JP4139278B2 - 光通信用スリーブ及びその加工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、光ファイバコネクタ同士を光学的に接続する際に用いられる光通信用スリーブ及びその加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバ同士を接続する光コネクタの構造は、図3(a)に示すように光ファイバ7を挿通したフェルール8同士を割スリーブ4の両端から挿入して突き合わせるようになっており、上記フェルール8、割スリーブ4の材質として、アルミナやジルコニア等のセラミックス、金属またはプラスチックス等が用いられており、特にジルコニアセラミックスは、優れた耐摩耗性を有するとともに、適度に弾性変形することから好適に用いられている。
【0003】
上記割スリーブ4は、例えばジルコニアセラミックスからなる場合、ジルコニアを主成分とし、イットリア、アルミナ、チタニア、カルシア等を含有する原料を押出成形、プレス成形、もしくは射出成形により予め円筒状に成形した成形体を得、焼成工程で焼き固め円筒体を得る。
【0004】
次に、円筒体の外周面を円筒研削盤を用いてダイヤモンド砥石で研削し、貫通孔の内周面をダイヤモンド砥石を用いたホーニングおよびダイヤモンド砥粒を用いたピン研磨等で所定の内径寸法になるように研磨加工を行う。図5(a)はピン研磨の説明を示す概略図であるが、先端部をテーパ形状に形成したピン20に油性スラリーに混合したダイヤモンド砥粒21を塗布し、このピン20を回転させながら固定具22に固定された円筒体23の貫通孔24に上記ピン20のテーパ面を接触させ、円筒体23を上下に動かしながら徐々に図面5(a)上方向に動かすことで貫通孔24の内周面24aを加工する。
【0005】
しかる後、図4(a)に示すようなスリット25となる溝を平面研削盤を用いてダイヤモンド砥石を用いて研削することで作製される(特許文献1参照)。
【0006】
また、上記割スリーブ4に挿入するフェルール8は、その外周面の加工として図5(b)に示すように、ブレード26でフェルール8を保持しながら定規車27で回転させながら、ダイヤモンド砥石28を用いてフェルール8の外周を研削する芯無しセンタレスでの研削加工が主流であった。また外周加工の仕上げとして、図5(c)に示すような外周ラップ加工を用いて加工しており、銅もしくは錫からなる上ラップ29と下ラップ30の間にフェルール8となる円筒体を載置し、粒径2μm以下のダイヤモンド砥粒を均一に混合させたスラリー31を添加し、上ラップ29と下ラップ30を回転させることにより円筒体が回転し、外周が研削される方法が行われていた(特許文献2参照)。
【0007】
そのため、フェルール8の外周面には図4(b)に示すようなフェルール8の軸に対して垂直な加工痕11が形成される。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−91783号公報
【特許文献2】
特開2000−193840号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記割スリーブ4において図5(a)に示すようなピン研磨を用いて貫通孔24の内周面24aを研磨した場合、回転したピン20に、固定具22に固定された円筒体23の貫通孔24に上記ピン20のテーパ面を接触させ、円筒体23を上下に動かすため、円筒体23を上に動かした時には、円筒体23の上方側よりピン20の回転方向に螺旋状の加工痕がつくが、円筒体23を下に動かしたときには円筒体下方側よりピン20の回転方向に加工痕がつくため、図4(a)に示すように貫通孔24の内周面には加工痕19が割スリーブ4の軸Aに対し約45°の角度をもった複雑なクロスハッチ状となっていた。
【0010】
