応は、例えば、水、2‐オキソシクロア
ルカンカルボン酸エステル、本形質転換体又はその死菌
化細胞、及び必要に応じて補酵素、有機溶媒等を混合
し、攪拌、振盪することにより行うことができる。
ルカンカルボン酸エステル、本形質転換体又はその死菌
化細胞、及び必要に応じて補酵素、有機溶媒等を混合
し、攪拌、振盪することにより行うことができる。
【0027】反応の終点は、例えば、反応液中の原料化
合物の存在量を液体クロマトグラフィー、ガスクロマト
グラフィー等により追跡することにより決定することが
できる。反応時間の範囲としては、通常、5分間〜10
日間、好ましくは30分間〜4日間の範囲をあげること
ができる。
合物の存在量を液体クロマトグラフィー、ガスクロマト
グラフィー等により追跡することにより決定することが
できる。反応時間の範囲としては、通常、5分間〜10
日間、好ましくは30分間〜4日間の範囲をあげること
ができる。
【0028】反応終了後は、触媒として酵素を使用して
化合物を製造する方法において通常用いられる化合物の
回収方法により目的物を採取すればよい。例えば、まず
反応液をヘキサン、ヘプタン、tert−ブチルメチル
エーテル、酢酸エチル、トルエン等の有機溶媒で抽出す
る。必要に応じて反応液を濾過したり、又は遠心分離等
の処理により不溶物を除去した後に前記抽出操作を行な
えばよい。次に抽出された有機層を乾燥した後、濃縮物
として目的物を回収することができる。目的物は、必要
によりカラムクロマトグラフィー等によりさらに精製す
ることができる。
化合物を製造する方法において通常用いられる化合物の
回収方法により目的物を採取すればよい。例えば、まず
反応液をヘキサン、ヘプタン、tert−ブチルメチル
エーテル、酢酸エチル、トルエン等の有機溶媒で抽出す
る。必要に応じて反応液を濾過したり、又は遠心分離等
の処理により不溶物を除去した後に前記抽出操作を行な
えばよい。次に抽出された有機層を乾燥した後、濃縮物
として目的物を回収することができる。目的物は、必要
によりカラムクロマトグラフィー等によりさらに精製す
ることができる。
【0029】
【実施例】以下、製造例等により本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものでは
ない。
説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものでは
ない。
【0030】実施例1 (本還元酵素遺伝子の調製(そ
の1)及び本還元酵素遺伝子を含有する形質転換体の調
製) 配列番号2で示される塩基配列からなるDNAを含有す
るプラスミドpKARを以下のようにして調製した。ま
ず、Appl Microbial Biotechnol(1999)52:
386−392等に記載される公知のプラスミドpUAR
(受託番号FERM P−18127)から、配列番号
2で示されるDNAを含むDNA断片を、PstI及びSmaIを用い
て切り出した。切り出されたDNA断片を、PstI/SmaI処理
したpKK223‐3ベクター(Amersham Pharmacia Biotec
h社製)のTacプロモーターの下流に挿入した。このよう
にしてプラスミドpKARを構築した。構築されたプラ
スミドpKARを用いてE. coli JM109株を形質転換し
た。次に、フラスコに液体培地(水1000mlにトリ
プトン10g、酵母エキス5g及び塩化ナトリウム5g
を溶解した。この溶液に1N水酸化ナトリウム水溶液を
滴下することによりpHを7.0に調整した。)100
mlを入れ、滅菌した後、アンピシリンを100μg/
ml、ZnCl2を0.01%(w/v)、isopropyl thio-β-
D-galactoside(IPTG)を0.4mMになるように加え
た。このようにして調製された培地に、上記で得られた
形質転換体(E. coli JM109/pKAR株)が前記組成の液体
培地で予め培養された培養液0.3mlを接種し、これ
を30℃で14時間振盪培養した。培養後、得られた培
養液を遠心分離(15000×g、15分、4℃)する
ことにより、菌体を回収した。回収された菌体を、50
mMリン酸1カリウム−リン酸2カリウムバッファー
(pH7.0)30mlに懸濁し、この懸濁液を遠心分
離(15000×g、15分、4℃)することにより、
本還元酵素遺伝子を含有する形質転換体である洗浄菌体
を得た。
の1)及び本還元酵素遺伝子を含有する形質転換体の調
製) 配列番号2で示される塩基配列からなるDNAを含有す
るプラスミドpKARを以下のようにして調製した。ま
ず、Appl Microbial Biotechnol(1999)52:
386−392等に記載される公知のプラスミドpUAR
(受託番号FERM P−18127)から、配列番号
2で示されるDNAを含むDNA断片を、PstI及びSmaIを用い
て切り出した。切り出されたDNA断片を、PstI/SmaI処理
したpKK223‐3ベクター(Amersham Pharmacia Biotec
h社製)のTacプロモーターの下流に挿入した。このよう
にしてプラスミドpKARを構築した。構築されたプラ
スミドpKARを用いてE. coli JM109株を形質転換し
た。次に、フラスコに液体培地(水1000mlにトリ
プトン10g、酵母エキス5g及び塩化ナトリウム5g
を溶解した。この溶液に1N水酸化ナトリウム水溶液を
滴下することによりpHを7.0に調整した。)100
mlを入れ、滅菌した後、アンピシリンを100μg/
ml、ZnCl2を0.01%(w/v)、isopropyl thio-β-
D-galactoside(IPTG)を0.4mMになるように加え
た。このようにして調製された培地に、上記で得られた
形質転換体(E. coli JM109/pKAR株)が前記組成の液体
培地で予め培養された培養液0.3mlを接種し、これ
を30℃で14時間振盪培養した。培養後、得られた培
養液を遠心分離(15000×g、15分、4℃)する
ことにより、菌体を回収した。回収された菌体を、50
mMリン酸1カリウム−リン酸2カリウムバッファー
(pH7.0)30mlに懸濁し、この懸濁液を遠心分
離(15000×g、15分、4℃)することにより、
本還元酵素遺伝子を含有する形質転換体である洗浄菌体
を得た。
【0031】実施例2 (本還元酵素遺伝子の調製(そ
の2)) (2−1)染色体DNAの調製 フラスコに液体培地(水1000mlにトリプトン5
g、酵母エキス2.5g、塩化ナトリウム4g、ゼラチ
ン2.5g、酢酸ナトリウム1.5g及びスレオニン
2.4gを溶解する。この溶液に1N水酸化ナトリウム
水溶液を滴下することによりpHを7.0に調整す
る。)100mlを入れ、滅菌する。このようにして調
製された培地に、特開平10-94399等に記載される公知の
コリネバクテリウム・シュードジフテリティカム亜種
(Corynebacterium pseudodiphteriticum)ST-10株(受
託番号FERM P-13150)が前記組成の液体培地で予め培
養された培養液0.3mlを接種し、これを30℃で1
0時間振盪培養する。培養後、得られた培養液を遠心分
離(15000×g、15分、4℃)することにより、
菌体を回収する。回収された菌体を、50mMリン酸1
カリウム−リン酸2カリウムバッファー(pH7.0)
30mlに懸濁し、この懸濁液を遠心分離(15000
×g、15分、4℃)することにより、洗浄菌体を得
る。このようにして得られる洗浄菌体を用いて、J.C.Wa
ngらの方法(Appl Microbiol Biotechnol (1999)52:386
-392)によって染色体DNAを調製する。
の2)) (2−1)染色体DNAの調製 フラスコに液体培地(水1000mlにトリプトン5
g、酵母エキス2.5g、塩化ナトリウム4g、ゼラチ
ン2.5g、酢酸ナトリウム1.5g及びスレオニン
2.4gを溶解する。この溶液に1N水酸化ナトリウム
水溶液を滴下することによりpHを7.0に調整す
る。)100mlを入れ、滅菌する。このようにして調
製された培地に、特開平10-94399等に記載される公知の
コリネバクテリウム・シュードジフテリティカム亜種
(Corynebacterium pseudodiphteriticum)ST-10株(受
託番号FERM P-13150)が前記組成の液体培地で予め培
養された培養液0.3mlを接種し、これを30℃で1
0時間振盪培養する。培養後、得られた培養液を遠心分
離(15000×g、15分、4℃)することにより、
菌体を回収する。回収された菌体を、50mMリン酸1
カリウム−リン酸2カリウムバッファー(pH7.0)
30mlに懸濁し、この懸濁液を遠心分離(15000
×g、15分、4℃)することにより、洗浄菌体を得
る。このようにして得られる洗浄菌体を用いて、J.C.Wa
ngらの方法(Appl Microbiol Biotechnol (1999)52:386
-392)によって染色体DNAを調製する。
【0032】(2−2)本還元酵素遺伝子を含有するプ
ラスミドの調製(プラスミドpTrcPARの構築) 配列番号5で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオ
チドと配列番号6で示される塩基配列を有するオリゴヌ
クレオチドとをプライマーに、前記(2−1)で調製さ
れる染色体DNAを鋳型にして下記反応液組成、反応条
件でPCRを行う。(ロシュ・ダイアグノスティック社
製のExpand High Fidelity PCR Systemを使用)
ラスミドの調製(プラスミドpTrcPARの構築) 配列番号5で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオ
チドと配列番号6で示される塩基配列を有するオリゴヌ
クレオチドとをプライマーに、前記(2−1)で調製さ
れる染色体DNAを鋳型にして下記反応液組成、反応条
件でPCRを行う。(ロシュ・ダイアグノスティック社
製のExpand High Fidelity PCR Systemを使用)
【0033】[反応液組成]
染色体DNA 1μl
dNTP(各2.5mM-mix) 0.4μl
プライマー(20pmol/μl) 各0.75μl
10xbuffer(with MgCl2) 5μl
enz.expandHiFi (3.5x103U/ml) 0.375μl
超純水 41.725μl
【0034】[反応条件]上記組成の反応液が入った容
器をPERKIN ELMER−GeneAmp PCR System2400にセッ
トし、97℃(2分間)に加熱した後、97℃(0.2
5分間)-55℃(0.5分間)-72℃(1.5分間)の
サイクルを10回、次いで97℃(0.25分間)-55
℃(0.5分間)-72℃(2.5分間)のサイクルを20
回行い、さらに72℃で7分間保持する。
器をPERKIN ELMER−GeneAmp PCR System2400にセッ
トし、97℃(2分間)に加熱した後、97℃(0.2
5分間)-55℃(0.5分間)-72℃(1.5分間)の
サイクルを10回、次いで97℃(0.25分間)-55
℃(0.5分間)-72℃(2.5分間)のサイクルを20
回行い、さらに72℃で7分間保持する。
【0035】PCR反応液を精製して得られたPCR増
幅DNA断片に2種類の制限酵素(NcoI及びBamHI)を
加えることにより、当該DNA断片を2重消化する。次
いで得られるDNA断片を精製する。一方、ベクターp
Trc99A(Pharmacia製)を2種類の制限酵素(NcoI
及びBamHI)を加えることにより、当該ベクターを2重
消化する。次いで得られるDNA断片を精製する。この
ようにして精製して得られる2種類のDNA断片を混合
し、T4 DNAリガーゼでライゲーションする。得ら
れるライゲーション液でE.coli DH5αを形質転換す
る。得られる形質転換体からQIAprep Spin Miniprep Ki
t (Qiagen社製)を用いて本還元酵素遺伝子を含有するプ
ラスミド(以下、プラスミドpTrcPARと記すこと
もある。)を取り出す。
幅DNA断片に2種類の制限酵素(NcoI及びBamHI)を
加えることにより、当該DNA断片を2重消化する。次
いで得られるDNA断片を精製する。一方、ベクターp
Trc99A(Pharmacia製)を2種類の制限酵素(NcoI
及びBamHI)を加えることにより、当該ベクターを2重
消化する。次いで得られるDNA断片を精製する。この
ようにして精製して得られる2種類のDNA断片を混合
し、T4 DNAリガーゼでライゲーションする。得ら
れるライゲーション液でE.coli DH5αを形質転換す
る。得られる形質転換体からQIAprep Spin Miniprep Ki
t (Qiagen社製)を用いて本還元酵素遺伝子を含有するプ
ラスミド(以下、プラスミドpTrcPARと記すこと
もある。)を取り出す。
【0036】実施例3 (本還元酵素遺伝子の調製(そ
の3)) (3−1)cDNAライブラリーの調製 500mlフラスコに培地(水にポテト・デキストロー
ス・ブロース(ベクトン・ディッキンソン社製)を24
g/Lの割合で溶解したもの)100mlを入れ、121
℃で15分間滅菌した。ここに同組成の培地中で培養
(30℃、48時間、振盪培養)したペニシリウム・シ
トリナム(Penicillium citrinum)IFO4631株の培養液
0.5mlを加え、30℃で72時間振盪培養した。そ
の後、得られた培養液を遠心し(8000xg、10
分)、生じた沈殿を集めた。この沈殿を20mMリン酸
カリウムバッファー(pH7.0)50mlで3回洗浄
して、約1.0gの洗浄菌体を得た。ペニシリウム・シ
トリナム(Penicillium citrinum)IFO4631株の洗浄菌
体を用いて、チオシアン酸グアニジンフェノールクロロ
