JP2003248084A - 放射線遮蔽部材および放射線画像記録媒体 - Google Patents

放射線遮蔽部材および放射線画像記録媒体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一定量以上の放射線を吸収するとともに散乱
線の放射線画像記録媒体への影響を除去し、放射線線画
像等の放射線画像の画質を格段に向上させることのでき
る放射線遮蔽部材および放射線画像記録媒体を提供する
こと。 【解決手段】 放射線を遮蔽する放射線遮蔽部材50に
おいて、放射線を吸収する金属からなる金属層51を備
え、該金属層51の表面全面に凹凸を形成すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線を遮蔽する
放射線遮蔽部材とこの放射線遮蔽部材を備えた放射線画
像記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、X線画像に代表される放射線
画像が病気診断用などに広く用いられている。この放射
線画像を得るための方式としては、被写体を透過させた
放射線を増感紙と呼ばれる蛍光体層に照射し、この蛍光
体層から放出された可視光をハロゲン化銀写真感光材料
に照射し、この感光材料に現像処理を施して可視画像を
得る、いわゆる放射線写真方式が提案され、実用化され
ている。
【0003】また、近年においては、前記した放射線写
真方式に代えて、照射されたX線エネルギーを蓄積し、
励起光を照射すると蓄積されたX線エネルギーに応じて
輝尽発光する「輝尽性蛍光体」を用いた放射線画像記録
再生方式が提案されている。
【0004】この放射線画像記録再生方式で使用される
輝尽性蛍光体は、一般にシート状の支持体に積層され、
放射線撮影用カセッテに収納されて取り扱われることが
多い。また、放射線写真方式において使用されるいわゆ
るX線写真フィルムも同様に放射線撮影用カセッテに収
納されて取り扱われることが多い。
【0005】カセッテは、上記の輝尽性蛍光体シートや
X線写真フィルム等の放射線画像記録層を一枚ずつ収納
するものであり、放射線画像記録層はこのカセッテに収
納された状態で放射線画像撮影に供される。また、カセ
ッテの放射線照射面と反対側には放射線線吸収率の高い
鉛等の金属からなる放射線遮蔽部材が設けられ、輝尽性
蛍光体シートやX線写真フィルム等を透過したX線がカ
セッテの外部に漏洩しないようにされていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、X線は物質
中を通過(あるいは透過)する際に、通過する距離が増
大するとX線強度は弱くなる。つまり、放射線吸収率の
高い鉛等からなる放射線遮蔽部材については、鉛層の厚
みを大きくすることによってX線の吸収量が増大するこ
とになる。このため、X線を外部に漏洩しないようにす
るには放射線遮蔽部材の厚みを大きくし、放射線遮蔽部
材が一定量以上の放射線を吸収することが求められる。
【0007】一方、X線は物質によって散乱されて散乱
線を放出する。このX線が散乱する確率は物質の厚みと
ともに増大する。したがって、放射線遮蔽部材の厚みを
大きくすることによって散乱線も発生しやすくなる。散
乱線は、被写体を透過した放射線と比較すると低エネル
ギーであるが、散乱線が蛍光体層もしくは輝尽性蛍光体
層に入射されると、蛍光体層もしくは輝尽性蛍光体層は
この散乱線についても反応し、被写体の放射線画像に散
乱線がノイズとして映し出される場合があった。特に輝
尽性蛍光体は感度が極めて高いため、輝尽性蛍光体層の
後方で発生する散乱線(後方散乱線)によって正確な画
像情報の蓄積が妨げられる可能性があった。本発明の課
題は、一定量以上の放射線を吸収するとともに散乱線の
放射線画像記録媒体への影響を除去し、放射線線画像等
の放射線画像の画質を格段に向上させることのできる放
射線遮蔽部材および放射線画像記録媒体を提供すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1記載の発明は、放射線を吸収する放射線遮蔽
部材であって、照射された放射線を吸収する金属からな
る金属層を備え、該金属層の表面全面には凹凸が形成さ
れていることを特徴とする。
【0009】ここで照射された放射線を吸収する金属と
しては、例えば、鉛、銅、ニッケル、鉄などを挙げるこ
とができ、原子番号が20以上の金属を用いることがで
きる。また、金属層は1種の金属から構成されていても
良いし、2種以上の金属からなる合金によって構成され
ていてもよい。
【0010】請求項1記載の発明によれば、金属層に入
射した放射線は金属層に吸収されるとともに金属層によ
って散乱されて散乱線を発生する。しかし、金属層の表
面全面には凹凸が設けられているため、散乱線は様々な
方向に向かって散乱する。このように散乱した散乱線
は、その散乱方向によって金属層の表面に形成された凹
凸に再び入射することとなり、金属層に吸収される。よ
って、金属層の表面で散乱した散乱線の大部分を除去す
