JP2003246679A - セラミック被焼成体の焼成装置およびセラミックスの製造方法 - Google Patents

セラミック被焼成体の焼成装置およびセラミックスの製造方法

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JP2003246679A
JP2003246679A JP2002045965A JP2002045965A JP2003246679A JP 2003246679 A JP2003246679 A JP 2003246679A JP 2002045965 A JP2002045965 A JP 2002045965A JP 2002045965 A JP2002045965 A JP 2002045965A JP 2003246679 A JP2003246679 A JP 2003246679A
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ceramic
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Takashi Yasue
孝 安江
Hiroki Bessho
裕樹 別所
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Abstract

(57)【要約】 【課題】蓄熱式焼成炉を使用してセラミック被焼成体を
焼成するのに際して、良質のセラミックスを得ることが
でき、しかもCOおよびNOxの排出量を低減可能な
構造および方法を提供する。 【解決手段】セラミック被焼成体を収容し、焼成するた
めの焼成装置1を提供する。装置1は、セラミック被焼
成体12を収容する焼成炉7、焼成炉7に取り付けられ
ている少なくとも一対の蓄熱式バーナー14A、14
B、各蓄熱式バーナーに燃料ガスと空気とを供給するた
めの供給手段2、および被焼成体12にマイクロ波を照
射して加熱するためのマイクロ波加熱手段3を備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、NOxおよびCO
の排出量を低減可能なセラミック被焼成体の焼成装置
およびセラミックスの製造方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】蓄熱式燃焼方式は、燃焼炉において排ガ
スの熱を蓄熱体を用いて回収し、その熱で燃焼空気を予
熱する方法であり、大幅なCO削減が可能な方法とし
て注目されている。このような燃焼炉は、金属分野にお
いて利用されており、例えば特公平7−26730号公
報に記載されている。
【0003】最近、セラミック成形体の焼成炉としての
利用が検討されている。例えば特許第2927700号
公報においては、蓄熱式バーナーを用い、低温域では間
欠燃焼方式で加熱を行い、高温領域においては蓄熱燃焼
方式によって加熱を行っている。特許第2996619
号公報においては、炉内温度が1600℃を超えるよう
な高温焼成に適した蓄熱式焼成炉が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、大型や肉
厚のセラミック成形体を、蓄熱式焼成炉を使用して焼成
するプロセスを研究してきた。この過程で、セラミック
成形体の焼成プロセスの場合には、蓄熱式焼成炉を使用
しても、良質なセラミックスが得られるような焼成スケ
ジュールでは、COやNOxを一層削減することが難
しいことを見いだした。
【0005】本発明の課題は、蓄熱式焼成炉を使用して
セラミック被焼成体を焼成するのに際して、良質のセラ
ミックスを得ることができ、しかもCOおよびNOx
の排出量を低減可能な構造および方法を提供することで
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、セラミック被
焼成体を収容し、焼成するための焼成装置であって、セ
ラミック被焼成体を収容する焼成炉、この焼成炉に取り
付けられている少なくとも一対の蓄熱式バーナー、各蓄
熱式バーナーに燃料ガスと空気とを供給するための供給
