JP2003248279A - 放射線画像読取方法及び放射線画像読取装置 - Google Patents

放射線画像読取方法及び放射線画像読取装置

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JP2003248279A
JP2003248279A JP2002049784A JP2002049784A JP2003248279A JP 2003248279 A JP2003248279 A JP 2003248279A JP 2002049784 A JP2002049784 A JP 2002049784A JP 2002049784 A JP2002049784 A JP 2002049784A JP 2003248279 A JP2003248279 A JP 2003248279A
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stimulable phosphor
radiation image
film
light
protective film
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JP2002049784A
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Takehiko Shoji
武彦 庄子
Tomonori Gidou
智紀 儀同
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複屈折率の大きい延伸フィルムを輝尽性蛍光
体の防湿保護層として用いた輝尽性蛍光体を介して画像
ムラが減少された画像情報を読み取る。 【解決手段】 延伸フィルムからなる積層保護フィルム
22aにより覆われ、被写体の放射線画像が記録された
輝尽性蛍光体層を有する輝尽性蛍光体プレート2に、積
層保護フィルム22aを透過する励起光としてマルチモ
ードレーザMを照射し、この励起光の照射により輝尽性
蛍光体プレートの輝尽性蛍光体層から放出される輝尽発
光光を受光して放射線画像情報を読み取る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は輝尽性蛍光体を用い
た放射線画像読取方法及び放射線画像読取装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、X線画像に代表される放射線
画像が病気診断用などに広く用いられ、この放射線画像
を得るための方式としては、照射された放射線エネルギ
ーを蓄積し、励起光を照射すると蓄積された放射線エネ
ルギーに応じて輝尽発光する「輝尽性蛍光体」もしくは
「蓄積性蛍光体」と呼ばれる蛍光体を用いた放射線画像
記録再生方式が知られている。
【0003】この放射線画像記録再生方式は、被写体を
透過させた放射線を輝尽性蛍光体に照射することによっ
て、被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線エネ
ルギー(以下、「画像情報」という)を輝尽性蛍光体に
蓄積させた後、励起光によって輝尽性蛍光体に蓄積され
た放射線エネルギーを輝尽発光させ、この輝尽発光光の
強弱を電気信号に変換し、この電気信号を、感光材料な
どの画像記録材料やCRTなどの画像表示装置を介して
可視像として再生するものである。また、放射線写真法
と異なり、放射線画像情報を蓄積した後、励起光の走査
によって蓄積エネルギーを放出するので、走査後に再度
放射線画像の蓄積を行うことができ繰り返し使用が可能
となっている。
【0004】上記輝尽性蛍光体は、一般に吸湿性が大き
く、通常の気候条件の室内に放置すると空気中の水分を
吸収し、時間の経過とともに著しく劣化するため、透湿
度の低い防湿性保護層で輝尽性蛍光体を被覆することに
より該蛍光体層に到達する水分を低減させることで劣化
現象を防止している。防湿性保護層としては、延伸加工
により製造されたポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルムやポリエチレンテレフタレートフィルム上
に金属酸化物、窒化珪素などの薄膜を蒸着したフィルム
が使用され、このフィルムを介して輝尽性蛍光体にビー
ム集光性の高く、単一波長のレーザ光を照射し、輝尽発
光させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに輝尽性蛍光体プレートを保護する防湿性保護層とし
て延伸フィルムなどのフィルムを用いた場合、フィルム
を透過するレーザー光は、フィルムの屈折率により旋光
するため、レーザ光の偏光状態が防湿性保護層の厚みム
ラやレーザー光の入射角度の違いによって変動し、輝尽
性蛍光体に均一に照射されず、該輝尽性蛍光体が発光す
る輝尽発光光を受光して出力される画像の粒状性が悪化
する、つまり画像にムラが生じる可能性がある。これに
対応するために、防湿保護層としてフィルムを用いた場
合には、フィルムの延伸方向と、レーザ光の偏光方向と
を合わせることで、フィルムを介して略均一に輝尽性蛍
光体を励起させ、輝尽発光を受光して得られる画像のム
ラを減少させていた。特に、2軸延伸フィルムにより防
湿性保護層を形成する場合には、製造される延伸フィル
ムの中央部分と端部とでは、複屈折率が大きく、中央部
分のみを切り取って使用し、中央部分の縦横のいずれか
の方向とレーザ光の偏光とを合わせることで対応してお
り、その切り取り作業に手間がかかっていた。
【0006】本発明の課題は、延伸フィルムなど複屈折
率の大きいフィルムにより覆われた輝尽性蛍光体であっ
ても、該輝尽性蛍光体に励起用のレーザ光を照射して、
画像ムラが少ない放射線画像情報を読み取ることができ
る放射線画像読取方法及び読取装置を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、例えば、図1〜図6に示す