ホルム法で全RNAを調製した。調製された全RNAか
ら、Oligotex(dT)30-Super(宝酒造社製)を用いてpoly
(A)を有するRNAを得た。cDNAライブラリーの作
製は、Gubler and Hoffman法に基づいて実施した。ま
ず、上記のようにして得られたpoly(A)を有するRN
A、Oligo(dT)18-リンカープライマー((含XhoIサイ
ト)宝酒造社製)、RAV-2 Rtase及びSuperScriptII R
taseを用いて一本鎖cDNAを調製した。調製された一本鎖
cDNA(を含む前記反応液)にE. coli DNA polymera
se、E. coli Rnase/E. coli DNA Ligase Mixture及びT4
DNA Polymeraseを加えることにより、二本鎖cDNA
の合成及び当該二本鎖cDNAの平滑末端化処理を行っ
た。このようにして得られた二本鎖cDNAとEcoRI-No
tI-BamHIアダプター(宝酒造社製)とのライゲーション
を行った。ライゲーション後に得られたDNAを、以下
の順で、リン酸化処理、XhoIでの切断処理、スピンカラ
ム(宝酒造社製)を用いる低分子量DNAの除去処理、λ
ZapII(EcoRI-XhoI切断)とのライゲーションした後、i
n vitro packaging kit (STRATAGENE社製)を用いてパッ
ケージングすることにより、cDNAライブラリー(以
下、cDNAライブラリー(A)と記すこともある。)
を調製した。
の3)) (3−1)cDNAライブラリーの調製 500mlフラスコに培地(水にポテト・デキストロー
ス・ブロース(ベクトン・ディッキンソン社製)を24
g/Lの割合で溶解したもの)100mlを入れ、121
℃で15分間滅菌した。ここに同組成の培地中で培養
(30℃、48時間、振盪培養)したペニシリウム・シ
トリナム(Penicillium citrinum)IFO4631株の培養液
0.5mlを加え、30℃で72時間振盪培養した。そ
の後、得られた培養液を遠心し(8000xg、10
分)、生じた沈殿を集めた。この沈殿を20mMリン酸
カリウムバッファー(pH7.0)50mlで3回洗浄
して、約1.0gの洗浄菌体を得た。ペニシリウム・シ
トリナム(Penicillium citrinum)IFO4631株の洗浄菌
体を用いて、チオシアン酸グアニジンフェノールクロロ
ホルム法で全RNAを調製した。調製された全RNAか
ら、Oligotex(dT)30-Super(宝酒造社製)を用いてpoly
(A)を有するRNAを得た。cDNAライブラリーの作
製は、Gubler and Hoffman法に基づいて実施した。ま
ず、上記のようにして得られたpoly(A)を有するRN
A、Oligo(dT)18-リンカープライマー((含XhoIサイ
ト)宝酒造社製)、RAV-2 Rtase及びSuperScriptII R
taseを用いて一本鎖cDNAを調製した。調製された一本鎖
cDNA(を含む前記反応液)にE. coli DNA polymera
se、E. coli Rnase/E. coli DNA Ligase Mixture及びT4
DNA Polymeraseを加えることにより、二本鎖cDNA
の合成及び当該二本鎖cDNAの平滑末端化処理を行っ
た。このようにして得られた二本鎖cDNAとEcoRI-No
tI-BamHIアダプター(宝酒造社製)とのライゲーション
を行った。ライゲーション後に得られたDNAを、以下
の順で、リン酸化処理、XhoIでの切断処理、スピンカラ
ム(宝酒造社製)を用いる低分子量DNAの除去処理、λ
ZapII(EcoRI-XhoI切断)とのライゲーションした後、i
n vitro packaging kit (STRATAGENE社製)を用いてパッ
ケージングすることにより、cDNAライブラリー(以
下、cDNAライブラリー(A)と記すこともある。)
を調製した。
【0037】(3−2)本還元酵素遺伝子を含有するプ
ラスミドの調製(プラスミドpTrcRPcの構築) 配列番号7で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオ
チドと配列番号8で示されるオリゴヌクレオチドとをプ
ライマーに用いて、前記(3−1)で調製されたcDN
Aライブラリーを鋳型にして下記反応液組成、反応条件
でPCRを行った。(ロシュ・ダイアグノスティック社
製のExpand High Fidelity PCR Systemを使用)
ラスミドの調製(プラスミドpTrcRPcの構築) 配列番号7で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオ
チドと配列番号8で示されるオリゴヌクレオチドとをプ
ライマーに用いて、前記(3−1)で調製されたcDN
Aライブラリーを鋳型にして下記反応液組成、反応条件
でPCRを行った。(ロシュ・ダイアグノスティック社
製のExpand High Fidelity PCR Systemを使用)
【0038】[反応液組成]
cDNAライブラリー原液 1μl
dNTP(各2.5mM-mix) 0.4μl
プライマー(20pmol/μl) 各0.75μl
10xbuffer(with MgCl2) 5μl
enz.expandHiFi (3.5x103U/ml) 0.375μl
超純水 41.725μl
【0039】[反応条件]上記組成の反応液が入った容
器をPERKIN ELMER−GeneAmp PCR System2400にセッ
トし、97℃(2分間)に加熱した後、97℃(0.2
5分間)-55℃(0.5分間)-72℃(1.5分間)の
サイクルを10回、次いで97℃(0.25分間)-55
℃(0.5分間)-72℃(2.5分間)のサイクルを20
回行い、さらに72℃で7分間保持した。
器をPERKIN ELMER−GeneAmp PCR System2400にセッ
トし、97℃(2分間)に加熱した後、97℃(0.2
5分間)-55℃(0.5分間)-72℃(1.5分間)の
サイクルを10回、次いで97℃(0.25分間)-55
℃(0.5分間)-72℃(2.5分間)のサイクルを20
回行い、さらに72℃で7分間保持した。
【0040】PCR反応液を精製して得られたPCR増
幅DNA断片に2種類の制限酵素(NcoI及びBamHI)を
加えることにより、当該DNA断片を2重消化させた。
次いで得られたDNA断片を精製した。一方、ベクター
pTrc99A(Pharmacia製)を2種類の制限酵素(Nc
oI及びBamHI)を加えることにより、当該ベクターを2
重消化させた。次いで消化されたDNA断片を精製し
た。このようにして精製して得られた2種類のDNA断
片を混合し、T4 DNAリガーゼでライゲーションし
た。得られたライゲーション液でE.coli DH5αを形質転
換した。得られた形質転換体からQIAprep Spin Minipre
p Kit (Qiagen社製)を用いて本還元酵素遺伝子を含有す
るプラスミド(以下、プラスミドpTrcRPcと記す
こともある。)を取り出した。
幅DNA断片に2種類の制限酵素(NcoI及びBamHI)を
加えることにより、当該DNA断片を2重消化させた。
次いで得られたDNA断片を精製した。一方、ベクター
pTrc99A(Pharmacia製)を2種類の制限酵素(Nc
oI及びBamHI)を加えることにより、当該ベクターを2
重消化させた。次いで消化されたDNA断片を精製し
た。このようにして精製して得られた2種類のDNA断
片を混合し、T4 DNAリガーゼでライゲーションし
た。得られたライゲーション液でE.coli DH5αを形質転
換した。得られた形質転換体からQIAprep Spin Minipre
p Kit (Qiagen社製)を用いて本還元酵素遺伝子を含有す
るプラスミド(以下、プラスミドpTrcRPcと記す
こともある。)を取り出した。
【0041】実施例4 (本補酵素再生酵素遺伝子の調
製) (4−1)酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレ
オチド等を還元型に変換する能力を有する酵素のアミノ
酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子を調製する
ための準備 フラスコにLB培地(1%トリプトン、0.5%酵母エ
キス、1%塩化ナトリウム)100mlを入れ、滅菌し
た。このようにして調製された培地に、Bacillus megat
erium IFO12108株が前記組成の液体培地で予め培養され
た培養液0.3mlを接種し、これを30℃で10時間
振盪培養した。培養後、得られた培養液を遠心分離(1
5000×g、15分、4℃)することにより、菌体を
回収した。回収された菌体を、50mMリン酸1カリウ
ム−リン酸2カリウムバッファー(pH7.0)30m
lに懸濁し、この懸濁液を遠心分離(15000×g、
15分、4℃)することにより、洗浄菌体を得た。この
ようにして得られた洗浄菌体からQiagen Genomic Tip
(Qiagen社製)を用い、それに付属するマニュアルに記載
される方法に従って染色体DNAを精製した。
製) (4−1)酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレ
オチド等を還元型に変換する能力を有する酵素のアミノ
酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子を調製する
ための準備 フラスコにLB培地(1%トリプトン、0.5%酵母エ
キス、1%塩化ナトリウム)100mlを入れ、滅菌し
た。このようにして調製された培地に、Bacillus megat
erium IFO12108株が前記組成の液体培地で予め培養され
た培養液0.3mlを接種し、これを30℃で10時間
振盪培養した。培養後、得られた培養液を遠心分離(1
5000×g、15分、4℃)することにより、菌体を
回収した。回収された菌体を、50mMリン酸1カリウ
ム−リン酸2カリウムバッファー(pH7.0)30m
lに懸濁し、この懸濁液を遠心分離(15000×g、
15分、4℃)することにより、洗浄菌体を得た。この
ようにして得られた洗浄菌体からQiagen Genomic Tip
(Qiagen社製)を用い、それに付属するマニュアルに記載
される方法に従って染色体DNAを精製した。
【0042】(4−2)酸化型β−ニコチンアミドアデ
ニンジヌクレオチド等を還元型に変換する能力を有する
酵素のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝
子の調製(その1:プラスミドpSDGDH12の構
築) The Journal of Biological Chemistry Vol.264, No.1
1, 6381-6385(1989)に記載された公知のBacillus megat
erium IWG3由来のグルコース脱水素酵素のアミノ酸配列
に基づいて配列番号9で示される塩基配列を有するオリ
ゴヌクレオチドと配列番号10で示される塩基配列を有
するオリゴヌクレオチドとを合成する。配列番号9で示
される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号
10で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと
をプライマーに用いて、前記(4−1)で精製された染
色体DNAを鋳型にして実施例2(2−2)に記載させ
る反応液組成、反応条件でPCRを行う。(ロシュ・ダ
イアグノスティック社製のExpand High Fidelity PCR S
ystemを使用) PCR反応液を精製して得られたPCR増幅DNA断片
を、Invitrogen社製TOPOTMTA cloningキットを用いてp
CR2.1−TOPOベクターの既存「PCR Product挿入サイ
ト」にライゲーションする。得られるライゲーション液
でE.coli DH5αを形質転換する。得られる形質転換体
からQIAprep Spin Miniprep Kit (Qiagen社製)を用いて
グルコース脱水素酵素を含有するプラスミド(以下、プ
ラスミドpSDGDH12と記すこともある。)を取り
出す。次に、取り出されるプラスミドpSDGDH12
を鋳型として、Dye Terminator Cycle sequencing FS r
eady Reaction Kit(パーキンエルマー製)を用いたシ
ークエンス反応を行った後、得られるDNAの塩基配列
をDNAシーケンサー373A(パーキンエルマー製)で解
析する。その結果を配列番号11に示す。
ニンジヌクレオチド等を還元型に変換する能力を有する
酵素のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝
子の調製(その1:プラスミドpSDGDH12の構
築) The Journal of Biological Chemistry Vol.264, No.1
1, 6381-6385(1989)に記載された公知のBacillus megat
erium IWG3由来のグルコース脱水素酵素のアミノ酸配列
に基づいて配列番号9で示される塩基配列を有するオリ
ゴヌクレオチドと配列番号10で示される塩基配列を有
するオリゴヌクレオチドとを合成する。配列番号9で示
される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号
10で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと
をプライマーに用いて、前記(4−1)で精製された染
色体DNAを鋳型にして実施例2(2−2)に記載させ