手段、およびセラミック被焼成体にマイクロ波を照射し
て加熱するためのマイクロ波加熱手段を備えていること
を特徴とする。
【0007】また、本発明は、セラミック被焼成体を収
容する焼成炉、この焼成炉に取り付けられている少なく
とも一対の蓄熱式バーナー、各蓄熱式バーナーに燃料ガ
スと空気とを供給するための供給手段、およびセラミッ
ク被焼成体にマイクロ波を照射して加熱するためのマイ
クロ波加熱手段を使用し、セラミック被焼成体を蓄熱式
バーナーおよびマイクロ波加熱手段によって加熱するこ
とで焼成することを特徴とする。
【0008】このような構造の焼成装置を使用すること
によって、セラミックスにおける欠陥やクラックを生ず
ることなしに、COおよびNOxの両方を削減可能で
あることを見いだし、本発明に到達した。以下、この理
由について述べる。
【0009】最初に、セラミックスの一般的な焼成曲線
について説明する。金属の場合と異なり、セラミックス
の焼成には、(1)焼成時間、特に昇温時間が長いこと
と、(2)焼成時の最高温度が高いという特徴がある。
図2の焼成スケジュールSを参照すると、まず室温から
温度を上昇させ、焼結開始温度TAまでは比較的迅速に
昇温できる。時刻t1で焼結開始温度TAに到達するも
のとする。温度TA以上ではセラミックス粉末の流動、
粉末同士の融合、結合、これに伴う成形体の寸法収縮が
進行する。時刻t1からt4までゆっくりと昇温し、t
4で最高温度TMに到達すると、最高温度でt4からt
5まで保持して焼成プロセスを完結させ、次いで温度降
下する。
【0010】一般に、セラミックスの焼成炉では、炉内
温度が1300〜1700℃と高温となる。特に被焼成
体が大型または肉厚の場合には、被焼成体での内外温度
差に起因してクラック・変形等の損傷や焼成品内の特性
ばらつきが発生しやすい。この問題を回避するために
は、非常に小さい昇温速度で焼成しなければならない。
特に、セラミック被焼成体の焼結開始温度(セラミック
スが寸法変化を伴う焼結反応を起こす温度)TA以上の
温度領域では、被焼成体内部の温度差を極力防止する必
要がある。このため、昇温速度を遅くしたり、最高温度
TMでの保持時間を長くする必要がある。この結果、焼
成に必要な時間が全体的に長くなる。特にセラミックス
の焼成開始温度以上で焼成スケジュールSが長くなる傾
向がある。この結果、セラミックスの燃焼炉において
は、多量のCOを排出することになり易い。
【0011】そこで、CO排出量を削減するために、
蓄熱式燃焼を行うことを検討した。しかし、炉内温度が
例えば1400〜1700℃となるセラミックス焼成炉
の場合、予熱空気の温度は1200〜1500℃とする
必要がある。この結果、燃焼時のバーナーからの火炎温
度が高くなり、いわゆるサーマルNOxが多量に生成さ
れ、NOx排出量が多くなってしまう。かりに緩慢燃焼
や排ガス再循環等の低NOx化技術を利用したとして
も、サーマルNOxを十分に削減することはできない。
【0012】本発明者は、このようなセラミックス焼成
の特殊性を考慮し、CO とNOxとを同時に削減する
必要性に迫られた。ここで、図2において、焼成スケジ
ュールSを例えばTのように短縮すれば、COの発生
量は低減できる。しかし、この場合には、焼結開始温度
TA以上での昇温速度が大きく、かつ最高温度TMでの
保持時間が短い。従って、セラミック被焼成体の全体の
温度勾配が大きくなり、被焼成体に欠陥、クラック、特
性のムラが発生しやすい。また、蓄熱式バーナーにおけ
る予熱空気温度を低下させることはできないので、サー
マルNOxをそれほど低減できない。
【0013】ここで、本発明者は、少なくともセラミッ
クスの焼結開始温度TA以上において、マイクロ波をセ
ラミック被焼成体に照射して内部から加熱し、このマイ
クロ波加熱を蓄熱式バーナーによる外部加熱と併用する
ことを想到した。これによって、単に物品を内部と外部
との両方から加熱するということにとどまらない、相乗
的な作用効果が得られることを発見した。
【0014】マイクロ波加熱方式とは、焼成炉内のセラ
ミック被焼成体に対してマイクロ波を照射することによ
