JP2003248137A - 光ファイバ用フェルールとその加工方法及びそれを用いた光ファイバ固定具 - Google Patents
光ファイバ用フェルールとその加工方法及びそれを用いた光ファイバ固定具Info
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Abstract
度不良率を低減させることができない。 【解決手段】軸方向に光ファイバを収納するための貫通
孔を有する円筒状のセラミック製の光ファイバ用フェル
ール1であって、外周面1cおよび/または貫通孔1b
の真円度を0.5μm以下とする。
Description
れる、光ファイバを固定するための光ファイバ用フェル
ールとその加工方法及びそれを用いた光ファイバ固定具
に関するものである。
れる光ファイバを固定するための光ファイバ用フェルー
ルは、光ファイバ同士を接続するために用いられる光コ
ネクタもしくは、半導体レーザと光ファイバ等から構成
される半導体レーザモジュール等に用いられている。
面図のように、石英からなるシングルモード光ファイバ
を挿通して接着固定した後、先端面21aを略凸球面状
に研磨したジルコニアセラミックスからなる光ファイバ
用フェルール21(以降フェルールと称す)の先端面2
1a同士を当接させて光接続するようになっている。
は、割スリーブにスムーズに挿入できるよう鏡面仕上げ
されている。またフェルール21の後端面21eは、フ
ェルール支持体37の凹部37aに圧入され、光ファイ
バ固定具38を形成している。
に光ファイバを挿入し、上記フェルール支持体37の貫
通孔37bに接着剤を充填して光ファイバの被覆部を固
着する。
孔37bはドリル加工によって金属体に下穴を開けた
後、同一のバイトで仕上げ加工を行っており、その表面
粗さはRaで0.2〜0.4μmの同一の面粗さに仕上
がっていた。
度は、日本工業規格C5973号であるF04形単心光
ファイバコネクタ(通称SCフェルール)において規格
化されていない。しかしながら、実用上の真円度は1μ
m程度であった。これは真円度を無理に向上させること
によって市場から低価格を要求されているフェルールの
製造原価を下げること、真円度を向上させる加工方法が
ないことがあげられる。
を押出成形、射出成形、もしくはプレス成形することに
よって中心に微細な下穴を有する円筒状成形体を得、脱
脂、焼成してセラミック体を得、両面研磨した後、下穴
を研磨して高精度の貫通孔21bに仕上げる。
に外周面を加工する際に、貫通孔を基準にセラミック体
を回転させながら研削加工し、外周面に対する貫通孔の
偏心を小さくする必要があるからである。
にセラミック体31の下穴31aを研磨する方法を説明
する(特開平5−66320号公報参照)。
31aに連結用ワイヤを通し、これらの複数の短尺セラ
ミック体31の整列体の両端にダミープラグを当てが
い、全体に半田を流し込んで複数の短尺セラミック体3
1を一体に固定し、連結用ワイヤを抜いて短尺セラミッ
ク体31を組立てたワーク36を形成する。
トし、一方のダミープラグ側から加工ワイヤ35を貫通
し、ワーク36の各短尺セラミック体31の下穴31b
aに差し込む。加工ワイヤ35は先端部をエッチング等
によってテーパ加工した鋼線から成り、外周面にダイヤ
モンド等の砥粒を含んだ研磨材が塗布されている。
転させながら、加工ワイヤ35をその矢印Bで示す方向
に前後させながら、複数の短尺セラミック体31に順次
進行させていく。このようにして、全ての短尺セラミッ
ク体31の下穴31baを加工ワイヤ35で研磨して仕
上げた後、個々のセラミック体31を取出す。
プ、面取り、丸み研磨等を行なってフェルール21を得
ることができる。
には、外周面21cの表面粗さ(Ra)が0.02μm
程度で十分であったため、ダイヤモンド砥石を用いて外
周面を研削する芯無センタレスが主流であった。このと
き表面粗さ(Ra)が0.02μm程度に仕上げるため
には2μm以上の粒度の細かい砥石を用いており、細か
