JP2003250552A - 微生物の生育を増強させる方法 - Google Patents

微生物の生育を増強させる方法

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JP2003250552A
JP2003250552A JP2002048980A JP2002048980A JP2003250552A JP 2003250552 A JP2003250552 A JP 2003250552A JP 2002048980 A JP2002048980 A JP 2002048980A JP 2002048980 A JP2002048980 A JP 2002048980A JP 2003250552 A JP2003250552 A JP 2003250552A
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microorganisms
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Masatoshi Yamada
正敏 山田
Yoshikazu Sukenaga
義和 助永
Shinji Fujita
真司 藤田
Takeshi Sakamoto
健 坂本
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の醗酵技術および増殖培地処方では生育困
難な微生物の生育を増強させる方法、ならびに該方法に
おいて生育が増強された微生物の利用。 【解決手段】以下の段階を含む、生育困難な受容微生物
に生育旺盛な微生物の遺伝子を導入することにより、生
育が増強された受容微生物を得る方法を提供する。 (A)生育旺盛な微生物からDNAを抽出する段階 (B)該抽出DNAから断片化されたDNAを作製する
段階 (C)該DNAを含む遺伝子発現ライブラリーを作製す
る段階 (D)該遺伝子発現ライブラリーを生育困難な受容微生
物に導入する段階 (E)該遺伝子導入操作により、生育が増強された受容
微生物を得る段階

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微生物代謝産物の
利用、醗酵などに有用な微生物の生育増強方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】微生物は生物の持つ高度な機能や生理活
性物質が得られるという産業上に利用するうえで有用で
あり、古くは醸造・醗酵工業から抗生物質や薬理活性物
質にいたるまで、これまでにも様々な有用物質がもたら
されてきた。その代謝あるいは醗酵産物から得られる物
質の構造は人類の想像を上回るものであり、今後もユニ
ークな新規有用物質の探索源として利用価値は高い。ま
た近年、医薬品の研究開発では、薬理活性に対して数万
〜数十万の薬物候補を短期間にスクリーニングすること
が可能となっている。そこで、広範なスクリーニングを
より効率的に行うために、探索源となる薬物候補には様
々な最適化が試みられている。ごく少量であっても、自
然界より取得した試料中には多種多様な微生物が存在し
ている。しかしながら、これらの試料を新たな薬物候補
として利用する際の制約としては、自然界で発見される
微生物の1%未満しか現行の醗酵技術および増殖培地を
使用して培養できないことである。このような背景か
ら、最近では、残り99%以上の生育困難な微生物から
新規な薬物候補を得る方法として、そこからのDNA回
収について考案されている。具体的には、次の2法が例
示される。
【0003】1つの報告では、自然界より得た微生物を
プロトプラスト化または核酸をリポソームに挿入するこ
とで、ドナープロトプラストまたはドナーリポソームを
作製している。これらをプロトプラスト融合またはリポ
フェクション法によって生育が容易な宿主細胞に導入
し、組換え微生物を作製している。この手法により得た
組換え微生物は、外来の生合成遺伝子の導入により、新
たな薬物候補を生産する可能性がある。この報告では、
生育困難な微生物の遺伝子を培養の容易な細胞に導入
し、そこから得た組換え微生物から薬物候補を同定、単
離または生産する方法を提供している。(WO97/2
1806)さらに別の報告では、微生物の核酸を含む様
々な遺伝子を用いてコンビナトリアル遺伝子発現ライブ
ラリーを作製している。これら生合成に関わる遺伝子を
培養の容易な宿主微生物内に導入し発現させることによ
って、新規な代謝経路および新規な薬物候補を生成させ
る方法を提供している。(WO96/34112)
【0004】これらの方法を行うためには、宿主微生物
が培養培地上で容易に生育していることが前提となる。
また、自然界より生育困難な微生物の遺伝子を入手し宿
主微生物に導入する操作の過程において、意図の有無に
関わらずその遺伝子は断片化されてしまう。したがっ
て、これらの方法では生育困難な微生物のもつ遺伝情報
の一部のみを利用することになり、生育困難な微生物が
持つ薬物候補の生産能力を完全に引き出すことは難し
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の醗酵技術および増殖培地上で生育が困難なために産業
上利用できない微生物に対して、その原因を解決する遺
