JP2003245339A - リン酸カルシウム−合成樹脂複合体及びその製造方法 - Google Patents

リン酸カルシウム−合成樹脂複合体及びその製造方法

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JP2003245339A
JP2003245339A JP2002046663A JP2002046663A JP2003245339A JP 2003245339 A JP2003245339 A JP 2003245339A JP 2002046663 A JP2002046663 A JP 2002046663A JP 2002046663 A JP2002046663 A JP 2002046663A JP 2003245339 A JP2003245339 A JP 2003245339A
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Tsuneo Hiraide
恒男 平出
Yukio Kubota
幸雄 久保田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた加工性、耐衝撃性及び生体適合性を有
するとともに水分に対して安定なリン酸カルシウム−合
成樹脂複合体、及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明のリン酸カルシウム−合成樹脂複
合体は、リン酸カルシウム粒子、予め少なくとも部分的
に架橋した合成樹脂粒子及び非架橋合成樹脂粒子を加圧
加熱処理してなるリン酸カルシウム−合成樹脂複合層を
表面に有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた加工性、耐
衝撃性及び生体適合性を有するとともに、水分に対して
安定なリン酸カルシウム−合成樹脂複合体、及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】リン酸
カルシウムは生体適合性に優れ、人工歯根、骨補強材、
歯科用セメント等の生体材料として利用されているが、
セラミックスであるため靭性に劣り、耐衝撃性を必要と
する部位には使用できない。そのため人工歯根、骨補強
材等はチタンやステンレススチール等、人体為害性のな
い金属材料により形成されている。しかしながら、生体
適合性の観点からはリン酸カルシウム系化合物の方がは
るかに優れているため、リン酸カルシウム系化合物、な
かでもハイドロキシアパタイトを使用することが望まれ
ている。
【0003】このような事情下で、リン酸カルシウム系
化合物をガラス材料、金属材料又は合成樹脂と複合化す
ることが試みられており、既に一部では実用化されてい
る。ところがガラス材料と複合化した場合、ガラスが生
体内で経時的に溶出するという問題がある。
【0004】リン酸カルシウム系化合物と金属材料との
複合材は、一般に金属枠内にリン酸カルシウム系化合物
粒子を埋設するか、金属粉体とリン酸カルシウム系化合
物粉体との混合物を焼結することにより得られる。しか
しながら前者の場合、生体内でリン酸カルシウム系化合
物のズレが生じる恐れがある。また後者の場合、複合焼
結体の表面に露出しているリン酸カルシウム系化合物粒
子が脱落しやすい。
【0005】溶融した合成樹脂とリン酸カルシウム粒子
とを混練し、複合化する試みも行われているが、混練時
にリン酸カルシウム粒子が崩壊しやすく、また複合体を
成形加工する際に溶融した合成樹脂粒子が、リン酸カル
シウム粒子の表面を覆いやすい欠点がある。さらに切削
加工時にバリが生じるといった問題もある。
【0006】そこで本発明者らは、リン酸カルシウム粒
子と合成樹脂の架橋粒子とを加圧加熱処理することによ
り、合成樹脂の架橋粒子同士が接合したリン酸カルシウ
ム−合成樹脂複合体が得られることを提案した(特願20
01-064032号)。この複合体は優れた加工性、耐衝撃性
及び生体適合性を有しているが、粒子間の結合の強さが
十分でないため、水分の存在下で膨潤し、脆くなりやす
い。
【0007】従って本発明の目的は、上記技術の欠点を
解消し、優れた加工性、耐衝撃性及び生体適合性を有す
るとともに水分に対して安定なリン酸カルシウム−合成
樹脂複合体、及びその製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、リン酸カルシウム粒子、架橋合
成樹脂粒子及び非架橋合成樹脂粒子が適度に接合してな
る複合層を表面に有するリン酸カルシウム−合成樹脂複
