JP2003250465A - 食品の加熱調理方法および連続通電加熱装置 - Google Patents

食品の加熱調理方法および連続通電加熱装置

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JP2003250465A
JP2003250465A JP2002053486A JP2002053486A JP2003250465A JP 2003250465 A JP2003250465 A JP 2003250465A JP 2002053486 A JP2002053486 A JP 2002053486A JP 2002053486 A JP2002053486 A JP 2002053486A JP 2003250465 A JP2003250465 A JP 2003250465A
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food
conveyor
electrolytic solution
lower electrode
heating
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Takeo Sugita
健男 杉田
Ritsuko Nakai
律子 中井
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Toyo Aluminum KK
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Toyo Aluminum KK
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  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 魚肉等の旨味を逃がすことなく、電気エネル
ギを浪費せず効率的に不定形な食品を通電加熱すること
ができる方法及び装置を提供することである。 【解決手段】 予備加熱手段60の下流に、次の構成の
通電加熱装置を配置する。即ち、電解液Aの供給槽21
の下面にフレキシブルで浸潤性の良好な材料から成る上
部通電部材23を多数取り付け、この上部通電部材23
の屈曲を制限する邪魔棒26を配置する。この上部通電
部材23は、コンベア10のベルト11によって搬送さ
れる食品Bの外周面と接触して電解液Aを食品Bの外面
に塗布し、食品Bの外周に電解液Aの薄膜を形成する。
このとき邪魔棒26によって食品Bと均等に接触する。
前記ベルト11は、電解液Aの透過性の良い材料から成
り、ベルト11の下面には、金属の板状下部電極30が
配置され、上部通電部材23の保持具を電極として前記
下部電極30との間に交流電圧が印加され、食品Bの外
面に形成された電解液薄膜に通電して加熱するようにな
っている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】この発明は、食品、特に生魚や畜肉
等の不定形な食品素材および加工食品を連続的に通電加
熱する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レストランメニュー、ファミリーレスト
ランメニュー、コンビニエンスストア惣菜、機内食、ホ
テル食、病院食等として供される焼魚、ステーキ、ハン
バーグ、焼豚、焼鳥、骨付き鳥もも照焼き等の焼物、煮
魚、煮豚、蒸し鶏、茹豚等の煮物・蒸物の調理方法は、
前者はガス直火、炭火、遠赤外線ヒーター、オーブンレ
ンジ等で焼き、後者は鍋に素材を入れ、水と調味料等を
加えてガス直火や電熱器等で加熱調理し、これらをその
まま供するか、或は冷凍または冷蔵保存し、喫食時に電
子レンジ等で再加熱して供している。
【0003】上記の従来方法では、調理する食品によっ
て加熱温度や加熱昇温到達時間に差があり、仕上がりに
