JP2003246626A - 金属酸化物微粒子分散ガラスの製造方法 - Google Patents

金属酸化物微粒子分散ガラスの製造方法

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Masanori Andou
昌儀 安藤
Koji Ota
浩二 太田
Kenji Kamata
賢司 鎌田
Odoubeeru Pierre
オドゥベール ピエール
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Abstract

(57)【要約】 【課題】任意の形状を有する金属酸化物微粒子分散ガラ
スを製造する方法を提供する。 【解決手段】金属アルコキシドおよびアルコキシシラン
からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含
有する有機溶媒溶液を加水分解することにより得たゾル
またはゲルに、有機酸金属塩、無機酸金属塩および錯体
からなる群から選択される少なくとも1種の金属化合物
を含む溶液を添加し、得られた混合物を成形または基体
に塗布し、得られた成形体または塗布した基体を300〜8
00℃において熱処理することを特徴とする金属酸化物の
微粒子を分散含有した酸化物ガラスの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属酸化物微粒子
分散ガラスの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】種々の金属酸化物の微粒子を分散含有し
た透明酸化物ガラスは、非線形光学素子等の光学素子、
電子素子、触媒デバイス材料、ガス・湿度・イオンセン
サ素子等の化学センサ素子、バイオセンサ素子、物理セ
ンサ素子等の各種デバイスとして使用されている。この
ようなガラスは、金属酸化物が微粒子であることによっ
て特定の特性を発揮するので、その製造方法は、極めて
重要である。
【0003】このようなガラスの製造方法としては、例
えば、「多孔質ガラス中に、金属酸化物微粒子の原料と
なる金属の各種の塩、金属の水酸化物、金属アルコキシ
ドまたは有機金属化合物を溶液または昇華させて含有さ
せ、その後熱処理や酸化等の反応を行わせて材料を得る
方法」(例えば、小宮山宏他、特開平3-122626および安藤
昌儀他、特開平7-248516)、「スパッタリング法または真
空蒸着法を用いて、金属と透明酸化物ガラスなどを同時
あるいは交互に堆積させ、その後熱処理や酸化等の反応
を行わせる方法」(例えば、真鍋由雄他、特開平5-127206
および安藤昌儀他、特開平7-248516)等が知られてい
る。
【0004】この中で、多孔質ガラスを用いる方法は、
最終的に作製したい微粒子分散ガラスと同じ形状の多孔
質ガラスを予め用意する必要がある。しかしながら、多
孔質ガラスは、通常、一般に市販されているものを使用
するので、形状、寸法などが限定されている。また、材
質は、ホウ珪酸ソーダガラスを処理して多孔質化したも
のがほとんどである。このように、使用可能な多孔質ガ
ラスの材質(組成)、形状、寸法に関して選択の自由度が
小さい。従って、任意の材質(組成)の多孔質ガラス中に
金属酸化物微粒子を分散含有したガラスや任意の形状を
有するガラスを製造することができない。また、市販の
多孔質ガラスは高価であるので、製造にコストがかか
る。
【0005】また、スパッタリング法および真空蒸着法
を用いる製造方法は、薄膜状のガラスしか得ることがで
きず、しかも、基体表面が入り組んだ形状を有する場合
には、影となっている部分に薄膜を形成させることは不
可能である。
【0006】上記のように、従来の製造方法には、最終
的に製造される微粒子分散ガラスの全体的な形状、寸法
などについて制約が大きいという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
問題点を鑑み成されたものであって、任意の形状を有す
る金属酸化物微粒子分散ガラスを製造する方法を提供す
ることを主な目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究の
結果、金属アルコキシドおよびアルコキシシランからな
る群から選択される少なくとも1種の酸化物ガラスの原
料を含有する溶液を加水分解し、ゲル化が完結する前の
ゾルまたはゲル(完全に固形化する前のゾルまたはゲル)
に、金属酸化物微粒子の原料となる金属化合物の溶液を
添加し、得られた混合物を成形または基体に塗布した
後、熱処理することによって、上記目的を達成できるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、以下の酸化物微粒子分散
ガラスの製造方法に係るものである。 1.金属アルコキシドおよびアルコキシシランからなる
群から選択される少なくとも1種の化合物を含有する有
機溶媒溶液を加水分解することにより得たゾルまたはゲ
ルに、有機酸金属塩、無機酸金属塩および錯体からなる
群から選択される少なくとも1種の金属化合物を含む溶
液を添加し、得られた混合物を成形し、得られた成形体
を300〜800℃において熱処理することを特徴とする金属
酸化物の微粒子を分散含有した酸化物ガラスの製造方
法。 2.金属アルコキシドおよびアルコキシシランからなる
群から選択される少なくとも1種の酸化物ガラスの原料
を含有する溶液を加水分解することにより得たゾルまた
はゲルに、有機酸金属塩、無機酸金属塩および錯体から
なる群から選択される少なくとも1種の金属化合物を含
む溶液を添加し、得られた混合物を基体に塗布し、塗布
された基体を300〜800℃において熱処理することを特徴
とする金属酸化物の微粒子を分散含有した酸化物ガラス
の製造方法。 3.有機溶媒溶液の溶媒が、アルコールおよびハロゲン
化有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の
有機溶媒である上記1に記載の製造方法。 4.有機酸金属塩に含まれる有機酸1分子に含まれる炭
素数が、4〜30である上記1〜3のいずれかに記載の製
造方法。 5.有機酸金属塩に含まれる有機酸が、置換基を有して
いても良い飽和脂肪酸、置換基を有していても良い脂環
式カルボン酸、不飽和脂肪酸および芳香族カルボン酸か
らなる群から選択される少なくとも1種である上記1〜
4のいずれかに記載の製造方法。 6.有機酸金属塩が、ナフテン酸塩、オクチル酸塩、ス
テアリン酸塩、オレイン酸塩および酢酸塩からなる群か
ら選択される少なくとも1種である上記1〜5のいずれ
かに記載の製造方法。 7.無機酸金属塩が、硝酸塩、塩酸塩および硫酸塩から
なる群から選択される少なくとも1種である上記1〜6
のいずれかに記載の製造方法。 8.錯体1分子に含まれる全炭素数が、4〜30である
上記1〜7のいずれかに記載の製造方法。 9.錯体が、アセチルアセトナト金属錯体である上記1
〜8のいずれかに記載の製造方法。 10.基体が、透明性基体である上記2に記載の製造方
法。 11.基体が、光反射性基体である上記2に記載の製造
方法。 12.金属アルコキシドが、ジルコニウムのアルコキシ
ド、チタンのアルコキシド、リチウムのアルコキシド、
バリウムのアルコキシド、ストロンチウムのアルコキシ
ド、ハフニウムのアルコキシド、ランタンのアルコキシ
ド、ゲルマニウムのアルコキシド、アルミニウムのアル
コキシド、タンタルのアルコキシド、ニオブのアルコキ
シド、バナジウムのアルコキシドおよびアンチモンのア
ルコキシドからなる群から選択される少なくとも1種で
ある上記1〜11のいずれかに記載の製造方法。 13.金属アルコキシドおよびアルコキシシランが、メ
チルトリエトキシシラン(TEMS)、ジメチルジエトキシシ
ラン(DEDMS)、テトラエトキシシラン、3-アミノプロピ
ルトリメトキシシラン(APS)、ジルコニウムテトラプロ
ポキシド、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラ
イソプロポキシチタン、イソプロプキシリチウム、ジメ
トキシバリウム、ジメトキシストロンチウム、テトライ
ソプロポキシハフニウム、トリイソプロポキシランタ
ン、テトラエトキシゲルマニウム、トリイソプロポキシ
アルミニウム、タンタル(V)エトキシド、ニオブ(V)エト
キシド、バナジウム(V)オキシトリエトキシドおよびト
リエトキシアンチモンからなる群から選択される少なく
とも1種である上記1〜12のいずれかに記載の製造方
法。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法は、金属アルコ
キシドおよびアルコキシシランからなる群から選択され
る少なくとも1種の酸化物ガラスの原料を含有する有機
溶媒溶液を加水分解することにより得たゾルまたはゲル
に、有機酸金属塩、無機酸金属塩および錯体からなる群
から選択される少なくとも1種の金属化合物を含む溶液
を添加し、得られた混合物を成形し、得られた成形体を