り加熱することである。
【0015】ここで、マイクロ波加熱方式単独では、セ
ラミックスの加熱焼成方法としては以下の理由から不適
当であり、このために深く検討されてこなかった。即
ち、セラミックスは一般に焼結反応が進む高温域以外
(低温領域)では、マイクロ波吸収特性が非常に小さ
く、加熱効率が低い。一方、高温域では、マイクロ波吸
収特性が著しく上昇するので、加熱効率が高くなる。し
かし、被焼成体が大型の場合、あるいは肉厚の場合に
は、内部加熱であるため、被焼成体の外部からの放熱に
より表面温度が下がり、内外温度差に起因するクラック
や変形が発生しやすい。特に、セラミックスの場合に
は、マイクロ波吸収特性が温度に依存して極端に増大す
る。この結果、温度上昇時に、セラミック被焼成体の内
部温度が急激に上昇し、内外温度差が一層増大しやす
く、このために適用が困難である。
【0016】ここで、セラミック被焼成体を蓄熱式バー
ナーによって加熱して昇温し、炉内温度がセラミックス
の焼結開始温度以上、例えば1300℃以上となったと
きに、マイクロ波加熱方式を適用してみた。少なくとも
セラミックスの焼結開始温度以上の温度では、蓄熱燃焼
方式による外部加熱とマイクロ波加熱による内部加熱と
を、それぞれ独立に制御し、セラミック被焼成体を加熱
して焼結させる。
【0017】ここで、セラミックスは一般に、温度が上
昇すると、マイクロ波の吸収効率が著しく増大する傾向
がある。従って、セラミックスの焼結開始温度以上で
は、マイクロ波による加熱が効率的である。つまり、こ
の方法によれば、被焼成物はマイクロ波加熱により効率
よく自己発熱し、昇温していくため、蓄熱式燃焼は、被
焼成物からの放熱による熱損失を補う程度でよい。これ
によって、例えば図2の曲線Tに示すように、短縮され
た焼成スケジュールを短期化した場合にも、被焼成体の
内部と表面との温度差を小さくし、温度を均一に保った
状態で昇温することが可能となる。この結果、得られた
セラミックスのクラック、破損、特性のバラツキを防止
できる。
【0018】この結果、セラミックスの焼結開始温度T
A以上の高温域において、比較的大きい昇温速度で昇温
することができ、また最高温度TMでの保持時間を短く
できる。従って、従来の蓄熱式加熱方式の場合と比べ、
セラミックスのクラック、欠陥や特性ムラを防止しつ
つ、焼成時間を大幅に短縮できる。高温域での蓄熱式バ
ーナーの作動時間を短くできるので、CO排出量とN
Ox排出量とを削減できる。
【0019】これに加えて、本発明はサーマルNOxの
低減に一層有効である。なぜなら、セラミックスの蓄熱
式焼成炉では、前述のように焼成炉内の温度が高いため
に、熱交換後の予熱空気の温度が1200〜1500℃
といったように高くなる。従って、バーナーからの火炎
温度と被焼成物の表面温度との間の温度差も大きい。こ
れに対して、本発明においては、被焼成体はマイクロ波
加熱により効率よく自己発熱し、昇温していくため、蓄
熱式燃焼は、被焼成物からの放熱による熱損失を補うよ
うに外部加熱するだけでよい。つまり、蓄熱式バーナー
による燃焼は、被焼成体の表面からの熱損失分を補てん
し、被焼成体の内部と表面との温度差を抑制できる程度
で良い。従って、蓄熱式バーナーによる燃焼によって、
被焼成体の全体を高温に昇温させ、保持する必要がな
い。言い換えると、火炎温度と被焼成物温度との間の温
度差は小さくできる。これは、蓄熱式バーナーからの火
炎温度を低く抑えることができることを意味している。
サーマルNOxの発生量は、蓄熱式バーナーからの火炎
温度に依存しているので、火炎温度を低く抑えることに
よって、サーマルNOxの生成を抑制できる。
【0020】本発明は、これらの相乗効果によって、C
およびNOxの両方を大きく削減可能とするもので
ある。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、更に具体的な実施形態につ
いて述べる。セラミック被焼成体は、焼結過程を経てセ
ラミックス製品を生成させるようなものであれば、特に
限定されない。従って、被焼成体は、セラミック粉末の