る反応液組成、反応条件でPCRを行う。(ロシュ・ダ
イアグノスティック社製のExpand High Fidelity PCR S
ystemを使用) PCR反応液を精製して得られたPCR増幅DNA断片
を、Invitrogen社製TOPOTMTA cloningキットを用いてp
CR2.1−TOPOベクターの既存「PCR Product挿入サイ
ト」にライゲーションする。得られるライゲーション液
でE.coli DH5αを形質転換する。得られる形質転換体
からQIAprep Spin Miniprep Kit (Qiagen社製)を用いて
グルコース脱水素酵素を含有するプラスミド(以下、プ
ラスミドpSDGDH12と記すこともある。)を取り
出す。次に、取り出されるプラスミドpSDGDH12
を鋳型として、Dye Terminator Cycle sequencing FS r
eady Reaction Kit(パーキンエルマー製)を用いたシ
ークエンス反応を行った後、得られるDNAの塩基配列
をDNAシーケンサー373A(パーキンエルマー製)で解
析する。その結果を配列番号11に示す。
【0043】(4−3)酸化型β−ニコチンアミドアデ
ニンジヌクレオチドリン酸等を還元型に変換する能力を
有する酵素のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有す
る遺伝子の調製(その2:プラスミドpAGDH12の
構築) (4−3−1)プラスミドpTGDH12の構築 配列番号11で示される塩基配列を基にして配列番号1
3で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配
列番号14で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオ
チドとを合成した。配列番号13で示される塩基配列を
有するオリゴヌクレオチドと配列番号14で示される塩
基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーに用
いて、前記(4−1)で精製された染色体DNAを鋳型
にして以下の反応液組成、反応条件でPCRを行った。
(ロシュ・ダイアグノスティック社製のExpand High Fid
elity PCR Systemを使用)
ニンジヌクレオチドリン酸等を還元型に変換する能力を
有する酵素のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有す
る遺伝子の調製(その2:プラスミドpAGDH12の
構築) (4−3−1)プラスミドpTGDH12の構築 配列番号11で示される塩基配列を基にして配列番号1
3で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配
列番号14で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオ
チドとを合成した。配列番号13で示される塩基配列を
有するオリゴヌクレオチドと配列番号14で示される塩
基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーに用
いて、前記(4−1)で精製された染色体DNAを鋳型
にして以下の反応液組成、反応条件でPCRを行った。
(ロシュ・ダイアグノスティック社製のExpand High Fid
elity PCR Systemを使用)
【0044】[反応液組成]
染色体DNA原液 1μl
dNTP(各2.5mM-mix) 0.4μl
プライマー(20pmol/μl) 各0.75μl
10xbuffer(with MgCl) 5μl
enz.expandHiFi (3.5x103U/ml) 0.375μl
超純水 41.725μl
【0045】[PCR反応条件]上記組成に反応液が入っ
た容器をPERKIN ELMER−GeneAmp PCR System2400に
セットし、97℃(2分間)に加熱した後、97℃(0.25分
間)-55℃(0.5分間)-72℃(1.5分間)のサイクルを10
回、次いで97℃(0.25分間)-55℃(0.5分間)-72℃(2.5分
間)のサイクルを20回、さらに72℃で7分間保持した。
た容器をPERKIN ELMER−GeneAmp PCR System2400に
セットし、97℃(2分間)に加熱した後、97℃(0.25分
間)-55℃(0.5分間)-72℃(1.5分間)のサイクルを10
回、次いで97℃(0.25分間)-55℃(0.5分間)-72℃(2.5分
間)のサイクルを20回、さらに72℃で7分間保持した。
【0046】PCR反応液を精製して得られたPCR増
幅DNA断片に2種類の制限酵素(NcoI及びBamHI)を
加えることにより、当該DNA断片を2重消化させた。
次いで得られたDNA断片を精製した。一方、ベクター
pTV118N(宝酒造社製)を2種類の制限酵素(Nc
oI及びBamHI)を加えることにより、当該ベクターを2
重消化させた。次いで消化されたDNA断片を精製し
た。このようにして精製して得られた2種類のDNA断
片を混合し、T4 DNAリガーゼでライゲーションし
た。得られたライゲーション液でE.coli DH5αを形質転
換した。得られた形質転換体からQIAprep Spin Minipre
p Kit (Qiagen社製)を用いて本還元酵素遺伝子を含有す
るプラスミド(以下、プラスミドpTGDH12と記す
こともある。)を取り出した。
幅DNA断片に2種類の制限酵素(NcoI及びBamHI)を
加えることにより、当該DNA断片を2重消化させた。
次いで得られたDNA断片を精製した。一方、ベクター
pTV118N(宝酒造社製)を2種類の制限酵素(Nc
oI及びBamHI)を加えることにより、当該ベクターを2
重消化させた。次いで消化されたDNA断片を精製し
た。このようにして精製して得られた2種類のDNA断
片を混合し、T4 DNAリガーゼでライゲーションし
た。得られたライゲーション液でE.coli DH5αを形質転
換した。得られた形質転換体からQIAprep Spin Minipre
p Kit (Qiagen社製)を用いて本還元酵素遺伝子を含有す
るプラスミド(以下、プラスミドpTGDH12と記す
こともある。)を取り出した。
【0047】(4−3−2)プラスミドpCGDH12
の構築 ベクターpTV118N(宝酒造社製)の塩基配列を基
にして配列番号15で示される塩基配列を有するオリゴ
ヌクレオチドを合成した。配列番号15で示される塩基
配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号14で示さ
れる塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマ
ーに用いて、プラスミドpTGDH12を鋳型にして以
下の反応液組成、反応条件でPCRを行った。(ロシュ
・ダイアグノスティック社製のExpand High Fidelity P
CR Systemを使用)
の構築 ベクターpTV118N(宝酒造社製)の塩基配列を基
にして配列番号15で示される塩基配列を有するオリゴ
ヌクレオチドを合成した。配列番号15で示される塩基
配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号14で示さ
れる塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマ
ーに用いて、プラスミドpTGDH12を鋳型にして以
下の反応液組成、反応条件でPCRを行った。(ロシュ
・ダイアグノスティック社製のExpand High Fidelity P
CR Systemを使用)
【0048】[反応液組成]
プラスミドpTGDH12溶液 1μl
dNTP(各2.5mM-mix) 0.4μl
プライマー(20pmol/μl) 各0.75μl
10xbuffer(with MgCl) 5μl
enz.expandHiFi (3.5x103U/ml) 0.375μl
超純水 41.725μl
【0049】[PCR反応条件]上記組成に反応液が入っ
た容器をPERKIN ELMER−GeneAmp PCR System2400に
セットし、97℃(2分間)に加熱した後、97℃(0.25分
間)-55℃(0.5分間)-72℃(1.5分間)のサイクルを10
回、次いで97℃(0.25分間)-55℃(0.5分間)-72℃(2.5分
間)のサイクルを20回、さらに72℃で7分間保持した。
た容器をPERKIN ELMER−GeneAmp PCR System2400に
セットし、97℃(2分間)に加熱した後、97℃(0.25分
間)-55℃(0.5分間)-72℃(1.5分間)のサイクルを10
回、次いで97℃(0.25分間)-55℃(0.5分間)-72℃(2.5分
間)のサイクルを20回、さらに72℃で7分間保持した。
【0050】得られたPCR反応液とInvitrogen社製TO
POTMTA cloningキットVer.Eとを用いて、PCRによって得
られた約1000bpのDNA断片をpCR2.1−TOPOベ
クターの既存「PCR Product挿入サイト」にライゲーシ
ョンし、そのライゲーション液でE.coli DH5αを形質
転換した。得られた形質転換体からQIAprep Spin Minip
rep Kit (Qiagen社製)を用いて本還元酵素遺伝子を含有
するプラスミド(以下、プラスミドpCGDH12と記
すこともある。)を取り出した。
POTMTA cloningキットVer.Eとを用いて、PCRによって得
られた約1000bpのDNA断片をpCR2.1−TOPOベ
クターの既存「PCR Product挿入サイト」にライゲーシ
ョンし、そのライゲーション液でE.coli DH5αを形質
転換した。得られた形質転換体からQIAprep Spin Minip
rep Kit (Qiagen社製)を用いて本還元酵素遺伝子を含有
するプラスミド(以下、プラスミドpCGDH12と記
すこともある。)を取り出した。
【0051】(4−3−3)プラスミドpAGDH12
の構築) プラスミドpCGDH12に制限酵素(BamHI)を加え
ることにより、当該プラスミドを消化した。次いで、得
られるDNA断片(約1000bp)を精製した。一
方、ベクターpACYC184(ニッポンジーン社製)に制限
酵素(BamHI)を加えることにより、当該ベクターを消
化した。次いで得られるDNA断片を精製した。さら
に、セルフライゲーションを防ぐため、Alkaline Phosp
atase(宝酒造社製)を用いて脱リン酸化処理を行っ
た。
の構築) プラスミドpCGDH12に制限酵素(BamHI)を加え
ることにより、当該プラスミドを消化した。次いで、得
られるDNA断片(約1000bp)を精製した。一
方、ベクターpACYC184(ニッポンジーン社製)に制限
酵素(BamHI)を加えることにより、当該ベクターを消
化した。次いで得られるDNA断片を精製した。さら
に、セルフライゲーションを防ぐため、Alkaline Phosp
atase(宝酒造社製)を用いて脱リン酸化処理を行っ
た。
【0052】このようにして精製して得られた2種類の
DNA断片を混合し、T4 DNAリガーゼでライゲー
ションした。得られたライゲーション液でE.coli DH5
αを形質転換した。得られた形質転換体を20μg/m
lのクロラムフェニコールを含有するLB寒天培地で培
養し、生育してきたコロニーの中から4コロニーを無作
為に選抜した。この選抜されたコロニーをそれぞれ20
μg/mlのクロラムフェニコールを含有する滅菌LB
培地(2ml)に接種し、試験管中で振盪培養した(3
0℃、24時間)。それぞれの培養菌体からQIAprep Sp
in Miniprep Kit (Qiagen社製)を用いてプラスミドを取
り出した。取り出したプラスミドのそれぞれの一部を制
限酵素(BamHI)により消化した後、当該消化物を電気
泳動することにより、取り出されたプラスミド全てには
前記DNA断片(約1000bp)が挿入されているこ
とを確認した。(以下、取り出されたプラスミドをプラ
スミドpAGDH12と記すこともある。)
DNA断片を混合し、T4 DNAリガーゼでライゲー
ションした。得られたライゲーション液でE.coli DH5
αを形質転換した。得られた形質転換体を20μg/m
lのクロラムフェニコールを含有するLB寒天培地で培
養し、生育してきたコロニーの中から4コロニーを無作
為に選抜した。この選抜されたコロニーをそれぞれ20
μg/mlのクロラムフェニコールを含有する滅菌LB
培地(2ml)に接種し、試験管中で振盪培養した(3
0℃、24時間)。それぞれの培養菌体からQIAprep Sp
in Miniprep Kit (Qiagen社製)を用いてプラスミドを取
り出した。取り出したプラスミドのそれぞれの一部を制
限酵素(BamHI)により消化した後、当該消化物を電気
泳動することにより、取り出されたプラスミド全てには
前記DNA断片(約1000bp)が挿入されているこ
とを確認した。(以下、取り出されたプラスミドをプラ
スミドpAGDH12と記すこともある。)
【0053】実施例5 (本還元酵素遺伝子及び本補酵
素再生酵素遺伝子を含有するプラスミドの調製(その
1):プラスミドpTrcPARSbGの構築) 実施例4(4-2)で調製されたプラスミドpSDGD
H12に2種類の制限酵素(BamHIとXbaI)を加えるこ
とにより、当該プラスミドを2重消化させる。次いで消
化されたDNA断片を精製する。一方、実施例2で調製
されるプラスミドpTrcPARに2種類の制限酵素
(BamHIとXbaI)を加えることにより、当該プラスミド
を2重消化させる。次いで得られるDNA断片を精製す
る。このようにして精製して得られる2種類のDNA断