ように、延伸フィルムからなる保護層(例えば、保護フ
ィルム部22)により覆われ、被写体の放射線画像が記
録された輝尽性蛍光体(例えば、輝尽性蛍光体層21
a)に、前記保護層を透過する励起光(マルチモードレ
ーザM)を照射し、この励起光の照射により前記前記輝
尽性蛍光体から放出される輝尽発光光を受光して放射線
画像情報を読み取る放射線画像読取方法において、前記
励起光は、複数の発振波長を有するマルチモードレーザ
であり、このマルチモードレーザを前記輝尽性蛍光体に
照射することで前記輝尽性蛍光体を輝尽発光させること
を特徴とする。
【0008】請求項1記載の発明によれば、延伸フィル
ムからなる保護層により覆われ、被写体の放射線画像が
記録された輝尽性蛍光体に、マルチモードレーザを前記
保護層を介して照射し、前記輝尽性蛍光体を輝尽発光さ
せるので、保護層を構成する延伸フィルムの複屈折によ
るレーザー光の偏光状態変動が平均化され、略均一に前
記輝尽性蛍光体を照射して励起させることができる。つ
まり、保護層内で互いに干渉・非干渉することで保護層
内部の透過光量の周期変動が生じる複数の発振波長を有
するマルチモードレーザにより励起された輝尽発光光を
受光して放射線画像情報を読み取るので、この画像情報
に基づいて出力される画像の粒状性の悪化を減少させ、
ノイズの少ないムラの少ない画像を得ることができる。
また、延伸フィルムからなる保護層の屈折率の大小に関
わらず前記輝尽性蛍光体を略均一に励起することができ
るので、保護層に用いる延伸フィルムを製造する際に、
ダイから押し出して延伸させることでなる延伸フィルム
全体の略中央部分だけでなく、その端部、詳細には延伸
度合いの差が異なり、複屈折率が特に大きい部分であっ
ても、これを保護層として用いることができ、延伸フィ
ルムからなる保護層の製造に手間がかからない。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の放
射線画像読取方法において、例えば図6に示すように、
前記保護層(例えば、保護フィルム部22)は、前記輝
尽性蛍光体の上下にそれぞれ対向して配置され、且つそ
れぞれ防湿性を有する保護フィルム部(例えば、積層保
護フィルム22a及び支持体側積層保護フィルム22
b)からなり、これら保護フィルム部のそれぞれの周縁
部が、前記輝尽性蛍光体の周縁部よりも外方に位置し互
いに密着して接合されていることで、前記輝尽性蛍光体
は、その全面が被覆されていることを特徴とする。
【0010】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、前
記輝尽性蛍光体を覆う保護層が、前記輝尽性蛍光体の上
下にそれぞれ対向して配置され、且つそれぞれ防湿性を
有する保護フィルム部からなるとともに、これら保護フ
ィルム部のそれぞれの周縁部が、前記輝尽性蛍光体の周
縁部よりも外方に位置し互いに密着して接合され、前記
輝尽性蛍光体を、その全面で被覆しているので、輝尽性
蛍光体の上下に保護フィルム部を配置し、互いの両端部
を密着して接合するだけで、前記輝尽性蛍光体は外気か
ら完全に遮断され、その劣化を防止させることができ
る。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項2記載の放
射線画像読取方法において、前記保護フィルム部はそれ
ぞれ2種類以上の樹脂フィルムを少なくとも2層以上積
層してなり、互いに対向する側の面を構成する樹脂層
は、熱融着性を有することを特徴とする。
【0012】請求項3記載の発明によれば、請求項2記
載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、輝
尽性蛍光体の上下に配置された前記保護フィルム部が、
それぞれ2種類以上の樹脂フィルムを少なくとも2層以
上積層してなり、互いに対向する側の面を構成する樹脂
層は熱融着性を有するので、前記上下の保護フィルム部
が融着可能となり、前記輝尽性蛍光体の封止作業が容易
となる。すなわち、輝尽性蛍光体の上下に保護フィルム
部を配置し、前記輝尽性蛍光体の周縁から外方に位置す
るとともに対向する互いの周縁部を密着させて加熱する
だけで、前記輝尽性蛍光体の全面を容易に覆った構造と
することができる、このように、全面が防湿性を有する
保護フィルム部で覆われた輝尽性蛍光体に励起光として
のマルチモードレーザを照射し、該輝尽性蛍光体が放出
する輝尽発光光を受光して、粒状性の悪化が減少された
ムラの少ない画像情報を読み取ることができる。
【0013】また、輝尽性蛍光体の上下の保護フィルム
部の周縁が前記蛍光体シートの周縁より外側にある領域
で該上下の保護フィルム部が融着している封止構造とす
ることで輝尽性蛍光体の外周部からの水分進入も阻止で
きる。さらに励起光が照射される側と反対側の保護フィ
ルム部を、前記熱融着性を有する樹脂層とともに1層以
上のアルミフィルムをラミネートしてなる積層防湿フィ
ルムで構成することで、より確実に水分の進入を低減で
きる。またこの封止方法は作業的にも容易である。
【0014】またこの場合、保護フィルム部の輝尽性蛍
光体面に接する側の最外層の熱融着性を有する樹脂層と
輝尽性蛍光体面は接着していても接着していなくてもか
まわない。前記接着していない状態とは、微視的には輝
尽性蛍光体面と保護フィルム部は点接触してはいたとし
ても、光学的、力学的には殆ど輝尽性蛍光体面と保護フ
ィルム部は不連続体として扱える状態のことである。さ
らに、ここで言う熱融着性を有する樹脂層とは、一般に
使用されるインパルスシーラーで融着可能な樹脂フィル
ムのことで、たとえばエチレン酢酸ビニルコポリマー
(EVA)やポリプロペレン(PP)フィルム、ポリエ
チレン(PE)フィルム等があげられる。
【0015】請求項4記載の発明は、例えば図1〜図6
に示すように、延伸フィルムからなる保護部材(例えば
保護フィルム部22)により覆われ、被写体の放射線画
像が記録された輝尽性蛍光体(例えば、輝尽性蛍光体層