影響するため、その加熱調理には熟練による技術が必要
であった。すなわち調理されたものを調理直後に供する
場合は、さほど問題はないが、焼魚、ハンバーグや骨付
き鳥もも肉などは、外部加熱だけで素材の中心まで加熱
しようとするため、素材成分のエキス分や水分がドリッ
プや蒸発し、冷却した後はもちろん、再加熱しても素材
の旨みやみずみずしさが消失しており、しっとりさやふ
っくらさがなくなるため食感、食味とも大きく低下す
る。さらに、味噌や粕漬魚、骨付き鳥もも照焼き等は、
素材の中心まで適度かつ衛生上安全に加熱したいがため
に、素材表面のメイラード反応の行き過ぎによるコゲが
発生しやすく焼き加減には熟練を要していた。
【0004】一方、煮魚や煮豚等の場合、沸騰近い高温
でかつ浸透圧の高い調味液等の中での長時間における外
部加熱は、素材成分のエキス分、水分の流出や蛋白質の
過度の熱変性による肉質の硬化とムレ臭が発生し、冷却
した後はもちろん、再加熱しても素材本来の旨みやみず
みずしさは消失しており、しっとりさやふっくらさがな
く硬くなるため食感や風味が大きく低下する問題があっ
た。
【0005】
【発明の課題】そこで、調理中において素材中のエキス
分や水分をできるだけ保持しかつ蛋白変性を的確にコン
トロールできる調理方法が求められる。その一つに通電
加熱方法がある。例えば特開平5−308934号公
報、特開平7−87882号公報、特開平7−1479
12号公報には、導電液中に食品を浸漬して通電加熱す
る方法が開示されている。しかしながら、この方法を前
述の調理に適用すると、素材等の旨味成分が導電液中に
移行して味が劣化すること、魚肉以上に導電液に電気エ
ネルギが消費されるため、エネルギコストがかさみ不経
済であること、甘塩魚肉や味噌漬魚肉の場合、付着した
塩分、味噌成分が導電液中に移行し、導電液の導電率の
変動が大きく均一な加熱が殆ど不可能である等の問題が
ある。
【0006】また、実開平5−20590号公報には、
すり身成形体の両端に、電解液を含浸させたシート状ク
ッション材を当接させて通電加熱する装置が開示されて
いる。しかしながら、この装置は、ベルトで食品を挟持
しながら加熱するようになっているため、魚肉切身や畜
肉ブロックのような不定形でかつ加熱に伴い形状変化す
るような食品の加熱調理には適用することができない。
【0007】さらに、特開平9−47261号公報に
は、回転する棒状電極に練り製品を巻き付け、水を収納
した容器上を通過させて通電加熱する装置が開示されて
いる。しかしながら、この装置では、棒状電極を食品に
挿入しなければならず、魚肉切身や畜肉ブロックのよう
な食品素材の場合には、作業性や形状保持の面から適用
が難しい。しかも水の収容容器と棒状電極との間隔が一
定であるため、不定形な魚肉等を均一加熱することがで
きない。
【0008】本発明者らは、上記のような問題点に鑑
み、特開平11−137185号公報に開示されている
ような食品の通電加工装置を提案している。この装置
は、図22に示すように、電解液の供給槽1からフレキ
シブルな通電部材2を垂下させ、下部電極4の上に配置
したコンベア3によって移送される食品Bに上部電極と
しての通電部材2を接触させて食品Bに通電するように
なっている。しかしながら、このような装置であっても
魚肉切身、骨付き鳥もも肉や畜肉ブロックのように不定
形であって部分的な厚みの違い、筋肉組織等部位の違い
による抵抗値変化、皮や脂身そして骨などの電気絶縁体
として機能するような素材に対しては、焼きムラ(不均
一加熱)の生じる問題が残る。特に生魚フィレー(魚の
片身)の下面側(コンベアと接触する面)の中央部は、
厚みが大きいこと、電解液が十分に湿潤しないことなど
により十分に加熱することが困難で、この部分を十分に
加熱しようとすると加熱時間が冗長になり、他の部分が
過加熱になる恐れがある。また、素材の先頭部分は最初
に電極接触し通電加熱が開始するため、どうしても先頭
部分の素材温度が高くなる。そのため素材のその部分の