合体は、加工性、耐衝撃性及び生体適合性に優れ、水分
に対して安定であることを見出し、本発明に想到した。
【0009】すなわち、本発明のリン酸カルシウム−合
成樹脂複合体は、リン酸カルシウム粒子、予め少なくと
も部分的に架橋した合成樹脂粒子及び非架橋合成樹脂粒
子を加圧加熱処理してなるリン酸カルシウム−合成樹脂
複合層を表面に有することを特徴とする。架橋合成樹脂
粒子は熱硬化性を有するので、加圧加熱処理後もある程
度形状を保っている。非架橋合成樹脂粒子は熱可塑性を
有し、加圧加熱処理によって軟化するため、伸展して各
粒子間の空隙に入り込み、バインダーとして機能する。
【0010】リン酸カルシウム粒子は、通常の状態では
合成樹脂によって強固に保持されているが、切削研磨時
には合成樹脂相互の界面、及びリン酸カルシウム粒子と
合成樹脂との界面が剥がれる。このように本発明のリン
酸カルシウム−合成樹脂複合体は、溶融した合成樹脂が
リン酸カルシウム粒子の表面を覆ってしまうことがな
く、加工により架橋合成樹脂粒子が表面から脱落し、リ
ン酸カルシウム粒子が表面に露出するので、極めて加工
性に優れている。また非架橋合成樹脂を含有することに
より、各粒子が強固に接合するので、複合体は強度に優
れ、水分が存在しても膨潤して崩壊することはない。
【0011】本発明のリン酸カルシウム−合成樹脂複合
体は、合成樹脂ブロックからなる内層を有するのが好ま
しく、合成樹脂ブロックは予め少なくとも部分的に架橋
した合成樹脂粒子及び非架橋合成樹脂からなるのが好ま
しい。
【0012】リン酸カルシウム−合成樹脂複合層におけ
る架橋合成樹脂粒子/非架橋合成樹脂粒子の重量比は、
99.8/0.2〜50/50とするのが好ましい。架橋合成樹脂
及び非架橋合成樹脂の少なくとも一部は、非水溶性のア
クリル樹脂又はポリスチレン樹脂であるのが好ましい。
【0013】本発明に使用するリン酸カルシウム粒子と
しては、多孔質粒子であって、予め500〜1300℃で仮焼
したものが好ましい。リン酸カルシウム粒子の平均粒径
は0.001〜10 mmであるのが好ましく、カルシウム/リン
比のモル比は1.4〜2.0であるのが好ましい。
【0014】複合層におけるリン酸カルシウム粒子/
(架橋合成樹脂粒子+非架橋合成樹脂粒子)の重量比は
1/9〜8/2であるのが好ましい。加圧加熱処理は真
空又は酸素を含まない(N2ガス等の不活性ガス)雰囲気
中で行うのが好ましい。
【0015】また本発明のリン酸カルシウム−合成樹脂
複合体の製造方法は、(a)リン酸カルシウム粒子を仮焼
する工程と、(b)表面にリン酸カルシウム粒子が存在
し、リン酸カルシウム粒子を架橋合成樹脂粒子及び非架
橋合成樹脂粒子が包囲するように、両合成樹脂粒子及び
リン酸カルシウム粒子を成形型に充填する工程と、(c)
リン酸カルシウム粒子及び/又は非架橋合成樹脂粒子に
接合した架橋合成樹脂粒子が加工時に脱落自在となる条
件で成形型内の充填物を加圧加熱処理する工程とを有す
ることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のリン酸カルシウム−合成
樹脂複合体は、リン酸カルシウム粒子、予め少なくとも
部分的に架橋した合成樹脂粒子及び非架橋合成樹脂粒子
を加圧加熱処理してなるリン酸カルシウム−合成樹脂複
合層を表面に有する。以下本発明のリン酸カルシウム−
合成樹脂複合体の構成、各要素及び製造方法について詳
述する。
【0017】[1] リン酸カルシウム−合成樹脂複合体の
構成 図1はリン酸カルシウム粒子及び合成樹脂粒子の混合物
(加圧加熱処理前)を示し、図2は加圧加熱処理によっ
て成型されたリン酸カルシウム−合成樹脂複合層を示
す。このように、加圧加熱処理前にはリン酸カルシウム
粒子31、架橋合成樹脂粒子32及び非架橋合成樹脂粒子33
の間にそれぞれ空隙が存在する(図1)。加圧加熱処理
すると、非架橋合成樹脂粒子33が軟化し、適度に融合し
て非架橋合成樹脂34となる。この非架橋合成樹脂34が架
橋合成樹脂粒子32とリン酸カルシウム粒子31の間の空隙
を埋めるので、各粒子が接合した構造のリン酸カルシウ
ム−合成樹脂複合層が得られる(図2)。
【0018】本発明のリン酸カルシウム−合成樹脂複合
体は、表面にリン酸カルシウム粒子が存在するため、高
い生体適合性を有する。図3〜図8は本発明の実施例に
よるリン酸カルシウム−合成樹脂複合体の構造を示す縦
断面図である。図3に示すリン酸カルシウム−合成樹脂
複合体3は上下に2つのリン酸カルシウム−合成樹脂複
合層3a、3aを有し、それらの間に内層3bを有する。複合