21a)に、前記保護部材を透過して励起光を照射し、
この励起光の照射により前記前記輝尽性蛍光体から放出
される輝尽発光光を受光して放射線画像情報として読み
取る放射線画像読取装置1において、前記輝尽性蛍光体
に照射する励起光は、複数の発振波長を有するマルチモ
ードレーザMであることを特徴とする。
【0016】ここで、前記輝尽性蛍光体を覆う保護層
は、前記輝尽性蛍光体の上下にそれぞれ対向して配置さ
れ、且つそれぞれ防湿性を有する保護フィルム部からな
り、これら保護フィルム部のそれぞれの周縁部が、前記
輝尽性蛍光体の周縁部よりも外方に位置し互いに密着し
て接合されている構成とすることが好ましい。これよ
り、前記輝尽性蛍光体は、その全面が被覆された状態と
なる、この場合、前記保護層はそれぞれ2種類以上の樹
脂フィルムを少なくとも2層以上積層して構成し、互い
に対向する側の面を構成する樹脂層を熱融着性を有する
ものとすれば、前記輝尽性蛍光体を覆う際に対向する周
縁部どうしを密着させて加熱することで容易に前記輝尽
性蛍光体の全面を覆うことができる。
【0017】請求項4記載の発明によれば、延伸フィル
ムからなる保護層により覆われ、被写体の放射線画像が
記録された輝尽性蛍光体に、複数の発振波長を有するマ
ルチモードレーザを前記保護層を介して照射し、前記輝
尽性蛍光体を輝尽発光させるので、保護層を構成する延
伸フィルムの複屈折によるレーザー光の偏光状態変動が
平均化され、略均一に前記輝尽性蛍光体を照射して励起
させることができる。つまり、マルチモードレーザによ
り励起された輝尽発光光を受光して放射線画像情報を読
み取るので、粒状性の悪化が減少したノイズ、ムラの少
ない画像情報を読みとり出力することができる。また、
延伸フィルムからなる保護層の屈折率の大小に関わらず
前記輝尽性蛍光体を略均一に励起することができるの
で、保護層に用いる延伸フィルムを製造する際に、ダイ
から押し出して延伸させることでなる延伸フィルム全体
の略中央部分だけでなく、その端部、詳細には延伸度合
いの差が異なり複屈折率が大きい部分であっても、これ
を保護層として用いることができ、延伸フィルムからな
る保護層の製造に手間がかからない。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
の形態を詳細に説明する。図1〜図5に示すように、本
実施の形態の放射線画像読取装置1は、X線撮影された
平板状の輝尽性蛍光体プレート2を収容した可搬性のカ
セッテ33から、輝尽性蛍光体プレート2を取り出し、
輝尽性蛍光体プレート2に記録された放射線画像を読み
取る放射線画像読取装置1である。本実施の形態の放射
線画像読取装置1の装置本体11には、複数のカセッテ
33を収容可能なカセッテスタッカ3、プレート保持部
4、画像読取部5、システム制御部6、操作部7及び電
源部8が備えられている。なお、本実施の形態では、放
射線画像読取装置1の装置本体11の横方向をX方向、
放射線画像読取装置1の装置本体11の奥行き方向をY
方向、鉛直方向をZ方向とする。従って、X方向及びY
方向は、水平面内の互いに直交する2つの方向であり、
X方向及びY方向の間の角度は直角である。
【0019】ここで、放射線画像読取装置1によって、
記録された放射線画像が読み取られる輝尽性蛍光体プレ
ート2について説明する。前記輝尽性蛍光体プレート2
は、図6に示すように、X線露光され画像情報が記録さ
れた輝尽性蛍光体層(輝尽性蛍光体)21aが支持体2
1bの表面に設けられてなる蛍光体シート21と、環境
による悪影響及び損傷を防止するために蛍光体シートの
全面を覆うことで主に輝尽性蛍光体層21aを保護する
防湿度の低い防湿保護フィルム部(保護層)22等とを
備える。
【0020】輝尽性蛍光体層21aは、気相堆積により
支持体21b表面に設けられ、放射線発生源からの照射
放射線量に対する被写体の放射線透過率分布にしたがっ
たエネルギーを蓄積して潜像を形成する輝尽性蛍光体の
一種である輝尽性蛍光体の層である。この輝尽性蛍光体
層21aは、例えば、RbBr:Tl等の輝尽性蛍光体
粒子を、溶媒にて分散した分散液もしくは、前記輝尽性
蛍光体粒子が結合剤の溶媒溶液に分散した蛍光体分散液
を、例えば、ガラス板、金属板、プラスチックシート等
のシートの表面に均一に塗布して乾燥硬化させる方法に
より形成される。そして、このようにして形成された輝
尽性蛍光体層21aを、支持体21b上に押圧するか、
あるいは接着剤を用いるなどして支持体21bに接着さ
れることで蛍光体シート21を形成する。
【0021】輝尽性蛍光体層21aの一例としては、ヨ
ウ素を含有する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属
弗化ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する二価ユー
ロピウム付活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、
ヨウ素を含有する希土類元素付活希土類オキシハロゲン
化物系蛍光体、およびヨウ素を含有するビスマス付活ア
ルカリ金属ハロゲン化物系蛍光体等があげられ、これら
蛍光体は高輝度の輝尽発光を示すものである。
【0022】なお、上記結合剤の例としては、ゼラチン
等の蛋白質、デキストラン等のポリサッカライドまたは
アラビアゴムのような天然高分子物質、およびポリビニ
ルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エ
チルセルロース、塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマ
ー、ポリアルキル(メタ)アクリレート、塩化ビニル・
酢酸ビニルコポリマー、ポリウレタン、セルロース、ア
セテートブチレート、ポリビニルアルコール、線状ポリ
エステル等のような合成高分子物質等が挙げられ、これ
らの結合剤が架橋剤によって架橋されていても良い。