伝子を導入し、生育を増強させる方法を提供することで
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、生育困難
な微生物の生育を増強させる方法を鋭意検討した結果、
増殖培地上で生育が旺盛な微生物の遺伝子の一部(挿入
する遺伝子断片の大きさは好ましくは0.5〜8kbp
程度)を生育の悪い微生物に導入すると、生育困難であ
った微生物の生育が増強されることを見出し、本発明を
完成した。
【0007】即ち、本発明は、増殖培地上で微生物の生
育を増強させる方法において、生育困難な微生物に対し
て生育旺盛な微生物の遺伝子を導入することを特徴とす
る、微生物の生育増強方法に関するものである。
【0008】すなわち、本発明は以下の(1)〜(6)
のように要約される。 (1)以下の段階を含む、生育困難な受容微生物に生育
旺盛な微生物の遺伝子を導入することにより、生育が増
強された受容微生物を得る方法。 (A)生育旺盛な微生物からDNAを抽出する段階 (B)該抽出DNAから断片化されたDNAを作製する
段階 (C)該DNAを含む遺伝子発現ライブラリーを作製す
る段階 (D)該遺伝子発現ライブラリーを生育困難な受容微生
物に導入する段階 (E) 該遺伝子導入操作により、生育が増強された受
容微生物を得る段階
【0009】(2)遺伝子が対象の受容微生物と同じ属
の微生物より取得される、(1)記載の方法。 (3)遺伝子の大きさが、0.5kbp以上8kbp未
満である、(1)記載の方法。 (4)該遺伝子発現ライブラリーがプラスミドまたはベ
クターの形態である、(1)記載の方法。 (5)対象となる受容微生物が放線菌である(1)〜
(4)のいずれかに記載の方法。 (6)前記(1)記載の方法により得られた生育が増強
された受容微生物。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における生育困難な微生物とは、従来の技術では
生育が困難であり産業上に利用することが不可能な微生
物のことである。例えば、ある微生物の生育が困難な理
由はいくつか考えられる。第1に、生育条件が不適当な
場合がある。 ・ 例えば、温度、湿度、光、酸素濃度等、培養条件が
適当でない場合。 ・ 増殖の速い他の微生物によりコロニー形成が妨げら
れ、分離できない場合。 ・ 他の微生物や生物と共存してのみ増殖可能である場
合。 ・ 高温、高圧、高塩濃度、高酸性条件、高アルカリ条
件等の特殊環境下でのみ生育可能であり、安価、簡便に
培養することが出来ない場合。 このように、微生物の培養条件により代謝機能や遺伝子
の発現機構に障害が生じている場合、その経路を回避す
るような遺伝子を導入し、その代替機能を発現させて生
育を増強させる。あるいは、微生物がその生育の途上で
必須な物質を菌体外から得ている場合、これを生産可能
とする遺伝子を導入、その生育を補強することでより安
価で簡便な増殖培地が使用可能となる。
【0011】第2に、微生物の能力が変化する場合があ
る。 ・ 例えば、自然界には存在し得ない栄養豊富な条件下
で急激に増殖させるため、生育または継代能力が低下す
る場合。 ・ 生産物内に存在する目的の薬理活性物質の比率を増
加させる等の理由で遺伝子変異処理を行った結果、生育
能力の低下を招く場合。 このように、微生物の生育、保存および変異処理によっ
て、生育に関係する遺伝子に変異または欠損が生じた場
合、これを相補し、その生育を回復させる。第3に、微
生物の生育が遅い場合がある。 ・ 例えば、増殖が遅いために数週間程度では目に見え
るコロニーを形成できず、分離が困難な場合。 このような場合、微生物の増殖や生活環の調節、活性化
に関する遺伝子を導入、その生育速度を増大させる。
【0012】本発明に用いる生育旺盛な微生物とは、炭
素源、窒素源、リン、イオウ、その他無機塩類、金属
類、ビタミン類などを適当量含む増殖培地において、産
業上利用するに足る菌体量を確保することができる微生
物をいう。例えば産業上利用可能な菌体量を確保できる
微生物とは、以下に述べる微生物を指す。新たに自然界
より微生物を分離する際、対象となる試料を適当な条件
で処理した後増殖培地上に塗沫するが、そこから微生物
を分離する段階において、通常3週間程度の培養でコロ
ニーを目視でき、その後の分離および利用が可能となる
微生物をいう。また、他の例として、産業上利用するに
足る生産物を取得可能な菌体量を確保することの出来る
微生物、および微生物の保存や生産力価改善に必要とさ
れる胞子形成能力など、微生物を産業上取り扱う上で有
用な生育能力を十分に備えた微生物をいう。
【0013】本発明に用いる産業上利用価値の有る微生
物とは、特に限定されるものではないが、細菌、真菌、
藻類等を挙げることができ、例えば放線菌、真性細菌、
シュードモナス、マイコプラズマ、粘液細菌、変形菌
類、藻菌類、子嚢菌類、担子菌類、不完全菌類、酵母な
どの、陸生微生物、または水生微生物、または海洋微生
物、またはそれらの混合物である。好ましい受容微生物
としては、放線菌が挙げられ、その中で特にストレプト
マイセス属に属す微生物がより好ましい。
【0014】本発明においては、生育困難な微生物に対
して生育旺盛な微生物の遺伝子を導入する。その際、遺
伝子抽出の対象となる生育旺盛な微生物は、特には限定
されないが、遺伝子を導入する生育困難な受容微生物の