ることができる。
【0011】また、金属層の表面全面に凹凸が形成され
ることによって、金属層の表面積は放射線の金属層への
投影面積と比較すると大きくなる。このため、放射線は
凹凸のない金属層に比べると凹凸を備え表面積が拡大し
た金属層の方に多く吸収される。このため、金属層の厚
みをその表面に凹凸のない放射線遮蔽部材と比較すると
薄く形成することができ、散乱線の発生を低減すること
ができる。したがって、この放射線遮蔽部材によれば、
金属層の表面に凹凸を備えることによって、必要とされ
る放射線吸収量を満たした上で、散乱線の発生を低減
し、発生した散乱線を除去することができる。
【0012】また、この放射線遮蔽部材を蛍光体層や輝
尽性蛍光体層等の放射線画像記録層の放射線が照射され
る面と反対側に配置することによって、放射線の外部へ
の漏洩を防ぐとともに、放射線画像記録層への後方散乱
線の影響を除去することができ、放射線画像の画質を格
段に向上させることができる。
【0013】請求項2記載の発明は、放射線を遮蔽する
放射線遮蔽部材であって、放射線を吸収する金属からな
る金属層が、前記金属よりも放射線吸収率が低い物質か
ら構成された低放射線吸収層を介して少なくとも2層積
層され、前記金属層の厚みは50μm以下であり、前記
低放射線吸収層の厚みは50μm以上であることを特徴
とする。
【0014】ここで、金属層の厚みを50μm以下に製
作するには、金属条を多段圧延機で圧延する圧延法など
を採用することができる。
【0015】請求項2記載の発明によれば、放射線遮蔽
部材は放射線を吸収する金属からなる金属層が前記低放
射線吸収層を介して少なくとも2層積層されている。放
射線遮蔽部材が吸収すべき放射線の量は、少なくとも2
層の金属層によって達成すればよい。このため、それぞ
れの金属層の厚みを薄くすることができる。このため、
放射線が照射される側に配置される金属層での放射線の
散乱を低減することができる。
【0016】また、照射された放射線が、前記放射線が
照射される側に配置される金属層を通過しても、この放
射線は低放射線吸収層を透過して、次に配置される金属
層に入射して吸収される。また、この次に配置される金
属層によって放射線が散乱しても、生じた散乱線は低放
射線層を透過し、前記の放射線が照射される側に配置さ
れる金属層の裏面に吸収される。このため、50μm以
下の薄さの金属層を少なくとも2層積層することによっ
て、必要とされる放射線の吸収量を満たし、かつ、金属
層を薄くすることができる。よって、放射線の散乱を低
減することができ、散乱線の発生量を減少させることが
できる。
【0017】また、この放射線遮蔽部材を、蛍光体層や
輝尽性蛍光体層を備えた放射線画像記録層の放射線が照
射される面と反対側に配置することによって、放射線の
漏洩を防止するとともに、後方散乱線による放射線画像
記録層への影響を除去することができ、放射線画像の画
質の格段の向上を図ることができる。
【0018】請求項3記載の発明は、請求項2記載の放
射線遮蔽部材において、放射線が照射される側に配置さ
れる金属層の厚みが30μm以下であることを特徴とす
る。
【0019】請求項3記載の発明によれば、放射線が照
射される側に配置される金属層の厚みを請求項2と比較
するとさらに薄くできるので、放射線が照射される側に
配置される金属層による散乱線の発生量をさらに少なく
することができる。また、この放射線が照射される側に
配置される金属層を通過した放射線は、低放射線吸収層
を通過して次に設けられる金属層に吸収されるので必要
とされる放射線の吸収量を満たすことができる。
【0020】請求項4記載の発明は、請求項2または3
記載の放射線遮蔽部材において、放射線が照射される側
に配置される金属層の表面積の30%以上に直径2mm
以下の孔が互いに均一な間隔で形成されていることを特
徴とする。
【0021】ここで、孔は金属層の厚み方向に対して連
通するものをいう。また、孔の断面形状は特に限定され
るものではなく、円形状であってもよいし、方形状であ
ってもよいし、多角形状であってもよい。
【0022】請求項4記載の発明によれば、放射線が照
射される側に配置される金属層の表面積の30%以上に
直径2mm以下の孔が互いに均一な間隔で形成されてい
る。このため、この放射線が照射される側に配置される
金属層に入射する放射線のうち、孔の部分に入射した放
射線はこの金属層によって散乱することがない。よっ
て、放射線が照射される側に配置される金属層での散乱
線の発生を防ぐことができる。
【0023】また、この孔を通過した放射線は低放射線
吸収層を通過して、次に設けられる金属層に入射して吸
収される。また、この時に、この金属層に放射線が散乱
したとしても、その散乱線は低放射線吸収層を通過し前
記した放射線が照射される側に配置された金属層の裏面
に入射して吸収される。よって、必要とされる放射線吸
収量を満たした上で、散乱線の発生を防ぐことができ
る。
【0024】請求項5記載の発明は、請求項2〜4のい