【0023】上述のような結合剤の溶媒としては、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノー
ル等の低級アルコール;メチレンクロライド、エチレン
クロライド等の塩素原子含有炭化水素;アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン;
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルとの低級脂肪酸と
低級アルコールとのエステル;ジオキサン、エチレング
リコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ
メチルエーテル等のエーテル;これらの混合物を挙げる
ことができる。
【0024】輝尽性蛍光体層21aは、必ずしも上述し
たように、ガラス板、金属板、プラスチックシート等の
シート上に前記塗布液を塗布して形成する必要はなく、
支持体21b上に上述した輝尽性蛍光体粒子と結合剤と
を含有する塗布液を直接塗布して形成しても良い。この
場合は、前記塗布液を支持体21bの表面に均一に塗布
することにより塗膜を形成し、厚膜に形成する場合は、
所定厚さ毎に乾燥後、その上にさらに塗膜を形成し重層
する。最後に形成された塗膜を徐々に加熱することによ
って乾燥させる。また、このような輝尽性蛍光体層21
aと支持体21bとの結合を強化するために、支持体2
1bの輝尽性蛍光体層21a側の表面に、ゼラチンなど
の高分子物質を塗布して接着性を良好となるようにして
も良い。また、輝尽性蛍光体層21aの層厚は、形成さ
れる輝尽性蛍光体プレート2の特性、輝尽性蛍光体の種
類、結合剤と蛍光体との混合比などによって異なるが、
通常は20μm乃至1mmとする。ただし、この層厚は
50乃至500μmとするのが好ましい。
【0025】支持体21bの材料としては、例えば、セ
ルロースアセテート、ポリエステ、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリアミド、ポリイミド、トリアセテート、
ポリカーボネート、等のプラスチックフィルムやシー
ト、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属シー
ト、通常の紙、バライタ紙、レジンコート紙、ガラス、
石英、二酸化チタンなどの顔料を含有するピグメント
紙、ポリビニルアルコール等をサイジングした紙などを
挙げることができる。なお、上記材料により支持体21
bを透明なものに形成した場合、輝尽性蛍光体層21a
側にバリア性フィルムを融着することで水分の進入を低
減できる。このように構成されていれば、透明な支持体
を介して励起用レーザー光で走査できるので、輝尽性蛍
光体層21aの表面を覆う保護層として不透明であるが
実質上透湿が0であるアルミラミネートフィルム等が使
用できる。また蛍光体シート21の外周部もバリア性の
高いアクリル系の樹脂等を塗設しておくことがより好ま
しい。
【0026】また、支持体21bの層厚は用いる支持体
の材質等によって異なるが、一般的には80μm〜10
00μmであり、取り扱い上の点から、さらに好ましく
は80μm〜500μmである。なお、支持体21bの
表面は滑面であってもよいし、輝尽性蛍光体層との接着
性を向上させる目的で微細な凹凸が形成された凹凸面と
してもよく、さらに輝尽性蛍光体層21aとの接着性を
向上させる目的で輝尽性蛍光体層21aが設けられる面
に下引層を設けてもよい。なお、支持体21bを透明に
構成してもよく、この場合、蛍光層面側にバリア性フィ
ルムを融着することで水分の進入を低減できる。さら
に、透明支持体21bを介して励起用レーザー光で走査
できるので、蛍光体面側には不透明であるが実質上透湿
が0であるアルミラミネートフィルム等が使用できる。
その際、蛍光体シート21の外周部もバリア性の高いア
クリル系の樹脂等を塗設しておくことがより好ましい。
【0027】防湿保護フィルム部22は、必要とされる
防湿性にあわせて、高分子フィルムや蒸着フィルムを複
数枚積層することで最適な防湿性を有するものであり、
輝尽性蛍光体層21a側に設けられ、該輝尽性蛍光体層
21aを保護する積層保護フィルム22aと、支持体2
1b側に設けられ、支持体21b側から蛍光体シート2
1を覆う支持体側積層保護フィルム22bとを備える。
【0028】すなわち、積層保護フィルム22a及び支
持体側積層保護フィルム22bは蛍光体シート21の上
下にそれぞれ配置されているとともに、それぞれ周縁部
は、蛍光体シート21の周縁より外側に延出され、蛍光
体シート21の周縁より外方の領域にて密着して接合
(ここでは溶着)されており、蛍光体シート21の全面
を覆い、該蛍光体シート21を封止している。なお、積
層保護フィルム22a及び支持体側積層保護フィルム2
2bの積層方法としては、一般に知られているどのよう
な方法で製造されたものでもよい。ここでは、積層保護
フィルム22a及び支持体側積層保護フィルム22b
は、それぞれ2種類以上の樹脂フィルムから構成された
複層構造をなし、それぞれの蛍光体シート21側の層の
樹脂層は熱融着性を有する樹脂層となっている。これに
より積層保護フィルム22a及び支持体側積層保護フィ
ルム22bの周縁部とを互いに溶かして接合する際に、
その接合により蛍光体シート21の封止作業が効率化さ
れたものとなっている。これにより、蛍光体シート21
の外周部からの水分進入も阻止できる。
【0029】また、積層保護フィルム22a及び支持体
側積層保護フィルム22bは、それぞれ強度向上のため
製造において、押出機により溶解樹脂をダイを介して押
出し、ダイから押し出された後、縦方向のみ延伸した
り、縦方向延伸後、続いて横方向に延伸したり、あるい
は同時に縦・横方向に延伸した延伸フィルムを所定の大
きさに切断することで形成されている。この実施の形態
における積層保護フィルム22a及び支持体側積層保護