成形体、この成形体の脱脂体、成形体または脱脂体の仮
焼工程によって得られた仮焼体を含む。
【0022】セラミックスとしては、アルミナ、ジルコ
ニア、チタニア、シリカ、マグネシア、フェライト、コ
ージェライト、イットリア等の希土類元素の酸化物等の
酸化物系セラミックス;チタン酸バリウム、チタン酸ス
トロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類元素のマ
ンガナイト、希土類元素のクロマイト等の複合酸化物;
窒化アルミニウム、窒化珪素,サイアロン等の窒化物系
セラミックス;炭化珪素、炭化ホウ素、炭化タングステ
ン等の炭化物系セラミックスを例示できる。また、被焼
成体中には、バインダー、造孔剤、増粘剤、その他の添
加剤が含有されていてよい。
【0023】被焼成体を収容する焼成炉、この焼成炉に
取り付けられている少なくとも一対の蓄熱式バーナー、
各蓄熱式バーナーに燃料ガスと空気とを供給するための
供給手段としては、公知の蓄熱式焼成炉および蓄熱式バ
ーナーを利用できる。こうした焼成炉は、例えば特公平
7−26730号公報、特許第2927700号公報、
特許第2996619号公報に記載されている。
【0024】ここで、燃料ガスとしては、メタン、プロ
パンを主成分とするLNG(液化天然ガス)、LPG
(液化石油ガス)が好ましい。蓄熱体としては、セラミ
ックス製の蓄熱体が好ましい。この蓄熱体の形態は、ハ
ニカム状が好ましく、セラミックスとしては、コージェ
ライト、ムライト、アルミニウムチタネートが好まし
い。
【0025】被焼成体にマイクロ波を照射して加熱する
ためのマイクロ波加熱手段としては、公知のマイクロ波
加熱手段を利用できる。
【0026】マイクロ波の周波数は、2.45GHz〜
80GHzが好ましい。マイクロ波の照射密度は、被焼
成体の熱容量や焼成炉の設計に合わせて適宜設定でき
る。
【0027】セラミックスの寸法は特に限定されない。
しかし、セラミックスが大きいほど、本発明の作用効果
が顕著である。従って、この観点からは、セラミックス
の容積は0.001m以上が好ましく、0.01m
以上が更に好ましい。また、同様の観点からは、セラミ
ックスの肉厚は50mm以上が好ましく、100mm以
上が更に好ましい。
【0028】好適な実施形態においては、被焼成体を1
300℃以上の最高温度TMで焼成する。この最高温度
が高いほど、マイクロ波の併用時にマイクロ波の吸収効
率が高く、このために本発明の加熱方式の作用が顕著だ
からである。この観点からは、最高温度TMは1400
℃以上が好ましく、1500℃以上が更に好ましい。
【0029】最高温度TMの上限値は特にない。しか
し、最高温度TMが高くなりすぎると、マイクロ波を照
射したときに、セラミック被焼成体の温度が顕著に上昇
して制御不能となり、溶融する可能性がある。このよう
な可能性を最小限とするという観点からは、最高温度T
Mを2000℃以下とすることが好ましく、1800℃
以下とすることが更に好ましい。
【0030】好適な実施形態においては、昇温時に少な
くとも1300℃以上の温度でセラミック被焼成体にマ
イクロ波を照射する。マイクロ波照射時の温度が高いほ
ど、マイクロ波の吸収効率が高く、このために本発明の
加熱方式の作用が顕著だからである。1300℃以下の
温度においてもセラミック被焼成体にマイクロ波を照射
することができるが、この場合には加熱効率は相対的に
低い。
【0031】好適な実施形態においては、昇温時に、セ
ラミック被焼成体の焼結過程が開始する温度TA以上の
温度で被焼成体にマイクロ波を照射する。即ち、焼結プ
ロセスが開始すると、被焼成体の内部と表面との温度差
によるクラック、欠陥、特性のバラツキが発生しやすく
なるので、このときにマイクロ波加熱を利用することが
有利だからである。
【0032】セラミックスの焼結開始温度は、セラミッ
クスの種類や粉末の粒径、粉末の形状によって異なる。
一般的には、被焼成体の寸法(例えば試験片の長さ)を
熱膨張計によって測定する。焼結過程の開始前には、被
焼成体の寸法は絶対温度にほぼ比例して増大する。しか