ずれかに記載の放射線遮蔽部材において、放射線が照射
される側に配置される金属層は、柱状構造を有する銅か
ら構成されるものであることを特徴とする。
【0025】ここで、柱状構造を有する銅から構成され
る金属層は、電解液法によって製作することができる。
また、電解液法とは、電解液に溶解させた銅を回転ドラ
ムに電着させ、回転ドラムから銅を剥離することによっ
て製作することができる。
【0026】請求項5記載の発明によれば、放射線が照
射される側に配置される金属層は、柱状構造を有する銅
箔から構成されている。このため、この放射線が照射さ
れる側に配置される金属層に入射する放射線のうち、柱
状方向に平行に入射する放射線はこの放射線が照射され
る側に配置される金属層を通過し、柱状方向と交差する
方向に入射する放射線はこの金属層に吸収される。した
がって、柱状方向に平行な放射線はこの放射線が照射さ
れる側に配置される金属層によって散乱されることがな
い。したがって、放射線が照射される側に配置される金
属層による散乱線の発生を防ぐことができる。
【0027】また、放射線が照射される側に配置される
金属層は柱状構造を有しているため、その表面に凹凸を
備えている。このため、放射線が照射される側に配置さ
れる金属層に柱状方向と交差する方向に入射する放射線
によって散乱線が発生したとしても、この散乱線は、柱
状構造に形成された凹凸のため、再び放射線が照射され
る側に配置される金属層に吸収される。よって、散乱線
を除去することができる。
【0028】またこの柱状構造を有し、放射線が照射さ
れる側に配置される金属層を通過した放射線は、低放射
線吸収層を介して次に設けられた金属層に吸収される。
また、この金属層によって放射線が散乱したとしても、
前記放射線が照射される側に配置される金属層の裏面に
吸収される。したがって、以上のことより、必要とされ
る放射線の吸収量を満たした上で、散乱線の発生を低減
することができる。
【0029】また、この放射線遮蔽部材を放射線画像記
録媒体の放射線が照射される面と反対側に配置すること
によって、放射線の外部への漏洩を防ぐとともに、放射
線画像への後方散乱線の影響を防ぐことができ、放射線
画像の画質の格段の向上を図ることができる。
【0030】請求項6記載の発明は、被写体を透過した
放射線が照射されることによって被写体の放射線画像を
記録する放射線画像記録層を備えた放射線画像記録媒体
であって、前記放射線画像記録層の放射線が照射される
面と反対側に、請求項1〜5のいずれかに記載の放射線
遮蔽部材が備えられたことを特徴とする。
【0031】請求項6記載の発明によれば、請求項1〜
5のいずれかに記載の放射線遮蔽部材が、放射線画像を
記録する放射線画像記録層の放射線が照射される面と反
対側に配置されているので、放射線画像記録層を透過し
た放射線を吸収するとともに、放射線画像記録層側への
散乱線(後方散乱線)の発生を防ぐことができる。よっ
て、放射線画像記録層にこの後方散乱線が記録されるこ
とを防ぎ、後方散乱線の影響を除去することができる。
よって、放射線画像の画質の格段の向上を図ることがで
きる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明のX
線遮蔽部材(放射線遮蔽部材)およびこのX線遮蔽部材
を備えたX線画像記録媒体(放射線画像記録媒体)にか
かる第一の実施の形態から第三の実施の形態についてそ
れぞれ詳細に説明する。また、第一の実施の形態から第
三の実施の形態において、X線画像記録媒体を、被写体
を透過させたX線を輝尽性蛍光体シート(X線画像記録
層)に照射して画像情報を蓄積させる放射線画像情報記
録再生方式において使用されるカセッテとして説明する
こととする。
【0033】〈第一の実施の形態〉以下、図1および図
2を参照して本発明の第一の実施の形態について説明す
る。まず、X線画像記録媒体としてのカセッテ10につ
いて説明する。カセッテ10は、平面形状が長方形状を
呈するものであり、図2に示すように、ケーシング1
1、スライド板12、および上述した輝尽性蛍光体シー
ト20、X線遮蔽部材50とを備えている。
【0034】ケーシング11は、輝尽性蛍光体シート2
0を収納する収納部11aを備え、撮影時や搬送時にお
いて輝尽性蛍光体シート20が損傷するのを防止すると
ともに、撮影後に輝尽性蛍光体シート20に光が照射さ
れることにより、蓄積された画像情報が消滅するのを防
止するものである。
【0035】また、X線撮影は、この収納部11aに輝
尽性蛍光体シート20を収納した上で、被写体30およ
びケーシング11の前面板11bを透過させたX線を輝
尽性蛍光体シート20に照射して行う(図2参照)。こ
のため、ケーシング11の前面板11bは被写体30を
透過したX線が輝尽性蛍光体シート20に照射されるの
を阻害しないように、X線透過率が高い材料で製作する
のが好ましく、同様の理由から、この前面板11bの厚
さは1〜5mm程度とするのが好ましい。
【0036】また、ケーシング11は輝尽性蛍光体シー