い砥石を用いると砥石の目詰まりが発生するため、その
解消のために加工しながら電解ドレスを行う(通称;E
LID研削)方法を用いる例もあった。
多重技術の進展に伴い、DWDM伝送方式(高密度波長
多重伝送方式)が急激に増加してきている。
い、DWDM伝送方式が急激に増加してきている。DW
DM伝送方式においては、1本の光ファイバに波長をか
えた多重の光を送りそれを合波、分波させ、またフィル
タを通して余分な波長の光が進入しないように従来の伝
送方式に比べて伝送系統に使用する受動部品点数が多く
なり、それによりそれぞれの部品の接続点である光コネ
クタに対して接続損失の低減化の要求が高まった。
ファイバのずれ方向をそろえる光コネクタ調芯技術が導
入された。しかし、調芯したとしても、割スリーブの内
周面の真円度が悪いこと、光コネクタの部材間の寸法の
ばらつきにより、フェルール21と割スリーブが同じ組
み合わせでも、フェルール21の外周面21cと割スリ
ーブの内周面が常に同じ部分で当接することにはなら
ず、挿入するたびに接続損失が変動するという問題を生
じている。
コネクタの接続損失値を特定できないため、伝送系統で
受光部の直前に高価な可変減衰器を設置して、光出力を
減衰して調整し、各チャンネルのパワーをあわせてい
た。
できそれにより安価なサービスが出来るとされていたも
のが、逆にシステム全体としてかなり高価なものとなっ
てしまっていた。
を研磨加工したフェルール21の外周面21cを研削す
る際に、フェルール21の外周面21cに対する貫通孔
21bの偏心を小さくするために、フェルール21の貫
通孔21bを中心にフェルール21を回転することが要
求され、貫通孔21bは高い精度で形成されることが要
求される。このため、ワーク36を形成する際に、個々
の短尺セラミック体31が途中で撓むことがなく、下穴
31bが一直線に整列して並べられていなければならな
い。しかし、下穴31bの孔径が全て同一でないことと
連結用ワイヤの外径と下穴31bの孔径との隙間がある
ために、下穴31bが均一に整列していないために、特
定の方向に対して余計な研削力がかかり、貫通孔21b
の真円度が低下するという課題があった。
の加工ワイヤ35に余計な振動や引張り方向のずれが付
与されることがなく、加工ワイヤ35を一直線に進行さ
せなければならない。しかし、加工ワイヤ35に振動が
付与されるために、貫通孔21bの径に大きなばらつき
が発生し、また引張り方向のずれがあるために、貫通孔
21bの真円度が低下するという課題があった。
bの真円度は1μm程度であった。
1の外周面21cに対する貫通孔21bの同心度が大き
くなり、光コネクタとして用いた場合に接続損失が大き
くなりやすいという課題を有していた。
ェルールは、軸方向に光ファイバを収納するための貫通
孔を有する円筒状のセラミック製の光ファイバ用フェル
ールであって、外周面および/または貫通孔の真円度が
0.5μm以下であることを特徴とするものである。
は、上記光ファイバ用フェルールの外周面に対する貫通
孔の同心度が1μm以下であることを特徴とするもので
ある。
は、上記光ファイバ用フェルールの外周面の算術平均粗
さ(Ra)が0.015μm以下であることを特徴とす
るものである。
の加工方法は、軸方向に光ファイバを収納するための貫
通孔を有する円筒状のセラミック製光ファイバ用フェル
ールの加工方法であって、上記貫通孔となる下穴を有す
る円筒状成形体を焼成してセラミック体を得、上記下穴
の内周面に仕上げ加工を施した後、セラミック体の外周
面にセラミック体の長さLに対して8L〜40Lの長さ
を有するダイヤモンド砥石を用いた芯無センタレス加工
を施すことを特徴とするものである。
ールの加工方法は、軸方向に光ファイバを収納するため
の貫通孔を有する円筒状のセラミック製光ファイバ用フ
ェルールの加工方法であって、上記貫通孔となる下穴を
有する長尺の円筒状成形体を焼成してセラミック体を
得、上記下穴の内周面に仕上げ加工を施した後、所定の
