JP2003246140A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2003246140A JP2002047503A JP2002047503A JP2003246140A JP 2003246140 A JP2003246140 A JP 2003246140A JP 2002047503 A JP2002047503 A JP 2002047503A JP 2002047503 A JP2002047503 A JP 2002047503A JP 2003246140 A JP2003246140 A JP 2003246140A
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Katsuhiko Tani
克彦 谷
Hiroko Tashiro
浩子 田代
Chikayuki Iwata
周行 岩田
Hajime Yuzurihara
肇 譲原
Eiko Suzuki
栄子 鈴木
Miki Mizutani
未来 水谷
Nobuaki Onaki
伸晃 小名木
Yuji Miura
裕司 三浦
Kazunori Ito
和典 伊藤
Yoshiyuki Kageyama
喜之 影山
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高線速高密度化に対応可能で、繰返し特性と
保存特性に優れた光記録媒体の提供。 【解決手段】 (1)電磁波を照射することにより、記
録層が結晶相と非晶相の間で相転移させることで情報の
記録、再生、消去を行う相変化型記録媒体において、該
記録層がSb、Te、元素A及び元素Bを含有し、結晶
相と非晶相との相転移の際に、元素Aからみた(元素A
を中心とする)局所構造が、相転移前後で類似してお
り、元素Bからみた(元素Bを中心とする)局所構造
が、相転移前後で異なる光記録媒体。 (2)元素Aと元素Bが、Teに重みを置いて(主とし
てTeに)結合している請求項1記載の光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体に関
し、更に詳しくは、光ビームを照射することにより相変
化材料からなる記録層に光学的な変化を生じさせて、情
報の記録再生を行う書換え可能な光記録媒体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】レーザビーム照射による情報の記録、再
生及び消去可能な光記録媒体の一つとして、結晶−非結
晶間又は結晶−結晶間の相転移を利用する、いわゆる相
変化型光ディスクが知られている。このディスクは、単
一ビームによるオーバライトが可能な為、コンピュータ
関連や映像、音響に関する記録媒体として応用されてい
る。その記録材料としては、GeTe、GeTeSe、
GeTeS、GeSeS、GeSeSb、GeAsS
e、InTe、SeTe、SeAs、GeTe(Sn、
Au、Pd)、GeTeSeSb、GeTeSb、Ag
InSbTe等がある。特に、AgInSbTe系は、
高感度でアモルファス部分の輪郭が明確であるという特
徴を有し、マークエッジ記録用の記録層として開発され
ている(特開平3−231889号公報、特開平4−1
91089号公報、特開平4−232779号公報、特
開平4−267192号公報、特開平5−345478
号公報、特開平6−166266号公報等参照)。ま
た、特開平1−303643号公報には、Sb−Teを
主成分とし、これにAg、In、Ga、Si等を添加し
た記録材料で単一なγ層を有するものが開示されてい
る。
【0003】上記特開平3−231889号公報には、
IをI族元素、IIIをIII族元素、VをV族元素、VIをVI
族元素として、I・(III1-γγ)・VI型の一般式
で表される記録層が開示されているが、このような記録
層では、繰返し記録特性に問題がある。また、上記特開
平4−191089号公報に開示された光記録媒体に使
用されている記録層によると、消去比の向上と高速記録
とは達成されるものの、繰返し記録特性に課題が残って