ト20の物理的損傷を防止する目的で、剛性の高い材料
で製作されるのが好ましい。したがって、本実施の形態
においては、X線透過率が高く、かつ、剛性の高い材料
である炭素繊維強化樹脂により前面板11bを構成して
いる。
【0037】スライド板12は、図2に示すように、一
方の面(ケーシング11の前面板11b側に配置される
面)に後述する輝尽性蛍光体シート20を固定した状態
で、ケーシング11の収納部11a内に収納されるもの
である。本実施の形態においては、ケーシング11の側
面内側にガイド溝11cを設け、このガイド溝11cに
スライド板12の端部12aを摺動可能に嵌合させるこ
とによって、スライド板12がケーシング11に対して
引出・収納可能とされている。
【0038】また、スライド板12の材料は、輝尽性蛍
光体シート20の物理的損傷を防止できる程度の剛性を
有するものであればいかなるものでもよく、各種金属、
合成樹脂、繊維強化樹脂などをあげることができる。
【0039】輝尽性蛍光体シート20は、図2に示すよ
うに、シート状支持体21に輝尽性蛍光体22を積層し
たもので、輝尽性蛍光体22は照射されたX線エネルギ
ーを蓄積し、励起光が照射されると、蓄積されたX線エ
ネルギーに応じて輝尽発光するものである。
【0040】輝尽性蛍光体22としては、米国特許第3
859527号に記載されている希土類付活硫化ストロ
ンチウム系または希土類付活ランタンオキシサルファイ
ド系蛍光体、米国特許第4236078号に記載されて
いる希土類付活アルカリ土類金属フルオロハライド系蛍
光体、特開昭55−12144号公報に記載されている
希土類付活ランタンオキシハライド系蛍光体、特開昭5
5−12142号公報に記載されている銅および/また
は鉛付活硫化亜鉛系、希土類付活アルミナ・酸化バリウ
ム系またはシリカ・酸化アルカリ土類金属系蛍光体など
をあげることができる。
【0041】また、輝尽性蛍光体シート20は、図示し
ていない固定手段によりスライド板12に一時的に固定
され、スライド板12のスライド動作に伴ってケーシン
グ11の収納部11a内に収納される。輝尽性蛍光体シ
ート20の厚さは蓄積するX線量、輝尽性蛍光体22の
種類、ケーシング11の収納部11aの高さなどに応じ
て適宜決めることができる。なお、本実施の形態におい
ては、固定手段としてX線を吸収する鉛箔を内在させた
両面テープ(図示略)を採用している。
【0042】X線遮蔽部材50は、図2に示すように、
ケーシング11の後面板11dの裏面(すなわち輝尽性
蛍光体シート20のX線照射面とは反対側であって、ス
ライド板12と後面板11dとの間)に図示しない固定
手段によって固定されている。
【0043】X線遮蔽部材50は、X線の吸収率の高い
鉛箔からなる金属層51、52と、X線の吸収率の低く
X線を透過させやすい高いアルミニウム、紙、木あるい
は高分子材料からなる低X線吸収層60とを備えてい
る。また、金属層51、52は低X線吸収層60を介し
て2層積層されている。
【0044】2層積層された金属層51、52のうち、
輝尽性蛍光体シート20に近い側に配置される金属層5
1、すなわち、X線が照射される側に配置される金属層
(以下、第一の金属層51という)の表面には、図2に
示すように輝尽性蛍光体シート20側に突出している凸
条部51aが互いに隣接して複数設けられている。この
ため、断面視において鉛箔の表面は鋸の歯状の凹凸が形
成されている(図2(a)参照)。
【0045】この第一の金属層51および、後面板11
d側に配置される金属層52(以下、第二の金属層52
という)の厚さは、吸収するX線量に応じて適宜決める
ことができるが、50μm以下であると望ましい。ま
た、低X線吸収層60の厚みは50μm以上であると望
ましい。
【0046】第一の実施の形態によれば、X線遮蔽部材
50の第一の金属層51は放射線を吸収しやすい鉛箔か
ら構成され、その表面には複数の凸条部51aが互いに
隣接して設けられ、表面全面に凹凸が形成されている。
この第一の金属層51に入射した放射線は第一の金属層
51に吸収されるとともに、一部散乱されて散乱線を放
出する。この時、第一の金属層51の表面には凹凸が形
成されているので、散乱線は様々な方向に散乱し、隣接
する凸条部51aに再び入射する。よって、第一の金属
層51の表面で散乱した散乱線を金属層51の表面に形
成された凸条部51aによってその大部分を吸収するこ
とができる。
【0047】さらに、第一の金属層51の表面に複数の
凸条部51aが隣接して設けられることによって、X線
が入射する第一の金属層51の表面積がX線の投影面積
に比べると大きくなる。このため、第一の金属層51に
おいてX線を吸収する面積が拡大し、X線が吸収されや
すくなる。したがって、表面に凹凸を備えた第一の金属
層51は、その表面に凹凸を備えず第一の金属層51の
厚みと等しい金属層と比較すると放射線の吸収量が多く
なる。したがって、表面に凹凸のないX線遮蔽部材と比
較すると、本実施の形態におけるX線遮蔽部材50はそ
の厚みを薄くすることができる。よって、散乱線の発生