種類に応じて適宜選択されることでよい。より好ましく
は例えば、生育を回復させたい生育困難な微生物と同属
に属する生育旺盛な微生物の遺伝子を選択して使用でき
る。この場合、以下のようないくつかの利点が考えられ
る。同属の微生物同士であれば互いの微生物のコドンの
使用法が類似しており、mRNAのタンパク質への翻訳
が中断されにくい。プロモーターや転写因子結合部位が
類似であり、構造遺伝子の発現においてプロモーター活
性を発揮しやすい。生態メカニズムが類似しており、分
化の過程で変化・欠損した機能を相補できる可能性がよ
り高い。または、真核生物を用いる場合、mRNAを適
切にプロセシングする可能性が高い、などが挙げられ
る。さらには、異なる属に由来する遺伝子を導入する場
合であっても、生育困難な微生物でその遺伝子が機能す
るようなプロモーター配列を付加するなど、上記利点を
人為的に補うことで利用性を高めることができる。
【0015】本発明における生育旺盛な微生物からの染
色体DNAの調製は、David A.Hopwood
らの方法(GENETIC MANIPULATION
OFSTREPTOMYCES A LABORATOR
Y MANUAL (1985))など、通常の染色体D
NAの抽出法に準じて、染色体DNAを調製し、得られ
た染色体DNAをClaI、Sau3AIなどの適当な
制限酵素で処理し、部分消化を行った後アガロースゲル
電気泳動を行い、泳動後のゲルよりDNAを抽出、また
はショ糖密度勾配遠心法などで分画してDNA断片を得
る。DNA断片と同じ付着末端を生じさせる制限酵素で処
理したベクターに上記で得られたDNA断片を挿入し、
遺伝子発現ライブラリーを作製する。挿入するDNA断
片の大きさは、ベクターサイズの制限や、ベクターへの
DNAの挿入効率などから、好ましくは0.5〜8kb
p程度であり、さらに好ましくは、2〜6kbp程度で
ある。
【0016】ベクターは、独自に作製したものに加え、
市販されるか、文献記載の公知のものが使用できる(例
えば、市販のものとしてはpBlueScript I
I KS(−)(STRATAGENE社製)等を、文
献記載の公知のものとしてはpIJ702(Edwar
d Katzら Journal of General
Microbiology(1983),129,27
03−2714)等を使用できる。)。また、本発明の
実施例で用いられているシャトルベクターとは、2種類
の宿主において複製可能で、相互に往復的な利用が出来
るベクターのことである。1つの例として、大腸菌と放
線菌の両方で複製する能力を備えたベクターは、大腸菌
でDNAを調製し放線菌で発現させることができる。
【0017】本発明における遺伝子発現ライブラリーと
は、生育増強に関する遺伝子を含むライブラリーであっ
て、好ましくは、挿入した遺伝子の発現調節を可能とす
るような遺伝子配列(プロモーター等)を加える。ま
た、さらに好ましくは、対象の微生物で複製可能なベク
ターを用いて作製される。導入後のライブラリー遺伝子
は受容微生物内においてベクターあるいは染色体内に組
み込まれた形として存在する。その結果、ある培地上で
必要な増殖能力を獲得した微生物が作製される。ここ
で、「発現調節」とは、プロモーター配列またはプロモ
ーター領域等を含む、構造遺伝子の転写を調節する機能
を有するものである。また、「発現調節を可能とする」
とは、宿主内でプロモーターの作用下で上記遺伝子のm
RNAへの転写が起こることを意味する。目的のポリペ
プチドをコードする遺伝子は、プロモーター配列を含む
DNA断片の下流に結合され、プロモーターの作動によ
りmRNAに転写される。
【0018】本発明は、上記定義のDNA断片または組
換えDNAを含むベクター若しくはプラスミドを提供す
る。ベクターの種類は特に限定されないが、このベクタ
ーによって形質転換される受容微生物の種類に応じて選
択される。ベクターとしては、原核または真核受容微生
物において自立複製可能または染色体中に相同組換え可
能なベクターを使用することが出来る。プラスミド、フ
ァージを含むウイルス、コスミドなどである。ベクター
は、選択マーカー、複製開始点、ターミネーター、ポリ
リンカー、エンハンサー、リボソーム結合部位などを適
宜含むことができる。細菌、真菌、酵母などの原核およ
び真核生物用の、市販、または文献等に記載されている
種々のベクターを利用して(例えば、原核生物用のもの
としてはpUC18(東洋紡績社製)やpBlueSc
ript II KS(−)(STRATAGENE社
製)等を、真核生物用のものとしてはpESC(STR
ATAGENE社製)等を使用できる。)、本発明のD
NA断片をベクターに挿入することが出来る。
【0019】本発明は、上記に規定するベクターによっ
て形質転換された受容微生物を提供する。ここで受容微
生物は前記したように原核生物(例えば細菌)、真核生
物(例えば菌類)等から選択され、構造遺伝子の発現に
おいてプロモーター活性を発揮できるなら何れの微生物
細胞も使用可能である。特に本発明において好ましい受
容微生物は、放線菌ストレプトマイセス属に属す微生物
である。形質転換法としては、塩化カルシウム法、リン
酸カルシウム法、酢酸リチウム法、エレクトロポレーシ
ョン法、プロトプラスト/PEG法、スフェロプラスト