し、セラミックスの焼結過程が開始すると、被焼成体の
寸法変化は、前述の比例関係から離れる。つまり、横軸
に絶対温度、縦軸に被焼成体の寸法をとってグラフ化す
ると、偏曲点が生ずる。このときの温度がセラミックス
の焼結開始温度である。
【0033】図1は、本発明の一実施形態に係る焼成装
置を模式的に示すブロック図である。図1の装置1は焼
成炉7を備えている。この焼成炉7は、外殻8と、外殻
8の内面に設置された耐熱材9とを備えている。耐熱材
9内の焼成用空間10内には、所定の治具13上にセラ
ミック被焼成体12が設置されている。
【0034】炉体には一対の蓄熱式バーナー14A、1
4Bが設置されており、各バーナー14A、14B内に
は、図示しない蓄熱体とノズルとが設けられている。各
蓄熱式バーナーに対して、燃料ガスと空気との供給手段
2が接続されている。燃料ガスは、供給路16からバル
ブ15A、15Bを通してバーナー14A、14Bに供
給可能となっている。空気は、供給路17、切り換えバ
ルブ18を通して各バーナーに供給可能となっている。
【0035】蓄熱式バーナーによる加熱は以下のように
行う。まず、バルブ15Aを開いてバーナー14Aに矢
印Cのように燃料ガスを供給する。これと共に、切り換
えバルブ18を操作し、矢印Eのように空気をバーナー
14Aに供給し、火炎11を生じさせ、被焼成体12を
加熱する。このとき、バーナー14Bから炉内の燃焼ガ
スを排気し、バーナー14B内の蓄熱体に熱を蓄積す
る。排気ガスは、蓄熱体との熱交換の後、切り換えバル
ブ18を通って矢印Bのように排出される。
【0036】次いで、一定時間経過時にバーナー14A
を停止し、バーナー14Bから火炎を放射する。即ち、
バルブ15Aを閉じ、バルブ15Bを開いてバーナー1
4Bに矢印Dのように燃料ガスを供給する。これと共
に、切り換えバルブ18を操作し、矢印Fのように空気
をバーナー14Bに供給し、火炎11を生じさせ、被焼
成体12を加熱する。このとき、バーナー14Aから炉
内の燃焼ガスを排気し、バーナー14A内の蓄熱体に熱
を蓄積する。排気ガスは、蓄熱体との熱交換の後、切り
換えバルブ18を通って矢印Bのように排出される。こ
のように、一対の蓄熱式バーナーからの火炎放射と燃焼
ガスの吸収とを交互に行う。
【0037】また、この炉体には、マイクロ波加熱手段
3が取り付けられている。加熱手段3は、電源4、マイ
クロ波発振装置5、および導波管6を備えている。導波
管6は、炉内の被焼成体12に対して指向しており、マ
イクロ波を被焼成体12に放射可能となっている。
【0038】例えば大型や肉厚の被焼成体12を焼成す
る場合には、図2に示す焼成スケジュールTのように、
まず室温から焼結開始温度TAまでは、一対のバーナー
14A、14Bを用いて蓄熱式加熱を行う。焼結開始温
度TAに達すると、マイクロ波を被焼成体12に照射す
る。この状態で被焼成体12の温度を上昇させ、最高温
度TMとする。次いで最高温度TMにt2からt3の間
保持する。この段階では、蓄熱式バーナーと発振装置5
とを独立して制御し、被焼成体の温度が均一化するよう
にする。
【0039】
【実施例】(比較例1)大型セラミックス成形品を蓄熱
燃焼方式のみで焼成した。焼成スケジュールは、図2に
示すSとした。焼結開始温度TAは1200℃である。
最高温度TMは1600℃とした。焼成スケジュールS
は、クラック、欠陥、特性のバラツキがない良品が得ら
れるように設定した。このときの焼成時間(昇温開始か
ら降温終了までの所要時間)、CO排出量、NOx排
出量を100%とする。
【0040】(比較例2)比較例1と同様にしてセラミ
ックスを焼成した。ただし、焼成スケジュールは、図2
に示すTとし、焼成時間を比較例1の50%とした。こ
の結果、CO、NOX排出量ともに、比較例1の50
%程度に低減した。しかし、焼成体にはクラックが見ら
れた。
【0041】(実施例)図1に示すような焼成装置を使
用した。焼成スケジュールは、図2に示すTとした。焼
成時間を比較例1の50%とした。焼結開始温度TAは
1200℃である。最高温度TMは1600℃とした。
