JP2003245589A - 塗工装置用ロッド - Google Patents
塗工装置用ロッドInfo
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- JP2003245589A JP2003245589A JP2002044266A JP2002044266A JP2003245589A JP 2003245589 A JP2003245589 A JP 2003245589A JP 2002044266 A JP2002044266 A JP 2002044266A JP 2002044266 A JP2002044266 A JP 2002044266A JP 2003245589 A JP2003245589 A JP 2003245589A
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Abstract
じることを防止した塗工装置用ロッドを提供することを
課題とする。 【解決手段】 ロッド10は、耐磨耗性の皮膜14が表
面に形成された塗工装置用ロッドであって、母材12と
皮膜14との間に中間層13が設けられている。中間層
13の熱膨張係数は、母材12の熱膨張係数よりも小さ
くて皮膜14の熱膨張係数よりも大きい。これにより、
ロッド温度が変化して、母材12と皮膜14との熱膨張
係数の違いにより皮膜14に熱応力が生じても、中間層
13が緩和材として作用するので、皮膜14に生じる熱
応力を低減することができる。従って、皮膜14の成膜
中にロッド温度が変化したり、ロッド使用中にロッド表
面にせん断応力や垂直応力が加えられても、皮膜14に
クラックや剥離が生じ難い。
Description
表面に形成されている塗工装置用ロッドに関し、更に詳
細には、連続して走行するウエブ等の被塗布体に塗布液
を塗布するのに最適な塗工装置用ロッドに関する。
料、記録紙材料、感光性平板印刷版などを製造する際、
薄い金属板、紙、フィルム等からなるシート状或いはウ
エブ状の被塗布体(被塗工基材)を長手方向に連続走行
させつつ片面側に塗布液(感光液)を塗布することが広
く行われている。
塗工装置用ロッド(バー)を当接させ、ロッド表面に塗
布液を供給しつつ塗工装置用ロッドを回転させて塗布し
ていることが多い。なお、この塗布方法はバー塗布法と
呼ばれている。
表面改質処理が行われており、耐磨耗性の皮膜が形成さ
れていることが多い。皮膜の形成は、メッキ、物理蒸
着、化学蒸着等、様々な手法で行われ得る。
なクラック(チッピング)が生じるという問題があっ
た。この原因は、主として母材と被膜との熱膨張差が大
きいためであり、チッピングが生じることは塗工装置用
ロッドの生産性を向上させる上で大きな障害になってい
る。
向にそった溝が形成されている塗工装置用ロッドに限ら
ず、溝が形成されていない塗工装置用ロッドであっても
同様に生じていた。
の間に中間層を形成する例が、特開平6−64087や
特開2000−354808に開示されている。
ておらず、更なる対策を施すことが望まれている。
考慮して、表面に形成された形成にクラックや剥離が生
じることを防止した塗工装置用ロッドを提供することを
課題とする。
は、円柱状の母材と、前記母材の表面に形成された中間
層と、前記中間層の表面に形成された耐磨耗性の皮膜
と、を有することを特徴とする。
とを回避可能になる。
熱膨張係数が、前記母材の熱膨張係数よりも小さくて前
記皮膜の熱膨張係数よりも大きい、又は、前記母材の熱
膨張係数よりも大きくて前記皮膜の熱膨張係数よりも小
さいことを特徴とする。
と皮膜との熱膨張係数の違いにより皮膜に熱応力が生じ
ても、中間層がこの熱応力の緩和材として作用するの
で、皮膜に生じる熱応力を低減することができる。従っ
て、皮膜の成膜中にロッド温度が変化したり、ロッド使
用中にロッド表面にせん断応力や垂直応力が加えられて
も、皮膜にクラックや剥離が生じ難い。
際、熱膨張係数が母材に比べて大きく異ならないように
選定すると、常温時に皮膜に残留する熱応力を低減でき
るので、皮膜にクラックや剥離が生じることを防止する
上で好ましい。
複数層にわたって形成され、前記中間層を構成する各層
の熱膨張係数が、前記母材側から前記皮膜側にかけて、
順次上がる、又は、順次下がることを特徴とする。
が大きくても、皮膜に大きな熱応力が生じることを回避
できる。
膜厚が3〜12μmの範囲内であることを特徴とする。
3μm以下であると、磨耗を防止するための皮膜として
厚さが充分でなく、しかも、ロッド表面の粗さによって
皮膜表面が粗くなり皮膜の滑らかさを確保し難い。ま
た、12μm以上であると、皮膜のつき方にバラツキが
生じてしまい、均一な膜面が得られなくなる。
厚が0.2〜4.0μmの範囲内であることを特徴とす
る。
面の粗さによって皮膜表面が粗くなり、皮膜の滑らかさ