いる。更に、上記特開平4−232779号公報に開示
された光記録媒体に使用されている記録層のみの記録部
分(結晶化部分)の構造は、安定層(AgSbTe
とこの安定層の周囲に存在するアモルファス相とが混在
したものとなっており、このため、繰返し記録特性は向
上するものの、結晶化部に微細な結晶粒界が存在するこ
とになり、ノイズ発生の原因となる。このノイズは、波
長が780nm程度のレーザ光を記録再生に使用するC
D−RW(Compact Disk−Rewrita
ble)等のような比較的低い記録密度を有する光記録
媒体の記録特性には重大な悪影響を与えないが、波長6
80nm以下のレーザ光を使用し、記録密度がCD−R
Wの約4倍であるDVD(Digital Versa
tile Disk)−RAMや、更に高密度なDVD
−RW等では、高密度記録を実現する上で障害となる。
また、繰返し記録特性においても問題が残っている。
【0004】上記特開平4−267192号公報で使用
されている記録層の結晶化部分の構造は、一様なアモル
ファス相から相分離したAgSbTeとその他の相
(安定相又はアモルファス相)との混相状態である。そ
して、その他の相がアモルファス相である場合には、上
記特開平4−232779号公報に開示された記録媒体
の場合と同様な問題があり、その他の相が安定結晶相で
ある場合には、後述するように、良好な記録特性が得ら
れないという課題がある。また、上記特開平1−303
643号公報において開示された記録媒体では、単一な
γ層が得られ、良好な繰返し特性が得られたとしている
が、このγ層がどのような結晶構造をしているかについ
ては言及しておらず、今後の高線速、高密度対応の光記
録媒体を実現する上で問題を有するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解消した、高線速高密度化に対応可能で、
繰返し特性と保存特性に優れた光記録媒体の提供を目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、記録層の
構造に着目して鋭意検討を重ねた結果、記録層を構成す
る元素の周囲の局所構造が、記録媒体の繰り返し特性や
保存特性に大きな影響を与えることを解明し、この知見
に基づいて上記課題が解決できるということを見出し、
本発明を完成するに至った。即ち、上記課題は、次の
1)〜7)の発明によって解決される。 1) 電磁波を照射することにより、記録層が結晶相と
非晶相の間で相転移させることで情報の記録、再生、消
去を行う相変化型記録媒体において、該記録層がSb、
Te、元素A及び元素Bを含有し、結晶相と非晶相との
相転移の際に、元素Aからみた(元素Aを中心とする)
局所構造が、相転移前後で類似しており、元素Bからみ
た(元素Bを中心とする)局所構造が、相転移前後で異
なることを特徴とする光記録媒体。 2) 元素Aと元素Bが、Teに重みを置いて(主とし
てTeに)結合していることを特徴とする1)記載の光
記録媒体。 3) Sbの周囲の局所構造におけるSbと周囲の元素
との結合距離が、非晶相の場合に2.9±0.1Åであ
り、結晶相の場合に2.8±0.1Åと3.1±0.1
Åの二種類であること、及び/又は、Sbの周囲の局所
構造におけるSbの結合配位数が、非晶相の場合に3で
あり、結晶相の場合に2と4の二種類であることを特徴
とする1)又は2)記載の光記録媒体。 4) Teの周囲の局所構造におけるTeと周囲の元素
との結合距離が、非晶相の場合に2.8±0.1Åであ
り、結晶相の場合に2.9±0.1Åと3.1±0.1
Åの二種類であること、及び/又は、Teの周囲の局所
構造におけるTeの結合配位数が、非晶相の場合に2で
あり、結晶相の場合に2と1の二種類であることを特徴
とする1)〜3)の何れかに記載の光記録媒体。 5) 元素A及び/又は元素Bの周囲の局所構造におけ
る元素A及び/又は元素Bと周囲の元素との結合距離
が、Sb及びTeの周囲の局所構造におけるSb及びT
eと周囲の元素との結合距離よりも短いことを特徴とす