温度上昇によりその部分の抵抗値が小さくなるためその
温度差はさらに大きくなる場合もある。
【0009】そこで、この発明の課題は、素材等の旨味
を逃がすことなく、電気エネルギを浪費せず効率的に不
定形な食品を加熱することができる方法および装置を提
供することである。
【0010】この発明の他の課題は、味噌漬肉のように
電解液の導電率に大きな影響を及ぼす食品もそのままの
状態で加熱することができ、しかも加熱に熟練を必要と
しない方法及び装置を提供することである。
【0011】
【課題の解決手段】上記の課題を解決するために、この
発明においては、食品を予備加熱した後、電解液を浸潤
させたフレキシブルなのれん状上部通電部材とコンベア
との間に食品を通過させ、このコンベアの搬送面と、前
記上部通電部材との間に交流電圧を印加して通電加熱す
る方法を採用したのである。
【0012】また上記の課題を解決するため、この発明
においては、食品の予備加熱手段と、電解液の供給手段
と、少なくとも1つのフレキシブルなのれん状上部通電
部材と、食品を搬送するためのコンベアと、このコンベ
アの搬送面の下側に配置された下部電極と、前記上部通
電部材と前記下部電極との間に交流電圧を印加する手段
によって食品の連続通電加熱装置を構成したのである。
前記上部通電部材の近傍には、少なくとも1つの邪魔棒
を設置してもよい。また、前記上部通電部材と前記下部
電極との間に交流電圧を印加する代わりに前記邪魔棒と
前記下部電極との間に交流電圧を印加してもよい。さら
に食材の前後を逆転させる手段を設け、再度加熱しても
よい。
【0013】前記コンベアの搬送面を、前記下部電極を
通過した後、煮汁又はたれ汁の塗布手段の間を通過させ
るようにすることもできる。また、前記コンベアの搬出
端を焙り装置のコンベアの搬入端に臨ませることもでき
る。
【0014】
【実施の形態】以下、この発明の実施形態を図1乃至図
21に基づいて説明する。
【0015】図1に示すように、通電加熱装置は、食品
を予備加熱する手段60と、食品を搬送するコンベア1
0と、このコンベアの搬送面を上下に挟むように配置さ
れた上部通電部20及び下部電極30よりなり、前記コ
ンベア10によって搬送中の食品Bの外面に、上部通電
部20から電解液Aを滴下又は流下して電解液Aの薄膜
を形成し、上部通電部20と下部電極30によって電解
液薄膜に通電し加熱するようにしたものである。
【0016】食品を予備加熱する手段は、ガスバーナ
ー、スチーム加熱、電熱器、電磁誘導加熱等公知の加熱
手段を用いることができ、少なくとも被加熱食品の下面
側(コンベアと接触する面)を予備加熱することが必要
である。予備加熱は、被加熱食品の下面側の表層部があ
る程度加熱されればよく、限定されるものではないが2
0〜60℃程度(調理前の温度+10〜50℃程度)に
達すればよい。加熱時間は適宜調整されるべきである。
このように少なくとも被加熱食品の下面側(コンベアと
接触する面)を予備加熱することにより、予備加熱され
た部分の電気抵抗が小さくなり、通常加熱されにくい被
加熱食品の下面側の中央部であっても、その後の通電加
熱時において電流が通じやすくなり効率的に加熱できる
ようになる。勿論、必要に応じて食品の上面を含む全面
を予備加熱してもよい。
【0017】このような予備加熱手段60は、図1や図
3に示すようにその後の通電加熱装置のコンベアを共用
するものであってもよいし、後述する図20に示すとお
りコンベアを備えた独立した装置にすることもできる。
【0018】前記上部通電部20は、図1及び図2に示
すように、電解液Aを供給する供給槽21とこの供給槽
21から垂下するフレキシブルなのれん状上部通電部材
23より成る。前記供給槽21には、水道水または食塩
水(通常0.01〜20重量%の塩分濃度)等の適当な
電解液Aが貯留されており、適宜電解液Aを補給する手
段が設けられている。そして、槽21の底面には、多数