法、リポフェクション法等を例示できるが、これらに限
定されない。受容微生物は形質転換を行うことが可能な
状態であれば、単一種の微生物でも、複数種の微生物の
混合物でも良い。例えば、人工的に培養が困難な微生物
は、遠心や濾過などによって微生物の濃縮操作を行った
後に形質転換法を行うなど、形質転換効率を高めた状態
で使用することが出来る。
【0020】本発明は、上記の形質転換した受容微生物
を増殖培地にて培養し、生成した微生物二次代謝産物ま
たは醗酵生産物を回収することを含む。生育が増強され
た微生物の培養過程において生産された物質は、菌体ま
たは培養液またはその混合物より、超音波処理、ホモゲ
ナイジング等で抽出される。この抽出液から、目的の生
産物を単離することができる。単離、精製は、溶媒抽
出、塩析、脱塩、有機溶媒沈殿、限外濾過、イオン交
換、疎水性相互作用、HPLC、ゲル濾過およびアフィ
ニティークロマトグラフィー、電気泳動、クロマトフォ
ーカシングなどの方法を単独または組み合わせて行うこ
とができる。
【0021】上述したように、本発明によって、従来生
育が困難なため産業利用できなかった微生物に遺伝子を
導入することで、微生物の生育を増強させる方法を提供
する。本発明のこの生育増強方法は、従来培養困難であ
った微生物を、増殖培地上で安価・簡便に増殖させるこ
とが可能であり、そこから得られる生産物は新たな薬物
候補を、醗酵過程は新たな製造法を提供することが可能
である。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれらのみによって限定されるもので
はない。 実施例1 放線菌由来tsr遺伝子プロモーターを含む放線菌−大
腸菌シャトルベクターの構築放線菌由来のベクターpI
J702(Edward Katzら Journalo
f General Microbioligy(198
3),129,2703−2714:図1に示した)と
大腸菌由来のベクターpBlueScriptII K
S(−)(STRATAGENE社製:図2に示した)
を用いて以下のようにしてシャトルベクターを構築し
た。pIJ702を制限酵素SacIIで切断し、re
p遺伝子を含む2311bpの断片をpBlueScr
iptII KS(−)の制限酵素SacII切断部位
に挿入しpBS/2311を得た。pIJ702を制限
酵素BamHIで切断したDNAを鋳型とし、プライマ
ー1及びプライマー2を用い、PCR法で増幅した断
片、すなわちtsr遺伝子プロモーターとtsr遺伝子
の1〜10アミノ酸残基及び終止コドンを含む249b
pの断片を得た。
【0023】このDNA断片を制限酵素KpnI及び制
限酵素ClaIで両端を切断し、制限酵素KpnI及び
制限酵素ClaIで切断したpBS/2311に挿入
し、pLiv1/−Stabilityを得た。pIJ
702を制限酵素BamHIで切断したDNAを鋳型と
し、プライマー3及びプライマー4を用い、PCR法で
増幅した断片、すなわちプラスミドの安定性に関わる領
域(Stability)とターミネーター配列を含む
484bpの断片を得た。このDNA断片を制限酵素S
peI及び制限酵素XbaIで両端を切断し、制限酵素
SpeI及び制限酵素XbaIで切断したpLiv1/
−Stabilityに挿入し、pLiv1を得た。p
IJ702を制限酵素BamHIで切断したDNAを鋳
型とし、プライマー5及びプライマー6を用い、PCR
法で増幅した断片、すなわちtsr遺伝子プロモーター
とtsr遺伝子を含む1083bpの断片を得た。この
DNA断片を制限酵素SacIで両端を切断し、制限酵
素SacIで切断したpLiv1に挿入し、pLiv1
thio(図3に示した)を得た。
【0024】プライマー1 TTAACTTGAA TTCGGTACCA AGG
CGAATAC TTCATATGCG(配列番号:
1) プライマー2 ATATCGATCA CGGATTTGCG ATG
GTGTCC(配列番号:2) プライマー3 ATACTAGTGC GGCCGCTGAA GAG
CCCCGTC GGGCGGTGCC TGACGG
GGCT TCTCATGCAG CCGGGGGTC
C G(配列番号:3)
【0025】プライマー4 ATTCTAGACC GCGGGAGTAA TCC
TGGG(配列番号:4) プライマー5 ATAATATTGA GCTCAAGGCG AAT
ACTTCAT ATGCG(配列番号:5) プライマー6 ATAATATTGA GCTCTCATCA CTG
ACGAATC GAGG(配列番号:6)
【0026】実施例2 放線菌の染色体DNA調製 ストレプトマイセス属放線菌(NA34896株;工業
技術院生命工学工業技術研究所に、FERM P−17
984として寄託されている。)の平板寒天培養から白
金耳にて胞子を5mm程度かき取り、100mlのYE
ME培地(グルコース1%、シュークロース34%、麦
芽エキス0.3%、ペプトン0.5%、酵母エキス0.
3%、pH7.0、滅菌後2.5 Mの塩化マグネシウム六
水和物を培地1Lあたり2ml添加)を500ml容の
へそ付き三角フラスコに分注し滅菌したものに植菌し
た。27℃で2日間回転振盪培養を行った。菌体を集菌
後、湿菌体2g程度を10mlのTE(10mMトリス
(塩酸、pH8.0)、50mM EDTA(pH8.