長さに切断することを特徴とするものである。
は、上記光ファイバ用フェルールと、該光ファイバ用フ
ェルールが嵌合する凹部及び光ファイバ用の被覆部を保
持する貫通孔を有するフェルール支持体とからなる光フ
ァイバ固定具であって、上記フェルール支持体の凹部側
面の表面粗さをR1、貫通孔の内周面の表面粗さをR2
とした場合、R1<R2となることを特徴とするもので
ある。
は、上記フェルール支持体の凹部側面の表面粗さR1が
算術平均粗さRaで0.01μmより大きく0.3μm
未満であり、且つ貫通孔の内周面の表面粗さR2が算術
平均粗さRaで0.3μm以上であることを特徴とする
ものである。
ば、外周面および/または貫通孔の真円度が0.5μm
以下であることから、光ファイバ用フェルールを光コネ
クタ等に用いる際、他の光ファイバ用フェルールとの接
続損失を小さくすることができる。
よれば、上記光ファイバ用フェルールの外周面に対する
貫通孔の同心度が1μm以下であることから、さらに接
続損失を小さくすることができる。
の加工方法によれば、上記貫通孔となる下穴を有する円
筒状成形体を焼成してセラミック体を得、上記下穴の内
周面に仕上げ加工を施した後、セラミック体の外周面に
セラミック体の長さLに対して8L〜40Lの長さを有
するダイヤモンド砥石を用いた芯無センタレス加工を施
すことから、外周の真円度を高精度に加工することがで
きる。
ールの加工方法によれば、上記貫通孔となる下穴を有す
る長尺の円筒状成形体を焼成してセラミック体を得、上
記下穴の内周面に仕上げ加工を施した後、所定の長さに
切断することから、研磨長さ全てを製品に使用すること
ができ、高い真円度でばらつきの小さい貫通孔を得るこ
とができる。
よれば、上記フェルール支持体の凹部側面の表面粗さを
R1、貫通孔の内周面の表面粗さをR2とした場合、R
1<R2となることから、光ファイバ用フェルールをフ
ェルール支持体に滑らかに圧入することができ、しかも
光ファイバを強固に接着固定することができる。
ば、上記フェルール支持体の凹部側面の表面粗さR1が
算術平均粗さRaで0.01μmより大きく0.3μm
未満であり、且つ貫通孔の内周面の表面粗さR2が算術
平均粗さRaで0.3μm以上であることから、光ファ
イバ用フェルールをフェルール支持体により正確に且つ
スムーズに圧入することができるとともに、光ファイバ
を強固に接着固定することができる。
て説明する。
(以下フェルールと称す)の一実施形態を示す断面図で
あり、軸方向に光ファイバを収納するための貫通孔1b
を有しており、その先端面1aと外周面1cとのつなぎ
部分に面取り部1dが設けられ、上記貫通孔1bの後端
面1e側には円錐状のファイバ挿入用のテーパ部1fが
設けらている。
がφ2.5mm、長さが10.5mm、貫通孔1bがφ
0.126mmの形状をなし、樹脂、金属、セラミッ
ク、ガラスから形成され、特に、ジルコニアを主成分と
するセラミックスが最適である。具体的には、ZrO2
を主成分とし、安定化剤としてY2O3、MgO、Ca
O、CeO2、Dy2O3等の一種以上を含有するもの
で、正方晶の結晶を主体とした部分安定化ジルコニアセ
ラミックスを用いる。
径が0.1μm〜1.0μmであり、かつ気孔率が3%
以下であるものが適用可能である。ここで結晶粒径が
1.0μmを越えると結晶間の空隙が大きくなり良好な
外周面が得られず、又原料混合時ボールミル等で粉砕を
行う時に安定して0.1μm以下に粒度を調整すること
が困難であり、焼成後は結晶が粒成長するため更に径が
大きくなる為に0.1μm以上とした。気孔率はフェル
ールの個体中に含まれる空隙の割合を百分率であらわし
たもので3%を越えると気孔部分が外周面粗度を悪化さ
せてしまうことになる。
円度は0.5μm以下に特定される。外周面1cの真円
度が0.5μmを超えると、フェルール1を光コネクタ
として用いる場合に割スリーブに挿入して固定する際、
割スリーブの内周面の真円度は低いものであるため、フ
ェルール1の外周面1cと接触しやすく、接続損失が大