300〜800℃において熱処理することを特徴とする。また
は、上記混合物を基体に塗布し、塗布した基体を300〜8
00℃において熱処理することを特徴とする。
【0011】本発明によると、酸化物ガラスマトリック
ス中に、金属酸化物微粒子が分散した酸化物ガラスを得
ることができる。
【0012】酸化物ガラスマトリックスの原料となる金
属アルコキシドまたはアルコキシシランは、有機溶媒に
可溶であって、少量の水または酸性水溶液を添加するこ
とによって、加水分解および縮重合しゲルまたはゾルを
生じ、さらに大気中のような酸化雰囲気において加熱す
ることにより、酸化物ガラスを生じる化合物であれば特
に制限されない。本発明では、公知の酸化物ガラス製造
方法であるゾル・ゲル法において、原料として使用でき
る金属アルコキシドまたはアルコキシシランを用いるこ
とができる。金属アルコキシドとしては、例えば、ジル
コニウム、チタン、リチウム、バリウム、ストロンチウ
ム、ハフニウム、ランタン、ゲルマニウム、アルミニウ
ム、タンタル、ニオブ、バナジウム、アンチモンなどの
金属のアルコキシドを例示することができる。より具体
的には、ジルコニウムテトラプロポキシド、テトライソ
プロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシチタ
ン、イソプロプキシリチウム、ジメトキシバリウム、ジ
メトキシストロンチウム、テトライソプロポキシハフニ
ウム、トリイソプロポキシランタン、テトラエトキシゲ
ルマニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、タンタ
ル(V)エトキシド、ニオブ(V)エトキシド、バナジウム
(V)オキシトリエトキシド、トリエトキシアンチモンな
どを例示することができる。
【0013】アルコキシシランとしては、例えば、以下
の式によって表される化合物を例示することができる (R1O)x2 (4-x)Si [式中、R1は低級アルキル基を示し、R2は置換されて
いてもよい低級アルキル基を示し、xは1〜4の整数を
示す] xは、1〜4の整数を示し、好ましくは2〜4である。
【0014】R1で示される低級アルキル基およびR2
示される基の低級アルキル部位として、例えば炭素数1
〜8程度、好ましくは1〜5程度、より好ましくは1〜
3程度のアルキル基を例示することができる。R1で示
される低級アルキル基およびR2で示される基の低級ア
ルキル部位は、直鎖状、分枝状および環状のいずれでも
よい。
【0015】R2で示される低級アルキル基は、アミノ
基などで置換されていてもよい。置換基の数は、特に制
限されないが、通常0〜2程度であり、好ましくは0〜
1程度である。
【0016】具体的なアルコキシシランの例として、メ
チルトリエトキシシラン(TEMS)、ジメチルジエトキシシ
ラン(DEDMS)、テトラエトキシシラン、3-アミノプロピ
ルトリメトキシシラン(APS)などを例示することができ
る。
【0017】金属アルコキシドおよびアルコキシシラン
としては、メチルトリエトキシシラン(TEMS)、ジメチル
ジエトキシシラン(DEDMS)、テトラエトキシシラン、ジ
ルコニウムテトラプロポキシド、テトライソプロポキシ
ジルコニウム、テトライソプロポキシチタン、イソプロ
プキシリチウムなどが好ましく、メチルトリエトキシシ
ラン(TEMS)、ジメチルジエトキシシラン(DEDMS)、テト
ラエトキシシラン、ジルコニウムテトラプロポキシド、
テトライソプロポキシジルコニウムなどが特に好まし
い。
【0018】金属アルコキシドおよびアルコキシシラン
は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用しても
よい。2種以上を併用することにより、最終的に得られ
る酸化物ガラスマトリックスの組成を適宜調整すること
ができる。また、一般に、加水分解速度は、アルコキシ
基の炭素鎖が短いほど速いので、2種以上の化合物を併
用することによって、加水分解の速度、ゲルまたはゾル
の粘度、ゾルまたはゲルの粘度増大速度などを適宜調整
することができる。また、2種以上の化合物を併用する
ことによって、最終的に得られる金属酸化物微粒子の大
きさを調整することができる。ゲルはゾルに比して粘度
が高いので、ゲル中での分子の移動度は、ゾル中での分
子の移動度に比べて1/1000前後と低い。金属酸化物微粒
子の原料である金属化合物溶液を、ゲル化が完結する前
のゾルまたはゲル中に添加した後、さらにゲル化が進む
と、金属化合物はゲルの網目構造の中でほとんど移動で
きなくなる。ゲルを熱処理する過程においても、ゲル中
で溶融状態となった金属化合物は凝集しにくので、熱処
理過程で粒径が増大することなく、最終的に金属酸化物
微粒子が均一に分散含有された酸化物ガラスを得ること
ができる。
【0019】上述したような金属アルコキシドおよび/
またはアルコキシシランを用いることにより、シリコン
の酸化物、ジルコニウムの酸化物、チタンの酸化物、リ
チウムの酸化物、バリウムの酸化物、ストロンチウムの
酸化物、ハフニウムの酸化物、ランタンの酸化物、ゲル
マニウムの酸化物、アルミニウムの酸化物、タンタルの
酸化物、ニオブの酸化物、バナジウムの酸化物およびア
ンチモンの酸化物からなる群から選択される少なくとも
1種の酸化物を含む酸化物ガラスマトリックスが生成す
る。
【0020】金属アルコキシドおよび/またはアルコキ
シシランを予め溶解させる有機溶媒は、上記化合物の溶
解性が高く、上記化合物を含む有機溶媒溶液としたとき
に水または酸性水溶液と相分離せず均一に混合できれば
特に制限されない。例えば、ハロゲン化アルキルなどの
ハロゲン化有機溶媒、アルコールなどを例示することが
できる。ハロゲン化アルキルとしては、例えば、ジクロ
ロエタン、ジクロロメタンなどの炭素数1〜4程度(好
ましくは1〜2程度)のハロゲン化アルキルを例示する
ことができる。ハロゲン化アルキルに含まれるハロゲン
原子の数は、特に制限されないが、通常1〜4程度であ
り、好ましくは1〜2程度である。アルコールとして
は、例えば、エタノール、メタノール、プロパノール、
ブタノールなどの炭素数1〜8程度(好ましくは1〜4
程度)の低級アルコールを例示することができる。有機
溶媒は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用し
てもよい。有機溶媒としては、水との相溶性が高く、金
属アルコキシドまたはアルコキシシランの溶解性が高い
溶媒が好ましい。例えば、低級アルコールを含む混合溶
媒、低級アルコールを単独で用いるのが好ましい。
【0021】金属アルコキシドおよびアルコキシシラン
の有機溶媒溶液の濃度は、特に限定されないが、通常10
〜80容量%程度であり、好ましくは20〜60容量%程度であ
る。2種以上を併用する場合には、その総量が所定の範
囲内となるよう設定することができる。
【0022】次に、金属アルコキシドおよび/またはア
ルコキシシランを含有する有機溶媒溶液を加水分解し、
ゾルまたはゲルを得る。加水分解するためには、例え
ば、水または酸性水溶液と上記有機溶媒溶液とを混合す
る方法を例示することができる。加水分解と同時に縮重
合が進行して低粘度のゾルが生成し、徐々に粘度の高い
ゲルへと変化する。
【0023】酸性水溶液は、特に限定されないが、後の
熱処理工程において、蒸発、昇華などによってガラスか
ら脱離するような酸が好適である。酸性水溶液として
は、例えば、硝酸水溶液、塩酸水溶液、硫酸水溶液等が
例示でき、硝酸水溶液、塩酸水溶液が好ましく、硝酸水
溶液が特に好ましい。酸性水溶液の濃度は、特に限定さ
れず、通常0.2〜5重量%程度であり、好ましくは0.5〜2
重量%程度である。酸性水溶液のpHは、通常0.3〜3程度
であり、好ましくは0.5〜1.5程度である。
【0024】金属アルコキシドおよび/またはアルコキ
シシラン含有有機溶媒溶液と水または酸性水溶液の混合
比は、特に制限されないが、(有機溶媒溶液):(水また
は酸性水溶液)の重量比は、通常1:1〜20:1程度であり、
好ましくは5:1〜10:1程度である。
【0025】加水分解を行う反応時間は、特に制限され
ず、用いる金属アルコキシドおよび/またはアルコキシ
シランの種類、反応温度などの反応条件などに応じて適
宜設定することができる。金属酸化物微粒子の原料とな
る金属化合物溶液を添加する前までの加水分解時間は、
通常10分〜2時間程度であり、好ましくは20分〜1時間程
度である。加水分解の反応温度は、特に制限されず、必
要に応じて加熱してもよく、室温でもよい。反応温度
は、通常0〜80℃程度である。ゲル化の速度は、特に制
限されないが、水または酸性水溶液を添加してからゲル
化が完了するまでの時間が、25℃において、通常1〜72
時間程度、好ましくは2〜48時間程度、より好ましくは3
〜36時間程度である。
【0026】このような方法などによって加水分解する
ことにより得たゲルまたはゾルに、有機酸金属塩、無機