このような割スリーブ4を用いて図3(a)に示すような光コネクタを構成した場合、割スリーブ4の両端からフェルール8を挿入するが、割スリーブ4の内周面には、上記図4(b)に示すようなクロスハッチ状の加工痕19があるため、外周部に軸Aに対し垂直の加工痕11を持つフェルール8を挿入した場合、抵抗が大きく、フェルール8を保持しているときも無理な力がかかり、また着脱を行うと磨耗粉が発生するため光学特性及び、フェルール8の保持力を安定させることが困難であった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記に鑑みて本発明の光通信用スリーブは、軸方向にフェルールを挿入するための貫通孔を有する円筒状のセラミックスから成る光通信用スリーブであって、上記貫通孔の内周面に加工痕が形成されており、この加工痕の90%以上が上記軸方向に対して±20°以内に形成されていることを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の光通信用スリーブは、上記光通信用スリーブの内周面に、軸方向に複数の突起を備えたことを特徴とする。
【0014】
またさらに、本発明の光通信用スリーブの加工方法は、スリーブとなる円筒体を固定し、円筒体の貫通孔にツールを挿入するとともに、その軸方向に平行に上下に摺動させることで貫通孔の内周面を研磨加工することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0016】
図1は本発明の光通信用スリーブの一実施形態を示す正面図及び断面図であり、
図1(a)、(b)はそれぞれ精密スリーブ1、割スリーブ4を示すものである。
【0017】
これら光通信用スリーブは、軸Aの方向に貫通孔2を有する中空筒状のものであり、貫通孔2の両側から図3(a)に示すように光ファイバ7を挿通保持したフェルール8を挿入して先端面を当接させることにより、光ファイバ7同士を結合する光コネクタとして用いるものである。
【0018】
上記図1(a)に示す精密スリーブ1は、軸A方向に貫通孔2を有し、該貫通孔2の内径は挿入するフェルール8の外径よりも僅かに大きくなるような円形に精密研磨されている。
【0019】
また、図1(b)に示す割スリーブ4は、貫通孔2の一部に内周面から外周面まで繋がるように、軸A方向にスリット6を有するものであり、貫通孔2の内径が挿入するフェルール8の外径よりも若干小さくなっているため、フェルール8を挿入した際に、割スリーブ4が弾性変形を起こし0.5〜7Nほどの保持力を持たせることができる。
【0020】
これら精密スリーブ1、割スリーブ4の内周面2aには軸Aに対して略平行に加工痕3が形成されていることが重要である。
【0021】
このような加工痕3を有する精密スリーブ1、割りスリーブ4を用いて、図3に示すような光コネクタを構成する際、貫通孔2にフェルール8をスムーズに挿抜することができるため、磨耗粉の発生を抑えることができ光学特性を安定させることができるとともに、フェルール8の保持力を安定させることができる。
【0022】
なお、フェルール8の外周面には、図4(b)に示すように、フェルール8を回転させて加工するため、フェルール8の外周面には加工痕11が軸方向に対して垂直方向に形成されるため、精密スリーブ1、割スリーブ4の内周面2aの加工痕3の方向が軸方向に対し略平行ではないと、フェルール8を挿入する際に抵抗が大きくなり磨耗粉が発生し安定した光学特性、および安定したフェルール8の保持力を得ることが困難になる。
【0023】
また、上記加工痕3の確認は、任意の精密スリーブ1、割スリーブ4の内周面2aにおいて、軸Aの方向に50μm×円周方向に20μmの範囲を金属顕微鏡を用いて倍率200倍で観察し加工痕3の形状を調べることができる。
【0024】
さらに、図1(c)に示す部分拡大図に示すように、上記加工痕3の90%以上が軸Aと±20°の範囲で形成されていることが好ましい。
【0025】
これは、上記加工痕3が軸Aに20°を越えて形成されると、精密スリーブ1、割スリーブ4にフェルール8を挿入する際、フェルール8の外周面の加工痕11が軸方向に対して垂直方向に形成されるため、フェルール8を挿入する際に抵抗が大きくなり磨耗粉が発生し安定した光学特性、および安定したフェルール8の保持力を得ることが困難になる。
【0026】
また、軸Aと±20°の範囲で形成される加工痕3の割合を90%以上とすることで、光コネクタとして用いた際にフェルール8を挿入しても抵抗が小さくでき、磨耗粉の発生を抑えることができる。一方、90%未満となるとフェルール8挿入時の抵抗が大きくなり、上記効果が小さくなる。
【0027】
特に、加工痕3が軸Aと±5°以下とすることがより好ましく、フェルール8をスムーズに挿抜することができるため、磨耗粉の発生を十分に抑えることができ光学特性をより安定させることができる。
【0028】