のスリット22がコンベア10の進行方向と直角かつ進
行方向にほぼ等間隔に設けられており、このスリット2
2に前記上部通電部材23が取り付けられ、電解液Aが
上部通電部材23を伝って食品Bに滴下又は流下するよ
うになっている。また、電解液Aを直接食品Bに吹き付
け又は滴下してもよい。この上部通電部材23は、導電
性の良好な材料で形成すればよく、例えばチタン、アル
ミニウム、鉄、白金、ステンレス等の金属箔並びにカー
ボンシートから選ばれる少くとも1種を採用することが
できる。通常、金属箔は厚さが10μm〜200μmの
ものが好ましい。また食品Bと接する部分には図4に示
すような切れ目23aを入れておくのが好ましい。この
金属箔に必要に応じて織布、編成布、カーボン繊維を織
み込んだ織布や編成布、不織布、連続気泡を有するスポ
ンジ、繊維束等のフレキシブルで液体が浸潤し易い材料
を重ね合わせ又は被覆しておくことができる。これによ
って金属箔に直接食品Bが付着することやスパークの発
生を防止できる。重ね合せ又は被覆する材料自体には導
電性があってもなくてもよい。上部通電部材23の形状
は、四角形のほか任意に選択可能であり、食品B全体に
接触可能であればよい。また上部通電部材23を図5に
示すようなコ字形にしてもよい。図中、符号23aは切
れ目、23cは液体が浸潤し易い材料を示す。
【0019】上部通電部材23の取り付け構造は、種々
選択可能であるが、以下の構造が好ましい。即ち、図6
に示すように、一対の保持具24で上部通電部材23の
上部を挟持する。この保持具24は電極を兼ねることも
でき、チタン、アルミニウム、鉄、白金、ステンレス、
カーボン等より成るが、特にチタンがよい。図7及び図
8に示すように、保持具24の上部通電部材23に対す
る保持性を良くするため、小さな突起24aを設けてお
くことができる。さらに、保持具24の両端に、突起2
4bとそれが嵌り込む窪み24cを設けて、一対の保持
具24を正確に位置決めでき、かつ取り付け後も位置ず
れしないようにしておくのがよい。なお、図7中、符号
24dは電線を接続する場合の端子である。
【0020】上記のようにして保持具24で保持した上
部通電部材23を、図9のように、供給槽21の底面に
設けたスリット22に挿入する。その際電解液Aの漏れ
を防止するため、予めパッキング25をスリット22の
周縁に固着しておく。このように上部通電部材23を取
り付けると、槽21内の電解液Aは、上部通電部材23
の上端部から浸透して上部通電部材23の下部に流下す
る。勿論、この場合、上部通電部材23を前記のような
液体の浸潤し易い材料で被覆するか重ね合わせておくの
が好ましい。
【0021】図10に示すように、前記供給槽21に代
えて、供給管21aを用いてもよい。この管21aを金
属、例えばチタン、アルミニウム、鉄、ステンレス等で
形成すれば、そのまま電極として用いることもできる。
上部通電部材23は、管21aに直接固着すればよい。
勿論管21aは、連続したものを用い、ジグザグ状に屈
曲させて配管し、管21aの一端から連続して電解液A
を供給してもよい。
【0022】図1及び図2に示すように、上部通電部材
23の近傍に少くとも1本の邪魔棒26を配置し、上部
通電部材23の屈曲点を制限している。これによってよ
り均一な加熱を行うことができる。すなわちこの邪魔棒
26がない場合は、上部通電部材23の持つ剛性によっ
て、前述のように最初に食品と接する先端部は、長時間
加熱され過加熱により沸騰し更に身割れに至ることも多
く、終端部では、瞬時に上部通電部材23が元の位置に
戻ってしまうため、ほとんど加熱されず、半生の状態で
あることが多かったが、邪魔棒26を設置することによ
り、食品全体(先端部から終端部まで)への加熱時間が
均等化されるため、先端部での不必要な過加熱を低減す
ることができ、また終端部では、邪魔棒26の効果によ
り上部通電部材23と食品Bがより長く接触するため、
従前のような加熱不足が解消される。