を低減することができる。
【0048】また、第一の金属層51と第二の金属層5
2とが低X線吸収層60を介して積層されている。そし
て、第一の金属層51に入射したX線が第一の金属層5
1を透過したとしても、このX線は第二の金属層52に
入射し吸収される。また、第一の金属層51を通過した
X線が、第二の金属層52によって散乱したとしても、
この散乱線は低X線吸収層60を透過し第一の金属層5
1の裏面において吸収される。したがって、第一の金属
層51と第二の金属層52とによって必要とされるX線
の吸収量を満たせばよいので、それぞれの金属層51、
52の厚みを薄くすることができる。このため、第一の
金属層51による散乱線の発生を低減することができ
る。
【0049】また、このX線遮蔽部材50は輝尽性蛍光
体シート20のX線が照射される面と反対側に配置され
ているので、輝尽性蛍光体シート20等を透過したX線
を外部に漏洩しないとともに、輝尽性蛍光体シート20
への後方で発生する後方散乱線の影響を除去し、X線画
像の画質を格段に向上させることができる。
【0050】〈第二の実施の形態〉次に図1および図3
を参照して、本発明のX線遮蔽部材70と、このX線遮
蔽部材70を備えたX線画像記録媒体(カセッテ)10
にかかる第二の実施の形態について説明する。なお、上
述の第一の実施の形態と同様の構成に関しては、同一符
号を付して説明を省略し、特徴のある部分について述べ
る。
【0051】本第二の実施の形態において、図3に示す
X線遮蔽部材70は、第一の実施の形態と同様に、ケー
シング11の後面板11dの裏面に固定されている。X
線遮蔽部材70は鉛箔からなる金属層71、72、73
と、X線吸収率の低いアルミニウム、紙、木、合成樹脂
などからなる低X線吸収層60とを備え、金属層71、
72、73はこの低X線吸収層60を介して3層積層さ
れている。
【0052】図3に示すように、3層積層された金属層
71、72、73のうち、輝尽性蛍光体シート20側に
配置される鉛箔、すなわちX線が照射される側に配置さ
れる金属層71(以下、第一の金属層71という)に
は、その表面に複数の孔71aが互いに均一な間隔で表
面積の30%以上に形成されている。またそれぞれの金
属層71、72、73の厚みは10μmであり、金属層
71、72、73の間に設けられる低X線吸収層60の
厚みはそれぞれ50μmとなっている。
【0053】第二の実施の形態によれば、第一の金属層
71に入射する放射線のうち、第一の金属層71に形成
された孔71aに入射したX線は、第一の金属層71に
吸収されたり散乱されることなくそのまま低X線吸収層
60に入射する。したがって、第一の金属層71におけ
る散乱線の発生を低減することができる。
【0054】また、この第一の金属層71を通過した放
射線は、低X線吸収層60内を透過し、次の金属層72
(以下、第二の金属層72という)に入射し吸収され
る。この時、第一の金属層71を通過したX線が第二の
金属層72によって散乱されたとしても、この散乱線は
第一の金属層71の裏面によって吸収することができ
る。また、さらにX線がこの第二の金属層72を通過し
たとしても、X線はケーシング11の後面板11dの裏
面側に配置された金属層73(以下、第三の金属層73
という)によって吸収される。また、この第三の金属層
73によって散乱線が生じても、上述したように、散乱
線は第二の金属層72の裏面によって吸収される。
【0055】また、X線遮蔽部材70において、金属層
71、72、73を低X線吸収層60を介して3層積層
することによって必要とされるX線吸収量を満たせばよ
いので、各層71、72、73の厚みを薄くすることが
できる。よって、第一の金属層71による散乱線の発生
を低減することができる。また、第一の金属層71を他
の金属層72、73と比較してさらに薄く構成すること
もできる。
【0056】また、このX線遮蔽部材70は、輝尽性蛍
光体シート20のX線が照射される面と反対側に配置さ
れているので、輝尽性蛍光体シート20への後方で発生
する後方散乱線による影響を除去することができX線画
像の画質を格段に向上させることができる。
【0057】〈第三の実施の形態〉次に図1、図4〜図
6を参照して、本発明のX線遮蔽部材80とこのX線遮
蔽部材80を備えたX線画像記録媒体(カセッテ)10
にかかる第三の実施の形態について説明する。なお、上
述の第一の実施の形態および第二の実施の形態と同様の
構成に関しては、同一符号を付して説明を省略し、特徴
のある部分について述べる。
【0058】本第三の実施の形態において、図4に示す
X線遮蔽部材80は、第一の実施の形態および第二の実
施の形態と同様に、ケーシング11の後面板11dの裏
面に固定されている。また、X線遮蔽部材80は第二の
実施の形態におけるX線遮蔽部材70の表面に孔71a
が形成された鉛箔からなる第一の金属層71(図3参
照)を、銅箔からなる第一の金属層81に代えたもので
あり、X線吸収率の低いアルミニウム、紙、木、合成樹