フィルム22bは、それぞれ2軸延伸フィルムを積層す
ることで形成されている。なお、各層を形成するフィル
ムは、製造される延伸フィルム全体のどの部分を切断す
ることにより形成されていてもよい。つまり、それぞれ
延伸フィルムにおいて特に複屈折率が大きい部分により
構成されていてもよい。また、この実施の形態では、積
層保護フィルム22a及び支持体側積層保護フィルム2
2bは複数のフィルムによりなる複層構造としたがこれ
に限らず、蛍光体シート21、特に輝尽性蛍光体層21
aを保護するものであれば、単層であってもよい。
【0030】積層保護フィルム22a及び支持体側積層
保護フィルム22bの材料としては、例えば、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリビニ
ルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリカーボネー
ト、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマ
ー等のプラスチックフィルムやプラスチックシート、あ
るいは、上記ポリマーの適当な溶媒による溶液を前記第
2の輝尽性蛍光体層10上に塗布して乾燥させた塗膜も
用いることができるが、強度に優れた耐熱ガラスシート
であってもよい。
【0031】特に、積層保護フィルム22aは透明の高
分子フィルムであり、ポリエチレンテレフタレートやポ
リエチレンナフタレートフィルム等の延伸フィルムを使
用し、蛍光体シート21の蛍光体層と実質的に接着して
いない状態で、前記支持体側積層保護フィルム22bと
ともに蛍光体シート21を封止している。なお、この実
施の形態では、防湿性保護フィルムの蛍光体面に接する
側の最外層の熱融着性を有する樹脂層と蛍光体面は接着
していない構成としたがこれに限らず接着していてもよ
い。なお、接着していない状態とは、微視的には蛍光体
面と防湿性保護フィルムは点接触してはいたとしても、
光学的、力学的には殆ど蛍光体面と防湿性保護フィルム
は不連続体として扱える状態のことである。またここで
言う熱融着性フィルムとは、一般に使用されるインパル
スシーラーで融着可能な樹脂フィルムのことで、たとえ
ばエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)やポリプロ
ペレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィル
ム等があげられるがこれに限られたものではない。
【0032】また、支持体側積層保護フィルム22b
は、ここでは蛍光体シート21側の樹脂層ととともにア
ルミフィルムをラミネートしてなる積層防湿フィルムと
なっている。この構成により確実に水分の進入を低減で
きる。またこの封止方法は作業的にも容易である。な
お、支持体面側の防湿性保護フィルムを1層以上のアル
ミフィルムをラミネートしてなる積層防湿フィルムとし
てもよい。
【0033】カセッテスタッカ3は、X線撮影された平
板状の輝尽性蛍光体プレート2を収容し、その一辺に開
口が形成され、この開口から輝尽性蛍光体プレート2を
引き出し可能になっているカセッテ33を、収容した輝
尽性蛍光体プレート2が鉛直方向及びY方向が形成する
面と略平行になるように、X方向の位置が互いに異なる
ように、並べて複数セットできる。
【0034】また、カセッテスタッカ3は、カセッテス
タッカ機構・駆動部30およびカセッテスタッカ制御部
31を有し、カセッテスタッカ制御部31は、システム
制御部6からの制御信号に基づいて、カセッテスタッカ
機構・駆動部30が、カセッテスタッカ3にセットされ
たカセッテ33から輝尽性蛍光体プレート2を取り出し
たり、カセッテスタッカ3にセットされたカセッテ33
に輝尽性蛍光体プレート2を収容させたりできるように
駆動するように制御する。
【0035】プレート保持部4は、カセッテスタッカ3
にセットされたいずれのカセッテ33からも、輝尽性蛍
光体プレート2を略鉛直方向に取り出して保持すること
が可能である。
【0036】また、プレート保持部4は、プレート保持
部機構・駆動部40およびプレート保持部制御部41を
有し、プレート保持部制御部41は、システム制御部6
からの制御信号に基づいて、プレート保持部機構・駆動
部40が、カセッテスタッカ3にセットされたカセッテ
33から輝尽性蛍光体プレート2を取り出したり、カセ
ッテスタッカ3にセットされたカセッテ33に輝尽性蛍
光体プレート2を収容させたり、X方向に移動したりす
るように駆動するように制御する。
【0037】また、プレート保持部機構・駆動部40
は、図4に示すように輝尽性蛍光体プレートを保持する
支持フレーム400と、該支持フレーム400の上下に
配置されたガイドレール401,402とを備える。こ
のガイドレール401,402は、カセッテスタッカ3
に収納されたカセッテ33に対して直交する方向に配置
されている。支持フレーム400の下端部は、下方に配
置された搬送ベルト403に固定され、この搬送ベルト
403は搬送モータ404により駆動され、これにより
支持フレーム400がガイドレール401,402に沿
って移動するように構成されている。そして、支持フレ
ーム400の上部には、消去部13が取り付けられてい
る。
【0038】画像読取部5は、副走査部50及び主走査
部51を有する。そして、主走査部51は、レーザ光に
よる主走査MS(図5参照)を鉛直方向に行うもので、
輝尽性蛍光体プレート2に記録された放射線画像をレー
ザ走査により読み取るものである。また、副走査部50
は、主走査部51をY方向に移動させて副走査させるも
のである。
【0039】システム制御部6は、メインCPU60、
読取制御部61、システム用ディスク62、画像用ディ
スク63及びインターフェイス用ボード(以下、I/F
ボードと略す。)65を有する。そして、メインCPU
60には、操作部7のCRT70及びタッチパネル71
と、システム制御部6の読取制御部61、システム用デ