【0023】なお、邪魔棒26は必ずしも1個所に固定
する必要はなく、少なくとも上下方向に可動式としネジ
などで仮留めできるようにすれば、食品Bの大きさに応
じて適宜位置を調整することができる。もちろん本発明
の効果がある範囲内では、水平方向に可動であってもよ
いことは言うまでもない。さらに食品Bの大きさをセン
サー等で自動認識し、邪魔棒26の位置を自動調整でき
るように設置してもよい。また、邪魔棒26の形状、材
質、大きさは、必要に応じて設計することができ、通常
は直径3〜20mm程度の丸棒が適当であるが、断面が
楕円、多角形、半円、半楕円、扇形等の棒であっても何
ら差し支えない。棒の長さは上部通電部材23の幅やコ
ンベア10の幅とほぼ同じ程度でよい。材質はプラスチ
ック、木材、セラミックス等ある程度の剛性があれば何
でもよいが、邪魔棒26を電極として使用することもで
き、この場合はもちろん導電性のあるチタン、ステンレ
ス、ニッケル等の金属棒や表面に金属を被覆したプラス
チックまたはセラミックス棒等を使用すればよい。邪魔
棒26を電極として使用すれば、図9のような複雑な取
り付け構造にする必要がなく、その上食品Bと上部通電
部材23が接触する際のスパークも防止できる。なお、
邪魔棒26の取り付けは、ステーを利用して供給槽21
から懸垂式にしたり、貯留槽33から持ち上げ式にする
こともでき、もちろん両者を併用することもできる。
【0024】図3は、この発明の通電加熱装置の他の例
を示す一部拡大縦断面図である。図2の通電加熱装置と
大きく異なる点は、供給槽21を無くし噴射ノズル27
としたこと、交流電源との接続を上部通電部材23の保
持具24から邪魔棒26に替えたことである。前記のと
おり図9のような複雑な取り付け構造にする必要がない
ので製造コストを削減でき、上部通電部材23の取り替
え等のメンテナンスも簡便となる。また、上部通電部材
23の食品Bと接触する側の面には、スパークが発生す
るおそれがないので、織布や不織布等で被覆する必要が
なくなり、食品Bとの摩擦抵抗が低減できる上、通電効
率もよくなり効果的に食品を加熱することができる。さ
らに、食品Bが上部通電部20と下部電極30の間にな
いときは、上部通電部材23と下部電極30がショート
する心配が全く無くなるので、上部通電部材23を従来
よりも長くすることができる。
【0025】次に、食品Bを搬送するコンベア10の搬
送ベルト11は、電解液Aの透過性が良好な多孔性かつ
フレキシブルな材料によって形成されている。例えば図
11に示すような合成樹脂製のメッシュシートが好まし
く、導電性を良好にするため、カーボン繊維を織り込ん
でもよい。もちろん硬質ゴムや金属製のメッシュシート
であっても何ら差し支えない。他に、図12に示すよう
に、食品Bの底面の凹凸に沿うことができるような多少
厚みを持ったスポンジによって形成してもよい。このよ
うな搬送ベルト11は、通常伸縮性が大きいから、図1
1に示すように、タイミングベルト12を側縁に固着し
て、このタイミングベルト12にかみ合うプーリ13に
よって走行させると、定速で確実に食品を搬送すること
ができる。或は、図13に示すように、チエン12aの
内側アーム14に搬送ベルト11の側縁を固着し、この
チエン12aにかみ合うプーリ13aによってベルト1
1を走行させてもよい。
【0026】上記搬送ベルト11の下側には、図1及び
図2に示すように、下部電極30がベルト11と接触す
るように配置されている。この電極30は、チタン、ア
ルミニウム、鉄、白金、ステンレス等の金属板状体から
成り、コンベア10で搬送中に電解液Aが塗布された食
品Bを上部通電部材23と共に挟持して通電を行なう。
この食品Bの外面に塗布された電解液Aは、搬送ベルト
11から電極30の上面に流下する。そのため、図14
に示すように、電極30の横断面を両側方向に下降する
傾斜面にして、電解液Aが矢印のように両側に流下し易
くしておいたり、図15に示すように、多数の貫通孔3