片を混合し、T4 DNAリガーゼでライゲーションす
る。得られるライゲーション液でE.coli DH5αを形質
転換する。得られる形質転換体からQIAprep Spin Minip
rep Kit (Qiagen社製)を用いて本還元酵素遺伝子及び本
補酵素再生遺伝子を含有するプラスミド(以下、プラス
ミドpTrcPARSbGと記すこともある。)を取り
出す。
素再生酵素遺伝子を含有するプラスミドの調製(その
1):プラスミドpTrcPARSbGの構築) 実施例4(4-2)で調製されたプラスミドpSDGD
H12に2種類の制限酵素(BamHIとXbaI)を加えるこ
とにより、当該プラスミドを2重消化させる。次いで消
化されたDNA断片を精製する。一方、実施例2で調製
されるプラスミドpTrcPARに2種類の制限酵素
(BamHIとXbaI)を加えることにより、当該プラスミド
を2重消化させる。次いで得られるDNA断片を精製す
る。このようにして精製して得られる2種類のDNA断
片を混合し、T4 DNAリガーゼでライゲーションす
る。得られるライゲーション液でE.coli DH5αを形質
転換する。得られる形質転換体からQIAprep Spin Minip
rep Kit (Qiagen社製)を用いて本還元酵素遺伝子及び本
補酵素再生遺伝子を含有するプラスミド(以下、プラス
ミドpTrcPARSbGと記すこともある。)を取り
出す。
【0054】実施例6 (本還元酵素遺伝子及び本補酵
素再生遺伝子を含有するプラスミドの調製(その2):
プラスミドpTrcRSbG12の構築) 実施例4(4−2)で調製されたプラスミドpSDGD
H12に2種類の制限酵素(BamHIとXbaI)を加えるこ
とにより、当該プラスミドを2重消化させた。次いで消
化されたDNA断片を精製した。一方、実施例3で調製
されるプラスミドpTrcRPcに2種類の制限酵素
(BamHIとXbaI)を加えることにより、当該プラスミド
を2重消化させた。次いで消化されたDNA断片を精製
した。このようにして精製して得られた2種類のDNA
断片を混合し、T4 DNAリガーゼでライゲーション
した。得られたライゲーション液でE.coli DH5αを形
質転換した。得られた形質転換体からQIAprep Spin Min
iprep Kit (Qiagen社製)を用いて本還元酵素遺伝子及び
本補酵素再生酵素遺伝子を含有するプラスミド(以下、
プラスミドpTrcRSbG12と記すこともある。)
を取り出した。
素再生遺伝子を含有するプラスミドの調製(その2):
プラスミドpTrcRSbG12の構築) 実施例4(4−2)で調製されたプラスミドpSDGD
H12に2種類の制限酵素(BamHIとXbaI)を加えるこ
とにより、当該プラスミドを2重消化させた。次いで消
化されたDNA断片を精製した。一方、実施例3で調製
されるプラスミドpTrcRPcに2種類の制限酵素
(BamHIとXbaI)を加えることにより、当該プラスミド
を2重消化させた。次いで消化されたDNA断片を精製
した。このようにして精製して得られた2種類のDNA
断片を混合し、T4 DNAリガーゼでライゲーション
した。得られたライゲーション液でE.coli DH5αを形
質転換した。得られた形質転換体からQIAprep Spin Min
iprep Kit (Qiagen社製)を用いて本還元酵素遺伝子及び
本補酵素再生酵素遺伝子を含有するプラスミド(以下、
プラスミドpTrcRSbG12と記すこともある。)
を取り出した。
【0055】実施例7 (本還元酵素遺伝子及び本補酵
素再生酵素遺伝子を含有する形質転換体の調製(その
1)) 実施例5で調製されるプラスミドpTrcPARSbG
を用いてE.coli HB101を形質転換する。得られる形質
転換体を0.4mMのIPTG、0.01%(W/V)
のZnCl2及び50μg/mlのアンピシリンを含有
する滅菌LB培地(100ml×3本)に接種した後、
これを振盪培養する(30℃、18時間)。培養後、培
養液を遠心分離・洗浄することにより、洗浄菌体を回収
する。
素再生酵素遺伝子を含有する形質転換体の調製(その
1)) 実施例5で調製されるプラスミドpTrcPARSbG
を用いてE.coli HB101を形質転換する。得られる形質
転換体を0.4mMのIPTG、0.01%(W/V)
のZnCl2及び50μg/mlのアンピシリンを含有
する滅菌LB培地(100ml×3本)に接種した後、
これを振盪培養する(30℃、18時間)。培養後、培
養液を遠心分離・洗浄することにより、洗浄菌体を回収
する。
【0056】実施例8 (本還元酵素遺伝子及び本補酵
素再生酵素遺伝子を含有する形質転換体の調製(その
2)) 実施例6で調製されたpTrcRSbG12プラスミド
を用いてE.coli HB101を形質転換した。得られた形質
転換体を0.1mMのIPTG及び50μg/mlのア
ンピシリンを含有する滅菌LB培地(100ml×3
本)に接種した後、これを振盪培養した(30℃、18
時間)。培養後、培養液を遠心分離・洗浄することによ
り、洗浄菌体1.2gを回収した。
素再生酵素遺伝子を含有する形質転換体の調製(その
2)) 実施例6で調製されたpTrcRSbG12プラスミド
を用いてE.coli HB101を形質転換した。得られた形質
転換体を0.1mMのIPTG及び50μg/mlのア
ンピシリンを含有する滅菌LB培地(100ml×3
本)に接種した後、これを振盪培養した(30℃、18
時間)。培養後、培養液を遠心分離・洗浄することによ
り、洗浄菌体1.2gを回収した。
【0057】実施例9 (本還元酵素遺伝子及び本補酵
素再生酵素遺伝子を含有する形質転換体の調製(その
3)) 実施例3で調製されるプラスミドpTrcRPc及び実
施例4(4−3)で調製されたプラスミドpAGDH1
2を用いてE.coli HB101を形質転換する。得られる形
質転換体を0.4mMのIPTG、20μg/mlのク
ロラムフェニコール及び50μg/mlのアンピシリン
を含有する滅菌LB培地(100ml×3本)に接種し
た後、これを振盪培養する(30℃、18時間)。培養
後、培養液を遠心分離・洗浄することにより、洗浄菌体
を回収する。
素再生酵素遺伝子を含有する形質転換体の調製(その
3)) 実施例3で調製されるプラスミドpTrcRPc及び実
施例4(4−3)で調製されたプラスミドpAGDH1
2を用いてE.coli HB101を形質転換する。得られる形
質転換体を0.4mMのIPTG、20μg/mlのク
ロラムフェニコール及び50μg/mlのアンピシリン
を含有する滅菌LB培地(100ml×3本)に接種し
た後、これを振盪培養する(30℃、18時間)。培養
後、培養液を遠心分離・洗浄することにより、洗浄菌体
を回収する。
【0058】参考例1(2‐ヒドロキシシクロアルカン
カルボン酸エステルの製造方法) 100mMリン酸1カリウム−リン酸2カリウムバッフ
ァー(pH7.0)25mlに、実施例1で調製された
洗浄菌体2g、NAD+13.3mg及び5%(v/v)の
2−プロパノールを加えた。この混合物に、さらに96
mgの2‐オキソシクロヘキサンカルボン酸エチルを加
えた。このようにして得られた混合物(反応液)を30
℃で19時間攪拌することにより反応を行った。反応終
了後、反応液に酢酸エチル50mlを注加攪拌し、次い
で遠心分離することにより有機層及び水層を別々に回収
した。回収された水層に再度酢酸エチル25mlを加え
て同様な操作を行った。このようにして得られた有機層
を合一濃縮した後、これをクロロホルム30mlに溶解
し、無水Na2SO4を用いて乾燥した。乾燥後、クロロ
ホルムを留去することにより、2‐ヒドロキシシクロヘ
キサンカルボン酸エチル100mgを得た。得られた2
‐ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸エチルの機器分
析結果は、以下のとおりであった。
カルボン酸エステルの製造方法) 100mMリン酸1カリウム−リン酸2カリウムバッフ
ァー(pH7.0)25mlに、実施例1で調製された
洗浄菌体2g、NAD+13.3mg及び5%(v/v)の
2−プロパノールを加えた。この混合物に、さらに96
mgの2‐オキソシクロヘキサンカルボン酸エチルを加
えた。このようにして得られた混合物(反応液)を30
℃で19時間攪拌することにより反応を行った。反応終
了後、反応液に酢酸エチル50mlを注加攪拌し、次い
で遠心分離することにより有機層及び水層を別々に回収
した。回収された水層に再度酢酸エチル25mlを加え
て同様な操作を行った。このようにして得られた有機層
を合一濃縮した後、これをクロロホルム30mlに溶解
し、無水Na2SO4を用いて乾燥した。乾燥後、クロロ
ホルムを留去することにより、2‐ヒドロキシシクロヘ
キサンカルボン酸エチル100mgを得た。得られた2
‐ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸エチルの機器分
析結果は、以下のとおりであった。
【0059】<機器分析結果>
化学純度79%(ガスクロ面百)、シス/トランス=9
5/5(ガスクロ面百比)、比旋光度〔α〕D=19°
(クロロホルム、25℃、c=0.7)、生成物の絶対
配置(1R,2S)
5/5(ガスクロ面百比)、比旋光度〔α〕D=19°
(クロロホルム、25℃、c=0.7)、生成物の絶対
配置(1R,2S)
【0060】尚、得られた2‐ヒドロキシシクロヘキサ
ンカルボン酸エチルの立体配置は、下記の分析条件での
ガスクロマトグラフィー(GC)分析により市販のシス
体及びトランス体の2‐ヒドロキシシクロヘキサンカル
ボン酸エチルとの保持時間比較により決定された。絶対
配置は、先行文献(Chem.Lett.(1989) 1465‐1466)の
データ[(1R,2S)−2−ヒドロキシシクロヘキサ
ンカルボン酸エチルの比旋光度〔α〕D=25.87°
(クロロホルム、25℃、c=1.23)]を参照した。
ンカルボン酸エチルの立体配置は、下記の分析条件での
ガスクロマトグラフィー(GC)分析により市販のシス
体及びトランス体の2‐ヒドロキシシクロヘキサンカル
ボン酸エチルとの保持時間比較により決定された。絶対
配置は、先行文献(Chem.Lett.(1989) 1465‐1466)の
データ[(1R,2S)−2−ヒドロキシシクロヘキサ
ンカルボン酸エチルの比旋光度〔α〕D=25.87°
(クロロホルム、25℃、c=1.23)]を参照した。
【0061】<化学純度分析条件>
ガスクロマトグラフィー
カラム:DB−1(信和加工) 0.53mmφ×30
m 膜圧1.5μm 注入口温度:120℃ カラム室温度:70℃(4℃/分)→170℃ 検出器温度:300℃ キャリアガス:ヘリウム 10ml/分 シス体 2‐ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸エチ
ル 15.6分 トランス体 2‐ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸
エチル 15.9分
m 膜圧1.5μm 注入口温度:120℃ カラム室温度:70℃(4℃/分)→170℃ 検出器温度:300℃ キャリアガス:ヘリウム 10ml/分 シス体 2‐ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸エチ
ル 15.6分 トランス体 2‐ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸
エチル 15.9分
【0062】実施例10(2‐ヒドロキシシクロアルカ
ンカルボン酸エステルの製造方法(その1)) 100mMリン酸1カリウム−リン酸2カリウムバッフ
ァー(pH6.5)20mlに、実施例7で調製される
洗浄菌体1g、NAD+12mg及びグルコース2.5
gを加える。この混合物に、さらに240mgの2‐オ
キソシクロヘキサンカルボン酸エチルを加えた後、当該
混合物のpHを15%炭酸ナトリウム水溶液で6.5に
調製する。このようにして得られる混合物(反応液)を
30℃で4時間攪拌することにより反応を行う。反応終
了後、反応液に酢酸エチル25mlを注加攪拌し、次い
で遠心分離することにより有機層及び水層を別々に回収
する。回収される水層に再度酢酸エチル25mlを加え
て同様な操作を行う。このようにして得られる有機層を
合一濃縮した後、これをクロロホルム30mlに溶解
し、無水Na2SO4を用いて乾燥する。乾燥後、クロロ
ホルムを留去することにより、2‐ヒドロキシシクロヘ
キサンカルボン酸エチルを得る。
ンカルボン酸エステルの製造方法(その1)) 100mMリン酸1カリウム−リン酸2カリウムバッフ
ァー(pH6.5)20mlに、実施例7で調製される
洗浄菌体1g、NAD+12mg及びグルコース2.5
gを加える。この混合物に、さらに240mgの2‐オ
キソシクロヘキサンカルボン酸エチルを加えた後、当該
混合物のpHを15%炭酸ナトリウム水溶液で6.5に
調製する。このようにして得られる混合物(反応液)を
30℃で4時間攪拌することにより反応を行う。反応終
了後、反応液に酢酸エチル25mlを注加攪拌し、次い
で遠心分離することにより有機層及び水層を別々に回収
する。回収される水層に再度酢酸エチル25mlを加え
て同様な操作を行う。このようにして得られる有機層を
合一濃縮した後、これをクロロホルム30mlに溶解
し、無水Na2SO4を用いて乾燥する。乾燥後、クロロ
ホルムを留去することにより、2‐ヒドロキシシクロヘ
キサンカルボン酸エチルを得る。
【0063】実施例11(2‐ヒドロキシシクロアルカ
ンカルボン酸エステルの製造方法(その2)) 100mMリン酸1カリウム−リン酸2カリウムバッフ
ァー(pH6.5)20mlに、実施例8で調製された
洗浄菌体1g、NADP+12mg及びグルコース2.
