JP2003247594A - 軸系のねじり振動低減装置 - Google Patents

軸系のねじり振動低減装置

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JP2003247594A
JP2003247594A JP2002044965A JP2002044965A JP2003247594A JP 2003247594 A JP2003247594 A JP 2003247594A JP 2002044965 A JP2002044965 A JP 2002044965A JP 2002044965 A JP2002044965 A JP 2002044965A JP 2003247594 A JP2003247594 A JP 2003247594A
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fitting hole
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rotating body
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Masaki Endo
雅喜 遠藤
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単かつ軽量、小型化された構成で以
って、過大ねじりトルクによる衝撃力に対して大きな強
度をそなえて高い耐久性を有するばね式の緩衝装置を備
えた軸系のねじり振動低減装置を提供する。 【解決手段】 駆動側回転体と被駆動側回転体とを連結
するばねによりねじり振動を減衰せしめるとともに、駆
動側回転体と被駆動側回転体との間にばねの撓み量を制
限するリミッタを介装してなる軸系のねじり振動低減装
置において、前記リミッタの一方側に嵌合穴を設けると
ともに他方側にはばねの撓み量が一定値以上になったと
き嵌合穴内に嵌合する突起を設け、ばねの撓みによりリ
ミッタ同士が当接したとき嵌合穴に嵌合された突起の先
端部と嵌合穴の底面との間に一定量の隙間が形成されて
なることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関のクラン
ク軸系や補機駆動系等における軸系のねじり振動を低減
する装置に適用され、駆動側回転体と被駆動側回転体と
の間に架設されたばねにより駆動側回転体から伝達され
るねじり振動を減衰せしめるとともに、駆動側回転体と
被駆動側回転体との間にばねの撓み量を制限する対をな
すリミッタを介装して構成された軸系のねじり振動低減
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼル機関等の内燃機関において
は、機関のクランク軸系や補機駆動系等における軸系の
ねじり振動を低減する装置として、駆動側回転体と被駆
動側回転体との間に架設されたばねにより該駆動側回転
体から伝達されるねじり振動を減衰せしめるように構成
されたばね式ねじり振動低減装置が多く用いられてい
る。
【0003】図4はかかるばね式ねじり振動低減装置の
うち補機駆動系に適用されるねじり振動低減装置の回転
軸心に沿う断面図、図5は前記ばね式ねじり振動低減装
置の従来の1例を示す図4のA−A矢視図である。図4
〜5において、13はエンジンのクランクケース14に
複数のボルト19にて固着された支持軸である。11は
エンジンのクランク軸(図示省略)からの回転力が伝達
される駆動歯車、15は前記支持軸13の軸方向に複数
設けられた軸受、21は前記駆動歯車11の内周にスプ
ライン22にて結合されたリテーナで、前記駆動歯車1
1及びリテーナ21は前記支持軸13に前記複数の軸受
15を介して回転自在に支持されることとなる。
【0004】12は補機類(図示省略)に連結される被
駆動歯車で、該被駆動歯車12と前記駆動歯車11とは
円周方向等間隔に複数個(この例では3個)配設された
緩衝用のばね1を有するばね式の緩衝装置10を介して
回転力が伝達されるようになっている。23は前記緩衝
装置10が収納されるばね収納部である。18は前記支