きくなる。
円度は、真円度測定器を用いて触針をフェルール1の外
周面1cに接触させながら、フェルール1を回転し該触
針の振れを測定する方法を用いて求める。
の真円度が0.5μm以下に特定される。貫通孔の真円
度が0.5μm以下とすることによって、フェルール1
を光コネクタ等に用いる際、他のフェルールとの接続損
失を小さくすることができる。
対する貫通孔1bの同心度は、図2に示されるように、
光源2からの出射光3をV溝冶具4上で回転するフェル
ール1の貫通孔1bを通過し、スポット光5としてカメ
ラ6に入射する。これが画像処理装置7の表示画面8上
に表示される。スポット光5は表示倍率の関係上、その
輪郭9のみが表示画面8上に表示される。フェルール1
は回転ローラー10によって回転しているため、輪郭9
は、フェルール1の外周面1cに対する貫通孔1bの偏
心の分、表示画面8上で変動する。この変動幅がフェル
ール1の外周面1cに対する貫通孔1bの同心度にな
る。
0.5μmを超えると、そもそも貫通孔1bの輪郭に凹
凸が存在するため、フェルール1を回転させるとそれだ
けでスポット光5の輪郭9は変動する。そのため、フェ
ルール1の外周面1cに対する貫通孔1bの同心度とし
て、本来のフェルール1の外周面1cに対する貫通孔1
bの偏心に、貫通孔1bの凹凸分が付加されてしまい、
フェルール1の外周面1cに対する貫通孔1bの同心度
が1μmより大きくなりやすく、不良率が増加すること
となる。
研磨加工後、フェルール1の外周面1cに対する貫通孔
1bの偏心を小さくするために、フェルール1の貫通孔
1bを基準にフェルール1を回転しながら外周面を加工
するが、このときの加工精度は装置の性能で決まり、一
般的には、フェルール1の外周面1cに対する貫通孔1
bの同心度で0.5μm程度である。
cに対する貫通孔1bの同心度は、上記の加工精度にフ
ェルール1の貫通孔1bの真円度を加えたものになる。
即ち、フェルール1の貫通孔1bの真円度が0.5μm
以下とすると、フェルール1の外周面1cに対する貫通
孔1bの同心度は1μm以下となる。
ール1を回転しながら外周面1cを加工するときの加工
バラツキを考慮すると、フェルール1の貫通孔1bの真
円度は、0.3μm以下とすることがより好ましい。
円度は、真円度測定機で測定することができ、フェルー
ル1の後端面1eに光を照射しながら先端面1aをカメ
ラで観察し、貫通孔1bの穴形状を画像処理して真円度
を求める。
通孔1bの真円度を0.5μm以下とする方法は、フェ
ルール1の加工方法として後述する。
術平均粗さ(Ra)は、0.0015μm以下であるこ
とが好ましい。外周面1cの算術平均粗さ(Ra)が
0.015μmを越えると、フェルール1の外周面1c
の凹凸が光コネクタとして用いる際に、フェルール1を
挿通する金属からなる割スリーブの内周面を削り落とし
て、割スリーブを形成する金属がフェルール1の先端面
1aに付着しやすいため、接続損失が悪化しやすい。
モ−ド、マルチモード共に適用できる。
について説明する。
るためのバインダーを添加して得られたコンパウンドを
材料として押出成形、射出成形、もしくはプレス成形に
よって、貫通孔1bとなる下穴を有する成形体を作製す
る。
℃でゆっくり加熱し、セラミックス粉体以外の有機成分
を蒸発して脱脂させ、次いで、1000〜1600℃程
度で加熱して焼成することによって円筒セラミック体1
1を作製する。
穴11bの内周面に仕上げ加工を施す。
センタレス加工機のように、円筒状セラミック体11の
外周面11cを芯無センタレス加工によって研削する方
法が用いられる。
体11を保持しながら定規車13で回転させダイヤモン
ド砥石等の砥石14を用いて外周面11cを研削する。
ることが好ましく、ビトリファイドダイヤモンド砥石を
用いることがより好ましい。
に上記セラミック体11の長手方向の長さをLとした
時、その長さが8L〜40Lとすることが好ましい。
セラミック体11が長手方向に十分に保持できず外周面