5gを加えた。この混合物に、さらに240mgの2‐
オキソシクロヘキサンカルボン酸エチルを加えた後、当
該混合物のpHを15%炭酸ナトリウム水溶液で6.5
に調製した。このようにして得られた混合物(反応液)
を30℃で4時間攪拌することにより反応を行った。反
応終了後、反応液に酢酸エチル25mlを注加攪拌し、
次いで遠心分離することにより有機層及び水層を別々に
回収した。回収された水層に再度酢酸エチル25mlを
加えて同様な操作を行った。このようにして得られた有
機層を合一濃縮した後、これをクロロホルム30mlに
溶解し、無水Na2SO4を用いて乾燥した。乾燥後、ク
ロロホルムを留去することにより、2‐ヒドロキシシク
ロヘキサンカルボン酸エチル220mgを得た。得られ
た2‐ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸エチルの機
器分析結果は、以下のとおりであった。
ンカルボン酸エステルの製造方法(その2)) 100mMリン酸1カリウム−リン酸2カリウムバッフ
ァー(pH6.5)20mlに、実施例8で調製された
洗浄菌体1g、NADP+12mg及びグルコース2.
5gを加えた。この混合物に、さらに240mgの2‐
オキソシクロヘキサンカルボン酸エチルを加えた後、当
該混合物のpHを15%炭酸ナトリウム水溶液で6.5
に調製した。このようにして得られた混合物(反応液)
を30℃で4時間攪拌することにより反応を行った。反
応終了後、反応液に酢酸エチル25mlを注加攪拌し、
次いで遠心分離することにより有機層及び水層を別々に
回収した。回収された水層に再度酢酸エチル25mlを
加えて同様な操作を行った。このようにして得られた有
機層を合一濃縮した後、これをクロロホルム30mlに
溶解し、無水Na2SO4を用いて乾燥した。乾燥後、ク
ロロホルムを留去することにより、2‐ヒドロキシシク
ロヘキサンカルボン酸エチル220mgを得た。得られ
た2‐ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸エチルの機
器分析結果は、以下のとおりであった。
【0064】<機器分析結果>
化学純度99%(ガスクロ面百)、シス/トランス=9
9.5/0.5(ガスクロ面百比)、比旋光度〔α〕D=
24°(クロロホルム、25℃、c=1)、生成物の絶
対配置(1R,2S)
9.5/0.5(ガスクロ面百比)、比旋光度〔α〕D=
24°(クロロホルム、25℃、c=1)、生成物の絶
対配置(1R,2S)
【0065】尚、得られた2‐ヒドロキシシクロヘキサ
ンカルボン酸エチルの立体配置は、下記の分析条件での
ガスクロマトグラフィー(GC)分析により市販のシス
体及びトランス体の2‐ヒドロキシシクロヘキサンカル
ボン酸エチルとの保持時間比較により決定された。絶対
配置は、先行文献(Chem.Lett.(1989) 1465‐1466)の
データ[(1R,2S)−2−ヒドロキシシクロヘキサ
ンカルボン酸エチルの比旋光度〔α〕D=25.87°
(クロロホルム、25℃、c=1.23)]を参照した。
ンカルボン酸エチルの立体配置は、下記の分析条件での
ガスクロマトグラフィー(GC)分析により市販のシス
体及びトランス体の2‐ヒドロキシシクロヘキサンカル
ボン酸エチルとの保持時間比較により決定された。絶対
配置は、先行文献(Chem.Lett.(1989) 1465‐1466)の
データ[(1R,2S)−2−ヒドロキシシクロヘキサ
ンカルボン酸エチルの比旋光度〔α〕D=25.87°
(クロロホルム、25℃、c=1.23)]を参照した。
【0066】<化学純度分析条件>
ガスクロマトグラフィー
カラム:DB−1(信和加工) 0.53mmφ×30
m 膜圧1.5μm 注入口温度:120℃ カラム室温度:70℃(4℃/分)→170℃ 検出器温度:300℃ キャリアガス:ヘリウム 10ml/分 シス体 2‐ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸エチ
ル 15.6分 トランス体 2‐ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸
エチル 15.9分
m 膜圧1.5μm 注入口温度:120℃ カラム室温度:70℃(4℃/分)→170℃ 検出器温度:300℃ キャリアガス:ヘリウム 10ml/分 シス体 2‐ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸エチ
ル 15.6分 トランス体 2‐ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸
エチル 15.9分
【0067】実施例12(2‐ヒドロキシシクロアルカ
ンカルボン酸エステルの製造方法(その3)) 100mMリン酸1カリウム−リン酸2カリウムバッフ
ァー(pH6.5)20mlに、実施例9で得られる洗
浄菌体1g、NADP+12mg及びグルコース2.5
gを加える。この混合物に、さらに240mgの2‐オ
キソシクロヘキサンカルボン酸エチルを加えた後、当該
混合物のpHを15%炭酸ナトリウム水溶液で6.5に
調製する。このようにして得られる混合物(反応液)を
30℃で4時間攪拌することにより反応を行う。反応終
了後、反応液に酢酸エチル25mlを注加攪拌し、次い
で遠心分離することにより有機層及び水層を別々に回収
する。回収される水層に再度酢酸エチル25mlを加え
て同様な操作を行う。このようにして得られる有機層を
合一濃縮した後、これをクロロホルム30mlに溶解
し、無水Na2SO4を用いて乾燥する。乾燥後、クロロ
ホルムを留去することにより、2‐ヒドロキシシクロヘ
キサンカルボン酸エチルを得る。
ンカルボン酸エステルの製造方法(その3)) 100mMリン酸1カリウム−リン酸2カリウムバッフ
ァー(pH6.5)20mlに、実施例9で得られる洗
浄菌体1g、NADP+12mg及びグルコース2.5
gを加える。この混合物に、さらに240mgの2‐オ
キソシクロヘキサンカルボン酸エチルを加えた後、当該
混合物のpHを15%炭酸ナトリウム水溶液で6.5に
調製する。このようにして得られる混合物(反応液)を
30℃で4時間攪拌することにより反応を行う。反応終
了後、反応液に酢酸エチル25mlを注加攪拌し、次い
で遠心分離することにより有機層及び水層を別々に回収
する。回収される水層に再度酢酸エチル25mlを加え
て同様な操作を行う。このようにして得られる有機層を
合一濃縮した後、これをクロロホルム30mlに溶解
し、無水Na2SO4を用いて乾燥する。乾燥後、クロロ
ホルムを留去することにより、2‐ヒドロキシシクロヘ
キサンカルボン酸エチルを得る。
【0068】参考例2 2−ヒドロキシシクロアルカン
カルボン酸エステルを生成する微生物の取得方法 (2−1) 洗浄菌体の調製 市販の微生物又は土壌などから単離した微生物を滅菌L
B培地(10ml)に接種した後、これを振盪培養する
(30℃、18時間)。培養後、培養液を遠心分離・洗
浄することにより、洗浄菌体を回収する。 (2−2) スクリーニング 100mMリン酸1カリウム−リン酸2カリウムバッフ
ァー(pH6.5)20mlに、上記(14−1)で調
製された洗浄菌体1g、NADP+12mg、NAD+1
2mg及びグルコース2.5gを加える。この混合物
に、さらに240mgの2‐オキソシクロヘキサンカル
ボン酸エチルを加えた後、当該混合物のpHを15%炭
酸ナトリウム水溶液で6.5に調製する。このようにし
て得られる混合物(反応液)を30℃で4時間攪拌する
ことにより反応を行う。反応終了後、反応液に酢酸エチ
ル25mlを注加攪拌し、次いで遠心分離することによ
り有機層及び水層を別々に回収する。回収される水層に
再度酢酸エチル25mlを加えて同様な操作を行う。こ
のようにして得られる有機層を合一濃縮した後、これを
クロロホルム30mlに溶解し、無水Na2SO4を用い
て乾燥する。乾燥後、クロロホルムを留去することによ
り残渣を得る。得られる残渣に、2‐ヒドロキシシクロ
ヘキサンカルボン酸エチルが含まれていることを液体ク
ロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーにて定性
及び/定量分析(光学純度分析も可能)により確認す
る。因みに、2‐ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸
エチルの絶対配置は、先行文献(Tetrahedron Lett. (1
986) 2631‐2634)のデータ[(1S,2S)−2−ヒ
ドロキシシクロヘキサンカルボン酸エチルの比旋光度
〔α〕D=+58°(ジエチルエーテル、20℃、c=
0.5)]を参照して決定できるので(1S,2S)−
2−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸エチルを生成
する微生物も選抜することができる。以下にガスクロマ
トグラフィーにおける分析条件を記載する。
カルボン酸エステルを生成する微生物の取得方法 (2−1) 洗浄菌体の調製 市販の微生物又は土壌などから単離した微生物を滅菌L
B培地(10ml)に接種した後、これを振盪培養する
(30℃、18時間)。培養後、培養液を遠心分離・洗
浄することにより、洗浄菌体を回収する。 (2−2) スクリーニング 100mMリン酸1カリウム−リン酸2カリウムバッフ
ァー(pH6.5)20mlに、上記(14−1)で調
製された洗浄菌体1g、NADP+12mg、NAD+1
2mg及びグルコース2.5gを加える。この混合物
に、さらに240mgの2‐オキソシクロヘキサンカル
ボン酸エチルを加えた後、当該混合物のpHを15%炭
酸ナトリウム水溶液で6.5に調製する。このようにし
て得られる混合物(反応液)を30℃で4時間攪拌する
ことにより反応を行う。反応終了後、反応液に酢酸エチ
ル25mlを注加攪拌し、次いで遠心分離することによ
り有機層及び水層を別々に回収する。回収される水層に
再度酢酸エチル25mlを加えて同様な操作を行う。こ
のようにして得られる有機層を合一濃縮した後、これを
クロロホルム30mlに溶解し、無水Na2SO4を用い
て乾燥する。乾燥後、クロロホルムを留去することによ
り残渣を得る。得られる残渣に、2‐ヒドロキシシクロ
ヘキサンカルボン酸エチルが含まれていることを液体ク
ロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーにて定性
及び/定量分析(光学純度分析も可能)により確認す
る。因みに、2‐ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸
エチルの絶対配置は、先行文献(Tetrahedron Lett. (1
986) 2631‐2634)のデータ[(1S,2S)−2−ヒ
ドロキシシクロヘキサンカルボン酸エチルの比旋光度
〔α〕D=+58°(ジエチルエーテル、20℃、c=
0.5)]を参照して決定できるので(1S,2S)−
2−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸エチルを生成
する微生物も選抜することができる。以下にガスクロマ
トグラフィーにおける分析条件を記載する。
【0069】<化学純度分析条件>
ガスクロマトグラフィー
カラム:DB−1(信和加工) 0.53mmφ×30
m 膜圧1.5μm 注入口温度:120℃ カラム室温度:70℃(4℃/分)→170℃ 検出器温度:300℃ キャリアガス:ヘリウム 10ml/分 シス体 2‐ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸エチ
ル 15.6分 トランス体 2‐ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸
エチル 15.9分
m 膜圧1.5μm 注入口温度:120℃ カラム室温度:70℃(4℃/分)→170℃ 検出器温度:300℃ キャリアガス:ヘリウム 10ml/分 シス体 2‐ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸エチ
ル 15.6分 トランス体 2‐ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸
エチル 15.9分
【0070】
【発明の効果】本発明により、生理活性物質製造の中間
体として有用な2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン
酸エステル化合物を製造することができる。 [配列表フリーテキスト] 配列番号5 PCRのために設計されたプライマーであるオリゴヌク
レオチド 配列番号6 PCRのために設計されたプライマーであるオリゴヌク
レオチド 配列番号7 PCRのために設計されたプライマーであるオリゴヌク
レオチド 配列番号8 PCRのために設計されたプライマーであるオリゴヌク
レオチド 配列番号9 PCRのために設計されたプライマーであるオリゴヌク
レオチド 配列番号10 PCRのために設計されたプライマーであるオリゴヌク
レオチド 配列番号13 PCRのために設計されたプライマーであるオリゴヌク
レオチド 配列番号14 PCRのために設計されたプライマーであるオリゴヌク
レオチド 配列番号15 PCRのために設計されたプライマーであるオリゴヌク
レオチド
体として有用な2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン
酸エステル化合物を製造することができる。 [配列表フリーテキスト] 配列番号5 PCRのために設計されたプライマーであるオリゴヌク
レオチド 配列番号6 PCRのために設計されたプライマーであるオリゴヌク
レオチド 配列番号7 PCRのために設計されたプライマーであるオリゴヌク
レオチド 配列番号8 PCRのために設計されたプライマーであるオリゴヌク
レオチド 配列番号9 PCRのために設計されたプライマーであるオリゴヌク
レオチド 配列番号10 PCRのために設計されたプライマーであるオリゴヌク
レオチド 配列番号13 PCRのために設計されたプライマーであるオリゴヌク
レオチド 配列番号14 PCRのために設計されたプライマーであるオリゴヌク
レオチド 配列番号15 PCRのために設計されたプライマーであるオリゴヌク
レオチド
【0071】
【配列表】
<110> Sumitomo Chemical Co.,Ltd
<120> Method for producing 2-hydroxycycloalkane carboxylic acid ester
<130> P154127
<160> 15
<210> 1
<211> 385
<212> PRT
<213> Corynebacterium pseudodiphteriticum
<400> 1
Met Lys Ala Ile Gln Tyr Thr Arg Ile Gly Ala Glu Pro Glu Leu Thr 16
1 5 10 15
Glu Ile Pro Lys Pro Glu Pro Gly Pro Gly Glu Val Leu Leu Glu Val 32
20 25 30