持軸13の中心部に穿設された油供給穴、17は該油供
給穴18から放射状に穿孔された油穴、24は前記リテ
ーナ21に半径方向に穿孔された油穴、16は前記駆動
歯車11内周のスプライン22部と前記ばね収納部23
とを接続する油通路である。
【0005】図5において、2は前記駆動歯車11の円
周方向の支持面011に円筒面または球面支持された駆
動側ばね受、4は前記被駆動歯車12の円周方向の支持
面012に円筒面または球面支持された被駆動側ばね受
である。03は前記駆動側ばね受2に支持された駆動側
リミッタ、05は前記被駆動側ばね受4支持された被駆
動側リミッタで、前記対をなす駆動側リミッタ03と被
駆動側リミッタ05との間に前記ばね1が架設されてい
る。前記駆動側リミッタ03の先端面03aと被駆動側
リミッタ05の先端面05aとの間は、通常運転時には
所定の間隔Aが形成され、駆動歯車11側から過大なね
じり振動トルクが付与されると前記先端面03a及び0
5aが当接するようになっている。
【0006】かかるばね式ねじり振動低減装置におい
て、エンジンのクランク軸(図示省略)から駆動歯車1
1に伝達されるねじり振動は、該駆動歯車11の支持面
011から駆動側ばね受2及び駆動側リミッタ03を介
してばね1の一方側に伝達され、該ばね1の伸縮によっ
て減衰せしめられる。これにより、ばね1の他方側に配
設されている被駆動側リミッタ03、被駆動側ばね受4
及び前記被駆動歯車12に伝達されるねじり振動が低減
される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かかるばね式ねじり振
動低減装置を装備した内燃機関において、急激な過負荷
の作用によりエンジンが急停止した場合や、車両用内燃
機関にあっては変速時にエンジン回転数が急変した場合
等においては、かかる急激な過負荷の作用やエンジン回
転数の急変により過大なねじりトルクが発生し、この過
大ねじりトルクがばね式の緩衝装置10に作用する。
【0008】図5に示される従来の緩衝装置10にかか
る過大ねじりトルクが作用してばね1を押圧すると、該
ばね1のみではこの過大ねじりトルクを吸収できずに、
ばね1が最大ストロークまで圧縮されてしまって前記間
隔Aが消滅し、対をなす駆動側リミッタ03の先端面0
3aと被駆動側リミッタ05の先端面05aとが衝突す
る。このため、図5に示される緩衝装置10にあって
は、過大ねじりトルク作用時における前記駆動側リミッ
タ03の先端面03aと被駆動側リミッタ05の先端面
05aとの衝突による反力が衝撃力となって、前記駆動
歯車11あるいは被駆動歯車12の噛み合い部に作用し
歯の破損を誘発する虞れがある。
【0009】かかる不具合の発生を防止する手段とし
て、前記ばね1が収納されるばね収納部23にシリコン
オイル等の高粘性流体を充填して振動や衝撃の減衰機能
を増大する手段、前記ばね1の個数を増加、あるいは該
ばね1を多重ばね化または大径化することによりばね1
のみで前記衝撃力を吸収する手段等が挙げられる。しか
しながら、前者の場合は高粘性流体の密封構造すること
を要するため緩衝装置の構造が複雑化し、また後者の場
合は緩衝装置が大型、大重量となってエンジンの大型、
大重量化の要因となる、等の問題点を有している。
【0010】本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、構
造が簡単かつ軽量、小型化された構成で以って、過大ね
じりトルクによる衝撃力に対して大きな強度をそなえて
高い耐久性を有するばね式の緩衝装置を備えた軸系のね
じり振動低減装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決するため、請求項1記載の発明として、駆動側回転体
と被駆動側回転体とを該両回転体間に架設されたばねを
介して連結し該ばねにより前記駆動側回転体から伝達さ
れるねじり振動を減衰せしめるとともに、前記駆動側回
転体と被駆動側回転体との間に前記ばねの撓み量を制限
する対をなすリミッタを介装してなる軸系のねじり振動
低減装置において、前記対をなすリミッタの一方側に嵌
合穴を設けるとともに他方側には前記ばねの撓み量が一