11cの真円度を高いものとできない。一方、40Lを
超えると、砥石14が大型になりすぎて、重量が重くな
り工作機械の回転軸を太くしなければ支持することがで
きず、装置全体の剛性を高めなければならなくなる。
する必要があり、25℃±3℃の室内で温度管理しなが
ら加工することで、安定した寸法精度で加工できる。
に、研削液の循環にも工夫して研削液が装置を保温し、
それとともに研削液を冷却させる方法を用いることが好
ましい。
1cを算術平均粗さ(Ra)0.015μm以下に仕上
げるためには1μm以下の粒度の細かい砥石を使う必要
がある。粒度が細かいと加工時間が多大にかかるため、
仕上げ寸法の直前の数μm大きい外径まで従来の方法で
研削加工で加工した後、最終仕上げを本発明の加工方法
を採用すると加工時間を短縮できる。
の目詰まりが発生しやすいため、加工しながら電解ドレ
スを行う(通称;ELID研削)方法を用いることが好
ましい。
周面1cの算術平均粗さ(Ra)を0.015μm以
下、真円度を0.5μm以下の範囲内に形成することが
できる。
0.015μm以下、及び真円度を0.5μm以下の範
囲内とすることによって同じ組み合わせのフェルール1
と割スリーブであっても、繰り返し測定において、接続
損失変動の少ないフェルール1を得ることができる。
他の実施形態を説明する。
ス粉体に成形性を良くするためのバインダーを添加して
得られたコンパウンドを材料として押出成形、射出成
形、もしくはプレス成形によって、最終的なフェルール
1の複数本分の長さとし、中心に微細な下穴11bを有
する長尺の円筒状成形体を作製する。
くり加熱し、セラミックス粉体以外の有機成分を蒸発し
て脱脂させ、次いで、1000〜1600℃程度で加熱
して焼成する。
ラミック体11を矢印Aの方向にワーク16を回転させ
ることにより、下穴11bの内周面に加工ワイヤ15を
挿通して研磨加工を施す。これによって、下穴11bが
均一に整列しているために、特定の方向に対して余計な
研削力がかかることはなく、加工ワイヤ15に振動が付
与されず、下穴11bの加工後の貫通孔1bの径にばら
つきが発生せず、しかも引張り方向のずれも生じないた
めに、貫通孔1bの真円度を0.5μm以下の優れたも
のとできる。
ってフェルール1を作製することができる。
製されるフェルール1が2個以上の複数個分であればそ
の効果を奏することができるが、研磨加工精度及び加工
上の取り扱い易さの点からフェルール1が10〜30個
分の長さとすることが好ましい。
工方法を図5に基いてさらに詳細に説明する。
にセットし、セラミック体11の下穴11bの一方から
加工ワイヤ15を差し込む。加工ワイヤ15はその先端
部15aをエッチング等によってテーパ加工した鋼線か
ら成り、外周面にダイヤモンド等の砥粒を含んだ研磨材
が塗布されている。この研磨材は0.5〜10μmのダ
イヤモンド製の砥粒を用いることができるが、研磨面の
面粗さ及び加工速度等を勘案すると1〜5μmの砥粒を
用いることが好ましい。
転させながら、加工ワイヤ15を矢印Bで示す方向に前
後させながら、ワーク16の下穴11bを順次進行させ
る。加工ワイヤ15で下穴11bを研磨して仕上げた
後、加工装置からワーク16を取出して研磨加工が終了
する。加工ワイヤ15のテーパ加工した先端部15aを
ワーク16に通し、その先端部15aを引っ張りながら
テーパ部分で下穴11bの孔径を順次大きくしていき研
磨する方法でも同様の効果を奏することができる。
削し、外周面1cのラップ、面取り、丸み研磨等を行っ
てフェルール1に仕上げられるが、外周面1cの研削に
際しては、このようにして研磨されて形成されたフェル
ール1の中心の貫通孔1bを中心にフェルール1を回転
して行なわれるので、偏心することなく研削することが
できる。
て得られたフェルール1は、図6に示すようにフェルー
ル1が嵌合する凹部17a及び光ファイバ用の被覆部を
保持する貫通孔17bを有するフェルール支持体17と
からなる光ファイバ固定具18として好適に用いること