酸金属塩および錯体からなる群から選択される少なくと
も1種の金属化合物を含む溶液(以下「金属化合物溶液」
ということがある)を添加する。添加後は、必要に応じ
て、撹拌などにより均一になるまで混合してもよい。添
加中および添加後も、通常ゲル化は進行する。
【0027】金属化合物溶液を添加する前のゲルまたは
ゾルの粘度は、金属化合物溶液を均一に混合できる程度
であれば特に制限されず、所望の金属酸化物微粒子の粒
子径などに応じて適宜設定することができる。一般に、
ゲルまたはゾルの粘度が高いほど、得られる金属酸化物
微粒子の粒径は小さい。
【0028】金属化合物溶液の濃度は、用いる金属化合
物の溶解度、生成させる金属酸化物微粒子のガラス中で
の含有比率、成形体の大きさ、被膜の厚さなどによって
適宜設定することができる。金属化合物溶液の濃度は、
金属含有比率(溶液全体に対する金属原子の重量%)とし
て、通常0.5〜50重量%程度であり、1〜20重量%程度が
好ましい。なお、上記溶液においては、本発明の効果を
損なわない範囲内で金属化合物の一部が未溶解となって
残存していても良い。
【0029】金属化合物溶液の添加量は、特に制限され
ないが、生成する金属酸化物微粒子が、最終的に生成す
る酸化物ガラス中において、通常80重量%以下程度、好
ましくは1〜60重量%程度、より好ましくは5〜50重量%
程度とすることができる。このような範囲にすることに
よって、ゾルまたはゲルと金属化合物溶液がより均一に
混合する。また、上記範囲とすると、金属酸化物微粒子
同士が凝集しづらいので、特に良好に分散した酸化物ガ
ラス材料を得ることができる。
【0030】酸化物ガラス中の金属酸化物の微粒子の径
は、金属化合物溶液を添加する前後のゲルまたはゲルの
性質(粘度等)、金属化合物の溶融状態・熱分解過程での
凝集のし易さ等によって決まる。金属酸化物微粒子の寸
法を任意に調節するためには、ゾルまたはゲルの粘度、
ゲル化の速度などを調整すればよい。より具体的には、
用いる金属アルコキシドおよび/またはアルコキシシラ
ンの種類、これらの混合比、混合順序などを適宜選択す
ることによって調整することができる。このような値の
調整は、当業者であれば容易に調整することができる。
【0031】本発明方法により得られるガラスに含まれ
る金属酸化物の平均粒子径は、特に制限されないが、通
常1〜200nm程度、好ましくは1〜100nm程度、特に好まし
くは2〜50nm程度である。なお、平均粒子径の値は、X
線回折法または電子顕微鏡を用いた測定値である。
【0032】金属化合物は、酸化雰囲気下において加熱
することによって、熱分解し金属酸化物を生じるような
ものであれば特に制限されず、例えば、有機酸金属塩、
無機酸金属塩、錯体などを例示することができる。好適
な金属化合物として、溶液調製時、0℃〜80℃程度にお
いて、安定で分解せず、熱分解温度が150〜600℃程度、
好ましくは150〜500℃程度、より好ましくは150〜400℃
程度である化合物を例示することができる。
【0033】有機酸金属塩としては、例えば、有機酸1
分子中の全炭素数が4-30である酸の金属塩を好適に例示
することができる。炭素数が上記範囲内の有機酸金属の
溶液は、ゾルまたはゲルへの溶解性が高く、塩の熱分解
温度が低いという点において好ましい。
【0034】有機酸金属塩に含まれる有機酸として、例
えば、カルボン酸、スルホン酸などを例示することがで
きる。カルボン酸としては、置換基を有していても良い
飽和脂肪酸、置換基を有していても良い脂環式カルボン
酸、不飽和脂肪酸、芳香族カルボン酸などを例示するこ
とができる。
【0035】置換基を有していても良い飽和脂肪酸とし
ては、例えば、以下の式で示される化合物を例示するこ
とができる。
【0036】RaCOOH [式中Raは、水素または置換されていてもよいアルキル
基を示す。] Raで示されるアルキル基は、直鎖状および分枝状のい
ずれであってもよい。Raの炭素数は、特に制限されな
いが、通常1〜30程度であり、好ましくは1〜25程度で
あり、より好ましくは1〜20程度である。
【0037】Raが直鎖状または分枝状アルキルである
場合の飽和脂肪酸の具体例として、例えば、酢酸、プロ
パン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン
酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、
ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデ
カン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカ
ン酸、ノナデカン酸、イコサン酸、ヘンイコサン酸、ド
コサン酸、トリコサン酸、テトラコサン酸、ペンタコサ
ン酸、ヘキサコサン酸、ヘプタコサン酸、オクタコサン
酸、ノナコサン酸、トリアコンタン酸、2-エチルヘキサ
ン酸、イソステアリン酸などを例示することができる。
【0038】Raで示されるアルキル基の置換基として
は、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペ
ンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオク
タンなどの炭素数3〜8程度の環状アルキル基(好ましく
は炭素数4〜6程度);水酸基、アミノ基などを例示する
ことができる。
【0039】Raが、環状アルキル基で置換されたアル
キル基である場合の飽和脂肪酸の具体例として、ナフテ
ン酸を例示することができる。
【0040】Raが、水酸基で置換されたアルキル基で
ある場合の飽和脂肪酸の具体例として、例えば、リシノ
ール酸塩、ヒドロキシステアリン酸塩などのヒドロキシ
酸を例示することができる。
【0041】置換基を有していても良い脂環式カルボン
酸は、環状アルキル基に直接カルボキシル基が結合した
カルボン酸である。環状アルキル基の炭素数は、特に制
限されないが、通常3〜8程度、好ましくは4〜6程度であ
る。脂環式カルボン酸は、隣接する置換基が互いに結合
し、飽和または不飽和の縮合環を形成して、2環式、3
環式、4環式などの複数の環を有する脂環式カルボン酸
であってもよい。複数の環を有する脂環式カルボン酸と
しては、例えば、アビエチン酸(ロジン酸)、ピマル酸な
どの3環式ジテルペンカルボン酸などを例示することが
できる。
【0042】不飽和脂肪酸としては、炭素−炭素二重結
合を有する不飽和カルボン酸(アルケン酸)、炭素−炭素
三重結合を有する不飽和カルボン酸(アルキン酸)などを
例示することができる。アルケン酸としては、例えば、
オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸などを
例示することができる。炭素−炭素二重結合および炭素
−炭素三重結合の位置および数は、特に制限されず、例
えば、オメガ−トリコセン酸塩などのようにアルキル鎖
の末端にビニル基を有する有機酸、トリコサ−10,12−
ジイン酸塩、ヘプタコサ−10,12−ジイン酸塩等のよう
にアルキル鎖中にアセチレン基を二つ有する有機酸など
を例示することができる。炭素−炭素二重結合および炭
素−炭素三重結合の数は、特に制限されないが、通常1
〜4程度であり、好ましくは1〜2程度である。
【0043】芳香族カルボン酸としては、例えば、安息
香酸などのベンゼン環を有するカルボン酸を例示するこ
とができる。
【0044】有機酸金属塩は、1種を単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場
合として、例えば、ナフテン酸塩(シクロペンタン環ま
たはシクロヘキサン環のメチレン側鎖の末端にカルボキ
シ基を有するカルボン酸の混合物の塩)を例示すること
ができる。
【0045】上記の有機酸金属塩は、溶液としたときに
金属アルコキシドおよび/またはアルコキシシランから
生成したゾルまたはゲルとそれに含まれる有機・水混合
溶媒に均一に溶解しやすいので好ましい。比較的短いア
ルキル鎖を有する有機酸を含む塩は、溶解性が一層高く
なる場合が多い。より好ましい有機酸金属塩として、例
えば、オクチル酸塩、ナフテン酸塩、ステアリン酸塩、
イソステアリン酸塩、ブタン酸塩、ヘキサン酸塩、オク
タン酸塩、オレイン酸塩、酢酸塩、オメガ−トリコセン
酸塩、トリコサ−10,12−ジイン酸塩等が挙げられ、特
に好ましくは、オクチル酸塩、ナフテン酸塩、ステアリ
ン酸塩、オレイン酸塩、酢酸塩等が挙げられる。
【0046】無機酸金属塩としては、例えば、硝酸塩、
塩酸塩、硫酸塩等を例示することができる。これらの中
では、金属アルコキシドおよび/またはアルコキシシラ
ンから生成したゾルまたはゲルとそれに含まれる有機・
水混合溶媒への溶解性が高いこと、熱処理後に金属酸化
物微粒子以外の不純物が残留しにくいことなどから、硝
酸塩が特に好ましい。
【0047】錯体としては、金属アルコキシドおよび/