ィスク62、画像用ディスク63及びI/Fボード65
とが接続されている。
【0040】システム用ディスク62には、メインCP
U60が、全体制御、画像処理、画像送信制御及び画像
管理を行うためのシステムプログラムが記憶されてい
る。また、画像用ディスク63には、読取制御部61か
ら送られた画像や画像処理された画像を記憶する。
【0041】そして、メインCPU60は、システム用
ディスク62に記憶されているシステムプログラムを内
部のメモリに展開しながら、読取制御部61から送られ
た画像や画像処理した画像を画像用ディスク63に記憶
させたり、画像用ディスク63に記憶された画像を読み
出したりしつつ、全体制御、画像処理、画像送信及び画
像管理を行う。
【0042】また、読取制御部61は、カセッテスタッ
カ制御部31、プレート保持部制御部41、副走査部5
0及び主走査部51を制御して、輝尽性蛍光体プレート
2に記録された放射線画像をレーザ走査により読み取ら
せ、主走査部51から画像信号を受け取り、読み取った
画像をメインCPU60に送る。
【0043】また、メインCPU60は、I/Fボード
65を介して、本体装置2の外部にあるホストコンピュ
ータ66、診断装置67及び患者登録ターミナル68と
接続されている。そして、メインCPU60は、I/F
ボード65を介して、ホストコンピュータ66、診断装
置67及び患者登録ターミナル68に画像を送信する。
さらに、メインCPU60は、操作部7のタッチパネル
71から送られた指示入力に関する情報に基づいて、全
体制御、画像処理、画像送信及び画像管理を行い、適宜
必要な情報をCRT70に表示させるために、表示画像
をCRT70に送信する。
【0044】操作部7は、CRT70及びタッチパネル
71を有し、CRT70は、メインCPU60から送信
されてくる表示画像を表示し、タッチパネル71は、操
作者によりタッチされることにより入力された指示入力
に関する情報をメインCPU60に送る。
【0045】操作部7からカセッテスタッカ3にセット
されたカセッテ33のいずれかを指定する指示内容を含
む指示入力がなされると、システム制御部6は、プレー
ト保持部4が操作部7からの指示入力で指定されたカセ
ッテ33から輝尽性蛍光体プレート2を略鉛直方向に取
り出して保持し、画像読取部5が輝尽性蛍光体プレート
2に記録された放射線画像をレーザ走査により読み取る
ように、輝尽性蛍光体プレート2を保持しているプレー
ト保持部4と画像読取部5とを制御する。
【0046】消去部13の消去光源は、輝尽性蛍光体プ
レート2に蓄積された放射線画像情報が読み取られた後
に、輝尽性蛍光体プレート2に残存する放射線エネルギ
ーを消去するために消去光を照射するものである。この
消去光源としては、例えば、ハロゲンランプ、蛍光灯お
よびキセノンランプ等が挙げられるが本実施の形態で
は、発光強度の温度依存性を、発光波長660nmの材
質がGaAlAsである発光ダイオードを用いている。
なお、消去時の輝尽性蛍光体プレート2の移動速度は、
輝尽性蛍光体プレート2の画像記録に応じて可変可能に
構成されているが、ここでは25mm/secとしてい
る。
【0047】また、消去部13の消去光源は、断続的に
パルス点灯する。そして、このパルス駆動の周波数は1
kHz程度で、デューティ比は70%程度であるので、
特に、輝尽性蛍光体プレート2に残っている残像を良好
に消去することができる。
【0048】また、画像読取部5は、放射線画像読取装
置1の装置本体11に内蔵され、操作部7の下方位置に
配置されている。画像読取部5に備えられる副走査部5
0が、主走査部51を副走査方向へ搬送する。
【0049】副走査部50は、輝尽性蛍光体プレート2
に対面する方向の図示しないガイド軸とボールネジとを
備え、それぞれY方向に延在するように副走査部50の
上下で平行に配置され、このガイド軸とボールネジによ
り主走査部51が縦に保持され、水平に移動可能となる
ように構成されている。ボールネジには同軸心のダイレ
クトドライブモータ502が接続され、ダイレクトドラ
イブモータ502の駆動によりボールネジが回転して主
走査部51を副走査方向へ移動させる。
【0050】主走査部51は図4に示すように、レーザ
ビーム発生部510、ポリゴンミラー511、集光体5
12を構成するfθレンズ、反射鏡513、受光部51
4等を一体的に構成してある。レーザビーム発生部51
0は、光源として、ガスレーザ、固体レーザ、半導体レ
ーザ等からなり、射出強度が強制され、多数の波長で発
振するマルチモードレーザヘッドと、該マルチモードレ
ーザヘッドを駆動させる駆動回路などとを有し、システ
ム制御部6の信号に基づき励起光として発振波長の異な
る複数の波長のレーザビーム(マルチモードレーザビー
ム)を射出する。なお、マルチモードレーザーを使用す
ることで、積層保護フィルム22a内で互いに干渉・非
干渉し、積層保護フィルム22a内部の透過光量の周期
変動が生じる。つまり、マルチモードレーザを励起光と
して輝尽性蛍光体プレート2に照射するので、輝尽性蛍
光体プレート2の積層保護フィルム22aの複屈折によ
るレーザー光の偏光状態変動が平均化され、輝尽性蛍光
体層21aに励起光を略均一に照射し、これにより発光
する輝尽発光光を受光して得ることができる画像の粒状
性が向上する。つまり、得られた画像情報の高周波のモ
トルが低減される。
【0051】複数の発振波長を有するマルチモードレー
ザビームMは、光学系を経由してポリゴンミラー511
に到達して、そこで偏向を受けて、集光体512を構成
するfθレンズで集光させて、反射鏡513で光路を偏
向させて輝尽性蛍光体プレート2に輝尽励起用の走査光
として導かれる。上記レーザビームで走査された輝尽性
蛍光体プレート2の輝尽性蛍光体層21aが発する輝尽
発光を受光部514で受光して画像の読取を行う。受光
部514は、輝尽性蛍光体プレート21による輝尽発光
光を集める平板集光体と、この平板集光体によって集光