ができる。
ス、黄銅にNiメッキを施したもの、洋白にNiメッキ
を施したもの等の金属材料からなり、フェルール1は凹
部17aに圧入固定され、凹部17aの面粗さを構成す
る凹凸が弾性変形してフェル−ル1を保持する。
ルール支持体17の凹部17a側面の表面粗さをR1、
貫通孔17bの内周面の表面粗さをR2とした場合、R
1<R2とすることが重要である。
安定に圧入することができるからである。また、R2を
大きくつまり粗くすることにより光ファイバを固定する
接着剤が凹凸面に入り込み、いわゆるアンカー効果によ
り軸方向の引っ張り力を強めることになるからである。
7a側面の表面粗さR1が算術平均粗さRaで0.01
μmより大きく0.3μm未満であり、且つ貫通孔の内
周面の表面粗さR2が算術平均粗さRaで0.3μm以
上であることが好ましい。
面粗さがR1がRa0.3μmを超えると、面粗さを構
成する凹凸の高低差が大きくなり、この凹凸部のうち凸
部は強度が弱く圧入時に変形しやすいので、フェルール
1に傾きが生じやすい。フェルール1が圧入の際に傾く
と、フェルール支持体17の凹部17aに円周方向に均
一な変形状態が得られず安定しないため、圧入力が不安
定となり引き抜き力がばらつく。
7bの表面粗さR2がRa0.3μm以上の範囲であれ
ば、接着面積が大きくなり接着強度が上がるため、ヒー
トサイクル後に光ファイバが剥離することを減少するこ
とができる。
の側面の表面粗さR1は棒状の材料をチャックで固定
後、材料の中央部をドリルで下穴加工を行った後にバイ
トで仕上げ加工する事により、Raで0.01〜0.3
μmに加工するこtができる。また、フェルール支持体
17の貫通孔17bの表面粗さR2は、上記材料の固定
後ドリル加工することにより、Ra0.3μm以上に加
工することができる。
を圧入する際は、その締め代は2〜25μmが好まし
い。締め代が2μm未満となるとフェルール1とフェル
ール支持体17の引き抜き力は10Kgf以上を満足で
きない。一方、締め代が25μmを超えるとフェルール
支持体17が塑性変形を起こして、逆に引き抜き力は1
0Kgf以下に低下するものが発生する。
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の
変更は可能である。
いて上記貫通孔となる下穴を有する円筒状成形体を焼成
してセラミック体を得、上記下穴の内周面に仕上げ加工
を施した後、セラミック体の外周面にセラミック体の長
さLに対して7L〜40Lの長さを有するダイヤモンド
砥石を用いた芯無センタレス加工を施すことによって外
径D=φ2.5mm、長さL=10.5mm、貫通孔d
=φ0.126mm、外周面の算術平均粗さ(Ra)が
0.01μmのフェルール試料を作製した。
の同心度を測定した。
度は、真円度測定器を用いて触針をフェルールの外周面
に接触させながら、フェルールを回転し該触針の振れを
測定する方法を用いて求めた。
ルール試料を載置して回転させ、貫通孔の振れ幅を測定
することによって求めた。
定して、先端面を研磨仕上げし、割スリーブに10回挿
入してその接続損失の最大値から最小値を引いた値であ
る接続損失変動値を算出した。
0.5μm以下の試料(No.5〜17)は、接続損失
が0.09〜0.36dBと小さいものであった。
5〜11、15〜17)は、接続損失が0.18dB以
下とさらに小さくできることがわかった。
(No.1〜5)は、接続損失が0.32〜1.18d
Bと大きいことがわかった。
ルコニアセラミックスによって貫通孔となる下穴を有す
る外径D=φ2.5mm、下穴d=φ0.120mmの
長尺の円筒状セラミック体を作製し、下穴の内周面に仕
上げ加工を施した後、長さL=10.5mmに切断する
ことによって50個のフェルール試料を作製した。
0個同様な加工方法で作製した。
によって測定し、同心度が1μmを越える試料を不良と
し、その個数から不良率を算出した。
た試料(No.4、5)は、真円度の平均値が0.6〜