マイクロ波の周波数は2.45GHzとし、昇温時、T
Aに達した時点でマイクロ波の照射を開始し、その後継
続した。
【0042】この結果、セラミックスにクラック、欠
陥、特性のバラツキがない良品質の焼成体が得られた。
また、CO、NOx排出量は、比較例の基準に対し
て、それぞれ50%、20%程度に低減された。これら
の結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、蓄
熱式焼成炉を使用してセラミック被焼成体を焼成するの
に際して、良質のセラミックスを得ることができ、しか
もCO2およびNOxの排出量を低減可能な構造および
方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る焼成装置を模式的に
示すブロック図である。
【図2】従来の蓄熱式焼成炉を使用した場合の典型的な
焼成スケジュールS、および本発明において適用可能な
短縮された焼成スケジュールTを示す。
【符号の説明】
1 焼成装置 2 燃料ガスおよび空気の供給手
段 3 マイクロ波加熱手段 4 電源 5
マイクロ波発振装置 6 導波管 7 焼成炉 8 外殻
9 断熱材 10 焼成用空間 11 火炎 12 セ
ラミック被焼成体 14A、14B 一対の蓄熱式バーナー 15
A、15B 燃料ガス用のバルブ 18 切り換
えバルブ S 従来の蓄熱式焼成炉で良質品が得
られる焼成スケジュール T 本発明の蓄熱式焼
成炉で良質品が得られる焼成スケジュール

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック被焼成体を焼成するための焼成
    装置であって、 前記セラミック被焼成体を収容する焼成炉、この焼成炉
    に取り付けられている少なくとも一対の蓄熱式バーナ
    ー、前記蓄熱式バーナーに燃料ガスと空気とを供給する
    ための供給手段、および前記セラミック被焼成体にマイ
    クロ波を照射して加熱するためのマイクロ波加熱手段を
    備えていることを特徴とする、焼成装置。
  2. 【請求項2】前記セラミック被焼成体を1300℃以上
    の最高温度で焼成することを特徴とする、請求項1記載
    の焼成装置。
  3. 【請求項3】昇温時に少なくとも1300℃以上の温度
    で前記セラミック被焼成体に前記マイクロ波を照射する
    ことを特徴とする、請求項1または2記載の焼成装置。
  4. 【請求項4】昇温時に、少なくとも前記セラミック被焼
    成体の焼結開始温度以上の温度で前記セラミック被焼成
    体に前記マイクロ波を照射することを特徴とする、請求
    項1または2記載の焼成装置。
  5. 【請求項5】セラミック被焼成体を収容する焼成炉、こ
    の焼成炉に取り付けられている少なくとも一対の蓄熱式
    バーナー、前記蓄熱式バーナーに燃料ガスと空気とを供
    給するための供給手段、および前記セラミック被焼成体
    にマイクロ波を照射して加熱するためのマイクロ波加熱
    手段を使用し、前記セラミック被焼成体を前記蓄熱式バ
    ーナーおよび前記マイクロ波加熱手段によって加熱する
    ことで焼成することを特徴とする、セラミックスの製造
    方法。
  6. 【請求項6】前記セラミック被焼成体を1300℃以上
    の最高温度で焼成することを特徴とする、請求項5記載
    の方法。
  7. 【請求項7】昇温時に、少なくとも1300℃以上の温
    度で前記セラミック被焼成体に前記マイクロ波を照射す
    ることを特徴とする、請求項5または6記載の方法。
  8. 【請求項8】昇温時に、少なくとも前記セラミック被焼
    成体の焼結開始温度以上の温度で前記セラミック被焼成
    体に前記マイクロ波を照射することを特徴とする、請求
    項5または6記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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