層3a、3aはリン酸カルシウム粒子31、架橋合成樹脂粒子
32及び非架橋合成樹脂34からなり、内層3bは一塊の架橋
合成樹脂ブロック35からなる。複合層3a、3aにおいて
は、架橋合成樹脂粒子32及び非架橋合成樹脂34がリン酸
カルシウム粒子31を取り囲んで接合している。図4に示
すリン酸カルシウム−合成樹脂複合体3は、図3に示す
実施例の変形例の一つであり、円柱形の複合体3の外側
面に複合層3aを有し、中心に内層3bを有する以外、図3
に示す実施例と同様である。図5に示すリン酸カルシウ
ム−合成樹脂複合体3は、図3に示す実施例の別の変形
例である。この例においては、上下及び側面の合計6面
に複合層3aが設けられており、内層3bを囲んでいる。
【0019】図6は本発明の別の実施例によるリン酸カ
ルシウム−合成樹脂複合体3を示す。このリン酸カルシ
ウム−合成樹脂複合体3の内層3bは、図3に示す実施例
と異なり、架橋合成樹脂粒子32と非架橋合成樹脂粒子33
の混合物を加圧加熱処理してなる。内層3bでは、非架橋
合成樹脂粒子33が加圧加熱処理により少なくとも部分的
に融合して非架橋合成樹脂34となり、架橋合成樹脂粒子
32間の空隙を充填している。リン酸カルシウム−合成樹
脂複合層3a、3aの構成は図3に示した実施例と同様であ
る。
【0020】図7は本発明のさらに別の実施例によるリ
ン酸カルシウム−合成樹脂複合体3を示す。この例で
は、内層3bを構成する架橋合成樹脂粒子32及び非架橋合
成樹脂34が不均一に配置されている。すなわち内層3bの
中心付近はほぼ架橋合成樹脂粒子32のみからなり、中心
から上下方向へ離れるにつれて、架橋合成樹脂粒子32の
割合が減少し、非架橋合成樹脂34の割合が増加する。複
合層3a、3aの構成は図3に示した実施例と同様である。
【0021】図8は本発明のさらに別の実施例によるリ
ン酸カルシウム−合成樹脂複合体3を示す。この実施例
において内層3bは、互いに接合した架橋合成樹脂粒子32
からなる。
【0022】[2] 合成樹脂 本発明のリン酸カルシウム−合成樹脂複合体の複合層に
は予め少なくとも部分的に架橋した合成樹脂粒子及び非
架橋合成樹脂粒子を混合して用いる。内層は合成樹脂ブ
ロックからなるのが好ましく、合成樹脂ブロックとして
は予め少なくとも部分的に架橋した合成樹脂粒子及び非
架橋合成樹脂、又は一塊の架橋合成樹脂を用いるのが好
ましい。合成樹脂粒子を使用した場合、熱可塑性の非架
橋合成樹脂粒子が伸展して粒子間の空隙を満たす。
【0023】合成樹脂としては、人体為害性のないもの
であれば特に限定なく、公知の材料を使用できる。架橋
合成樹脂及び非架橋合成樹脂の少なくとも一部は非水溶
性のアクリル樹脂又はポリスチレン樹脂であるのが好ま
しく、ポリメチルメタクリレートであるのが特に好まし
い。架橋合成樹脂及び非架橋合成樹脂は、同じ材料を用
いてもよいし、異なる材料を用いてもよい。
【0024】リン酸カルシウム−合成樹脂複合層におけ
る架橋合成樹脂粒子/非架橋合成樹脂粒子の重量比は9
9.8/0.2〜50/50であるのが好ましい。重量比が99.8/
0.2を超えると、複合体は水分に対し十分な安定性を得
ることができず、また50/50未満の場合は加工性が低下
する。
【0025】架橋合成樹脂粒子及び非架橋合成樹脂粒子
の平均粒径は0.05〜500μmであるのが好ましく、0.1〜1
00μmであるのがより好ましい。また合成樹脂粒子の平
均粒径は、リン酸カルシウム粒子の平均粒径よりも小さ
いのが好ましい。
【0026】[3] リン酸カルシウム粒子 本発明に用いるリン酸カルシウム粒子のカルシウム/リ
ンのモル比は1.4〜2.0であるのが好ましく、具体的には
ハイドロキシアパタイト、フッ素アパタイト等のアパタ
イト類、リン酸三カルシウム、リン酸四カルシウム及び
これらのうち2種以上の混合粉体が挙げられる。
【0027】リン酸カルシウム粒子は多孔質粒子であっ
ても非多孔質粒子であってもよいが、好ましくは前者で
ある。多孔質粒子の場合、気孔率は20〜70%であるのが
好ましい。細孔は大小様々であるが、10〜2000μmの径
を有するのが好ましい。
【0028】また本発明に使用するリン酸カルシウム粒
子は、加圧加熱処理前に予め仮焼するのが好ましい。そ
の場合、仮焼温度は500〜1300℃であるのが好ましく、7
00〜1200℃であるのがより好ましい。仮焼温度が500℃
より低いと、加圧加熱処理中にリン酸カルシウム粒子が
崩壊しやすくなり、多孔質のリン酸カルシウム粒子を用
いた場合には加圧により変形し、気孔がつぶれて多孔性
が失われる。仮焼温度が1300℃より高いと、リン酸カル