Thr Ala Ala Gly Val Cys His Ser Asp Asp Phe Ile Met Ser Leu Pro 48
35 40 45
Glu Glu Gln Tyr Thr Tyr Gly Leu Pro Leu Thr Leu Gly His Glu Gly 64
50 55 60
Ala Gly Lys Val Ala Ala Val Gly Glu Gly Val Glu Gly Leu Asp Ile 80
65 70 75 80
Gly Thr Asn Val Val Val Tyr Gly Pro Trp Gly Cys Gly Asn Cys Trp 96
85 90 95
His Cys Ser Gln Gly Leu Glu Asn Tyr Cys Ser Arg Ala Gln Glu Leu 112
100 105 110
Gly Ile Asn Pro Pro Gly Leu Gly Ala Pro Gly Ala Leu Ala Glu Phe 128
115 120 125
Met Ile Val Asp Ser Pro Arg His Leu Val Pro Ile Gly Asp Leu Asp 144
130 135 140
Pro Val Lys Thr Val Pro Leu Thr Asp Ala Gly Leu Thr Pro Tyr His 160
145 150 155 160
Ala Ile Lys Arg Ser Leu Pro Lys Leu Arg Gly Gly Ser Tyr Ala Val 176
165 170 175
Val Ile Gly Thr Gly Gly Leu Gly His Val Ala Ile Gln Leu Leu Arg 192
180 185 190
His Leu Ser Ala Ala Thr Val Ile Ala Leu Asp Val Ser Ala Asp Lys 208
195 200 205
Leu Glu Leu Ala Thr Lys Val Gly Ala His Glu Val Val Leu Ser Asp 224
210 215 220
Lys Asp Ala Ala Glu Asn Val Arg Lys Ile Thr Gly Ser Gln Gly Ala 240
225 230 235 240
Ala Leu Val Leu Asp Phe Val Gly Tyr Gln Pro Thr Ile Asp Thr Ala 256
245 250 255
Met Ala Val Ala Gly Val Gly Ser Asp Val Thr Ile Val Gly Ile Gly 272
260 265 270
Asp Gly Gln Ala His Ala Lys Val Gly Phe Phe Gln Ser Pro Tyr Glu 288
275 280 285
Ala Ser Val Thr Val Pro Tyr Trp Gly Ala Arg Asn Glu Leu Ile Glu 304
290 295 300
Leu Ile Asp Leu Ala His Ala Gly Ile Phe Asp Ile Gly Gly Gly Asp 320
305 310 315 320
Leu Gln Ser Arg Gln Arg Cys Arg Ser Val Ser Thr Thr Gly Cys Arg 336
325 330 335
Asn Ala Gln Arg Pro Cys Gly Cys Gly Pro Trp Ser Val Val Pro Thr 352
340 345 350
Ala Val Glu Arg Gln Arg Lys Asn Thr Asp Ala Arg Pro Asn Ser Ile 368
355 360 365
Arg Pro Gly Ile Ser Val Arg Asn Ser Val Cys Ala Ser Cys Thr Pro 384
370 375 380
Arg 385
385
<210> 2
<211> 1158
<212> DNA
<213> Corynebacterium pseudodiphteriticum
<220>
<221> CDS
<222> (1)..(1158)
<400> 2
atg aag gcg atc cag tac acg cga atc ggc gcg gaa ccc gaa ctc acg 48
Met Lys Ala Ile Gln Tyr Thr Arg Ile Gly Ala Glu Pro Glu Leu Thr
1 5 10 15
gag att ccc aaa ccc gag ccc ggt cca ggt gaa gtg ctc ctg gaa gtc 96
Glu Ile Pro Lys Pro Glu Pro Gly Pro Gly Glu Val Leu Leu Glu Val
20 25 30
acc gct gct ggc gtc tgc cac tcg gac gac ttc atc atg agc ctg ccc 144
Thr Ala Ala Gly Val Cys His Ser Asp Asp Phe Ile Met Ser Leu Pro
35 40 45
gaa gag cag tac acc tac ggc ctt ccg ctc acg ctc ggc cac gaa ggc 192
Glu Glu Gln Tyr Thr Tyr Gly Leu Pro Leu Thr Leu Gly His Glu Gly
50 55 60
gca ggc aag gtc gcc gcc gtc ggc gag ggt gtc gaa ggt ctc gac atc 240
Ala Gly Lys Val Ala Ala Val Gly Glu Gly Val Glu Gly Leu Asp Ile
65 70 75 80
gga acc aat gtc gtc gtc tac ggg cct tgg ggt tgc ggc aac tgt tgg 288
Gly Thr Asn Val Val Val Tyr Gly Pro Trp Gly Cys Gly Asn Cys Trp
85 90 95
cac tgc tca caa gga ctc gag aac tat tgc tct cgc gcc caa gaa ctc 336
His Cys Ser Gln Gly Leu Glu Asn Tyr Cys Ser Arg Ala Gln Glu Leu
100 105 110
gga atc aat cct ccc ggt ctc ggt gca ccc ggc gcg ttg gcc gag ttc 384
Gly Ile Asn Pro Pro Gly Leu Gly Ala Pro Gly Ala Leu Ala Glu Phe
115 120 125
atg atc gtc gat tct cct cgc cac ctt gtc ccg atc ggt gac ctc gac 432
Met Ile Val Asp Ser Pro Arg His Leu Val Pro Ile Gly Asp Leu Asp
130 135 140
ccg gtc aag acg gtg ccg ctg acc gac gcc ggt ctg acg ccg tat cac 480
Pro Val Lys Thr Val Pro Leu Thr Asp Ala Gly Leu Thr Pro Tyr His
145 150 155 160
gcg atc aag cgt tct ctg ccg aaa ctt cgc gga ggc tcg tac gcg gtt 528
Ala Ile Lys Arg Ser Leu Pro Lys Leu Arg Gly Gly Ser Tyr Ala Val
165 170 175
gtc att ggt acc ggc ggt ctc ggc cac gtc gct att cag ctc ctc cgc 576
Val Ile Gly Thr Gly Gly Leu Gly His Val Ala Ile Gln Leu Leu Arg
180 185 190
cac ctc tcg gcg gca acg gtc atc gct ttg gac gtg agc gcg gac aag 624
His Leu Ser Ala Ala Thr Val Ile Ala Leu Asp Val Ser Ala Asp Lys
195 200 205
ctc gaa ctg gca acc aag gta ggc gct cac gaa gtg gtt ctg tcc gac 672
Leu Glu Leu Ala Thr Lys Val Gly Ala His Glu Val Val Leu Ser Asp
210 215 220
aag gac gcg gcc gag aac gtc cgc aag atc act gga agt caa ggc gcc 720
Lys Asp Ala Ala Glu Asn Val Arg Lys Ile Thr Gly Ser Gln Gly Ala
225 230 235 240
gca ttg gtt ctc gac ttc gtc ggc tac cag ccc acc atc gac acc gcg 768
Ala Leu Val Leu Asp Phe Val Gly Tyr Gln Pro Thr Ile Asp Thr Ala
245 250 255
atg gct gtc gcc ggc gtc gga tca gac gtc acg atc gtc ggg atc ggg 816
Met Ala Val Ala Gly Val Gly Ser Asp Val Thr Ile Val Gly Ile Gly
260 265 270
gac ggc cag gcc cac gcc aaa gtc ggg ttc ttc caa agt cct tac gag 864
Asp Gly Gln Ala His Ala Lys Val Gly Phe Phe Gln Ser Pro Tyr Glu
275 280 285
gct tcg gtg aca gtt ccg tat tgg ggt gcc cgc aac gag ttg atc gaa 912
Ala Ser Val Thr Val Pro Tyr Trp Gly Ala Arg Asn Glu Leu Ile Glu
290 295 300
ttg atc gac ctc gcc cac gcc ggc atc ttc gac atc ggc ggt gga gac 960
Leu Ile Asp Leu Ala His Ala Gly Ile Phe Asp Ile Gly Gly Gly Asp
305 310 315 320
ctt cag tct cga caa cgg tgc cga agc gta tcg acg act ggc tgc cgg 1008
Leu Gln Ser Arg Gln Arg Cys Arg Ser Val Ser Thr Thr Gly Cys Arg
325 330 335
aac gct cag cgg ccg tgc ggt tgt ggt ccc tgg tct gta gta ccg aca 1056
Asn Ala Gln Arg Pro Cys Gly Cys Gly Pro Trp Ser Val Val Pro Thr
340 345 350
gcg gta gaa cga cag cgg aaa aac act gat gcc cgg ccg aat tcg att 1104
Ala Val Glu Arg Gln Arg Lys Asn Thr Asp Ala Arg Pro Asn Ser Ile
355 360 365
cgg ccg ggc atc agt gtc aga aat tcg gtg tgc gct agc tgc acg cct 1152
Arg Pro Gly Ile Ser Val Arg Asn Ser Val Cys Ala Ser Cys Thr Pro
370 375 380
cga tga 1158
Arg
385
<210> 3
<211> 325
<212> PRT
<213> Penicillium citrinum
<400> 3
Met Ser Asn Gly Lys Thr Phe Thr Leu Ser Asn Gly Val Lys Ile Pro 16
1 5 10 15
Gly Val Gly Phe Gly Thr Phe Ala Ser Glu Gly Ser Lys Gly Glu Thr 32
20 25 30
Tyr Thr Ala Val Thr Thr Ala Leu Lys Thr Gly Tyr Arg His Leu Asp 48
35 40 45
Cys Ala Trp Tyr Tyr Leu Asn Glu Gly Glu Val Gly Glu Gly Ile Arg 64
50 55 60
Asp Phe Leu Lys Glu Asn Pro Ser Val Lys Arg Glu Asp Ile Phe Val 80
65 70 75 80
Cys Thr Lys Val Trp Asn His Leu His Arg Tyr Glu Asp Val Leu Trp 96
85 90 95
Ser Ile Asp Asp Ser Leu Lys Arg Leu Gly Leu Asp Tyr Val Asp Met 112
100 105 110
Phe Leu Val His Trp Pro Ile Ala Ala Glu Lys Asn Gly Gln Gly Glu 128
115 120 125
Pro Lys Ile Gly Pro Asp Gly Lys Tyr Val Ile Leu Lys Asp Leu Thr 144
130 135 140
Glu Asn Pro Glu Pro Thr Trp Arg Ala Met Glu Lys Ile Tyr Glu Asp 160
145 150 155 160
Arg Lys Ala Arg Ser Ile Gly Val Ser Asn Trp Thr Ile Ala Asp Leu 176
165 170 175
Glu Lys Met Ser Lys Phe Ala Lys Val Met Pro His Ala Asn Gln Ile 192
180 185 190
Glu Ile His Pro Phe Leu Pro Asn Glu Glu Leu Val Gln Tyr Cys Phe 208
195 200 205
Ser Lys Asn Ile Met Pro Val Ala Tyr Ser Pro Leu Gly Ser Gln Asn 224
210 215 220
Gln Val Pro Thr Thr Gly Glu Arg Val Ser Glu Asn Lys Thr Leu Asn 240
225 230 235 240
Glu Ile Ala Glu Lys Gly Gly Asn Thr Leu Ala Gln Val Leu Ile Ala 256
245 250 255
Trp Gly Leu Arg Arg Gly Tyr Val Val Leu Pro Lys Ser Ser Asn Pro 272