1を設けておいたり、図16に示すように、両側方向に
下降する溝32を設け、電極30の下方に設置した貯留
槽33に電解液Aを収集できるようにしておく。貯留し
た電解液Aは、図2、図3に示すように、ポンプで供給
槽21又はノズル27に戻し再利用することができる。
【0027】いま、図1乃至図3に示すように、食品B
例えば魚の切り身がコンベア10のベルト11に載置さ
れて搬送され、上部通電部材23の個所にさしかかる
と、上部通電部材23はフレキシブルであるため、食品
Bの外面に沿って食品Bを包むように屈曲する。この上
部通電部材23は、供給槽21内の電解液Aに充分に浸
潤しているため、食品Bの外面は電解液Aに濡らされ、
さらに電解液Aは上部通電部材23からコンベアベルト
11及び下部電極30上にも流下しているため、食品B
の全面に電解液Aの薄膜が形成された状態となる。それ
と同時に、上部通電部材23の保持具24又は邪魔棒2
6と下部電極30との間には交流電圧が印加されている
ため、電解液Aの薄膜を介して食品Bに通電され加熱さ
れる。こうして食品Bは、多数の上部通電部材23が配
列されているゾーンをベルト11で搬送されて通過する
間中、通電加熱される。このときの交流電圧は、通常1
0〜240V、周波数は50〜50000Hz程度がよ
い。
【0028】加熱調理された食品B’は、そのまま冷凍
又は冷蔵保存してもよいが、例えば煮物風にする場合に
は、煮汁に浸漬する。その一例を図17に示す。図示の
ように、前記搬送ベルト11を延長して、加熱調理後の
食品B’を浸漬槽40に収納された煮汁C内を通過させ
る。勿論、煮汁Cは適当な温度に保っておくのがよい。
【0029】加熱調理された食品B’を焼物風にするこ
ともできる。その場合には、通常の焙り加工を施せばよ
いが、予めたれ汁を塗布した後に焙り加工を施す場合に
は、図18に示すように、ベルト11の上下に配置され
たノズル41、42からたれ汁Dを噴霧したり、図19
に示すように、上下のローラ43、44でたれ汁Dを塗
布する。なお、上ローラ43には、ノズル43aからた
れ汁Dを滴下しておく。
【0030】たれ汁Dを塗布する方法は、勿論図17と
同様に、たれ汁Dを収納した槽内を通過させてもよい。
図20は、食品の予備加熱、食品の通電加熱、たれ汁の
塗布、焙り加工をインラインで行なうようにした例を示
す。図示のように、予備加熱手段60にコンベア61を
設けて予備加熱した食品を連続的に通電加熱装置に供給
可能とし、図1乃至図3に示したコンベア10を延長し
て浸漬槽40を通過できるようにし、たれ汁Dを塗布す
る工程までを連続的に行なう。コンベア10の搬出端に
は、焙り装置50内を通過するコンベア51の搬入端が
臨んでいる。従ってコンベア10から排出された食品は
コンベア51上に自動的に載置されるようになってい
る。上記焙り装置50は、ガスバーナや電熱器などの公
知の装置を利用し、コンベア51の搬送面は耐熱性のあ
るステンレス等を用いる。勿論、上記浸漬槽40に代え
て、図18及び図19に示した装置を用いることができ
るのは言うまでもない。
【0031】図21に示すように、食品Bをより確実に
均一加熱したい場合には、通電加熱中に食品Bの前後を
逆転させる手段を設けるのがよい。例えば図示のような
ターンテーブル70を、図1乃至図3に示した通電加熱
装置の間に配置し、コンベア10とほぼ同速で矢印方向
に回転させ、ガイド71によって下流に配置した通電加
熱装置に供給できるようにしておく。このようにする
と、肉厚素材の先頭部分の加熱昇温による素材内抵抗値
変化にもとづく温度差をさらに収束することができる。
【0032】なお、この発明の装置によって加熱調理す
ることができる食品は、魚肉、畜肉、鳥肉、それらの味
噌漬肉等の加工肉のほか、じゃがいも、にんじん、ほう
れん草のような野菜類、アスパラガスベーコン巻き、肉
詰めピーマンのような複合食材等も含まれる。
【0033】