定値以上になったとき前記嵌合穴内に嵌合する突起を設
け、前記ばねの撓みにより前記対をなすリミッタ同士が
当接したとき前記嵌合穴に嵌合された前記突起の先端部
と嵌合穴の底面との間に一定量の隙間が形成されてなる
ことを特徴とする軸系のねじり振動低減装置を提案す
る。請求項1において、好ましくは請求項2記載のよう
に、前記嵌合穴を前記駆動側回転体あるいは被駆動側回
転体の回転方向に向けて穿孔するのがよい。
【0012】請求項3記載の発明は請求項1において、
前記突起の先端面を球面状に形成するとともに前記嵌合
穴の底面を平面あるいは前記突起の先端面における曲率
半径よりも大きい曲率半径を有する球面状に形成し、前
記ばねの撓みにより前記対をなすリミッタ同士が当接し
たとき嵌合穴の底面と突起の先端面との間に油溜り部が
形成されてなることを特徴とする。
【0013】かかる発明によれば、通常運転時には、エ
ンジンのクランク軸等の振動源から駆動側回転体駆動歯
車等の駆動側回転体に伝達されるねじり振動は、該駆動
側回転体から駆動側ばね受部及び対をなすリミッタの一
方(駆動側リミッタ)を介してばねの一方側に伝達さ
れ、該ばねの伸縮によって減衰せしめられる。これによ
り、前記ばねの他方側に配設されている対をなすリミッ
タの他方(被駆動側リミッタ)及び被駆動側ばね受を経
て被駆動歯車等の被駆動側回転体に伝達されるねじり振
動が低減される。
【0014】また、急激な過負荷の作用やエンジン回転
数の急変により過大なねじりトルクによる衝撃力が発生
した際においては、この過大ねじりトルクが駆動側回転
体を通してばね式の緩衝装置に作用すると、該緩衝装置
におけるばねが圧縮されその撓み量が一定値以上になる
と前記対をなすリミッタの一方側に形成された嵌合穴内
に該リミッタの他方側に設けられた突起が嵌合する。そ
して、ばねの撓み量が増大して前記突起の先端部と嵌合
穴の底面とが近接すると、前記衝撃力による仕事量が、
該突起の先端部と嵌合穴の底面との間に形成される隙間
内に充填されている空気あるいは緩衝装置の周囲から侵
入してきた潤滑油を圧縮するために費やされることによ
り該衝撃力が吸収され、前記対をなすリミッタ同士が当
接する瞬間の運動エネルギーが低減される。
【0015】これにより、過大なねじりトルクによる衝
撃力の発生時における前記対をなすリミッタ同士の衝突
力が緩和され、かかる衝突の反力による歯車における歯
の破損の発生を確実に回避できる。また、ばね式の緩衝
装置における対をなすリミッタの一方側に嵌合穴を設け
るとともに他方側に該嵌合穴内に嵌合する突起を設ける
というきわめて簡単な構造で、かつエンジンの大型、大
重量化を回避できる軽量、小型化された装置で以って、
過大なねじりトルクによる衝撃力を緩和し、該衝撃力に
よる歯車等の運動部分における破損の発生を防止できる
軸系のねじり振動低減装置が得られる。
【0016】また、請求項2のように構成すれば、嵌合
穴を前記駆動側回転体あるいは被駆動側回転体の回転方
向に向けて穿孔したので、該回転体の回転方向に飛散し
てくるオイル飛沫が前記嵌合穴内に侵入し易くなって、
該嵌合穴内に確実に潤滑油が溜められて該潤滑油を圧縮
することによる衝撃力の吸収作用が促進される。
【0017】また、請求項3のように構成すれば、前記
衝撃力が発生した際においてばねの撓み量が増大し、球
面状に形成された前記突起の先端面と平面あるいは突起
の先端面曲率半径よりも大きい曲率半径を有する球面状
に形成された前記嵌合穴の底面とが近接して両者の間に
油溜り部が形成され、前記衝撃力により該油溜り部内の
潤滑油を嵌合穴の外周部隙間に押し出すスクイーズ作用
がなされることによって前記衝撃力が吸収され、該衝撃
力の吸収によるリミッタ衝突瞬間の運動エネルギー低減
効果がさらに向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例
を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載され
ている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置など