なお、上記加工痕3の割合の確認は、任意のスリーブの貫通孔2の内周面2aにおいて軸方向に50μm×円周方向に20μmの範囲を金属顕微鏡を用い、倍率200倍で観察し、金属顕微鏡で映し出した画像をモニターに映し本数を数える。
【0029】
また、角度の測定方法は映し出された加工痕3を角度計を用いて測定する。上記加工痕3は、精密スリーブ1、割スリーブ4の両端のC面またはR面のテーパ部9を除く部分、即ち、フェルール8を挿入した際にその外周面と精密スリーブ1、割スリーブ4の貫通孔2の内周面2aとの接触範囲において施されていればよい。
【0030】
ここで、このような加工痕3を有するスリーブの製造方法について説明する。
【0031】
先ず、ステンレス、りん青銅等の金属、エポキシ、液晶ポリマー等のプラスチックス、アルミナ、ジルコニア等のセラミックス等の材料を用いて、押し出し成形やプレス成形によって所定形状を成す円筒体を得る。
【0032】
次いで、セラミックスからなる場合には、焼成工程で焼き固め、切削加工することによって、あるいはセラミックスの射出成形によって成形体を一体的に成形した後、所定の条件で焼成することによっても得ることができる。
【0033】
特に、ジルコニアセラミックスで形成することが好ましい。具体的には、Z
rO2を主成分とし、Y23、CaO、MgO、CeO2、Dy23などの少なくとも一種を安定化剤として含み、正方晶の結晶を主体とする部分安定化ジルコニアセラミックスを用いることがより好ましく、優れた耐摩耗性を有するとともに、適度に弾性変形することから、スリーブとしての作用を成すことができる。
【0034】
次いで、図1に示すような加工痕3を形成するための加工方法について図2を用いて説明する。
【0035】
先ず、図2に示すように得られた円筒体14を固定具12で固定し、先端部をテーパ形状に形成したツール15に油性スラリーに混合したダイヤモンド砥粒13を塗布してなるツール15を貫通孔2に挿入する。
【0036】
そして、ツール15に超音波により縦振動を与え、ツール15を回転させることなく、もしくはわずかに回転させながら、上下に移動させて貫通孔2の内周面2aに摺動させながら徐々に研磨する。
【0037】
また、ツール15の真円度を0.6μm以下にすることで、研磨した貫通孔2の真円度を1μm以下に抑えることができるため、フェルール8を挿入した際に両者の間に隙間無く安定して保持できるため、低い接続損失を有する光コネクタを得ることができる。
【0038】
さらに、ダイヤモンド砥粒13の粒径を2μm以下にすることにより貫通孔2内周面2aの面粗さをRmaxを0.5μm以下とすることができ、これによって加工痕3の幅、深さをそれぞれ0.5μm以下に抑えることができるためフェルール8を把持する部分が一定になるためより安定した接続損失を得ることができる。
【0039】
また別の加工方法として、ホーニング加工等で円筒体14の貫通孔2を荒加工した後、粒径が2μm以下のダイヤモンド粉末、もしくはCBN粉末をノズル17より貫通孔2の内周面2aに噴射することで上記と同様な加工痕3を得ることができる。
【0040】
上述のように、円筒体14の貫通孔2の軸方向と平行に研磨用のツール15を摺動させる方法、もしくはホーニング加工等で円筒14の貫通孔2を荒加工しダイヤモンド粉末もしくはCBN粉末をノズル17により貫通孔2内周面2aに噴射する方法で得られたスリーブの貫通孔2には図1に示すような加工痕3を得ることができる。
【0041】
また、上記精密スリーブ1及び割りスリーブ4の貫通孔2には、図1(d)に示すような複数の突起10が形成されていることが好ましい。
【0042】
この突起10により精密スリーブ1及び割スリーブ4にフェルール8を挿入する際の接触抵抗を小さくして作業性を良好にできるとともに、スリーブとフェルール8の間に隙間ができるために、ゴミ等を良好に排出することができる。
【0043】
上記突起10は、精密スリーブ1及び割スリーブ4の貫通孔2の内周面2aに均一な間隔で備えてあり、フェルール8を安定して保持するために3個以上備えることが好ましい。また、突起10を有する場合には、突起10とフェルール8が接触する面に加工痕3が形成される。
【0044】
また、上記突起10形成する方法としては、押し出し成形またはプレス成形を行う際の金型に溝を設けて突起を形成するか、もしくはスリーブの内径を回転させることなく、突起形状を設けたツールに超音波で縦の振動を与え研磨加工することによって突起を形成することができる。