またはアルコキシシランから生成したゾルまたはゲルと
それに含まれる有機・水混合溶媒に均一に溶解しやす
く、かつ、酸化雰囲気中で加熱すると熱分解して金属酸
化物を生じるようなものであれば特に制限されない。本
発明では、特に錯体1分子中の全炭素数が4〜30程
度、好ましくは4〜20程度である錯体を好適に用いる
ことができる。全炭素数が上記のような範囲である錯体
の溶液は、ゾルまたはゲルに対して高い溶解性を示すの
で好ましい。また、0℃〜80℃程度において安定で分解
せず、速やかに熱分解する温度が、150〜600℃程度(好
ましくは150〜500℃程度、より好ましくは150〜400℃程
度)である点において好ましい。錯体は、1種または2
種以上を用いることができる。錯体としては、アセチル
アセトナト金属錯体等のように配位子がカルボニル基を
有する錯体を好適に用いることができる。
【0048】金属化合物に含まれる金属成分は、酸化物
ガラス中に分散含有させる所望の金属酸化物微粒子の種
類に応じて、適宜選択すれば良い。金属化合物に含まれ
る金属成分は、特に制限されず、例えばLi, Be, Mg, A
l, Ca, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Ga, Ge,
Sr, Y, Zr, Nb, Mo, Ru, Rh, Pd, Ag, Cd, In, Sn, Sb,
Te, Ba, La, Ce, Ta, W, Os, Ir, Pt, Hg, Tl, Pb, B
i, Th等が挙げられる。このような金属成分を含む金属
化合物は、1種または2種以上を用いることができる。
より好ましい金属成分として、Li, Mg, Al, Ca, Ti, V,
Cr, Mn, Fe, Co,Ni, Cu, Zn, Sr, Y, Zr, Nb, Mo, In,
Sn, La, Ce, W, Ir, Pb, Bi等が挙げられ、特に好まし
い金属成分としては、Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu,
Zn, Sr,Y, In, Sn, Ce, Ir, Bi等が挙げられる。
【0049】金属化合物の好適な例として、例えば、オ
クチル酸コバルト、オクチル酸ニッケル、オクチル酸
鉄、ナフテン酸銅、ナフテン酸リチウム、ナフテン酸ク
ロム、オクチル酸マグネシウム、ナフテン酸マグネシウ
ム、オクチル酸バナジウム、オクチル酸カルシウム、ナ
フテン酸カルシウム、オクチル酸ストロンチウム、オク
チル酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、オクチ
ル酸亜鉛、オクチル酸マンガン、オクチル酸鉛、オクチ
ル酸バリウム、オクチル酸ビスマス、オクチル酸インジ
ウム、オクチル酸イットリウム、オクチル酸ランタン、
オクチル酸セリウムなどを例示することができ、これら
の中では、オクチル酸コバルト、オクチル酸ニッケル、
オクチル酸鉄、ナフテン酸銅などが特に好ましい。
【0050】金属化合物を溶解させる溶媒は、金属化合
物を溶解できる限り特に制限されず、用いる金属化合物
などに応じて適宜選択することができる。溶媒として
は、例えば1-ブタノール、エタノール、イソプロパノー
ルなどの低級アルコール;トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素;ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族
炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、アセチルア
セトンなどのケトン;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエ
ステル;2-エトキシエタノール(商品名:エチルセロソ
ルブ)、1-アセトキシ-2-エトキシエタン(商品名:酢酸
エチルセロソルブ)などのエーテル;石油エーテル;テ
トラヒドロフラン;ジオキサン;水等を例示することが
できる。これらの溶媒は、1種または2種以上を用いる
ことができる。
【0051】また、本発明では、ゲル化が完結する前
に、その効果を損なわない範囲内において、ゾルまたは
ゲルに添加剤を添加することができる。添加剤の添加
は、金属化合物溶液を添加する前後のいずれであっても
よく、混合物を成形する前または基体に塗布する前が好
ましい。添加剤としては、例えば、尿素、樟脳、アント
ラキノン、長鎖アルカン(例えばオクタデカン等の炭素
数8〜20程度のアルカン)、長鎖アルキルアルコール
(例えばステアリルアルコール等の炭素数8〜20程度の
アルコール)、長鎖アルキルアミン(例えばステアリル
アミン等の炭素数8〜20程度のアミン)、長鎖アルキル
カルボン酸(例えばステアリン酸等の炭素数8〜20程度
のカルボン酸)等を例示することができる。これらの添
加剤を用いることによって、最終的に製造されるガラス
の多孔性、密度、ガラス中の遷移金属酸化物微粒子のサ
イズ、凝集状態、金属酸化物微粒子の結晶化度等を制御
することができる。一般に、上記の添加剤の添加量が多
いほど、若干の多孔質性を有するガラスを得ることがで
き、添加量が少ないほど、密度の高いガラスを得ること
ができる。
【0052】次に、ゾルまたはゲルに金属化合物を含む
溶液を添加することにより得られた混合物を成形する
か、または基体上に塗布する。
【0053】得られた混合物を成形する方法は、特に制
限されず、例えば、注入成形、押し出し成形、圧縮成
形、射出成形などの公知の成形方法を適用することがで
きる。成形条件は、公知の方法に応じた条件を適用する
ことができる。
【0054】成形方法、鋳型の形状などを適宜選択する
ことにより、任意の形状の成形体を得ることができる。
例えば、バルク体(直方体、立方体、円柱などの任意の
形状)、薄膜、ビーズ、ファイバー、レンズ、シート,
棒,筒,ハニカム構造などを例示することができる。注
入成形の場合、例えば、得られた混合物を任意の形状の
鋳型に注入し、固化することによって、バルク体、レン
ズ状などの任意の形状のゲルを得ることができる。押し
出し成形の場合には、任意の形状の口型から混合物を押
し出すことによって、例えば、ファイバ、シート,棒,
筒,ハニカム構造などの任意の形状に成形することがで
きる。鋳型などに混合物を注入する際には、加圧注入し
てもよい。或いは、プレス板の間で圧縮成形する方法な
どによって、成形シートとしてもよい。例えば、粘度の
高い溶液の小さな液滴を高温下で浮遊させ、加熱処理に
よって急速に固化させる方法などにより、ビーズとする
こともできる。得られたバルク体などの成形体を、更に
2次成形したり、切断したりすることによって、ビー
ズ、ファイバー、フィルムなどの任意の形状としてもよ
い。2次成形の方法は、延伸などの公知の方法を用いる
ことができる。
【0055】成形時に用いる混合物の量は、成形方法な
どに応じて適宜設定することができる。例えば、注入成
形などによってバルク体を製造する場合などには、熱分
解(熱処理)の時に起こる体積変化(例えば収縮)によるク
ラック等の生成を抑制できるような量である限り特に制
限されず、このような量は当業者であれば容易に設定す
ることができる。通常、1回に製造するガラスのサイズ
を2〜5cm角程度以下にする程度の量が適当である。但
し、原料組成を適切に選択し、収縮を抑制できれば1回
の注入量をさらに増やすことができる。なお、より大き
な体積のバルク体または長いバルク体を得る場合には、
形成された比較的小さなバルク体上にさらに同様のプロ
セスを繰り返してバルク体を結合または積層してもよ
い。
【0056】混合物を基体上に塗布する方法は、特に制
限されず、公知の塗布方法を採用できる。例えば、イン
クジェット、噴霧、ローラー等による塗布方法、スピン
コート法、ディップコート法等を例示できる。
【0057】基体の形状は、特に制限されず、例えば、
板状(基板)、棒状などの任意の形状とすることができ
る。
【0058】本発明で用いる基体は、熱処理時に破損ま
たは変質しない限り特に制限されず、用途などに応じて
適宜選択すれば良い。例えば、得られたガラスに光を透
過させて光学素子として用いる場合には、透明性基体な
どを用いることができ、得られたガラスに光を反射させ
て光学素子として用いる場合には、反射性基体などを用
いることができる。透明性基体の透明度(光透過性)、反
射性基板の反射率などは、具体的な用途に応じて、適宜
選択することができる。
【0059】透明性基体としては、例えばガラス(例え
ばSiO2を主成分とするガラスなど);石英;サファイア
(例えばAl2O3からなる白色サファイアなど);酸化ジル
コニウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン等の
セラミックスなどを例示することができる。反射性基体
としては、透明性基体のなかで屈折率の高いもの;アル
ミニウム、金、白金、銀、銅などの金属;ニッケル・ク