る1)〜4)の何れかに記載の光記録媒体。 6) 元素Aが、In、Sm、Al、Sn、Nd、G
a、Reの中から選ばれた少なくとも一つの元素であ
り、元素Bが、N、Ru、Rh、Ge、Cu、O、Fe
の中から選ばれた少なくとも一つの元素であることを特
徴とする1)〜5)の何れかに記載の光記録媒体。 7) 記録層を構成する材料の組成式をAαBβSbγ
Teδとするとき、α、β、γ、δが、1≦α≦8、2
≦β≦5、61≦γ≦79、14≦δ≦31の範囲にあ
ることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の光記
録媒体。(ここで、元素Aは、In、Sm、Al、S
n、Nd、Ga、Reの中から選ばれた少なくとも一つ
の元素、元素Bは、N、Ru、Rh、Ge、Cu、O、
Feの中から選ばれた少なくとも一つの元素であり、
α、β、γ、δは原子%で、α+β+γ+δ=100で
ある。)
【0007】以下、上記本発明について詳しく説明す
る。本発明の光記録媒体の記録層は、SbとTeを含有
し、これに元素Aと元素Bが添加され、前記本発明1の
ような局所構造を有するものであって、これにより高密
度高線速に対応できる高速結晶化及び繰返し特性と保存
特性に優れた光記録媒体を提供することができる。本発
明の光記録媒体は、SbとTeを含有するものである
が、SbとTeのみから成る記録材料は、結晶化温度が
120℃前後の為、長期的にみると記録マークの結晶化
が進み、マークが消失してしまうので保存特性に問題を
有する。また、高線速化、例えば、線速が15m/s以
上の線速に応じてオーバライトできる高速結晶化が困難
であるという問題点を有する。
【0008】そこで鋭意検討した結果、記録層の局所構
造がこれらの問題を解決する為の鍵となっていることを
突き止めた。具体的には、SbとTeに元素Aを加えた
記録層が結晶層と非晶相の間で相転移した際、この記録
層の元素Aから見た(元素Aを中心とする)局所構造
が、相転移前後で類似している時に、高速結晶化が達成
されることが分った。これは、元素Aを添加しても、相
転移の前後において、その周囲の局所構造に大きな変化
を与えないこと、即ち、非晶構造から僅かの局所構造の
変化で、結晶構造に移行できることを意味し、結晶化速
度が速いことにつながる。なお、局所構造の解析には、
EXAFS(広域X線吸収微細構造)を用いた。上記の
ような特性を有する元素Aとしては、In、Sm、A
l、Sn、Nd、Ga、Re等が挙げられる。
【0009】一方、SbとTeに元素Bを加えた記録層
が結晶層と非晶相の間で相転移した際、この記録層の元
素Bから見た(元素Bを中心とする)局所構造が、相転
移前後で異なるようにすれば、保存特性が向上すること
が分った。その理由については現在検討中であるが、相
転移前後の局所構造が異なることにより、非晶相(記録
状態)から結晶相(消去状態)への経時変化が難しくな
り(抑制され)、非晶相が安定状態に保たれる為と考え
られる。上記のような特性を有する元素Bとしては、
N、Ru、Rh、Ge、Cu、O、Fe等が挙げられ
る。また、元素Aと元素Bは、Teに重みを置いて、即
ち、主にTeと結合させることにより、記録時のアモル
ファス化を容易にし、記録感度の向上を図ることができ
ることが分った。更に、元素A及び/又は元素Bの局所
構造における、元素A及び/又は元素Bと周囲の元素と
の結合距離を、Sb及びTeの周囲の局所構造における
Sb及びTeと周囲の元素との結合距離よりも短くする
ことにより、記録層全体の結合エネルギーを増加させる
ことができるので、記録・消去の繰返しに対しても安定
となり、繰返し特性を向上させることができる。
【0010】更に、Sbの周囲の局所構造においては、
Sbと周囲の元素との結合距離が、非晶相の場合に2.
9±0.1Å程度、結晶相の場合に2.8±0.1Å程
度と3.1±0.1Å程度の二種類、そしてSbの結合
配位数が、非晶相の場合に3程度、結晶相の場合に2と
4程度の二種類とし、Teの周囲の局所構造において
は、Teと周囲の元素との結合距離が、非晶相の場合に
2.83±0.1Å程度、結晶相の場合に2.9±0.