0))で2回洗浄し、使用時まで−20℃で凍結した。
トリスとは、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
のことを指す。
【0027】この凍結菌体2gを融解し、10mlのT
Eに溶解、さらにリゾチームを2mg/mlとなるよう
に添加、37℃で1時間インキュベートした。この溶液
に、50mlの10mMトリス(塩酸、pH8.0)−
10%SDS溶液を加え、ゆっくりと混合した。粘稠性
の増したこの溶液と等量(約60ml)のフェノール溶
液(10mMトリス(塩酸、pH8.0)で飽和)を加
え、室温で30分振盪した。12000rpm×20m
in、20℃で遠心した後、上層を別の遠心管に移し
て、その液体に2.5倍量のエタノールを添加し混合、
−20℃で30分静置した。12000rpm×20m
in、4℃で遠心し、沈殿を70%エタノールで洗浄、
10分間室温に放置して風乾を行った。
【0028】乾燥させた試料を3.6mlのTEに溶解
し、そこに3.78gの塩化カルシウムを添加、さらに
10mg/mlのエチジウムブロマイド180μlを加
え、溶液が均一になるように混ぜた。この溶液を超遠心
チューブ(OptiSeal4.7ml、BECKMA
N社製)に移し、超遠心(Optima TL、BEC
KMAN社製)を、100000rpm×10hr、2
3℃の条件で行った。超遠心チューブ内の閉環プラスミ
ドDNAのバンドを注射針で回収し、等量の飽和イソプ
ロパノール溶液(TEに5Mの塩化ナトリウムを溶解し
たもので飽和)を加え、混合、3000rpm×5mi
nで遠心、上層を除いた。この作業を、エチジウムブロ
マイドの色が完全に抜けるまで(3〜4回)行った。残
った下層に2倍量の滅菌水を加え、さらにその3倍量の
エタノールを加え混合、−20℃で30分静置してDN
Aを析出させた。その後12000rpm×15mi
n、4℃でDNAを沈殿させ、70%エタノールで洗浄
した。
【0029】実施例3 pLiv1thioベクターとストレプトマイセス属放
線菌NA34896株より抽出したDNAを用いた遺伝
子発現ライブラリーの構築 下記(a)および(b)の操作を行い、下記(c)によ
り、遺伝子発現ライブラリーを得た。 (a)部分消化DNAの調製 実施例2より得たストレプトマイセス属放線菌NA34
896株の染色体DNA10μgに対して5ユニットの
制限酵素TaqIを用い、65℃、10min、20m
in、30minの条件でそれぞれ部分消化した。反応
によって得られた試料に等量のTE飽和フェノール:ク
ロロホルム(1:1)を加え、混合して遠心(12000
rpm×5min)を行った。水層を新しいチューブに
移し、その10分の1量の3M酢酸ナトリウム(pH
5.2)を添加、さらに2.5倍量のエタノールを添
加、混合して−20℃で30min放置した。その後遠
心(12000rpm×5min)を行い、DNAを沈
殿させた。70%エタノール にて洗浄を行い、10分
間室温に放置して風乾を行った。その後、TEに溶解さ
せた。
【0030】部分消化DNA断片の回収 0.8%アガロースゲルを用いて上記DNA溶液を電気
泳動した。その際、DNA断片のサイズマーカーにはλ
DNAを制限酵素HindIIIで切断した断片を用い
た。泳動後のゲルから、2〜6kbpの領域内に存在す
る制限酵素TaqI部分消化断片を切りだし、ゲルエク
ストラクションキット(QIAEXIIGel Ext
raction Kit、キアゲン社製)を用いてDN
Aの抽出、回収を行った。
【0031】(b)ベクターの調製 実施例1より得た放線菌―大腸菌シャトルベクター(p
Liv1thio)100μgに対して5ユニットの制
限酵素ClaIを用いて切断を行った。液量に対して1
0分の1量の3M酢酸ナトリウム(pH5.2)と、さ
らにその2.5倍量のエタノールを添加し、上記と同様
にDNAの回収、洗浄を行った。
【0032】(c)遺伝子発現ライブラリーの構築 (a)より得た制限酵素TaqI部分消化断片(2〜6
kbp)と、(b)より得た制限酵素ClaIにより切
断されたpLiv1thioを、モル比で8:1(重量
比32:7、部分消化断片は平均4kbpと見積もっ
た)となるように混合し、140ngのベクターに対し
て等量(20μl)となるようライゲーション溶液(D
NA Ligation Kit Ver.2、宝酒造
社製)を加えてライゲーションを行った。このサンプル
中の挿入断片の有無を、大腸菌に遺伝子導入することで
確認すると、挿入断片を含むベクターの割合は約30%
であった(図4に示した)。この操作により、遺伝子発
現ライブラリーを得た。
【0033】遺伝子発現ライブラリーの増幅 上記で得た遺伝子発現ライブラリーを放線菌に導入する
前段階として、大腸菌での増幅を行った。遺伝子発現ラ
イブラリー1μgを8mlの大腸菌コンピテント細胞に
導入(野島 博:遺伝子工学ハンドブック、実験医学、
羊土社、pp.46−51、(1991))し、約6万
個の形質転換コロニーを得た。これらは遺伝子導入操作
後、37℃で36時間程度培養し、十分にコロニーを生
育させた。その後、スクレーパー(CELL SCRA
PER、住友ベークライト社製)と生理食塩水(塩化ナ
トリウム0.85%)を用いてコロニーを回収、プラス
ミドを調製した。得たプラスミド試料を超遠心により精
製し、1.4mgの遺伝子発現ライブラリーを得た。
【0034】実施例4 放線菌の形質転換法 下記(a)〜(e)の操作を行い、下記(f)により、