シウム系化合物の分解又は劣化が起こるので好ましくな
い。
【0029】仮焼時間(上記仮焼温度に保持する時間)
は、1〜10時間とするのが好ましく、2〜5時間とする
のがより好ましい。仮焼時間を1時間未満とすると仮焼
効果が得られず、10時間を超えて処理しても効果に変化
が見られないのでコスト高となる。また仮焼の雰囲気は
特に限定されないが、リン酸カルシウム系化合物の分解
を防止するために、大気中で行うのが好ましい。
【0030】仮焼したリン酸カルシウムは、粒度調製す
るのがよい。リン酸カルシウム粒子の平均粒径は、0.00
1〜10 mmとするのが好ましく、0.01〜6.0 mmとするのが
より好ましい。リン酸カルシウム粒子の平均粒径が10 m
mを超えると、リン酸カルシウム−合成樹脂複合体から
リン酸カルシウム粒子が脱落しやすくなるので好ましく
ない。また0.001 mm未満であると、凝集しやすく分散性
が悪い上、コストが高くなる。
【0031】[4] 加圧加熱処理 (1) 加圧加熱装置 本発明ではリン酸カルシウム−合成樹脂複合体を製造す
るのに加圧加熱法を利用する。加圧加熱法とは、熱源に
接続した一対の型の間にリン酸カルシウム粒子と合成樹
脂を充填し、加圧しながら加熱する方法である。加圧加
熱は真空、又は酸素を除去しHe、Ar、N2等の不活性ガス
を満たした(ガス置換)雰囲気中で行うのが好ましい。
【0032】真空又は酸素を含まない雰囲気中(ガス置
換)で加圧加熱処理を行う装置について、図9〜図11を
参照して説明する。図9に示す加圧加熱装置1は、真空
ポンプ7を設けた真空チャンバー6、その中に配置した
成形型2、成形型2内を上下して充填物であるリン酸カ
ルシウム粒子と合成樹脂の混合物3'を加圧するパンチ4
a、4b及び各パンチ4a、4bを駆動するラム5a、5bを有す
る。成形型2内には、処理温度を測定するための熱電対
(図示せず)が設けられている。またガスポンプ11には
ガス導入口及びガスボンベが設けられている。
【0033】各ラム5a、5bは、加圧駆動機構9により駆
動されてリン酸カルシウム粒子と合成樹脂の混合物3'を
加圧するとともに、給電端子(図示せず)を介して電源
8と接続し、パンチ4a、4bを加熱する。制御部10は加圧
駆動機構9、電源8、真空ポンプ7及び熱電対に接続さ
れており、成形型2内の焼結圧力及び焼結温度、真空チ
ャンバー6内の真空度等を制御する。
【0034】図9に示すように、成形型2は環状構造を
有し、断面が円形、小判形、長方形等のキャビティー2a
を有する。各パンチ4a、4bは成形型2のキャビティー2a
内を上下動するように、キャビティー2aよりも僅かに小
さい断面を有する。各パンチ4a、4bはラム5a、5bに固定
されている。
【0035】(2) リン酸カルシウム粒子及び合成樹脂の
充填 リン酸カルシウム粒子と合成樹脂の混合物3'を、図10に
示すように成形型2のキャビティー2aに充填する。この
時、表面の少なくとも一部にリン酸カルシウム粒子が存
在し、リン酸カルシウム粒子31を架橋合成樹脂粒子32及
び非架橋合成樹脂粒子33が包囲するように充填する(図
1)。リン酸カルシウム粒子/(架橋合成樹脂粒子+非
架橋合成樹脂粒子)の重量比は1/9〜8/2とするの
が好ましい。重量比が8/2を超えると、リン酸カルシ
ウム粒子の周囲が合成樹脂粒子で満たされず、複合体か
らリン酸カルシウム粒子が脱落しやすくなる。一方、重
量比が1/9未満だとリン酸カルシウムの割合が低す
ぎ、生体適合性が低下するので好ましくない。
【0036】内層の合成樹脂ブロックとしては、予め少
なくとも部分的に架橋した合成樹脂粒子及び非架橋合成
樹脂粒子、又は一塊の架橋合成樹脂を用いるのが好まし
い。リン酸カルシウム−合成樹脂複合層及び内層が例え
ば図3〜図8に示した構造となるように、キャビティー
2aに充填する。複合層3aの厚さは限定されず、リン酸カ
ルシウム粒子31が単層を形成しても、複層を形成しても
良い。実用上の観点から、複合層3aの厚さは1.0〜6.0 m
m程度でよい。内層3bの厚さは、十分な機械的強度、特
に曲げ強度を得ることができるものであれば特に限定さ
れず、1.0〜5.0mm程度でよい。
【0037】(3) 加圧加熱処理 リン酸カルシウム粒子と合成樹脂の混合物3'をキャビテ
ィー2aに充填し、図11に示すように成形型2を組立てた
後、真空チャンバー6を密閉して真空ポンプ7により脱
気し、10-2 Torr程度の真空度に保つ。その後N2ガスやH
e、Arのような不活性ガスで置換してもよい。この処理
で脱酸素(低濃度)状態にすることにより、合成樹脂の