ロム合金などの合金などを例示できる。透明性基体のな
かで屈折率の高いものとしては、例えば屈折率が2〜3程
度のものを例示でき、より具体的にはTiO2(屈折率:約
2.5)、ZrO2(屈折率:約2.2)などを例示できる。
【0060】混合物の基体への塗布量は、薄膜が形成で
きる限り特に制限されないが、塗膜が厚過ぎると熱分解
過程での膜の収縮が過大となりクラックが発生するなど
膜質が低下する恐れがある。このため、1回のプロセス
での塗布量は、熱分解後に生成する薄膜の膜厚が約1mm
以下となるようにすることが好ましく、0.01〜0.5mmが
より好ましい。但し、原料組成を適切に選択して収縮を
抑制できれば1回の塗布量をさらに増やすことができ
る。なお、より厚い膜を得る場合には、形成された薄膜
上にさらに同様のプロセスを繰り返して薄膜を積層して
もよい。
【0061】次に、熱処理を施すが、その前に、必要に
応じて、成形体または塗布した基体を大気中において乾
燥してもよい。乾燥は、例えば成型体または塗布膜の表
面が固化し皮膜状になるまで行えばよく、乾燥温度、時
間などの条件は混合物の組成などに応じて適宜設定する
ことができる。乾燥温度は、特に制限されないが、通常
0〜50℃程度であり、室温であってもよい。乾燥時間
は、特に制限されないが、通常1時間以上程度であり、
好ましくは1〜12時間程度である。
【0062】次いで、必要に応じて、予備加熱を行って
もよい。予備加熱は、例えばゲルから水蒸気または気化
した有機溶媒の発生が終わるまで行うことができ、予備
加熱温度、時間などの条件は成型体または塗布膜の組成
などに応じて適宜設定することができる。予備加熱の温
度は、特に制限されないが、通常50〜150℃程度、好ま
しくは70〜130℃程度である。予備加熱時間は、特に制
限されないが、通常1時間以上程度、好ましくは1〜12時
間程度である。
【0063】金属アルコキシドおよび/またはアルコキ
シシランを含む有機溶媒溶液を調製し、加熱処理を施す
前までの温度は、特に限定されない。必要に応じて、加
熱または冷却することによって、反応速度、粘度などを
調節することができる。例えば、成形または塗布後に更
にゲル化が進行する工程などは、任意の温度および時間
で行うことができる。
【0064】次いで、成形体または混合物を塗布した基
体について、加熱処理を施す。加熱処理を施す時点で
は、成形体または基体に塗布した混合物は、完全に固化
していてもよく、一部が固化した状態でもよい。
【0065】処理温度は、用いる原料、鋳型、基体の種
類などに応じて適宜設定することができる。加熱処理温
度は、通常300〜800℃程度、好ましくは350〜550℃程度
である。一般に、加熱処理温度が低いほど多孔質性を有
するガラス(密度の低いガラス)が得られ、温度が高いほ
ど緻密なガラスが得られる。
【0066】処理雰囲気は、大気中などの酸化性雰囲気
であれば良い。
【0067】加熱過程における昇温速度は、特に制限さ
れず、所望の遷移金属酸化物微粒子の寸法、その分布に
応じて適宜選択することができる。昇温速度は、通常1
℃/分〜10℃/分程度であり、好ましくは1〜5℃/分程
度である。加熱時間は、特に制限されず、成形体や塗膜
の厚み等に応じて適宜設定することができる。加熱時間
は、所定の温度を保持する時間(昇温過程を含まない処
理時間)として、通常15分〜8時間程度、好ましくは30分
〜4時間程度である。
【0068】熱処理を施すことによって、金属アルコキ
シドおよび/またはアルコキシシランから酸化物ガラス
マトリックスが生成すると同時に、ガラスマトリックス
中に、金属化合物から金属酸化物微粒子が生成する。
【0069】本発明の製造方法で得られる酸化物ガラス
中に分散含有した金属酸化物微粒子は、その金属の酸化
状態に関しても特に制限はない。金属の酸化数は、熱処
理時の雰囲気中の酸素濃度の制御、温度制御などによっ
て適宜制御することができる。酸素濃度が高いほど、よ
り高酸化状態の金属酸化物を得ることができる。また、
熱処理温度を変えることによって、一旦生成した金属酸
化物が別の価数の金属酸化物に変化することがある。金
属酸化物微粒子として、例えば、LiO2, BeO, MgO, Al2O
3, CaO, TiO, TiO2, VO, V2O3, VO2, V2O5, CrO, Cr
2O3, CrO2, Cr2O5,CrO3, CrO5, MnO, Mn3O4, Mn2O3, Mn
O2, MnO3, FeO, Fe3O4, Fe2O3, CoO, Co2O 3, Co3O4, Co
O2, NiO, Ni3O4, Ni2O3, NiO2, Cu2O, CuO, ZnO, Ga
2O3, Ga2O, GeO, GeO2, SrO, Y2O3, ZrO2, NbO, Nb2O3,
NbO2, Nb2O5, MoO, Mo2O3, MoO2, Mo2O5, MoO3, RuO,
Ru2O3, RuO2, RuO4, Rh2O3, RhO2, RhO3, PdO, Pd2O3,
PdO2, Ag2O, AgO, CdO, In2O, In2O3, SnO, SnO2, SnO
2-x (1<x<2), Sb2O3, Sb2O4, Sb2O5, TeO, TeO2, TeO3,
BaO, La2O3, CeO2, Ta2O5, TaO2, Ta2O3, WO2, W2O5,
WO 3, OsO, Os2O3, OsO2, OsO3, OsO4, IrO2, Ir2O3, Pt
O, Pt2O3, Pt3O4, PtO2, PtO3, HgO, Tl2O, Tl2O3, Pb2
O, PbO, Pb3O4, Pb2O3, PbO2, BiO, Bi2O3, Bi2O5,ThO2
等が挙げられる。これら金属酸化物は、単一の酸化物の
他、2種以上の酸化物の混合物であっても良い。
【0070】さらに、各種の複合酸化物であっても良
い。例えば、LiAlO2, Li2GeO3, Li2MoO4, LiNbO3, LiTa
O3, Li2TiO3, LiTi2O4, LiVO3, LixV2O5 (0.1<x<0.7),
Li2WO4, Li2ZrO3, MgAl2O4, MgFe2O4, MgMoO4, MgIn
2O4, MgSnO3, Mg2SnO4-SnO2[Mg2SnO4:SnO2(モル比)=2:9
8〜98:2], MgTiO3, MgWO4, MgZrO3, Al2TiO5, CaO-Al2O
3[CaO:Al2O3 (モル比)=2:98〜98:2], CaSnO3, CaTiO3,
CaWO4, CaxV2O5 (0.1<x<0.7), CaZrO3, CaMoO4, MnCo2O
4, MnCr2O4, MnFe2O4, MnTiO3, MnWO4, CoFe2O4, CoMoO
4, CoTiO3, CoWO4, NiCo2O4, NiFe2O4, NiTiO3, NiMo
O4, NiWO4, NiMnCo4O8,CuFe2O4, CuMoO4, CuTiO3, CuV2
O6, CuxV2O5 (0.1<x<0.7), CuWO4, CuCr2O4, SrFe2O4,
SeFe12O19, SrMoO4, SrNb2O6, SrSnO3, SrTa2O6, SrTiO
3, SrV2O6, SrWO4, SrZrO3, SrAl2O4, Ag2MoO4, Ag2W
O4, Ag2CrO4, AgVO3, AgxV2O5 (0.1<x<0.7), CdSnO3, C
dTiO3, CdMoO4, CdxV2O5 (0.1<x<0.7), CdWO4, CdZrO3,
In2O3-SnO 2[In2O3:SnO2 (モル比)=2:98〜98:2], InFeO
3, In3Fe5O12, In2O3-Fe2O3[In2O3:Fe2O3(モル比)=2:98
〜98:2], BaAl2O4, BaFe12O19, BaMoO4, BaNb2O6, BaCr
O4,BaTiO3, BaWO4, BaZrO3, BaSnO3, LaFeO3, La3Fe5O
12, La2Ti2O7, CeSnO4, CeTiO4, PbMoO4, PbNb2O6, PbT
iO3, PbV2O6, PbxV2O5 (0.1<x<0.7), PbWO4, PbZrO3, P
bCrO4, Pb(Zr, Ti)O3[Pb:(Zr+Ti) (モル比)=1:1であ
り、Zr:Ti(モル比)=2:98〜98:2], PbO-La2O3-ZrO2-Ti
O2, Bi2MoO6, Bi2Sn3O9, Bi2Ti2O7, BiWO6, 2Bi2O3-3Zr
O2等の他、Y-Ba-Cu-O系複合酸化物、Bi-Sr-Ca-Cu-O系複
合酸化物、Bi-Pb-Sr-Ca-Cu-O系複合酸化物等が挙げられ
る。これらは1種または2種以上とすることができる。
【0071】本発明の製造方法によると、上記の金属酸
化物の中でも、特にCo3O4, NiO, CuO, Fe2O3, Mn3O4, V
2O5等を酸化物ガラス中に均一に分散含有することがで
きる。
【0072】本発明により得られた金属酸化物微粒子分