された輝尽発光光を入力して電気信号に変換する長尺の
電子増倍管(フォトマルチプライヤ)等とを用いて構成
されている。
【0052】電子増倍管は、入射された入射光に対応し
た電気信号に光電変換される。即ち輝尽発光は、平板集
光体を経て電子増倍管に入射して光電変換され、放射線
画像に対応した出力電流が得られる。電子増倍管からの
出力電流は、読取制御部内部の図示しない電流/電圧変
換器で電圧信号に変換され、図示しない増幅器で増幅さ
れた後、A/D変換器でデジタル画像信号に変換され
る。そして、デジタル画像信号は、メインCPU60に
順次出力され、ここで階調処理等の各種画像処理を施さ
れたのちに、画像用ディスク63にそのまま記憶された
り、又は、CRT70に表示されたりする。
【0053】読取制御部61には、ポリゴンミラー51
1からの各種同期信号、及び副走査の開始位置を検出す
るフォトセンサ(図示せず)からの原点位置検出信号な
どが入力されるようになっており、ポリゴンミラー51
1による主走査に同期させつつ開始位置から主走査部5
1を副走査方向に所定速度で移動させる。
【0054】次に、放射線画像読み取り装置1における
画像読取部5の作用を説明する。図5に示すように、画
像読取部5は、先ず、プレート保持部4が、操作部7か
らの指示入力で指定されたカセッテ33から輝尽性蛍光
体プレート2を略鉛直方向に取り出せる所定のX方向の
位置までX方向(矢印で示す方向)に移動して、この
所定のX方向の位置で、操作部7からの指示入力で指定
されたカセッテ33から輝尽性蛍光体プレート2を略鉛
直方向に取り出して保持する。
【0055】次いで、プレート保持部4を少なくともX
方向(矢印で示す方向)に移動させて、所定のX方向
の位置に停止させ、輝尽性蛍光体プレート2を保持して
いるプレート保持部4を固定させ、画像読取部5をY方
向(矢印で示す方向)に移動させることにより、輝尽
性蛍光体プレート2を積層保護フィルム22a側から副
走査することにより、画像読取部5がプレート保持部4
に保持されている輝尽性蛍光体プレート2に記録されて
いる放射線画像を読み取る。
【0056】そして、画像読取部5がプレート保持部4
に保持されている輝尽性蛍光体プレート2に記録されて
いる放射線画像を読み取り終わると、プレート保持部4
が、保持している輝尽性蛍光体プレート2が収容されて
いたカセッテスタッカ3にセットされているカセッテ3
3に輝尽性蛍光体プレート2を略鉛直方向に搬送して収
容させることができる所定のX方向の位置まで、X方向
(矢印で示す方向)に移動し、画像読取部5により放
射線画像を読み取られた保持している輝尽性蛍光体プレ
ート2を、この輝尽性蛍光体プレート2が収容されてい
たカセッテ33に略鉛直方向に搬送して収容させる。
【0057】そして、プレート保持部4が、画像読取部
5により放射線画像を読み取られた保持している輝尽性
蛍光体プレート2を、この輝尽性蛍光体プレート2が収
容されていたカセッテ33に略鉛直方向に搬送して収容
させる際に、消去部13が、輝尽性蛍光体プレート2
に、消去光源からの消去光を照射することにより、画像
読取部5により放射線画像を読み取られた輝尽性蛍光体
プレート2に残っている残像を消去する。
【0058】これにより、輝尽性蛍光体プレート2をカ
セッテ33に収容させることと、輝尽性蛍光体プレート
2に残っている残像を消去することが同時にできるの
で、画像読取のためのサイクルタイムを短くすることが
できる。
【0059】本実施の形態の放射線画像読取装置1によ
れば、厚さ20μm以上の延伸フィルムからなる保護フ
ィルム部22により覆われ、被写体の放射線画像が記録
された輝尽性蛍光体シート21に、マルチモードレーザ
を積層保護フィルム22aを介して照射し、輝尽性蛍光
体層21aを輝尽発光させるので、レーザの偏光方向と
積層保護フィルム22aの偏光方向とを一致させる必要
がなく、積層保護フィルム22aの複屈折によるレーザ
ー光の偏光状態変動が平均化され、略均一に輝尽性蛍光
体層21aを照射して励起させることができる。すなわ
ち、本実施の形態の放射線画像読取装置1では、マルチ
モードレーザにより励起された輝尽発光光を受光して放
射線画像情報を読み取るので、この画像情報に基づいて
出力される画像の粒状性の悪化を減少させることがで
き、ノイズ・ムラの少ない画像を得ることができる。
【0060】ここで、一般的に防湿性保護層としてポリ
エチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタ
レートフィルム等の延伸加工されたフィルムを用いる場
合には、製造される延伸フィルムにおいて屈折率が略一
様である部位、具体的には、延伸フィルム全体におい
て、屈折率が略一様となる略中央の部分のみを切り取
り、防湿性保護フィルムを構成するものとして使用して
いる。これは、製造された延伸フィルムの中央部分以外
の部位を切り取り、積層保護フィルム22aとして使用
すると、フィルムの使用角度によっては、粒状性が大き
く悪化し、病気診断用に使用される再生画像としては許
容できなくなる場合があり、これに通常の励起光を照射
すると、フィルムの複屈折が生じ、輝尽性蛍光体の発光
量が偏光性によって変化し、出力画像の粒状性が悪化す
ることが認められているためである。
【0061】しかし、本実施の形態によれば、延伸フィ
ルムからなる保護層の屈折率の大小に関わらず前記輝尽
性蛍光体を略均一に励起することができるので、保護フ
ィルム部22に用いる延伸フィルムを製造する際に、ダ
イから押し出して延伸させることでなる延伸フィルム全
体の略中央部分だけでなく、その端部、詳細には延伸度
合いの差が異なり、複屈折率が特に大きい部分であって
も、これを保護層として用いることができ、延伸フィル
ムからなる保護フィルム部22、詳細には積層保護フィ
ルム22a及び支持体側積層保護フィルム22bの製造
に手間がかからない。
【0062】なお、本実施の形態の放射線画像読取装置
1を、他の放射線画像読取装置で放射線画像を読み取ら