260 265 270
Lys Arg Ile Glu Ser Asn Phe Lys Ser Ile Glu Leu Ser Asp Ala Asp 288
275 280 285
Phe Glu Ala Ile Asn Ala Val Ala Lys Gly Arg His Phe Arg Phe Val 304
290 295 300
Asn Met Lys Asp Thr Phe Gly Tyr Asp Val Trp Pro Glu Glu Thr Ala 320
305 310 315 320
Lys Asn Leu Ser Ala 325
325
<210> 4
<211> 978
<212> DNA
<213> Penicillium citrinum
<220>
<221> CDS
<222> (1)..(978)
<400> 4
atg tct aac gga aag act ttc aca ttg agc aac ggc gtc aag att cct 48
Met Ser Asn Gly Lys Thr Phe Thr Leu Ser Asn Gly Val Lys Ile Pro
1 5 10 15
ggc gtc ggc ttt ggt acc ttc gct agt gaa ggt tcc aag ggc gag acc 96
Gly Val Gly Phe Gly Thr Phe Ala Ser Glu Gly Ser Lys Gly Glu Thr
20 25 30
tat act gct gtc acc act gcc ctg aag acc ggt tac cgt cac ttg gac 144
Tyr Thr Ala Val Thr Thr Ala Leu Lys Thr Gly Tyr Arg His Leu Asp
35 40 45
tgt gcc tgg tac tac ctg aac gag ggt gag gtt ggt gag ggt atc cgt 192
Cys Ala Trp Tyr Tyr Leu Asn Glu Gly Glu Val Gly Glu Gly Ile Arg
50 55 60
gac ttc ctg aag gag aac ccc tcg gtg aag cgt gag gac atc ttc gtc 240
Asp Phe Leu Lys Glu Asn Pro Ser Val Lys Arg Glu Asp Ile Phe Val
65 70 75 80
tgc acc aag gtg tgg aac cac ctc cac cgt tat gag gac gtc ctc tgg 288
Cys Thr Lys Val Trp Asn His Leu His Arg Tyr Glu Asp Val Leu Trp
85 90 95
tcc att gac gac tcc ctg aag cgt ctt gga ctt gac tac gtt gat atg 336
Ser Ile Asp Asp Ser Leu Lys Arg Leu Gly Leu Asp Tyr Val Asp Met
100 105 110
ttc ctc gtt cac tgg ccc att gct gcc gag aag aat ggc cag ggt gag 384
Phe Leu Val His Trp Pro Ile Ala Ala Glu Lys Asn Gly Gln Gly Glu
115 120 125
ccc aag att ggc cct gac ggc aaa tac gtc att ctc aag gac ctg acc 432
Pro Lys Ile Gly Pro Asp Gly Lys Tyr Val Ile Leu Lys Asp Leu Thr
130 135 140
gag aac ccc gag ccc aca tgg cgc gct atg gag aag att tat gag gat 480
Glu Asn Pro Glu Pro Thr Trp Arg Ala Met Glu Lys Ile Tyr Glu Asp
145 150 155 160
cgc aag gcc agg tcc att ggt gtc tcc aac tgg acc att gcc gac ctt 528
Arg Lys Ala Arg Ser Ile Gly Val Ser Asn Trp Thr Ile Ala Asp Leu
165 170 175
gag aag atg tcc aag ttc gcc aag gtc atg cct cac gcc aac cag atc 576
Glu Lys Met Ser Lys Phe Ala Lys Val Met Pro His Ala Asn Gln Ile
180 185 190
gag att cac ccc ttc ctg ccc aac gag gag ctg gtg cag tac tgc ttc 624
Glu Ile His Pro Phe Leu Pro Asn Glu Glu Leu Val Gln Tyr Cys Phe
195 200 205
tcc aag aac att atg ccc gtg gcc tac tct cct ctg ggc tcg cag aac 672
Ser Lys Asn Ile Met Pro Val Ala Tyr Ser Pro Leu Gly Ser Gln Asn
210 215 220
cag gtt ccc acc acc ggt gag cgg gtc agc gag aac aag act ctg aac 720
Gln Val Pro Thr Thr Gly Glu Arg Val Ser Glu Asn Lys Thr Leu Asn
225 230 235 240
gag atc gcc gag aag ggc ggc aac acc ctt gct cag gtt ctt att gcc 768
Glu Ile Ala Glu Lys Gly Gly Asn Thr Leu Ala Gln Val Leu Ile Ala
245 250 255
tgg ggt ctg cgc cgt ggc tac gtc gtt ctc ccc aag agc tcc aac ccc 816
Trp Gly Leu Arg Arg Gly Tyr Val Val Leu Pro Lys Ser Ser Asn Pro
260 265 270
aag cgc att gag tcc aac ttc aag agc att gag ctc tcc gat gcc gac 864
Lys Arg Ile Glu Ser Asn Phe Lys Ser Ile Glu Leu Ser Asp Ala Asp
275 280 285
ttt gaa gcc atc aat gcc gtt gcc aag ggt cgt cac ttc cgt ttc gtc 912
Phe Glu Ala Ile Asn Ala Val Ala Lys Gly Arg His Phe Arg Phe Val
290 295 300
aac atg aag gat act ttc gga tat gat gtc tgg ccc gag gag acc gcc 960
Asn Met Lys Asp Thr Phe Gly Tyr Asp Val Trp Pro Glu Glu Thr Ala
305 310 315 320
aag aac ctg tct gcg tga 978
Lys Asn Leu Ser Ala
325
<210> 5
<211> 27
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Designed oligonucleotide primer for PCR
<400> 5
gccatggcta tgaaggcgat ccagtac 27
<210> 6
<211> 29
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Designed oligonucleotide primer for PCR
<400> 6
cggatccgtc atcgaggcgt gcagctagc 29
<210> 7
<211> 27
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Designed oligonucleotide primer for PCR
<400> 7
gccatggcta tgtctaacgg aaagact 27
<210> 8
<211> 29
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Designed oligonucleotide primer for PCR
<400> 8
cggatccgtt ataatttcgt agagattca 29
<210> 9
<211> 21
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Designed oligonucleotide primer for PCR
<400> 9
gatcatcata gcaggagtca t 21
<210> 10
<211> 21
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Designed oligonucleotide primer for PCR
<400> 10
gaattcaaca ccagtcagct c 21
<210> 11
<211> 786
<212> DNA
<213> Bacillus megaterium
<220>
<221> CDS
<222> (1)..(786)
<400> 11
atg tat aaa gat tta gaa gga aaa gta gtt gtc ata aca ggt tca tct 48
Met Tyr Lys Asp Leu Glu Gly Lys Val Val Val Ile Thr Gly Ser Ser
1 5 10 15
acc ggt tta gga aaa gca atg gcg att cgt ttt gcg aca gaa aaa gct 96
Thr Gly Leu Gly Lys Ala Met Ala Ile Arg Phe Ala Thr Glu Lys Ala
20 25 30
aaa gta gtt gtg aac tat cgt tcg aaa gaa gaa gaa gct aac agc gtt 144
Lys Val Val Val Asn Tyr Arg Ser Lys Glu Glu Glu Ala Asn Ser Val
35 40 45
tta gaa gaa att aaa aaa gtg ggc gga gag gct att gcc gtc aaa ggt 192
Leu Glu Glu Ile Lys Lys Val Gly Gly Glu Ala Ile Ala Val Lys Gly
50 55 60
gat gta aca gtt gag tct gat gtg atc aat tta gtt caa tct gct att 240
Asp Val Thr Val Glu Ser Asp Val Ile Asn Leu Val Gln Ser Ala Ile
65 70 75 80
aaa gaa ttt gga aag cta gac gtt atg att aat aac gca gga atg gaa 288
Lys Glu Phe Gly Lys Leu Asp Val Met Ile Asn Asn Ala Gly Met Glu
85 90 95
aat ccg gtt tcg tct cat gaa atg tct tta agt gat tgg aat aaa gtc 336
Asn Pro Val Ser Ser His Glu Met Ser Leu Ser Asp Trp Asn Lys Val
100 105 110
att gat acg aac tta acg gga gca ttt tta ggc agc cgt gaa gcg att 384
Ile Asp Thr Asn Leu Thr Gly Ala Phe Leu Gly Ser Arg Glu Ala Ile
115 120 125
aaa tat ttt gtg gaa aat gat att aag gga aca gtt att aac atg tcg 432
Lys Tyr Phe Val Glu Asn Asp Ile Lys Gly Thr Val Ile Asn Met Ser
130 135 140
agt gtt cac gag aaa att cct tgg cca tta ttt gtt cat tac gca gca 480
Ser Val His Glu Lys Ile Pro Trp Pro Leu Phe Val His Tyr Ala Ala
145 150 155 160
agt aaa ggc gga atg aag ctc atg acc gaa aca ctt gca tta gaa tac 528
Ser Lys Gly Gly Met Lys Leu Met Thr Glu Thr Leu Ala Leu Glu Tyr
165 170 175
gct cca aaa ggt att cgt gta aat aac att gga ccg gga gcg att aat 576
Ala Pro Lys Gly Ile Arg Val Asn Asn Ile Gly Pro Gly Ala Ile Asn
180 185 190
aca ccg att aac gct gag aaa ttt gct gat cct gag cag cgt gca gat 624
Thr Pro Ile Asn Ala Glu Lys Phe Ala Asp Pro Glu Gln Arg Ala Asp
195 200 205
gta gaa agc atg att cca atg gga tac att gga gag ccg gaa gaa att 672
Val Glu Ser Met Ile Pro Met Gly Tyr Ile Gly Glu Pro Glu Glu Ile
210 215 220
gca gcg gtt gct gca tgg cta gct tct tca gag gca agt tat gta aca 720
Ala Ala Val Ala Ala Trp Leu Ala Ser Ser Glu Ala Ser Tyr Val Thr
225 230 235 240
ggg att aca ctc ttt gct gac ggc ggt atg aca cag tac cca tca ttc 768
Gly Ile Thr Leu Phe Ala Asp Gly Gly Met Thr Gln Tyr Pro Ser Phe
245 250 255
caa gca gga cgc gga taa 786
Gln Ala Gly Arg Gly
260
<210> 12
<211> 261
<212> PRT
<213> Bacillus megaterium