1Åと3.1±0.1Å程度の二種類、そしてTeの結
合配位数が、非晶相の場合に2程度、結晶相の場合に2
と1程度の二種類とすることにより、繰返し特性の優れ
た記録層を得ることが出来る。しかし、このような結果
が得られる理由については今のところ不明である。
【0011】以上のような記録層の局所構造を実現する
には、記録層を構成する材料の組成式をAαBβSbγ
Teδとするとき、α、β、γ、δが、1≦α≦8、2
≦β≦5、61≦γ≦79、14≦δ≦31の範囲にあ
る材料が望ましい。(ここで、元素Aは、In、Sm、
Al、Sn、Nd、Ga、Reの中から選ばれた少なく
とも一つの元素、元素Bは、N、Ru、Rh、Ge、C
u、O、Feの中から選ばれた少なくとも一つの元素で
あり、α、β、γ、δは原子%で、α+β+γ+δ=1
00である。) α、β、γ、δが上記組成範囲を外れると、局所構造が
前述の構造と異なったものとなり、保存特性、繰返し特
性が劣化し、高線速に対応した高速結晶化が難しくな
る。更に、波長の異なる二つの半導体レーザを用いて初
期結晶化を行なうと、前述の局所構造を実現し易い。ま
た、成膜時のスパッタ用の希ガスとして、Arと、N
e、Kr、Xeの中から選ばれた少なくとも一つとの混
合物を用いてもよい。但し、このような方法により、何
故、前述の局所構造が現れるのかについては現在解明中
である。
【0012】次に、本発明の光記録媒体の構成を図面に
基づいて説明する。図1は、本発明の光記録媒体の層構
成の一例を示す断面図であり、基板1上に下部耐熱保護
層2、記録層3、上部耐熱保護層4、反射放熱層5を有
する。耐熱保護層は、必ずしも記録層の両側に設ける必
要はないが、基板1がポリカボネート樹脂のような耐熱
性の低い材料からなる場合には、下部耐熱保護層を設け
ることが望ましい。基板1の材料は、通常、ガラス、セ
ラミックス又は樹脂であり、成形性、コストの点から樹
脂基板が好適である。樹脂の代表例としては、ポリカー
ボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチ
レン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、ポ
リエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹
脂、フッ素樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂等が挙げら
れるが、加工性、光学特性等の点からポリカーボネート
樹脂が好ましい。また、基板の形状は、ディスク状、カ
ード状又はシート状の何れであってもよい。
【0013】耐熱保護層、即ち誘電体層は、(ZnS)
・(SiO)を用いてスパッタ法により膜形成を行な
う。この誘電体層は、耐熱保護層としての機能と光干渉
層としての機能を有することから、これらの機能を最大
限に活かすことが必要であり、そのためには、膜厚を、
200〜3000Å、好ましくは350〜2000Åと
する。200Å未満の場合は、耐熱保護層としての機能
が失われ、又、3000Åを超えると界面剥離が生じ易
くなるので好ましくない。また、本発明の記録層は、一
般的にはスパッタ法により膜形成を行う。膜厚は、10
0〜1000Å、好ましくは200〜350Åとする。
100Åより薄いと、光吸収能が低下して記録層として
の機能を失うし、1000Åより厚いと、透過光が少な
くなるため、干渉効果が期待できなくなる。反射放熱層
にはAg合金が用いられ、通常スパッタ法により膜形成
を行う。膜厚は、500〜2000Å、好ましくは70
0〜1500Åとする。
【0014】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によっ
て、何ら限定されるものではない。
【0015】実施例1〜10、比較例1〜3 トラックピッチ0.7μm、溝深さ400Å、厚さ0.