散ガラスは、非線形光学素子等の光学素子、電子素子、
触媒デバイス材料、ガス・湿度・イオンセンサ素子等の
化学センサ素子、バイオセンサ素子、物理センサ素子な
どに好適に用いることができる。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、任意の形状の金属酸化
物微粒子分散ガラスを製造できる。例えば、所定の混合
物を成形する場合には、成形方法、鋳型の形などを適宜
選択することによって任意の形状のガラスを製造するこ
とができる。また所定の混合物を基体に塗布する場合に
は、基体表面が入り組んでいてもガラス薄膜を製造する
ことができる。
【0074】本発明によると、金属酸化物微粒子が均一
に分散した酸化物ガラスを製造することができる。
【0075】従来法であるスパッタリング法は、高真空
雰囲気下で行う必要があり、酸化物または金属のターゲ
ットを用いて、スパッタガス組成、放電時のインピーダ
ンス等を精密に制御しても、限られた種類の金属酸化物
の微粒子だけしかガラス中に分散含有させることができ
ないという制約がある。また、従来法である真空蒸着法
は、高真空雰囲気下で行う必要があり、融点が比較的低
い金属酸化物にしか適用できず、その適用範囲に制約が
ある。本発明によれば、金属化合物の種類、添加量など
を調整することなどによって、ガラス中の金属酸化物含
有率について所望の値に制御することができる。また、
本発明の方法は、高真空雰囲気下において行う必要はな
い。
【0076】従来法の多孔質ガラスを用いる方法では、
多孔質ガラスの特性(細孔径の大きさ、細孔容積など)に
よって、金属酸化物微粒子の大きさがきまる。そのた
め、市販の多孔質ガラスを用いる場合には、金属酸化物
微粒子の大きさを制御することができない。本発明で
は、ゲルまたはゾルの粘度を適宜調整することなどによ
って、金属酸化物微粒子の大きさを制御することができ
る。
【0077】また、本発明によれば、金属アルコキシド
および/またはアルコキシシランの種類、混合比などを
調整することによって、酸化物ガラスマトリックスの組
成を制御することができる。
【0078】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、
本発明をより具体的に説明する。本発明は、以下の実施
例に制限されるものではない。
【0079】実施例1 ジメチルジエトキシシラン5mlをエタノール10mlに加え
て、溶解した。この溶液に、1%硝酸(pH=1)1.5mlを加
え、1時間撹拌・放置して部分的に加水分解した。この
溶液に、メチルトリエトキシシラン5mlを加え、30分間
撹拌・放置して、更に部分的に加水分解することによ
り、シロキサンゾルを調製した。
【0080】次に、予め調製しておいたジルコニウムテ
トラプロポキシドを10倍量のジクロロメタンに溶解して
得た溶液を、上記シロキサンゾルに良く撹拌しながら加
えた。ジクロロメタン溶液の添加量は、最終的に得られ
るSiO2-ZrO2中のZrO2の比率(SiO2とZrO2の総量に対する
ZrO2の重量比)が5重量%となるようにした。
【0081】得られたSiおよびZr含有ゾルに、オクチル
酸コバルトのトルエン溶液(コバルト含有比率:8重量
%)を加えた。オクチル酸コバルトの添加量は、最終的
に得られる金属酸化物分散ガラス中において、Co3O4
含有比率が10重量%となるようにした。
【0082】得られた混合物の一部をガラス基板上また
は石英基板上にスピンコートにより塗布し完全にゲル化
した。スピンコートは、2000rpmで100秒間おこなった。
混合物の一部は、坩堝に注入し、坩堝中で完全にゲル化
した。いずれの場合も、室温で乾燥後、3℃/分で380℃
まで昇温し、スピンコート膜は1時間、坩堝中のゲルは4
時間、380℃で保持した。その結果、ガラス基板上に付
着した褐色透明ガラス薄膜、石英基板上に付着した褐色
透明ガラス薄膜および坩堝中の褐色透明ガラスの3種類
の形状のガラス(1-A)が得られた。坩堝中のガラスは、
坩堝内壁から外して坩堝から取り出した。
【0083】透過電子顕微鏡観察によって、得られた3
種類の形状のガラスの構造を調べた結果、粒径:5nm〜20
nm(平均粒子径:10nm)のCo3O4微粒子が、シリカとジルコ
ニアからなる透明ガラス(SiO2-ZrO2)中に分散してい
ることがわかった。また、吸収スペクトルには、波長41
0nm付近と720nm付近に、スピネル型Co3O4に特有の吸収
帯が見られ、ガラス中に分散含有された金属酸化物微粒
子がCo3O4であることが確認された。得られたCo3O4微粒
子分散SiO2-ZrO2ガラスの屈折率を波長633nmにおいてエ
リプソメーターで測定したところ、1.516であった。Co3
O4、SiO2およびZrO2の各屈折率と成分比率から計算され
た予想屈折率1.514とほぼ一致したことから、ガラス中
のCo3O4の含有比率が、仕込量の比率通りに10重量%に制
御されていることが示された。
【0084】次に、ジメチルジエトキシシランとメチル
トリエトキシシランの体積比(ジメチルジエトキシシラ
ン:メチルトリエトキシシラン)を、5:5に代えて、7:3
または6:4とした以外は、上記のガラス1-Aの製造方法に
従って、それぞれについて3種類の形状のガラス(1-Bお
よび1-C)を製造した。
【0085】また、1%硝酸の代わりに1%塩酸を用いた以
外は、上記方法に従って、3種類の形状のガラス1-Dを
製造した。
【0086】ガラス1-B、1-Cおよび1-Dは、ほぼガラス1
-Aと同様のガラスであった。最もクラックが少なく、酸
化物微粒子が最も均一に分散している点において、ガラ
ス1-Aが最も優れていたが、ガラス1-B、1-Cおよび1-Dも
充分満足できるものであった。
【0087】更に、SiO2-ZrO2ガラス中のZrO2の比率を5
重量%に代えて、5より大きく20重量%以下の範囲とした
以外は、上記のガラス1-Aの製造方法に従って、3種類
の形状のガラスを製造した。ZrO2の比率に拘わらず、酸
化物微粒子の均一性が高いガラスが得られた。ZrO2の比
率を高くするほど、より硬いガラスが得られた。一方、
ZrO2の比率が低いほど割れにくかった。ZrO2含有率が5
〜20重量%のガラスの中では、5重量%のガラスが最も好
適であった。
【0088】実施例2 オクチル酸コバルトのトルエン溶液(コバルト含有比
率:8重量%)を、最終的に得られる金属酸化物分散ガラ
ス中において、Co3O4の含有比率が30重量%となるように
加えた以外は、実施例1の1-Aの製造方法に記載の方法
に従って、ガラス基板上に付着した褐色透明薄膜、石英
基板上に付着した褐色透明薄膜および坩堝中の褐色透明
ガラスの3種類の形状のガラス(ガラス2-A)を製造し
た。坩堝中の褐色透明ガラスは、坩堝内壁から外して坩
堝から取り出すことができた。
【0089】これらの3種類の形状のガラスの構造を、
透過電子顕微鏡観察で調べた結果、粒径:5nm〜20nm(平
均粒子径:10nm)のCo3O4微粒子が、シリカとジルコニア
からなる透明ガラス(SiO2-ZrO2)中に分散しているこ
とがわかった。また、3種類の形状のガラスの吸収スペ
クトルには、波長400nm付近と660nm付近に、スピネル型
Co3O4に特有の吸収帯が見られ、ガラス中に分散含有さ
れた金属酸化物微粒子がCo3O4であることが確認され
た。得られたCo3O4微粒子分散SiO2-ZrO2ガラスの屈折率
を波長633nmでエリプソメーターで測定したところ、1.5
65であった。このガラスのCo3O4、SiO2およびZrO2の各
屈折率と成分比率から計算された予想屈折率1.552とほ
ぼ一致したことから、ガラス中のCo3O4の含有比率が仕
込量の比率通りに30重量%であることが判った。
【0090】次に、ジメチルジエトキシシランとメチル
トリエトキシシランの体積比(ジメチルジエトキシシラ
ン:メチルトリエトキシシラン)を、5:5に代えて、7:3
または6:4とした以外は、上記のガラス2-Aの製造方法に
従って、それぞれについて3種類の形状のガラス(2-Bお
よび2-C)を製造した。
【0091】また、1%硝酸の代わりに1%塩酸を用いた以
外は、上記のガラス2-Aの製造方法に従って、3種類の
形状のガラス2-Dを製造した。
【0092】ガラス2-B、2-Cおよび2-Dは、ほぼガラス2
-Aと同様のガラスであった。最もクラックが少なく、酸
化物微粒子が最も均一に分散している点において、ガラ
ス2-Aが最も優れていたが、ガラス2-B、2-Cおよび2-Dも
充分満足できるものであった。
【0093】更に、SiO2-ZrO2ガラス中のZrO2の比率を5
重量%に代えて、5より大きく20重量%以下の範囲とした
以外は、上記のガラス2-Aの製造方法に従って、3種類
の形状のガラスを製造した。ZrO2の比率に拘わらず、酸
化物微粒子の均一性が高いガラスが得られた。ZrO2の比
率を高くするほど、より硬いガラスが得られた。一方、
ZrO2の比率が低いほど割れにくかった。ZrO2含有率が5