酸化分解を防止できる。
【0038】制御部10により加圧駆動機構9が作動し
て、ラム5a、5bの少なくとも一方が互いに接近する方向
に移動し、これらに固定されたパンチ4a、4bがリン酸カ
ルシウム粒子と合成樹脂の混合物3'を加圧する。パンチ
4a、4bによる加圧力は0.5〜50MPaとするのが好ましく、
1.0〜20 MPaとするのがより好ましい。加圧力が0.5 MPa
より小さいと粒子同士の接合が不充分となり、複合体か
ら粒子が脱落しやすくなる。また50 MPaより大きくして
もそれに見合う形態保持性の向上が得られず、かえって
リン酸カルシウム粒子が崩壊する等の問題が生じるだけ
である。
【0039】次いで電源8により加熱したパンチ4a、4b
が、リン酸カルシウム粒子及び合成樹脂を加圧下で加熱
する。これによって複合層ではリン酸カルシウム粒子、
架橋合成樹脂粒子及び非架橋合成樹脂粒子が接合する。
【0040】混合物3'の加熱は、予め設定した昇温プロ
グラムに従って行うのがよい。その場合、成形型2に設
けた熱電対(図示せず)により混合物3'の温度を検出
し、熱電対の出力を制御部10に入力する。制御部10は入
力した温度データに基づき昇温プログラム通りに昇温さ
せるための信号を作成し、それを電源8に出力する。電
源8は制御部10からの命令に従って適当な電圧をラム5
a、5bに供給する。
【0041】加熱温度は130〜300℃であるのが好まし
く、150〜250℃であるのがより好ましい。加熱温度が13
0℃未満だと合成樹脂粒子同士の密着が不充分となり、
複合体から粒子が脱落しやすくなる。また加熱温度が30
0℃を超えると合成樹脂粒子が粒子形状を保てず、溶融
して一体化してしまう場合があるので好ましくない。
【0042】加熱時間(加熱温度に保持する時間)は1
〜30分間とするのが好ましく、3〜10分間とするのがよ
り好ましい。加熱時間が1分間より短いと合成樹脂粒子
同士の密着が不充分であり、また30分間より長くしても
密着力の向上が生じないので好ましくない。
【0043】加圧加熱処理終了後のリン酸カルシウム−
合成樹脂複合体を室温まで放冷し、成形型より取出す。
複合体の表面にリン酸カルシウムが十分露出していない
場合には、表面を研削してもよい。この加工により架橋
合成樹脂粒子が表面から脱落し、リン酸カルシウム粒子
が表面に露出する。
【0044】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0045】実施例1 図3に示す構造のリン酸カルシウム−合成樹脂複合体を
得るべく、リン酸カルシウム粒子及び合成樹脂の混合物
を加圧加熱装置の成形型(内27×35 mm)に充填した。
各層の構成を以下に示す。 複合層:1200℃の大気炉で仮焼した4.00 gの多孔質リン
酸カルシウム粒子(粒径0.2〜0.3 mm、カルシウム/リ
ン比1.67、気孔率30%)、1.60 gの架橋アクリル粉体
(平均粒径15μm、ケミスノーMX-1500H、綜研化学
(株))及び0.40 gの非架橋アクリル粉体(平均粒径1.5
μm、ケミスノーMP-1400、綜研化学(株)) 内層:架橋ポリメチルメタクリレートブロック(27.0×
35.0×5 mm)
【0046】次に上下から10 MPaの加圧を行い、加熱し
て240℃で5分間保持した。その後冷却し室温で加圧を
開放した。これにより、27.0×35.0×8.3 mm(複合層の
厚み上下各1.7 mm)のリン酸カルシウム−合成樹脂複合
体が成形できた。この複合体の表面をフライスを用いて
0.1 mm削り、走査型電子顕微鏡で観察した結果、リン酸
カルシウムがアクリル樹脂に覆われることなく表面に良
好に露出していた。またリン酸カルシウム−合成樹脂複
合体の三点曲げ強度は62 MPaであった。さらに、7日間
生理食塩水中に浸漬した後のこのリン酸カルシウム−合
成樹脂複合体の三点曲げ強度は53 MPaであった。なお、
三点曲げ強度測定は、複合体層の長手方向の面が装置の
上下に位置するように設置して行った。
【0047】実施例2 図3に示す構造のリン酸カルシウム−合成樹脂複合体を
得るべく、リン酸カルシウム粒子及び合成樹脂の混合物
を加圧加熱装置の成形型(内27×35 mm)に充填した。
各層の構成を以下に示す。 複合層:700℃の大気炉で仮焼結した4.8 gの多孔質リン
酸カルシウム粒子(平均粒径0.01 mm、カルシウム/リ
ン比1.50、気孔率30%)、1.0 gの架橋アクリル粉体
(平均粒径15μm、ケミスノーMX-1500H、綜研化学
(株))、及び0.20 gの非架橋アクリル粉体(平均粒径0.