は特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれ
のみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎな
い。
【0019】図1は本発明の第1実施例に係るディーゼ
ル機関の補機駆動系に適用されるねじり振動低減装置に
おける緩衝装置の要部断面図で、(A)は通常作動時、
(B)は衝撃力作動時を示す。図2は本発明の第2実施
例に係る緩衝装置の要部断面図で、(A)は通常作動
時、(B)は衝撃力作動時を示す。図3は前記第2実施
例におけるZ部拡大図である。図4は本発明が適用され
るディーゼル機関の補機駆動系におけるねじり振動低減
装置の回転軸心に沿う断面図である。
【0020】本発明が適用されるディーゼル機関の補機
駆動系におけるねじり振動低減装置を示す図4におい
て、13はエンジンのクランクケース14に複数のボル
ト19にて固着された支持軸である。11はエンジンの
クランク軸(図示省略)からの回転力が伝達される駆動
歯車、15は前記支持軸13の軸方向に複数設けられた
軸受、21は前記駆動歯車11の内周にスプライン22
にて結合されたリテーナで、前記駆動歯車11及びリテ
ーナ21は前記支持軸13に前記複数の軸受15を介し
て回転自在に支持されることとなる。18は前記支持軸
13の中心部に穿設された油供給穴、17は該油供給穴
18から放射状に穿孔された油穴、24は前記リテーナ
21に半径方向に穿孔された油穴、16は前記駆動歯車
11内周のスプライン22部と後述するばね収納部23
とを接続する油通路である。
【0021】12は補機類(図示省略)に連結される被
駆動歯車で、該被駆動歯車12と前記駆動歯車11とは
円周方向等間隔に複数個(この例では3個)配設された
緩衝用のばね1を有するばね式の緩衝装置10を介して
回転力が伝達されるようになっている。23は前記緩衝
装置10が収納されるばね収納部である。以上の構成は
図4に示す従来のものと同様である。本発明において
は、図4におけるばね収納部23内に収納される緩衝装
置10を改良している。
【0022】第1実施例を示す図1において、2は前記
駆動歯車11の円周方向の支持面011(図5参照)に
当接する円筒面または球面の支持面2aを有する駆動側
ばね受、4は前記被駆動歯車12の円周方向の支持面0
12(図5参照)に当接する円筒面または球面の支持面
4aを有する被駆動側ばね受である。3は前記駆動側ば
ね受2に支持された駆動側リミッタ、5は前記被駆動側
ばね受4に支持された被駆動側リミッタで、対をなす前
記駆動側リミッタ3と被駆動側リミッタ5との間に緩衝
用のばね1が架設されている。前記駆動側リミッタ3の
先端面3aと被駆動側リミッタ5の先端面5aとの間
は、通常運転時には所定の間隔Aが形成されている。
【0023】7は前記駆動側リミッタ3の先端面3aか
ら突設された突起、8は前記被駆動側リミッタ5の先端
面5aから穿孔された嵌合穴である。前記とは逆に突起
7を被駆動側リミッタ5に嵌合穴8を駆動側リミッタ3
に夫々設けてもよいが、要はねじり振動低減装置の回転
方向Nに対向するように嵌合穴8を設けて、潤滑油の飛
沫が嵌合穴8内に導入され易くする。前記突起7及び嵌
合穴8は、図1(B)のように、前記ばね1の撓み量が
一定値以上になったとき該突起7が嵌合穴8内に嵌合
し、かつ前記ばね1の撓みにより前記駆動側リミッタ3
の先端面3aと被駆動側リミッタ5の先端面5aとが当
接したとき、前記嵌合穴8に嵌合された突起7の先端面
7aと嵌合穴8の底面8aとの間に一定量Sの隙間08
が形成されるように構成される。
【0024】かかる構成からなるねじり振動低減装置に
おいて、通常運転時には、図1(A)のように、エンジ
ンのクランク軸(図示省略)から駆動歯車11に伝達さ
れるねじり振動は、該駆動歯車11の支持面011(図
5参照)から駆動側ばね受2及び駆動側リミッタ3を介
してばね1の一方側に伝達され、該ばね1の伸縮によっ
て減衰せしめられる。これにより、ばね1の他方側に配
設されている被駆動側リミッタ5、被駆動側ばね受4及
び前記被駆動歯車12に伝達されるねじり振動が低減さ
れる。