〜20重量%のガラスの中では、5重量%のガラスが最も好
適であった。
【0094】実施例3 オクチル酸コバルトのトルエン溶液(コバルト含有率:
8重量%)を、最終的に得られる金属酸化物分散ガラス中
において、Co3O4の含有比率が40重量%となるように加え
た以外は、実施例1の1-Aの製造方法に従って、ガラス
基板上に付着した褐色透明薄膜、石英基板上に付着した
褐色透明薄膜および坩堝中の褐色透明ガラスの3種類の
形状のガラス(ガラス3-A)を製造した。坩堝中の褐色透
明ガラスは、坩堝内壁から外して坩堝から取り出すこと
ができた。
【0095】これらの3種類の形状のガラスの構造を、
透過電子顕微鏡観察ならびにX線回折で調べた結果、粒
径:5nm〜20nm(平均粒径:約10nm)のCo3O4微粒子が、シ
リカとジルコニアからなる透明ガラス(SiO2-ZrO2)中
に分散していることがわかった。また、3種類の形状の
吸収スペクトルには、波長400nm付近と680nm付近に、ス
ピネル型Co3O4に特有の吸収帯が見られ、ガラス中に分
散含有された金属酸化物微粒子がCo3O4であることが確
認された。得られたCo3O4微粒子分散SiO2-ZrO2ガラスの
屈折率を波長633nmでエリプソメーターで測定したとこ
ろ、1.575であった。結果が、このガラスのCo3O4、SiO2
およびZrO2の各屈折率と成分比率から計算された予想屈
折率:1.575と一致したことから、ガラス中のCo3O4の含
有比率が仕込量の比率通りに40重量%に制御されている
ことが判った。
【0096】次に、ジメチルジエトキシシランとメチル
トリエトキシシランの体積比(ジメチルジエトキシシラ
ン:メチルトリエトキシシラン)を、5:5に代えて、7:3
または6:4とした以外は、上記のガラス3-Aの製造方法に
従って、それぞれについて3種類の形状のガラス(3-Bと
3-C)を製造した。
【0097】また、1%硝酸の代わりに1%塩酸を用いた以
外は、ガラス3-Aの製造方法に従って、3種類の形状の
ガラス3-Dを製造した。
【0098】ガラス3-B、3-Cおよび3-Dは、ほぼガラス3
-Aと同様のガラスであった。クラックが少なく、酸化物
微粒子が均一に分散している点において、ガラス3-Aが
最も優れていたが、ガラス3-B、3-Cおよび3-Dも充分満
足できるものであった。
【0099】更に、SiO2-ZrO2ガラス中のZrO2の比率を5
重量%に代えて、5より大きく20重量%以下の範囲とした
以外は、上記のガラス3-Aの製造方法に従って、3種類
の形状のガラスを製造した。ZrO2の比率に拘わらず、酸
化物微粒子の均一性が高いガラスが得られた。ZrO2の比
率を高くするほど、より硬いガラスが得られた。一方、
ZrO2の比率が低いほど割れにくかった。ZrO2含有率が5
〜20重量%のガラスの中では、5重量%のガラスが最も好
適であった。
【0100】実施例4 ジメチルジエトキシシラン5mlを、エタノール5mlに加え
て溶解した。この溶液に、1%硝酸(pH=1)1mlを加え、40
分間撹拌・放置して加水分解した。次に、メチルトリエ
トキシシラン5mlを加え、1%硝酸をさらに1ml加えて、20
分間撹拌・放置して加水分解することにより、シロキサ
ンゾルを調製した。
【0101】次に、予め調製しておいたジルコニウムプ
ロポキシドを2倍量のジクロロエタンに溶解して得た溶
液を、上記シロキサンゾルに、良く撹拌しながら加え
た。ジクロロメタン溶液の添加量は、最終的に得られる
SiO2-ZrO2中のZrO2の比率(SiO2とZrO2の総量に対するZr
O2の重量比)が5重量%となるようにした。
【0102】得られたゾルに、オクチル酸ニッケルのト
ルエン溶液(ニッケル含有率:6重量%)を加えて溶解し
た。オクチル酸ニッケルの添加量は、最終的に得られる
金属酸化物分散ガラス中において、NiOの含有比率が10
重量%となるようにした。
【0103】得られた混合物の一部をガラス基板上また
は石英基板上にスピンコートにより塗布し完全にゲル化
した。スピンコートは、2000rpmで100秒間おこなった。
混合物の一部は、坩堝に注入し、坩堝中において完全に
ゲル化した。室温で乾燥後、100℃で乾燥し、その後3℃
/分で400℃まで昇温し、スピンコート膜は1時間、坩堝
中のゲルは、4時間400℃で保持した。その結果、ガラス
基板上に付着した褐色透明ガラス薄膜、石英基板上に付
着した褐色透明ガラス薄膜および坩堝中の褐色透明ガラ
スの3種類の形状のガラス(ガラス4-A)が得られた。坩
堝中の褐色透明固体は、坩堝内壁から外して坩堝から取
り出すことができた。
【0104】X線回折と吸収スペクトル測定で、得られ
た3種類の形状のガラスの構造を調べた結果、平均粒径
約10nmのNiOが、含有比率10重量%で、シリカとジルコニ
アからなる透明ガラス(SiO2-ZrO2)中に分散している
ことがわかった。
【0105】実施例5 オクチル酸ニッケルのトルエン溶液(ニッケル含有率:
8重量%)を、最終的に得られる金属酸化物分散ガラス中
において、NiOの含有比率が20重量%となるように加えた
以外は、実施例4に記載の方法に従って、ガラス基板上
に付着した褐色透明ガラス薄膜、石英基板上に付着した
褐色透明ガラス薄膜および坩堝中の褐色透明ガラスを製
造した。坩堝中の褐色透明固体は、坩堝内壁から外して
坩堝から取り出すことができた。
【0106】X線回折と吸収スペクトル測定で、得られ
た3種類の形状のガラスの構造を調べた結果、平均粒径
約10nmのNiOが、含有比率20重量%で、シリカとジルコニ
アからなる透明ガラス(SiO2-ZrO2)中に分散している
ことがわかった。
【0107】実施例6 オクチル酸ニッケルのトルエン溶液(ニッケル含有率:
8重量%)を、最終的に得られる金属酸化物分散ガラス中
において、NiOの含有比率が30重量%となるように加えた
以外は、実施例4に記載の方法に従って、ガラス基板上
に付着した褐色透明ガラス薄膜、石英基板上に付着した
褐色透明ガラス薄膜および坩堝中の褐色透明ガラスを製
造した。坩堝中の褐色透明固体は、坩堝内壁から外して
坩堝から取り出すことができた。
【0108】X線回折と吸収スペクトル測定で、得られ
た3種類の形状のガラスの構造を調べた結果、平均粒径
約10nmのNiOが、含有比率30重量%で、シリカとジルコニ
アからなる透明ガラス(SiO2-ZrO2)中に分散している
ことがわかった。
【0109】実施例7 オクチル酸ニッケルのトルエン溶液(ニッケル含有率:
8重量%)を、最終的に得られる金属酸化物分散ガラス中
において、NiOの含有比率が40重量%となるように加えた
以外は、実施例4に記載の方法に従って、ガラス基板上
に付着した褐色透明ガラス薄膜、石英基板上に付着した
褐色透明ガラス薄膜および坩堝中の褐色透明ガラスを製
造した。坩堝中の褐色透明固体は、坩堝内壁から外して
坩堝から取り出すことができた。
【0110】X線回折と吸収スペクトル測定で、得られ
た3種類の形状のガラスの構造を調べた結果、平均粒径
約10nmのNiOが、含有比率40重量%で、シリカとジルコニ
アからなる透明ガラス(SiO2-ZrO2)中に分散した構造
であることがわかった。
【0111】実施例8 実施例1と同様の方法に従って、シロキサンゾルを調製
した。次に、ジルコニウムテトラプロポキシドを10倍量
のジクロロメタンに溶解して得た溶液を、先に調製した
シロキサンゾルに、最終的に得られるSiO2-ZrO2ガラス
中のZrO2の比率が10重量%となるように、良く撹拌しな
がら加えた。
【0112】得られたゲルに、オクチル酸鉄のトルエン
溶液(鉄含有率:6重量%)を、最終的に得られる金属酸
化物分散ガラス中において、Fe2O3の含有比率が30重量%
となるように加えて溶解した。
【0113】得られた混合物の一部をガラス基板上また
は石英基板上にスピンコートにより塗布し完全にゲル化
した。スピンコートは、2000rpmで100秒間おこなった。
混合物の一部は、坩堝に注入し、坩堝中おいて完全にゲ
ル化した。いずれの場合も、室温で乾燥後、3℃/分で3
80℃まで昇温し、スピンコート膜は1時間、坩堝中のゲ
ルは4時間380℃で保持した。その結果、ガラス基板上に
付着した褐色透明ガラス薄膜、石英基板上に付着した褐
色透明ガラス薄膜および坩堝中の褐色透明ガラスの3種
類の形状のガラスが得られた。坩堝中の褐色透明固体
は、坩堝内壁から外して坩堝から取り出すことが可能で
あった。
【0114】吸収スペクトル測定等によって、得られた
3種類の形状のガラスの構造を調べた結果、得られたガ
ラスは、Fe2O3微粒子が含有比率30重量%で分散含有した
SiO2-ZrO2ガラスであることが示された。
【0115】実施例9 ナフテン酸銅のトルエン溶液(銅含有率:5重量%)を、
最終的に得られる金属酸化物分散ガラス中において、Cu
Oの含有比率が30重量%となるように加えた以外は、実施
例8に記載の方法に従って、ガラス基板上に付着した褐
色透明薄膜、石英基板上に付着した褐色透明薄膜および