を確保し難い。また、膜厚が4.0μm以上であると、
皮膜にいわゆる欠けが生じ易くなる。
オンプレーティング法により成膜されたことを特徴とす
る。
温にすることができると共に、母材への皮膜の付着力を
強固にできる。
50℃以下の温度で形成されたことを特徴とする。
常温に戻ったときに皮膜に生じる熱応力(残留応力)を
充分に小さくし易い。
は、塗布液量調整を目的として、何らかの手段がとられ
ている。この手段として、ロッド表面にワイヤを巻き付
けておくことが簡易である(なお、ロッド表面にワイヤ
を巻き付けた塗工装置用ロッドは、いわゆるワイヤバー
と呼ばれる)。
イヤバーを用いると、ワイヤと母材との隙間に存在する
ガスにより、真空中での処理が困難になる。
して走行する被塗布体に塗布液を塗布する際に用いられ
る塗工装置用ロッドであって、前記被塗布体の塗布液量
調整を目的として、ロッド表面に溝を形成することによ
り凹凸を形成したことを特徴とする。
とによりロッド表面を凹凸にした塗工装置用ロッドは、
いわゆるワイヤレスバーと呼ばれ、このようなワイヤレ
スバーでは、上記の塗布液量調整を目的としたものが塗
工装置用ロッドに一体的に設けられている。従って、真
空中で塗布処理する場合、このようなワイヤレスバーを
用いることにより、良好に処理することができる。
ドライクカーボン)やTiN(窒化チタン)が好まし
い。その他、好ましい材質としては、TiCN、Cr
N、TiC、Al2O3、Cr2O3、SiO3、Ti
2O3、AlN、ZrN、SiCなどである。
ティングしても良いし、Ni、Cr、W、Coなどから
なる膜をメッキで形成してもよい。
実施の形態について説明する。なお、簡略のため、本発
明の実施の形態では、塗工装置用ロッドを単にロッドと
いう。
係るロッド10は、走行するウエブWへの塗布と塗布液
量の調整との両方を兼ねて行うロッドである。
材12の上に中間層13が成膜され、更に、中間層13
の上に耐磨耗性の皮膜14が成膜されたロッドである。
母材12はステンレス鋼製であることが多い。
ティング装置により成膜すると比較的低温で成膜できる
ので、これにより、成膜時と常温時とでのロッドの温度
差が小さくなり、皮膜14や中間層13にクラックや剥
離が生じ難い。
際、母材12、中間層13、及び皮膜14の各熱膨張係
数が、順次増大、又は順次低減するように選定する。
12と皮膜14との熱膨張係数の違いにより皮膜14に
熱応力が生じても、中間層13が緩和材として作用する
ので、各層の間にかかる熱応力は小さい。また、膜厚を
厚くすると欠けが生じ易い高硬度のセラミックを皮膜1
4として成膜しても、中間層13が成膜されていること
により、皮膜14から母材12までの膜厚を稼ぐことが
できるので、磨耗量も稼ぐことができる。
では、ロッド表面にチッピングが生じることが防止され
ている。従って、ロッド寿命が長くなり、使用するロッ
ドの本数が低減するので、大幅なコストダウンを実現で
きると共に、ロッドの交換頻度が低減して生産ラインの
稼動率が向上する。
mmφのステンレス鋼製の母材を用い、母材表面に中間
層と皮膜とを順次成膜したロッドを4種類(No.1〜
No.4)製造した。そして、これらのロッドを用い、
図1に示したように、走行するウエブWへの塗布と塗布
液量の調整との両方を兼ねて行うロッドとして、走行速
度60m/分で走行するウエブWに塗布液を塗布する実
験を行った。ロッドの回転方向Qは、ウエブWと接触す
るロッド表面がウエブ走行方向Pと同方向に移動するよ
うな回転方向である(図1参照)。塗布液の処方を表1
に示す。
結果を表3に、それぞれ示す。
張係数が順次低減(単調減少)するロッド、すなわちN
o.1及びNo.2のロッドでは、ウエブの塗布面状が
良好で、実験終了後のロッド表面状態も良好であった。
相対値が、中、大、小であるロッド、すなわちNo.3
のロッドでは、ウエブの塗布面状にはスリキが生じてお
り、実験終了後のロッド表面には欠けが多発していた。
また、中間層を設けないロッド、すなわちNo.4のロ
ッドでも、同様に、ウエブの塗布面状にスリキが生じ、
実験終了後のロッド表面に欠けが多発していた。
の実施の形態を説明したが、上記実施形態は一例であ
り、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施でき
る。例えば、ウエブWに塗布された塗布液の過剰分を掻
き落とすタイプ(図3参照)のロッド20としても適用
可能である。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に
限定されないことは言うまでもない。
果を奏することができる。
ッピングが生じることを回避可能になる。
膜中にロッド温度が変化したり、ロッド使用中にロッド
表面にせん断応力や垂直応力が加えられても、皮膜にク