形質転換体を得た。 (a)生育困難放線菌NA34896メチオニン要求性
株の取得 ストレプトマイセス属放線菌野生株であるNA3489
6株(工業技術院生命工学工業技術研究所に、FERM
P−17984として寄託されている。)の胞子懸濁
液に紫外線を照射(距離50cm、時間1min)し、
その懸濁液の一部を完全培地(YS;可溶性でんぷん1
%、酵母エキス0.2%、寒天1.5%、pH7.0)
と最少培地(ツァぺック・寒天培地、Difco社製)
及びメチオニン含有最少培地に塗抹し、メチオニン要求
性株を取得した。
【0035】(b)NA34896メチオニン要求性株
胞子懸濁液の作製 16×150mmのねじ付試験管(旭テクノグラス社
製)に、滅菌後完全に寒天を溶解させた完全培地5.5
mlを分注し、ねじ付試験管を傾けて、中に長径7cm
前後の斜面を形成させた。保存スラントより少量の胞子
を白金耳にてかき取り、斜面上に一様に植菌した。2〜
3週間27℃で培養し、十分に胞子を形成させた。その
中にYEME培地を2ml加え、寒天表面を白金耳でか
き取り、その後よく懸濁して胞子懸濁液を作製した。
【0036】(c)NA34896メチオニン要求性株
の培養 直径2.5cmの大試験管(旭テクノグラス社製)にY
EME培地10mlを分注して滅菌後、NA34896
メチオニン要求性株の胞子懸濁液200μlを植菌し
た。27℃、28時間前後振盪培養して濁度計(吸光度
600ナノメートル)の値が0.1となった時点で培養
を停止した。500ml容のへそ付き三角フラスコにあ
らかじめ分注、滅菌しておいた0.5%グリシンを含む
YG培地(グルコース1%、酵母エキス1%)100m
lに、上記で培養した菌体液2mlを植菌し、27℃で
16時間回転振盪培養を行った。
【0037】(d)プロトプラストの調製 (c)より得た培養液の一部(50ml)をクリーンベ
ンチ内で遠沈管(50ml容)に移し、遠心(3000
rpm×10min、4℃)した。回収した菌体を40
〜50 mlの10.3%ショ糖水溶液(氷冷)で2回洗
浄した。洗浄後、遠心し上清を取り除いた菌体に、10
mlのリゾチーム溶液(リゾチーム濃度が2mg/ml
となるようにPバッファー(後述)に溶解後、0.22
μmのフィルター(MILLIPORE社製)で濾過滅
菌)を添加し、30℃で45分程度振盪した。
【0038】以下にPバッファーの組成を示す ショ糖10.3%、硫酸カリウム0.025%、塩化マ
グネシウム六水和物0.202%、微量金属塩溶液0.
2%、蒸留水を最終液量の80%加えて滅菌した。その
後、個別に滅菌しておいた0.5%リン酸二水素カリウ
ム水溶液を最終液量の1%、3.68%塩化カルシウム
二水和物水溶液を10%、5.73%TESバッファー
(pH7.2)を10%、それぞれ加えた。
【0039】以下に微量金属塩溶液の組成を示す 1Lあたりの組成:塩化亜鉛40mg、塩化第二鉄六水
和物200mg、塩化銅二水和物10mg、塩化第一マ
ンガン四水和物10mg、ホウ砂10mg、モリブデン
酸アンモニウム四水和物10mg
【0040】(e)プロトプラストの精製 その後、濾過用注射筒(50ml注射筒に0.4gの脱
脂綿を詰め、滅菌)にて菌糸を取り除き、等量のPバッ
ファーを加えて遠心(3000rpm×7min、4
℃)した。更に2回、10ml程度のPバッファーを用
いて洗浄した。血球計算板を用い、直接検鏡にて形成さ
れたプロトプラストの個数を確認した。プロトプラスト
は、Pバッファーを用いて最終的に40億個/mlと
し、氷中で保存した。プロトプラストは、遺伝子導入効
率を考え、保存せずに要時調製した。
【0041】(f)形質転換 氷冷中のプロトプラスト溶液100μl(4億個)に対
し、実施例3で得た遺伝子発現ライブラリー1μgを添
加した。次に、400μlのTバッファー(A液:1
0.3%ショ糖25ml、蒸留水75ml、微量金属塩
溶液0.2ml、2.5%硫酸カリウム水溶液1mlを
混合し、滅菌。B液:A液9.3mlに5Mの塩化カル
シウム二水和物0.2mlおよびトリスマレイン酸(1
Mのトリスをマレイン酸でpH8.0に調製)0.5m
lを添加。B液と溶解させたPEG1000が3:1の
割合となるように混合して使用。要時調製)を添加し、
ピペットマン(1000μl、ギルソン社製)を用い
て、4回吸引、排出を繰り返した。さらに、その後すぐ
に10倍量のPバッファーを添加し、遠心(3000r
pm×7min、4℃)した。上層を除いた沈殿にPバ
ッファー250μlを添加し、R1M培地(1Lの組
成:ショ糖103g、グルコース10g、カザミノ酸
0.1g、微量金属塩溶液2ml、硫酸カリウム0.2
5g、L−アスパラギン2g、ポリペプトン5g、酵母
エキス8g、塩化マグネシウム六水和物4.07g、寒
天22.2g、蒸留水800mlを加えて滅菌、滅菌
後、あらかじめ個別に滅菌しておいた0.5%リン酸二
水素カリウム水溶液10ml、5.73%TESバッフ
ァー100ml、7.37%塩化カルシウム二水和物水
溶液100mlを添加)50mlを入れた角プレート
(滅菌2号角シャーレ、栄研器材社製)に全量撒いた。
27℃で培養を開始した。培養開始24時間後、重層培
地(ニュートリエントブロス(Difco社製)0.0
8%、寒天0.03%、滅菌後50℃前後まで冷まし、
チオペプチン溶液(50mg/mlとなるようにDMS
Oで溶解)を333μg/mlとなるように添加)7.