【0045】
【実施例】
ここで、以下に示す方法で実験を行った。
【0046】
本発明実施例として、ジルコニアを用いて、押し出し成形を行い円筒状の成形体を得、焼成工程で焼き固めた後、所定の長さに切断し、外径がφ3.5mm、内径がφ2.48mm、全長が13.0mmの円筒体を準備した。
【0047】
次に、図2(a)に示すように、固定具12に円筒体を固定した後、縦の振動を与えた外径φ2.490mmのツールにより貫通孔を加工した。
【0048】
なお、貫通孔の内周面は、ツールをわずかに回転させ、回転スピードを調整することで加工痕と軸の成す角度を10°、20°、30°にした。またこのような角度を有する加工痕の割合は100%である。
【0049】
その後、外周研削、全長研削を行いスリット加工、ブラシ加工を行うことで外径φ3.2mm、内径φ2.493mm、全長11.4mmのSCコネクタ用割スリーブ試料を作製した。
【0050】
また、比較例として、本発明の実施例と同等の円筒体14を準備し、図5(a)に示すように、固定具12に円筒体14を固定した後、回転を与えた外径φ2.490mmのツール15により貫通孔2を加工した。
【0051】
その後、外周研削、全長研削を行いスリット加工、ブラシ加工を行うことで外径φ3.2mm、内径φ2.493mm、全長11.4mmで、貫通孔の内周面に図4(a)に示すような角度45°のクロスハッチ状をなす加工痕を持つSCコネクタ用割スリーブ試料を作製した。
【0052】
各割スリーブ試料をそれぞれ10個用意し、各試料の両端からフェルールを挿入して挿抜試験を500回づつ行い、挿抜試験前後で図3(a)光コネクタとした際の接続損失の平均及びフェルール保持力の平均を評価した。
【0053】
また別途、本発明の加工痕が軸と成す角度が20°のものを選別し、加工痕の割合を80%、90%、100%として上記同様の挿抜試験前後の接続損失及びフェルールの保持力を評価した。
【0054】
なお、上記測定方法は、接続損失については、図6(a)に示すように光源32にマスタファイバ33の片端を接続し、多端をパワーメータ35に接続した時のパワーP0を測定する。次に、パワーメータ35よりマスタファイバ33を外し、図3(b)に示すようにパワーメータ35に別途用意したマスタファイバ34の片端を接続し、スリーブ1の貫通孔内でマスタファイバ33とマスタファイバ34を接続した時のパワーP1を測定し、次式にP0、P1を代入し接続損失を求めた。
【0055】
接続損失A=10×log(P1/P0)
また、フェルール保持力は、スリーブ試料の両端よりフェルールを挿入し、片側のフェルールを引き抜いた時の引抜力をPUSH−PULLゲージで測定した。
【0056】
なお、測定に使用した光ファイバを挿通したフェルールは光ファイバのコア部とフェルールの外周面の同心度が0に設定してあるものを使用した。
【0057】
加工痕の角度条件を振ったときの接続損失測定の結果を表1に、フェルール保持力測定結果を表2に、また加工痕の割合を種々変更した場合の結果を表3、4に示す。
【0058】
【表1】
Figure 0004139278
【0059】
【表2】
Figure 0004139278
【0060】
【表3】
Figure 0004139278
【0061】
【表4】
Figure 0004139278
【0062】
表1の結果より、比較例であるクロスハッチ状の加工痕を有するスリーブの場合、挿抜試験前後では接続損失の最大値の平均は、0.071dB変動があり、ばらつきも0.062dBであった。
【0063】
これに対し、本発明のスリーブである加工痕と軸の成す角度が10°、20°のスリーブについては、接続損失の最大値の平均の変動が0.015dB、0.019dBと安定しており、ばらつきの変動も0.005dB、0.008dBであり、挿抜試験後においても接続損失の最大値は0.1dB前後と非常に優れた性能を持つスリーブを得ることができた。
【0064】
特に、加工痕の角度が10°及び20°のスリーブは30°の場合と比較して接続損失の変動量、接続損失がより小さい値となっていた。
【0065】
また、挿抜試験の1回目から本発明の範囲にある割スリーブは接続損失の最大値が0.08dB以下となっており非常に接続損失が小さいことがわかる。
【0066】