脂などからなる低X線吸収層60と、鉛箔からなる第二
の金属層82および第三の金属層83とを備えている。
【0059】第一の金属層81はX線が照射される側に
配置され、この第一の金属層81と第二の金属層82、
第三の金属層83はそれぞれ低X線吸収層60を介して
積層されている。また、第一の金属層81の厚みは10
μmであり、第二の金属層82および第三の金属層83
の厚みはそれぞれ30μm、低X線吸収層60の厚みは
50μmとなっている。
【0060】第一の金属層81は、上記したように銅箔
から構成されている。この銅箔は、電解液法により製作
されたものである。電解液法とは、図4に示すように、
電解液100から回転ドラム110に電着させた銅を剥
離させて巻き取る方法であり、このように製作された銅
箔からなる第一の金属層81は図5にその断面を示すよ
うに柱状構造81aを有している。
【0061】第三の実施の形態によれば、第一の金属層
81は柱状構造81aを有する銅箔から構成されてい
る。このため、第一の金属層81に入射するX線のう
ち、柱状方向に交差するX線は吸収するが、柱状方向に
平行なX線は透過させる。上述のように、散乱線は金属
層81に放射線が入射し、放射線が金属層81によって
散乱することによって生じる。このため、第一の金属層
81に柱状方向に平行に入射するX線は散乱せず、第一
の金属層81による散乱線の発生を低減することができ
る。
【0062】さらに、第一の金属層81を透過したX線
は、低X線吸収層60を透過して、第二の金属層82に
吸収される。また、第一の金属層81を透過したX線が
第二の金属層82に入射することによって散乱したとし
ても、この散乱線は第一の金属層81の裏面によって吸
収される。さらに、第二の金属層82をX線が透過した
としても、このX線は第三の金属層83に吸収される。
また、第三の金属層83によって発生した散乱線は第二
の金属層82の裏面によって吸収される。
【0063】よって、以上より、金属層81、82、8
3を3層積層することによって必要とされるX線の吸収
量を満たせばよいので、それぞれの金属層81、82、
83の厚みを薄くすることができる。本実施の形態にお
いては、第一の金属層81の厚みを第二及び第三の金属
層82、83の厚みよりもさらに薄くしている。このた
め、第一の金属層81によって発生する散乱線の量をさ
らに低減することができる。
【0064】また、このX線遮蔽部材80が、輝尽性蛍
光体シート20のX線照射面と反対側に設けられている
ので、輝尽性蛍光体シート20への後方散乱線による影
響を除去することができ、X線画像の画質を格段に向上
させることができる。
【0065】なお、本発明は上記第一の実施の形態から
第三の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の
主旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であるのは
勿論である。
【0066】例えば、第一の実施の形態において、第一
の金属層51の表面に複数の凸条部51aを互いに隣接
させて設けるものとしたが、これに限定されるものでは
ない。例えば、格子状に凸部と凹部とを配置するように
してもよいし、第一の金属層51の表面積がX線の第一
の金属層51への投影面積よりも大きくなるようになれ
ばそれでよい。また、第一の実施の形態において、表面
に凹凸を備えた第一の金属層51を、低X線吸収層60
を介して他の金属層51と積層するものとしたがこれに
限定されるものではなく、第一の金属層51によっての
みX線遮蔽部材50を構成するものとしてもよい。
【0067】また、第二の実施の形態において、第一の
金属層71に孔71aを設けるものとしたが、孔71a
の径は2mm以下であればどのような大きさであっても
よい。また、設ける孔71aの数は、特に限定されるも
のではないが、第一の金属層71の表面積の30%以上
に設けられ、孔71aが互いに均一な間隔で設けられて
いるとよい。また、その断面形状は特に限定されるもの
ではない。
【0068】また、第二の実施の形態および第三の実施
の形態において、それぞれ金属層71〜73、81〜8
3を低X線吸収層60を介して3層積層させるものとし
たが、これに限定されるものではない。金属層71〜7
3、81〜83は少なくとも2層積層されるものとすれ
ば、何層積層されていてもよい。
【0069】また、第一の実施の形態から第三の実施の
形態において、金属層51、52、71〜73、81〜
83の厚みは50μm以下、10μmあるいは30μm
であるとしたがこれに限定されるものではない。それぞ
れの金属層51、52、71〜73、81〜83の厚み
は、50μm以下であり積層されることよって吸収され
る放射線の量の合計が必要とされる放射線の吸収量を満
たすことができれば、適宜変更可能である。
【0070】また、低X線吸収層60の厚みは50μm
であるとしたがこれに限定されるものではなく、50μ
m以上の厚みを有するものであればよい。