0.7μmと大きく、同心度の不良率が53〜98%と
1μm以下にできない試料が多かった。
断する方法によって作製した試料(No.1〜3)は、
真円度が0.5μm以下にでき、同心度の不良率も15
%以下と小さなものであった。 (実施例3)次いで、図7に示すようにフェルール支持
体の凹部側面の表面粗さ(R1)がRa0.01〜0.
4μmの試料を作製した。また、ジルコニアセラミック
スからなり外径D=φ2.499±0.0005m、長
さL=10.5mm、軸孔d=φ0.126mmのフェ
ルールを上記フェルール支持体に圧入固定後、フェルー
ルとフェルール支持体の引き抜き力を検査した。
面粗さ(R1)がRa0.01〜0.28μmの試料
(No.1〜6)は、フェルールの引き抜き力が20〜
29Kgfと大きいことがわかった。
超える試料(No.7〜9)は、15Kgf以下と低い
ことがわかる。
粗さ(R2)をRa0.2μm、Ra0.4μmの試料
を20個ずつ作製し、上記フェルールをフェルール支持
体に圧入固定し、接着した後、下記温度サイクル試験を
行い温度サイクル後の光ファイバとフェルール支持体の
接着部について引き抜き力を検査した。
常温 (30分・・5分・・30分・・5分) サイクル数;200サイクル その結果、温度サイクル後に光ファイバとフェルール支
持体の接着部の剥離を調査したところ、フェルール支持
体の貫通孔の表面粗さがRa0.4μmの試料において
は、剥離が発生しなかったが、Ra0.2μmの試料は
20個中6個に剥離が認められた。
ば、外周面および/または貫通孔の真円度が0.5μm
以下であることから、光ファイバ用フェルールを光コネ
クタ等に用いる際、他の光ファイバ用フェルールとの接
続損失を小さくすることができる。
よれば、上記光ファイバ用フェルールの外周面に対する
貫通孔の同心度が1μm以下であることから、さらに接
続損失を小さくすることができる。
の加工方法によれば、上記貫通孔となる下穴を有する円
筒状成形体を焼成してセラミック体を得、上記下穴の内
周面に仕上げ加工を施した後、セラミック体の外周面に
セラミック体の長さLに対して8L〜40Lの長さを有
するダイヤモンド砥石を用いた芯無センタレス加工を施
すことから、外周の真円度を高精度に加工することがで
きる。
ールの加工方法によれば、上記貫通孔となる下穴を有す
る長尺の円筒状成形体を焼成してセラミック体を得、上
記下穴の内周面に仕上げ加工を施した後、所定の長さに
切断することから、研磨長さ全てを製品に使用すること
ができ、高い真円度でばらつきの小さい貫通孔を得るこ
とができる。
よれば、上記フェルール支持体の凹部側面の表面粗さを
R1、貫通孔の内周面の表面粗さをR2とした場合、R
1<R2となることから、光ファイバ用フェルールをフ
ェルール支持体に滑らかに圧入することができ、しかも
光ファイバを強固に接着固定することができる。
ば、上記フェルール支持体の凹部側面の表面粗さR1が
算術平均粗さRaで0.01μmより大きく0.3μm
未満であり、且つ貫通孔の内周面の表面粗さR2が算術
平均粗さRaで0.3μm以上であることから、光ファ
イバ用フェルールをフェルール支持体により正確に且つ
スムーズに圧入することができるとともに、光ファイバ
を強固に接着固定することができる。
を示す断面図である。
孔の同心度の測定方法を示す説明図である。
示す概略図である。
他の実施形態を示す概略図である。
示す概略図である。
断面図である。
す概略図である。
Claims (7)
- 【請求項1】軸方向に光ファイバを収納するための貫通
孔を有する円筒状のセラミック製の光ファイバ用フェル
ールであって、外周面および/または貫通孔の真円度が
0.5μm以下であることを特徴とする光ファイバ用フ
ェルール。 - 【請求項2】上記光ファイバ用フェルールの外周面に対
する貫通孔の同心度が1μm以下であることを特徴とす
る請求項1に記載の光ファイバ用フェルール。 - 【請求項3】上記光ファイバ用フェルールの外周面の算