40μm、ケミスノーMP-1000、綜研化学(株)) 内層:架橋ポリメチルメタクリレートブロック(27.0×
35.0×5 mm)
【0048】次に上下から5MPaの加圧を行い、加熱し
て170℃で10分間保持した。その後冷却し室温で加圧を
開放した。これにより、27.0×35.0×7.9 mm(複合層の
厚み上下各1.5 mm)のリン酸カルシウム−合成樹脂複合
体が成形できた。この複合体の表面をフライスを用いて
0.1 mm削り、走査型電子顕微鏡で観察した結果、リン酸
カルシウムがアクリル樹脂に覆われることなく表面に良
好に露出していた。またリン酸カルシウム−合成樹脂複
合体の三点曲げ強度は58 MPaであった。さらに、7日間
生理食塩水中に浸漬した後のこのリン酸カルシウム−合
成樹脂複合体の三点曲げ強度は44 MPaであった。なお、
三点曲げ強度測定は、複合体層の長手方向の面が装置の
上下に位置するように設置して行った。
【0049】実施例3 図3に示す構造のリン酸カルシウム−合成樹脂複合体を
得るべく、リン酸カルシウム粒子及び合成樹脂の混合物
を加圧加熱装置の成形型(内27×35 mm)に充填した。
各層の構成を以下に示す。 複合層:1000℃の大気炉で仮焼結した1.60 gの多孔質リ
ン酸カルシウム粒子(粒径1.0〜3.0 mm、カルシウム/
リン比1.67、気孔率30%)、3.20gの架橋アクリル粉体
(平均粒径1.5μm、ケミスノーMX-150、綜研化学
(株))、及び3.20gの非架橋アクリル粉体(平均粒径1.5
μm、ケミスノーMP-1400、綜研化学(株)) 内層:架橋ポリメチルメタクリレートブロック(27.0×
35.0×2 mm)
【0050】次に上下から10 MPaの加圧を行い、加熱し
て240℃で5分間保持した。その後冷却し室温で加圧を
開放した。これにより、27.0×35.0×8.2 mm(複合層の
厚み上下各3.2 mm)のリン酸カルシウム−合成樹脂複合
体が成形できた。この複合体の表面をフライスを用いて
0.1 mm削り、走査型電子顕微鏡で観察した結果、リン酸
カルシウムがアクリル樹脂に覆われることなく表面に良
好に露出していた。またリン酸カルシウム−合成樹脂複
合体の三点曲げ強度は50 MPaであった。さらに、7日間
生理食塩水中に浸漬した後のこのリン酸カルシウム−合
成樹脂複合体の三点曲げ強度は45 MPaであった。なお、
三点曲げ強度測定は、複合体層の長手方向の面が装置の
上下に位置するように設置して行った。
【0051】実施例4 図4に示す構造のリン酸カルシウム−合成樹脂複合体を
得るべく、リン酸カルシウム粒子及び合成樹脂の混合物
を加圧加熱装置の円筒形キャビティーを有する成形型
(内径20 mm)に充填した。各層の構成を以下に示す。 複合層:1200℃の大気炉で仮焼した3.00gの多孔質リン
酸カルシウム粒子(粒径0.2〜0.3 mm、カルシウム/リ
ン比1.67、気孔率30%)、2.99gの架橋アクリル粉体
(平均粒径15μm、ケミスノーMX-1500H、綜研化学
(株))及び0.01gの非架橋アクリル粉体(平均粒径1.5μ
m、ケミスノーMP-1400、綜研化学(株)) 内層:架橋ポリメチルメタクリレートブロック(φ15 m
m×25 mm)
【0052】次に上下から10 MPaの加圧を行い、加熱し
て240℃で5分間保持した。その後冷却し室温で加圧を
開放した。これにより、φ20×25 mm(複合層の厚み2.5
mm)のリン酸カルシウム−合成樹脂複合体が成形でき
た。この複合体の表面をフライス及び旋盤を用いて0.2
mm削り、走査型電子顕微鏡で観察した結果、リン酸カル
シウムがアクリル樹脂に覆われることなく表面に良好に
露出していた。またリン酸カルシウム−合成樹脂複合体
の三点曲げ強度は72 MPaであった。さらに、7日間生理
食塩水中に浸漬した後のこのリン酸カルシウム−合成樹
脂複合体の三点曲げ強度は66 MPaであった。なお、三点
曲げ強度測定は、複合体層の長手方向の面(図4におけ
る左右)が装置の上下に位置するように設置して行っ
た。
【0053】実施例5 図6に示す構造のリン酸カルシウム−合成樹脂複合体を
得るべく、リン酸カルシウム粒子及び合成樹脂の混合物
を加圧加熱装置の成形型(内27×35 mm)に充填した。
各層の構成を以下に示す。 複合層:1200℃の大気炉で仮焼した3.00 gの多孔質リン
酸カルシウム粒子(粒径0.2〜0.3 mm、カルシウム/リ
ン比1.67、気孔率30%)、0.80 gの架橋アクリル粉体
(平均粒径3μm、ケミスノーMX-300、綜研化学(株))
及び0.20 gの非架橋アクリル粉体(平均粒径1.5μm、ケ
ミスノーMP-1400、綜研化学(株)) 内層:1.50 gの架橋アクリル粉体(平均粒径3μm、ケ
ミスノーMX-300、綜研化学(株))及び1.50 gの非架橋ア
クリル粉体(平均粒径1.5μm、ケミスノーMP-1400、綜
研化学(株))
【0054】次に上下から10 MPaの加圧を行い、加熱し