【0025】急激な過負荷の作用やエンジン回転数の急
変により過大なねじりトルクによる衝撃力が発生した際
においては、この過大ねじりトルクによる衝撃力が駆動
歯車11を通して前記緩衝装置10の駆動側ばね受2及
び駆動側リミッタ3を介してばね1に作用して、該ばね
1が圧縮され、その撓み量が一定値以上になると駆動側
リミッタ3に設けられた突起7が被駆動側リミッタ5に
設けられた嵌合穴8内に嵌合する。一方、前記支持軸1
3内の油供給穴18、油穴17を通って軸受15に供給
され、さらに油穴24を通ってスプライン22部に供給
された残りの潤滑油は、油通路16を通って前記ばね収
納部23内に導入されている。また、前記駆動歯車11
等の回転体によって飛散してくるオイル飛沫が回転体の
回転方向に向けて穿孔された前記嵌合穴8内に侵入して
いる。
【0026】そして、前記衝撃力によるばね1の撓み量
が増大して前記突起7の先端面7aと嵌合穴8の底面8
aとが近接すると、図1(B)のように、前記衝撃力に
よって前記突起7の先端面7aと嵌合穴8の底面8aと
の間に形成される隙間08内に前記のようにして充填さ
れている潤滑油(あるいは空気)が圧縮され、かかる衝
撃力の仕事量が前記隙間08内の潤滑油(あるいは空
気)を圧縮するために費やされることにより該衝撃力が
吸収される。かかる衝撃力の吸収によって、図1(B)
のように、前記駆動側リミッタ3の先端面3aが被駆動
側リミッタ5の先端面5aに衝突する(当接する)瞬間
の運動エネルギーが低減される。
【0027】これにより、過大なねじりトルクによる衝
撃力の発生時における前記駆動側リミッタ3と被駆動側
リミッタ5との衝突力が緩和され、かかる衝突の反力に
よる歯車における歯の破損の発生を確実に回避できる。
また、前記嵌合穴8を回転体の回転方向Nに向けて穿孔
しているので、該回転体の回転方向Nに飛散してくるオ
イル飛沫が嵌合穴8内に侵入し易くなって、該嵌合穴8
内に確実に潤滑油が溜められて該潤滑油を圧縮すること
による衝撃力の吸収作用が促進される。
【0028】図2〜3に示す第2次実施例においては、
前記緩衝装置10における駆動側リミッタ3の突起7の
先端面7aを曲率半径R1の球面状に形成するととも
に、被駆動側リミッタ5の嵌合穴8の底面8aを前記突
起7の先端面7aにおける曲率半径R1よりも大きい曲
率半径R2を有する球面状(平面でもよい)に形成して
いる。このように構成することにより、図3に示すよう
に、前記ばね1の撓みにより前記駆動側リミッタ3と被
駆動側リミッタ5とが当接したとき前記突起7の先端面
7aと嵌合穴8の底面8aとの間に油溜り部9が形成さ
れる。その他の構成は前記第2実施例と同様であり、こ
れと同一の部材は同一の符号で示す。
【0029】かかる第2次実施例によれば、過大なねじ
りトルクによる衝撃力が発生した際において前記ばね1
の撓み量が増大し、曲率半径R1の球面状に形成された
突起7の先端面7aと該突起7の先端面7aにおける曲
率半径R1よりも大きい曲率半径R2(平面でもよい)を
有する球面状に形成された嵌合穴8の底面8aとが近接
すると、両者の間に油溜り部9が形成され、前記衝撃力
の作用により該油溜り部9内の潤滑油を嵌合穴8の外周
部隙間に押し出すスクイーズ作用がなされることによっ
て前記衝撃力が吸収される。かかる該衝撃力の吸収によ
って、前記駆動側リミッタ3と被駆動側リミッタ5との
衝突の瞬間における衝突の運動エネルギー低減効果がさ
らに向上する。
【0030】
【発明の効果】以上記載の如く本発明によれば、過大ね
じりトルクによる衝撃力の作用により緩衝装置における
ばねの撓み量が一定値以上になって対をなすリミッタの
嵌合穴内に突起が嵌合して、ばねの撓み量の増大に従い
突起の先端部と嵌合穴の底面とが近接すると、前記衝撃
力による仕事量が、該突起の先端部と嵌合穴の底面との
間に形成される隙間内に充填されている空気あるいは緩
衝装置の周囲から侵入してきた潤滑油を圧縮するために
費やされることにより該衝撃力が吸収される。これによ
り、前記対をなすリミッタ同士が当接する瞬間の運動エ
ネルギーが低減され、過大なねじりトルクによる衝撃力
の発生時における対をなすリミッタ同士の衝突力を緩和