5mlをプレート表面に添加した。重層後5日間培養を
行った。その結果、100μgの遺伝子発現ライブラリ
ーを用いて、約32500個の形質転換コロニーを得
た。
【0042】実施例5 生育増強株の取得 培養後、角プレート表面に出現した形質転換体を重層培
地ごとスクレーパーでかき取り、生理食塩水(塩化ナト
リウム0.85%)10mlを添加して5ml容の駒込
ピペットで大試験管(直径2.5cm、6gのガラスビ
ーズを入れて滅菌したもの)に移した。3分間LABO
−MIXER(井内盛栄堂社製)を用いて攪拌を行い、
形質転換体のコロニーおよび重層培地を破砕した。破砕
後の試料を濾過用注射筒(50ml注射筒に0.4gの
脱脂綿を詰め、滅菌)で濾過、その濾液を遠沈管(50
ml容)に移し、遠心(3000rpm×10mi
n)、さらに生理食塩水による洗浄を2回行った。洗浄
後の菌体に10mlの生理食塩水を加え、微生物培養検
定箱(240×320mm、いわしやエーディーエム社
製)にツァペック寒天培地(Difco社製、チオペプ
チン50μg/mlを含む)を作製したものに1mlを
撒いた。一週間培養させることにより、生育増強株を取
得した(図5、図6、図7に各々、植菌当日、植菌3日
目、植菌6日目の寒天培地上の増殖過程を示した。)。
取得した生育増強株は、非生育増強株に比べてコロニー
の生育が速く、短期間で容易に培養することが可能とな
った。
【0043】図6に示した植菌3日目の寒天培地上の生
育増強株のコロニーの長径と短径を測定し、そのコロニ
ーの面積を算出し、同様にして、周囲の非生育増強株の
なかからランダムに5コロニー選択し、その長径と短径
を測定してコロニーの面積を算出した。その結果を表1
に示す。
【0044】 表1 コロニーの直径 コロニーの短系 楕円の面積 (mm) (mm) (平方mm) 生育増強株 5.5 5.0 86.4 非生育増強株1 2.0 2.0 12.6 非生育増強株2 2.5 2.0 15.7 非生育増強株3 3.5 2.0 22.0 非生育増強株4 2.0 2.0 12.6 非生育増強株5 3.0 2.0 18.8
【0045】次いで、図7に示した植菌6日目の寒天培
地上の生育増強株のコロニーの長径と短径を測定し、そ
のコロニーの面積を算出し、同様にして、培養3日目で
ランダムに選択した非生育増強株5コロニーについて
も、培養6日目の長径と短径を測定し、そのコロニーの
面積を算出した。その結果を表2に示す。
【0046】 表2 コロニーの直径 コロニーの短系 楕円の面積 (mm) (mm) (平方mm) 生育増強株 9.0 8.5 240.2 非生育増強株1 3.5 3.5 38.5 非生育増強株2 4.0 3.5 44.0 非生育増強株3 5.5 3.5 60.4 非生育増強株4 3.5 3.5 50.0 非生育増強株5 4.0 3.5 44.0 更に、図8に、表1、表2で数値化したコロニーの面積
をもとに、グラフ化して示した。グラフに示されたよう
に生育増強されたコロニーが得られたことが明らかであ
る。
【0047】
【発明の効果】本発明は、従来の技術では増殖培地上で
生育困難であった微生物の生育を増強させる方法を提供
し、産業利用が困難であった微生物の醗酵への利用、ま
たは微生物生産物の薬物候補への利用に関して有用であ
る。本発明を用いれば、従来の技術では培養困難であっ
た微生物を培養することが可能となり、生産性の向上
や、産業上有効利用していく上で必要なさらなる遺伝的
改変が容易となる。また、自然界から新たに微生物の取
得を試みる際、増殖の速い他の微生物に生育を阻害され
る、あるいは生育が遅く一定期間内にコロニーを目視で
きないなどの理由で分離困難であった微生物群を容易に
分離することが可能となる。また、特殊な条件下でのみ
旺盛に生育可能である微生物群を、より簡便または安価
な培地で安定的に生育可能とすることができる。
【0048】
【配列表フリテキスト】配列表の配列番号:1、2、
3、4、5及び6の塩基配列はPCRプライマーを示
す。
【0049】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> NIPPON KAYAKU KABUSHIKI KAISHA <120> A method for enhancing a growth of microorganism <130> NKM1874 <160> 6 <210> 1 <211> 40 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> PCR primer <400> 1 ttaacttgaa ttcggtacca aggcgaatac ttcatatgcg 40 <210> 2 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> PCR primer <400> 2 atatcgatca cggatttgcg atggtgtcc 29 <210> 3 <211> 71 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> PCR primer <400> 3 atactagtgc ggccgctgaa gagccccgtc