【0071】また、第一の実施の形態および第二の実施
の形態において、X線を吸収する金属層51、52、6
1〜63は鉛箔から構成されるものとしたがこれに限定
されるものではない。また、第三の実施の形態において
は第二の金属層82および第三の金属層83が鉛箔から
形成されるものとしたがこれに限定されるものではな
い。
【0072】それぞれの金属層51、52、71〜7
3、81〜83は、放射線の吸収率の高い金属あるいは
物質から構成されればよく、例えば原子番号20以上の
金属あるいは、実効原子番号20以上の合金から構成さ
れるものであればよく、また、それぞれの金属層51、
52、71〜73、81〜83がそれぞれ違う金属から
構成されるものとしてもよい。なお、ここで実効原子番
号20以上の合金とは、合金を構成する各金属の原子番
号をモル比に基づいて平均化した時の原子番号を意味す
る。例えば、コバルト(Co、原子番号27)と銅(C
u、原子番号29)から構成される合金において、コバ
ルトと銅とのモル比が1:1である場合、実効原子番号
は28となる。
【0073】また、第一の実施の形態から第三の実施の
形態において、X線遮蔽部材50、70、80はそれぞ
れ第一の金属層51、61、71に凸条部51aを備え
るものとしたり、孔71aを備えるものとしたり、柱状
構造81aを備えるものとしたが、特にこれら51a、
71a、81aを備えないものとしてもよい。
【0074】また、第一の実施の形態から第三の実施の
形態において、X線遮蔽部材50、70、80は輝尽性
蛍光体シート20のX線照射面とは反対側に配置される
ものとし、カセッテ10の後面板11dの裏面に設けら
れるものとしたがこれに限定されるものではない。例え
ば、従来公知のX線写真フィルムが収納されるカセッテ
に設けて、X線写真フィルムの蛍光体層のX線照射面と
反対側にこれのX線遮蔽部材50、70、80を配置さ
せるものとしてもよい。
【0075】また、これらのX線遮蔽部材50、70、
80をX線撮影が行われるX線撮影室内部の壁面に設け
て、X線を吸収させるとともに、X線が壁面に入射する
ことによって生じる散乱線の発生を防ぐこととしてもよ
い。さらに、X線ではなく、他のα線、β線、γ線、紫
外線、電子線等の放射線を吸収し、放射線の散乱を防ぐ
ための部材としても使用してもよく、放射線測定機器の
内部にこのX線遮蔽部材50を設けるものとしてもよ
い。
【0076】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、入射した
放射線は金属層に吸収されるとともに金属層によって散
乱されて散乱線を発生するが、発生した散乱線は金属層
の表面に形成された凹凸によって再び金属層に入射し吸
収される。また、金属層の表面全面に凹凸が形成される
ことによって、金属層の表面積は放射線の金属層への投
影面積と比較すると大きくなる。このため、放射線が吸
収されやすくなり、金属層の厚みを小さくすることがで
きる。よって、金属層による散乱線の発生も低減させる
ことができる。
【0077】したがって、本発明の放射線遮蔽部材によ
れば必要とされる放射線吸収量を満たした上で、散乱線
の発生を低減するとともに、発生した散乱線を除去する
ことができる。また、この放射線遮蔽部材を放射線画像
記録媒体の放射線が照射される面と反対側に配置するこ
とによって、放射線を吸収するとともに後方散乱線の放
射線画像記録媒体への影響を除去し、放射線画像の画質
を格段に向上することができる。
【0078】請求項2記載の発明によれば、放射線遮蔽
部材は放射線を吸収する金属からなる金属層を前記低放
射線吸収層を介して少なくとも2層積層されている。し
たがって、少なくとも2層の金属層によって必要とされ
る放射線吸収量を満たせばよいので、それぞれの金属層
を薄くすることができる。よって、放射線が照射される
側に配置される金属層での散乱線の発生を低減すること
ができる。
【0079】また、この放射線遮蔽部材を放射線画像記
録媒体の放射線が照射される面と反対側に配置すること
によって、外部への放射線の漏洩を防ぎ、後方散乱線の
放射線画像記録媒体への影響を除去し、放射線画像の画
質を格段に向上することができる。
【0080】請求項3記載の発明によれば、請求項2と
同様の効果が得られるのは勿論のこと、放射線が照射さ
れる側に配置される金属層の厚みを請求項2と比較する
とさらに薄くすることができる。このため、放射線が照
射される側に配置される金属層による散乱線の発生量を
さらに少なくすることができる。また、この放射線が照
射される側に配置される金属層を通過した放射線は、低
放射線吸収層を通過して次に設けられる金属層に吸収さ
れるので必要とされる放射線の吸収量を満たすことがで
きる。
【0081】請求項4記載の発明によれば、請求項2ま
たは3と同様の効果が得られるのは勿論のこと、放射線
が照射される側に配置される金属層の表面積の30%以
上に直径2mm以下の孔が互いに均一な間隔で形成され
ている。このため、この放射線が照射される側に配置さ