6mm、直径120mmΦのポリカーボネート基板上
に、表1に示す各材料からなる下部耐熱保護層、記録
層、上部耐熱保護層、反射放熱層を順次スパッタ法によ
り設け、更に反射放熱層の上に、スピンコート法により
環境保護層を設けて記録媒体を得た。次に、得られた記
録媒体に対し、波長830nmの半導体レーザと波長6
50nmの半導体レーザを用いて初期結晶化を行った。
一方、記録膜の構造解析用試料を別途作成し、EXAF
S(広域X線吸収微細構造)により解析した。その結果
を、実施例1と比較例1について表2に示す。実施例2
〜10のEXAFSによる局所構造の値は示していない
が、Sb及びTeの周囲の結合距離、結合配位数の値
は、請求項3、4に記載した値の範囲内にあり、元素A
及びBの周囲の結合距離は、元素Aの場合、非晶相、結
晶相何れも2.6±0.1Åの範囲内にあり、結合配位
数は3±1である。また、元素Bの場合、結合距離は、
非晶相で2.6±0.1Å、結晶相で2.7±0.1Å
の範囲にあり、結合配位数は、非晶相で3±1、結晶相
で2〜3の範囲にある。図2、図3はEXAFSスペク
トル、図4、図5は動径分布関数を示す。図2、図3の
横軸は照射X線エネルギー、縦軸は吸収量である。ま
た、図4、図5の横軸は原子間距離、図4(a)の縦軸
はSbのEXAFSのフーリエ変換、図4(b)の縦軸
はTeのEXAFSのフーリエ変換、図5(a)の縦軸
はGaのEXAFSのフーリエ変換、図5(b)の縦軸
はGeのEXAFSのフーリエ変換である。得られた記
録媒体の評価としては、記録線速、記録パワーを11m
/s(13mW)、13m/s(15mW)、15m/
s(17mW)の三種とし、EFMランダムパターンで
オーバライトの繰返しを行ない、3T信号のジッター値
で記録マークの再生信号を評価した。また、保存特性に
ついては、オーバーライト1回記録の記録媒体を、80
℃、85%温湿下で300時間保持した後の、オーバー
ライト1回目の記録マークの3T再生信号のジッター値
で評価した。その結果を表3に示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】上記表2に示したように、実施例1及び比
較例1の何れも、元素AであるGa、元素BであるG
e、Fe共にTeとの結合が主であることが判明した。
結合距離と結合配位数については、本発明の組成範囲に
ある実施例1の場合、元素AであるGaの周囲の局所構
造の結合距離と結合配位数は、非晶相と結晶相の間で殆
んど違いがなく、局所構造は極めて類似していることが
分る。また、元素BであるGeとFeの周囲の局所構造
は、非晶相と結晶相の間で大きな差があることが分る
(なお、Feの結晶相の結合配位数は、測定信号が小さ
い為に求められなかった)。また、SbとTeの周囲の
局所構造は、結晶相の場合は結合距離、結合配位数共に
2種類あることが分り、これは本実施例の記録材料の構
造が歪んでいることを示している。因みに、X線回折
(スペクトルは示していない)によれば、本実施例の記
録材料の構造はNaCl型であることが確認されている
ので、このNaCl型構造が歪んでいることを示唆して
いる。また、Ga、Ge、Fe共に、その結合距離は、
Sb及びTeの結合距離よりも小さいことが分る。
【0020】一方、比較例1の場合、実施例1の記録材
料と同じ元素で構成されているが、その組成が本発明の
組成範囲を外れているため、元素AであるGaの局所構
造が非晶相と結晶相で異なり、元素BであるGeとFe
周囲の局所構造は、非晶相と結晶相の間で比較的類似し
ていて、実施例1と異なっていることが分る。また、表
3に示した信号特性の結果をみると、本発明の記録材料
は、実施例1〜10の各記録媒体において、記録線速1
1m/sec、13m/sec、15m/secの何れ
についても、比較的低い記録パワーで記録できており、
繰返し特性、保存特性も、比較例1に比べて極めて良好
であることが分る。これに対し、比較例2は、記録材料
がGe、Sb、Teからなり元素Aに相当する元素を含
まない場合であるが、この場合、信号特性は、記録線速
が13m/s、15m/sの高線速になると記録ができ
ないことが分る。
【0021】また、比較例3は記録材料がGa、Sb、
Teからなり元素Bに相当する元素を含まない場合であ
るが、この場合は、記録線速11m/s、13m/s、
15m/sの何れにおいてもマークは書けるものの、繰
返し特性及び保存特性が悪いことが分る。比較例2、3
については、局所構造の結果を示していないが、Ge及
びGaの周囲の局所構造は、実施例1と同様の結果が得
られており、このGeからみた局所構造が、相転移前後
で変化が大きな構造となり、また、Gaからみた局所構
造が、相転移前後で変化が少ない構造となることが、比
較例2の場合の繰返し特性と保存特性が良好である結果
となり、また、比較例3の場合の高線速記録が可能とい
う結果となる。但し、比較例2は、高線速化に対応でき
ず、比較例3は、繰返し特性と保存特性が悪い。このよ
うな比較例の欠点を解決したのが本発明である。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、高線速高密度化に対応
でき、繰返し特性と保存特性に優れた光記録媒体を提供
できるので、光情報記録分野の発展に寄与するところは
極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の層構成の一例を示す断面
図。
【図2】実施例1のGaGeFeSb73Te
20の非晶相と結晶相のSbとTeのEXAFSスペク
トル。 (a) SbのK吸収端スペクトル (b) TeのK吸収端スペクトル
【図3】実施例1のGaGeFeSb73Te
20の非晶相と結晶相のSbとTeのEXAFSスペク
トル (a) GaのK吸収端スペクトル (b) GeのK吸収端スペクトル