坩堝中の褐色透明ガラスの3種類の形状のガラスを製造
した。坩堝中の褐色透明ガラスは、坩堝内壁から外して
坩堝から取り出すことができた。
【0116】これら3種類の形状のガラスについて、吸
収スペクトル測定等で調べた結果、得られたガラスはCu
O微粒子が含有比率30重量%で分散含有したSiO2-ZrO2
ラスであることが示された。
【0117】実施例10 シリコンのアルコキシド、ジルコニウムのアルコキシド
を原料として得たゲルに、Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni,
Cu, Zn, Sr, Y, In, Sn, Ce, Irおよび Biのそれぞれ
の金属の塩の溶液を混合することによってゲルを調製
し、実施例9と同様にして、得られたゲルを塗布あるい
は鋳型等を用いて薄膜あるいは任意の形状の固体とした
後に、大気中で熱処理すると、TiO2、V2O5、Cr2O3、Mn3
O4、ZnO、SrO、Y2O3、In2O3、SnO2、CeO2、IrO2またはB
i2O3の微粒子を分散含有したSiO2-ZrO2ガラスを製造す
ることができる。
【0118】比較例1 実施例1の1-Aの製造方法において、金属アルコキシド
およびアルコキシシランなどを使用せずに、金属塩であ
るオクチル酸コバルトのトルエン溶液だけを坩堝に入
れ、加熱処理した。金属酸化物のみが生成し、透明酸化
物ガラスは得られなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で製造した1-Aのうち、ガラス基板上に
形成したCo3O4微粒子分散SiO2-ZrO2ガラス薄膜(Co3O4
有比率:10重量%)の微細構造を示す透過電子顕微鏡写真
である。濃色部分は、Co3O4微粒子を示し、淡色部分はS
iO2-ZrO2ガラスを示す。
【図2】実施例2で製造した2-Aのうち、ガラス基板上に
形成したCo3O4微粒子分散SiO2-ZrO2ガラス薄膜(Co3O4
有比率:30重量%)の微細構造を示す透過電子顕微鏡写真
である。濃色部分は、Co3O4微粒子を示し、淡色部分はS
iO2-ZrO2ガラスを示す。
【図3】実施例3で製造した3-Aのうち、ガラス基板上に
形成したCo3O4微粒子分散SiO2-ZrO2ガラス薄膜(Co3O4
有比率:40重量%)の微細構造を示す透過電子顕微鏡写真
である。濃色部分は、Co3O4微粒子を示し、淡色部分はS
iO2-ZrO2ガラスを示す。
フロントページの続き (72)発明者 ピエール オドゥベール フランス国 94235 カシャンセデックス プレジデントウィルソンアベニュー61 エコール ノルマール シュピエリオール ドゥ カシャン内 Fターム(参考) 4G014 AH02 4G042 DA01 DB11 DB33 DC03 DD11 DE08 DE09 DE12 4G062 AA15 BB01 CC05 DA02 DB01 DB02 DC01 DD01 DE01 DF01 EA01 EA02 EA10 EB01 EC01 ED01 EE01 EF01 EF02 EG01 EG02 FA01 FA10 FB01 FB02 FC01 FC02 FD01 FD02 FE01 FF01 FF02 FG01 FG02 FH01 FH02 FJ01 FK01 FK02 FL01 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH18 HH20 JJ01 JJ03 JJ04 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM04 MM21 MM31 NN40 PP01 PP03 PP04 PP09

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属アルコキシドおよびアルコキシシラン
    からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含
    有する有機溶媒溶液を加水分解することにより得たゾル
    またはゲルに、有機酸金属塩、無機酸金属塩および錯体
    からなる群から選択される少なくとも1種の金属化合物
    を含む溶液を添加し、得られた混合物を成形し、得られ
    た成形体を300〜800℃において熱処理することを特徴と
    する金属酸化物の微粒子を分散含有した酸化物ガラスの
    製造方法。
  2. 【請求項2】金属アルコキシドおよびアルコキシシラン
    からなる群から選択される少なくとも1種の酸化物ガラ
    スの原料を含有する溶液を加水分解することにより得た
    ゾルまたはゲルに、有機酸金属塩、無機酸金属塩および
    錯体からなる群から選択される少なくとも1種の金属化
    合物を含む溶液を添加し、得られた混合物を基体に塗布
    し、塗布された基体を300〜800℃において熱処理するこ
    とを特徴とする金属酸化物の微粒子を分散含有した酸化
    物ガラスの製造方法。
  3. 【請求項3】有機溶媒溶液の溶媒が、アルコールおよび
    ハロゲン化有機溶媒からなる群から選択される少なくと
    も1種の有機溶媒である請求項1に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】有機酸金属塩に含まれる有機酸1分子に含
    まれる炭素数が、4〜30である請求項1〜3のいずれか
    に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】有機酸金属塩に含まれる有機酸が、置換基
    を有していても良い飽和脂肪酸、置換基を有していても
    良い脂環式カルボン酸、不飽和脂肪酸および芳香族カル
    ボン酸からなる群から選択される少なくとも1種である
    請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 【請求項6】有機酸金属塩が、ナフテン酸塩、オクチル
    酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩および酢酸塩から
    なる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜
    5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 【請求項7】無機酸金属塩が、硝酸塩、塩酸塩および硫
    酸塩からなる群から選択される少なくとも1種である請
    求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 【請求項8】錯体1分子に含まれる全炭素数が、4〜3
    0である請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 【請求項9】錯体が、アセチルアセトナト金属錯体であ
    る請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 【請求項10】基体が、透明性基体である請求項2に記
    載の製造方法。
  11. 【請求項11】基体が、光反射性基体である請求項2に
    記載の製造方法。
  12. 【請求項12】金属アルコキシドが、ジルコニウムのア
    ルコキシド、チタンのアルコキシド、リチウムのアルコ
    キシド、バリウムのアルコキシド、ストロンチウムのア
    ルコキシド、ハフニウムのアルコキシド、ランタンのア
    ルコキシド、ゲルマニウムのアルコキシド、アルミニウ
    ムのアルコキシド、タンタルのアルコキシド、ニオブの
    アルコキシド、バナジウムのアルコキシドおよびアンチ
    モンのアルコキシドからなる群から選択される少なくと
    も1種である請求項1〜11のいずれかに記載の製造方
    法。
  13. 【請求項13】金属アルコキシドおよびアルコキシシラ
    ンが、メチルトリエトキシシラン(TEMS)、ジメチルジエ
    トキシシラン(DEDMS)、テトラエトキシシラン、3-アミ
    ノプロピルトリメトキシシラン(APS)、ジルコニウムテ
    トラプロポキシド、テトライソプロポキシジルコニウ
    ム、テトライソプロポキシチタン、イソプロプキシリチ
    ウム、ジメトキシバリウム、ジメトキシストロンチウ
    ム、テトライソプロポキシハフニウム、トリイソプロポ
    キシランタン、テトラエトキシゲルマニウム、トリイソ
    プロポキシアルミニウム、タンタル(V)エトキシド、ニ
    オブ(V)エトキシド、バナジウム(V)オキシトリエトキシ
    ドおよびトリエトキシアンチモンからなる群から選択さ
    れる少なくとも1種である請求項1〜12のいずれかに
    記載の製造方法。
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