れる金属層に入射する放射線のうち、孔の部分に入射し
た放射線は、この金属層によって散乱することがない。
よって、放射線が照射される側に配置される金属層によ
る散乱線の発生を防ぐことができる。
【0082】請求項5記載の発明によれば、請求項2〜
4のいずれかと同様の効果が得られるのは勿論のこと、
前記放射線が照射される側に配置される金属層は、柱状
構造を有する銅箔から構成されている。このため、この
放射線が照射される側に配置される金属層に入射する放
射線のうち、柱状方向に平行な放射線はこの金属層を通
過し、柱状方向と交差する方向に入射する放射線はこの
金属層に吸収される。したがって、柱状方向に平行な放
射線はこの放射線が照射される側に配置される金属層に
よって散乱されることがなく、放射線が照射される側に
配置される金属層での散乱線の発生を防ぐことができ
る。
【0083】請求項6記載の発明によれば、請求項1〜
5のいずれかに記載の放射線遮蔽部材が、放射線画像を
記録する放射線画像記録層の放射線が照射される面と反
対側に配置されているので、放射線画像記録層を透過し
た放射線を吸収するとともに、放射線画像記録層側への
散乱線(後方散乱線)の発生を防ぐことができる。よっ
て、放射線画像記録層にこの後方散乱線が記録されるこ
とを防ぎ、後方散乱線の影響を除去することができる。
よって、放射線画像の画質の格段の向上を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態にかかる放射線遮蔽
部材が収納されるカセッテを示した概略斜視図である。
【図2】図1におけるA−A矢視断面図(a)と本発明
の第一の実施の形態にかかる放射線遮蔽部材を示した概
略斜視図(b)である。
【図3】本発明の第二の実施の形態にかかる放射線遮蔽
部材を示した概略斜視図(a)と、その断面図(b)で
ある。
【図4】本発明の第三の実施の形態にかかる放射線遮蔽
部材を示した概略斜視図である。
【図5】本発明の第三の実施の形態にかかる放射線遮蔽
部材の一構成要素としての金属層の製作方法(電解液
法)を説明するための概念図である。
【図6】本発明の第三の実施の形態にかかる金属層の柱
状構造を示すための拡大断面図である。
【符号の説明】
10 放射線画像記録媒体(X線画像記録媒体、カセッ
テ) 20 放射線画像記録層(輝尽性蛍光体シート) 30 被写体 50、70、80 放射線遮蔽部材 51、71、81 放射線が照射される側に配置される
金属層(第一の金属層) 51、52、71〜73、81〜83 金属層 60 低放射線吸収層 71a 孔 81a 柱状構造
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G21F 3/00 G21F 3/00 Z G21K 4/00 G21K 4/00 L

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線を遮蔽する放射線遮蔽部材であっ
    て、 放射線を吸収する金属からなる金属層を備え、 該金属層の表面全面には凹凸が形成されていることを特
    徴とする放射線遮蔽部材。
  2. 【請求項2】 放射線を遮蔽する放射線遮蔽部材であっ
    て、 放射線を吸収する金属からなる金属層が、前記金属より
    も放射線吸収率が低い物質から構成された低放射線吸収
    層を介して少なくとも2層積層され、 前記金属層の厚みは50μm以下であり、前記低放射線
    吸収層の厚みは50μm以上であることを特徴とする放
    射線遮蔽部材。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の放射線遮蔽部材におい
    て、 放射線が照射される側に配置される金属層の厚みが30
    μm以下であることを特徴とする放射線遮蔽部材。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の放射線遮蔽部材
    において、 放射線が照射される側に配置される金属層の表面積の3
    0%以上に直径2mm以下の孔が互いに均一な間隔で形
    成されていることを特徴とする放射線遮蔽部材。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれかに記載の放射線
    遮蔽部材において、 放射線が照射される側に配置される金属層は柱状構造を
    有する銅から構成されるものであることを特徴とする放
    射線遮蔽部材。
  6. 【請求項6】 被写体を透過した放射線が照射されるこ
    とによって被写体の放射線画像を記録する放射線画像記
    録層を備えた放射線画像記録媒体であって、 前記放射線画像記録層の放射線が照射される面と反対側
    に、請求項1〜5のいずれかに記載の放射線遮蔽部材が
    備えられたことを特徴とする放射線画像記録媒体。
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