【図4】実施例1のGaGeFeSb73Te
20の非晶相と結晶相のSbとTeのEXAFSによる
動径分布関数。 (a) SbのEXAFSのフーリエ変換 (b) TeのEXAFSのフーリエ変換
【図5】実施例1のGaGeFeSb73Te
20の非晶相と結晶相のGaとGeのEXAFSによる
動径分布関数。 (a) GaのEXAFSのフーリエ変換 (b) GeのEXAFSのフーリエ変換
【符号の説明】
1 基板 2 下部耐熱保護層 3 記録層 4 上部耐熱保護層 5 反射放熱層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田代 浩子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 岩田 周行 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 譲原 肇 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 鈴木 栄子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 水谷 未来 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 小名木 伸晃 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 三浦 裕司 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 伊藤 和典 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 影山 喜之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H111 EA04 EA12 EA23 EA31 EA32 EA40 FA01 FB05 FB06 FB08 FB09 FB12 FB16 FB17 FB20 FB21 FB22 FB30 5D029 JA01 JB18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁波を照射することにより、記録層が
    結晶相と非晶相の間で相転移させることで情報の記録、
    再生、消去を行う相変化型記録媒体において、該記録層
    がSb、Te、元素A及び元素Bを含有し、結晶相と非
    晶相との相転移の際に、元素Aからみた(元素Aを中心
    とする)局所構造が、相転移前後で類似しており、元素
    Bからみた(元素Bを中心とする)局所構造が、相転移
    前後で異なることを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 元素Aと元素Bが、Teに重みを置いて
    (主としてTeに)結合していることを特徴とする請求
    項1記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 Sbの周囲の局所構造におけるSbと周
    囲の元素との結合距離が、非晶相の場合に2.9±0.
    1Åであり、結晶相の場合に2.8±0.1Åと3.1
    ±0.1Åの二種類であること、及び/又は、Sbの周
    囲の局所構造におけるSbの結合配位数が、非晶相の場
    合に3であり、結晶相の場合に2と4の二種類であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 Teの周囲の局所構造におけるTeと周
    囲の元素との結合距離が、非晶相の場合に2.8±0.
    1Åであり、結晶相の場合に2.9±0.1Åと3.1
    ±0.1Åの二種類であること、及び/又は、Teの周
    囲の局所構造におけるTeの結合配位数が、非晶相の場
    合に2であり、結晶相の場合に2と1の二種類であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の光記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 元素A及び/又は元素Bの周囲の局所構
    造における元素A及び/又は元素Bと周囲の元素との結
    合距離が、Sb及びTeの周囲の局所構造におけるSb
    及びTeと周囲の元素との結合距離よりも短いことを特
    徴とする請求項1〜4の何れかに記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 元素Aが、In、Sm、Al、Sn、N
    d、Ga、Reの中から選ばれた少なくとも一つの元素
    であり、元素Bが、N、Ru、Rh、Ge、Cu、O、
    Feの中から選ばれた少なくとも一つの元素であること
    を特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の光記録媒
    体。
  7. 【請求項7】 記録層を構成する材料の組成式をAαB
    βSbγTeδとするとき、α、β、γ、δが、1≦α
    ≦8、2≦β≦5、61≦γ≦79、14≦δ≦31の
    範囲にあることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記
    載の光記録媒体。(ここで、元素Aは、In、Sm、A
    l、Sn、Nd、Ga、Reの中から選ばれた少なくと
    も一つの元素、元素Bは、N、Ru、Rh、Ge、C
    u、O、Feの中から選ばれた少なくとも一つの元素で
    あり、α、β、γ、δは原子%で、α+β+γ+δ=1
    00である。)
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