【実施例1】図3記載の装置により鯖フィレー(片身)
の通電加熱を行なった。なお、予備加熱は、電熱ヒータ
ーによって行なった。通電加熱後、肉厚部の中心温度を
測定したところ最高91℃に達しており、鯖フィレー全
体が均一に加熱されていた。また、歩留率(加熱前後の
重量維持率)は92〜95%であった。なお、電解水食
塩濃度は3%、その温度は50℃、素材出発温度は10
℃、予備加熱到達温度は30℃(下表面中央部)、印加
電圧は50V、電流値は6A〜10A/フィレー、通電
時間は約3分であった。
【0034】
【比較例1】予備加熱を施すことなく、その他は実施例
1と同様に鯖フィレーの通電加熱を行った。通電加熱
後、肉厚部の中心温度を測定したところ最高85℃にし
か達しておらず、中には部分的に生ぬるい所があった。
【0035】
【実施例2】骨付き鳥もも肉を実施例1と同様に通電加
熱した。通電加熱後、中心の骨付近の温度を測定したと
ころ最高89℃に達しており、骨付き鳥もも肉全体が均
一に加熱されていた。また、歩留率(加熱前後の重量維
持率)は89〜92%であった。なお、電解水食塩濃度
は3%、その温度は50℃、素材出発温度は10℃、予
備加熱到達温度は30℃(下表面中央部)、印加電圧は
60V、電流値は8A〜12A/本、通電時間は約3分
30秒であった。
【0036】
【比較例2】予備加熱を施すことなく、その他は実施例
2と同様に骨付き鳥もも肉の通電加熱を行った。通電加
熱後、肉厚部の中心温度を測定したところ最高85℃に
しか達しておらず、中心の骨付近が生ぬるいものがあっ
た。
【0037】
【効果】この発明によれば、以上のように、予備加熱を
行なった後、通電加熱を施すようにしたので、食品の一
端が沸騰身割れしたり、他端が加熱不足となることがな
く、食品全体を適正な温度に加熱調理することができ
る。
【0038】また、フレキシブルな上部通電部材を用い
て搬送中の食品に電解液を塗布し、食品の周囲に電解液
の薄膜を形成して通電加熱するようにしたので、食品の
形状や硬軟に拘らず加工でき、かつ旨味成分の流失はほ
とんどない。さらに、電解液の薄膜を介して通電するた
め、エネルギの損失が少ない。
【0039】そのほか、味噌漬等の予め加工された食品
を調理する場合も、電解液中に浸漬するのではなく電解
液を塗布するだけであるから、導電率にほとんど影響な
く通電加熱することができ、電圧や電流の制御が容易
で、しかも通電加熱装置を通すだけで調理できるので、
熟練を要しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の通電加熱装置の一例を示す一部縦断
側面図
【図2】同上の一部拡大縦断面図
【図3】この発明の通電加熱装置の他の例を示す一部拡
大縦断面図
【図4】上部通電部材の形状構造を示す斜視図
【図5】上部通電部材の他の例を示す(a)斜視図、
(b)縦断面図
【図6】上部通電部材の保持具の一例を示す(a)斜視
図、(b)他の例を示す斜視図
【図7】上部通電部材の保持具の他の例を示す(a)平
面図、(b)正面図
【図8】上部通電部材の保持具の一部拡大斜視図
【図9】上部通電部材の保持機構を示す縦断面図
【図10】電解液の供給部の他の例を示す断面図
【図11】コンベアの構造を示す斜視図
【図12】コンベアの搬送ベルトの他の例を示す縦断面
【図13】コンベアの構造の他の例を示す横断面図
【図14】下部電極の構造を示す横断面図
【図15】下部電極の一例を示す斜視図
【図16】下部電極の他の例を示す斜視図
【図17】浸漬槽を示す縦断面図
【図18】たれ汁の塗布構造を示す側面図
【図19】たれ汁の塗布構造の他の例を示す縦断面図
【図20】食品の予備加熱から通電加工、浸漬、焙り工
程までの連続加工を行なう装置の一例を示す一部縦断模
式図
【図21】ターンテーブルを備えた通電加熱装置の概略
側面図
【図22】従来の通電加熱装置の要部を示す縦断面図
【符号の説明】