gggcggtgcc tgacggggct tctcatgcag 60 ccgggggtcc g 71 <210> 4 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> PCR primer <400> 4 attctagacc gcgggagtaa tcctggg 27 <210> 5 <211> 35 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> PCR primer <400> 5 ataatattga gctcaaggcg aatacttcat atgcg 35 <210> 6 <211> 34 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> PCR primer <400> 6 ataatattga gctctcatca ctgacgaatc gagg 34
【図面の簡単な説明】
【図1】プラスミドベクターpIJ702の制限地図を
図1に示す。
【図2】プラスミドベクターpBlueScript I
I KS(−)(STRATAGENE社製)の制限地
図を図2に示す。
【図3】放線菌由来のベクターpIJ702(図1に示
した。)と大腸菌由来のベクターpBlueScrip
tII KS(−)(STRATAGENE社製:図2
に示した。)を用いて構築した、放線菌―大腸菌シャト
ルベクター(pLiv1thio)の制限地図を図3に
示す。
【図4】ストレプトマイセス属放線菌NA34896株
の染色体DNAを制限酵素TaqIを用いて部分消化
し、そこから回収した2〜6kbpの大きさのDNA断
片の混合物を、放線菌―大腸菌シャトルベクター(pL
iv1thio)を制限酵素ClaIを用いて切断した
ものにライゲーションし、遺伝子発現ライブラリーを構
築した。この時、挿入断片を含むベクターの割合を大腸
菌に遺伝子導入することで確認した。大腸菌に遺伝子導
入したベクターを制限酵素EcoRIで切断して挿入断
片の有無を確認したところ、挿入断片を含むベクターの
割合は約30%であった。その結果を図4に示す。DN
A断片のサイズマーカーにはλDNAを制限酵素Hin
dIIIで切断したものを用いた。図中、Mはマーカー
(λ/HindIII)を、*は挿入断片を含むベクタ
ーを示す。
【図5】NA34896メチオニン要求性株を、実施例
3で作製した遺伝子発現ライブラリーを用いて形質転換
した。植菌当日の寒天培地を図5に示す。
【図6】NA34896メチオニン要求性株を、実施例
3で作製した遺伝子発現ライブラリーを用いて形質転換
した。植菌3日目の寒天培地上の増殖過程を図6に示
す。矢印で示しているのが取得した生育増強株である。
【図7】NA34896メチオニン要求性株を、実施例
3で作製した遺伝子発現ライブラリーを用いて形質転換
し、生育増強株を取得した。植菌6日目の寒天培地上の
増殖過程を図7に示す。矢印で示しているのが取得した
生育増強株である。
【図8】コロニーの大きさを楕円の面積として数値化し
た表1、表2の結果をグラフ化し、図8に示す。縦軸の
値はコロニーの面積(平方ミリメートル)を示し、横軸
の値は寒天培地での培養日数を示す。生育増強株のコロ
ニーの増殖速度は、非生育増強株に比べて5倍程度速
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B024 AA01 AA05 CA05 DA08 EA04 4B065 AA01 AA50 AB01 BA02 CA42 CA44

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の段階を含む、生育困難な受容微生物
    に生育旺盛な微生物の遺伝子を導入することにより、生
    育が増強された受容微生物を得る方法。 (A)生育旺盛な微生物からDNAを抽出する段階 (B)該抽出DNAから断片化されたDNAを作製する
    段階 (C)該DNAを含む遺伝子発現ライブラリーを作製す
    る段階 (D)該遺伝子発現ライブラリーを生育困難な受容微生
    物に導入する段階 (E)該遺伝子導入操作により、生育が増強された受容
    微生物を得る段階
  2. 【請求項2】遺伝子が対象の受容微生物と同じ属の微生
    物より取得される、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】遺伝子の大きさが、0.5kbp以上8k
    bp未満である、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】該遺伝子発現ライブラリーがプラスミドま
    たはベクターの形態である、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】対象となる受容微生物が放線菌である請求
    項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】請求項1記載の方法により得られた生育が
    増強された受容微生物。
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