て240℃で5分間保持した。その後冷却し室温で加圧を
開放した。これにより、12.0×22.0×5.5 mm(複合層の
厚み上下各1.0 mm)のリン酸カルシウム−合成樹脂複合
体が成形できた。この複合体の表面をフライスを用いて
0.2 mm削り、走査型電子顕微鏡で観察した結果、リン酸
カルシウムがアクリル樹脂に覆われることなく表面に良
好に露出していた。またリン酸カルシウム−合成樹脂複
合体の三点曲げ強度は55 MPaであった。さらに、7日間
生理食塩水中に浸漬した後のこのリン酸カルシウム−合
成樹脂複合体の三点曲げ強度は42 MPaであった。なお、
三点曲げ強度測定は、複合体層の長手方向の面が装置の
上下に位置するように設置して行った。
【0055】
【発明の効果】以上の通り、本発明のリン酸カルシウム
−合成樹脂複合体の複合層は、合成樹脂粒子がリン酸カ
ルシウム粒子を取り囲んだ構造となっている。そのため
通常の状態では、リン酸カルシウム粒子は合成樹脂粒子
によって強固に保持されているが、合成樹脂粒子が完全
に溶融してリン酸カルシウム粒子の表面を覆ってしまう
といった問題がなく、極めて加工性に優れている。また
非架橋合成樹脂が粒子間の空隙を充填し、バインダーと
して機能するので、水分に対する安定性に優れたリン酸
カルシウム−合成樹脂複合体を得ることができる。
【0056】かかる構造を有する本発明のリン酸カルシ
ウム−合成樹脂複合体は、人工歯根や骨補強材等の用途
に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 リン酸カルシウム粒子と合成樹脂粒子の混合
物(加圧加熱処理前)を示す拡大断面図である。
【図2】 リン酸カルシウム−合成樹脂複合層を示す拡
大断面図である。
【図3】 本発明の一実施例によるリン酸カルシウム−
合成樹脂複合体の構造を示す縦断面図である。
【図4】 本発明の別の実施例によるリン酸カルシウム
−合成樹脂複合体の構造を示す縦断面図である。
【図5】 本発明のさらに別の実施例によるリン酸カル
シウム−合成樹脂複合体の構造を示す縦断面図である。
【図6】 本発明のさらに別の実施例によるリン酸カル
シウム−合成樹脂複合体の構造を示す縦断面図である。
【図7】 本発明のさらに別の実施例によるリン酸カル
シウム−合成樹脂複合体の構造を示す縦断面図である。
【図8】 本発明のさらに別の実施例によるリン酸カル
シウム−合成樹脂複合体の構造を示す縦断面図である。
【図9】 本発明の方法を実施するための真空加圧加熱
装置の構成を示す概略図である。
【図10】 図9の真空加圧加熱装置の成形部位を示す分
解図である。
【図11】 図9の真空加圧加熱装置の成形型にリン酸カ
ルシウム粒子と合成樹脂を充填した状態を示す縦断面図
である。
【符号の説明】
1・・・加圧加熱装置 2・・・成形型 2a・・・キャビティー 3・・・リン酸カルシウム−合成樹脂複合体 3'・・・リン酸カルシウム粒子と合成樹脂の混合物(加
圧加熱処理前) 3a・・・リン酸カルシウム−合成樹脂複合層 3b・・・内層 4a・・・(上)パンチ 4b・・・(下)パンチ 5a,5b・・・ラム 6・・・真空チャンバー 7・・・真空ポンプ 8・・・電源 9・・・加圧駆動機構 10・・・制御部 11・・・ガスポンプ 31・・・リン酸カルシウム粒子 32・・・架橋合成樹脂粒子 33・・・非架橋合成樹脂粒子 34・・・非架橋合成樹脂 35・・・合成樹脂ブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C081 AB03 AB06 BB07 CA022 CA082 CF011 DA01 EA04 4J002 BC03W BC03X BG04W BG04X BG06W BG06X DH046 FD206 GE00

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン酸カルシウム粒子、予め少なくとも
    部分的に架橋した合成樹脂粒子及び非架橋合成樹脂粒子
    を加圧加熱処理してなるリン酸カルシウム−合成樹脂複
    合層を表面に有することを特徴とするリン酸カルシウム
    −合成樹脂複合体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のリン酸カルシウム−合
    成樹脂複合体において、加工により前記架橋合成樹脂粒
    子が表面から脱落し、前記リン酸カルシウム粒子が表面
    に露出することを特徴とするリン酸カルシウム−合成樹
    脂複合体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のリン酸カルシウ
    ム−合成樹脂複合体において、合成樹脂ブロックからな
    る内層を有することを特徴とするリン酸カルシウム−合
    成樹脂複合体。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のリン酸カルシウム−合