れた輝尽性蛍光体プレートに残っている残像を消去する
放射線画像消去装置として用いても良い。この場合、画
像読取部5は、先ず、図5に示すように、プレート保持
部4が操作部7からの指示入力で指定されたカセッテ3
3から輝尽性蛍光体プレート2を略鉛直方向に取り出せ
る所定のX方向の位置までX方向(矢印で示す方向)
に移動して、この所定のX方向の位置で、操作部7から
の指示入力で指定されたカセッテ33から輝尽性蛍光体
プレート2を略鉛直方向に取り出して保持する。次ぎ
に、保持している輝尽性蛍光体プレート2を、この輝尽
性蛍光体プレート2が収容されていたカセッテ33に略
鉛直方向に搬送して収容させつつ、消去部13の消去光
源からの消去光により輝尽性蛍光体プレート2に残って
いる残像を消去する。この実施の形態では、消去部の温
度によらず、輝尽性蛍光体プレートに残っている残像が
十分に消去されるものとなっている。なお、上述した実
施の形態には、用語等に対する断定的な表現があるが、
本発明の好ましい例を示すもので、本発明の用語の意義
や技術的範囲を限定するものではない。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、延伸フィルムからなる
保護層により覆われ、被写体の放射線画像が記録された
輝尽性蛍光体に、マルチモードレーザを前記保護層を介
して照射し、前記輝尽性蛍光体を輝尽発光させるので、
保護層を構成する延伸フィルムの複屈折によるレーザー
光の偏光状態変動が平均化され、略均一に前記輝尽性蛍
光体を照射して励起させることができる。すなわち、マ
ルチモードレーザにより励起された輝尽発光光を受光し
て放射線画像情報を読み取るので、この画像情報に基づ
いて出力される画像の粒状性の悪化を減少させることが
でき、ノイズの少ないムラの少ない画像を出力すること
ができる。
【0064】また、延伸フィルムからなる保護層の屈折
率の大小に関わらず前記輝尽性蛍光体を略均一に励起す
ることができるので、保護層に用いる延伸フィルムを製
造する際に、ダイから押し出して延伸させることでなる
延伸フィルム全体の略中央部分だけでなく、その端部、
詳細には延伸度合いの差が異なり、複屈折率が特に大き
い部分であっても、これを保護層として用いることがで
き、延伸フィルムからなる保護層の製造に手間がかから
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施の形態の放射線画像読
取装置の概略構成図である。
【図2】本実施の形態の放射線画像読取装置の制御ブロ
ック図である。
【図3】放射線画像読取装置の斜視図である。
【図4】放射線画像読取装置の正面図である。
【図5】本実施の形態の放射線画像読取装置の動作説明
図である。
【図6】本実施の形態の放射線画像読取装置により記録
された情報が読み取られる輝尽性蛍光体の一例を示す輝
尽性蛍光体プレートの概略側断面図である。
【符号の説明】
1 放射線画像読取装置(読取装置) 2 輝尽性蛍光体プレート 21a輝尽性蛍光体層(輝尽性蛍光体) 22 保護フィルム部(保護層:保護部材) 22a積層保護フィルム 22b支持体側積層保護フィルム M マルチモードレーザ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G083 AA03 BB04 CC01 CC07 DD01 DD13 DD16 DD18 EE02 2H013 AC01 AC04 5B047 AA17 BC11 5C072 AA01 BA17 CA06 DA17 EA02 HA02 HA09 HA13 HB01 VA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 延伸フィルムからなる保護層により覆わ
    れ、被写体の放射線画像が記録された輝尽性蛍光体に、
    前記保護層を透過する励起光を照射し、この励起光の照
    射により前記前記輝尽性蛍光体から放出される輝尽発光
    光を受光して放射線画像情報を読み取る放射線画像読取
    方法において、 前記励起光は、複数の発振波長を有するマルチモードレ
    ーザであり、 このマルチモードレーザを前記輝尽性蛍光体に照射する
    ことで前記輝尽性蛍光体を輝尽発光させることを特徴と
    する放射線画像読取方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の放射線画像読取方法にお
    いて、 前記保護層は、前記輝尽性蛍光体の上下にそれぞれ対向
    して配置され、且つそれぞれ防湿性を有する保護フィル
    ム部からなり、 これら保護フィルム部のそれぞれの周縁部が、前記輝尽
    性蛍光体の周縁部よりも外方に位置し互いに密着して接
    合されていることで、前記輝尽性蛍光体は、その全面が
    被覆されていることを特徴とする放射線画像読取方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の放射線画像読取方法にお
    いて、 前記保護フィルム部ははそれぞれ2種類以上の樹脂フィ
    ルムを少なくとも2層以上積層してなり、互いに対向す
    る側の面を構成する樹脂層は、熱融着性を有することを
    特徴とする放射線画像読取方法。
  4. 【請求項4】 延伸フィルムからなる保護部材により覆
    われ、被写体の放射線画像が記録された輝尽性蛍光体
    に、前記保護部材を透過して励起光を照射し、この励起
    光の照射により前記前記輝尽性蛍光体から放出される輝
    尽発光光を受光して放射線画像情報として読み取る放射
    線画像読取装置において、 前記輝尽性蛍光体に照射する励起光は、複数の発振波長
    を有するマルチモードレーザであることを特徴とする放
    射線画像読取装置。
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