<400> 12
Met Tyr Lys Asp Leu Glu Gly Lys Val Val Val Ile Thr Gly Ser Ser 16
1 5 10 15
Thr Gly Leu Gly Lys Ala Met Ala Ile Arg Phe Ala Thr Glu Lys Ala 32
20 25 30
Lys Val Val Val Asn Tyr Arg Ser Lys Glu Glu Glu Ala Asn Ser Val 48
35 40 45
Leu Glu Glu Ile Lys Lys Val Gly Gly Glu Ala Ile Ala Val Lys Gly 64
50 55 60
Asp Val Thr Val Glu Ser Asp Val Ile Asn Leu Val Gln Ser Ala Ile 80
65 70 75 80
Lys Glu Phe Gly Lys Leu Asp Val Met Ile Asn Asn Ala Gly Met Glu 96
85 90 95
Asn Pro Val Ser Ser His Glu Met Ser Leu Ser Asp Trp Asn Lys Val 112
100 105 110
Ile Asp Thr Asn Leu Thr Gly Ala Phe Leu Gly Ser Arg Glu Ala Ile 128
115 120 125
Lys Tyr Phe Val Glu Asn Asp Ile Lys Gly Thr Val Ile Asn Met Ser 144
130 135 140
Ser Val His Glu Lys Ile Pro Trp Pro Leu Phe Val His Tyr Ala Ala 160
145 150 155 160
Ser Lys Gly Gly Met Lys Leu Met Thr Glu Thr Leu Ala Leu Glu Tyr 176
165 170 175
Ala Pro Lys Gly Ile Arg Val Asn Asn Ile Gly Pro Gly Ala Ile Asn 192
180 185 190
Thr Pro Ile Asn Ala Glu Lys Phe Ala Asp Pro Glu Gln Arg Ala Asp 208
195 200 205
Val Glu Ser Met Ile Pro Met Gly Tyr Ile Gly Glu Pro Glu Glu Ile 224
210 215 220
Ala Ala Val Ala Ala Trp Leu Ala Ser Ser Glu Ala Ser Tyr Val Thr 240
225 230 235 240
Gly Ile Thr Leu Phe Ala Asp Gly Gly Met Thr Gln Tyr Pro Ser Phe 256
245 250 255
Gln Ala Gly Arg Gly 261
260
<210> 13
<211> 27
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Designed oligonucleotide primer for PCR
<400> 13
gccatggcta tgtataaaga tttagaa 27
<210> 14
<211> 23
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Designed oligonucleotide primer for PCR
<400> 14
cggatccgtt atccgcgtcc tgc 23
<210> 15
<211> 28
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Designed oligonucleotide primer for PCR
<400> 15
cggatccgag cgcccaatac gcaaaccg 28
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 朝子 弘之
兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友化
学工業株式会社内
Fターム(参考) 4B024 BA80 CA04 DA06
4B050 CC03 DD02 DD03 LL05
4B064 AD77 CA02 CA19 CA21 CC24
Claims (16)
- 【請求項1】2−ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸
エステルの製造方法であって、2−オキソシクロアルカ
ンカルボン酸エステルを不斉的に還元して2−ヒドロキ
シシクロアルカンカルボン酸エステルを生成する能力及
び該能力を有する酵素が依存する補酵素を再生する能力
を人為的に付与されてなる形質転換体又はその死菌化細
胞に、2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを
作用させる工程、ならびに生成した2−ヒドロキシシク
ロアルカンカルボン酸エステルを採取する工程を有する
ことを特徴とする製造方法。 - 【請求項2】形質転換体が、下記の2つの人為的に付与
される能力を同時に有する酵素のアミノ酸配列をコード
する塩基配列からなるDNAを含有する1つのプラスミ
ド、下記(i)の人為的に付与される能力を有する酵素
のアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるDNA及
び下記(ii)の人為的に付与される能力を有する酵素
のアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるDNAを
同時に有する1つのプラスミド、あるいは、下記(i)
の人為的に付与される能力を有する酵素のアミノ酸配列
をコードする塩基配列からなるDNAを含有するプラス
ミド及び下記(ii)の人為的に付与される能力を有す
る酵素のアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるD
NAを有するプラスミドからなる2つのプラスミド、が
少なくとも導入されてなる形質転換体であることを特徴
とする請求項1記載の製造方法。 <人為的に付与される能力> (i)2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを
不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボ
ン酸エステルを生成する能力(ii)上記(i)の能力
を有する酵素が依存する補酵素を再生する能力 - 【請求項3】形質転換体が大腸菌であることを特徴とす
る請求項1記載の製造方法。 - 【請求項4】補酵素が、NADH/NAD+(ニコチン
アミドアデニンジヌクレオチド)もしくはNADPH/
NADP+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリ
ン酸)であることを特徴とする請求項1記載の製造方
法。 - 【請求項5】脂肪族アルコールの存在下、形質転換体又
はその死菌化細胞に2−オキソシクロアルカンカルボン
酸エステルを作用させることを特徴とする請求項1記載
の製造方法。 - 【請求項6】脂肪族アルコールが200℃以下の沸点を
持つアルコールであることを特徴とする請求項5記載の
製造方法。 - 【請求項7】脂肪族アルコールが2−プロパノールであ
ることを特徴とする請求項5記載の製造方法。 - 【請求項8】グルコースの存在下、形質転換体又はその
死菌化細胞に2−オキソシクロアルカンカルボン酸エス
テルを作用させることを特徴とする請求項1記載の製造
方法。 - 【請求項9】2−オキソシクロアルカンカルボン酸エス
テルを不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカン
カルボン酸エステルを生成する能力が、下記のアミノ酸
配列群の中から選ばれるアミノ酸配列を有する酵素が持
つ能力であることを特徴とする請求項1記載の製造方
法。 <アミノ酸配列群> (a)配列番号1又は3で示されるアミノ酸配列 (b)配列番号1又は3で示されるアミノ酸配列におい
て1若しくは複数のアミノ酸配列が欠失、置換若しくは
付加されたアミノ酸配列であって、かつ、2‐オキソシ
クロアルカンカルボン酸エステルを不斉的に還元して2
‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エステルを生成
する能力を有する酵素のアミノ酸配列 (c)配列番号2又は4で示される塩基配列がコードす
るアミノ酸配列 (d)配列番号2又は4で示される塩基配列からなるD
NAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズする
DNAの塩基配列がコードするアミノ酸配列を有し、か
つ、2‐オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを不
斉的に還元して2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン
酸エステルを生成する能力を有する酵素のアミノ酸配列 (e)コリネバクテリウム属又はペニシリウム属に属す
る微生物由来の、2‐オキソシクロアルカンカルボン酸
エステルを不斉的に還元して2‐ヒドロキシシクロアル
カンカルボン酸エステルを生成する能力を有する酵素の
アミノ酸配列 - 【請求項10】2−オキソシクロアルカンカルボン酸エ
ステルを不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカ
ンカルボン酸エステルを生成する能力が、下記のアミノ
酸配列群の中から選ばれるアミノ酸配列を有する酵素が
持つ能力であることを特徴とする請求項1記載の製造方
法。 <アミノ酸配列群> (a)配列番号1で示されるアミノ酸配列 (b)配列番号1で示されるアミノ酸配列において1若
しくは複数のアミノ酸配列が欠失、置換若しくは付加さ
れたアミノ酸配列であって、かつ、2‐オキソシクロア
ルカンカルボン酸エステルを不斉的に還元して2‐ヒド
ロキシシクロアルカンカルボン酸エステルを生成する能
力を有する酵素のアミノ酸配列 (c)配列番号2で示される塩基配列がコードするアミ
ノ酸配列 (d)配列番号2で示される塩基配列からなるDNAと
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
の塩基配列がコードするアミノ酸配列を有し、かつ、2
‐オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを不斉的に
還元して2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エス
テルを生成する能力を有する酵素のアミノ酸配列 (e)コリネバクテリウム属に属する微生物由来の、2
‐オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを不斉的に
還元して2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エス
テルを生成する能力を有する酵素のアミノ酸配列 - 【請求項11】2−オキソシクロアルカンカルボン酸エ
ステルを不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカ
ンカルボン酸エステルを生成する能力が、下記のアミノ
酸配列群の中から選ばれるアミノ酸配列を有する酵素が
持つ能力であることを特徴とする請求項1記載の製造方
法。 <アミノ酸配列群> (a)配列番号3で示されるアミノ酸配列 (b)配列番号3で示されるアミノ酸配列において1若
しくは複数のアミノ酸配列が欠失、置換若しくは付加さ
れたアミノ酸配列であって、かつ、2‐オキソシクロア
ルカンカルボン酸エステルを不斉的に還元して2‐ヒド
ロキシシクロアルカンカルボン酸エステルを生成する能
力を有する酵素のアミノ酸配列 (c)配列番号4で示される塩基配列がコードするアミ
ノ酸配列 (d)配列番号4で示される塩基配列からなるDNAと
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
の塩基配列がコードするアミノ酸配列を有し、かつ、2
‐オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを不斉的に
還元して2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エス
テルを生成する能力を有する酵素のアミノ酸配列 (e)ペニシリウム属に属する微生物由来の、2‐オキ
ソシクロアルカンカルボン酸エステルを不斉的に還元し
て2‐ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸エステルを
生成する能力を有する酵素のアミノ酸配列 - 【請求項12】2−オキソシクロアルカンカルボン酸エ
ステルを不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカ
ンカルボン酸エステルを生成する能力が、配列番号1で
示されるアミノ酸配列を有する酵素が持つ能力であるこ
とを特徴とする請求項1記載の製造方法。 - 【請求項13】2−オキソシクロアルカンカルボン酸エ
ステルを不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカ
ンカルボン酸エステルを生成する能力が、配列番号3で
示されるアミノ酸配列を有する酵素が持つ能力であるこ
とを特徴とする請求項1記載の製造方法。 - 【請求項14】2−オキソシクロアルカンカルボン酸エ
ステルを不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカ
ンカルボン酸エステルを生成する能力が、配列番号2で
示される塩基配列がコードするアミノ酸配列を有する酵
素が持つ能力であることを特徴とする請求項1記載の製
造方法。 - 【請求項15】2−オキソシクロアルカンカルボン酸エ
ステルを不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカ
ンカルボン酸エステルを生成する能力が、配列番号4で
示される塩基配列がコードするアミノ酸配列を有する酵
素が持つ能力であることを特徴とする請求項1記載の製
造方法。 - 【請求項16】2−オキソシクロアルカンカルボン酸エ
ステルを不斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカ
ンカルボン酸エステルを生成させるための触媒として
の、2−オキソシクロアルカンカルボン酸エステルを不
斉的に還元して2−ヒドロキシシクロアルカンカルボン
酸エステルを生成する能力及び該能力を有する酵素が依
存する補酵素を再生する能力を人為的に付与されてなる
形質転換体又はその死菌化細胞の使用。
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