術平均粗さ(Ra)が0.015μm以下であることを
特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバ用フェ
ルール。 - 【請求項4】軸方向に光ファイバを収納するための貫通
孔を有する円筒状のセラミック製光ファイバ用フェルー
ルの加工方法であって、上記貫通孔となる下穴を有する
円筒状成形体を焼成してセラミック体を得、上記下穴の
内周面に仕上げ加工を施した後、セラミック体の外周面
にセラミック体の長さLに対して8L〜40Lの長さを
有するダイヤモンド砥石を用いた芯無センタレス加工を
施すことを特徴とする光ファイバ用フェルールの加工方
法。 - 【請求項5】軸方向に光ファイバを収納するための貫通
孔を有する円筒状のセラミック製光ファイバ用フェルー
ルの加工方法であって、上記貫通孔となる下穴を有する
長尺の円筒状成形体を焼成してセラミック体を得、上記
下穴の内周面に仕上げ加工を施した後、所定の長さに切
断することを特徴とする光ファイバ用フェルールの加工
方法。 - 【請求項6】請求項1乃至3の何れかに記載の光ファイ
バ用フェルールと、該光ファイバ用フェルールが嵌合す
る凹部及び光ファイバ用の被覆部を保持する貫通孔を有
するフェルール支持体とからなる光ファイバ固定具であ
って、上記フェルール支持体の凹部側面の表面粗さをR
1、貫通孔の内周面の表面粗さをR2とした場合、R1
<R2となることを特徴とする光ファイバ固定具。 - 【請求項7】上記フェルール支持体の凹部側面の表面粗
さR1が算術平均粗さRaで0.01μmより大きく
0.3μm未満であり、且つ貫通孔の内周面の表面粗さ
R2が算術平均粗さRaで0.3μm以上であることを
特徴とする請求項6に記載の光ファイバ固定具。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100410039C (zh) * | 2004-12-24 | 2008-08-13 | 李元科 | 陶瓷插针坯管的含芯挤出成型方法及其挤出头 |
US10336644B2 (en) | 2016-05-26 | 2019-07-02 | Corning Optical Communication Llc | Methods of ferrule reshaping for correcting core-to-ferrule concentricity errors, and optical fiber cable assemblies related to such methods |
US10578811B2 (en) | 2017-11-29 | 2020-03-03 | Corning Optical Communications LLC | Methods of forming ferrules for optical fiber connectors, and optical fiber cable assemblies related to such methods |
US11420293B2 (en) | 2016-05-26 | 2022-08-23 | Corning Optical Communications LLC | Methods of ferrule reshaping for correcting core-to-ferrule concentricity errors, and optical fiber cable assemblies related to such methods |
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2002
- 2002-02-25 JP JP2002048668A patent/JP3872359B2/ja not_active Expired - Fee Related
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