1 供給槽 2 通電部材 3 コンベア 4 下部電極 10 コンベア 11 搬送ベルト 12 タイミングベルト 12a チエン 13、13a プーリ 14 アーム 20 上部通電部 21 供給槽 21a 供給管 22 スリット 23 上部通電部材 23a 切れ目 23c 液体の浸潤し易い材料 24 保持具 24a 突起 24b 突起 24c 窪み 24d 端子 25 パッキング 26 邪魔棒 27 噴射ノズル 30 下部電極 31 貫通孔 32 溝 33 貯留槽 40 浸漬槽 41、42 ノズル 43、44 ローラ 43a ノズル 50 焙り装置 51 コンベア 60 予備加熱手段 61 コンベア 70 ターンテーブル 71 ガイド A 電解液 B、B’ 食品 C 煮汁 D たれ汁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉田 健男 大阪市中央区久太郎町三丁目6番8号 東 洋アルミニウム株式会社内 (72)発明者 中井 律子 小田原市本町2丁目4番22−801号 Fターム(参考) 4B035 LC01 LP01 LP13 LP49 LT01 4B042 AC03 AD39 AE03 AH01 AP02 AP12 AT05 4B054 AA17 AB06 AB11 BA08 CG01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食品を予備加熱した後、電解液を流下ま
    たは滴下するフレキシブルなのれん状上部通電部材とコ
    ンベアとの間に食品を通過させ、このコンベアの搬送面
    と、前記上部通電部材との間に交流電圧を印加して通電
    加熱することより成る食品の加熱調理方法。
  2. 【請求項2】 食品を予備加熱する手段と、電解液の供
    給手段と、少なくとも1つのフレキシブルなのれん状上
    部通電部材と、食品を搬送するためのコンベアと、この
    コンベアの搬送面の下側に配置された下部電極と、前記
    上部通電部材と前記下部電極との間に交流電圧を印加す
    る手段からなる食品の連続通電加熱装置。
  3. 【請求項3】 食品を予備加熱する手段と、電解液の供
    給手段と、少なくとも1つのフレキシブルなのれん状上
    部通電部材と、食品を搬送するためのコンベアと、この
    コンベアの搬送面の下側に配置された下部電極と、前記
    上部通電部材と前記下部電極との間に交流電圧を印加す
    る手段からなり、前記のれん状上部通電部材の近傍に少
    なくとも1つの邪魔棒を設置した食品の連続通電加熱装
    置。
  4. 【請求項4】 食品を予備加熱する手段と、電解液の供
    給手段と、少なくとも1つのフレキシブルなのれん状上
    部通電部材と、食品を搬送するためのコンベアと、この
    コンベアの搬送面の下側に配置された下部電極と、前記
    のれん状上部通電部材の近傍に設置した少なくとも1つ
    の邪魔棒と、前記邪魔棒と前記下部電極との間に交流電
    圧を印加する手段からなる食品の連続通電加熱装置。
  5. 【請求項5】 前記邪魔棒が少なくとも上下方向に位置
    調整可能である請求項3または4に記載の食品の連続通
    電加熱装置。
  6. 【請求項6】 前記コンベアの下流に食品の前後を逆転
    させる手段とその後再度加熱する手段を設けた請求項2
    〜5のいずれかに記載の連続通電加熱装置。
  7. 【請求項7】 前記コンベアの搬送面が、前記下部電極
    を通過した後、煮汁又はたれ汁の塗布手段の間を通過す
    るようにした請求項2〜6のいずれかに記載の食品の連
    続通電加熱装置。
  8. 【請求項8】 前記コンベアの搬出端を焙り装置のコン
    ベアの搬入端に臨ませた請求項2〜7のいずれかに記載
    の食品の連続通電加熱装置。
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