    成樹脂複合体において、前記内層が予め少なくとも部分
    的に架橋した合成樹脂粒子及び非架橋合成樹脂からなる
    ことを特徴とするリン酸カルシウム−合成樹脂複合体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のリン酸
    カルシウム−合成樹脂複合体において、前記複合層にお
    ける前記架橋合成樹脂粒子/前記非架橋合成樹脂粒子の
    重量比が99.8/0.2〜50/50であることを特徴とするリ
    ン酸カルシウム−合成樹脂複合体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のリン酸
    カルシウム−合成樹脂複合体において、前記架橋合成樹
    脂及び前記非架橋合成樹脂の少なくとも一部が非水溶性
    のアクリル樹脂又はポリスチレン樹脂であることを特徴
    とするリン酸カルシウム−合成樹脂複合体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のリン酸
    カルシウム−合成樹脂複合体において、前記リン酸カル
    シウム粒子が予め仮焼されていることを特徴とするリン
    酸カルシウム−合成樹脂複合体。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のリン酸カルシウム−合
    成樹脂複合体において、前記リン酸カルシウム粒子の仮
    焼温度が500〜1300℃であることを特徴とするリン酸カ
    ルシウム−合成樹脂複合体。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載のリン酸
    カルシウム−合成樹脂複合体において、前記リン酸カル
    シウム粒子が多孔質粒子であることを特徴とするリン酸
    カルシウム−合成樹脂複合体。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載のリン酸
    カルシウム−合成樹脂複合体において、前記リン酸カル
    シウム粒子の平均粒径が0.001〜10 mmであることを特徴
    とするリン酸カルシウム−合成樹脂複合体。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載のリン酸
    カルシウム−合成樹脂複合体において、前記リン酸カル
    シウム粒子のカルシウム/リンのモル比が1.4〜2.0であ
    ることを特徴とするリン酸カルシウム−合成樹脂複合
    体。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載のリン酸
    カルシウム−合成樹脂複合体において、前記複合層にお
    けるリン酸カルシウム粒子/(架橋合成樹脂粒子+非架
    橋合成樹脂粒子)の重量比が1/9〜8/2であること
    を特徴とするリン酸カルシウム−合成樹脂複合体。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載のリン酸
    カルシウム−合成樹脂複合体において、前記加圧加熱処
    理を真空又は酸素を含まない雰囲気中で行ったことを特
    徴とするリン酸カルシウム−合成樹脂複合体。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかに記載のリン酸
    カルシウム−合成樹脂複合体を製造する方法において、
    (a)前記リン酸カルシウム粒子を仮焼する工程と、(b)表
    面に前記リン酸カルシウム粒子が存在し、前記リン酸カ
    ルシウム粒子を前記架橋合成樹脂粒子及び前記非架橋合
    成樹脂粒子が包囲するように、両合成樹脂粒子及び前記
    リン酸カルシウム粒子を成形型に充填する工程と、(c)
    前記リン酸カルシウム粒子及び/又は前記非架橋合成樹
    脂粒子に接合した前記架橋合成樹脂粒子が加工時に脱落
    自在となる条件で前記成形型内の充填物を加圧加熱処理
    する工程とを有することを特徴とする方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載のリン酸カルシウム−合
    成樹脂複合体の製造方法において、前記リン酸カルシウ
    ム粒子の仮焼温度が500〜1300℃であることを特徴とす
    る方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010035827A (ja) * 2008-08-05 2010-02-18 Ngk Spark Plug Co Ltd 骨充填材

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