することが可能となり、かかる衝突の反力による歯車に
おける歯の破損の発生を確実に回避することができる。
【0031】また、ばね式の緩衝装置における対をなす
リミッタの一方側に嵌合穴を設けるとともに他方側に該
嵌合穴内に嵌合する突起を設けるというきわめて簡単な
構造で、かつエンジンの大型、大重量化を回避できる軽
量、小型化された装置で以って、過大なねじりトルクに
よる衝撃力を緩和し、該衝撃力による歯車等の運動部分
における破損の発生を防止できる軸系のねじり振動低減
装置が得られる。
【0032】また、請求項2のように構成すれば、リミ
ッタの嵌合穴を前記駆動側回転体あるいは被駆動側回転
体の回転方向に向けて穿孔したので、該回転体の回転方
向に飛散してくるオイル飛沫が前記嵌合穴内に侵入し易
くなって、該嵌合穴内に確実に潤滑油が溜められて該潤
滑油を圧縮することによる衝撃力の吸収作用が促進され
る。
【0033】さらに、請求項3のように構成すれば、前
記衝撃力が発生した際においてばねの撓み量が増大し、
球面状に形成された前記突起の先端面と平面あるいは突
起の先端面曲率半径よりも大きい曲率半径を有する球面
状に形成された前記嵌合穴の底面とが近接して両者の間
に油溜り部が形成され、前記衝撃力により該油溜り部内
の潤滑油を嵌合穴の外周部隙間に押し出すスクイーズ作
用がなされることによって前記衝撃力が吸収され、該衝
撃力の吸収によるリミッタ衝突瞬間の運動エネルギー低
減効果がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係るディーゼル機関の
補機駆動系に適用されるねじり振動低減装置における緩
衝装置の要部断面図で、(A)は通常作動時、(B)は
衝撃力作動時を示す。
【図2】 本発明の第2実施例に係る緩衝装置の要部断
面図で、(A)は通常作動時、(B)は衝撃力作動時を
示す。
【図3】 前記第2実施例におけるZ部拡大図である。
【図4】 本発明が適用されるディーゼル機関の補機駆
動系におけるねじり振動低減装置の回転軸心に沿う断面
図である。
【図5】 従来技術を示す図4のA−A矢視図である。
【符号の説明】
1 ばね 2 駆動側ばね受 3 駆動側リミッタ 3a 先端面 4 被駆動側ばね受 5 被駆動側リミッタ 5a 先端面 7 突起 7a 先端面 8 嵌合穴 8a 底面 08 隙間 9 油溜り部 10 緩衝装置 11 駆動歯車 12 被駆動歯車 15 軸受 16 油通路 23 ばね収納部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動側回転体と被駆動側回転体とを該両
    回転体間に架設されたばねを介して連結し該ばねにより
    前記駆動側回転体から伝達されるねじり振動を減衰せし
    めるとともに、前記駆動側回転体と被駆動側回転体との
    間に前記ばねの撓み量を制限する対をなすリミッタを介
    装してなる軸系のねじり振動低減装置において、前記対
    をなすリミッタの一方側に嵌合穴を設けるとともに他方
    側には前記ばねの撓み量が一定値以上になったとき前記
    嵌合穴内に嵌合する突起を設け、前記ばねの撓みにより
    前記対をなすリミッタ同士が当接したとき前記嵌合穴に
    嵌合された前記突起の先端部と嵌合穴の底面との間に一
    定量の隙間が形成されてなることを特徴とする軸系のね
    じり振動低減装置。
  2. 【請求項2】 前記嵌合穴を前記駆動側回転体あるいは
    被駆動側回転体の回転方向に向けて穿孔してなることを
    特徴とする請求項1記載の軸系のねじり振動低減装置。
  3. 【請求項3】 前記突起の先端面を球面状に形成すると
    ともに前記嵌合穴の底面を平面あるいは前記突起の先端
    面における曲率半径よりも大きい曲率半径を有する球面
    状に形成し、前記ばねの撓みにより前記対をなすリミッ
    タ同士が当接したとき嵌合穴の底面と突起の先端面との
    間に油溜り部が形成されてなることを特徴とする請求項
    1記載の軸系のねじり振動低減装置。
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