ラックや剥離が生じ難い。
膜との熱膨張係数差が大きくても、皮膜に大きな熱応力
が生じることを回避できる。
として充分な厚さであり、膜厚のバラツキが生じ難い。
の皮膜として厚さが充分であり、また、皮膜の滑らかさ
を確保し易いと共に、皮膜に欠けが生じ難い。
皮膜温度を充分に低温にすることができると共に、母材
への皮膜の付着力を強固にできる。
成後、ロッド温度が常温に戻ったときに皮膜に生じる熱
応力(残留応力)を充分に小さくし易い。
内でのコーティング(成膜)が可能になる。
用いてウエブに塗布液を塗布することを示す側面断面図
である。
構成を示す部分拡大側面断面図である。
液の過剰分を掻き落とすタイプのロッドとして適用され
た例を示す側面断面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 円柱状の母材と、 前記母材の表面に形成された中間層と、 前記中間層の表面に形成された耐磨耗性の皮膜と、を有
することを特徴とする塗工装置用ロッド。 - 【請求項2】 前記中間層の熱膨張係数が、前記母材の
熱膨張係数よりも小さくて前記皮膜の熱膨張係数よりも
大きい、又は、前記母材の熱膨張係数よりも大きくて前
記皮膜の熱膨張係数よりも小さいことを特徴とする請求
項1に記載の塗工装置用ロッド。 - 【請求項3】 前記中間層が複数層にわたって形成さ
れ、 前記中間層を構成する各層の熱膨張係数が、前記母材側
から前記皮膜側にかけて、順次上がる、又は、順次下が
ることを特徴とする請求項2に記載の塗工装置用ロッ
ド。 - 【請求項4】 前記中間層の膜厚が3〜12μmの範囲
内であることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何
れか1項に記載の塗工装置用ロッド。 - 【請求項5】 前記皮膜の膜厚が0.2〜4.0μmの
範囲内であることを特徴とする請求項1〜請求項4のう
ち何れか1項に記載の塗工装置用ロッド。 - 【請求項6】 前記皮膜はイオンプレーティング法によ
り成膜されたことを特徴とする請求項1〜請求項5のう
ち何れか1項に記載の塗工装置用ロッド。 - 【請求項7】 前記皮膜は350℃以下の温度で形成さ
れたことを特徴とする請求項6に記載の塗工装置用ロッ
ド。 - 【請求項8】 連続して走行する被塗布体に塗布液を塗
布する際に用いられる塗工装置用ロッドであって、 前記被塗布体の塗布液量調整を目的として、ロッド表面
に溝を形成することにより凹凸を形成したことを特徴と
する請求項1〜請求項7のうち何れか1項に記載の塗工
装置用ロッド。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002044266A JP2003245589A (ja) | 2002-02-21 | 2002-02-21 | 塗工装置用ロッド |
US10/357,498 US6946031B2 (en) | 2002-02-08 | 2003-02-04 | Rod for a coating device, and process for producing the same |
EP03002830A EP1334778B1 (en) | 2002-02-08 | 2003-02-07 | Rod for a coating device, and process for producing the same |
CNB031042651A CN1301800C (zh) | 2002-02-08 | 2003-02-08 | 用在涂覆装置中的涂杆 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002044266A JP2003245589A (ja) | 2002-02-21 | 2002-02-21 | 塗工装置用ロッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003245589A true JP2003245589A (ja) | 2003-09-02 |
Family
ID=28659079
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002044266A Pending JP2003245589A (ja) | 2002-02-08 | 2002-02-21 | 塗工装置用ロッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003245589A (ja) |
-
2002
- 2002-02-21 JP JP2002044266A patent/JP2003245589A/ja active Pending
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