また、表2の結果より、比較例では挿抜試験前後のフェルール保持力の変動が0.95Nであるのに対し、本発明のスリーブにおいてはその変動が0.24N、0.27Nと非常に安定しておりフェルール挿入時に出る磨耗粉が非常に少ないと推測される。
【0067】
さらに、表3の結果より、割スリーブでは挿抜試験前と試験後では接続損失の最大値の平均が0.071dBの変動があるのに対し本発明の範囲である加工痕の割合が90%以上の製品は接続損失の最大の平均の変動は0.022dB以下となっている。また接続損失のばらつきの変動も従来では0.062dBあるのに対し本発明の範囲である加工痕の割合が90%以上の製品は接続損失のばらつきの変動も0.009dB以下となりほとんど変化が無く特に優れたスリーブを得ることができた。
【0068】
さらにまた、表4の結果より従来割スリーブでは挿抜試験前後のフェルール保持力の変動が0.95Nあるのに対し本発明範囲の割スリーブのフェルール保持力変動は0.31N以下に収まっている。
【0069】
【発明の効果】
本発明の光通信用スリーブは、その貫通孔内周面に軸方向に対して略平行に加工痕が形成されていることから、光コネクタとして用いる際にフェルールがスムーズに挿入でき、光学特性の安定した光コネクタを得ることができる。
【0070】
特に、上記加工痕の90%以上が軸と±20°の範囲で形成されていることから、フェルールを挿入して光コネクタとして繰り返し使用しても安定した光学特性及びフェルール保持力を得ることができる。
【0071】
また、このような加工痕を形成するため、内周面の加工方法において、スリーブとなる円筒体を固定し、円筒体の貫通孔にツールを挿入し、円筒体の軸に平行に上下に摺動させることで貫通孔の内周面を研磨加工することから、貫通孔の内周面を徐々に研磨することで軸と平行な加工痕を容易に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の光通信用スリーブの一実施形態を示す断面図および側面図、(b)は本発明の光通信用スリーブの他の実施形態を示す断面図および側面図、(c)は本発明の光通信用スリーブの貫通孔内周面を示す部分拡大図、(d)は本発明の光通信用スリーブのさらに他の実施形態を示す断面図および側面図である。
【図2】本発明の光通信用スリーブの加工方法を示す説明図である。
【図3】(a)は本発明の光通信用スリーブを用いてなる光コネクタを示す断面図である。
【図4】(a)は従来の光通信用スリーブを示す断面図および側面図、(b)は光通信用スリーブに挿入するフェルールを示す正面図である。
【図5】(a)は従来の光通信用スリーブの加工方法を示す説明図、(b)、(c)は光通信用スリーブに挿入するフェルールの加工方法を示す説明図である。
【図6】(a)、(b)は光通信用スリーブの接続損失の測定方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1:精密スリーブ
2:貫通孔
2a:内周面
3:加工痕
4:割スリーブ
5:貫通孔
5a:内周面
6:スリット
7:光ファイバ
8:フェルール
9:テーパ部
10:突起
11:加工痕
12:固定具
14:円筒体
15: ツール
16:貫通孔
19:加工痕
20:ピン
21:ダイヤモンド砥粒
22:固定具
23:円筒体
24:貫通孔
25:スリット
26:ブレード
27:定規車
28:ダイヤモンド砥石
29:上ラップ
30:下ラップ
31:スラリー
32:光源
33:マスタファイバ
34:マスタファイバ
35:パワーメータ

Claims (3)

  1. 軸方向にフェルールを挿入するための貫通孔を有する円筒状のセラミックスから成る光通信用スリーブであって、上記貫通孔の内周面に加工痕が形成されており、該加工痕の90%以上が上記軸方向に対して±20°以内に形成されていることを特徴とする光通信用スリーブ。
  2. 上記光通信用スリーブの内周面に、軸方向に複数の突起を備えたことを特徴とする請求項1記載の光通信用スリーブ。
  3. 請求項1または2記載の光通信用スリーブの加工方法であって、スリーブとなる円筒体を固定し、円筒体の貫通孔にツールを挿入し、円筒体の軸に平行に上下に摺動させることによって貫通孔の内周面を研磨加工することを特徴とする光通信用スリーブの加工方法。
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